第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは「スポーツを通じて心と体の健康を提供する」を企業理念として掲げて、スポーツ衣料・スポーツ用品の企画・製造・販売、およびその他関連事業を行っております。

経営指針である「強い・速い・きれいな経営」のもと、持続可能な企業体質を求め、企業を取り巻く環境の変化に対応するよう絶えず経営体質の改善・改革に取り組んでおります。

また、平成24年からタグラインとして「スポーツファースト」を掲げ、グループ社員一同が、スポーツを第一に考え、スポーツを愛し、自ら実践し、スポーツのチカラを信じて日々の業務に精励しております。これはスポーツ基本法に掲げられる精神、「スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営む」国家戦略に合致するものであり、今後も引き続き着実に努力を積み重ねてまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

主たる経営指標としては、自己資本利益率(ROE)の向上を目標とし、収益性・効率性の高い経営を目指しております。

具体的には、引き続きキャッシュ・フロー重視の経営を推進することで、ROE10%以上を目標として取り組みます。

また、積極的に投資を推進する方針でありますが、経営の健全性を保つために有利子負債比率(D/Eレシオ)は0.4倍以内を限度として取り組みます。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題

当社グループを取り巻く経営環境は、不透明な景気動向や為替相場の中、競争の激化が進むなど、引き続き厳しいものと想定されます。

このような環境の下、当社グループでは、顧客や市場の変化に柔軟に対応して、ブランド事業の収益基盤を強化し、企業価値を高めるべく取り組んでおります。顧客基点のさらなる強化戦略として、次の戦略を掲げています。

 

①  マルチブランド戦略

単一ブランドでは出来ない新しい市場を創造し、カテゴリー分類別にマルチブランド戦略を実践し、スポーツスタイルの提案を強化します。

 

②  自主管理売場の強化

小売機能の強化を図り、直営店の連結売上構成比を拡大し、消費者ニーズを直接・間接的に汲み上げると同時にクリエイティブな提案を積極的に行います。

 

③  商品力の優位性の確立

各分野において、今まで以上に世界でもトップクラスの高機能・高品質を誇れる製品を開発し、市場においてもお客様にとっても絶対必要なブランドとしての地位を確立します。

 

④  グローバル市場への挑戦

国内のみならず海外市場においても、当社グループの商品力の優位性を背景に、オリジナルブランドを世界で展開していくための戦略の構築、布石に積極的に取り組んでいきます。

 

⑤  CSR・コンプライアンス体制

社会の中で信頼の置ける必要な会社であると認められるためには、取扱商品への高いニーズ・信頼性にはじまり、企業倫理・法令遵守はもとより、環境問題への積極的な取り組み、さらには当社グループとしての独自の社会貢献活動が今後の取り組み課題となります。

 

長期的な経営戦略は上記のとおりでありますが、当社は、平成29年3月期(第66期)を初年度とする令和3年3月期(第70期)までの中期経営計画を策定しております。

基本方針「2020年ゴールドウイン70周年に向けて、オリジナルブランドの強化を図り、海外での事業展開を積極推進し、新たな中核事業として育成する。」に基づき、重点課題として以下の施策を遂行すべくグループ全社を挙げて取り組んでいきます。

重点課題

①  オリジナルブランド事業・海外事業の強化

②  ランニング・ワークアウト市場におけるコアブランド事業の確立

③  Spiber株式会社との協業推進による新世代高機能素材を用いた商品開発と企業認知度向上

④  デジタルブランドマーケティングの強化とeコマース販売拡大

⑤  自主管理型ビジネス強化の継続推進

 

数値目標(連結)

 

 

平成31年3月期

令和3年3月期

① 売上高

84,934百万円

97,000百万円

② 営業利益

11,861

13,500

③ 経常利益

12,982

15,000

④ ROE

24.7 %

20.0 %

 

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

当社では「財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」を定めており、その内容等は以下のとおりであります。

 

①  基本方針の内容

当社は、上場会社として当社株式の自由な売買を認める以上、当社の取締役会の賛同を得ずに行われる、いわゆる「敵対的買収」であっても、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。買収者に対して株式を売却するか否かの判断や、買収者に対して会社の経営を委ねることの是非に関する判断は、基本的には、個々の株主の皆さまのご意思に委ねられるべきものだと考えております。

しかし、買収行為の中には、その態様によって、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を害するものが存在いたします。

当社の企業価値を構成する要素は、①業界トップクラスに位置付けられる高付加価値・高イメージの複数のスポーツウエアブランド(スポーツブランド)の商標権ないし販売権、②このようなブランド価値を具現化する為の優れた創造力・企画力・製造ノウハウ、③このような創造力・企画力・製造ノウハウを支える個々の優秀な従業員、④永年の取引を通じて培われた信頼関係に裏付けられた多数の取引先・顧客・商権等々の経営資源を有すること、ならびに、⑤これらの経営資源に基づき既存事業の遂行に加えて新規事業・新規商材・新規市場を開発することにより将来的に業容を拡大して会社業績を向上させ得る事業基盤、および、⑥事業活動を通じて安定してキャッシュ・フローを創出して将来にわたる会社資本強化を実現し得る経営基盤を有することであります。以上のような当社の企業価値の本質(本源的価値)に対する理解なくして、当社の企業価値を持続的に向上させていくことは不可能でございます。

このような理解に欠ける買収者が、当社の株式の大規模買付を行い、短期的な経済的効率性のみを重視して、一時的な利益を上げる反面で当社の持つ上記の経営資源や事業基盤を損なうことや、あるいは当社の特定のブランドまたは商権のみを獲得しその余については処分するなど、当社の企業価値を生み出す仕組に反する行為を行い、当社の事業体としての継続性を阻害することなどは、結果として当社の企業価値ひいては株主共同の利益の毀損につながるものです。

このように企業価値ひいては株主共同の利益を害する買収者に対しては、企業価値ひいては株主共同の利益を保護するために相当な限度で取締役会が対抗措置を発動することが認められてしかるべきであります。しかしながら、買収提案の内容は多種多様なものがありえますので、当該買収提案の内容が企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであるか、これを害するものであるか、にわかに判別し難い場合も存在しうるところです。当社は、かかる買収提案が行われた場合には、まずは取締役会において買収提案者と協議、交渉することといたしますが、買収提案者から買収提案に関する十分な情報の提供が行われた上で書面による請求があった場合など一定の要件を満たす場合には、株主総会の場において、当該買収提案につき本プランによる対抗措置を発動すべきか否かを株主の皆さま方に判断して頂くことが望ましいものと考えております。

また、株主の皆さまが、買収提案が企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものであるか否かにつき株主総会の場において適切な判断を行うことができるよう、当該買収提案が当社株主の皆さまおよび当社グループの経営に与える影響、当該買収者が意図する当社グループの経営方針や事業計画の内容、当社グループを取り巻く多くの関係者に対する影響等について、買収提案者から十分な情報の開示がなされるようにすることは、当社取締役会の責務と考えております。

②  基本方針の実現に資する特別な取組み

イ.中期経営計画に基づく企業価値向上への取組み

当社は中期経営計画をもとに、業務やコスト構造を見直し、顧客基点のさらなる強化を図り、顧客や市場の変化に柔軟に対応して、ブランド事業ごとの収益基盤を強化し、企業価値を高めるべく経営に取り組んでおります。

 

ロ.コーポレート・ガバナンスについて

当社は、各ステークホルダーとの良好な関係を築くとともに、内部統治構造の機能および制度を一層強化・改善・整備しながら、コーポレート・ガバナンスの充実を図っております。具体的には、業務の執行を迅速かつ効果的に行うため、内部統制機能の充実、職務権限規程等の運用を行うことにより、その実効性を図るとともに、コンプライアンスを含むリスク管理、経営の透明性確保や公正な情報開示等の取組みを行っております。今後とも当社のガバナンス体制のより一層の強化を進めてまいります。

当社は監査役制度を採用しており、取締役会、監査役会、および会計監査人を設置しております。当社の取締役会は社外取締役3名を含む10名で構成しております。なお、取締役の任期を1年とすることにより、業務執行の監視体制の強化を図っております。監査役会は4名で構成しており、3名は社外監査役となっております。監査役は取締役会のほか重要な会議に出席し、取締役の職務執行状況を監査するとともに、内部監査室および会計監査人と緊密な連携を保ち、情報交換を行い、相互の連携を深め、監査の有効性・効率性を高めております。

 

③  基本方針に照らし不適切な者により支配されることを防止するための取組み

上記①記載の認識に基づき、当社は、平成30年6月28日開催の定時株主総会において、当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上のための新株予約権を用いた方策(以下「本プラン」といいます)に関する継続承認議案の承認を得ており、かかる承認決議の内容に従い、上記定時株主総会後に開催された取締役会において、本プランの継続採用および円滑な実行のために必要な事項、措置を決議しております。本プランの内容は、インターネット上の当社ウェブサイト(アドレスhttp://www.goldwin.co.jp/corporate/info/ir/defense)に掲載していますので、詳細についてはそちらをご参照ください。

当社は、本プランに則り、当社の20%以上の株券等保有割合の株券等を特定公開買付開始公告の実施、または支配株式の取得を企図する者(その共同保有者およびこれらを支配する者その他を含む)に対して、予め当社に対し書面により一定の情報が記載された買収提案を提出することを求めます。買収提案が当社に対して行われた場合、当社取締役会から付議を受けた特別委員会が、買収提案について、企業価値ひいては株主共同の利益に資するか否かの観点から検討し、その結果を当社取締役会に勧告し、当社取締役会が対抗措置の不発動確認決議を行うか否かを検討します。なお、買収提案者が一定の要件を具備した上で、買収提案者の行う特定の買収提案に対し、本プランによる対抗措置を採ることの可否を問うための株主総会の開催を請求した場合および当社取締役会が自らの判断でかかる株主総会を開催すべきと判断した場合には、当社取締役会は株主総会を招集するものとし、当該株主総会において、本プランに基づく対抗措置を採ることが承認されなかった場合には、当該買収提案に対しては本プランによる対抗措置の発動は行われません。

 

④  基本方針の実現のための取組みについての取締役等の判断およびその理由

イ. 基本方針の実現に資する特別な取組みについて

当社の中期経営計画、コーポレート・ガバナンスの強化、企業としての社会的責任を遂行するための取組みは、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させることを直接目的とするものであり、結果として基本方針の実現に資するものです。

したがって、当該取組みは基本方針に沿い、当社の株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではございません。

ロ. 基本方針に照らし不適切な者により支配されることを防止するための取組みについて

本プランは上記の基本方針に沿うものであり、またその合理性を高めるため以下のような特段の工夫が施されております。本プランは、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を損なうものではなく、また当社経営陣の地位の維持を目的とするものでもありません。

Ⅰ    当社は、株主の皆さまの意思を反映させるため、本プランの導入に際して、定時株主総会において、本プランの導入に関する定款変更の特別決議によるご承認および一定の附帯条件のもと本プランによる対抗措置を採ることに関する普通決議によるご承認(「本プラン承認決議」)を受けております。

Ⅱ    特定の買収提案に対する不発動確認決議における判断の中立性を担保するため、本プランでは、当社社外役員および外部有識者から構成される特別委員会が、買収提案の内容について情報収集・検討を行い、不発動確認決議の是非について、当社社外役員を兼任する者は当社の役員としての会社に対する法的義務を背景に、企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上の観点から検討を行います。そして、取締役会は特別委員会の勧告を最大限尊重し、当該買収提案が当社の企業価値の向上や株主共同の利益に資するか否かの観点から真摯に検討します。また、特別委員会から当社取締役会に対し、不発動確認決議を行うべきとの勧告決議がなされ、取締役会がその勧告を受容れることで株主に対する取締役としての善管注意義務に反すると判断する場合には、取締役会が本プランによる対抗措置を採ることの可否についての株主総会を招集します。

Ⅲ    本プランでは、予め定める事項を全て充足すると認められる買収提案に対しては不発動確認決議がなされるものとされており、取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みが採られています。

Ⅳ    本プランでは、取締役会自ら株主総会の招集が必要と判断した場合のみならず、一定の要件を充足すれば買収提案者自身も自らの買収提案に対して本プランによる対抗措置を採るか否かを決する旨の議案を上程する株主総会を開催することを要求することができ、取締役会が判断の不当な引き伸ばしを行うことを回避する仕組みが組み込まれているとともに、本プランによる対抗措置の発動の可否について具体的な買収提案を前提として株主の皆さまの意思を直接反映する仕組みを採用しております。

Ⅴ    当社取締役の任期は1年であり、期差任期制や解任要件の普通決議からの加重等も行っていないため、毎年取締役の選任を通じて株主の皆さまの意思を反映することが可能となっています。

Ⅵ    本プランでは、定款上の根拠を有した株主総会決議による承認決議の有効期間を、平成30年6月27日開催の定時株主総会終了後3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会後最初に開催される取締役会の終結時までとし、3年が経過した時点で、本プランの各条件の見直し等を含め、必要に応じて株主総会の承認を求めることとし、本プランに株主の直接の意思を反映することができるようにしています。

Ⅶ    本プランの効力は、原則として各期の定時株主総会後最初に開催される取締役会の終結の時までとし、当該取締役会において、本プランの維持・改定または廃止など随時その内容を見直すことを基本としております。当社の取締役の任期は1年ですので、毎年の取締役の改選を反映した内容となることが確保されているとともに、関連する法制度の動向その他当社を取り巻く様々な状況に対応することが可能となります。

Ⅷ    本プランは、経済産業省および法務省が平成17年5月27日に公表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(①企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、②事前開示・株主意思の原則、③必要性・相当性確保の原則)を充足しており、また、経済産業省に設置された企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」その他の買収防衛策に関する実務・議論を踏まえた内容となっており、高度な合理性を有するものです。

 

2【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価および財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、記載内容のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

1.調達に関するリスク

①  為替レート変動に伴うリスク

当社グループの製品調達は、海外生産比率が高く、為替レートの変動は外貨建ての直接取引および商社等を経由する間接取引の製品調達に影響を及ぼす可能性があります。

為替レートの変動リスクを回避するために為替予約取引等の手段を講じておりますが今後の為替レートの変動によっては、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります

②  製造物責任に関するリスク

当社グループは、品質管理基準に従って生産および仕入を行っております。しかしながらすべての製品に不良がなく、製造物責任賠償が発生しないという保証はありません。

製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、製造物責任問題の発生で企業責任を問われることによる社会的評価の低下は、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

2.退職給付債務に関するリスク

当社グループの従業員退職給付費用および債務は、割引率、長期期待運用収益率等、数理計算で設定され、運用収益率の低下等実際の結果が、前提条件と異なる場合、当初算出された費用および債務に影響を及ぼします。また、当社においては、確定給付企業年金制度のほか、退職給付信託を設定し年金資産の運用を行っており、年金資産運用利回りの悪化は、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります

 

3.個人情報の取扱いに係るリスク

当社グループは売上の一部を通信販売によっていることから、顧客の個人情報を保有しております。個人情報については社内管理体制を整備し、情報管理への意識を高めるとともに、安易に情報が漏洩することの無いように、取り扱いには留意しております。

しかしながら、外部からのハッキングなど、不測の事態により、万が一、個人情報が外部に漏洩するような事態となった場合には当社グループの信用失墜による売上の減少、または損害賠償による費用の発生等が起こることも考えられ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

4.固定資産の減損に係るリスク

当社グループが保有する固定資産について、資産の収益性低下等により投資額の回収が見込めなくなる可能性があります。これに伴い「固定資産の減損に係る会計基準」に規定される減損処理が必要になった場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

5.他社との提携に関するリスク

当社グループは、シナジー効果による市場での優位性を確保するために技術提携およびコラボレーション等共同での活動を行っております。今後も継続していく予定でありますが、当事者間において市場や事業運営等につき大きな見解の相違が生じた場合は当該事業の継続が困難になり、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

6.消費者の嗜好の変化ならびに気象状況などによるリスク

当社グループが扱う商品は景気の変動による個人消費の動向、そして消費者の嗜好の変化に影響を受けやすく、また特定の季節に利用される商品においては、天候不順、暑さ寒さなど気象条件が、大きく売上に影響を及ぼす可能性があります。

7.地震等の天災に関するリスク

地震等の天災により、当社グループおよび取引先等に直接被害があった場合や原材料の調達が困難になった場合など、販売、回収活動等に影響を及ぼす可能性があります。その場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

1.業績等の概要

(1)業績

当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)は当連結会計年度を第2年度とする令和3年3月期(第70期)までの中期経営計画を策定し、その遂行に全社を挙げて取組んでおります。

直営店やeコマース販売等の自主管理型売上が拡大したこと、さらに発注流動管理強化による販売ロス削減、プロパー販売比率改善等により、当連結会計年度の業績は、売上高84,934百万円(前期比20.6%増)、営業利益11,861百万円(前期比67.0%増)、経常利益12,982百万円(前期比65.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は9,243百万円(前期比78.6%増)となり、売上高は9期連続の増収、営業利益は11期連続の増益で最高益更新、経常利益は6期連続の最高益の更新、親会社株主に帰属する当期純利益も3期連続の最高益の更新となりました

なお、記載金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は12,356百万円となり、前連結会計年度末より3,122百万円増加いたしました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られたキャッシュ・フローは13,163百万円(前連結会計年度比4,031百万円の収入増)となりました。主な要因は、法人税及び住民税の支払3,479百万円があったものの、税金等調整前当期純利益12,702百万円の計上のほか、仕入債務の増加3,202百万円等があったためであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用したキャッシュ・フローは2,084百万円(前連結会計年度比3,897百万円の支出減)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出885百万円、固定資産の取得による支出742百万円および差入保証金の差入による支出329百万円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用したキャッシュ・フローは7,933百万円(前連結会計年度比6,601百万円の支出増)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出2,995百万円、自己株式の取得による支出2,875百万円および配当金の支払1,387百万円等によるものであります。

 

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

平成27年3月期

平成28年3月期

平成29年3月期

平成30年3月期

平成31年3月期

 自己資本比率(%)

54.5

51.6

52.6

50.0

51.0

 時価ベースの自己資本比率(%)

87.9

91.3

110.7

207.2

470.3

 債務償還年数(年)

1.3

1.3

1.7

1.1

0.5

 インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

23.2

34.7

40.1

72.5

105.4

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

債務償還年数:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注1)各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

(注2)株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

(注4)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている短期借入金、長期借入金(1年以内返済分を含む)および社債(1年以内返済分を含む)を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

(3)生産、受注及び販売の実績

当社グループは、製品の種類、性質、製造方法および販売市場等の類似性から判断して、同種・同系列のスポーツ用品を専ら製造販売しているため、生産および販売の実績についての記載を省略しております。また、受注状況についても一部の特殊商品のみ受注生産を行っておりますが、全体に占める割合が僅少であるため、記載を省略しております。

 

2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針および見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されておりますが、その中で以下に掲げる重要な会計方針および見積りにつきましては特に、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因になっていると考えております。

 

①  売上高の計上基準

当社グループの売上高は、取引先との契約により、先方に対して製品が出荷された時点、あるいは取引先または当社グループの運営店舗が消費者に売り上げた時点で計上されるのが基本であります。

スポーツ用品業界の慣習として、いったん売上計上したものについても取引先からの返品あるいは値引が発生することがあり、その場合はその時点での売上高から控除されることになります。

 

②  製品・商品・原材料の評価

たな卸資産のうち、製品・商品についてはあらかじめ設定された販売適用時期を過ぎたものについて、過去の販売実績に基づき開発年度ごとに算定した評価率を乗じて時価(正味売却価額)を算出し、その時価の見積り額と原価との差額を評価減しております。

原材料は生地等の今後の使用可能性とともに、一定の滞留期間を経過したものについて、処分価格を基準として評価減しております。

 

③  有価証券の減損処理

市場価格のある有価証券については、基本的に連結会計年度末の市場価格が取得原価を50%以上下回ったものは全て、下落率が30%以上50%未満のものは、回復可能性を一定の基準で判定し減損処理を行っております。また、市場価格のない会社への投資については、当該会社の1株当たり純資産額が取得原価を30%以上下回った場合に、回復可能性を一定の基準で判定し減損処理しております。

 

(2)財政状態の分析

①  流動資産

当連結会計年度末における流動資産の残高は39,972百万円となり、前連結会計年度末と比べ5,170百万円増加いたしました。その主な要因は、現金及び預金の増加3,052百万円および電子記録債権の増加926百万円等であります

・売上債権(受取手形及び売掛金、電子記録債権)

当連結会計年度末の売上債権回転月数は、1.88ヵ月であり、前連結会計年度末の売上債権回転月数2.05ヵ月に比べ0.17ヵ月短縮しました。

・たな卸資産(商品及び製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品)

当連結会計年度末のたな卸資産は12,288百万円となり、前連結会計年度末と比べ770百万円増加いたしました。たな卸資産回転月数につきましては前連結会計年度末1.96ヵ月から当連結会計年度末1.74ヵ月となりました。

 

②  固定資産

当連結会計年度末における固定資産の残高は37,571百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,660百万円増加いたしました。その主な要因は、繰延税金資産が1,079百万円増加したこと等によるものであります。

・投資有価証券

投資有価証券には、関連会社の株式18,549百万円のほか、長期・安定的な取引関係維持のために所有している主要取引金融機関や主要仕入先等の株式が含まれております。当連結会計年度末における投資有価証券の残高は23,730百万円となり、前連結会計年度末と比べ115百万円増加いたしました。

 

③  負債(流動負債および固定負債)

当連結会計年度末における負債合計の残高は37,934百万円となり、前連結会計年度末と比べ2,646百万円増加いたしました。主な要因は、借入金の減少2,945百万円があったものの、電子記録債務の増加2,258百万円、支払手形及び買掛金の増加942百万円、賞与引当金の増加778百万円および未払法人税等の増加643百万円があったためであります。

 

④  純資産

当連結会計年度末における純資産合計の残高は39,609百万円となり、前連結会計年度末と比べ4,184百万円増加いたしました。主な要因は、自己株式の増加2,834百万円があったものの、利益剰余金の増加7,855百万円があったためであります。

・自己資本比率

当連結会計年度末の自己資本比率は51.0%となり、前連結会計年度末と比べ1.0ポイント増加いたしました。

・ROE

当連結会計年度末のROEは24.7%となり、前連結会計年度末と比べ9.3ポイント上昇いたしました。

 

(3)資本の財源および資金の流動性に係る情報等

①  キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末より3,122百万円増加し、12,356百万円となりました。

これは、営業活動の結果得られた収入13,163百万円に対し、投資有価証券の取得や固定資産の取得等の投資活動による支出が2,084百万円あったことおよび自己株式の取得や長期借入金の返済等の財務活動による支出が7,933百万円あったことによるものです。

なお、当社グループは、運転資金および設備投資について、営業活動から獲得する自己資金ならびに金融機関からの借入による調達を行うものとしております。

 

②  財務政策

現在、当社グループの財務政策の重点課題として、「グループキャッシュ・フロー重視経営の徹底」を掲げております。有利子負債の削減を目的としてキャッシュ・フロー管理の徹底を図り、ブランド事業ごとの収益基盤の強化および社内カンパニー制度を推進し、財務体質を強化いたします。また、財務の健全性を高めるため、長期安定資金の比率を高めるとともに総資産の圧縮を進めます。

主たる経営指標としては、自己資本利益率(ROE)の向上を目標とし、収益性・効率性の高い経営を目指しております。

具体的には、引き続きキャッシュ・フロー重視の経営を推進することで、ROE10%以上の維持を目標として取り組みます。

また、積極的に投資を推進する方針でありますが、経営の健全性を保つために有利子負債比率(D/Eレシオ)は0.4倍以内を限度として取り組みます。

 

(4)経営成績の分析

①  売上高

連結売上高については、「ザ・ノース・フェイス」「ヘリーハンセン」等アウトドア関連ブランドの販売が、年間を通じて好調に推移し、前期比大幅増収となりました。今期新たにスタートした「ウールリッチ」ブランドの秋冬商品の販売も堅調で、増収の要因となっております。アスレチック関連ブランドでは、百貨店を主販路とする「ブラックアンドホワイト」や専門店・ナショナルスポーツチェーン向け卸事業を主業態とする「スピード」が苦戦し減収となりました。ウィンター関連ブランドは、店頭での販売促進を徹底し、返品・値引による販売ロスを削減したことにより、微増収となりました。合計売上としては、アウトドア関連ブランドの好調推移が全社売上を大きく牽引した結果、前期比14,513百万円の増収となりました。

これらの結果、当連結会計年度の売上高は84,934百万円(前期比20.6%増)となりました。

 

②  売上総利益

当連結会計年度の売上総利益は売上高の増加等により、43,018百万円(前期比26.2%増)となり、売上総利益率は50.6%となりました。

 

③  営業利益

売上総利益の増加により、当連結会計年度の営業利益は11,861百万円(前期比67.0%増)となりました。販売費及び一般管理費につきましては、グループを挙げて経費削減に取り組んではおりますが、直営店出店に伴う関連経費等の販売管理費も増加し31,347百万円(前期比15.0%増)となりました。

 

④  経常利益

営業外収益は、韓国における持分法適用関連会社であるYOUNGONE OUTDOOR Corporationの業績が堅調で、持分法による投資利益が増加したことで、1,320百万円(前期比39.5%増)となりました。

営業外費用につきましては、支払利息の増加等により、199百万円(前期比7.5%減)となりました。その結果、経常利益は12,982百万円(前期比65.7%増)となっております。

 

⑤  親会社株主に帰属する当期純利益

上記経常利益の増加に伴い法人税等が増加したものの、親会社株主に帰属する当期純利益は9,243百万円(前期比78.6%増)となりました。

 

(5)目標とする経営指標の達成状況

中期経営計画における経営指標の進捗状況は以下の通りとなっております。なお、当連結会計年度の経営成績が好調に推移した結果、中期経営計画最終年度の営業利益、経常利益を前倒しで達成することができましたので、中期経営計画最終年度の数値目標を再度上方修正することとしました。

(単位:百万円)

 

平成29年

3月期

(実績)

平成30年

3月期

(実績)

平成31年

3月期

(実績)

令和3年3月期

当初目標

(平成28年5月13日公表)

修正目標

(平成30年11月6日公表)

再修正目標

(令和元年5月14日公表)

連結売上高

60,903

70,420

84,934

80,000

90,000

97,000

連結営業利益

 3,910

 7,102

11,861

 6,500

11,000

13,500

連結経常利益

 4,578

 7,833

12,982

 7,300

11,500

15,000

ROE

11.1%

15.4%

24.7%

11.2%

15.0%以上

20.0%以上

 

 

4【経営上の重要な契約等】

(1) 技術導入契約

当社の営業に関し次のとおり技術導入契約を締結しております。

契約締結先

内容

三井物産㈱    (日本)

スイムウエア、アスレチックウエアおよび関連グッズ等の製造権、販売権ならびに商標権の使用許諾契約

 

5【研究開発活動】

当社グループはスポーツ衣料を中心としたスポーツ用品関連で、品質・機能・価格・デザインのあらゆる面で対応していくため、各分野にわたって研究開発に取り組んでおり、とくにファッションに対する感性を主とする企画強化とともに高機能製品の研究開発を重点的にすすめております。

現在の研究開発は当社の事業部および子会社の企画事業部門のほか、グループ全体として開発委員会を設置し、新製品の企画開発を中心に推進しております。

当連結会計年度における研究開発費は、当社、㈱ナナミカ、㈱カンタベリーオブニュージーランドジャパンおよびブラックアンドホワイトスポーツウェア㈱の事業部における新製品の企画・開発関係費、海外デザイナー・海外提携先との提携費、素材メーカー等との開発費や㈱ゴールドウインテクニカルセンターの生産技術面の研究開発費、商品開発費等が主なもので、総額として756百万円となっております。

なお、当社グループは、スポーツ用品関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。