当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善等により緩やかな回復基調で推移しました。一方、海外経済に関してはアジア新興国等の景気減速の懸念や米国新政権の政策運営に対する懸念などの不確実な動きから、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
このような状況の中、当社グループでは高度化並びに多様化する市場の要望に対応するため生産技術と生産効率の向上を図るとともに、グローバルマーケットに通用する先端ファブリックの開発を加速させました。また、海外企業との提携を含め、海外市場の拡大を積極的に進めました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は35,872百万円(前期比5.6%減)となり、営業利益は1,445百万円(前期比67.5%増)、経常利益は1,955百万円(前期比40.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,431百万円(前期比65.6%増)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
衣料ファブリック部門は、海外において高感性・高機能素材の開発と市場導入を進めてまいりましたが、中でも中東向け民族衣装が順調に拡大しました。しかしながら、ファッション分野及びスポーツ分野ともに為替の影響を受け減少しました。一方、国内向けはファッション分野、スポーツ分野ともに低迷し、当部門全体は減収となりました。
資材ファブリック部門は、医療・福祉のメディカル分野は計画通り好調に推移する一方、リビング分野や、車輌、生活関連資材分野が前年同期を下回り、当部門全体は減収となりました。
製品部門は、計画通り不採算部門の見直しを継続しており減収となりました。
以上の結果、当連結会計年度の当事業の売上高は34,658百万円(前期比5.8%減)、セグメント利益(営業利益)は1,359百万円(前期比80.4%増)となりました。
物流並びに物販分野の当連結会計年度の売上高は1,213百万円(前期比1.8%増)、セグメント
利益(営業利益)は89百万円(前期比9.6%減)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ797百万円減少し、当連結会計年度末には、4,281百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は3,480百万円(前年同期は2,547百万円の資金の増加)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益1,840百万円、減価償却費1,411百万円、支出の主な内訳は、法人税等の支払額511百万円、持分法による投資利益274百万円、仕入債務の減少額253百万円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は3,490百万円(前年同期は3,236百万円の資金の減少)となりました。これは、主に有価証券取得による支出3,000百万円、投資有価証券の取得による支出3,401百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は741百万円(前年同期は897百万円の資金の減少)となりました。支
出の主な内訳は、配当金の支払額509百万円です。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
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繊維事業 |
29,062 |
△5.9 |
|
物流物販事業 |
― |
― |
|
合計 |
29,062 |
△5.9 |
(注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前期比(%) |
受注残高(百万円) |
前期比(%) |
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繊維事業 |
29,277 |
△5.5 |
2,169 |
△8.7 |
|
物流物販事業 |
― |
― |
― |
― |
|
合計 |
29,277 |
△5.5 |
2,169 |
△8.7 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
繊維事業 |
34,658 |
△5.8 |
|
物流物販事業 |
1,213 |
1.8 |
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合計 |
35,872 |
△5.6 |
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
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金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
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東レ㈱ |
6,033 |
15.9 |
5,081 |
14.2 |
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、染色加工技術と高分子化学を高度に融合させた「独創的かつ世界的ファブリックメーカー」を目指します。ファブリックを通して、美・健康・快適・安全・環境の5つのテーマを軸に、人々の生活を豊かにする素材の開発・製造・販売を行います。更に、関連する新規分野への開拓を通して社会貢献を図ってまいります。
また、激しい経営環境の変化に適切に対応し、グループ企業全体の事業活動の効率化、収益性の向上、キャッシュ・フロー重視の経営を行うとともに、地球環境保護、低エネルギー社会への対応やコンプライアンスを重視した経営を行ってまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは継続的な企業価値の向上を実現するためには、事業の成長性と収益性を高めることであると認識しています。中でも収益性の追及は欠かせないものと考え、売上高営業利益率10%以上を目標として、たゆまぬ努力を継続してまいります。
(3)会社の対処すべき課題
今後の経営環境は依然として不透明且つ厳しい状況であることが予想されますが、当社グループは、主力であるファッション・スポーツ分野をはじめとする衣料ファブリックの維持拡大を図りながら、資材関連事業や海外市場向けの拡大強化に取り組んでまいります。また、品質向上、納期短縮、生産性向上を一体的に進めるとともに、先端技術を駆使し付加価値を創造することにより商品開発力を強化してゆきます。
さらに、“繋げる”をテーマに掲げ、国内/海外、衣料/非衣料、旧技術/新技術を繋げ、多角的事業を展開するファブリックメーカーとして事業領域の拡大を目指します。
製造現場をはじめとする全部門による業務のスピードアップと生産納期の短縮を進めることにより、生産性向上を実現してまいります。生産性を高めるため、計画的に設備投資を続け、市場や用途を踏まえ技術と技術、商品と商品を繋げてゆくとともに、引き続きお取組先と緊密に連携してまいります。
高次加工、デジタルプリント、炭素繊維複合材料などの先端技術を活かし、これまでとは異なる用途展開を図り、新たな価値を生み出してまいります。
また、「美・健康・快適・安全・環境」の5つのテーマを軸に、異業種・異業界との協業や取り組みによるイノベーションを創出し、新たな商品の開発やこれまでにない市場の開拓を目指します。さらに、産官学による戦略的連携や適地生産のための水平連携を組み合わせ、既存事業においても技術開発を加速させてまいります。
海外市場並びに非衣料分野の拡大を積極的に進めてまいります。中東向けの民族衣装では高品質かつコンペティティブな素材の供給を維持し、中国においては蘇州工場を拠点に中国国内のみならず欧州市場をも視野に入れ、海外メーカーとの協業を図り、生産・販売拡大を目指します。また、中国以外でも海外売上高の拡大を目標に掲げ、国内外の業務提携企業とさらなる関係強化を図ってまいります。
さらに、当社の強みであるファッション衣料分野と同様に、非衣料分野へも継続的に経営資源を投入し、海外でのブランディング向上と市場開拓強化により成長を目指します。
当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、文中における将来に対する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの製品は、製品を販売している国又は地域の経済状況の影響を受けます。従って、日本はもとより、当社グループの主要な市場であるアジア、中東、欧州及び北米における景気並びに需要が減少した場合、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの海外での生産及び販売活動は、アジア、中東、欧州及び北米を中心に行っております。これらの海外市場への進出の際には以下に掲げるようなリスクの検討を行いながら進めております。しかし、予期しないリスクが発生した場合、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
・不利な政治又は経済要因
・法律又は規制の変更
・ストライキ等の労働争議
・人材の採用と確保の難しさ
・テロ・戦争・その他の要因による社会的混乱
当社グループの事業には、全世界における製品の生産と販売が含まれております。各地域における売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、円換算し連結財務諸表を作成しております。換算時の為替レートにより、これらの項目はもとの現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。また、外国通貨建て取引については、予測を超えた為替変動が当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは主に合成繊維の加工及び販売を行っており、原材料並びにエネルギーコストが売上原価における大きなウェイトを占めております。原油価格の高騰に伴いこれらの調達コストが高騰し、販売価格への転嫁や生産性向上による内部努力による吸収が出来ない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、他社製品と差別化できるノウハウを保持しております。これらの技術とノウハウは今後の当社グループの発展には不可欠なものであり、これらの資産の保護には最善の努力を行っております。しかし、特定の地域においては、知的財産権による完全な保護が困難であったり、限定的にしか保護されない状況にあります。そのため、第三者が当社グループの知的財産を使用して類似した製品を製造することを防止できない可能性があります。
当社グループは「小松精練環境白書」のもと環境負荷の低減につとめておりますが、事業活動を通じて一切の環境汚染が発生しないという保証はありません。今後新たな汚染が判明した場合は、浄化処理施設の設置等の対策費用が発生し、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの国内生産拠点は石川県に集中しております。このため、当該地域において地震、台風等の大規模災害が発生した場合や、新型インフルエンザ等の感染症が発生した場合には、生産設備の破損や物流機能の麻痺等により操業停止等が生じ、生産活動に重大な影響を与える可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、技術開発本部を核として、本体及びグループ各社の連携を強化し、また産地協力企業とのクラスター活動や、多くの大学や公設試験場と共同研究を推進し、「世界に冠たる先端ファブリックメーカー」として事業戦略に沿った要素技術及び商品の開発を推進しております。なお、当社グループの当連結会計年度末現在の特許及び実用新案の所有は111件、出願中は55件であり、研究開発費は、693百万円であります。
ファッション分野では、2003年来、継続して「プルミエール・ビジョン」のファブリック部門に出展しておりましたが、新たな試みとしてレザー部門に初出展致しました。アクセサリー分野(鞄、財布、シューズ等)の海外市場に向けても、「KOMATSUブランド」を拡大すべく、天然皮革に対抗出来うる合成繊維ベースの当社がつくる“新しい革”をコンセプトとして提案を行っております。天然皮革と比べ、軽く、機能加工との組合せもでき、安定供給可能というメリットをアピールし、販路拡大を進めております。
また、天然成分配合の環境配慮ハイブリッド素材『ONIBEGIE(オニベジ)』につきましても、今シーズンのトレンドを意識し、新たにカラーカードを刷新し、より「エコ」のイメージを押し出した形で継続提案しており、多くの引き合いを受けております。国内では、「グッドデザイン賞」を受賞できたことで、販売促進にプラスになっております。
さらに、新・触感スエード素材として『KOMASUEDE(コマスエード)』を発表しております。当社独自のスエーディング加工技術を駆使し、独特のボリューム感、弾力性とマイルドな触感に加えて、エアリーで手に吸い付くようなタッチの高級スエード感が特長で、欧州の多くのデザイナーやバイヤーから好評を博し、多数のピックアップを頂きました。
国内では、機能性素材の開発・販売を手掛けるイデアテックスジャパン㈱と共同開発したお肌に優しい新素材『EggBale(エッグベール)』を上市しております。「卵殻膜プロテイン」と「生体親和性ポリマー」を融合させることで、保湿機能や衣服内温度のコントロール機能により、環境変化からお肌を守るというコンセプトを持たせた快適素材となっております。京都女子大学の協力を得て、実着用での有効な評価結果も得ており、ファッション、ユニフォームから、寝装・寝具用途まで幅広く、展開を開始しております。
熱可塑性炭素繊維複合材料『CABKOMA(カボコーマ)』の用途開拓も進んでおり、ストランドロッドが、善光寺の境内にある重要文化財「経蔵」の耐震工事の耐震補強材として採用され、錆びなく軽量で作業性に優れているメリットを武器に、今後の販路拡大に手応えを感じております。
また、新・鋼管柱脚補強材として『カボコーマ・Pシート』を開発し、新工法とともに、販売開始しました。革新的イノベーション創出プログラム(COI)及び革新複合材料研究開発センター(ICC)の協力を得て、従来工法に比べ、施工性が3倍に高まり、大幅なコストダウンとなることから、全国で約600万本ある鋼管柱の補修工事を総販売元であるヨシモトポール㈱と協力して、獲得していく構想を立てております。尚、この新工法は石川県建設新技術認定を頂き、公共事業含めた展開を開始しております。
以上の結果、当連結会計年度における研究開発費の金額は、693百万円となりました。
当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析・検討内容は、原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成には、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の発生及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
① 流動資産
当連結会計年度末における流動資産の残高は18,868百万円で、前連結会計年度末に比べて133百万円増加しております。商品及び製品が429百万円減少したものの、有価証券が600百万円増加したことによるものです。
② 固定資産
当連結会計年度末における固定資産の残高は26,104百万円で、前連結会計年度末に比べて529百万円増加しております。長期預金が2,000百万円、建物及び構築物が408百万円、繰延税金資産が203百万円減少したものの、投資有価証券が3,206百万円増加したことによるものです。
③ 流動負債
当連結会計年度末における流動負債の残高は6,821百万円で、前連結会計年度末に比べて708百万円減少しております。主に支払手形及び買掛金が234百万円、短期借入金が212百万円減少したことによるものです。
④ 固定負債
当連結会計年度末における固定負債の残高は4,457百万円で、前連結会計年度末に比べて86百万円増加しております。
⑤ 純資産
当連結会計年度末における純資産の残高は33,694百万円で、前連結会計年度末に比べて1,286百万円増加しております。主に利益剰余金が917百万円、その他有価証券評価差額金が485百万円増加したことによるものです。
① 売上高
当連結会計年度の売上高は、35,872百万円(前連結会計年度の売上高37,981百万円に比べ2,109百万円減少)となりました。これは、中東向け民族衣装の販売が順調だったものの、スポーツ・ファッション分野が国内の消費低迷に加え、為替の影響を受けて減少したことによるものです。
② 営業利益
当連結会計年度の営業利益は、1,445百万円(前連結会計年度の営業利益863百万円に比べ582百万円増加)となりました。これは、原燃料価格の下落に加え、国内外子会社の黒字化が寄与したことによるものです。
③ 経常利益
当連結会計年度の経常利益は、1,955百万円(前連結会計年度の経常利益1,394百万円に比べ561百万円増加)となりました。これは、営業利益が増加したことによるものです。
④ 親会社株主に帰属する当期純利益
税金等調整前当期純利益は1,840百万円(前連結会計年度の税金等調整前当期純利益1,292百万円に比べ548百万円増加)となり、税効果会計適用後の法人税等負担額は407百万円(前連結会計年度454百万円に比べ47百万円の減少)となりました。その結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は1,431百万円(前連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益864百万円に比べ567百万円増加)となりました。
今後の経営環境については、企業収益や雇用環境の改善等により国内経済は緩やかな回復基調にあるものの、海外経済に関してはアジア新興国・資源国等の景気減速の懸念などから、依然として不透明な状況が続くことが予想されます。
このような環境の中、当社グループは引き続き高付加価値商品の開発に努め、海外市場並びに非衣料分野の拡大を図るとともに、生産性向上と事業領域拡大による機動的経営を推進してまいります。
次期の連結業績は、売上高38,000百万円(前期比5.9%増)、営業利益1,600百万円(前期比10.7%増)、経常利益2,200百万円(前期比12.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,600百万円(前期比11.8%増)を予想しております。
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
「第2 事業の状況 3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。