(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済政策や企業収益の改善等を背景に、雇用や所得環境が上向く中、緩やかな景気の回復基調が続きました。海外経済、特に米国景気の好調等に支えられ、金融資本市場も安定的に推移しました。
当アパレル・ファッション業界におきましては、消費者の節約志向は続いており、Eコマース分野は好調に推移したものの、百貨店を中心とした小売業態においては、インバウンド需要を除く国内消費は依然厳しい推移となりました。
このような経営環境のなかで、当社グループは当連結会計年度において、不採算ブランド・売場の撤退をするなど事業構造改革を推進し、経営の立て直しに向け、一層の効率化を図りました。同時にマッキントッシュ ロンドン、マッキントッシュ フィロソフィー、ポール・スチュアート、ブルーレーベル/ブラックレーベル・クレストブリッジなど大型ライセンス事業、またエポカ、ラブレス・ギルドプライム、100年コートに代表されるサンヨーコート、三陽山長などコーポレートブランド等の自社基幹事業の強化に向け、注力してまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は625億4千9百万円(前年比7.5%減)、営業損失は19億7百万円(前年は84億3千万円の営業損失)、経常損失は19億4千1百万円(前年は81億9千6百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は10億2千5百万円(前年は113億6千6百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
当社グループは、平成29年に発表しました3カ年の経営計画「Sanyo Innovation Plan 2017」のもと、「生活者」と「社会」に目を向け新たな価値を提供してまいります。「総合ファッションカンパニー」として、当社の社是である「真・善・美」のものづくりを体現すべく、皆様にご支持いただける商品づくりに邁進するとともに、新たなビジネスにもチャレンジしてまいる所存でございます。
なお、当社グループは、アパレルを核とするファッション関連事業の単一セグメントでありますので、セグメント情報の記載はしておりません。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、仕入債務が19億3千7百万円減少したことや、事業構造改善費用の支払額29億8百万円等の支出がありましたが、たな卸資産の減少により42億9千2百万円増加したこと等により、2千2百万円の収入(前連結会計年度は、97億3千万円の支出)となりました。
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出が11億2千3百万円ありましたが、投資有価証券の売却による収入が29億7千1百万円あったこと等により、19億1千1百万円の収入(前連結会計年度は、30億3千1百万円の収入)となりました。
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入8億2千7百万円がありましたが、短期借入金の純減による支出10億円や、配当金の支払額5億2百万円があったこと等により、11億5千9百万円の支出(前連結会計年度は、15億5百万円の支出)となりました。
この結果、現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ7億7千9百万円増加し、191億9千4百万円となりました。
当社グループは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおり、アパレルを核とするファッション関連事業の単一セグメントでありますが、生産実績、販売実績については、服種別に以下の3区分で示しております。
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。
|
区分 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
紳士服・洋品 |
10,195 |
74.1 |
|
婦人服・洋品 |
14,756 |
81.9 |
|
服飾品他 |
4,265 |
75.2 |
|
合計 |
29,216 |
78.0 |
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注実績
該当事項はありません。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。
|
区分 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
紳士服・洋品 |
21,038 |
89.3 |
|
婦人服・洋品 |
32,625 |
93.9 |
|
服飾品他 |
8,884 |
95.3 |
|
合計 |
62,549 |
92.5 |
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、創業以来一貫して、アパレルの原点である品質を重視した商品づくりと消費者満足を基本に業績向上を目指し、ファッションを通じ美しく豊かな生活文化を創造し、社会の発展に貢献することを基本方針としております。
(2)目標とする経営指標
当社は、企業価値の拡大と競争力の強化を図るため、営業利益率を、また資本効率の観点から株主資本利益率(ROE)を重点経営指標としております。
(3)経営環境及び対処すべき課題
足元の経営環境については「1 業績等の概要」をご参照ください。また、今後の見通しにつきましては、わが国経済は、米国の経済政策運営や新興国経済の動向、地政学的リスクなど懸念材料はあるものの、企業業績や雇用・所得環境の改善が見られるなかで、緩やかな回復基調が続くことが予想されます。
このような情勢のなかで、当社グループは、新経営計画のもと事業構造改革と成長戦略を推進するべく、社内各部門において一層の効率化を進めるとともに、既存事業の強化・拡充はもちろん、新規事業・ブランド(M&A含む)の展開、Eコマースの成長加速等を図ってまいる所存でございます。
当社グループは、平成29年度に新経営計画として発表した「Sanyo Innovation Plan 2017」において、下記のVision/Missionを掲げており、その実現に向けて各施策を実行してまいります。
<Vision/Mission>
アパレル事業をコアとしながらもライフスタイル全般に関わるサービスを提供する「総合ファッションカンパニー」(メーカー・リテーラー・プラットフォーマー)へと進化
<行動指針>
「継承」=「メーカーとして世界最高水準のものづくりの追求」と「革新」=「新たな販路へ・新たな顧客へ・新たな商品/サービスへ」を行動指針として浸透
以下の構造改革具体策及び成長戦略具体策を実行し、黒字化に向けて事業の立て直しを図ります。
① 営業販売改革
不採算ブランド・売場の撤退、売場の生産性向上をはじめ、販売マネージャー及び店舗FA向けの仮説検証プログラムの導入や売場販売力強化コミュニケーションツールの高度化を推進します。
② 業務改革
フレックスタイム制度の本格導入、フリーアドレス導入などフレキシブルな働き方を推進し従業員の意識改革を促します。店頭及び全社アンケートの実施、「SANYO POST」の設置により会社に対するさまざまな意見、アイデア募集など、従業員の声を経営に生かせる仕組みづくりを推進し、速やかに実行しています。
③ マーチャンダイジング(MD)改革
MDプロセスの標準化・高度化を進めるとともに、MD/生産担当の業務見直しや生産部門との連携を強化し、効率的に魅力ある商品づくりを追求できる仕組みを構築します。また滞留在庫の消化促進を図り効率化を推進します。加えて直接貿易の拡大やQR体制構築を進め、サプライチェーンの最適化を更に加速します。
④ 既存事業強化戦略
新たな販路向けの商品開発と生産体制整備を推進し、都市型商業施設を中心に出店を進めてまいります。デジタル活用による直営店運営力強化を実行します。
また、コーポレートブランド事業の専門店卸売販路の開拓を積極的に推進し、クリエイションとマーケティングを強化してまいります。既存事業の卸売拡大やBtoB販路の拡大等、新たな販路への積極的な拡大を進めてまいります。
⑤ Eコマース・デジタル事業の成長加速
Eコマース専用商材の開発や自社Eコマースサイト(iStore)の機能強化、自社運営のメンバーシップ会員向けオリジナルメディアの導入や、自社サイトのモールビジネス推進強化など具体的施策を積極的に推進し、潜在的な成長力のある販路に投資を行います。
⑥ 新規事業開発
「新たな販路へ・新たな顧客へ・新たな商品/サービスへ」の行動指針に基づき、直販型ビジネスの開発やモノ×コト発信を軸としたブランド開発等、幅広い領域におけるユニークで新しい商品/サービスの開発と、それらを持つ事業者へのプラットフォーム提供など多面的に推進してまいります。
(4)会社の支配に関する基本方針
当社は、当社の企業理念、CSR基本方針、企業行動基準及び経営ビジョンに基づき策定した「会社の支配に関する基本方針」に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの一つとして、平成20年3月28日開催の当社定時株主総会の決議に基づき「当社株式の大規模買付行為に関する対応方針」(以下「買収防衛策」という)を導入いたしました。
しかしながら、買収防衛策の導入時以降、経済情勢、市場の動向、当社株主構成を含め、当社を取り巻く経営環境が大きく変化している中で、買収防衛策が及ぼしうる影響等を慎重に検討した結果、平成29年3月30日開催の第74期定時株主総会の終結の時をもって買収防衛策を廃止いたしました。
なお、当社は、引き続き、当社グループの企業価値向上に向けた取組を進めるとともに、当社株式の大規模買付行為を行おうとする者が出現した際には、積極的な情報収集及び情報提供に努め、株主の皆様の検討のための時間の確保に努める等、法令及び定款の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。
当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。
また、記載内容のうち将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成30年3月29日)現在において当社グループが判断したものであります。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に最大限の努力をする所存であります。
(1)ファッション商品の特性について
当社グループの主力商品の大部分はファッション衣料及び服飾品であります。ファッション商品の販売はその特性上、流行に左右されやすい傾向があります。当社グループは消費者ニーズの変化に対応するべく、商品企画の更なる刷新と市場情報収集力の強化に努めております。今後とも商品力の強化により売上拡大を図っていく方針でありますが、流行の急激な変化によっては、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)知的財産権の使用について
当社グループは現在数社の海外提携先と契約し、提携先所有の知的財産権を使用したブランド(ライセンスブランド)の衣料及び服飾品を販売しております。現在、これらのライセンスブランドの総売上高は当社グループの売上高の過半を占めております。当社グループといたしましては、これらの海外提携先とは密接で良好な関係を構築し維持しており、今後とも売上拡大を図ってまいります。しかしながら、契約更改時における契約更改条件等によっては、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)気象状況や経済状況等について
ファッション衣料及び服飾品は、気象状況あるいは経済状況の変化の影響を受けやすく変動しやすいため、種々の変化に対応できるよう、クイックレスポンス体制(短サイクル生産体制及び期中追加企画、生産体制)等による対応を図っております。しかしながら、冷夏暖冬などの天候不順や予測不能な気象状況あるいは経済環境の変化等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)品質管理について
当社グループは厳しい品質管理基準にしたがって各種製品を提供しておりますが、予測しえない品質トラブルや製造物責任に係わる事故が発生した場合は、企業及びブランドイメージが損なわれ、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)情報管理について
当社グループは直営店及び百貨店等の店頭での顧客管理、ならびに自社Eコマース等の会員顧客管理上、多くの個人情報を保有しております。これらの情報の管理・取扱いについては当社コンプライアンス委員会、内部統制委員会で社内ルールを決定し、管理体制を整え万全を期しております。しかしながら、情報流出や漏洩が発生した場合は、当社グループの社会的信用を低下させ、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
以上の他にその他の一般的なリスクとして、取引先の破綻による貸倒れ、災害、事故、法的規制及び訴訟等、さまざまなリスクが考えられます。
当社グループは海外提携先等と契約し、提携先所有の知的所有権を使用したブランド(ライセンスブランド)の衣料及び服飾品を販売しており、その契約の主なものは下記のとおりです。
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契約会社名 |
契約締結先 |
ブランド名 |
契約内容 |
契約期間 |
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㈱三陽商会 |
三井物産㈱ |
ポール・スチュアート |
1 商標使用権の許諾 2 技術情報の提供 3 製造権及び販売権の許諾 |
平成22年4月1日から 平成32年3月31日まで |
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㈱三陽商会 |
八木通商㈱ ㈱マッキントッシュジャパン |
マッキントッシュ フィロソフィー |
1 商標使用権の許諾 2 技術情報の提供 3 製造権及び販売権の許諾 |
平成24年7月1日から 平成30年6月30日まで |
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マッキントッシュ ロンドン |
平成26年2月5日から 平成31年12月31日まで |
|||
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㈱三陽商会 |
バーバリー・ジャパン㈱ |
ザ・スコッチハウス |
1 商標使用権の許諾 2 技術情報の提供 3 製造権及び販売権の許諾 |
平成23年1月1日から 平成30年12月31日まで |
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ブルーレーベル・クレストブリッジ ブラックレーベル・クレストブリッジ |
平成27年7月1日から 平成30年6月30日まで |
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㈱三陽商会 |
Pringle of Scotland Limited 丸紅ファッションリンク㈱ |
プリングル 1815 |
1 商標使用権の許諾 2 技術情報の提供 3 製造権及び販売権の許諾 |
平成28年1月1日から 平成31年12月31日まで (注) |
(注) 平成29年4月28日付で合意解約いたしました。
特記事項はありません。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
(2)当連結会計年度の財政状態の分析
① 資産
資産に関しましては、商品及び製品が43億2千7百万円、受取手形及び売掛金が7億3千6百万円、それぞれ減少したこと等により、前連結会計年度末に比し52億1千5百万円減少し、755億4千9百万円となりました。
② 負債
負債に関しましては、支払手形及び買掛金が19億3百万円、未払金(流動負債「その他」に含む)が24億3千3百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比し44億9千9百万円減少し、267億1千3百万円となりました。
③ 純資産
純資産に関しましては、退職給付に係る調整累計額が6億1千8百万円増加しましたが、利益剰余金が15億2千8百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比し7億1千6百万円減少し、488億3千5百万円となりました。
この結果、自己資本比率が64.6%となりました。
(3)当連結会計年度の経営成績の分析
① 概要
当連結会計年度における業績に関する概要につきましては、「1 業績等の概要 (1)業績」に記載のとおりであります。
② 売上高
売上高は、㈱三陽商会が減収となったため、前連結会計年度に比べ50億6千2百万円減少の625億4千9百万円となりました。
③ 売上総利益
売上総利益につきましては、売上高は減収となりましたが、利益率が前連結会計年度に比べ4.8ポイント改善したことにより、前連結会計年度に比べ9億1千9百万円増加の291億4千9百万円となりました。
④ 営業損益
営業損益は、上記売上総利益の増加に加え、販売費及び一般管理費を前連結会計年度に比べ56億3百万円削減したことにより、19億7百万円の営業損失(前年は84億3千万円の営業損失)となりました。
⑤ 経常損益
経常損益は、上記営業損失に加え、借入関連費用1億7千2百万円を計上したこと等により営業外費用が営業外収益を上回り、19億4千1百万円の経常損失(前年は81億9千6百万円の経常損失)となりました。
⑥ 税金等調整前当期純損益
税金等調整前当期純損益は、投資有価証券売却益20億1千5百万円を特別利益に計上しましたが、上記経常損失に加え、減損損失5億3千4百万円及び事業構造改善費用4億8千8百万円を特別損失に計上したこと等により、9億7千7百万円の税金等調整前当期純損失(前年は82億3千2百万円の税金等調整前当期純損失)となりました。
⑦ 親会社株主に帰属する当期純損益
親会社株主に帰属する当期純損益は、上記税金等調整前当期純損失に対し、税金費用を4千8百万円(法人税、住民税及び事業税4千7百万円、法人税等調整額0百万円)計上したことにより、10億2千5百万円の親会社株主に帰属する当期純損失(前年は113億6千6百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
「4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度における資本の財源及び資本の流動性につきましては、「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(6)経営者の問題意識と今後の方針について
「3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、経営全般にわたる一層の効率化を追求し、業績の向上を図るべく全社一丸となって専心努力いたします。