文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。これらの将来予測には、不確定な変動要素が含まれており、実際の成果や業績などは、記載の見通しとは異なる可能性があります。
(1) グループ経営理念(ミッション、創業の精神)
ワコールグループは、純粋持株会社である当社のもと、日本、米国、欧州、中国、東南アジアを中心に、インナーウェア事業などを展開し、従前から「人々の美しさに貢献することで、広く社会に寄与する」ことを目指して活動してきました。そして、2022年には、「世界中のあらゆる人々の豊かな生活に貢献する」こと、「画一的な外見美ではなく、内面も含めた自分らしさの実現をお手伝いする」こと、「環境や人権などさまざまな社会課題の解決に努める」ことを目指し、現代社会において私たちが果たすべき社会的使命「ミッション」を定義しました。この「ミッション」ならびに、70年を超える歴史の中で受け継いできた「創業の精神」をよりどころとして、各事業会社が複雑化・多様化する社会課題への取り組みを将来の「成長機会」として捉え、事業を通じて「社会課題の解決」と「持続的成長」の両立を目指す「サステナビリティ経営」を推進することで、企業価値の向上に努めていきます。
また、私たちの事業活動は、一人ひとりのお客様の声に耳を傾け、謙虚に自らを変革し、人と人とが互いに信頼し合う「相互信頼」を積み重ねることで成り立っております。企業経営の透明性を高めることに継続して取り組み、公正性、独立性を確保することを通じて、「株主」「顧客」「従業員」「取引先」「地域社会」などすべてのステークホルダーとの「相互信頼」の関係を構築することで、社会になくてはならない存在を目指していきます。
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ミッション |
ひとりひとりが 自分らしく美しく いられるように
世の中が 自信と思いやりに あふれるように
からだに こころに
いちばん近いところで 寄り添い続けます
からだのここちよさ、こころの美しさ。それはまるで引力のように、自分と社会とを結びつけてくれる。
ありたい自分を知り、一歩ずつ近づくこと。そこで生まれた自信は、多様な人々を受け入れる優しさを育む。
その優しさは、やがて社会や地球へも広がり、思いやりあふれる豊かな未来へとつながっていく。
からだに こころに いちばん近いところで、一人ひとりの輝きに寄り添い続けてきたワコールだから。
変化に挑み、成長を続けることで、世界を美しくする力になれる。私たちは、そう信じています。
グローバル・コーポレートメッセージ
Comfortable inside. Confident outside.
※「グローバル・コーポレートメッセージ」は、ワコールグループ共通のコミュニケーションメッセージです。
詳しくは、当社企業情報サイトの「ワコールグループについて」(https://www.wacoalholdings.jp/group/)をご覧ください。
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創業の精神 |
社是
わが社は 相互信頼を基調とした
格調の高い社風を確立し
一丸となって 世界のワコールを目指し
不断の前進を続けよう
目標
世の女性に美しくなって貰う事によって
広く社会に寄与する事こそ
わが社の理想であり目標であります
経営の基本方針
1. 愛される商品を作ります
2. 時代の要求する新製品を開発します
3. 大いなる将来を考え正々堂々と営業します
4. より良きワコールはより良き社員によって造られます
5. 失敗を恐れず成功を自惚れません
(2) 中長期的な会社の成長戦略と目標とする経営指標
①中長期経営戦略フレーム 「VISION 2030」
当社グループは、経営理念の実践に向けて、自社が抱える事業課題やお客様の価値観、社会・環境の変化を見据えつつ、長期的なゴールからのバックキャスティングにより、2030年に向けたグループの将来ビジョンを示す「VISION 2030」を策定いたしました。「VISION 2030」では、「高い感性と品質で、ひとりひとりのからだとこころに、美しさと豊かさを提供し、『世界のワコールグループ』として進化・成長する」ことを中長期的に目指す姿として掲げており、以下の取り組み項目を通じて、持続的な成長と企業価値の向上を実現させてまいります。
目指す姿:高い感性と品質で、ひとりひとりのからだとこころに、美しさと豊かさを提供し、『世界のワコールグループ』として進化・成長する
基本方針:革新的な視点で新たな価値を生み、持続的成長を実現する
事業領域:「美」「快適」「健康」領域を、「高い感性と品質」で支えられた新たな商品・サービスで深耕・拡大していく
重点戦略:
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重点戦略 |
マテリアリティ(重要課題) |
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サステナビリティ 経営の推進 |
国内の収益性向上と事業領域拡大 |
国内における着実な成長と、健康領域での新規事業創出 ・CX戦略の推進を通じた国内市場シェアの回復 ・「美・快適・健康」分野における事業領域の拡大 |
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海外事業の拡大と高収益構造への変革 |
既存進出エリアの拡大維持と、欧州やインド市場での成長 ・デジタルマーケティングの強化による新規顧客の獲得 ・CRM強化による既存顧客のロイヤル化 ・新規市場におけるブランド投資の強化 |
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グループ経営力の強化 |
グループガバナンスの強化、多様性のある人材育成と活用 国内外の技術・生産・R&D拠点の整備 ・品質基準の再定義、縫製工場のスマートファクトリー化、生産・輸送効率の追求 |
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資本効率の高い経営への転換 |
資本コストを上回るROEの継続的な創出 ステークホルダーへの価値配分の最適化 ・ROE10%、資本構成の最適化への取り組み |
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マテリアリティ(重要課題):
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対象 |
目的 |
マテリアリティ(重要課題) |
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顧客 |
顧客への提供価値の最大化 |
・パーソナライゼーションの追求による顧客体験価値の向上 ・事業領域拡大への挑戦 ・商品品質の深化とサービス品質の構築 |
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従業員 |
従業員ひとりひとりの成長と、 働きがいの高い組織の構築 |
・自らの可能性を広げ、自信と誇りを持ち活躍できる人材への成長 ・共創・協業による高い成果を発揮できる組織づくり ・継続的な従業員の健康増進と健康意識の向上 |
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環境 |
次世代に向けた地球環境の保全 |
・環境負荷を低減する事業活動の推進 |
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社会 |
すべての人が自分らしく活躍できる社会の 実現 |
・社会課題を解決する共創イノベーションの推進 |
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ガバナンス |
持続的成長の実現に向けたガバナンスの強化 |
・透明性の高い経営の実践 ・リスクマネジメント体制の強化 ・収益性、資本効率の継続的改善 |
主要指標のガイドライン(2031年3月期):
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売上収益 |
2,700億円 (うち、海外事業売上比率40%) |
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(参考)非連結合弁会社含むグループ売上高 |
3,400億円 |
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事業利益(事業利益率) |
270億円(10%) |
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ROE |
10% |
役員・従業員の行動指針(アクション):
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「誰かの幸せを想おう」 |
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顧客、取引先、ともに働く社員など、周囲の人の幸せを考えられているだろうか |
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「好奇心を持って、五感を使い観察しよう」 |
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最近、新たな発見や気づきはあっただろうか |
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「なぜ?何のために?を考えよう」 |
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真意や根本原因を理解できているだろうか |
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「異なる意見を尊重しよう」 |
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謙虚に人の意見に耳を傾け、忖度抜きで、建設的に議論をしているだろうか |
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「未来志向で判断しよう」 |
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目先の結果だけではなく、豊かな未来の実現のために行動しているだろうか |
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「まずやってみよう」 |
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リスクを恐れて立ち止まっていないだろうか 挑戦する人を応援しているだろうか |
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「仲間と力を合わせよう」 |
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大きな成果を生むために、仲間と切磋琢磨し、共創できているだろうか |
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「誠実に、責任を持ち行動しよう」 |
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相手に感謝を伝えているだろうか 人のせいにしていないだろうか |
また、「VISION 2030」の策定にあたり、『世界のワコールグループ』の定義を以下のように、更新しております。
『世界のワコールグループ』の定義
・グループの商品・サービスや社会的課題に係る取組みが、全てのステークホルダーから高い信頼を得ている
・グループの人材、資産、ノウハウ、ネットワークを最大限活用し、世界的規模で競争優位性のある事業展開を行っている
・革新的且つ高品質な商品・サービスで、新たな顧客体験を創造し続け、世界中のお客さまの生活を豊かに美しくし続けている
・全世界の従業員がグループの目標、使命を理解し、その実現に向け、常識や過去にとらわれずに挑戦している
②中期経営計画
2023年3月期から2025年3月期までの3カ年は、「VISION 2030」で掲げた「高い感性と品質で、ひとりひとりのからだとこころに、美しさと豊かさを提供し、『世界のワコールグループ』として進化・成長する」ことを実現していくための礎を築く重要な期間です。グローバルベースでブランドを展開するものづくり企業として、多くの人々の豊かな生活に貢献するとともに、持続的な成長が可能な高収益企業への転換を果たすために、中期経営計画では以下の取り組みに注力します。
コア戦略
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(国内事業) レジリエントな企業体質への転換 |
<株式会社ワコール> CX戦略とマーケティングイノベーション(再成長の実現) ・CX戦略の推進 ・ブランド力・商品開発力の強化 ・人材開発と組織開発 コスト構造改革の継続(収益性の向上) ・働き方改革、ものづくり構造改革、費用対効果の追求による収益力の向上 |
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<連結子会社> 不採算事業の対処(収益性の向上) ・確実な利益を出し続ける体制の構築(恒常的な黒字化) ・定期的な点検(半期毎)を通じた撤退・切り離しの判断と実行 |
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(海外事業) グローバル成長の加速 |
グローバルでのDX加速(CX戦略の推進) ・オフラインとオンラインを融合した顧客体験価値の向上 ・デジタルマーケティングの強化による新規顧客の獲得 ・データ活用・CRM強化による既存顧客のロイヤル化 |
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(サステナビリティ) マテリアリティに対する取り組みの推進 |
・経営理念の実践と競争力強化に向けた人的資本と組織能力の強化 ・深刻化する環境課題と人権課題への対応強化 ・社会価値創造に向けた共創イノベーションの推進 |
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(財務) 資本コストを上回るROEの創出 |
・収益力の向上と資本効率の改善 ・コーポレートガバナンスの更なる透明性向上 ・重大コンプライアンス違反の撲滅 |
取締役会の実効性向上に向けた取り組み
中期経営計画では、「グループ経営の推進」「グループ力の強化」を引き続き、経営の重要課題と位置づけ、中長期での持続的成長を支える強固な経営基盤の構築を目指してまいります。また、取締役会の実効性向上に向けて、役員報酬制度の見直しに継続して取り組むほか、取締役会の役員構成の最適化(専門性・独立性・多様性の確保)に努めます。
中期経営計画期間における具体的な取り組み
・経営体制の見直しと事業責任者の明確化
・役員報酬制度の継続的改善
・取締役会の多様性確保
財務戦略
財務戦略については、営業キャッシュフローを活用し、成長に向けてIT・デジタル投資を行うとともに、新規事業投資の機会を探ってまいります。また、収益力の向上を最優先課題として取り組むと同時に、資本効率の改善に向けて積極的な株主還元を実施することで、ROE向上に取り組んでまいります。
中期経営計画の基本方針
・収益力の向上を最優先課題として取り組むと同時に、資産効率・資本効率を改善させることで、ROE向上を実現
・将来成長への投資を優先すると同時に、資本効率の改善に向けて積極的な株主還元を実施
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中期経営計画期間(23年3月期~25年3月期)のガイドライン |
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政策保有株式 |
・積極的な政策保有株式の縮減を継続して実施 ・中長期的な政策保有株式の保有指標は、純資産の15%以下 |
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株主還元 |
・配当性向50%以上を目安にした安定的な配当の実施 ・資本効率の改善を目的に、機動的な自己株買いを実施 ・適切な成長投資がない場合は、資本効率の更なる改善に向けて、追加還元を実施 |
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成長投資 |
・成長に向けてIT・デジタル投資を行うとともに、新規事業への投資機会を検討 |
③2023年3月期の方針
2023年3月期につきましては、新型コロナウイルス感染症の再拡大による一部地域での経済活動の停滞や、グローバルでのインフレ、地政学的リスクやそれに伴う原材料および輸送費の更なる高騰などが懸念されており、経済活動は依然として不透明な状況が続くことが想定されます。このような環境のもと、当社は複雑化・多様化する社会課題への取り組みを将来の「成長機会」として捉え、事業を通じて「社会課題の解決」と「持続的成長」を両立する「サステナビリティ経営」を推進することで、企業価値の向上を実現してまいります。国内事業においては、引き続き、「オンラインとオフラインの融合」、「顧客データの活用」など顧客体験価値の向上に向けた独自のCX戦略を推進するとともに、収益力の向上に向けた取り組みを強化し、レジリエントな企業体質への転換を目指します。海外事業においては、既存進出エリアでの堅実な売上拡大に加え、EC事業の拡大や新興エリアへの進出によって、更なる拡大を図ってまいります。
上記の取り組みにより、2023年3月期の連結業績は、売上収益2,050億円、事業利益70億円、営業利益65億円、税引前当期利益80億円、親会社の所有者に帰属する当期利益55億円を見込んでおります。年間の主要な為替レートは、1米ドル=120.0円、1英ポンド=155.0円、1中国元=19.0円として計画を策定しております。
④目標とする経営指標
<主要指標のガイドライン>
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2023年3月期 (中期経営計画初年度) |
2025年3月期 (中期経営計画最終年度) |
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売上収益 |
2,050億円 |
2,300億円 |
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事業利益 |
70億円(3.4%) |
160億円(7.3%) |
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営業利益 |
65億円(3.2%) |
165億円(7.5%) |
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税引前当期利益 |
80億円(3.9%) |
180億円(8.2%) |
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親会社の所有者に帰属する当期利益 |
55億円(2.7%) |
125億円(5.7%) |
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EPS |
97.42円 |
200円以上 |
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ROE |
- |
6% |
<財務指標のガイドライン>
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2023年3月期~2025年3月期 3カ年累計 |
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政策保有株式の縮減 |
100億円以上 |
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総還元性向 |
100%以上 |
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株主資本 |
2,100億円(2025年3月末) |
(3) 会社の対処すべき課題
新型コロナウイルス感染症の拡大は、生活者の価値観や健康等に関する意識を変えただけでなく、テレワークの推進や様々なサービスのオンライン化など消費行動や生活様式にも大きな影響を与えました。また、少子高齢化による国内市場の縮小、ECの拡大などの流通の変化、消費者ニーズの多様化、節約志向の高まり、地政学的リスクに伴う原材料および輸送費の高騰など、当社を取り巻く経営環境も大きく変化しております。加えて、気候変動などの環境問題や人権問題への深刻さは増大しており、社会からの関心が高まっております。
「VISION 2030」は、これら数多くの課題に対応し、事業を通じて「社会課題の解決」と「持続的成長」の両立を果たすための重要な中長期経営戦略フレームです。マテリアリティ(重要課題)のターゲットと定めた「顧客への提供価値の最大化」、「従業員一人ひとりの成長と働きがいの高い組織の構築」、「次世代に向けた地球環境の保全」、「全ての人が自分らしく活躍できる社会の実現」、「持続的成長の実現に向けたガバナンスの強化」への取り組みを通じて、「高い感性と品質で、ひとりひとりのからだとこころに、美しさと豊かさを提供し、『世界のワコールグループ』として進化・成長する」という目標を達成し、企業価値の向上に努めてまいります。
なお、主要事業の課題や取り組みについて、以下の通りです。
国内事業の課題と取り組み:
売上高が減少すると収益が生まれない硬直的な高コスト構造が最大の課題です。新しい顧客体験価値の提供と新規事業の創出によって再成長を実現すると同時に、硬直的なコスト構造を見直し、事業効率を高めてまいります。また、国内連結子会社については、経営の安定化が喫緊の課題となります。将来性を見極め、事業の継続や見直しを判断してまいります。なお、新規事業の創出については、M&Aも含め、非連続の成長を実現する取り組みを検討してまいります。
海外事業の課題と取り組み:
主要市場においては、ECを中心に一層の事業成果を高めていく必要があります。また、インドやドイツなど、潜在的な市場規模が大きい新興エリアでの成長実現に向けては、競争優位性を確保するための投資を実施することでブランド認知の拡大に取り組みます。
生産・供給体制の課題と取り組み:
新型コロナウイルス感染症の拡大や地政学的リスクの高まりにより、原材料や輸送費が高騰していることに加え、感染症の拡大状況によっては不安定な操業を強いられることが想定されます。生産性の更なる向上に向けたグローバルベースでの供給体制の再整備が課題です。
サステナビリティの課題と取り組み:
気候変動などの環境問題や人権問題はさらに深刻さを増しており、社会からの要請はますます高まっています。社会からの要請に応えることはもちろんのこと、複雑化・多様化する社会課題への取り組みを将来の「成長機会」として捉えるための共創イノベーションの推進が必要です。同時に、当社グループの変化対応力の強化に向けて、会社のあるべき姿や使命を明確にして行動できる社員を増やすことも重要な課題です。経営理念の実践者を増やすことで、従業員一人ひとりの自己成長と企業成長を実現してまいります。
(参考)
①サステナビリティ推進体制
当社グループでは、「サステナビリティ経営」を推進し、事業を通じた「社会課題の解決」と「企業成長」の両立を実現するため、2022年4月より、「サステナビリティ委員会」を設置しております。「サステナビリティ委員会」はサステナビリティ活動に関する全体計画の立案、進捗状況のモニタリング、達成状況の評価をし、定期的に取締役会に報告・提言を行います。なお、代表取締役社長執行役員が「取締役会」及び業務執行レベルの最高意思決定機関である「グループ経営会議」の責任者であり、「サステナビリティ委員会」の統括責任者(取締役副社長執行役員が委員長)を務めております。
カーボンニュートラル部会
ワコールグループの事業活動における環境影響・環境リスクを低減し、自主的かつ積極的に環境保全の活動を推進するため、気候変動対応やバックオフィスの環境負荷軽減など環境課題に関する活動方針や取り組み、環境保全に関連する戦略投資案件を審議するとともに、進捗状況のモニタリングを行います。
資源循環部会
資源循環型社会の実現に向けて、サプライチェーン上の資源・資材の持続可能な利用及び省資源対策、廃棄物の削減・リサイクルを推進するため、環境配慮型資材の調達方針や品質基準を審議するとともに、生産や調達活動における廃棄物削減の進捗状況のモニタリングを行います。
CSR調達部会
ワコールグループのCSR調達に関する計画立案と進捗確認の責任を担い、「ワコールグループCSR調達ガイドライン」に定める内容の遵守状況を、製造委託先や原材料調達先の自己評価等によるモニタリングから、分析・評価フィードバック、是正・改善計画、フォローアップという一連のサイクルを機能させることによって、的確に把握するとともに、継続的に是正・改善を行う取り組みを主導します。
人権・D&I部会
人権方針に基づく人権尊重の責務が果たされ、その業務執行が適正に行われるよう、人権擁護に関わる教育啓発活動、および人権デューディリジェンスの実行への助言・提言を行います。また、多様な社員を受け入れ、個々の能力を存分に発揮できる職場環境の実現に向けて、社内セミナーの開催をはじめとした各種施策を実施していきます。
②具体的なサステナビリティの取り組みについて
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気候変動への対応 |
地球や企業活動に重大な影響を及ぼす気候変動は、当社グループの経営にとってリスクであると同時に、新たな事業機会をもたらすものと考えております。当社グループは、環境課題の解決や改善に取り組むことが、健全な企業としての発展と持続可能な社会を実現するとの認識のもと、2021年9月、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同を表明し、TCFDに沿った開示に向けて取り組んでおります。
環境目標2030
ワコールグループでは、深刻化する気候変動課題の解決と脱炭素社会の実現に向けた取り組みを進めるため2030年に向けた独自の環境活動の目標を設定しました。なお、海外事業については、温室効果ガスの自社排出量(Scope1&2)の把握から開始し、2025年3月期までに目標を開示する計画です。
1.自社排出量(Scope1&2)「ゼロ」(対象:国内事業所)
温室効果ガスの自社排出量実質ゼロを目指し、順次再生エネルギーへの切り替えを実施
2.製品廃棄「ゼロ」(対象:㈱ワコール)
製品廃棄ゼロを目指すとともに、工場での残材料破棄削減に向けた取り組みを推進
3.環境配慮型素材の使用比率「50%」(対象:㈱ワコール)
再生繊維やリサイクル糸などに切り替えるなど、環境配慮型素材の使用比率を「50%」までに高める
4.サプライチェーン排出量(Scope3)「20%削減」(対象:ワコール事業(国内))
温室効果ガスのサプライチェーン排出量20%削減を目指し、パートナー企業との取り組みを推進
温室効果ガス排出量の削減に向けて
脱炭素社会の実現に向けた取り組みを進め、サプライチェーンにおける温室効果ガスの排出量削減をより確実なものにするため、当社グループは、2021年7月、「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン」に従い、ワコール事業(国内)のサプライチェーン全体における温室効果ガス排出量(Scope3)を初めて算定しました。その後、2021年10月には、国内事業における温室効果ガス排出量(Scope1&2)の削減目標を開示しております。
気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同
当社グループは、2021年9月、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言へ賛同を表明しました。TCFDの提言に沿った、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4項目についての情報については、2022年6月末に開示しております。
詳しくは、当社企業情報サイトの「サステナビリティ(環境)」ページをご覧ください。
(https://www.wacoalholdings.jp/sustainability/environment/)
消費者と地球にやさしい事業活動の推進
環境やサステナビリティに対する関心が高まる中、「良い商品を長く使いたい」「環境に配慮した商品を使用したい」という消費者の要望も高くなっています。当社グループでは、消費者に長く愛していただけるものづくりに努めるとともに、「地球環境を守ることは企業の責務である」との認識に立ち、環境保全に配慮した事業活動を推進しております。
長く愛されるものづくりと、独自の総生産・総在庫・総販売システムによる製品廃棄ロスの低減
当社グループの基本方針である「愛される商品づくり」を支えているのは、品質と安全への取り組みと在庫を残さない仕組みです。 品質管理体制については、ISO9001をベースとして構築しており、材料調達から商品企画、製品設計、生産に至るすべての段階において、厳しい基準を設定して品質向上に向けた活動を行っております。また、当社グループでは総生産・総在庫・総販売の考え方のもと、利益創出しつつ、廃棄を極力少なくする仕組みを構築しており、㈱ワコールにおける製品廃棄率(生産数に対する廃棄数)は約1%となっております。
持続可能な地球環境の実現に向けた「環境配慮型の商品」の開発
㈱ワコールでは、持続可能な地球環境の実現と「環境に配慮した商品を使用したい」という消費者の要望に応えるため、環境配慮型の商品や資材開発を進めております。2021年9月に「Wacoal」ブランドから登場した商品グループ[Nature Couture(ナチュレクチュール)]は、アメリカ産のオーガニックコットンやマニラ麻から採れるセルロース繊維を主原料とする和紙を使用した、人にも自然にもやさしいインナーウェアです。無染色のカラーや、オリーブの葉やバラの花など植物から抽出した色素を使用しているほか、デザインとパターンを工夫することで、通常よりも廃棄材料を少なく抑えております。今後は生地の裁断時に発生する廃棄材料を国内工場で回収し、糸に再生して次シーズン以降の商品材料として再利用する“廃棄材料リサイクルシステム”の確立を目指します。また、2022年春夏シーズンに直営店を中心に発売予定の環境配慮型ブラジャー[L∞Ping(ルーピング)]は原材料にリサイクル糸を使用しており、将来的には製品回収後の再資源化も視野に入れております。
ブラリサイクル活動
㈱ワコールで実施する「ワコールブラリサイクル」活動は、「ブラジャーは捨てにくい」というお客さまの声から生まれた、不用になったブラジャーを回収・リサイクルする企画です。日本環境設計(株)の「BRING」に参加して実施しており、回収されたブラジャーは生活雑貨などのパーツに生まれ変わります。2022年3月期は、2021年10月1日から2022年3月31日までの期間で活動を行い、回収総重量は25.7トンでした。
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サプライチェーンにおける社会的責任の推進 |
当社グループは、サプライチェーン全体での社会的責任を果たすため、世界各地のお取引先とともに、責任ある調達に取り組んでおります。社会の期待に応え、相互信頼と協働の考え方に基づいて、製造委託先とともにCSR調達を推進することが、製造委託先と当社共通の利益を最大化し、双方の持続的成長に資するものと考え、積極的な取り組みに努めております。
相互信頼と協働に基づくCSR調達の推進
繊維・アパレル産業のサプライチェーンは、販売する国や地域での商品企画・設計に始まりますが、原材料の生産・調達、製品の工場での生産は、ほとんどが中国やASEANの新興諸国で行われ、輸送されてくる国際的なネットワークになっております。当社グループは、2017年10月に制定した「ワコールグループCSR調達ガイドライン」において、「社会的責任を果たしていくためには、商品の生産に関わるすべてのお取引先と緊密なパートナーシップを築き、『品質』『価格』『納期』のみならず、『人権』『労働慣行』『環境』『倫理』などの社会的要求事項についても、お取引先とともに遵守・尊重しなければなりません」と宣言し、2018年2月からガイドラインに定める内容の遵守状況を的確に把握することで、継続的な是正・改善につなげるサイクルの運用を開始しました。また、2018年5月からは開示に賛同していただいた製造委託先工場の基本情報を当社企業情報サイトで公開しております。
公開している製造委託先工場の基本情報(2021年8月現在)
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会社名 |
工場数 |
対象工場による製造が仕入高に占める割合 |
更新回数 |
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ワコール |
150 |
96.5% |
インナーウェア、パジャマ、ルームウェア、ベビー・マタニティウェア、レッグウェア、スポーツウェアの仕入高に対する割合 |
4回 |
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ルシアン |
12 |
99.5% |
インナーウェア仕入高に対する割合 |
4回 |
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ピーチ・ジョン |
31 |
90.0% |
インナーウェア、ルームウェア、ファッションウェア仕入高に対する割合 |
4回 |
|
Ai |
12 |
78.0% |
スイムウェア、インナーウェア仕入高に対する割合 |
3回 |
|
ウンナナクール |
4 |
98.9% |
インナーウェア、パジャマ、ルームウェアの仕入高に対する割合 |
1回 |
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主要な海外子会社* |
32 |
100% |
インナーウェアの仕入高に対する割合 |
1回 |
*米国ワコール、中国ワコール、ワコールヨーロッパ
2022年3月期のCSR調達活動の内容
・コロナ禍における現地監査手法(リモート監査)の確立
・CSR調達活動の対象範囲拡大(衣料品以外の品種を製造する委託先工場を調査対象に追加予定)
・自己評価を通じた「CSR調達ガイドライン」に定める内容の遵守状況の確認
㈱ワコール(ワコールブランド、ウイングブランドのインナーウェア以外、及び第3ブランドグループ(アンフィブランドなど))の仕入先工場を対象に2度目の自己評価を実施
・現地監査は感染症の影響を確認の上、実施予定
当社のリスク管理基本規程において、「リスク」とは、「当社グループにおける事業目的の達成を阻害する要因すべて」と定義しております。これらのリスクを適切に認識し、発生の可能性や影響度の評価を行い、優先度を定めリスクへの対処を決定したうえで、リスク顕在化の可能性をできるだけ低減するための活動を行い、同時に、その活動をモニタリングすることにより、継続的に活動内容の改善に努めております。併せて、リスクが顕在化した場合には、発生する障害・事故へ迅速な対応を行い、人びとや社会をはじめとするステークホルダーへの影響を最小限に留めるべく、「リスク管理」を推進しております。
(1)「リスク管理」体制
当社グループの「リスク管理」体制は、“リスク管理統括責任者(代表取締役社長執行役員)”、“企業倫理・リスク管理委員会の委員長(取締役常務執行役員)”を基軸として、下図の通り、“企業倫理・リスク管理委員会(委員長が指名する委員による構成)”、また、企業倫理・リスク管理委員会の下部組織として全社横断的な重要課題について活動方針策定やモニタリングを行う“リスク主管部署及びリスク対応委員会(企業倫理・リスク管理委員会が決定/設置)”、さらに、企業倫理・リスク管理委員会が定めるリスク管理(抽出、評価、対応、モニタリング)を行う“リスク管理組織”及び“リスク管理責任者”によって構成されております。
“企業倫理・リスク管理委員会”では、それぞれの“リスク管理組織”から抽出されたリスクについて、発生の可能性と影響度の観点から評価を実施し、当社グループの経営に重大な影響が想定されると評価したリスク項目を、毎年、取締役会に上程し「グループ重要リスク」としての決定を踏まえております。その後、「グループ重要リスク」の項目ごとに、“リスク主管部署”、あるいは“リスク対応委員会”を通して、リスクを軽減化する対応策への取り組みを進め、併せて、“企業倫理・リスク管理委員会”を定期的(四半期ごと)及び必要に応じて臨時に開催し「リスク管理体制」が有効に機能しているかどうかのモニタリングを行っております。
(2)事業等のリスク
有価証券報告書に記載した事業の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に、重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクとその対策は後述のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
“企業倫理・リスク管理委員会”が当社グループの経営に重大な影響が想定されると評価・選定したリスク項目を、取締役会で討議し「グループ重要リスク」を定めております。なお、★印は「経営環境・事業戦略」に関するリスク、■印は「事業運営上」のリスクであります。
(2)-1 経営環境・事業戦略に関するリスク
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市場構造の変化 |
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□ 発生の可能性:高 |
□ 影響度:大 |
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● リスクの内容 百貨店・量販店をはじめとする大規模小売店や商業施設の減少および新業態の拡大は、百貨店・量販店の売上シェアが高い当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、この市場構造の変化は、既存業態の再編、営業政策の変更等をもたらし、グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
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● 対応策 小売市場の構造変化(店舗数減少)が進んでおり、百貨店、量販店及び専門店といった卸売店舗の売上シェアは漸減していくと予測しています。国内ではブランドや業態を跨いだエリア販売・マーケティング体制へ移行を進め、顧客データの一元管理を含めた、お客さまの利便性を高めるCX戦略を推進しながら、直営店・WEB販売の強化を行い対応しています。 また、海外では、オフラインとオンラインを融合した独自のサービスの展開により顧客体験の向上を目指しています。2019年7月には、当社グループのグローバル展開におけるミレニアル世代の獲得、EC事業での成長機会創出・競争力強化をねらいに、米国のIntimates Online, Inc.を買収しました。各々の国・地域でDXを加速させ、お客さまのLTVの向上を実現し10年以内にEC売上比率を50%超に導くよう進めています。 他方、店舗閉鎖や倒産に伴い売掛債権が回収できなくなるリスクに対応するため、国内外ともに常に与信管理を徹底し店舗における在庫を適正水準に維持しています。 |
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事業構造の改革 |
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□ 発生の可能性:高 |
□ 影響度:大 |
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● リスクの内容 卸売中心の事業構造の変革途上で人件費比率が高止まりする、また、SKUの増大や総在庫総販売総生産管理の失敗による在庫の増大が、物流コストの増加や値引き評価替えを誘発するなど、収益業績に悪影響を与える可能性があります。 |
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● 対応策 急速に進む市場構造の変化、中長期の経営戦略を重ねて、適正な人員体制を実現するための要員計画・組織改革を推進しています。また、要員計画マネジメントを通して生まれる人員や時間は、新しい事業、強化すべき事業領域に投下し、従業員一人ひとりの会社への貢献度の見える化を行い、自分たちが会社の未来を創っていることを実感できる組織風土づくりを進めています。 他方、従前のブランド戦略は流通チャネル構造の特性を受けて構築し、細やかな対応を進めてきた結果、約60ものブランド(サブブランド含む)を展開するまでに至りました。現在、お客さまの購買行動はオンライン・オフラインを問わないシームレスなものに変化し、加えてグローバルSPA型のブランドとの競争が激しさを増しています。ブランド編成を大胆に見直し、9つの基幹ブランドと27の構成ブランドに集約することを定め、投資効率を高める新しいブランド戦略を2021年秋冬シーズンから推進しています。 |
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競争・競合環境の変化 |
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□ 発生の可能性:中 |
□ 影響度:大 |
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● リスクの内容 国内外の市場において、競合会社、低価格品、また、異業種からの新規参入者などにより、市場競争が激化し、販売シェアが奪われ業績が低下する可能性があります。 |
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● 対応策 競争激化は、価格の下落、広告宣伝費の増加、売上高及び市場シェアの減少等につながり、当社グループの事業、業績及び財政状態に重大な影響を及ぼします。 当連結会計年度を最終年度とする中期経営計画では、㈱ワコールの再成長と収益力向上を掲げ、差別化戦略としてパーソナライズされた情報を顧客に提供し、お客さま一人ひとりとのつながりをさらに深め、より「顧客起点」を反映した戦略を推進する「CX戦略」を推進してきました。これはワコールが長年培ってきた接客販売の強みを、デジタル技術でさらに革新させ、店舗とWEBを連携させながら、最適な商品とそのお届け方法を提案し、顧客が自由に買い回ることができる利便性を高めるものです。 また、新規顧客の獲得施策として電子カルテの活用、パーソナライズアプリの導入促進に加え、ブラサイズ無料診断の拡充、次世代ツール「Wacoal 3D smart & try」の導入店舗の拡大を実施し、「深く・広く・長く」つながる関係の構築に努めてきました。「Wacoal 3D smart & try」は、百貨店を中心に当連結会計年度末までに20店舗の設置を終え、今後さらに拡大する予定です。 さらに、米国・欧州・中国の主要3法人では、グループ独自の特徴あるブランド展開・商品戦略を高めることによって他社との差別化を実現すべく、事業への成長投資を継続しています。併せて、新興国においては先駆的な利点を獲得すべく、インド市場での出店加速と積極的な広告宣伝投資を進めています。 |
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消費者の価値観変化 |
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□ 発生の可能性:中 |
□ 影響度:大 |
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● リスクの内容 ブランド戦略、商品、サービスが消費者の価値観変化に合わずに、顧客を獲得できず、もしくは顧客を失って経営が悪化する可能性があります。また、ブランドマネジメント、マーケティングミックスの失敗により、若年層顧客の囲い込みが適わず、一方で既存顧客の離反が進み、ブランド価値を毀損する可能性があります。 |
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● 対応策 当社グループでは、商品政策の面では、消費者ターゲット別の商品化計画を進めるとともに、「マッチミーブラ」をはじめ快適系商品の機能優位性向上、デザイン性での差別化、また、「ルーピング(ブラ・ショーツ)」による環境配慮型の高品質・高付加価値商品の展開など、継続的な顧客ニーズへの対応と新しい価値の創出・提供に努めています。 ブランドマネジメント、マーケティング戦略の面では9つの基幹ブランドへの整理・集約、これと連動した、ブランドコミュニケーション、マーケティングコストの集中と選択を実施することで、消費者ターゲットに向けたメッセージの質と量、双方の拡充を進めています。併せて、サステナビリティ活動への取り組みを強化し、社会をはじめステークホルダーからのレピュテーション向上と確立にも力を入れています。 さらにCX戦略の面ではブラサイズ無料診断施策や、電子カルテ、パーソナライズアプリ、3Dボディスキャナーを組み合わせ、個々人のニーズに寄り添った顧客との関係づくりを強化しています。 |
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新しい市場・顧客の開拓 |
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□ 発生の可能性:中 |
□ 影響度:大 |
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● リスクの内容 日本の人口減少や少子高齢化による国内市場の縮小に向けて、当社グループは、海外市場の開拓や新業態・新分野への進出等、新規市場の開拓に取り組んでいますが、一方、多様化する消費者の価値観に応えきれず、計画した成果が出せないとグループ業績に影響を与える可能性があります。 |
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● 対応策 国内では、当社グループが強みとするキャリア世代に加えて、導入世代・マチュア/シニア世代対策としてのマーケティング強化を進め、生涯顧客やロイヤルカスタマーづくりに取り組んでいます。 ㈱ワコールにおいて、流通チャネル構造や顧客の購買行動の変化に向き合い、オンラインとオフラインの垣根のない販売体制を進化させる新しいブランド戦略を、2021年7月に打ち出しました。9つの基幹ブランドに絞り、経営資源を集中することで個々のブランドによる提供価値の最大化を目指しています。また、ブランドの存在意義を再定義するとともに、商品構成も含めてリニューアルし、実店舗・ECなどのチャネルを問わずシームレスに行動されるお客さまの変化に柔軟に対応できるブランド体制の確立に努めています。 併せて、ピーチ・ジョンは年齢層の異なる3ブランド(PJ、SL、GLRS)を成長させることで、ターゲット層の拡大を行いながら、定期的な話題性の提供、顧客サービスの向上を進めています。 他方、米国では、デジタルマーケティングへの投資を積極的に実施することで、EC事業主体の成長を目指しています。自社EC事業強化の一環として2021年5月にデジタルフィッテングアプリ「my fit bra」を導入しました。スマートフォンでの体型計測を通じてお客さまのニーズに適した商品を提案する、このアプリの浸透を促すことなどによって、現状は40%程度のEC売上比率を長期的には70%程度まで高めたいと取り組んでいます。加えて、マーケティング強化だけでなく、物流インフラなど今後のEC成長を支える体制についても強化を行っています。中国では、百貨店において20%程度のシェアを持つものの、下着市場全体では1%未満に留まっているため、中国国内での認知度はまだ低い状況です。中間層が購買の中心であるEC市場では、オフラインとオンラインの連携やCRM戦略の強化に取り組みながら、新規顧客の獲得と既存顧客のロイヤルカスタマー化を進めています。新しい商品戦略を展開しEC市場での再成長を目指すと同時に、中間層との接点を拡大するモール等への直営店出店も強化しています。これらのほか、消費者に中間所得者層が多いにも関わらず、当社グループの事業規模がまだ小さいドイツやインドなどは、今後の拡大余地が大きい市場と捉えて戦略的な投資を進めています。 |
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調達価格の上昇 |
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□ 発生の可能性:中 |
□ 影響度:大 |
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● リスクの内容 サプライチェーンの構造変化が進行し、原材料の値上がりや生産地の人件費高騰、輸送コストの上昇等により仕入価格が上昇した結果、業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
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● 対応策 材料の調達や製品の生産においては、適切に品質とコストの両面を照合しながら、国内に偏重することなくアジアの国々や地域での調達・生産の比重を増やしています。また、近年では、社会・労働環境の変化に対応し、海外生産の軸足を中国からベトナムをはじめとするASEANに移行しつつあります。併せて、製品の企画・設計段階では可能な限り材料品種を増やさないための集約化の取り組み、材料の調達先を国内から海外に求める取り組み、廃棄に至る製品・材料の最少化への取り組みなどを進めています。 他方、当社は、国内の縫製会社3社を2022年4月から1社に統合することとしました。国内の高い縫製技術を継承しつつ、外部環境の変化に応じた柔軟な生産管理体制を構築することにより、競争優位性の強化と事業効率の向上の両立を目指します。さらに、製品の研究・開発を担う部門と縫製現場の連携を、統合した縫製会社の下で一元化し、短納期・高難度・小ロット生産に対応できる生産体制を高め、事業効果の強化に取り組んでいます。 |
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人材の確保 |
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□ 発生の可能性:高 |
□ 影響度:中 |
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● リスクの内容 特にものづくり、販売員、海外経営において人材の確保、育成ができないと、今後の成長や競合会社に対する優位性を作り出せず、グループの業績が低迷する可能性があります。また、販売員、退職後再雇用者の効率的配置ができないと、人件費効率の低下やモチベーションの低下が起こり業績の低迷を及ぼす可能性があります。 |
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● 対応策 当社グループではジョブ型採用をはじめ、新しい採用手段導入による人材確保と、集団型講義やオンラインなどによる専門知識研修やOJT・海外研修制度、他社と合同で実施する異業種クロスラーニングの開催などの実地研修の充実を図り、人材の育成を行っています。また、キャリア採用の比重を拡大するほか、リファラル採用にも注力し多様な人材の確保による活性化を図っています。 一方、市場構造の変化を受けて、販売員の評価は、接客人数や顧客視点での満足度(生涯顧客価値)といった成果への見直しを進めています。また、退職後再雇用者は、再契約に際して責任と役割を高める職群を増やし適材適所の異動を進めると同時に、目標管理評価を運用した成果配分給の採用によってモチベーション向上を図っています。 |
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(2)-2 事業運営上のリスク
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新型コロナウイルス感染症の影響 |
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□ 発生の可能性:高 |
□ 影響度:大 |
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● リスクの内容 新疫病の蔓延、または、新型コロナウイルス感染症の更なる拡大や長期化による、政府・地方自治体からの外出自粛要請や店舗休業要請等を受けて、売上が低下しグループ業績に大きな影響を与える可能性があります。また、事業所内で感染者が拡大することで、従業員の出勤停止や事業所閉鎖により事業運営に支障をきたす可能性があります。 |
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● 対応策 グループ業績や財政状態への影響を抑えるべく、感染症と共生する個人消費行動の変化を見通し、WEB販売などのお客さまが求めるサービスの強化や新たな商品の開発に努めるとともに、引き続き経費の削減に努め、新規投資も慎重に見極めるなど、経営の健全性確保に取り組んでいます。 また、顧客・取引先及び当社従業員の安全を第一に考え、感染拡大を防ぐために“企業倫理・リスク管理委員会”の下に「新型コロナウイルス感染症対策本部」(本部長:取締役常務執行役員)を設置し、国内外の感染状況を注視しながら対策を講じています。具体的には、感染状況に応じて、店頭販売員の勤務やサービスの方法、店舗の営業体制を決定するほか、内勤者には国や地域状況にあわせた勤務体制(リモート会議や在宅勤務の推進、出張・会議等の制限など)を臨機応変に示しています。 生活必需品を扱う企業として衛生的で快適な生活を守り、お客さまに安心を提供し続ける責任を果たします。 |
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債券相場・金利の変動 |
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□ 発生の可能性:高 |
□ 影響度:大 |
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● リスクの内容 保有する上場株式や債券等の市場価値が下落し、減損が発生する可能性があります。他方、年金資産の評価減・積立不足は追加拠出や引当が必要となりグループ業績に影響を与える可能性があります。 |
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● 対応策 当社は米国会計基準を採用しているため、保有有価証券の価格が変動した場合、その変動損益を連結損益計算書で認識する必要があります。当連結会計年度においては、有価証券の評価額下落により「有価証券・投資評価損益(純額)」として641百万円の損失を計上しました。(※翌連結会計年度(2023年3月期)より、当社は、財務情報の国際的な比較可能性の向上や開示の充実を目的にIFRSを任意適用します) 当連結会計年度を最終年度とする中期経営計画では、当年度末までに保有する政策保有株式を2019年3月期の時価ベースで3割(200億円以上)縮減する方針を示しました。取締役会にて、個別の銘柄ごとに保有によって実現している収益が当社資本コストを上回っているか、当社の企業価値向上につながっているかを検証いたしました。検証の結果、保有意義が希薄化した銘柄について、この中期経営計画期間(2019年4月~2022年3月)合計で35銘柄、197億円の処分・縮減を進めました。 他方、退職給付費用及び債務は、年金資産の期待運用利回りや将来の退職給付債務算出に用いる年金数理上の仮定に基づき算出していますが、有価証券の相場並びに金利環境の変化等により、実際の結果が仮定と異なる場合、または仮定に変化があった場合には、退職給付費用及び債務が増加するリスクがあります。当社は国内社債の利回りに基づいて割引率を設定しています。割引率については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定」を参照ください。 企業年金のアセットオーナーとして期待される機能を発揮できるよう、財務・人事・経理等の部門長らで構成する年金委員会を設置し、四半期単位で資産運用方針や政策的資産構成割合等を検討するのに併せて、外部の運用コンサルティング会社を起用し専門能力・知見を補完しています。 |
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企業倫理・コンプライアンスの姿勢 |
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□ 発生の可能性:高 |
□ 影響度:大 |
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● リスクの内容 第三者から、サプライチェーンにおける人権、労働、環境問題等が指摘・公表され、事業活動に影響を与える、企業価値を毀損する可能性があります。また、企業倫理・コンプライアンスに反する行為が増加する、あるいは、ソーシャルメディアやブログ等のWEBサイト上を含めた広告表現や発言に問題が発生することによって、社会的な信頼を失い、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
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● 対応策 当社グループを取り巻く国内外の法令や規制等への違反、社会的要請に反する行為等があった場合は、処罰や社会的な信用の低下などにより、経済的・社会的な影響を受けるリスクがあります。当連結会計年度を最終年度とした中期経営計画においては、「ESG課題の取り組み」の中でも企業倫理・コンプライアンスを重要課題として位置づけています。 “企業倫理・リスク管理委員会”の下に設置した「コンプライアンス委員会」の活動通じて、従業員への啓蒙活動、内部通報制度、外部専門機関による法令ヘルスチェックなどの施策を拡充すると同時に、「企業倫理・ワコールの行動指針」を定め、従業員に頒布し、法令遵守の強化に努めています。 また、当社グループの事業領域において特に注力すべき点として、サプライチェーンでの労務・人権問題が挙げられます。実際に過去には人権NPOから連結子会社の発注先である海外縫製工場における労務・人権問題について指摘を受けたことがあり、これを契機にこの課題への取り組みを開始しました。2018年4月から“企業倫理・リスク管理委員会”の下に「CSR調達委員会」を立ち上げ、自己評価と現地監査、是正・改善計画の策定とモニタリング、仕入先一覧の開示等の積極的な取り組みを進めています。 |
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自然災害・事故等の発生 |
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□ 発生の可能性:中 |
□ 影響度:大 |
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● リスクの内容 地震などの自然災害や火災・爆発等が発生し事業所・生産拠点が被害を受ける、あるいは、従業員が被災する可能性があります。また、交通網の遮断や電力供給の停止、電話回線の不通等により事業活動に支障が出る可能性があります。 |
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● 対応策 「首都直下型地震」など、大規模事故の緊急事態に備え、事故・災害対策委員会では主要な事業拠点が被災した際のBCP策定を順次整備するなど、予防・減災、応急・初動、復旧・復興の観点で事業継続マネジメントに取り組んでいます。 具体的には建物の耐震化、データ関連サーバのクラウド化、安否確認システム、モバイルワークなどといった環境整備に加え、社会的責任を踏まえて、緊急時においてもサービスや製品の安定供給ができるよう、販売事業所の業務バックアップ体制の確立や生産拠点の分散化によってリスクの低減を図っています。 |
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情報システム可用性障害の発生 |
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□ 発生の可能性:中 |
□ 影響度:大 |
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● リスクの内容 システム開発のミスや遅延、また、重要なシステムに障害が発生することで、事業継続が困難になってしまうと、得意先・顧客はじめ、すべてのステークホルダーからの信頼を失う可能性があります。外部からの悪意ある攻撃、あるいは天災被害等により、基幹システムやWEB販売サイト等の稼働が不可能となった場合、あるいは、ファイルサーバや従業員のPCから機密情報が流出した場合、事業への悪影響が出る可能性があります。 |
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● 対応策 当社では「情報セキュリティ基本方針」、「情報セキュリティ関連組織と責任に関する規程」を定め、すべての従業員に対して情報保護の必要性と責任についての理解促進を図っています。“企業倫理・リスク管理委員会”の下で「コンプライアンス委員会」が「ITセキュリティ分科会」を運営し、ITガバナンス部と連携を取って、現状の管理体制の把握と改善、ウェブサイトの脆弱性の特定をはじめとする情報セキュリティ全般の改善指導・助言等を行っています。 同時に、顧客情報や重要技術情報にかかる不正なITネットワーク侵入によるデータ破壊や、ウイルス感染による事業運営そのものの阻害を狙ったサイバー攻撃などの情報収集、現状調査、分析等を実施し、当社グループの活動方針や具体的対策の立案、関連規程の制定・改廃、戦略的な投資案件を討議し、情報セキュリティリスクの低減に努めています。具体的には、不慮のシステム障害・誤作動に備えて、重要なシステムはデータの二重化や縮退運転の準備や、WEB販売では負荷に見合った適切なハードウェアやネットワーク構成の選択ができているか、適宜モニタリングを行っています。さらに、不定期な標的型メール訓練などを行う一方、最新のセキュリティプラットフォーム導入を進めるなど、従業員の意識向上と仕組みの構築による両面からリスクの軽減化を行っています。 |
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情報管理の不備 |
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□ 発生の可能性:中 |
□ 影響度:大 |
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● リスクの内容 情報管理の不備により、機密情報や個人情報の漏洩や紛失が発生すると、活動上、不利益を被るばかりか、社会的信用の失墜、事業運営の停止といった重大な損失影響が出る可能性があります。 |
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● 対応策 当社では「情報分類規程」、「秘密情報取扱規程」、「個人情報保護規程」を定め、取り扱うすべての情報を、機密性、一貫性及び可用性の観点から適切に分類するとともに、保護・漏洩防止を図っています。また、重要情報の保護・管理の徹底をねらいに、当社グループの重要情報一覧表を整備し、経営、事業・販売戦略、製品開発、自社ノウハウ、個人情報、情報システム等の区分から、具体的なインサイダー情報事例を挙げて対策に取り組んでいます。 とりわけ、当社グループは事業活動上、多数の顧客に関わる個人情報を有しています。将来を見据え、㈱ワコールでは「CX戦略」を成長の柱と位置付け、収集した個人情報を含めたデジタルデータを基盤としたビジネスモデルの再構築を進めています。また、海外では顧客の個人情報を直接取得するEC事業を強化し、成長の柱とする計画を進めています。国内における改正個人情報保護法の施行対応に止まることなく、個人情報保護は当社グループ事業活動上の重要性が増しています。2020年4月に新設したITガバナンス部では個人情報の保護・管理の強化、関連法規制への対応、従業員への教育等を含め、個人情報を外部の脅威から守るために、管理状況の調査と対策指導・助言等を進めています。 |
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設計・製造上の品質保証 |
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□ 発生の可能性:中 |
□ 影響度:大 |
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● リスクの内容 不良品を販売することや商品が人体へ危害を及ぼすこと等により、商品回収等のコストが発生する、当社が高品質の商品を提供するというレピュテーションが損なわれ社会的信用を失うといった、業績への悪影響を及ぼす可能性があります。 |
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● 対応策 高品質な商品をグローバルに提供することができることが、当社グループの強みの一つです。“企業倫理・リスク管理委員会”の下に「品質保証審議会」を設置し、安全性ガイドラインを整備すると同時に、製品企画・設計・開発時点での安全性確認ルールの遵守、製造時の検査の徹底、問題発生時の原因追及と再発防止策の策定に取り組んでいます。併せて、こうした活動・情報内容については、グループの国内外関係会社へ水平展開・共有化を図ることによって、品質意識の高揚、全体での管理体制の底上げを行っています。また、「品質保証審議会」の傘下では、商品化計画を担う部門ごとのメンバー選出による「品質管理委員会」を運営し、個別課題への対策フォローアップ、品質管理全般に対する社内教育を実施しています。 他方、生産拠点の現場では、定めた品質管理・検査の徹底のみならず、製品受入ロックシステム(材料基準達成製品のみの受け入れ)の運用による基準未達品の排除、検査人員の技量の標準化、品質優秀表彰制度による従業員のモチベーションアップに取り組んでいます。 |
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品質表示・取扱表示等の記載 |
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□ 発生の可能性:高 |
□ 影響度:中 |
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● リスクの内容 品質表示等の法令違反や機能性表示における不適切な表現は社会的な信用を損なう可能性があります。また、商品の回収・表示変更のコスト発生、販売中止によって損失影響が出る可能性があります。 |
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● 対応策 消費者が適正に商品を選択し使用するための品質表示については、商品そのものに付帯させる法定表示に始まり、店頭やメディアでの広告・宣伝での訴求、販促表現、知的財産保護表示など多岐にわたっており、リスクが顕在化しやすい事案だと認識しています。前項(設計・製造上の品質保証)で触れた「品質保証審議会」、「品質管理委員会」の活動を通して、表示内容を決定する部門でのダブルチェックを前提にした表示確認体制の整備、表示決定のプロセスにおける可能な限りのシステム化、表示ミス発生時の迅速な対応、問題発生後の再発防止のための徹底的な原因究明と対策の実施といった、一連のサイクルをルール化し運用しています。また、品質表示に関わる社内啓蒙活動と担当者教育や、部門でのルール運用実態にかかる内部監査を、定期的に実施しています。 一方、当社では独禁法、景表法、薬機法などと絡めた「まちがわないための表示と表現の技術」の頒布と改訂、e-ラーニングによる従業員を対象にした教育の実施などによって、リスクの軽減を図っています。また、機能・効能表現においては、商品化計画部門と研究部門、品質保証部門間の連携フローと併せて表記ルールの再整備を行い、外部の機関を交えたエビデンスデータの監修体制を整えています。 |
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新興国の社会情勢変動 |
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□ 発生の可能性:中 |
□ 影響度:中 |
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● リスクの内容 新興国に生産拠点を構える当社グループは、政治的不安定状態、法改正や制度変更、ストライキの発生、人材の確保難などによって材料調達や生産が滞り、業績に影響を与える可能性があります。 |
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● 対応策 各国・地域の法律・規制の動向には常に十分な注意を払い、現地情報の収集・分析に努めています。現地の“リスク管理責任者”と連携し、地域の実情を把握し、必要に応じ外部の弁護士、コンサルタントなど、専門機関の協力を得て対応を行うよう整備と運用を図っています。軍事政権による掌握が続くミャンマーでは法律・規制の動向に加え、人権課題への対応についても注視しています。感染症への国策を含めた地政学的なリスクも見据え、適切な生産拠点の分散を行いリスクの軽減化に努めています。 |
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知的財産権の侵害・被侵害 |
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□ 発生の可能性:中 |
□ 影響度:中 |
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● リスクの内容 知的財産権を侵害されたり侵害したりすることで、訴訟や経済的損失が起きる可能性があります。戦略的な知的財産権の保護や活用ができないと事業に影響を及ぼす可能性があります。 |
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● 対応策 当社グループの保有する知的財産権、とりわけ、ブランド及び関連する商標、独自技術の権利化は、需要の喚起・維持のみならず、事業の意義にとって非常に重要であり、他者に侵害されないよう、案件ごとに国や地域での知的財産権のリスト化と管理を慎重に行っています。 国内外における商標等の紛争、類似商品や他者による無断の商標使用といった知的財産権侵害は、業績に影響を及ぼすリスクがあります。一方、当社が他社の知的財産権を侵害していると主張されるケース、また、EC事業のボーダーレス化に伴うブランド価値棄損(当社を詐称した販売など)のケースが生まれています。こうしたリスクに対応するため「知的財産委員会」を設置するとともに、従業員への啓蒙活動としてe-ラーニングの実施、担当者の調査能力向上、社外調査会社の活用や外部契約事務所等の専門家との協業等を進めています。 さらに、DXやCX戦略における、当社グループのサービスにかかる知見を知的財産として権利化する整備を進めています。 |
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税務の管理 |
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□ 発生の可能性:中 |
□ 影響度:中 |
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● リスクの内容 予期しない多額の課税がなされた場合には、風評被害の他、当社グループの財政状況及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
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● 対応策 繰延税金資産については、現行の会計基準に従い、将来の課税所得を合理的に見積もった上で計上しています。将来の課税所得見積額の変更や税制改正に伴う税率の変更等により、繰延税金資産が減少し、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼすリスクがあります。これを踏まえて、当社では、適宜、経営環境の変化等に照らし、将来の課税所得の見積もりに関する見直しを行い、回収可能性を合理的に判断しています。 また、2021年1月には、事業を展開する国・地域の法令、国際税務関連法規を遵守し、透明性の高い税務管理を行い、ステークホルダーからの信頼を得ることをねらいに「税務行動指針」を策定し開示しました。この指針では、国内外の連結子会社を対象に、税務の最新情報入手や研修による啓蒙活動を含めたグループ税務体制の構築をはじめ、不確実な税務ポジションへの対応、優遇税制の適用、グループ会社間取引、租税回避行為の禁止、税務に関するディスクロージャー等のガイドラインを示しています。 |
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当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績
(単位:百万円)
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2021年3月期 実績 |
2022年3月期 実績 |
前期比 |
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増減額 |
増減率 |
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売上高 |
152,204 |
172,860 |
+20,656 |
+13.6% |
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売上原価 |
67,798 |
76,607 |
+8,809 |
+13.0% |
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売上利益 |
84,406 |
96,253 |
+11,847 |
+14.0% |
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販売費及び一般管理費 |
82,836 |
91,240 |
+8,404 |
+10.1% |
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A:のれん及びその他の無形固定資産減損損失 |
2,685 |
- |
△2,685 |
- |
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営業利益(△損失) |
△1,115 |
5,013 |
+6,128 |
- |
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その他の収益・費用 ※B以外 |
1,517 |
2,874 |
+1,357 |
+89.5% |
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B:有価証券・投資評価損益(純額) |
10,390 |
△641 |
△11,031 |
- |
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税引前当期純利益 |
10,792 |
7,246 |
△3,546 |
△32.9% |
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当社株主に帰属する当期純利益 |
7,025 |
4,608 |
△2,417 |
△34.4% |
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参考情報 ①:Aを考慮しない営業利益 |
1,570 |
5,013 |
+3,443 |
+219.3% |
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参考情報 ②:AとBを考慮しない税引前当期純利益 |
3,087 |
7,887 |
+4,800 |
+155.5% |
当連結会計年度(2021年4月1日~2022年3月31日)における当社グループの経営環境は、米国や欧州は新型コロナウイルス感染症(以下、感染症)による経済活動の制限緩和に伴い改善し、売上の回復を支えました。他方、日本においては度重なる緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置の適用によって、経済活動が長期的に制限された結果、厳しい状況が続きました。
このような状況のもと、当社グループは、お客さま・従業員・お取引先の健康と安全を最優先に事業活動を行いつつ、高収益な経営体質の構築に向けた構造改革に取り組みました。また、感染症の拡大をきっかけに大きく変化した消費者の生活様式に対応する商品やサービスの開発・提供を継続的に行うとともに、「オンラインとオフラインの融合」、「顧客データの活用」などを通じて顧客体験価値の向上に向けた独自のCX戦略を推進し、お客さま一人ひとりとの「深く、広く、長い」関係の構築に努めました。
中期経営計画の最終年度となる当期の連結売上高は、1,728億60百万円(前期比13.6%増)、連結営業利益は、50億13百万円(前期は11億15百万円の営業損失)となりました。連結税引前当期純利益は、有価証券・投資評価損益(純額)について評価損6億41百万円(前期は103億90百万円の評価益)を計上したことから、72億46百万円(前期比32.9%減)となりました(当社は米国会計基準を採用しており、当社及び連結子会社が保有する持分証券につきましては、公正価値で評価し、期初からの変動を「有価証券・投資評価損益(純額)」として「その他の収益・費用」で計上しております)。
以上の結果、当社株主に帰属する当期純利益は46億8百万円(前期比34.4%減)となりました。なお、当該期間の為替換算レートは、1米ドル=112.38円(前期106.06円)、1英ポンド=153.56円(同138.68円)、1中国元=17.03円(同15.48円)です。
オペレーティング・セグメントの経営成績を示すと次のとおりであります。
(単位:百万円)
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2021年3月期 |
2022年3月期 |
前期比 |
|||
|
|
|
実績 |
構成比 |
実績 |
構成比 |
増減額 |
増減率 |
|
売上高合計 |
152,204 |
100.0% |
172,860 |
100.0% |
+20,656 |
+13.6% |
|
|
|
ワコール事業(国内) |
86,133 |
56.6% |
88,128 |
51.0% |
+1,995 |
+2.3% |
|
|
ワコール事業(海外) |
41,355 |
27.2% |
59,678 |
34.5% |
+18,323 |
+44.3% |
|
|
ピーチ・ジョン事業 |
12,200 |
8.0% |
12,528 |
7.3% |
+328 |
+2.7% |
|
|
その他 |
12,516 |
8.2% |
12,526 |
7.2% |
+10 |
+0.1% |
(単位:百万円)
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|
|
2021年3月期 |
2022年3月期 |
前期比 |
|||
|
|
|
実績 |
売上比 |
実績 |
売上比 |
増減額 |
増減率 |
|
営業利益(△損失) |
△1,115 |
- |
5,013 |
2.9% |
+6,128 |
- |
|
|
|
ワコール事業(国内) |
627 |
0.7% |
2,319 |
2.6% |
+1,692 |
+269.9% |
|
|
ワコール事業(海外) |
△2,603 |
- |
2,351 |
3.9% |
+4,954 |
- |
|
|
ピーチ・ジョン事業 |
1,591 |
13.0% |
1,651 |
13.2% |
+60 |
+3.8% |
|
|
その他 |
△730 |
- |
△1,308 |
- |
△578 |
- |
(参考)主要子会社の売上高・営業利益(△損失)
(単位:百万円)
|
売上高 |
2021年3月期 |
2022年3月期 |
前期比 |
||||
|
実績 |
構成比 |
実績 |
構成比 |
増減額 |
増減率 |
||
|
|
ワコール |
79,877 |
52.5% |
81,184 |
47.0% |
+1,307 |
+1.6% |
|
|
ワコールインターナショナル(米国) |
17,649 |
11.6% |
25,282 |
14.6% |
+7,633 |
+43.2% |
|
|
ワコールヨーロッパ |
9,896 |
6.5% |
16,305 |
9.4% |
+6,409 |
+64.8% |
|
|
中国ワコール |
8,755 |
5.8% |
12,157 |
7.0% |
+3,402 |
+38.9% |
|
|
ピーチ・ジョン |
12,200 |
8.0% |
12,528 |
7.3% |
+328 |
+2.7% |
|
|
ルシアン |
4,614 |
3.0% |
3,484 |
2.0% |
△1,130 |
△24.5% |
|
|
七彩 |
5,312 |
3.5% |
6,042 |
3.5% |
+730 |
+13.7% |
※外部売上高のみを記載しております。
(単位:百万円)
|
営業利益(△損失) |
2021年3月期 |
2022年3月期 |
前期比 |
||||
|
実績 |
売上比 |
実績 |
売上比 |
増減額 |
増減率 |
||
|
|
ワコール |
△2,022 |
- |
△729 |
- |
+1,293 |
- |
|
|
ワコールインターナショナル(米国) |
△914 |
- |
433 |
1.7% |
+1,347 |
- |
|
|
ワコールヨーロッパ |
666 |
6.7% |
1,804 |
11.1% |
+1,138 |
+170.9% |
|
|
中国ワコール |
625 |
7.1% |
260 |
2.1% |
△365 |
△58.4% |
|
|
ピーチ・ジョン |
1,591 |
13.0% |
1,651 |
13.2% |
+60 |
+3.8% |
|
|
ルシアン |
221 |
4.8% |
△642 |
- |
△863 |
- |
|
|
七彩 |
△358 |
- |
△249 |
- |
+109 |
- |
※主要子会社の売上高・営業利益(△損失)は各国会計基準に基づく数値
ワコール事業(国内)
当該セグメントの売上高は881億28百万円(前期比2.3%増)、営業利益は23億19百万円(前期比269.9%増)となりました。営業利益については、前期の雇用調整助成金の受け取りによる利益貢献の裏返しがありましたが、増収効果に加え、不動産の売却益が寄与したことなどもあり、増益となりました。
<ワコール>
ワコール事業(国内)の中核事業会社であるワコールの売上高は、1.6%の増収となりました。前期に大きく伸長した自社EC「ワコールウェブストア」は、新規顧客の獲得に苦戦したものの、既存顧客への販売が好調に推移したことから、過去最高の売上を更新しました。また、他社ECについても前期の水準を上回りました。他方、百貨店や量販店、直営店などの主要チャネルの店頭ベースの売上高は、感染症の再拡大やオミクロン株の急速な感染拡大に伴う外出自粛の影響を強く受け、低調に推移しました。
営業損益は、収益構造改革の一環として販促費や人件費等の固定費の削減を進めた結果、前期に比べて改善しましたが、感染症の長期化に伴う売上の低迷が響き、7億29百万円の営業損失(前期は20億22百万円の営業損失)となりました。なお、雇用調整助成金や不動産の売却益につきましては、それぞれ営業外収益、特別利益として計上されているため、上記の営業利益の金額や前期差には含まれておりません(連結経営成績上は米国会計基準に基づき営業損益に組み替え表示しております)。
ワコール事業(海外)
邦貨換算後の当該セグメントは、欧米の売上が伸長したことから、売上高は596億78百万円(前期比44.3%増)、営業利益は23億51百万円(前期は26億3百万円の営業損失)と大幅な増収増益となりました。なお、中国ワコールにおける百貨店等の売上について、当期より店頭価格ベースに変更しておりますが、遡及修正はしておりません。また、当該変更により、当期の売上高、販売費及び一般管理費がそれぞれ同額(20億44百万円)増加するため、営業利益額に影響はありません。
<ワコールインターナショナル(米国)>
ワコールインターナショナル(米国)の現地通貨ベースの売上高は、前期に比べ35.2%の増収(邦貨換算ベース43.2%増)となり、過去最高を更新しました。
「Wacoal」や「b.tempt’d」などのブランドを展開する米国ワコールの売上高は、下半期にオミクロン株の感染拡大に伴う外出自粛の影響や生産遅延に伴う販売機会のロスが生じたものの、個人消費の力強い回復を背景に1年を通じてEC・店頭ともに高い売上水準を維持した結果、前期に比べ39.1%の増収となりました。「LIVELY」ブランドを展開するIntimates Online, Inc.(以下、IO社)は、SNS広告のコスト高騰を受け広告投資を抑制したことなどにより、自社ECの売上が伸び悩みましたが、卸売や直営店舗の売上拡大が寄与し、14.9%の増収となりました。
現地通貨ベースの営業利益は、3.9百万ドル(邦貨換算ベース4億33百万円)となりました(前期は8.6百万ドル(邦貨換算ベース9億14百万円)の営業損失)。米国ワコールは増収効果により大幅な増益となりましたが、IO社は販売チャネル別の売上構成比の変化や、在庫適正化に向けた取り組みの強化などの影響で、赤字幅が拡大しました。
<ワコールヨーロッパ>
ワコールヨーロッパの現地通貨ベースの売上高は、個人消費の力強い回復を背景に英国、欧州、米国の各主要エリアで売上が感染症拡大前の水準を上回った結果、前期に比べ48.8%の増収(邦貨換算ベース64.8%増)となり、過去最高を更新しました。
チャネル別では、主力の専門店や他社ECが好調に推移した他、英国で展開する自社ECについても35.5%の増収となり、好調を維持しました。百貨店については、一部百貨店の閉店影響で感染症拡大前の水準には届かなかったものの、新規得意先との取引開始などにより、前期に対しては大幅な増収となりました。
現地通貨ベースの営業利益は、増収効果により、144.9%と大幅な増益(邦貨換算ベース170.9%増)となりました。
<中国ワコール>
中国ワコールの現地通貨ベースの売上高は、前期に比べ26.2%の増収(邦貨換算ベース38.9%増)となりました。
百貨店などの実店舗は、感染症拡大に伴う活動規制の影響で下半期(7月~12月)は苦戦しましたが、前期の店舗休業の裏返しによる上半期(1月~6月)の売上改善や、ショッピングモール等への直営店の出店増加などが寄与し、増収となりました。一方、中国国内ブランドの台頭により競争環境が激化するECについては、有名KOL (Key Opinion Leader)を活用したインフルエンサー・マーケティングなど新たな販促活動に取り組んだものの、効果が限定的なものに留まった結果、前期を下回りました。
現地通貨ベースの営業利益は、増収効果はあったものの、前期の政府の支援策がなくなったことに加え、事業活動の再開に伴う諸経費の増加により、62.0%の減益(邦貨換算ベース58.4%減)となりました。
ピーチ・ジョン事業
当該セグメントの売上高は、125億28百万円(前期比2.7%増)となりました。
直営店は、前期の感染症拡大による店舗休業の反動に加え、有名タレントとのコラボアイテムの発売など話題性の高いマーケティング施策が来店客数の増加に寄与し、13.4%の増収となりました。一方、自社ECは、同じくコラボアイテムの貢献などがあったものの、大きく伸長した前期の水準には至らず、11.0%の減収となりました。
営業利益は、16億51百万円(前期比3.8%増)となりました。前期の家賃減免などの裏返しがありましたが、増収効果により、高い利益水準を確保しました。
その他
当該セグメントの売上高は、125億26百万円(前期比0.1%増)、営業損益は13億8百万円の営業損失(前期は7億30百万円の営業損失)となりました。
<ルシアン>
ルシアンの売上高は、量販店や大手衣料品チェーン向けのプライベートブランド商品の売上が低調に推移したことに加え、ベトナム工場の休業により納品遅延が生じた結果、前期に比べ24.5%の減収となりました。
営業損益は、減収の影響に加え、不採算子会社の整理に伴う一時的な費用を計上したことから、6億42百万円の営業損失(前期は2億21百万円の営業利益)となりました。
<七彩>
七彩の売上高は、感染症拡大に伴う新規出店や各種イベントの中止により上期は苦戦しましたが、10月以降、改装工事などの受注活動に回復が見られたことから、前期に比べ13.7%の増収となりました。
営業損益は、オペレーションの見直しによる経費削減を進めたものの、売上の低迷が響き、2億49百万円の営業損失(前期は3億58百万円の営業損失)となりました。
(2)財政状態
当連結会計年度末における総資産は、借入金の返済による現金及び現金同等物が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比して195億16百万円減少し、3,032億45百万円となりました。
負債の部も、同様の理由で短期借入金が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比して269億52百万円減少し、771億93百万円となりました。
株主資本は、当期純利益の計上や年金債務調整勘定の変動などにより、前連結会計年度末に比して73億93百万円増加し、2,230億5百万円となりました。
以上の結果により、当連結会計年度末における株主資本比率は、前連結会計年度末に比して6.7ポイント増加し、73.5%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比し255億75百万円減少し、379億82百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、当期純利益45億41百万円に減価償却費や繰延税金などによる調整を加えた金額に対して、資産及び負債の増減などによる調整を行った結果、130億8百万円の収入(前期に比し87億48百万円の収入増)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形及び無形固定資産の取得などにより、30億96百万円の支出(前期に比し5億34百万円の支出増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の返済、配当金の支払及び自己株式の取得などにより、363億49百万円の支出(前期は336億5百万円の収入)となりました。
(4)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度の生産実績をオペレーティング・セグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、 ピーチ・ジョン事業については、すべて販売会社のため該当事項はありません。また、その他のセグメントについては、生産実績を定義することが困難であるため「生産実績」は記載しておりません。
|
オペレーティング・セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
ワコール事業(国内) |
34,478 |
100.0 |
|
ワコール事業(海外) |
14,566 |
113.9 |
|
合計 |
49,044 |
103.8 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.生産実績の金額は製造原価によっております。
②受注実績
その他のうち㈱七彩の店舗内装工事部門については受注生産形態をとっております。
当連結会計年度におけるその他の受注実績を示すと、次のとおりであります。
|
オペレーティング・セグメント の名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
その他 |
3,887 |
129.1 |
124 |
60.8 |
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
③販売実績
当連結会計年度の販売実績をオペレーティング・セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
オペレーティング・セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
ワコール事業(国内) |
88,128 |
102.3 |
|
ワコール事業(海外) |
59,678 |
144.3 |
|
ピーチ・ジョン事業 |
12,528 |
102.7 |
|
その他 |
12,526 |
100.1 |
|
合計 |
172,860 |
113.6 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.総販売実績に対し10%以上に該当する販売先はありません。
(5)資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金の流動性は、主に営業活動による純現金収入によります。営業活動による純現金収入により、外部からの多額の借入や、その他の資金調達手段に頼らずに、大部分の運転資金の確保や設備投資、配当金の支払が可能となっております。ただし、金融機関に借入枠は設けており、2022年3月31日現在の借入枠の合計は584億94百万円、借入枠を設けている借入金の残高は118億53百万円となっており、主な残高の内訳としては当社が100億円、WACOAL INTERNATIONAL CORP.が13億46百万円、WACOAL EUROPE LTD.が2億27百万円となっております。
これらの借入枠の期限は、ほとんどが自動的に更新されるものであり、現状更新を妨げるような事象は発生していないと考えております。仮にいずれかの子会社において借入が不可能になったとしても、グループの各社から資金を供給することが可能であると考えております。また、資金需要について大きな季節変動はありません。
また、子会社からの親会社への配当に係る規制は特に無いと考えております。
なお、感染症による影響の度合い、期間が不透明であったため、当社は2020年4月以降に金融機関に追加の借入枠を設け、手元流動資金を確保するため最大400億円の借入を行いましたが、当期までに300億円を返済しております。今後も目的や収益性を厳格に見積もることで、資金の流動性を確保していきます。
①設備投資
「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」に記載しております。
②キャッシュ・フロー
「(3)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(6)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、米国において一般に認められた会計基準に準拠して作成されております。これらの財務諸表の作成にあたっては、当社グループは重要な見積りや仮定を行う必要があります。会計方針の適用にあたり、特に重要な判断を要する項目は以下のとおりであります。
なお、感染症の影響等不確実性が大きく、将来の業績予測等に反映させることが難しい要素もありますが、現時点において入手可能な情報を基に検証等を行っております。感染症による見積りへの影響は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表に関する注記 1 連結会計方針 E 見積りの使用」に記載しております。
①収益認識
当社グループは製品の支配が顧客に移転し、履行義務が充足された時点で収益を認識しております。収益は、取引価格から値引、リベート等を控除した金額で算定しております。また、将来に予測される返品については、過年度の実績等を考慮して予想される返品を見積り、収益から控除しております。市況や消費者ニーズの変化により、値引きやリベート、返品の増加が予想される場合は、収益に影響を与える可能性があります。
②貸倒引当金
当社グループは、売上債権等について貸し倒れの可能性を予測する必要があります。これらの債権の回収可能性を検討するにあたっては、各相手先の業績、債権残高、財政状況等を考慮して個別に信用リスクを判断する等、重要な判断が必要であります。相手先の財政状態が悪化した場合は貸倒引当金を積み増すことがあり、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。
③棚卸資産の評価損
当社グループは、原材料については先入先出法による低価法で、製品・商品及び仕掛品については総平均法による低価法で評価しております。棚卸資産の実現可能価額は、通常の事業活動による見積り販売価額から見積り直接販売費用を控除して算出されます。棚卸資産の評価は、棚卸資産が低価法に基づき正しく評価されているかどうかを確認するため、定期的に実施されております。当社グループは、必要と判断された場合、棚卸資産の簿価と実現可能価額との差額を棚卸資産の評価損として計上しております。見積り販売価額や見積り直接販売費用、廃棄率や棚卸資産の分類等は過去の状況や将来の消化予想、その他の要素を加味して算出しております。また、将来破棄する棚卸資産についても考慮しております。当社グループの棚卸資産の評価は適正であると判断しておりますが、市況や消費者ニーズが当社グループの計画と大きく乖離する場合、評価損の金額は増加し、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。
④繰延税金資産
当社グループは、現在、一定期間における回収可能性に基づき相当額の繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の計上は、予測される将来における課税所得の達成の可否により影響を受けます。将来の課税所得の見積りにあたっては、過去の業績やタックス・プランニング等も考慮しております。当社グループの将来の収益性に係る判断は、将来における市場の動向その他の要因により影響を受けます。これらの状況に変化があった場合、繰延税金資産計上額に対して金額的に重要な評価性引当金を計上する可能性があります。繰延税金資産の回収可能性を見込めない場合には、回収不能と見込まれる金額に対して評価性引当金が計上され、損益に悪影響を与える可能性があります。
⑤有価証券・投資の評価損
有価証券・投資のうち負債証券については、公正価値が帳簿価額を下回り、かつ、公正価値の低下が一時的でないと判断される場合は、評価損が計上されます。当社グループは、負債証券の公正価値の下落が一時的であるかどうかを、下落の期間や程度、発行体の財政状態や業績の見通し、又は公正価値の回復が予想される十分な期間にわたって保有する意思、などを含めた基準により四半期毎に判断しております。
また、持分証券については、公正価値により測定し、未実現の保有損益は純損益に計上しております。
当社グループは、評価損を判断する基準は合理的なものであると考えておりますが、市場の変化や、予測できない経済及びビジネス上の前提条件の変化によって個々の投資に関する状況の変化があった場合には、有価証券・投資の評価額に影響を受ける可能性があります。
なお、2022年3月31日現在、負債証券については保有しておりません。
⑥長期性資産の減損
当社グループが保有する長期性資産については、帳簿価額の回収ができないという兆候を示す事象や状況の変化が生じた場合には、将来の予想キャッシュ・フローに基づき減損の判定を実施し、減損が生じたと判断した場合、当該資産の帳簿価額が公正価値を超える金額を減損損失として計上しております。
2022年3月期において、固定資産の減損の判定をした結果、公正価値が帳簿価額を下回っていると判断されたため、㈱ワコール及びその他の子会社の建物及び構築物、機械装置・車両運搬具及び工具器具備品をそれぞれ減損しております。この結果生じた減損損失211百万円については、2022年3月期のワコール事業(国内)の営業費用に含めております。
⑦のれん及びその他の無形固定資産の減損
耐用年数が確定できないのれん及びその他の無形固定資産については、少なくとも1年に一回、又は事業環境や将来の業績見通しの悪化、事業戦略の変化、リスク調整後割引率の変動等、減損の判定が必要となる兆候が発生した場合に減損の判定を行っており、報告単位の公正価値の評価にあたっては、独立した外部の評価機関を利用しております。のれんやその他の無形固定資産を含む報告単位の公正価値を評価し、公正価値が報告単位の帳簿価額を下回っていると判断される場合には、その下回る額について減損損失として計上することになります。のれん及びその他の無形固定資産の帳簿価額の回復可能性がないと判断された場合、のれんの公正価値の決定において、評価機関は観察不能なインプットを含む現在価値法を採用しております。商標権の公正価値の決定においては、評価機関は観察不能なインプットを含むロイヤルティ免除法を採用しております。
2022年3月31日時点における評価の結果、のれんの減損は不要であると判断しております。
⑧退職金及び退職年金
当社グループは従業員の大多数を対象とするいくつかの退職金制度を有しており、㈱ワコール及び一部の子会社は確定給付企業年金制度を採用しております。前払年金費用、退職給付に係る負債及び退職給付費用は、数理計算上の仮定に基づいて算出されております。これらの仮定には、割引率、年金資産の長期期待運用収益率、退職率、死亡率等が含まれております。当社グループは、使用した数理計算上の仮定は妥当なものと判断しておりますが、仮定自体の変更により、前払年金費用、退職給付に係る負債及び退職給付費用に悪影響を与える可能性があります。
当社グループは、国内社債の利回りに基づいて割引率を設定しております。具体的には割引率は2022年3月31日時点における、国債のうち満期までの期間が予想される将来の給付支払の時期までの期間と同じ銘柄の利回りを基礎としております。当連結会計年度末における割引率は0.7%であります。
当社グループは、過去の運用実績と将来収益に対する予測を評価することにより長期期待運用収益率を設定しております。かかる長期期待運用収益率は、株式及び社債等の投資対象資産グループ別の長期期待運用収益の加重平均に基づいております。前連結会計年度及び当連結会計年度末における、年金資産の長期運用利回りは、ともに2.5%であります。長期期待運用収益率は持分証券26.0%、負債証券54.0%、生保一般勘定18.0%及び短期資金2.0%の資産構成を前提として算定しております。
これらの基礎率は退職給付債務及び費用に重要な影響を及ぼします。割引率及び長期期待運用収益率をそれぞれ0.5%変更した場合の連結財務諸表への影響は以下のとおりであります。
|
|
退職給付費用への影響額 |
退職給付債務への影響額 |
|
割引率:0.5%減少 |
194百万円の増加 |
1,416百万円の増加 |
|
割引率:0.5%増加 |
204百万円の減少 |
1,507百万円の減少 |
|
長期期待運用収益率:0.5%減少 |
148百万円の増加 |
- |
|
長期期待運用収益率:0.5%増加 |
152百万円の減少 |
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⑨新会計基準
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表に関する注記 1 連結会計方針 F 会計処理基準 (14)新会計基準」に記載しております。
該当事項はありません。
当社グループでは、人体と衣服の調和を実現し、よりよい製品づくりを支えるため、人間科学研究所を中心として研究開発に取り組んでおります。
当社グループは、1964年以降日本人女性の体型を正確に把握するため、女性の体型調査を継続して実施してきました。シルエット分析システムの開発や三次元計測システムの導入、更により高度な人間の感覚計測にも取り組み、人間の形態・生理・心理の三側面からの研究開発を行っております。研究成果として、1995年~1998年に通産省(現経済産業省)プロジェクトへの参加を通じて、感覚生理研究を強化充実し、「加圧生理」、「温熱生理」、「皮膚生理」面での基礎研究をもとにして、着心地が良いだけでなく生理的にも効果のある新製品の開発を行ってきました。2005年には、日常歩行をエクササイズ歩行に変え、健康で美しいからだづくりをサポートする画期的なスタイルサイエンス商品を開発し、世の中に新しい商品市場を開拓しました。また、2010年には同一人物の20代から50代に至る体型変化を分析し、加齢によるからだの変化(エイジング)の原則を発表し、エイジングに対応した新製品開発を強化するとともに、加齢による体型変化の小さい人の生活習慣をヒントにした新機能製品の開発、2020年には「重力によるバストの動きと皮膚研究」の研究報告をもとに「重力からバストを守る」ことの大切さの研究発表カンファレンスを実施し、同研究をもとにした「重力に負けないブラ」や「重力に負けないボトム」等の新機能製品の開発、2021年には大学や他社との共創型「からだ文化研究プロジェクト」を発足させ、からだ文化市場の創造活動を開始、2022年3月には関係者を対象に「からだ文化シンポジウム」を東京青山スパイラルホールで開催しました。
2022年4月より新品開発力及び技術開発力の強化として人員補強し、部門名称を人間科学研究所から人間科学研究開発センターへ変更しました。
これらの結果、当連結会計年度の研究開発費に
なお、当社グループの研究開発活動は、主にレディスインナーウェア等の基礎研究から商品開発に及ぶさまざまな研究を行っており、特定のセグメントに関連付けることが困難であるため、セグメントごとに記載しておりません。
今後も、「生命美あふれる女性たちの支援産業の実現」を推進していくため、“美”“快適”“健康”の3領域を基軸に、顧客満足及び企業価値の増大に貢献し得る研究開発の充実を図り、商品力の強化とお客様に納得と満足を感じていただける新製品や新サービスの開発に邁進する所存であります。