第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社は2017年6月に迎えた会社設立70周年を第三の創業と位置付け、これを機に「Sail for Change!~“新しい価値”を“新しいつながり方”で~」を新たな企業理念に掲げました。

 時代・市場・環境は常に変化し、企業はその変化を敏感に察知し、柔軟に対応し、その時々でベストなパフォーマンスをしていかなければ生き残っていくことができないと考えます。

 今後当社が更なる成長を遂げるためには、時代に適合した戦略を実践していくことが不可欠であります。メーカー発アパレル企業として当社が取り組んできた安心安全で高品質な商品の提供は今後も継続してまいりますが、時代の流れとともに物づくり以外にも求められる価値は益々多様化しております。お客様が求める“新しい価値を”テクノロジーを利用した“新しいつながり方”で提供するために、当社は未来を見据え時代・市場・環境の変化に呼応し、Change!し続けてまいります。

 

(2)目標とする経営指標

 当社は、株主資本の効率的運用及び収益性の追求の観点から、ROE(自己資本当期純利益率)を重要な経営指標ととらえ、その向上を目指して経営に取り組んでおります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 当社は、中長期的な経営戦略として「ハードからソフトへの変革」を掲げ、お客様に対し“新しい価値”を“新しいつながり方”で伝えていくことで、「集客の拡大」「利益の拡大」を目指してまいります。

 当社最大の基幹ブランドである「クロコダイル」とともに、新規事業における「CITERA(シテラ)」「Penfield(ペンフィールド)」、そして「Lightning Bolt(ライトニングボルト)」へ集中して投資を行い、未来に通用するブランディング型ビジネスの確立に取り組んでまいります。同時に、コスト削減と会社運営全体の効率化を図り、会社の更なる成長を目指してまいります。

 また、株主還元と成長投資のバランスを重視し、業績と連動した高配当かつ安定配当の実施に努め、より一層の株主価値・企業価値の向上を目指してまいります。

 

(4)会社の対処すべき課題

 来期の展望としましては、米国の政権運営の影響や保護主義政策に伴う米中貿易摩擦の拡大、英国のEU離脱問題等、世界経済に影響を与えるリスクが顕在化しており、当社を取り巻く環境の先行き不透明感は継続するものと思われます。

 このような状況の中、当社グループは、これまで推進してまいりました中期構造改革が完了し、中期成長戦略「ハードからソフトへの変革」のもと、次なるステップへ舵を切っております。全ては「顧客起点」で“新しい価値”を継続的に創造し、“新しいつながり方”でお客様に伝え「集客の拡大」「利益の拡大」に向け取り組んでまいります。

 また、中期構造改革により、販管費が大幅に圧縮されるとともに収益を生み出しやすい機動的かつ効率的な収益構造に生まれ変わった今、当社グループは、基幹事業及び新規事業へ積極的に投資を行い中期成長戦略を着実に推し進め、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。

 

(5)会社の財務及び事業方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

(a)基本方針の内容

 上場会社である当社の株式は、株主、投資家の皆様による自由な取引が認められており、当社の株式に対する大規模買付提案またはこれに類似する行為があった場合においても、一概に否定するものではなく、最終的には株主の皆様の自由な意思により判断されるべきであると考えます。

 一方で、わが国の資本市場においては、対象となる企業の経営陣の賛同を得ずに、一方的に大規模買付提案またはこれに類似する行為を強行する動きが想定されます。

 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方としては、当社の企業理念、企業価値のさまざまな源泉、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保・向上させる者でなければならないと考えております。従いまして、企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大規模買付提案またはこれに類似する行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。

 

(b)不適切な支配の防止のための取組み

 企業価値ひいては株主共同の利益の中長期的な確保・向上を目指す当社の経営にあたっては、幅広いノウハウと豊富な経験、並びに顧客、従業員及び取引先等のステークホルダーとの間に築かれた関係等への十分な理解が不可欠です。これら当社の事業特性に関する十分な理解がなくては、株主の皆様が将来実現することのできる株主価値を適切に判断することはできません。突然大規模買付行為がなされたときに、大規模買付者の提示する提案内容が適正か否かを株主の皆様が短期間の内に適切に判断するためには、大規模買付者及び当社取締役会の双方から必要かつ十分な情報が提供されることが不可欠であり、当社株式をそのまま継続保有することを考える株主の皆様にとっても、大規模買付者が当社の経営に参画したときの経営方針や事業計画の内容等は、その継続保有を検討するうえで重要な判断材料であります。同様に、当社取締役会が当該大規模買付行為についてどのような意見を有しているのかも、株主の皆様にとっては重要な判断材料となると考えます。以上のことから、当社取締役会は大規模買付行為が一定の合理的なルールに従って行われることが、企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資すると考え、大規模買付行為がなされた場合における情報提供等に関する一定のルール(以下「大規模買付ルール」といいます。)を設定するとともに、前述の会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって大規模買付行為がなされた場合には、それらの者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みとして対抗措置を含めた買収防衛策(以下「本プラン」といいます。)を継続しております。

 <当社株式の大規模買付行為への対応策(買収防衛策)の概要>

 本プランは、①特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、②結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為を対象とします。

 本プランにおける大規模買付ルールとは、事前に大規模買付者が当社取締役会に対して必要かつ十分な情報を提供し、必要情報の提供完了後、対価を現金のみとする公開買付による当社全株式の買付けの場合は最長60日間、またはその他の大規模買付行為の場合は最長90日間を当社取締役会による評価・検討等の取締役会評価期間として設定し、取締役会評価期間が経過した後に大規模買付行為を開始する、というものです。

 本プランにおいては、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合には、原則として当該大規模買付行為に対する対抗措置はとりません。ただし、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合、大規模買付ルールを遵守しても当該大規模買付行為が会社に回復し難い損害をもたらすなど、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと判断される場合には、必要かつ相当な範囲で新株予約権の無償割当等、会社法その他の法律及び当社定款上検討可能な対抗措置をとることがあります。このように対抗措置をとる場合、その判断の客観性及び合理性を担保するために、取締役会は対抗措置の発動に先立ち、当社の業務執行を行う経営陣から独立している社外取締役、社外監査役並びに社外有識者から選任された委員で構成する独立委員会に対して対抗措置の発動の是非について諮問し、独立委員会は対抗措置の発動の是非について、取締役会評価期間内に勧告を行うものとします。当社取締役会は、対抗措置を発動するか否かの判断に際して、独立委員会の勧告を最大限尊重するものとし、必要に応じて独立委員会の勧告または取締役会の判断により、株主の皆様の意思を確認することが

適切と判断した場合には、本プランによる対抗措置を発動することを十分に検討するための株主検討期間(最長

60日間)を設定し、当該株主検討期間中に当社株主総会を開催することといたします。

 本プランは、2018年11月22日開催の当社第72回定時株主総会において株主の皆様のご承認を賜り継続し、その有効期限は同日から3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会(2021年11月に開催予

定の定時株主総会終結)の時までとなっております。

 本プランの詳細につきましては当社インターネットホームページ(http://www.yamatointr.co.jp/)をご参照ください。

(c)不適切な支配の防止のための取組みについての取締役会の判断

 本プランは、会社支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みであり、以下の点から、当社役員の地位維持を目的としたものではなく当社の企業価値ひいては株主共同の利益を損なうものではないと考えております。

(ア)買収防衛策に関する指針の要件を充足していること

 本プランは、経済産業省及び法務省が2005年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性の原則)を充足しています。

 また、経済産業省に設置された企業価値研究会が2008年6月30日に発表した報告書「近時の諸環境の変化を

踏まえた買収防衛策の在り方」及び株式会社東京証券取引所が2015年6月1日に公表した「コーポレートガバ

ナンス・コード」の「原則1-5いわゆる買収防衛策」の内容も踏まえたものとなっております。

 

(イ)株主共同の利益の確保・向上の目的をもって継続されていること

 本プランは、当社株式に対する大規模買付行為等がなされた際に、当該大規模買付行為等に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保し、株主の皆様のために大規模買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって継続したものです。

(ウ)合理的な客観的発動要件の設定

 本プランは、あらかじめ定められた合理的な客観的要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みが確保されています。

(エ)独立性の高い社外者(社外取締役、社外監査役並びに社外有識者)の判断を重視

 本プランにおける対抗措置の発動等に際しては、独立している社外者のみで構成される独立委員会へ諮問し、同委員会の勧告を最大限尊重するものとされており、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するよう、本プランの透明な運用を担保するための手続きも確保されています。

(オ)株主意思を反映するものであること

 本プランは、定時株主総会における株主の皆様のご承認を条件に、継続されたものであり、その継続について株主の皆様のご意向が反映されております。また、本プラン継続後、有効期間中であっても、当社株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されることになり、株主の皆様のご意向が反映されます。

(カ)デッドハンド型買収防衛策やスローハンド型買収防衛策ではないこと

 本プランは、当社の株主総会で選任された取締役で構成される当社取締役会により廃止することができるものとされており、当社の株式を大量に買付けた者が、当社株主総会で取締役を指名し、かかる取締役で構成される当社取締役会により、本プランを廃止することが可能であり、デッドハンド型買収防衛策ではありません。また、当社の取締役任期は1年であり、期差任期制を採用していないため、本プランはスローハンド型買収防衛策でもありません。

 

2【事業等のリスク】

 当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があるリスクについては以下のようなものがあります。記載内容のうち将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。

 

(1)特定製品への依存によるリスク

 当社グループが展開するブランドのうち基幹ブランドであります「クロコダイル」が、当連結会計年度において占める売上高構成比は、89.9%と非常に大きな比重となっております。当ブランドの売上動向によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)消費者の嗜好の変化等によるリスク

 当社グループが取り扱う衣料品は、比較的ファッショントレンドの変化に左右されないアダルト層をターゲットにしたものやアウトドア分野の商品の比率が高くなっておりますが、景気変動の影響による個人消費の低迷や競合する同業他社の動向に加え、消費者の嗜好の変化によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)顧客の少子高齢化に伴うリスク

 当社グループが展開するブランドには、売上高構成比は高くはありませんがファッション動向に敏感な年代をターゲットとしたものもあり、少子化によって購買層の減少が懸念されます。また、他の年代をターゲットとしたブランドに関しても高齢化によって、将来的には購買層の減少といった問題が発生する可能性があり、これらの問題によって、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)新規開発事業によるリスク

 当社グループでは、特定製品への依存回避及び企業価値を向上させるために、消費者ニーズや市場動向に対応した新規業態やブランドの開発に積極的に取り組んでおります。新規開発事業については、十分な市場調査を行っておりますが、市場環境の急激な変化によっては当初計画が達成されない場合もあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)天候、自然災害、新型インフルエンザ等の伝染病によるリスク

 当社グループが取り扱う衣料品の売上は、冷夏暖冬等の異常気象や、台風や地震等の自然災害によって、減少することが考えられます。特に売上比率の高い冬季の天候不順や異常気象は、当社グループの業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 また、新型インフルエンザ等の伝染病が日本国内で流行した場合、事業の一時中断や消費が減少する恐れがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)品質に関するリスク

 当社グループが取り扱う衣料品の品質を維持することは、消費者からの信頼を得ると同時に、企業及びブランドイメージの維持につながることと認識しており、厳しい品質基準による管理を行っております。

 このような管理体制にも関わらず、品質面での問題や製造物責任に関する事故が発生した場合には、企業及びブランドイメージの低下や損害賠償の請求等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)店舗出退店に関するリスク

 当社グループが運営する直営店舗は賃借契約を締結することが基本であり、出店にあたり敷金・保証金を差し入れ、内・外装等の初期投資費用を掛けており、出店後も人件費及び家賃等が継続的に発生いたします。

 そのため、政策により出店が増加すれば関連費用も比例して増加いたします。その際、賃貸人の倒産等によって敷金・保証金の全部または一部が回収できなくなる可能性があります。

 なお、ショッピングセンターやGMS等へ出店している場合は、売上高如何または閉館等によってデベロッパーからの退店要請を受けることがあります。

 また、新規出店に関しましては、ショッピングセンター等の出店計画が遅れるといった理由によって、会社の店舗政策が計画通りに進まないこともあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)店頭販売員の増加に関するリスク

 当社グループが運営する直営店を主とする小売・自主管理型売場が増加することにより、店頭販売員数も増加することとなり、人件費、採用関連費用等の費用負担が発生いたします。また、売場は全国で展開しており、地域によっては販売員を採用することが困難な場合や、顧客サービス向上のための教育が徹底されないこともあり、当社グループの企業イメージや業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)海外におけるリスク

 当社グループは、仕入に関しては中国を中心としたアジア諸国からの輸入比率が高水準にあります。それに伴い、為替レートの変動、テロや戦争等の政情不安、天災、SARS等の伝染病といったリスクが発生する恐れがあり、その結果、原価の高騰並びに、工場操業や製品輸入が困難になるといったリスクが発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)知的財産権に関するリスク

 当社グループでは国内外で商標権を所有し、管理・運営を行っておりますが、第三者による当社グループの権利侵害等により、企業またはブランドイメージの低下等の悪影響を受けることもあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)取引先に関するリスク

 当社グループは、製造・卸・小売業として数多くの取引先を有しておりますが、取引先の信用度については、信用情報を検討し、常時取引先の経営状況を把握する体制を整えております。しかし予期せぬ経営破綻等により貸倒損失を計上する場合もあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、GMS・百貨店等の取引については、今後、取引条件等の変更内容によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)個人情報に関するリスク

 当社グループは、小売・自主管理型売場や通信販売等を通じて多くの個人情報を所有しており、これらの取り扱いについては管理体制を整備し細心の注意を払っておりますが、犯罪行為や管理面での問題により情報漏洩が発生した場合、社会的な信用問題や個人に対する賠償問題等が発生することがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)法的規制に関するリスク

 当社グループでは法令遵守の重要性を強く認識し、商品の販売、仕入れ、情報管理において、景品表示法、独占禁止法、下請法、個人情報保護法等の法律の遵守を徹底しております。

 しかしながら、社内でのコンプライアンス意識の徹底にも関わらず、法律違反を起こし損害賠償等の問題が発生した場合、あるいは法改正された場合、その内容によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)税制の改正に伴うリスク

 当社グループの事業は主として衣料品を取り扱っており、税制の改正、例えば消費税の引き上げ等が実施された場合、個人消費が低迷することも考えられ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状況、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概況は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、米国の政権運営の影響や保護主義政策に伴う米中貿易摩擦の拡大、英国のEU離脱問題等、海外経済の不確実性はあるものの、堅調な企業業績を背景に所得や雇用環境に改善が見られ、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、当アパレル業界における個人消費につきましては、消費者の節約志向は依然として根強く、力強さに欠ける状況となっております。

 このような経営環境の中、当社グループではアパレル・流通業界における環境の変化に対応するため、これまで取り組んでまいりました中期構造改革を2017年8月期を以って完了し、中期成長戦略「ハードからソフトへの変革」のもと、次なるステップへ舵を切っております。全ては顧客起点で新しい価値”を継続的に創造し、それを“新しいつながり方”で提供することで会社の持続的な成長を目指しております。

 基幹事業である「クロコダイル」は、プレミア エイジ(60~75歳)層に向けて、差別性や独自性を兼ね備えた新しい価値”を継続的に創造できる姿を目指し、今一度価値創造のレベルアップを図っております。また、SNS・WEB対応といったソフトへの積極的な投資を行い、これまでのデジタリゼーションを駆使したダイレクトなエンゲージメントに加え、新聞広告やカタログといった親和性の高いアナログな訴求をスマホ・テレコマースと融合させた“新しいつながり方”で提供することで、「集客の拡大」と「利益の拡大」を目指しております。

 新規事業では、“アクティブ・トランスファー・ウェア”をテーマとした「CITERA(シテラ)」と米国発アウトドアファッションブランド「Penfield(ペンフィールド)」を展開しております。ブランドの顔となる商品開発に注力するとともに、「集客の拡大」に向けた新しいファンクションやサービスへの投資を積極的に行い、WEBマーケティングやPop-upストアの展開を筆頭に、当社が直接運営する事業に加え、国内外のライセンス展開も目指す等、新たなブランディング型ビジネスを確立してまいります。また、新たに日本国内における商標権を伊藤忠商事株式会社と共同保有したハワイ発カジュアルサーフブランド「Lightning Bolt(ライトニングボルト)」は、従来のライセンスパートナーによる専門店向け卸に加え、新たなパートナーと共に立ち上げたトップライン「Lightning Bolt Black Label(ライトニングボルトブラックレーベル)」がスタートいたしました。今後は、このトップラインによるブランド認知度と価値向上に注力し、ライセンス事業の拡大を目指してまいります。

 一方、当社グループの物流業務を請負う子会社ヤマト ファッションサービス株式会社では、在庫管理や入出荷業務の精度向上に努めるとともに、2020年8月期からの本格稼働を目指し新たに自動ソーターを導入する等、積極的な投資を行うことで更なる業務の生産性向上を図っております。また、繊維製品等の輸出入及び生産の管理を目的として2018年12月に香港に設立いたしました連結子会社信寶實業有限公司、並びに布帛シャツ及びアウター等の製造を行っておりました上海雅瑪都時装有限公司につきましては当社グループにおける経営資源を有効活用するため、2019年4月に欣恩国際貿易有限公司に譲渡し、当社の連結範囲から除外されることとなりました。

 以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

 (ア)財政状態

(資産)

当連結会計年度末における流動資産は、113億4千5百万円となり、前連結会計年度末と比べ3億1千7百万円増加いたしました。現金及び預金と有価証券を合わせた手元流動性資金は72億2千4百万円から3億円増加し、75億2千5百万円となりました。

当連結会計年度末における固定資産は、120億4千9百万円となり、前連結会計年度末と比べ3億1千万円減少いたしました。主な要因は、無形固定資産が4億8千1百万円減少したことによるものであります。

この結果、総資産は233億9千4百万円となり、前連結会計年度末と比べ7百万円増加いたしました。

 

(負債)

当連結会計年度末における流動負債は50億2千5百万円となり、前連結会計年度末と比べ2億5千3百万円増加いたしました。主な要因は、電子記録債務が7千9百万円、その他の流動負債が2億9千3百万円それぞれ増加したことに加え、支払手形及び買掛金が1億1千2百万円減少したこと等によるものであります。

当連結会計年度末における固定負債は10億1千9百万円となり、前連結会計年度末と比べ4百万円増加いたしました。主な要因は、長期借入金が4千5百万円増加し、繰延税金負債3千8百万円が全額なくなったこと等によるものであります。

この結果、負債合計は60億4千5百万円となり、前連結会計年度末と比べ2億5千8百万円増加いたしました。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は173億4千9百万円となり、前連結会計年度末と比べ2億5千1百万円減少いたしました。主な要因は、利益剰余金が1億3千9百万円増加し、その他有価証券評価差額金が1億9千6百万円減少し、為替換算調整勘定1億8千9百万円が全額なくなったこと等によるものであります。

この結果、自己資本比率は74.2%(前連結会計年度末は75.3%)となりました。

 

 なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。

 

 (イ)経営成績

 当連結会計年度における経営成績は、売上高が168億1千8百万円(前年同期比1.7%増)と増収になりました。利益面では、売上総利益率は45.4%(前年同期比1.4ポイント減)となり、販売費及び一般管理費は70億5千8百万円(前年同期比0.4%減)、営業利益は5億8千2百万円(前年同期比10.1%減)、経常利益は6億6千9百万円(前年同期比11.2%減)となりましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は5億2千9百万円(前年同期比11.6%増)と順調に前年及び公表値を上回っております。

 セグメントごとの売上高では、繊維製品製造販売業165億5百万円(前年同期比1.7%増)、不動産賃貸事業3億1千2百万円(前年同期比2.3%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により7億3千4百万円、投資活動により2億3千8百万円それぞれ増加したことに対し、財務活動により3億7千4百万円減少したこと等により、前連結会計年度末と比べ6億円増加し、当連結会計年度末には75億2千5百万円となりました。

なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は7億3千4百万円(前年同期は得られた資金5億8千万円)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益6億8千8百万円、減価償却費2億1千3百万円、減損損失4億4百万円、関係会社出資金売却益4億6千2百万円、法人税等の支払額1億6千9百万円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果得られた資金は2億3千8百万円(前年同期は使用した資金22億3千8百万円)となりました。主な要因は、有価証券の売却及び償還による収入3億円、有形固定資産の取得による支出1億4千6百万円、投資有価証券の取得による支出2億4百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社出資金の売却による収入3億2千8百万円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は3億7千4百万円(前年同期は使用した資金8億7千7百万円)となりました。主な要因は、長期借入れによる収入3億円、長期借入金の返済による支出2億7千7百万円、配当金の支払額3億9千万円等によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

 (1)生産実績

 上海雅瑪都時装有限公司の事業譲渡に伴い、当連結会計年度は当社グループ内での生産は行っておりませんので、記載を省略しております。

 

 (2)仕入実績

 当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

(アイテム別)

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

繊維製品製造販売業

カットソーニット

2,649,941

101.5

 

布帛シャツ

1,577,214

128.3

 

横編セーター

1,030,002

87.7

 

アウター

2,516,344

103.9

 

ボトム

826,011

117.2

 

小物・その他

546,232

109.7

 

9,145,747

105.9

不動産賃貸事業

合計

9,145,747

105.9

 

(顧客別)

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

繊維製品製造販売業

メンズ

5,318,082

108.5

 

レディス

3,821,880

102.8

 

その他

5,784

27.1

 

9,145,747

105.9

不動産賃貸事業

合計

9,145,747

105.9

(注)1.金額は、仕入価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 (3)受注実績

 受注生産を行っていないため、記載を省略しております。

 

 

 (4)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

①セグメント販売実績

(アイテム別)

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

繊維製品製造販売業

カットソーニット

4,793,316

103.2

 

布帛シャツ

2,973,039

104.6

 

横編セーター

1,903,868

91.6

 

アウター

4,520,106

102.8

 

ボトム

1,375,630

102.5

 

小物・その他

939,573

100.8

 

16,505,534

101.7

不動産賃貸事業

312,762

102.3

合計

16,818,297

101.7

 

(顧客別)

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

繊維製品製造販売業

メンズ

9,289,785

100.0

 

レディス

7,071,212

103.9

 

その他

144,536

100.8

 

16,505,534

101.7

不動産賃貸事業

312,762

102.3

合計

16,818,297

101.7

(注)1.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2017年9月1日

至 2018年8月31日)

当連結会計年度

(自 2018年9月1日

至 2019年8月31日)

金額(千円)

比率(%)

金額(千円)

比率(%)

イオングループ

4,314,194

26.1

4,518,722

26.9

株式会社イトーヨーカ堂

4,268,155

25.8

4,133,305

24.6

ユニー株式会社

2,391,415

14.5

2,373,835

14.1

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

②ブランド別販売実績

区分

金額(千円)

構成比(%)

前年同期比(%)

クロコダイル

15,120,698

89.9

101.2

その他

1,697,598

10.1

106.2

合計

16,818,297

100.0

101.7

(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成は、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りは過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる方法により行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため実際の結果と異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

②当連結会計年度の財政状態の分析

 当連結会計年度の財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 (ア)財政状態」をご参照ください。

 

③当連結会計年度の経営成績の分析

(ア)売上高

 当連結会計年度における売上高は、168億1千8百万円と、前年同期の165億4千万円と比べ2億7千7百万円の増加となりました。

 基幹事業である「クロコダイル」は、ターゲットであるプレミア エイジ(60~75歳)層に向け、既顧客の満足度向上と潜在顧客の獲得に向けた新しい価値”の創造に注力いたしました。その結果、「スウィッチモーション」を含む「クロコダイル」グループの売上高は前年同期と比較して1.3%の増収と堅調に推移しております。また、中期成長戦略「ハードからソフトへの変革」において重要な位置づけとなるEコマースにおいては、デジタルとアナログを効果的に融合させたマーケティングや、利便性向上を目指した新サービスの導入などにより、プレミア エイジ層の会員が約20万人に達した「クロコダイル」において、前年同期と比較して23%増と引き続き高い伸び率を継続しており、その売上に対するスマートフォン構成比も前年より7ポイント増加し50%となりました。

 

(イ)売上総利益率、販売費及び一般管理費、営業利益

 当連結会計年度における売上総利益率は、長雨や梅雨寒の影響を受けた当年夏物と、前年に積み残した旧品夏物の消化促進による在庫適正化を進めた結果、45.4%(前年同期比1.4ポイント減)となりました。

 販売費及び一般管理費は、「集客の拡大」「利益の拡大」を実現する投資戦略に基づき、取得した商標以外にもSNSや新聞広告、または新たな店舗立地の獲得など、新しいつながり方”への先行投資を積極的に行いながらも、前年同期の70億8千5百万円と比べ2千7百万円の減少となっております。構造改革を機にこれまで取り組んでまいりましたワークスタイル変革により、無駄な作業やコストが恒常的に削減され、優位性を生む投資軸の転換が順調にシフトしております。

 この結果、当連結会計年度における営業利益は、5億8千2百万円となり、前年同期の6億4千8百万円と比べ6千5百万円の減益となり、営業利益率は3.9%から3.5%と0.4ポイント減少いたしました。

 

(ウ)税金等調整前当期純利益

 当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は、6億8千8百万円となり、前年同期の7億4千1百万円と比べ5千3百万円の減益となりました。前年同期に発生しなかった特別利益の関係会社出資金売却益、特別損失の減損損失が当連結会計年度に発生したことが主な要因であります。

 

(エ)親会社株主に帰属する当期純利益

 これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、5億2千9百万円となり、前年同期の4億7千4百万円と比べ5千5百万円の増益となりました。

 

④当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2015年8月期

2016年8月期

2017年8月期

2018年8月期

2019年8月期

自己資本比率(%)

75.9

70.8

73.8

75.3

74.2

時価ベースの自己資本比率(%)

30.1

33.5

39.6

47.4

35.9

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

5.1

3.4

1.6

1.3

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

13.6

20.0

38.8

103.0

 自己資本比率:自己資本/総資産

 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

 キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

 インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注1)いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

(注3)キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。

(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。

(注5)2015年8月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。

 

⑤経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」をご参照ください

 

⑥資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの運転資金及び設備投資資金は、主として営業活動によるキャッシュ・フローである自己資金により充当し、必要に応じて金融機関からの借入を実施することを基本方針としております。

 この方針に従い、当連結会計年度における運転資金及び設備投資資金については、自己資金により充当しました。

 今後の資金需要のうち、主なものは、運転資金の他、店舗の出店及び改修などの設備投資資金等であります。これらの資金についても、基本方針に基づき、主に自己資金により充当する予定でありますが、必要に応じて金融機関からの借入を実施する等、負債と資本のバランスに配慮しつつ、必要な資金を調達してまいります。

 

⑦経営方針、経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、株主資本の効率的運用及び収益性の追求の観点から、ROE(自己資本当期純利益率)を重要な経営指標ととらえ、その向上を目指して経営に取り組んでおります。

 当連結会計年度におけるROEは、3.0%と前年同期比0.3ポイント増加しました。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 特に記載すべき事項はありません。