文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、染色を基盤に豊富な事業領域をカバーする「化学素材メーカー」を目指し、美・健康・快適・安全・環境の5つのテーマを軸に、人々の生活を豊かにする素材の開発・製造・販売を行います。さらに、関連する新規分野への開拓を通して社会貢献を図ってまいります。
また、激しい経営環境の変化に適切に対応し、グループ企業全体の事業活動の効率化、収益性の向上、キャッシュ・フロー重視の経営を行うとともに、地球環境保護、低エネルギー社会への対応やコンプライアンスを重視した経営を行ってまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは継続的な企業価値の向上を実現するためには、事業の成長性と収益性を高めることであると認識しています。なかでも収益性の追及は欠かせないものと考え、売上高営業利益率10%以上を目標として、たゆまぬ努力を継続してまいります。
(3) 会社の対処すべき課題
今後の経営環境は依然として不透明かつ厳しい状況であることが予想されますが、当社グループは、主力であるファッション・スポーツ分野をはじめとする衣料ファブリックの維持拡大を図りながら、資材関連事業や海外市場向けの拡大強化に取り組んでまいります。また、生産性向上、品質向上、納期短縮を一体的に進めるとともに、先端技術を駆使し付加価値を創造することにより商品開発力を強化してゆきます。
さらに、当社グループを取りまく環境が目まぐるしく変化するなか、積極的に創造し続ける「提案型企業」へと成長してゆけるよう、常識に縛られずスピード感をもって柔軟に対応し、多角的に事業展開できる化学素材メーカーとして事業領域の拡大を目指します。
生産部門のみならず、全ての事業部門において業務のスピードアップと生産納期の短縮を進めることにより、生産性の向上を目指します。この目標達成にむけ生産工程の合理化、計画的な設備投資、IoTの活用を進めるとともに、原材料及び調達ルートの見直しにより徹底したコスト削減に努めます。
また、市場の変化を感知し、変化する以上のスピードで対応できるようお取組先と緊密に連携し、国内外、社内外のあらゆる業務をあらゆるレベルで水平、垂直に繋げてまいります。
高次加工、デジタルプリント、炭素繊維複合材料開発などの先端技術を活かし、これまでとは異なる用途展開を図り、新たな価値を生み出してまいります。
また、「美・健康・快適・安全・環境」の5つのテーマを軸に、異業種・異業界との協業や取り組みを拡大し、新商品の開発と市場への訴求を継続し、これまでにない市場の開拓を目指します。さらに、産官学による戦略的連携や適地生産のための水平連携を組み合わせ、既存事業においても技術開発を加速させてまいります。
海外市場並びに非衣料分野の拡大を積極的に進めてまいります。海外売上高の拡大を目標に掲げ、海外でのブランディング向上及び、アジア・欧米諸国における新規市場開拓を続け、その実現にむけ国内外の業務提携企業とさらなる関係強化を図ってまいります。
また、中国国内の生産工場を拠点に中国国内のみならず欧州市場をも視野に入れ、海外メーカーとの協業を図り、生産・販売拡大を目指します。中東向けの民族衣装では、高品質な素材の安定供給を維持してまいります。
さらに、当社の強みであるファッション衣料分野と同様に、非衣料分野へも継続的に経営資源を投入してまいります。とくに医療・福祉、車輌、生活関連資材の各分野につきましては、より積極的に商品開発、及び市場開拓を展開し、さらなる成長を目指します。
当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの製品は、製品を販売している国又は地域の経済状況の影響を受けます。従って、日本はもとより、当社グループの主要な市場であるアジア、中東、欧州及び北米における景気並びに需要が減少した場合、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの海外での生産及び販売活動は、アジア、中東、欧州及び北米を中心に行っております。これらの海外市場への進出の際には以下に掲げるようなリスクの検討を行いながら進めております。しかし、予期しないリスクが発生した場合、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
・不利な政治又は経済要因
・法律又は規制の変更
・ストライキ等の労働争議
・人材の採用と確保の難しさ
・テロ・戦争・その他の要因による社会的混乱
当社グループの事業には、全世界における製品の生産と販売が含まれております。各地域における売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、円換算し連結財務諸表を作成しております。換算時の為替レートにより、これらの項目はもとの現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。また、外国通貨建て取引については、予測を超えた為替変動が当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは主に合成繊維の加工及び販売を行っており、原材料並びにエネルギーコストが売上原価における大きなウェイトを占めております。原油価格の高騰に伴いこれらの調達コストが高騰し、販売価格への転嫁や生産性向上による内部努力による吸収が出来ない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、他社製品と差別化できるノウハウを保持しております。これらの技術とノウハウは今後の当社グループの発展には不可欠なものであり、これらの資産の保護には最善の努力を行っております。しかし、特定の地域においては、知的財産権による完全な保護が困難であったり、限定的にしか保護されない状況にあります。そのため、第三者が当社グループの知的財産を使用して類似した製品を製造することを防止できない可能性があります。
当社グループは「小松マテーレ環境白書」のもと環境負荷の低減につとめておりますが、事業活動を通じて一切の環境汚染が発生しないという保証はありません。今後新たな汚染が判明した場合は、浄化処理施設の設置等の対策費用が発生し、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの国内生産拠点は石川県に集中しております。このため、当該地域において地震、台風等の大規模災害が発生した場合や、新型インフルエンザ等の感染症が発生した場合には、生産設備の破損や物流機能の麻痺等により操業停止等が生じ、生産活動に重大な影響を与える可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
このような状況のなか、当社グループでは高度化並びに多様化する市場の要望に対応するため、品質向上を第一とし、グローバルマーケットに通用する先端ファブリックの開発を加速させて参りました。また、海外企業との提携を含め、海外市場の拡大を積極的に進めました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、390億78百万円(前期比1.0%増)となり、営業利益は21億65百万円(前期比0.6%増)、経常利益は27億78百万円(前期比1.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は21億31百万円(前期比0.2%減)となりました。
セグメントの業績につきましては、次のとおりであります。
衣料ファブリック部門は、国内外において高感性・高機能素材の開発と市場導入を進めてまいりました。なかでも欧州及び中国向けのファッション分野、スポーツ・機能分野については堅調に推移し増収となる一方、北米及び韓国向けが低調となり、中東向けの民族衣装についても市場動向により減収となりました。国内向けは総じて厳しい市場環境にあるなか、スポーツ・機能分野が順調に推移し、当部門全体は増収となりました。
資材ファブリック部門は、医療・福祉のメディカル分野、生活関連資材分野を中心に順調に増加し、リビング分野についても概ね計画通りに推移しました。また、車輌内装材も堅調に推移したことから、当部門全体は増収となりました。
製品部門は、市場動向により減収となりました。
以上の結果、当連結会計年度の当事業の売上高は383億63百万円、セグメント利益(営業利益)は20億71百万円となりました。
物流並びに物販分野の当連結会計年度の売上高は7億15百万円、セグメント利益(営業利益)は86百万円となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ5億18百万円減少し、47億78百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は18億54百万円(前年同期は31億1百万円の資金の増加)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益27億17百万円、減価償却費13億12百万円などにより資金が増加した一方、たな卸資産の増加額9億12百万円、法人税等の支払額7億60百万円などにより資金が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は18億12百万円(前年同期は14億61百万円の資金の減少)となりました。支出の主な内訳は、投資有価証券取得による支出22億99百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は5億25百万円(前年同期は6億36百万円の資金の減少)となりました。支出の主な内訳は、配当金の支払額6億2百万円であります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループに関する経営成績等の分析・検討内容は、原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成には、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の発生及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
当連結会計年度末における流動資産の残高は200億17百万円で、前連結会計年度末に比べて1億9百万円減少しております。原材料及び貯蔵品が5億38百万円増加したものの、現金及び預金が5億44百万円、受取手形及び売掛金が52百万円減少したことによるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は272億31百万円で、前連結会計年度末に比べて4億36百万円減少しております。繰延税金資産が5億28百万円増加したものの、投資有価証券が6億73百万円、建物及び構築物が2億52百万円減少したことによるものです。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は74億88百万円で、前連結会計年度末に比べて3億11百万円減少しております。主に未払法人税等が2億27百万円減少したことによるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は42億4百万円で、前連結会計年度末に比べて2億99百万円減少しております。主に役員退職慰労引当金が1億50百万円減少したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は355億56百万円で、前連結会計年度末に比べて65百万円増加しております。主に利益剰余金が15億28百万円増加したものの、その他有価証券評価差額金が12億75百万円減少したことによるものです。
当連結会計年度の売上高は、390億78百万円(前連結会計年度の売上高386億79百万円に比べ3億99百万円増加)となりました。これは、医療・福祉のメディカル分野、生活関連資材分野を中心に順調に拡大し増収となったことによるものです。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、21億65百万円(前連結会計年度の営業利益21億51百万円に比べ13百万円増加)となりました。これは、主に欧州及び中国向けのファッション分野が堅調に推移したことによるものです。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は27億78百万円(前連結会計年度の経常利益28億5百万円に比べ27百万円減少)となりました。これは、為替差損が増加したことによるものです。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
税金等調整前当期純利益は27億17百万円(前連結会計年度の税金等調整前当期純利益27億47百万円に比べ29百万円減少)となり、税効果会計適用後の法人税等負担額は5億85百万円(前連結会計年度6億30百万円に比べ44百万円の減少)となりました。その結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は21億31百万円(前連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益21億35百万円に比べ3百万円減少)となりました。
④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
・資本の財源
当社グループは、事業の成長と収益性を高めることにより資本の財源としております。
当連結会計年度においては、営業活動による資金の増加は18億54百万円、投資活動による資金の減少は18億12百万円、財務活動による資金の減少は5億25百万円となりました。
・資金の流動性に係る情報
資金の流動性については、今後継続的な企業価値の向上を実現するための資金需要に対して、迅速かつ確実に資金を確保することを基本としております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は47億78百万円となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループは継続的な企業価値の向上を実現するため、事業の成長性と収益性を高めることを重視し、なかでも収益性の追求は欠かせないものと考え、売上高営業利益率10%以上を重要な目標指標として位置付けております。当連結会計年度における売上高営業利益率は5.5%(目標10%以上)であり、引き続き、生産性の向上及びコスト削減等に努め、当該指標の達成に向け取り組んでまいります。
今後の経営環境については、企業収益や雇用環境の改善等により国内経済は緩やかな回復基調にあるものの、消費税率引き上げ、欧州の政情不安、米国の経済政策の今後の動向など懸念材料が残り、依然として不透明な状況が続くことが予想されます。
このような環境のなか、当社グループは引き続き高付加価値商品の開発に努め、海外市場並びに非衣料分野の拡大を図るとともに、生産性向上と事業領域拡大による機動的経営を推進してまいります。
次期の連結業績は、売上高400億円(前期比2.4%増)、営業利益24億円(前期比10.8%増)、経常利益30億円(前期比8.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益23億円(前期比7.9%増)を予想しております。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、技術開発部を核として、本体及びグループ各社の連携を強化し、また産地協力企業とのクラスター活動や、多くの大学や公設試験場と共同研究を推進し、世界を席巻するブランドへの飛躍をめざし、事業戦略に沿った要素技術及び商品の開発を推進しております。なお、当社グループの当連結会計年度末現在の特許及び実用新案の所有は131件、出願中は47件であり、研究開発費は、
スポーツ・アウトドア分野では、快適性向上に加えて環境配慮技術として、植物由来の原料を使用したバイオポリウレタンを活用した透湿防水加工を「SAITOS-GF、GR(サイトス-GF、GR)」として、プルミエールヴィジョンに出展したところ、エコに敏感な欧州ハイブランドの方々から大きな反響が得られております。「SAITOS-GF」は、植物由来比率50%のポリウレタンを使用した透湿防水膜を素材の外側に用い、透湿性と共に摩耗や擦れに対する耐性を持たせております。「SAITOS-GR」も、植物由来比率50%で、従来品対比、ストレッチ性が60%アップしたポリウレタンを使用した透湿防水膜を素材の裏面に使用しております。
また、快適性向上に関しては、ストレッチ防風素材「エアシャットNT」の機能性アップ版として、高透湿化による結露防止性能を持たせた「エアシャットMP」を開発し、東京個展等で提案したところ、ゴルフレイン用として受注に結びついております。
ユニフォーム向けでは、暑さ対策として、遮熱効果のあるシルバー膜との組合せ素材を開発しており、電動ファン付き作業服用素材として採用に至っており、継続して受注増が見込まれております。
熱可塑性炭素繊維複合材料『CABKOMA(カボコーマ)』のストランドロッドの用途開発として、軽量かつ強靭、寸法安定性の点から駅ホームにおける落下防止の昇降式ホーム柵用カーボンロープに採用され、JR西日本の大阪駅をはじめ、関西圏の主要駅に順次導入が決まりました。また、フランス・パリで開催された「JEC World 2018」において、建築・インフラ部門で「JEC Innovation Awards」を受賞できたことで、今後の普及が促進されることが見込まれております。
グリーンビズ関連では、8月に東京大学で開催した展示会にて、異常気象時の雨水対策として、屋上治水システム「グリーンビズダム」や、東邦レオ㈱と共同開発の雨水貯留浸透技術評価認定を取得した「アクアビズ工法」を紹介することで、多くの関心が寄せられており、都市部での展開が期待されております。
新規分野として、日新工業㈱と共同で商品化を進めてきたビル屋上でのアスファルト防水施工に使用されるルーフィング材については、耐候試験など要求物性をクリアできる技術を確立しております。従来品対比軽量化となるメリットもあり、すでに受注に結びついております。
以上の結果、当連結会計年度における研究開発費の金額は、838百万円となりました。