第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、染色を基盤に豊富な事業領域をカバーする「化学素材メーカー」への転身を目指し、「美・健康・快適・安全・環境」の5つのテーマを軸に、人々の生活を豊かにする素材の開発・製造・販売を行います。

特に、事業環境が急激に変化する現在、こうした環境変化をいち早く感知し柔軟に対応していくための組織体制の強化と積極的な経営投資を実行します。具体的にはヘルスケア、機能性素材開発、地球環境保護の取り組みを強化してまいります。また、デジタル技術を活用した新規事業や新たなビジネスモデルをニューノーマル時代に合致させ、継続的に生み出せるような新体制を構築してまいります。このように、新規分野への開拓を通して新商品開発を積極的に進め、社会に貢献できる企業経営を目指します。

さらに、当社グループ内においては、激しい経営環境の変化に適切に対応し、グループ企業全体の事業活動の効率化、収益性の向上、キャッシュ・フロー重視の経営を行うとともに、地球環境保護、低エネルギー社会への対応やコンプライアンスを重視した経営を行ってまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは継続的な企業価値の向上を実現するためには、事業の成長性と収益性を高めることであると認識しています。なかでも収益性の追求は欠かせないものと考え、売上高営業利益率7%以上の更なる向上を目指して、たゆまぬ努力を継続してまいります。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

今後の経営環境は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により先行き需要については依然として不透明な状況にある中、当社グループとしては、ニューノーマル時代の到来により事業環境変化への適応力を高めるため、事業構造の転換及び、経営方針の抜本的対策が求められております。当社グループではウィズコロナ時代においても、主力であるファッション・スポーツ分野をはじめとする衣料ファブリックの維持拡大を図りながら、資材関連事業や海外市場向けの拡大強化に取り組みつつ、更にはビジネス環境の変化に呼応し、デジタル化やデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しEC事業をはじめとする新事業の創設・拡大により、販売力強化をめざします。特に、社内に新設した撮影スタジオ「studio fa-bo」を利用しLIVE動画「ウェビナー」の制作、編集、配信を積極的に進め、当社の商品・技術の商品発信力も強化してまいります。

現在の新型コロナウイルスの世界的な流行に対し、当社グループではあらゆる手段を講じ事業活動への影響を最小限にするよう迅速かつ柔軟な対応を続け、事態の収束を見据え、中期経営計画に沿った事業戦略を組み立ててまいります。加えて、生産性向上、品質向上、納期短縮を一体的に進めるとともに、先端技術を駆使し付加価値を創造することにより商品開発力を強化してまいります。

当社グループを取りまく環境が目まぐるしく変化するなか「守りから攻めへ、新たな高みに挑戦“全集中”」をスローガンに掲げ、全知(全員の知恵)、全員、全力の「3つの全」を発揮し、グループ一丸となって行動してまいります。

 

①先端技術を活かした新たな価値の創造

染色技術のみならず、高度機能加工、炭素繊維複合材料開発などの先端技術を活かし、これまでとは異なる用途展開を図り、新たな価値を生み出してまいります。特に、従来から取り組んできた低温で短時間に染色可能な糸と染色技術の開発については、画期的な新技術として実用段階にあり、今後、積極的に拡大してまいります。

また、「美・健康・快適・安全・環境」の5つのテーマを軸に、異業種・異業界との協業や取り組みを拡大し、新商品の開発と市場への訴求を継続し、これまでにない市場の開拓を目指します。さらに、産官学による戦略的連携や適地生産のための水平連携を組み合わせ、既存事業においても技術開発を加速させてまいります。なかでも、ヘルスケア及び環境に関する開発は、特に重要視したいと考えております。

 

 

②持続可能な社会の実現にむけた取り組み

2021年度に「小松マテーレ・サスティナビリティ・ビジョン」の課題への取り組みを軌道に乗せ、CO2・水・廃棄物・有害物質の削減をめざします。新たに設置した「環境・バイオ技術開発部」においてバイオ技術を活用し、生産工場から排出される排水処理汚泥を大幅に減容化する技術を適用し、廃棄物削減とともにコスト削減を実現してまいります。また、本技術を新たな事業として展開し、環境貢献を図ります。

また、当社は今後とも環境にコミットする素材・技術の開発・上市を積極的に取り組み、小松マテーレ環境配慮商品”Komatsu Sustainable Products”(KSP)の売上比率の拡大に努めてまいります。

 

③BtoCモデルの本格運用及び情報発信力の強化

BtoBメーカーとしての事業展開とともに、関連商品の販売拡大をめざし導入してきたBtoCモデルを軌道に乗せ、BtoCの本格的な運用を始めます。また、急速に進むデジタル化やDXの動きに応じ、EC事業を積極的に推し進め、ネット販売事業(BtoC)のさらなる拡大を図ります。さらに「YouTube」を利用した「ウェビナー」を定期配信し、新たな試みとして「デジタルファブリックショールーム」を立ち上げ、国内外に向け当社の商品や技術をオンライン上で閲覧できるよう、提案して参ります。

このような情報発信ツールの提案をはじめとし、新たな時代に先駆けた経営投資を行ってまいります。

 

④海外市場・非衣料分野の強化

海外市場並びに非衣料分野の拡大を積極的に進めてまいります。海外売上高の拡大を目標に掲げ、海外でのブランディング向上及び、アジア・欧米諸国における新規市場開拓を続け、その実現にむけ国内外の業務提携企業とさらなる関係強化を図ってまいります。中東向けの民族衣装では、高品質な素材の安定供給を維持してまいります。

さらに、当社の強みであるファッション衣料分野と同様に、非衣料分野へも継続的に経営資源を投入してまいります。とくに医療・福祉、車輌、生活関連資材の各分野につきましては、より積極的に商品開発、及び市場開拓を展開し、さらなる成長を目指します。

 

⑤生産性向上及びコスト削減にむけた取り組み

生産部門のみならず、全ての事業部門において業務のスピードアップと生産納期の短縮を進めることにより、生産性の向上を目指します。

これらの目標達成にむけ生産工程の合理化、計画的な設備投資、ITやAIの活用を進めるとともに、低温かつ短時間で染色を可能にする糸と染色技術の適用を加速させることにより、生産性とコスト低減を実現してまいります。さらには、原材料及び調達ルートの見直しにより徹底したコスト削減に努めます。

また、市場の変化を感知し、変化する以上のスピードで対応できるようお取組先と緊密に連携し、国内外、社内外のあらゆる業務をあらゆるレベルで水平、垂直に繋げてまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経済状況

当社グループの製品は、製品を販売している国又は地域の経済状況の影響を受けます。従って、日本はもとより、当社グループの主要な市場であるアジア、中東、欧州及び北米における景気並びに需要が減少した場合、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(2) 国際的活動及び海外進出に関するリスク

当社グループの海外での生産及び販売活動は、アジア、中東、欧州及び北米を中心に行っております。これらの海外市場への進出の際には以下に掲げるようなリスクの検討を行いながら進めております。しかし、予期しないリスクが発生した場合、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

・不利な政治又は経済要因

・法律又は規制の変更

・ストライキ等の労働争議

・人材の採用と確保の難しさ

・テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱

 

(3) 為替レートの変動

当社グループの事業には、全世界における製品の生産と販売が含まれております。各地域における売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、円換算し連結財務諸表を作成しております。換算時の為替レートにより、これらの項目はもとの現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。また、外国通貨建て取引については、予測を超えた為替変動が当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 原油価格の変動

当社グループは主に合成繊維の加工及び販売を行っており、原材料並びにエネルギーコストが売上原価における大きなウェイトを占めております。原油価格の高騰に伴いこれらの調達コストが高騰し、販売価格への転嫁や生産性向上による内部努力による吸収が出来ない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 知的財産保護の限界

当社グループは、他社製品と差別化できるノウハウを保持しております。これらの技術とノウハウは今後の当社グループの発展には不可欠なものであり、これらの資産の保護には最善の努力を行っております。しかし、特定の地域においては、知的財産権による完全な保護が困難であったり、限定的にしか保護されない状況にあります。そのため、第三者が当社グループの知的財産を使用して類似した製品を製造することを防止できない可能性があります。

 

(6) 環境汚染に関するリスク

当社グループは「小松マテーレ環境方針」に加え「小松マテーレ・サスティナビリティ・ビジョン」を計画し、環境負荷の低減につとめておりますが、事業活動を通じて一切の環境汚染が発生しないという保証はありません。今後新たな汚染が判明した場合は、浄化処理施設の設置等の対策費用が発生し、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 自然災害等に関するリスク

当社グループの国内生産拠点は石川県に集中しております。このため、当該地域において地震、台風等の大規模災害が発生した場合や、新型インフルエンザ・新型コロナウイルス等の新興感染症が発生した場合には、生産設備の破損や物流機能・サプライチェーンの寸断等により操業停止等が生じ、生産活動に重大な影響を与える可能性があります。

新型コロナウイルスの感染症拡大を受け、当社グループでは社員の感染予防・感染拡大防止と適切な事業継続のための取り組みとして、衛生管理の徹底、在宅勤務及び時差出勤等を行っております。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の収束の見通しが立たない中、第3波による感染拡大に伴う新規感染者の増加及び、断続的な緊急事態宣言の発令による影響から個人消費の停滞が続き、総じて先行きが不透明な状況となりました。また、諸資源の価格は変動が続き、一部には原料の減産や供給不安があるなど、注視すべき状況にあります。
 国内需要については、商業施設ならびに店舗において感染防止対策を徹底しつつ営業を再開しましたが、営業時間の短縮や不要不急の外出自粛の影響から消費は総じて弱含みの状況が続いております。
 海外需要については、欧州を中心として新型コロナウイルス感染症の再拡大により、外出自粛による消費マインドの低下と購買志向の変化や、大規模なイベントの開催が制限されるなどの影響から消費は総じて落ち込みました。
 このような経済環境のもと、当社グループでは小松精練(蘇州)有限公司の解散・清算やプリント事業における製造部門の切り離しなど、不採算事業に対する抜本的な施策を実行しました。また、市場低迷を克服するとともに、急激に変化する市場ニーズにおいて、新たな需要を喚起するため、技術開発を加速させ、ウイルスを酸化分解する新技術「エアロテクノ」や乾燥時間を最大50%短縮できるエコ新素材「ポリバ」を上市しました。このように継続的かつ意欲的に新商品の開発に挑み、前期10件を大幅に上回る30件の特許を出願しました。
 また、利益の下支えのため販売管理費を含めたコストダウンを図る必要から、費用管理を強化し、生産活動においてはロス削減に注力しました。こうしたトータルコストダウンの推進策により、利益の低減幅を最小限に抑えるよう努めました。
 なお、対面販売が制約を受けざるを得ない事業環境においては、WEB環境を最大限に活用し、メーカー直販EC事業(DtoC)を加速させてまいりました。社内には新組織「商品販売部」を立ち上げ、当部での製品事業において、衛生・感染症予防商品を中心としたネット販売(BtoC)を本格化させるとともに、従来までの集客型の展示会に代わり、「YouTube」を利用した「LIVE動画配信」(ウェビナー)によりWEB上での双方向型の営業活動に取り組みました。
 SDGsの達成を含む環境事業の推進については、環境保全のための目標設定や環境改善活動の実施、監査等の環境マネジメントを継続するとともに、「小松マテーレ・サスティナビリティ・ビジョン」を策定し2021年度中の開始に向けた準備を進めて参りました。
 以上の結果、当連結会計年度の売上高は300億18百万円(前期比17.8%減)となり、営業利益は14億16百万円(前期比12.1%減)、経常利益は19億16百万円(前期比11.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は18億10百万円(前期比31.6%増)となりました。

 

セグメントの業績につきましては、次のとおりであります。

 

(繊維事業)

衣料ファブリック及び資材ファブリックの両部門において、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により市場の低迷は続き、当期期末までの間、事業環境は厳しい状況に置かれることとなりました。
 まず、衣料ファブリック部門に関しては、国内外において高感性・高機能素材の開発と市場導入を進めてまいりましたが、ファッション及びスポーツの両分野において国内は減収となり、海外においても欧州向けアッパーミドルのみならずラグジュアリーが落ち込む結果となり、総じて減収となりました。一方、中東向けの民族衣装は計画通り、順調に推移し増収となりましたが、当部門全体では減収となりました。
 次に、資材ファブリック部門では、車輌分野は需要の持ち直しから、計画通りに推移しました。しかしながら、北米向けオーディオ機器等については新型コロナウイルス感染症の影響により受注が落ち込んだ結果、減収となりました。医療・福祉のメディカル分野、生活関連資材分野及び、カーテンをはじめとするリビング分野におきましても、消費が停滞したことから減収となり、以上の結果、当部門全体としては減収となりました。
 製品部門におきましては、EC事業の推進とともに、市場ニーズに応える抗ウイルス加工を施した衛生・感染症防止対策商品の販売を進めたことにより、増収となりました。
 以上の結果、当連結会計年度の当事業の売上高は294億円(前期比18.1%減)、セグメント利益(営業利益)は13億55百万円(前期比15.0%減)となりました。

 

(物流物販事業)

物流並びに物販分野の当連結会計年度の売上高は6億17百万円(前期比0.2%減)、セグメント利益(営業利益)は48百万円(前期比52.3%増)となりました。

 

 当連結会計年度末における総資産は、456億35百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億38百万円減少しました。負債は、95億61百万円となり、前連結会計年度末に比べ15億56百万円減少しました。純資産は、360億73百万円となり、前連結会計年度末に比べ12億18百万円増加しました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ13億58百万円増加し、99億54百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金の増加は30億69百万円(前年同期は30億31百万円の資金の増加)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益18億17百万円、減価償却費12億50百万円であり、支出の主な内訳は、仕入債務の減少額7億74百万円、法人税等の支払額4億58百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の減少は1億17百万円(前年同期は15億2百万円の資金の増加)となりました。収入の主な内訳は、固定資産の売却による収入15億30百万円であり、支出の主な内訳は、固定資産の取得による支出19億89百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の減少は16億49百万円(前年同期は6億91百万円の資金の減少)となりました。支出の主な内訳は、自己株式の取得による支出7億37百万円、配当金の支払額6億88百万円であります。

 

③生産、受注及び販売の状況

(生産実績)

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

繊維事業

25,935

△17.4

物流物販事業

合計

25,935

△17.4

 

(注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(受注状況)

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

繊維事業

29,236

△19.4

2,387

△6.5

物流物販事業

合計

29,236

△19.4

2,387

△6.5

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(販売実績)

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

繊維事業

29,400

△18.1

物流物販事業

617

△0.2

合計

30,018

△17.8

 

(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

東レ㈱

7,152

19.6

4,876

16.2

 

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループに関する経営成績等の分析・検討内容は、原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成には、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の発生及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 なお、有価証券報告書提出日現在において新型コロナウイルス感染症による会計上の見積りに与える重要な影響はございません。

 

②財政状態の分析

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は204億59百万円で、前連結会計年度末に比べて6億40百万円減少しております。現金及び預金が13億52百万円増加したものの、原材料及び貯蔵品が8億55百万円、受取手形及び売掛金が13億91百万円減少したことによるものであります。

 

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は251億76百万円で、前連結会計年度末に比べて3億2百万円増加しております。機械装置及び運搬具が7億6百万円減少したものの、投資有価証券が9億85百万円増加したことによるものであります。

 

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は54億60百万円で、前連結会計年度末に比べて15億87百万円減少しております。主に支払手形及び買掛金が7億75百万円、未払法人税等が2億7百万円減少したことによるものであります。

 

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は41億1百万円で、前連結会計年度末に比べて31百万円増加しております。主に退職給付に係る負債が15百万円増加したことによるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は360億73百万円で、前連結会計年度末に比べて12億18百万円増加しております。主に利益剰余金が11億21百万円増加したことによるものであります。

 

③経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度の売上高は、300億18百万円(前連結会計年度の売上高365億25百万円に比べ65億7百万円減少)となりました。これは、新型コロナウィルス感染拡大を要因・契機としてファッション・スポーツ分野、生活関連資材分野を中心に減収となったことによるものであります。

 

 

(営業利益)

当連結会計年度の営業利益は、14億16百万円(前連結会計年度の営業利益16億12百万円に比べ1億95百万円減少)となりました。これは、製品部門がEC事業の新規立上げにより増加したものの、衣料ファブリック及び資材ファブリックの両部門において、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により市場の低迷が続いたことなどによるものであります。

 

(経常利益)

当連結会計年度の経常利益は19億16百万円(前連結会計年度の経常利益21億52百万円に比べ2億36百万円減少)となりました。これは、持分法による投資利益が減少したこと及び受取配当金が減少したことによるものであります。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

税金等調整前当期純利益は18億17百万円(前連結会計年度の税金等調整前当期純利益19億37百万円に比べ1億19百万円減少)となり、税効果会計適用後の法人税等負担額は11百万円(前連結会計年度5億58百万円に比べ5億46百万円の減少)となりました。その結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は18億10百万円(前連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益13億75百万円に比べ4億34百万円増加)となりました。

 

④資本の財源及び資金の流動性に係る情報

・資本の財源

当社グループは、事業の成長と収益性を高めることにより資本の財源としております。

当連結会計年度においては、営業活動による資金の増加は30億69百万円、投資活動による資金の減少は1億17百万円、財務活動による資金の減少は16億49百万円となりました。

 

・資金の流動性に係る情報

資金の流動性については、今後継続的な企業価値の向上を実現するための資金需要に対して、迅速かつ確実に資金を確保することを基本としております。

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は99億54百万円となりました。

 

⑤経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

⑥経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは継続的な企業価値の向上を実現するため、事業の成長性と収益性を高めることを重視し、なかでも収益性の追求は欠かせないものと考え、売上高営業利益率7%以上を重要な目標指標として位置付けております。当連結会計年度における売上高営業利益率は4.7%であり、引き続き、生産性の向上及びコスト削減等に努め、当該指標の達成に向け取り組んでまいります。

 

⑦今後の見通し

今後の新型コロナウイルス感染拡大の影響や収束時期は、現時点で合理的に予想することが困難な状況にあります。また、貿易摩擦の影響を含む各国の関税政策や為替動向など不透明な要因にくわえ、原油価格に落ち着きがなく、予断を許さない状況が続くものと思われます。このような急激な変化を受け、当社グループを取りまく外的環境は著しく変化し、事業の環境及び構図はこれまでとは様相を異にすると見られます。まさにニューノーマルな時代の到来が予測され、関連ビジネスは大きな転換が求められるようになっております。例えば、店舗を置かずインターネットを利用するEC事業の導入と拡大が今後、ますます進むと予想されます。当社グループにおきましても、こうした変化に対応すべく、ブランディング戦略を重視しつつ、EC事業を積極的に展開し、新商品の認知度を高め効果的に訴求してまいります。また、デジタル技術を最大限に活用し、新時代に柔軟に対応すべく経営投資を惜しみなく行っていかねばならないと考えております。
 2022年3月期の連結業績は、売上高320億円(前期比6.6%増)、営業利益18億円(前期比27.0%増)、経常利益23億円(前期比20.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益18億50百万円(前期比2.2%増)を予想しております。現時点で当社が把握可能な情報に基づいておりますが、当予想は大き変動する可能性があります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

 (重要な資産の譲渡)

当社は、2020年7月31日開催の取締役会において、連結子会社である小松精練(蘇州)有限公司を解散および清算することを決議しておりましたが、清算手続きの一環として、下記の通り同社の固定資産を譲渡する契約を締結いたしました。

 

1.譲渡する相手の名称

譲渡先との契約等の都合により開示を控えさせていただきます。なお、当社との間に記載すべき資本関係、人的関係及び取引関係はありません。また、譲渡先は当社の関連当事者には該当いたしません。

 

2.譲渡する資産の種類、譲渡前の使途

譲渡資産の種類:建物、機械装置、土地使用権

譲渡前の使途:当連結子会社の製品製造設備

 

3.譲渡の時期

契約締結日:2020年9月18日

 

4.譲渡価額

130百万元

 

5 【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、技術開発部を核として、本体及びグループ各社の連携を強化し、また産地協力企業とのクラスター活動や、多くの大学や公設試験場と共同研究を推進し、世界を席巻するブランドへの飛躍をめざし、事業戦略に沿った要素技術及び商品の開発を推進しております。特に、SDGsへの取り組みとして環境に配慮した技術開発が益々重要となっており、また、新型コロナウイルス感染症対策となる技術、商品開発も喫緊の課題として開発に注力しております。なお、当社グループの当連結会計年度末現在の特許及び実用新案の所有は135件、出願中は49件であり、研究開発費は、602百万円であります。

 

繊維事業

①新型コロナウイルス感染症対策関連

東芝マテリアル㈱の可視光応答型光触媒と特殊吸着剤をハイブリッドさせた抗ウイルス加工技術をベースとして、インフルエンザウイルスの感染能力を抑制する特殊素材『ウイルスシールド』を用いたマスクインナーの商品化の後、夏の暑さ対策として優れた接触冷感や蒸れ防止機能などのマスク内環境を考慮したマスク『ダントツマスクール』を商品化しております。接触冷感q-max値として0.36という業界トップクラスの数値となっており、日経トレンド誌などにも掲載され、売上アップに貢献しております。さらに、抗ウイルス性能をパワーアップさせることで、人への感染能力があるコロナウイルス(旧型)に対して、蛍光灯照射下2時間で、99.9%以上の感染能力低減効果が確認された『エアロテクノ』の開発に至っております。別途、スポーツ時の呼吸のし易さを考慮したホールガーメント製法による立体マスク『ダントツマスクールエアー』や、口臭対策として口臭成分に特化した消臭性能を持たせた『ダントツフィットインナー 口臭ケアタイプ』、マスク生活における老け顔対策で程よく表情筋を刺激してくれる『きもちあげマスク』、化粧用パフ材に使われているポリウレタンスポンジの優しいタッチを活かした『ムースマスク』、ズレないマスクインナー『くっつくインナー』と、用途に応じたバリエーションも展開しております。
 一般財団法人日本繊維製品品質技術センターにて、新型コロナウイルスでの試験が可能となったことから、『エアロテクノ』を試験依頼したところ、蛍光灯照射下2時間で、99.9%以上の感染能力低減効果が確認されたことから、販売促進に貢献しております。一連の開発、商品化に対しては、繊研新聞社主催の繊研合繊賞をテクニカル部門で東芝マテリアル㈱と共同受賞に至っております。また、マスク関連以外にも、間仕切りやカーテンなどのインテリア資材用途や感染対策グッズにも展開してまいります。

 

②快適素材開発

『オニベジ』の廃棄物を活用するエコロジー面と植物成分由来のナチュラルな色合いに加えて、植物成分の持つ親水性を活用した吸水拡散性を持たせた快適素材『ベジベジ』を上市し、上記のマスクと組み合せてカラーバリエーション展開しており、女性を中心に人気商品となっております。
 さらに、隈 研吾先生が設計を手掛けた新国立競技場においては、入場ゲートに『グリーンビズ Ground』が広く用いられ、外周プランターにはバサルト(玄武岩)繊維で50年耐久設計のボンディング素材が採用されるなど、多くの製品が採用されております。
 快適機能素材として、ポリエステル綿混素材に独自改質技術を行うことで高度な吸水・速乾性を両立させた『ポリバ』も開発しており、工業洗濯50回にも耐えることから、ユニフォーム用途を含め、ファッション、スポーツから寝装分野まで展開しております。