当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
〈経営理念〉
「バナーズグループは、住みやすく魅力的な街づくりや地域社会の活性化、安全で快適な車のある生活や音楽のある文化的な生活を提案することにより、人々に豊かさと幸福感をお届けします。人・社会・環境を大切にする経営により、すべてのステークホルダーから信頼され、社会に貢献できる企業をめざします。」
〈企業理念〉
①市場ニーズに的確に対応した商品やサービスの提供。
②本質的な情報収集と市場分析。~お客様の視点に立ち、お客様の声に耳を傾ける~
③顧客満足を実現するための高いスキルと創造力。
④社会の変化に素早く対応する柔軟性。
⑤自らの変革。~前例や業界の想念にとらわれることのない、成長への強い意志~
⑥持続的な企業価値向上のための長期安定的な収益力と経営基盤の確立。
(2)経営戦略等
①不動産利用事業
近年の少子高齢化等の社会状況の変化や地域社会のニーズに合致した、地域住民に愛され親しまれる生活密着型の店舗・施設作りを推進してまいりました。こうした経営資源の有効活用と収益基盤の拡大を目的として、埼玉県本庄市の当社所有のショッピングセンターの再開発に取り組み、第2期工事の残り1棟につきましても賃貸先の候補がいくつか見つかりつつあり、高騰している建築費と賃料のバランス等を慎重に考慮しながら対応をすすめてまいります。なお今後も引き続き既存施設における建物の構造や賃貸面積の最適化を図るとともに、好条件の賃貸用物件の取得に向けて積極的に取り組むことで、収益性の向上を目指します。
②自動車販売事業
自動車販売事業では、地域のお客様に「安心・安全・信頼」による快適な車のある生活を提案して、豊かさと幸福感を実感いただけるよう、日々活動しております。昨今の物価上昇により新車販売価格や中古車市場価格が上昇し、燃料費や運送費をはじめとする諸経費も高騰して、経営環境は厳しさを増しておりますが、顧客に対して丁寧な商品説明や残価型クレジットの提案等により、購入しやすさを感じていただけるように努めております。また、車両販売とともに修理点検の売上や保険契約の獲得件数の増加を目指して、従業員の教育や資格取得支援等にも取り組んでおります。
③楽器販売事業
楽器販売事業では、音楽のある文化的な生活を提案することにより、人々に豊かさと幸福感をお届けすべく事業活動を行っております。ダブルリード楽器の専門店としてプロ演奏家や音楽大学生から信頼されると同時に、吹奏楽部に入部したての中学生にも気軽に利用できるような店づくりを心がけており、ヨーロッパ製の楽器を主として、入門用から最高級のものまで多数取り揃え、専門の技術スタッフによる調整を加えてお客様にお渡ししております。一度購入いただいた楽器は定期的なメンテナンスを行い、故障修理等にも迅速丁寧に対応し、海外有名演奏家による店内ミニコンサートや講習会等も開催して、お客様の音楽レベルの向上にも努めております。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、安定的な収益力の増加、企業価値の向上を目指すに当たり、事業活動の成果を示す売上高、営業利益率、経常利益率、ROE(株主資本当期純利益率)を重要な経営指標と位置づけ、その向上に努めてまいります。
(4)経営環境
今後の経済情勢は、依然として先行き不透明な状況が継続すると思われます。
収益不動産マーケットにおいては、価格水準が高く利回りも低いため適正な投資案件不足が続いており、しばらくはこの状況が継続するものと思われます。
このような事業環境下、慎重にマーケットの変化を注視しながら当社のレベルに見合う安定的な収益物件を新たに取得して賃料収入の増加を図るとともに、保有物件の開発も進めて収益を確保してまいります。
また、当社グループとしましては、柔軟かつ効率的な組織体制と、経営環境の変化や社会的な要請に対して迅速かつ的確に対応できる経営体制を確立して経営管理体制の強化を図ります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
持続的な企業価値向上のためには、資本の更なる有効活用により収益力と財務基盤の強化が必要であると考えております。今後、それぞれの事業環境の変化を慎重に注視しながら、不動産事業においては長期安定的な収益が期待できる物件への積極投資、自動車販売・楽器販売事業においては積極的な新規市場開拓や既存市場での新商品・新サービス投入による売上拡大を図ります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社グループは、サステナビリティ基本方針を制定し、社会のサステナビリティを踏まえた企業の目指すべき方向性や長期的な基本戦略の策定は、取締役会において議論し、決定することとしております。また、各部門スタッフを構成員とするサステナビリティ推進チームを設置し、全社的・事業横断的なサステナビリティに関する取組を推進する体制としております。
(2)戦略
短期、中期及び長期にわたり当社グループの経営方針・経営戦略等に影響を与える可能性があるサステナビリティ関連のリスク及び機会に対処するための取組のうち、重要なものはありません。
(3)リスク管理
当社グループは、取締役会において当社グループを取り巻く環境変化やサステナビリティ推進チームの活動成果について議論し、サステナビリティ関連のリスク及び機会として認識した課題において、優先度を評価し、迅速な意思決定を図っております。
(4)指標及び目標
サステナビリティ関連のリスク及び機会に関する当社グループの実績を長期的に評価し、管理し、及び監視するために用いられる情報のうち、重要なものはありません。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経済情勢
当社グループは、国内での不動産賃貸や自動車の仕入販売、楽器の輸入販売を行っております。従いまして、国内における当社グループの販売先、仕入先の市場の景気変動は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、外国為替レートの変動が当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)他社との競争
当社グループは、展開するそれぞれの事業分野で競合する他社との価格等の面で常に競争にさらされており、この結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)取引先への依存
当社グループの自動車販売事業は、製造会社の生産状況による影響を受け、不動産利用事業は賃貸先会社の業績の影響を受けます。このように取引先の業績が当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)環境問題を含む公的な規制
当社グループでは、不動産利用事業として自社所有物件の土地・建物の賃貸をしており、テナント誘致及び入替等の際には「大規模小売店舗立地法」の規制を受けます。
また、当社グループの販売する自動車は、排気ガス規制等の公的な規制を受ける製品でありますことから、今後新たな規制の追加や規制の強化等により当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)自然災害や事故
当社グループの不動産(建物)が地震や水害等の大規模な災害や火災等で被害を受けた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、2020年年初に顕在化した感染症の事例も踏まえ、当社グループは引き続き衛生管理の徹底や時差出勤・在宅勤務等の事業運営を実施しております。しかし、感染症が拡大した場合、集客の低下に加え、従業員の感染による出勤停止やサプライチェーンの停滞等により、当社グループの事業運営、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境が改善する下で緩やかな回復が続く一方、欧米における高い金利水準の継続に伴う影響や中国における不動産市場の停滞に伴う影響、通商政策等アメリカの政策動向による影響や国内の物価上昇による消費者マインドの下振れ等の景気を下押しするリスク等、先行き不透明な状況で推移いたしました。
このような事業環境下におきまして、当社グループは全社を挙げて各事業の特性及び付加価値性を活かした事業活動を推進いたしました。
不動産利用事業におきましては、埼玉県本庄市の既存物件の再開発を継続するとともに、他の既存物件の収益の安定確保に努めながら更なる有効活用を検討してまいりました。また、新規物件の取得はなかったものの、不動産市況や金利動向を考え合わせ、地域に根ざした成長性や資産性の見込める優良物件の取得に向けて、積極的に取り組んでまいりました。
自動車販売事業におきましては、「ZR-V」・「STEPWGN」・「VEZEL」・「FREED」・「FIT」・「Nシリーズ」を主軸とした販売活動を進め、また修理点検部門におきましては人員の技術向上に努め、Webを利用した点検予約システム等も活用した結果、増益となりました。新型車の発売時やキャンペーン実施時は積極的に宣伝活動を行うとともに、買い換え需要の掘り起こしや中古車への乗り換えの提案も行い、車両売上増加に努めました。また、サービス売上の増加を図るべく、車検や定期点検の案内をきめ細かく行い、作業効率向上のための設備投資を行いました。
楽器販売事業におきましては、世界的な物価上昇や円安の影響による仕入原価の上昇を反映した適正な価格設定を行った結果、大幅な値上げとなり、値上げ前の駆け込み需要が売上増加に繋がりました。同時に、経費削減や市場環境の変化に対応した商品投入及び販売活動の実施により収益の確保に努めました。また、リペア部門及び営業部門共に人員を増強することにより、万全なメンテナンスやアフターサービスを充実させ、専門性の高い選ばれ続けるサービスの提供に向けて体制を強化し、企業価値の向上に取り組んでまいりました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高5,601百万円(前年同期比119.6%)、営業利益343百万円(同126.2%)、経常利益316百万円(同130.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益250百万円(同135.8%)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(不動産利用事業)
売上高は419百万円(前年同期比102.2%)、セグメント利益は300百万円(同103.3%)となりました。
(自動車販売事業)
売上高は4,529百万円(前年同期比120.3%)、セグメント利益は94百万円(同127.8%)となりました。
(楽器販売事業)
売上高は652百万円(前年同期比128.2%)、セグメント利益は55百万円(同188.8%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ239百万円増加し、989百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって獲得した資金は、513百万円(前年同期は65百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益317百万円の計上や減価償却費187百万円の計上があったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって使用した資金は、35百万円(前年同期は111百万円の使用)となりました。これは主に定期預金の払戻による収入32百万円があった一方で、定期預金の預入による支出57百万円と有形固定資産の取得による支出16百万円があったためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって使用した資金は、239百万円(前年同期は497百万円の使用)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出187百万円と配当金の支払額60百万円があったためであります。
③生産・受注及び販売の実績
a.生産実績
該当事項はありません。
b.仕入実績
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
自動車販売事業 (千円) |
3,756,307 |
121.3 |
|
楽器販売事業 (千円) |
391,824 |
128.7 |
|
合計(千円) |
4,148,132 |
121.9 |
(注)金額は仕入価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
c.受注実績
該当事項はありません。
d.販売実績
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
不動産利用事業 (千円) |
419,572 |
102.2 |
|
自動車販売事業 (千円) |
4,529,059 |
120.3 |
|
楽器販売事業 (千円) |
652,639 |
128.2 |
|
合計(千円) |
5,601,271 |
119.6 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末の資産につきましては、8,870百万円となり、前連結会計年度末に比べ168百万円増加いたしました。流動資産は、現金及び預金の増加等により288百万円増加し、2,046百万円となりました。固定資産は、有形固定資産の減価償却等により120百万円減少し、6,823百万円となりました。
(負債の部)
当連結会計年度末の負債につきましては、6,210百万円となり、前連結会計年度末に比べ1百万円減少いたしました。流動負債は、支払手形及び買掛金の増加等により204百万円増加し、1,466百万円となりました。固定負債は、長期借入金の減少等により206百万円減少し、4,743百万円となりました。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産につきましては、2,660百万円となり、前連結会計年度末に比べ170百万円増加いたしました。
(b)経営成績
(売上高)
当連結会計年度における売上高は5,601百万円(前年同期比119.6%)となり、前連結会計年度と比べて916百万円増加いたしました。セグメント別の売上高については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は343百万円(前年同期比126.2%)となり、前連結会計年度と比べて71百万円増加いたしました。これは主に、売上総利益が増加したことによるものであります。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は316百万円(前年同期比130.4%)となり、前連結会計年度と比べて73百万円増加いたしました。これは主に、営業利益が増加したことによるものであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(a)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比べて239百万円増加し、989百万円となりました。
なお、各キャッシュ・フローの状況と増減につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(b)資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要のうち主なものは、経常的な運転資金の他、安定収入の維持拡大を目的とした既存保有不動産の開発及び新規物件の取得資金等であります。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって、当社グループで採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。