第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、新たに認識した事業等のリスクはありません。

また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 なお、当社グループは当第1四半期連結会計期間から、従来の米国会計基準に替えてIFRSを適用しており、前第1四半期連結累計期間及び前連結会計年度の数値もIFRSに組み替えて比較分析を行っております。

(1)財政状態及び経営成績の状況

(単位:百万円)

 

2022年3月期

第1四半期

連結累計期間

2023年3月期

第1四半期

連結累計期間

前年同期比

 

増減額

増減率

売上収益

42,453

49,027

+6,574

+15.5%

 

売上原価

17,594

20,346

+2,752

+15.6%

 

売上利益

24,859

28,681

+3,822

+15.4%

 

販売費及び一般管理費

22,897

26,303

+3,406

+14.9%

 

その他の収益

596

608

+12

+2.0%

 

その他の費用

102

517

+415

+406.9%

営業利益

2,456

2,469

+13

+0.5%

 

金融収益

672

986

+314

+46.7%

 

金融費用

111

77

△34

△30.6%

 

持分法による投資損益(△は損失)

△115

202

+317

税引前四半期利益

2,902

3,580

+678

+23.4%

親会社の所有者に帰属する四半期利益

1,627

2,404

+777

+47.8%

 

 当第1四半期連結累計期間(2022年4月1日~2022年6月30日)における当社グループの国内の経営環境は、新型コロナウイルス感染症(以下、感染症)のワクチン接種の進展や行動制限の緩和等による外出機会の回復が見られたものの、当社店舗への来店客数の戻りは弱く、厳しい状況が継続しました。一方、海外については、欧州は好調を維持したものの、米国はインフレの進行や金融引き締めの加速等に伴う消費マインドの低下により低調な推移となりました。また、中国については感染症の再拡大に伴う行動規制の影響を受け苦戦しました。

 当社グループは、2022年6月に公表した中長期経営戦略フレーム「VISION 2030」に基づき、複雑化・多様化する社会課題への取り組みを将来の「成長機会」として捉え、事業を通じて「社会課題の解決」と「持続的成長」を両立する「サステナビリティ経営」を推進し、企業価値の向上に取り組んでおります。また、当期を初年度とする3か年の中期経営計画では、「VISION 2030」で掲げた「高い感性と品質で、ひとりひとりのからだとこころに、美しさと豊かさを提供し、『世界のワコールグループ』として進化・成長する」ことを実現していくための礎を築く期間として、持続的な成長が可能な高収益企業への転換を果たすための取り組みを推進しております。国内事業においては、引き続き、「顧客データの活用」、「オンラインとオフラインの融合」等による顧客体験価値の向上に向けた独自のCX戦略を推進するとともに、収益力の向上に向けた取り組みを強化し、「レジリエントな企業体質への転換」を進めていきます。海外事業においては、既存進出エリアでの堅実な売上拡大に加え、EC事業の拡大や新興エリアへの進出によって、更なる拡大を図っていきます。また、財務戦略については、成長に向けた積極的な投資を行いつつ、収益力の向上と資本効率の改善に取り組むことで、ROEの向上に取り組んでおります。

 これらの結果、当第1四半期連結累計期間の連結売上収益は490億27百万円(前年同期比15.5%増)、営業利益は24億69百万円(前年同期比0.5%増)、税引前四半期利益は35億80百万円(前年同期比23.4%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は24億4百万円(前年同期比47.8%増)となりました。なお、当該期間の為替換算レートは、1米ドル=129.57円(前年同期109.49円)、1英ポンド=162.96円(同153.20円)、1中国元=19.58円(同16.95円)です。

 

 オペレーティング・セグメントの実績を示すと次のとおりであります。

(単位:百万円)

 

 

2022年3月期

2023年3月期

前年同期比

 

 

第1四半期実績

構成比

第1四半期実績

構成比

増減額

増減率

売上収益合計

42,453

100.0%

49,027

100.0%

+6,574

+15.5%

 

ワコール事業(国内)

20,665

48.7%

24,495

50.0%

+3,830

+18.5%

 

ワコール事業(海外)

16,226

38.2%

18,192

37.1%

+1,966

+12.1%

 

ピーチ・ジョン事業

2,948

6.9%

2,952

6.0%

+4

+0.1%

 

その他

2,614

6.2%

3,388

6.9%

+774

+29.6%

 

(単位:百万円)

 

 

2022年3月期

2023年3月期

前年同期比

 

 

第1四半期実績

売上比

第1四半期実績

売上比

増減額

増減率

営業利益(△損失)

2,456

5.8%

2,469

5.0%

+13

+0.5%

 

ワコール事業(国内)

66

0.3%

810

3.3%

+744

 

ワコール事業(海外)

2,058

12.7%

1,367

7.5%

△691

△33.6%

 

ピーチ・ジョン事業

503

17.1%

384

13.0%

△119

△23.7%

 

その他

△171

△92

+79

 

① ワコール事業(国内)

 ワコール事業(国内)については、中期経営計画のコア戦略で掲げる「レジリエントな企業体質への転換」の実現に向けて、顧客体験価値の向上に向けた独自のCX戦略を推進するとともに、継続してコスト構造改革に取り組んでおります。

 当第1四半期連結累計期間については、感染症に対するワクチン接種の進展や行動制限の緩和等により外出機会が増加したものの、当社店舗への来店客数が低調に推移した結果、売上の回復は緩やかなものに留まりました。また、自社EC「ワコールウェブストア」の売上は、公式アプリ「WACOAL CARNET」の機能充実や販促施策の強化によって訪問客数は増加しましたが、購買率が低下し、前年同期の水準を下回りました。CX戦略の推進によってオンライン・オフラインともに会員顧客による購買は順調に推移した一方で、新規顧客の獲得については苦戦が続いております。加えて、ベトナム工場の操業再開以降も生産体制の正常化に遅れが生じており、主力ブランドの一部商品に納期遅延が発生したことが、販売機会の損失となりました。

 これらの結果、当該セグメントの売上収益は244億95百万円(前年同期比18.5%増)となりました。営業利益は、増収効果に加え、収益構造改革の一環としての固定費の削減を進めたことから、8億10百万円(前年同期は66百万円の営業利益)となりました。なお、当期より、ワコールにおける百貨店等の消化取引については、売上を店頭価格ベースに変更しておりますが、遡及修正はしておりません。当該変更により、売上収益と販売費及び一般管理費がそれぞれ同額(13億95百万円)増加しているため、営業利益に影響はありません。

 

② ワコール事業(海外)

 ワコール事業(海外)については、中期経営計画のコア戦略で掲げる「グローバル成長の加速」の実現に向けて、デジタルマーケティングの強化による新規顧客の獲得と、データ活用やCRMの強化による既存顧客のロイヤルカスタマー化に取り組んでおります。

 ワコールヨーロッパは、英国および欧州における消費マインドの高まりを背景に、インナーウェア・スイムウェアが好調に推移した結果、大幅な増収となりました。ワコールインターナショナル(米国)は、前年同期に感染症影響から急回復したことの裏返しに加え、先行きの不透明感を懸念した消費マインドの低下もあり、低調な推移となりました。米国ワコールは、自社・他社ECともに前年同期の水準を下回ったほか、得意先の仕入抑制の影響もあり、現地通貨ベースで減収となりました。また、「LIVELY」ブランドを展開するIntimates Online, Inc.(以下、IO社)は、新規顧客の獲得に向けてメディアミックスの見直し等を試みたものの成果につながらず、大幅な減収となりました。中国ワコールは、感染症拡大に伴う行動規制の影響を受け、大幅な減収となりました。

 

 これらの結果に加え、主要通貨の円安進行もあり、邦貨換算後の当該セグメントの売上収益は181億92百万円(前年同期比12.1%増)となりました。営業利益は、中国ワコール・IO社の赤字計上が響き、13億67百万円(前年同期比33.6%減)となりました。

 

③ ピーチ・ジョン事業

 ピーチ・ジョン事業については、消費者のニーズを捉える商品開発を進めるとともに、効果的なマーケティング戦略の展開によって高い利益水準の獲得を目指しております。

 当第1四半期連結累計期間については、直営店の売上は前年の感染症拡大に伴う店舗休業影響等の裏返しやマーケティング施策の寄与で来店客数が増加し、伸長しました。一方、自社ECについてはマーケティング施策が不調に終わり、訪問者数・購買率ともに低調に推移しました。

 これらの結果、当該セグメントの売上収益は29億52百万円(前年同期比0.1%増)、営業利益は3億84百万円(前年同期比23.7%減)となりました。販促費用の増加等により前年同期に対し減益となったものの、高い利益水準を確保しております。

 

④ その他

 その他については、中期経営計画のコア戦略で掲げる「レジリエントな企業体質への転換」に向けて、確実に利益を出し続けることができる体制の構築を進めております。

 当第1四半期連結累計期間については、大手衣料品チェーン向けのプライベートブランド商品の販売が不調に終わったことからルシアンが減収となりましたが、感染症の影響の緩和に伴う七彩、Aiの回復が寄与し増収となりました。

 これらの結果、当該セグメントの売上収益は33億88百万円(前年同期比29.6%増)、営業損益は92百万円の営業損失(前年同期は1億71百万円の営業損失)となりました。ルシアンの子会社整理に伴う費用計上等が響き営業損失となりましたが、増収効果や各社のオペレーション見直しの進展による収益構造の改善により、赤字幅は縮小しました。

 

(参考)主要子会社の売上収益・営業利益(△損失)

(単位:百万円)

売上収益

2022年3月期

2023年3月期

前年同期比

第1四半期

累計

構成比

第1四半期

累計

構成比

増減額

増減率

 

ワコール

18,128

42.7%

23,127

47.2%

+4,999

+27.6%

 

ワコールインターナショナル(米国)

7,435

17.5%

8,154

16.6%

+719

+9.7%

 

ワコールヨーロッパ

4,037

9.5%

5,234

10.7%

+1,197

+29.7%

 

中国ワコール

3,303

7.8%

2,394

4.9%

△909

△27.5%

 

ピーチ・ジョン

2,948

6.9%

2,952

6.0%

+4

+0.1%

 

ルシアン

924

2.2%

910

1.9%

△14

△1.5%

 

七彩

1,184

2.8%

1,573

3.2%

+389

+32.9%

※外部売上収益のみを記載しております。

(単位:百万円)

営業利益(△損失)

2022年3月期

2023年3月期

前年同期比

第1四半期

累計

売上比

第1四半期

累計

売上比

増減額

増減率

 

ワコール

30

0.2%

1,027

4.4%

+997

 

ワコールインターナショナル(米国)

1,102

14.8%

503

6.2%

△599

△54.4%

 

ワコールヨーロッパ

550

13.6%

657

12.6%

+107

+19.5%

 

中国ワコール

106

3.2%

△362

△468

 

ピーチ・ジョン

503

17.1%

384

13.0%

△119

△23.7%

 

ルシアン

△37

△183

△146

 

七彩

△57

9

0.6%

+66

 

 当第1四半期連結会計期間末における総資産は、棚卸資産の増加や円安の影響でのれんが増加したことなどにより、前連結会計年度末に比して61億53百万円増加し、3,053億30百万円となりました。

 負債は、その他の流動負債が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比して8億49百万円増加し、791億58百万円となりました。

 親会社の所有者に帰属する持分は、円安の影響で在外営業活動体の換算差額が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比して52億49百万円増加し、2,232億39百万円となりました。

 以上の結果により、当第1四半期連結会計期間末における親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末に比して0.2ポイント増加し、73.1%となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比して17億46百万円減少し、357億39百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当第1四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、四半期利益24億67百万円に減価償却費及び償却費や法人所得税費用などによる調整を加えた金額に対して、資産及び負債の増減などによる調整を行った結果、28億37百万円の収入(前年同期に比し20億29百万円の収入増)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当第1四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形資産の取得などにより、10億27百万円の支出(前年同期に比し2億43百万円の支出減)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当第1四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金支払や自己株式の取得などにより、44億91百万円の支出(前年同期に比し190億53百万円の支出減)となりました。

(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 なお、感染症の影響等不確実性が大きく、将来の業績予測等に反映させることが難しい要素もありますが、現時点において入手可能な情報を基に検証等を行っております。感染症による見積りへの影響は、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。

 

(4)経営方針・経営戦略等

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた対処すべき課題はありません。

 

(6)研究開発活動

 当第1四半期連結累計期間における研究開発費の金額は、1億51百万円であります。

 なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

3【経営上の重要な契約等】

 当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。