第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは縫い糸、刺しゅう糸及び手芸用各種糸の製造・販売を主たる事業とし、「誠実」の社是のもと、「すぐれた技術とまごころがつくり出す製品を通じて社会に奉仕する」ことを経営理念としております。ユーザーである縫製業者や刺しゅう業者、手作りホビーを楽しむ人々への価値ある製品とサービスの提供を通して、株主、投資家、取引先、従業員あるいは地域社会など、全てのステークホルダーに長期安定的に貢献できる企業グループを目指しております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは経営の基本方針に記載の通り、全てのステークホルダーに長期安定的に貢献できる企業グループであるために、連結・個別ともに堅実で安定的な利益の確保が重要と考えております。中長期的にも連結・個別における経常利益並びに売上高経常利益率の向上を目指しております。

 

(3) 中長期的な会社の経営環境

今回の新型コロナウイルス感染症の拡大により、わが国の個人消費は、短期的には外出機会の減少による所謂「巣ごもり需要」と、旅行やイベント、外食などの所謂「お出かけ需要」は対照的な様相となりました。
 縫い糸や刺繍糸の製造・販売を主な事業とする当社グループが最も深く関わるわが国のアパレル・ファッション業界や手芸関連業界におきましては、近年、ライフスタイルや価値観の変化に伴って、消費者の衣料品や手作り手芸に対するニーズや購買行動も多様化が進んできましたが、今回のコロナ禍により、短期的にはむしろ上述の対照的な消費動向の影響を大きく受けております。
 また今回のコロナ禍をきっかけに変化した生活様式や消費志向、購買行動は、感染の収束後も一定程度は定着することが考えられ、今後の消費動向は不透明です。
 さらに他方では、温室効果ガスや環境汚染問題を背景に持続的社会構築への関心が世界的に高まるなか、新興国においても、経済成長の代償ともなってきた環境汚染に対する法規制等が一段と強化されつつあり、今後、コロナ禍が収束した後には、当業界においても持続的社会構築のための様々な要請が一層高まることが予想されます。
 このように国内外の状況が大きく変わりつつあるなか、当社グループといたしましては、中長期的な縫い糸事業の環境について、次のように考えております。

① 工業用縫い糸の事業について

   世界の縫製基地の一つとなっている中国を始め東南アジア諸国においては、国内外の同業者との販売競争が一段と激化しつつあることはもちろん、為替変動や国家統治の変化、法律、税制などの突然の改正、賃金上昇等を始めとする雇用環境の変化に加え、環境汚染に対する規制の強化などから、日本に比べて事業リスクが高いものの、中長期的には経済成長に伴う富裕層の増加により、高級衣料品や自動車等のさらなる消費拡大が期待され、縫製品位や縫製効率の向上に不可欠な高品質な縫い糸や環境問題に配慮した縫い糸の需要の拡大が見込まれる。
 また同地域では、当社のシェアの低い欧米向け衣料品等の生産規模も大きいことから、今後もそれらのニーズを満たす縫い糸は販売拡大の余地がある。
 一方、海外への生産移転と縫製従事者の減少により市場の縮小を余儀なくされている日本国内においては、縫製の省力化や効率化、縫製品の機能性向上に寄与する独自性や機能性の高い縫い糸や高質なサービスの提供により、シェアの拡大が可能である。
 

② 家庭用縫い糸の事業について   

  近年、国内の手作りホビー分野におけるソーイング(縫い物)需要は、生活様式の変化や趣味の多様化などを背景に漸減傾向が続いてきたものの、今回のコロナ禍による在宅時間の見直しをきっかけに、癒しやオリジナリティの観点からソーイングも見直されつつあり、家庭用ミシンの販売も一時的に増加したことから、今後も手作りホビー(ハンドメイド)の一分野として有効な提案を継続することにより、ソーイング需要の掘り起こしの余地がある。
 また、海外市場については、欧米市場における当社製品のシェアは極めて低く、独自性の高い製品の開発や需要掘り起こしの有効な提案によって、シェア拡大の余地があるほか、中長期的に富裕層の増加が見込まれる中国を始め東南アジア諸国においては、手作りホビー市場の成長が期待できる。
 当社グループは、これらの縫い糸事業の中長期的な経営環境を踏まえた上で下記「(4) 会社の優先的に対処すべき課題」に取り組み、業績の向上と将来の成長を目指してまいります。

 

(4) 会社の優先的に対処すべき課題

上記の「(3) 中長期的な会社の経営環境」に記載の事業環境を踏まえて、当社グループは、下記の諸課題に優先的に取り組んでおります。

 

① 高機能はもちろん、環境問題に配慮し、持続的社会の構築に寄与する技術開発、製品開発にも努め、家庭用から工業用、衣料用から非衣料用に至るまで、独自性があり、高品質且つ幅広い製品を有して製品競争力の強化と付加価値の増大を目指す。

② 海外事業のリスクを踏まえつつ、アジア地域での環境負荷の軽減や生産体制および販売拠点の整備や見直しに努めつつ、販売競争力を強化して、アジア事業の一層の拡大を図る。

③ 国内連結子会社3社との連携を強化しつつ、衣料用・非衣料用ともに独自性や機能性の高い製品と高質なサービスの提供を通して幅広い顧客を開拓し、日本国内における縫い糸のシェア拡大を図る。

④ 国内外の手芸関連市場に対してSNSなども活用しながら、ソーイングを始め、自宅で楽しめる手作りホビーの魅力を発信し、日本国内の新たな需要の掘り起こしに努めるとともに、独自の製品や蓄積したノウハウも活かして、欧米諸国やアジア地域等、海外市場の開拓に努める。

⑤ ユーザー、取引先の購買行動や消費の変化等に対応することや、生産の合理化・効率化を目的としてAIやIoTの活用を目指す。

⑥ 生活様式の変化や働き方改革の今後の動向を踏まえ、従業員の育成と活性化の図れる労働環境を整備して、事業を円滑に継続しつつ、技術やノウハウの継承を行う。

⑦ 社会的信頼の維持はもとより、環境負荷の軽減をはじめ、持続的社会の構築に寄与するため、企業としての社会的責任を果たす。

 

2 【事業等のリスク】

 景気動向、国際情勢、気象状況や天災・事故などに伴う様々な事業リスクや企業のコンプライアンスに関連する一般的な事業リスクにつきましては、当社グループに限らず、全ての企業が同様に抱えておりますが、今回の新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大という事態は、世界経済に甚大な影響を及ぼし、わが国においても、いまだ収束の時期はもちろん、今後長期にわたる影響や消費動向の変化なども見通せない状況となっており、当社グループの業績にも大きな影響を与えております。
 当社グループでは、その時々の感染状況や、政府、各自治体の要請なども踏まえて、業務内容に照らして可能な限りの在宅勤務や時差通勤を実施、その他の感染対策も徹底するなど、感染拡大防止に向けた施策を実施しておりますが、このような疫病および感染の拡大は、今後も世界規模で発生の可能性がある大きなリスクとして認識する必要があります。
 また一方、上述のようなすべての企業が同様に抱えるリスクとは別に、当社グループの事業の現状や特徴を踏まえ、業績に重要な影響を及ぼすと思われる事項は以下のとおりです。
 

 

アジア事業展開に伴うリスク

 当社グループは、日本向け衣料品生産のアジア地域への移行に伴い、1993年以降、中国、タイ、ベトナムに順次生産および販売子会社を設立するなど、委託生産も含めてアジア事業を拡大しつつあり、将来的には同地域における生産及び販売比率がさらに高まることが予想されます。
 しかしながら、同地域での事業においては、為替変動はもちろん、国家統治の変化や、法律・税制などの突然の改正、賃金上昇等を始めとする急速な雇用環境の変化、また合弁先の動向など、わが国に比べてより高いリスクが存在することは避けられません。
 さらに、特に衣料品の生産に不可欠な副資材である縫い糸は、縫製される生地の色に応じて多くの色種が必要不可欠ですが、昨今、アジア各国の環境汚染に対する法規制等は一段と厳しくなりつつあり、染色工程で使用する工業用水の供給や法的規制を含む排水処理等の許認可の動向は、当社グループの生産体制に大きな影響を与える新たなリスクと認識しております。
 現段階では各国の法規制や当局の指導を遵守し、水使用量の増加を抑制するとともに、排水処理設備も充実させており、直ちに染色工程継続に支障をきたすことはないものの、将来の各国の規制強化等の動向によっては、縫い糸の製造に大きな影響が及ぶ可能性もあることから、3年から5年程度を目途として染色工程における水使用量の削減策はもちろん、長期的には新たな染色加工方法の研究なども進めております。
 当社グループといたしましては、今後も上記のリスクを踏まえて、環境負荷の軽減に注力しつつ、非常時の生産供給体制も検討しながら、アジア事業のさらなる整備拡大を目指してまいります。

 

持続的社会の構築に向けたリスク

地球温暖化問題や環境汚染問題から、世界的にも持続的社会の構築に向けた取り組みが強化されつつある中、わが国のアパレル・ファッション業界におきましても、先進する欧米諸国に追随する形で企業別にそれぞれの取り組みが進みつつあり、コロナ禍の収束後は、それらがさらに広がり、縫い糸を始め、衣料品の副資材に対しても様々な要請が起こる可能性があります。
 今のところ具体的な取り組みとしては、衣料品の廃棄の抑制や再利用(リサイクル)、資源枯渇を防止するための素材や環境に優しい素材への見直しなどが考えられますが、衣料品に不可欠な副資材である縫い糸についても、それらの取り組みに対応可能な製品が供給できるか否か、また企業としての取り組み姿勢の有無が、将来の販売シェアの維持、拡大に大きな影響を及ぼすものと考えます。
 しかし、リサイクル原料や植物由来などの原料は、現時点では従来の合成繊維原料に比べると供給が不安定かつ調達価格が高く、持続的社会の構築への様々な対応は、収益力の維持やコスト競争力強化とは相反する課題となっております。当社グループといたしましては、当面は原料や資材の段階的な見直しから着手し、今後はわが国の対応や業界の動向を注視しつつ、加工方法等も含めてこれらの課題解決に努めてまいります。 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、昨秋以降、新型コロナウイルス感染者が再び増加傾向に転じ、本年1月には、11都府県で2度目となる緊急事態宣言の発令に至るなど、先行きの見通せない状況が続きました。
 アパレル・ファッション業界におきましては、コロナ禍による外出機会の減少や購買意欲の減退、インバウンド需要の消失等により落ち込んだ国内における衣料品消費は、回復も限定的で、その生産も一部を除いて抑制傾向が続いたことから、主力である工業用縫い糸の受注は落ち込んだままの状況で推移しましたが、その一方で、巣ごもり需要とも言える家庭でのソーイング需要は徐々に沈静化を見ながらも高止まり傾向が続き、当連結会計年度の家庭用縫い糸の受注は、前連結会計年度を上回ることとなりました。
 これらから当連結会計年度の売上高は5,830百万円(前期比3.6%減)となりました。
 一方利益面につきましては、工業用縫い糸の受注低迷が続いたことにより、減益要因が拡大したものの、一昨年の販売価格改正による利益率の改善や当社における家庭用縫い糸の増収に加え、賃借料の減少や対外営業活動停滞に伴う経費の減少など、当社新社屋の営業開始に伴い発生した一過性の費用負担や償却費を上回る経費の減少もあり、営業利益は95百万円(前期比122.5%増)、経常利益は146百万円(前期比20.4%増)となりました。
 また、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前期は当社の東京支店の減損損失89百万円を特別損失に計上したため、25百万円の損失となりましたが、当連結会計年度は137百万円の利益となりました。

 

 

 当連結会計年度におけるセグメントごとの経営成績は次のとおりです。

 

日本

当社グループにおきましては、事業年度の末日を、当社は3月末日、国内子会社は1月末日と定めており、2ヶ月のずれがあることや、それぞれの事業分野や販売地域も異なるため、状況は各社ごとに若干の相違が見られるものの、当第4四半期連結会計期間も所謂巣ごもり需要とも言える家庭でのソーイング需要は、徐々に沈静化を見ながらも高止まり傾向が続き、当連結会計年度の家庭用縫い糸の受注は、前連結会計年度を上回ることとなりました。
 しかしながら、アパレル・ファッション業界におきましては、コロナ禍による外出機会の減少や購買意欲の減退、インバウンド需要の消失により落ち込んだ国内における衣料品消費は、回復も限定的で、その生産も防護服など一部を除いて抑制傾向が続いたことから、主力である工業用縫い糸の受注は落ち込んだままの状況で推移しました。
 これらから当セグメントの売上高は4,796百万円(前期比0.5%増)となりました。
 また、利益面につきましては、昨夏の当社新社屋の営業開始に伴う一過性の費用負担や償却費が発生したものの、上述の通り、一昨年の販売価格改正による利益率の改善や当社における家庭用縫い糸の増収、賃借料や対外営業活動停滞に伴う経費の減少等もあり、セグメント利益は31百万円(前期は39百万円の損失)となりました。

 

アジア

当セグメントに属する全ての海外子会社は、事業年度の末日を12月末日と定めており、当連結会計年度には、2020年1月から12月までの業績が連結されております。
 アジアセグメントの主となる中国におきましては、新型コロナウイルス感染者数も抑制され、経済全般には回復傾向が見られましたが、タイ国におきましては消費の回復は見られず、アパレル・ファッション業界を始め、繊維産業全般に厳しい事業環境が続きました。
 また、日本向け衣料品の生産につきましては、日本での消費の落ち込みを受けて抑制傾向が続き、日本向け衣料品用の工業用縫い糸の販売や生産が大きなウェイトを占める当セグメントの各子会社は、全般に厳しい商況で推移しました。
 これらに加えて為替換算レート変動による減収要因もあり、当セグメントの売上高は1,033百万円(前期比19.0%減)、セグメント利益も51百万円(前期比42.1%減)にとどまりました。

 

財政状態の状況は、次のとおりであります。

 

資産の部については、流動資産は、前連結会計年度末に比べて79百万円減少し、6,617百万円となりました。これは、主として現金及び預金が271百万円増加したものの、仕掛品が211百万円、受取手形及び売掛金が99百万円、原材料及び貯蔵品が53百万円減少したことなどによります。
 固定資産は、前連結会計年度末に比べて226百万円増加し、4,089百万円となりました。これは、主として投資有価証券が276百万円増加したことなどによります。
 これらの結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて146百万円増加し、10,707百万円となりました。

 

負債の部については、流動負債は、前連結会計年度末に比べて125百万円減少し、573百万円となりました。これは、主として買掛金が140百万円減少したことなどによります。
 固定負債は、前連結会計年度末に比べて71百万円減少し、751百万円となりました。これは、主として繰延税金負債が34百万円増加したものの、退職給付に係る負債が79百万円、役員退職慰労引当金が23百万円減少したことなどによります。
 これらの結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて197百万円減少し、1,325百万円となりました。

 

純資産の部については、前連結会計年度末に比べて344百万円増加し、9,382百万円となりました。これは、主として利益剰余金が49百万円、その他有価証券評価差額金が191百万円、退職給付に係る調整累計額が103百万円増加したことなどによります。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は2,069百万円となり、前連結会計年度末より284百万円増加いたしました。活動別キャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、仕入債務の減少134百万円(前期は39百万円)があったものの、税金等調整前当期純利益が146百万円(前期は28百万円)、減価償却費をはじめとする非資金項目が226百万円(前期は249百万円)、たな卸資産の減少が267百万円(前期は241百万円の増加)となったことなどにより、569百万円の流入(前期は231百万円の流入)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の払戻による収入668百万円(前期は1,338百万円)があったものの、定期預金の預入による支出が590百万円(前期は765百万円)、有形固定資産の取得による支出が267百万円(前期は615百万円)となったことなどにより、173百万円の流出(前期は32百万円の流出)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額が86百万円(前期は85百万円)となったことなどにより、113百万円の流出(前期は96百万円の流出)となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

 a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前期比(%)

日 本

3,134,352

3.5

アジア

1,186,310

△20.5

合 計

4,320,663

△4.4

 

(注) 金額は販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。

 

 b. 受注実績

当社グループは、受注生産を行っておりません。

 

 c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比(%)

日 本

4,796,938

0.5

アジア

1,033,357

△19.0

合 計

5,830,296

△3.6

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

   2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積り、判断及び仮定を必要としております。これらの見積りについて過去の実績や合理的と判断される入手可能な情報等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
 当社グループの連結財務諸表の作成に当たり会計上の見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況1連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
 なお、新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく、将来の業績予測等に反映させることが難しい要素もありますが、現時点において入手可能な情報を基に連結財務諸表の作成を行っております。

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、「第2 事業の状況3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1) 経営成績等の状況の概要① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおり、売上高5,830百万円(前期比3.6%減)、営業利益95百万円(前期比122.5%増)、経常利益146百万円(前期比20.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は137百万円(前期は25百万円の損失)となりました。
 この経営成績等の状況に関する経営者の認識につきましては、目標とする経営指標にも記載のとおり、指標となる経常利益及び売上高経常利益率ともに前連結会計年度に比べて改善している状況ではありますが、新型コロナウイルス感染症は、2021年4月以降、各地にまん延防止等重点措置や三度目となる緊急事態宣言が発令されるなど、いまだ先行きの見通せない状況が続いており、当連結会計年度に落ち込んだ工業用縫い糸の受注は、国内外ともに当面回復が見込めない上に、巣ごもり需要で高止まりしていた家庭用縫い糸の受注も鈍化傾向にあることから、翌連結会計年度は当連結会計年度に増して厳しい事業環境が予想されます。これらから、先ずはグループ各社の事業継続と収益の維持が喫緊且つ重要な課題であると認識しております。
 また上記の課題に重要な影響を与える要因といたしましては、以下の点があると認識しております。
・国内外における新型コロナウイルス感染症の今後の推移とワクチン接種の進行状況
・上記に伴う世界情勢の動向(とりわけわが国を含むアジア地域の政治的・経済的情勢)
・わが国における生活様式の変化などを踏まえた今後の個人消費の動向(とりわけ衣料品や手芸関連品の消費マイ

 ンドや消費志向)
・上記を背景とした衣料品の消費および生産の動向と国内外の縫製業の動向
・海外合弁先企業の動向
・為替相場の変動
 なお、セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1) 経営成績等の状況の概要① 財政状態及び経営成績の状況」及び「第5 経理の状況1 連結財務諸表等注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析、検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報
 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、外部借入に依存しない財務体質を基盤として、自己資金を財源に今後の事業投資を考えており、また、流動性については現金及び預金の保有状況からみて十分に確保されているものと考えております。当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、「第2 事業の状況3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
 

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社グループにおいては、報告セグメント(日本)に属する当社の研究開発室が中心となって集中的に研究開発活動を行っております。

昨今、ものづくりにおいて、環境に配慮し持続的発展が可能な製造技術開発も求められるようになる中、競争力強化のための製造技術開発や新製品の芽となるような先行研究の一環として大学や企業との連携による開発にも取り組むなど、独自性の高い製品や独自技術の開発により一層注力しております。
 なお、当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は76,936千円であり、報告セグメント(日本)の支出であります。