第2 【事業の状況】

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

 ① 経営成績の状況

当中間連結会計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策により緩やかな回復の動きは見られるものの、生活必需品を中心とした物価上昇が続き個人消費は伸び悩み、1-3月期のGDP成長率が4四半期ぶりにマイナス成長となるなど弱含みの推移となりました。また、地政学リスクの長期化に加え、米国の通商政策の影響等による景気の下振れリスクの高まりもあり、先行き不透明な状況が続いております。

当アパレル・ファッション業界におきましては、訪日外国人によるインバウンド消費の減速が見られることに加え、生活防衛意識の更なる高まりや不安定な天候要因から春夏物の衣料品販売が低調な推移となるなど、総じてマイナス基調で推移しました。

このような状況の中、当社グループは、2028年を最終年度とする中期経営計画の基本政策に掲げる「収益基盤の更なる拡大」、「資本政策の充実化」、「ESG戦略の強化」に取り組み、安定した事業基盤の構築として、主力ライフスタイルブランドの新規出店やブランド価値向上を目的としたイベントの実施、コラボレーション施策を進めました。

その結果、当社グループの当中間連結会計期間の売上高は242億8千4百万円(前年同期比11.7%減)、営業利益は8億1千9百万円(前年同期比15.7%減)、経常利益は10億1千9百万円(前年同期比16.6%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は5億3千8百万円(前年同期比24.0%減)となりました。

 

セグメント別の業績の概況は次のとおりであります。

尚、当社グループは当中間連結会計期間において、「Il Bisonteシンガポール髙島屋」の期間限定店舗を出店したことにより、「アパレル関連事業」の「その他海外」に「東南アジア」を追加しております。

 

(アパレル関連事業)

「日本」につきましては、引き続き、主力ライフスタイルブランドにおいて出店政策を推し進めてまいりました。「イル ビゾンテ」においては、ブランド創業55周年記念コレクションや、スモールレザーグッズの販売が好調に推移したことにより、売上高が拡大いたしました。「マリメッコ」においては、デニムコレクションやバッグカテゴリーにおける新商品の販売が好調に推移したほか、ECサイトにおいて予約販売を実施する等、販促施策に取り組んだ結果、売上が堅調に推移いたしました。一方、アパレルブランドでは、天候不順により春夏商品の販売が苦戦いたしました。また、専門店からの受注減により卸売販売が減少した結果、当中間連結会計期間の売上高は119億9千8百万円(前年同期比1.3%減)、営業利益は8億5千5百万円(前年同期比2.5%減)となりました。

「韓国」につきましては、国内の政情不安や米国の通商政策の影響等による輸出の減速等、長期的な低成長に対する懸念が根強く、継続的な物価上昇や高金利から内需の低迷が続きました。株式会社アイディールック、株式会社アイディージョイにおきましては、百貨店インショップにおいて、消費者心理の冷え込みや寒波等の影響もあり集客が落ち込み売上高が減少しました。加えて、為替レートの変動によるマイナス影響もあり、当中間連結会計期間の売上高は114億1千3百万円(前年同期比20.4%減)、営業利益は4億1千5百万円(前年同期比26.5%減)となりました。

「欧州」につきましては、主にイタリアの直営店が観光需要を背景に順調に推移したことに加え、自社ECサイトのシステム改修やウェブ広告等の販促施策に取り組んだ結果、好調に推移いたしました。一方、主力の卸売事業においては欧州域内の受注額が減少した結果、売上高が減少いたしました。その結果、当中間連結会計期間の売上高は16億5千7百万円(前年同期比3.3%減)、営業損失は1億5千4百万円(前年同期は1億4千3百万円の営業損失)となりました。

 

「その他海外」(米国、東南アジア)につきましては、米国において、「イル ビゾンテ」の小売事業、卸売事業ともに堅調に推移しました。また、東南アジアにおける新たな販路として「Il Bisonteシンガポール髙島屋」の期間限定店舗を出店いたしました。これらの結果、当中間連結会計期間の売上高は2億1百万円(前年同期比12.5%増)、営業損失は3千8百万円(前年同期は6千1百万円の営業損失)となりました。

これらの結果、アパレル関連事業の当中間連結会計期間の売上高は252億7千万円(前年同期比11.0%減)、営業利益は10億7千7百万円(前年同期比13.0%減)となりました。

 

(生産及びOEM事業)

「生産及びOEM事業」につきましては、株式会社ルックモードにおいて、グループ内及び外部への売上高がともに減少しましたが、製造費用の低減に努めた結果、当中間連結会計期間の売上高は9億7千2百万円(前年同期比17.8%減)、営業利益は0百万円(前年同期は2百万円の営業損失)となりました。

 

(物流事業)

「物流事業」につきましては、株式会社エル・ロジスティクスにおいて、グループ内及び外部への売上高が増加した結果、当中間連結会計期間の売上高は6億3千4百万円(前年同期比12.4%増)、営業利益は3千2百万円(前年同期比199.9%増)となりました。

 

 ② 財政状態の状況

当中間連結会計期間末の総資産は、商品及び製品が10億7千9百万円増加しましたが、受取手形及び売掛金が16億8千4百万円、現金及び預金が4億6千万円、それぞれ減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ8億9千3百万円減少し、605億1千6百万円となりました。

負債は、未払費用が1億5千7百万円、支払手形及び買掛金が1億3千8百万円、借入金が1億2千7百万円、それぞれ減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ5億2千1百万円減少し、231億1千1百万円となりました。

純資産は、為替換算調整勘定が1億8千9百万円増加しましたが、その他有価証券評価差額金が3億6千1百万円、利益剰余金が2億3千7百万円、それぞれ減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ3億7千1百万円減少し、374億5百万円となりました。

これらの結果、自己資本比率は、61.8%となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ4億6千万円減少し、76億8千3百万円となりました。

各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前中間純利益は10億5千9百万円となり、増加要因として非資金項目である減価償却費8億1千6百万円、売上債権の減少15億6千2百万円、減少要因として棚卸資産の増加11億4千4百万円、未払費用の減少1億7千8百万円、法人税等の支払額5億8千6百万円などにより、13億2千2百万円の収入(前年同期は21億5千2百万円の収入)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出4億8千2百万円、事業譲渡による支出1億6千8百万円などがあったことにより、7億4千2百万円の支出(前年同期は7億7千万円の支出)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の純減額1億6千5百万円、配当金の支払額7億7千2百万円などがあったことにより、9億4千7百万円の支出(前年同期は3億6千5百万円の支出)となりました。

 

(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4) 経営方針・経営戦略等

当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

 

(6) 財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

当中間連結会計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。

 

(7) 研究開発活動

該当事項はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

 当社は、2025年6月25日開催の取締役会において、当社連結子会社である株式会社アイディールック(韓国)が株式会社ファジン(韓国)の事業を譲り受けることを決議し、2025年6月30日付けで事業譲渡契約を締結いたしました。

 詳細については、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。