第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。

(1) 経営方針

当社グループは、“業界一流のメーカーとして、本業を極め、本業に徹し、一流の商品をお客様にご提供することを通じて、社会の発展に貢献する”を経営理念とし、顧客ニーズに沿った商品開発に注力するとともに、自然環境の保護と社会の発展に貢献すべく企業活動を展開しています。

 

(2) 経営戦略等

当社グループでは、これからの厳しい競争時代を勝ち抜くため、着実に業績の伸展を目指し、次のような施策を実践していきます。

① 森林資源を保全する法正林施業(植林、育林、間伐、伐採)を採用したニュージーランドの育林事業により安定した品質と量の原材料確保を図ります。

② 貴重な資源を更に活かす為、高度な木材加工技術の更なる向上を図ります。

③ 木が持つ潜在能力を梃子(てこ)に、新成長市場であるアジア市場や国内のリフォーム、非住宅、商環境市場などで、“勝てる市場×勝てる仕掛け”を創造します。

④ 変化する市場の本質を見極め、魅力ある商品・サービスを提案し、新たなファンを創造します。

⑤ 新たな戦略を全社で迅速に推進する為、国内外の製造ネットワークを更に整備し、効率的な運営とコスト低減を図るとともに、社内の仕組みを再構築します。

⑥ 認証材を活用した国内外のニーズに応えていきます。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、企業価値の向上と財務体質の強化を図るための経営指標として自己資本利益率(ROE)の向上を目指し、労働生産性の向上などによる収益性の改善や自己資本比率の維持・向上に取り組んでいます。また、事業の拡大と安定的な収益を獲得するために、グループ全体で連結売上高1,000億円を目指しています。

 

(4) 経営環境

当社グループの経営環境は、構造的な人口減少問題等により市場が縮小していく「量の面での変化」とともに、住宅の高性能化や住宅環境まで視野に入れた「質の面での変化」が同時に起こっており、当社グループがこれからの時代を生き抜き成長するためには、住まい手にとって魅力のある商品や提案を強化するとともに、リフォームや非住宅施設などの新しい市場を開拓していかなければなりません。また、住宅業界における職人不足による住宅品質の低下や工期遅れ、コスト高なども大きな課題となっています。このような環境下で、市場の変化をいち早く察知し、現状を肯定することなく自己変革に努め、常に当社グループ自らが環境の変化に合わせて変わっていくことが必要となっています。AIやIoTといったデジタル技術などを活用し、生産性を向上させることで、新たな付加価値の創造と売上・収益の向上を目指しています。

具体的には、国内においては新築戸建市場に加えてリフォーム、非住宅、商環境市場などの新市場の開拓、また海外においては発展が期待されるアジア圏の市場の開拓を主題とする成長戦略を策定し、当社グループ一丸となってこれらに取り組んでいます。

1990年にニュージーランド北島で森林経営権を取得し、当社グループが培ってきたノウハウによる植林事業を開始してから30年の時が経過しました。毎年、植林面積の拡大を図り、現在では約40,000haの森林について、森を30区画に分けて木の植林―育林―伐採を繰り返す持続可能な森林経営を行っています。手間ひまかけて育ててきたラジアータパインの優良原木がこれから大量に伐期を迎えますが、このことは当社グループが、同業者の追随を許さない品質の高い「無垢材」という強力な武器を大量に獲得することを意味します。大量に出材されるラジアータパインやその他国内外で調達する無垢材をふんだんに使い、価格競争に巻き込まれない高品質で付加価値の高い商品をもって新市場へ進出します。当社グループが永年に亘り築きあげた山林から木材加工までの一貫生産体制を最大限に発揮して商品を開発・生産・販売する仕組みを構築し、独創的に新市場を開拓していきます。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

新設住宅着工戸数が今後も減少を続ける見通しの中、当社グループがこれからの時代を生き抜き成長するためには、既存市場でこれまで以上の存在感を示し続けるとともに、新しい市場に経営資源を段階的にシフトさせて行くことが課題と考えています。

当社グループは、新しい市場であるリフォーム、非住宅、商環境施設や海外市場に向けて新たな商品を開発し、新たな生産・販売体制、仕掛けで既存の新築市場の動向に左右されない企業を目指します。

国内事業では、製品ユニット単位の商品戦略を軸に商品開発を行うとともに販売・プロモーション、生産などの各機能の強化を図ります。

商品開発に関しては、お客様から選ばれる木質商品として、木材の特性を活かした本物志向の無垢商品や収納商品、職人不足に対応した省施工商品などを開発します。また、ラジアータパインのプルーン材(枝打材)を活用し、メイン商材(ドア・フロア)に続く商品の開発や端材を有効活用した商品の開発を行います。

販売・プロモーション機能に関しては、新たな手法・体制・仕組みで、既存市場に加えて、新市場・成長市場の開拓を目指します。そのためには、人材活用の多様化やITツールの活用等による営業組織力の拡充により、新たな市場への販売体制強化、オンライン型営業による商品訴求力向上・顧客接点強化と、訪問型営業の高効率化を行います。

生産機能に関しては、品質や生産性の向上を目指し、コスト競争力を強化します。また、マスカスタマイゼーションへの対応(一品一様のカスタム品を高度な生産技術で実現)やモノづくりの継承を推進するとともに、情報の一気通貫や自動化(AI・IoT・ロボット)等により部分最適から全体最適を目指します。

また、間接機能に関しては、システム部門では販売・生産などに関わるユーザーが活用しやすいデジタルツールの開発により、属人化した定型業務から、創造的業務へのシフトを推進します。物流部門では運転手不足や待機ロス等の課題により生じる配送リスクへの対応を進めます。管理部門では人事マネジメントシステムの一段の高度化に取り組みます。

海外事業では、ニュージーランド子会社は当社グループ工場向けの生産数量を確保した上で外販の促進を行い、インドネシア子会社はさらなるインドネシア国内市場の開拓と欧米の海外販路開拓を進めていきます。

全世界に影響を与えている新型コロナウイルス感染症の感染拡大という新たな課題への対応として、生産、供給面においては海外子会社を含めたサプライチェーンの一層の強化を、販売面においてはニューノーマル(コロナ禍後の新常態)を見据えた新たな営業プロセスとして従来の「訪問型営業」に「オンライン型営業」を加え、顧客接点の増強や営業生産性の向上を図っています。また、ITツールの整備、活用、定着化を進め、生産性を向上し経費削減に努めながら、テレワークなどにも柔軟に対応していきます。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、後述のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 業績の変動要因について

① 新設住宅着工戸数の減少や職人不足による工期遅れの影響について

当社グループは、住宅建材及び住宅設備機器の製造販売を主たる事業としており、国内販売に関しては新設住宅着工戸数の減少や職人不足による工期遅れがもたらす販売減が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

主な対応策として、新築戸建市場に加えてリフォーム市場や非住宅市場の開拓や海外での販路拡大など新しい顧客開拓に注力するとともに、職人不足に対応した省施工を可能にする商品開発等でその影響の軽減を図っています。

 

② 原材料の調達リスク及び価格変動リスクによる影響について

当社グループは、床材を主体とした木材の二次加工品の製造及び造作材等木質建材商品の加工販売を主要な事業としており、原材料である木材について、調達が困難となった場合や価格が高騰した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

主な対応策として、ニュージーランド子会社Juken New Zealand Ltd.において30年サイクルの循環型の持続可能な山林経営を行い、当社グループの原材料の主要な供給元とすることで木材の調達リスクや価格変動リスクを軽減しています。また、国内産の木材など、ニュージーランド子会社以外からの木材調達についても、調達先の多様化などで安定的な調達に努めています。

 

③ 新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響について

新型コロナウイルス感染症の感染拡大について、経済面では、対面での顧客サービスを行う産業などに依然、大きな影響が残るものの、政府の経済支援策等もあり、全般的には一時の大幅な景気低迷は脱した状況にあります。一方、感染力の強い変異株のまん延などで、一部地域では以前にも増して感染者数が急増しており、今後の動向に留意が必要な状況となっています。こうした感染者の急増が当社グループの国内・海外の営業拠点・製造拠点で発生した場合、営業・生産活動が低迷・中断することで当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

主な対応策として、当社グループ各社において、各国政府・保健当局等の要請・指導に沿った感染防止対策・クラスター防止対策を徹底するほか、前期から進めているオンライン営業などの新たな営業手法への取り組み強化を継続しています。また、万一、上記のような事態が発生した場合、社内で定めた緊急時の対応を実施し、影響を最小限にとどめるよう対応します。

 

④ 為替変動による影響について

当社グループは、ニュージーランド子会社Juken New Zealand Ltd.からの木材の仕入れに関しては決済条件を円建てとしており、当社は為替の変動による影響は受けないものの、Juken New Zealand Ltd.ではニュージーランドドルの為替相場の変動によって、為替差損益が発生する可能性があります。また、海外子会社の借入金につきましても、現地通貨以外の通貨建てによる借入金において為替差損益が発生する可能性があります。

主な対応策として、為替変動が当社グループに与える影響度合いを勘案する中で、必要に応じて為替予約等によるリスクヘッジを行っています。

 

⑤ 木質バイオマス燃料の安定確保の影響について

木質バイオマス発電の運営におきましては、安定的に燃料を確保することが重要となりますが、当社では、森林から直接産出する「間伐材等由来の木質バイオマス」、当社グループ内も含め製材所や木材加工所から生じる端材・木屑などの「一般木質バイオマス」、建築解体現場から排出される「建設資材廃棄物」に加えて、フィリピン子会社で加工した木質燃料を輸入するなど、安定的に燃料調達を行っています。しかしながら、近隣での新たな大規模バイオマス発電所の稼働や自然災害などの不測の事態等により、社内外からの木質バイオマス燃料の供給が中断または減少した場合や品薄等により燃料価格が高騰した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、発電所が重故障等による長期停止に及んだ場合は電力売上が減少する可能性があります。

主な対応策として、フィリピン子会社で加工した木質燃料の輸入を増やすことで自社調達比率をあげ外部調達の影響を縮小しています。加えて「間伐材等由来の木質バイオマス」の供給業者を増やし自然災害リスクの分散を図っています。

発電所の重故障等による長期停止対応策としてメーカーによる定期点検と所員による日常点検等の徹底、予兆診断等の所員のレベルアップを徹底しています。

⑥ 地震・津波・台風等の大規模な自然災害による影響について

地震・津波・台風等の大規模な自然災害が発生した場合、当社グループの生産・物流・販売活動に影響を与え、財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。

大規模な自然災害による被害を完全に回避できるものではありませんが、主な対応策として、当社グループで策定した規程・ルールに基づき、非常時を想定した全社的なリスク管理体制を構築、運営しています。

具体的には安否確認システムの導入や防災訓練の定期的な実施、地震保険への加入などを実施しています。

 

⑦ 海外展開にともなうリスクについて

当社グループは、ニュージーランド、フィリピン、インドネシアなど海外での投資や事業展開を進めています。これら海外への事業進出には、予期しない法律又は規制の変更、政治又は治安混乱、雇用環境の変化、テロ・戦争等といったリスクを内在しており、これらは今後の事業に影響を及ぼす可能性があります。

主な対応策として、海外の政治・経済情勢の情報収集に努め、必要に応じて外部専門家の助言等も得る中で的確かつ迅速に対応しています。

 

⑧ 固定資産の減損会計による影響について

当社グループは、有形固定資産や美術品等の固定資産を保有していますが、これらの資産については減損会計を適用しています。有形固定資産は当該資産から得られる将来キャッシュ・フローによって資産の帳簿価額を回収できるかどうかを検証しており、美術品は美術専門家等の第三者より入手した価格に基づき算定した価格を回収可能価額として、減損が必要な資産については適切に会計処理を行っています。しかし、将来の環境変化により固定資産の将来キャッシュ・フロー見込額が減少した場合や美術品の回収可能価額が大きく下落した場合、追加の減損処理により、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

主な対応策として、これらの資産価値を定期的に確認し、可能な限り価値低下を招かない方策を継続的に検討・実施しています。

 

⑨ 情報システムに関するリスクについて

当社グループは、生産、販売、管理等の情報をコンピュータにより管理しています。情報システム及び情報ネットワークは欠くことのできない基盤であり、これらの情報システムの運用については、大規模災害による被災、コンピュータウイルス感染によるシステム障害、ハッキングによる被害等によるシステムダウン及び外部への社内情報の漏洩が生じた場合、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社の想定を超えた技術による情報システムへの不正アクセスやコンピュータウイルスへの感染などにより、当社グループの情報システムに障害が発生したり、外部へ社内情報が流出する事態が発生したりした場合、当社グループの財政状態及び業績に、より大きな影響を及ぼす可能性があります。

主な対応策として、適切なウィルス対策ソフトの導入、ソフトウェア更新による脆弱性解消、不正アクセス常時監視等のセキュリティ対策を講じるとともに、インシデント発生時の対応体制の強化に取り組んでいます。

 

⑩ 温室効果ガス削減(脱炭素)への世界的な取り組みの進展について

国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)においてパリ協定が採択、各国で批准されたのを機に、気候変動や地球温暖化の原因とされる温室効果ガス(GHG)の削減を目的とした取り組みが世界的に進められています。今後、地球温暖化対策として規制の強化等により、これらに関連する対策費用が増加する場合や、特定地域における法令又は規制を遵守することが困難になった場合、当該地域における当社グループの事業運営が影響を受ける可能性があります。

主な対応策として、ニュージーランド子会社Juken New Zealand Ltd.(JNL)において30年サイクルの循環型の持続可能な山林経営を行い、気候変動や地球温暖化の原因とされる温室効果ガス(GHG)の削減に努めています。

当社グループがめざすべき環境に対する主な取り組みは、木を活かしたものづくりを通じて、森林を保全し、自然環境を守ることです。森林は、地球温暖化の原因となる温室効果ガスのひとつである二酸化炭素の削減に向けた有効な手段として注目されています。JNLが経営する約40,000haの森林におけるラジアータパインによる二酸化炭素の吸収量は年間75万トンになります。温室効果ガスである二酸化炭素は森林で樹木に吸収された後も炭素として木材中に固定されています。木材製品を生産することは植林で吸収した二酸化炭素を炭素として固定する貯蔵庫を生産しているといえます。JNLが2020年度に創出した木材の量は16.1万トンでこれによる炭素固定量を二酸化炭素に換算すると13.5万トンでした。

 

(2) ニュージーランドにおける事業内容及び業績・総資産の推移について

当社グループは、ニュージーランドにおいてJuken New Zealand Ltd.を通じてラジアータパイン等の植林を含む山林経営を行っています。

山林経営は木材市況変化への対応力を高めると同時に原材料調達の安定化や部材調達コストの低減に役立っています。山林経営につきましては、立木の伐採可能量の増加に対応して設備投資が必要となっています。そのため、連結キャッシュ・フローにおきましては、投資活動により使用する資金の多くはニュージーランドにおける投資に充当しています。

 

ニュージーランドに関する内部取引を含む売上高、経常利益、総資産の推移は次のとおりです。

(ニュージーランドの売上高、経常利益、総資産の推移)

 

 

2017年3月期

(百万円)

2018年3月期

(百万円)

2019年3月期

(百万円)

2020年3月期

(百万円)

2021年3月期

(百万円)

ニュージーランド

売上高

(注)

17,334

(8,316)

17,092

(7,097)

15,481

(7,004)

15,344

(7,200)

15,882

(6,711)

経常利益又は

経常損失(△)

△115

31

△1,075

△38

491

総資産

34,643

32,540

29,786

27,695

33,465

 (注) 売上高下段の括弧内数値は、所在地間の内部売上高又は振替高です。

 

(3) 有利子負債依存度について

当社グループにおける有利子負債依存度は、2021年3月期末39.1%となっています。当社グループにおきましては、今後も経営資源の効率化等により、有利子負債を適正水準に保つ方針ですが、今後の金利動向等金融情勢の変化によっては当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(有利子負債残高、有利子負債依存度の推移)

 

2017年3月期

2018年3月期

2019年3月期

2020年3月期

2021年3月期

総資産(百万円)

89,528

86,372

83,884

80,688

91,142

純資産額(百万円)

40,991

40,850

38,976

36,497

41,129

有利子負債残高(百万円)

34,414

33,398

32,361

30,921

35,622

自己資本比率(%)

44.7

46.0

45.2

44.2

44.0

有利子負債依存度(%)

38.4

38.7

38.6

38.3

39.1

(注)1.期末有利子負債残高は、社債及び借入金の合計額です。

2.「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を2019年3月期の期首から適用しており、2018年3月期の総資産、自己資本比率及び有利子負債依存度については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標等となっています。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国の経済は、世界的規模で感染が拡大し続けている新型コロナウイルス感染症の影響を受け、個人や企業の活動が一時、著しく制限されたことで景気が急速に悪化し、厳しい状況となりました。2020年5月の緊急事態宣言解除以降は政府のさまざまな経済支援策もあり、経済活動の回復に向けた動きがあったものの、11月以降、第三波、第四波と見られる急激な感染拡大が相次いでおり、依然、先行きに留意が必要な状況が続いています。

住宅業界においては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響などから新設住宅着工戸数が減少し、当社グループの主力販売分野である持家や分譲戸建住宅の着工戸数も前連結会計年度に比べ減少しました。住宅会社各社の受注状況は2020年8月頃から回復傾向となりましたが、繰り返される感染拡大により、今後、国内住宅市場がさらなる回復に向かう時期などは不透明な状況にあります。

こうした中、当社グループでは、中長期的に予想される国内新築住宅市場の縮小に対し、無垢商品や省施工商品といった当社の強みであり、付加価値が高い商品を核として、内装建材等のいっそうの販売強化を図ることで既存の新築住宅市場での存在感を高めるとともに、国内のリフォーム・非住宅市場や海外市場を新たな市場と位置付け、これらに向けて新たな商品を開発し、新たな生産・販売体制及び仕組みで、国内新築住宅市場の動向に極端に左右されない態勢の構築を目指しています。

当連結会計年度は、2020年5月の緊急事態宣言解除以降、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受けて延期されていた住宅建設工事が徐々に再開したものの、外出自粛要請中の受注活動の低迷などによる新設住宅着工戸数の減少が影響し、前連結会計年度に比べ売上高は減少しました。こうした市場環境において、日本国内の工場は感染防止対策を行った上で通常に稼働する中、政府の経済支援策も活用し、生産性の向上と経費の削減に努めました。また、海外子会社については、各国政府の要請により、ニュージーランド子会社やフィリピン子会社では生産活動の一時停止を余儀なくされましたが、現在は生産活動を再開し、通常に稼働しています。

国内市場においては、無垢商品や省施工商品といった付加価値の高い商品を核とした内装建材等の拡販に注力するとともに、当社のブランドイメージのさらなる向上に向け、2020年5月にニュージーランドでの持続可能な植林事業をわかりやすく伝えるアニメーション動画「植林から始まるものづくり」を公開、12月には住宅や商業施設などの建築をご検討されるすべてのお客様に対して「無垢の木のぬくもりある暮らし」を提案する当社のコーポレートサイト「商品情報紹介ページ」をリニューアルしました。また、同12月、ウッドワンプラザ金沢にて、建築家の伊東豊雄氏を審査委員長として「木のぬくもりを活かした空間」をテーマに「ウッドワン空間デザインアワード2020」を開催しました。本コンテストは、昨年に引き続き4回目で、年々無垢商品群が採用された応募作品が増えるなど、当社のブランド力の向上にも寄与しています。こういった活動のほか、2021年1月には、戦略統括本部内にコーポレートコミュニケーション室を新設し、対外発信力の強化に取り組んでいます。

リフォーム市場については、2020年4月にリフォームなどの専担部署である開発営業部を立ち上げ、販売体制の強化を図りました。また、非住宅市場については、同4月より設計事務所などの担当者を増やし、将来の非住宅案件の獲得に繋がる活動を強化しました。

海外市場においては、ニュージーランド子会社では、米国やニュージーランドの住宅市場が活況を呈し、中国を中心に世界的にも木材への需要が高まっている中、当社グループ工場向けの供給量を確保した上での外販が順調に推移しています。また、2020年12月に新工場に移転し生産体制を強化したインドネシア子会社については、同国国内の住宅市場では新型コロナウイルス感染症の拡大により工期が遅れるなど販売に多少の影響が見られますが、欧州や米国向けの販路開拓が順調に進んでいます。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大という新たな経営課題に対しては、生産面においては海外子会社を含めたサプライチェーンの一層の強化を、販売面においてはニューノーマル(コロナ禍後の新常態)を見据えた新たな営業プロセスとして、従来の「訪問型営業」に「オンライン型営業」を加え、顧客接点の増強や営業生産性の向上を図っています。また、ITツールの整備、活用、定着化を進め、生産性の向上や経費削減に努めながら、テレワークや時差出勤、就業場所の分散などにも柔軟に対応しています。

こうした状況の中、当連結会計年度の連結売上高は、59,076百万円(前年同期比7.1%減)、営業利益は2,343百万円(同20.7%増)、経常利益は2,068百万円(同103.7%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は1,170百万円(同41.2%増)となりました。

 

当連結会計年度末における連結財政状態は、為替の影響もあり、資産は前連結会計年度末に比べ10,454百万円増加し91,142百万円、負債は前連結会計年度末に比べ5,822百万円増加し50,013百万円、純資産は前連結会計年度末に比べ4,631百万円増加し41,129百万円となりました。資産10,454百万円の増加は、流動資産が2,381百万円、固定資産が8,072百万円増加したものです。固定資産の増加は、主に国内およびニュージーランド子会社等において設備投資および山林投資を行ったことやインドネシア子会社の新規設備投資によるものです。負債5,822百万円の増加は、主に新型コロナウイルス感染症対策やインドネシア子会社の新規設備投資のため借入金が増加したものです。純資産4,631百万円の増加は、主に利益剰余金の増加及び為替の影響による為替換算調整勘定の増加によるものです。

 

セグメント別の経営成績は次のとおりです。

a.住宅建材設備事業

住宅建材設備事業では、緊急事態宣言や外出自粛要請などの影響からショールームの臨時休館、顧客訪問の自粛など営業活動の制限を余儀なくされましたが、オンラインを活用した商談・説明会に取り組むなど、新しい生活様式に対応した接客・商談を推進しました。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による住宅や住まい方に対するお客様の新たなニーズ(テレワークのためのワークスペースの確保、室内換気の充実、玄関への手洗い設置など)に対して、「WITHコロナ」での住まい方の提案資料『NEW NORMAL,NEW LIFE』を作成し、お客様への提案活動に活用しました。2020年5月の緊急事態宣言解除以降は、オンライン営業に加えて感染防止対策を行いながらの対面営業も可能となり、内装建材等のトータル受注を推進するなど営業効率を高めた販売促進活動を行いました。このほか、健康・癒しの空間に無垢材を提案する「おうち充実キャンペーン」の実施、ショールームからのライブ配信、360°バーチャルショールームの公開やオンライン相談の開始など、新たな営業手法をタイムリーに織り込み、顧客接点の増強に努めました。

当連結会計年度の新商品としては、5つの新色(ニュートラルカラー)を追加した無垢の木のキッチン「スイージー」や「無垢ピノアース建具」の新デザイン商品、主力床材商品「コンビットグラード」、「ブラッシングオーク」に抗菌・抗ウイルス加工を施した商品、安全で安心な住空間づくりを実現するため手の触れる部品の表面に抗ウイルス加工を施した内装ドア用の「レバーハンドル」、「引手」、収納扉用の「取っ手」などを発売しました。また、豊富なカラーとサイズを揃えて、木口までしっかり仕上げることで施工現場の時間短縮を可能とする「仕上げてる棚板」は、販売実績が好調でした。

重点商品(無垢商品・省施工商品)については、無垢商品では「無垢の木の収納」などが好調に推移しています。また、職人不足が課題となっている建設現場の生産性向上を目的とした省施工商品では「ジャストカット階段」や「天井野縁システム」といった商品で前年を上回る実績となりました。

リフォームの分野では、2020年4月に立ち上げた開発営業部がショールームを起点にオンラインも活用して新たな顧客の開拓を進め、「無垢の木のキッチン」を始めとする住設商品や「無垢の木の収納」といった商品で前年を上回る実績を上げました。また、非住宅の分野では、JWOOD(LVL構造材)を利用した非住宅物件の新規案件獲得に取り組んでいますが、新たに鉄骨造の特徴を木造で実現した独自の高耐久フレームによるJWOOD新工法を開発し、2021年1~3月にオンラインセミナーにて案内しました。今後、中大規模建築物の木造化の推進に資するものと期待しています。

こうした活動の結果、当連結会計年度における住宅建材設備事業の売上高は57,839百万円(前年同期比7.3%減)、営業利益は2,077百万円(同21.0%増)となりました。

 

b.発電事業

発電事業では、本社敷地内に設置している木質バイオマス発電設備について、既存設備を最大限活用するため、2020年5月に発電出力を引き上げたことで売上高が増加しました。この結果、当連結会計年度における発電事業は、売上高が1,268百万円(前年同期比5.1%増)、営業利益が265百万円(同18.8%増)となりました。

木質バイオマス発電において排出されるCO₂は、木が成長する過程で大気から吸収したものであり、大気中のCO₂量の実質的な増加には繋がらない(「カーボンニュートラル」)とされるものです。森林から直接産出する「間伐材等由来の木質バイオマス」、当社グループ内も含め製材所や木材加工所から生じる端材などの「一般木質バイオマス」、建築解体現場から排出される「建設資材廃棄物」、加えてフィリピン子会社の端材等も燃料用に加工して輸入するなど安定的に燃料の調達を行っています。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動により4,088百万円増加、投資活動により5,270百万円減少、財務活動により2,835百万円増加しました。

営業活動により増加した資金4,088百万円(前年同期は4,044百万円の資金増加)は、主に売上債権が569百万円増加したことや法人税等で565百万円の支払いがあったことにより資金が減少したものの、税金等調整前当期純利益1,929百万円に非資金項目である減価償却費3,040百万円を加え、たな卸資産が205百万円減少、仕入債務が300百万円増加したことにより資金が増加したものです。

投資活動により減少した資金5,270百万円(前年同期は303百万円の資金減少)は、主に国内およびニュージーランド子会社等において設備投資および山林投資を行ったことやインドネシア子会社の新規設備投資に5,048百万円支出したことによるものです。

財務活動により増加した資金2,835百万円(前年同期は740百万円の資金減少)は、主に既存借入4,843百万円の返済や配当金287百万円の支出により資金が減少したものの、新型コロナウイルス感染症対策やインドネシア子会社の新規設備投資のための有利子負債の調達などにより8,383百万円の資金の増加があったことによるものです。

この結果、現金及び現金同等物は1,753百万円の増加となり、当連結会計年度末残高は8,337百万円(前年同期比26.6%増)となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績を品目ごとに示すと、次のとおりです。

品目

金額(百万円)

前年同期比(%)

床材

4,263

79.9

造作材

15,584

91.6

その他建材

13,576

101.9

住宅設備機器

1,738

94.0

住宅建材設備事業 計

35,163

93.7

発電事業

902

103.5

合計

36,066

93.9

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれていません。

2.金額は製造原価により表示しており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。

 

b.受注状況

 当社グループの生産は見込み生産を主体とし一部受注生産を行っていますが、その比率は僅少であるため、記載を省略しています。

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績を品目ごとに示すと、次のとおりです。

品目

金額(百万円)

前年同期比(%)

床材

7,420

86.0

造作材

29,419

94.6

その他建材

16,731

92.0

住宅設備機器

4,236

95.4

住宅建材設備事業 計

57,808

92.7

発電事業

1,267

105.2

合計

59,076

92.9

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

住友林業㈱

8,838

13.9

7,927

13.4

SMB建材㈱

9,555

15.0

7,757

13.1

3.上記の金額には、消費税等は含まれていません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループは、企業価値の向上と財務体質の強化を図るための経営指標として自己資本利益率(ROE)の向上を目指し、収益性の改善や自己資本比率の維持・向上に取り組むとともに、事業の拡大と安定的な収益を獲得するため、グループ全体で連結売上高1,000億円を目指しています。

当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大の影響を受け、売上高は前年同期と比べ4,490百万円の減収となりました。一方、このような経営環境を踏まえ、今年度は利益の確保に重点を置き、付加価値の高い商品の拡販や政府の経済支援策も活用した生産の効率化を進めるとともに、全社的な取り組みによる経費削減に努め、売上総利益率は前年同期比0.5%増加、販管費率は同0.5%減少したことで営業利益率は前期3.1%から当期4.0%、経常利益率は為替差益の計上もあり前期1.6%から当期3.5%、親会社株主に帰属する当期純利益率は前期1.3%から当期2.0%に向上しました。その結果、自己資本利益率は前期2.3%から当期3.1%に向上し、自己資本比率は前期44.2%から当期44.0%と概ね同水準を維持しています。

今後の成長戦略として、さらなる国内・海外での新市場の開拓を推進していきます。

 

a.経営成績

当連結会計年度は、海外においては、海外子会社のグループ外への販売が増加しましたが、国内においては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受けて新設住宅着工戸数が減少したことから、連結売上高は59,076百万円(前年同期比7.1%減)となりました。売上総利益は、前年同期に比べ売上高は減少したものの付加価値の高い商品の販売強化や各国政府の経済支援策も活用した生産性の向上などの効果により18,060百万円(同5.7%減)、売上総利益率は30.6%(同0.5%増)となりました。また、販売費及び一般管理費は全社的な取り組みによる経費削減などにより前年同期に比べ1,500百万円減少し15,717百万円(同8.7%減)となりました。その結果、営業利益は前年同期に比べ402百万円増加し2,343百万円(同20.7%増)となりました。営業外収益では主に期末のニュージーランドドルの為替相場が期初に比べて円安となったことにより、為替差益258百万円を計上し、経常利益は前年同期に比べ1,052百万円増加し2,068百万円(同103.7%増)となりました。特別損失では美術品等の減損損失を105百万円計上したものの、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期に比べ341百万円増加し1,170百万円(同41.2%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。

当連結会計年度における住宅建材設備事業の売上高は57,839百万円(前年同期比7.3%減)となりましたが、付加価値の高い商品の売上の増加や各国政府の経済支援策も活用した生産性の向上、全社的な取り組みによる経費削減により、営業利益は2,077百万円(同21.0%増)となりました。

品目別では床材の売上高は7,420百万円(同14.0%減)となり前年同期に比べ1,211百万円減少しました。なお、経済がコロナ禍から回復基調に転じた第3四半期以降は、無垢の床材などを中心に月次では前年を上回る動きとなる商品も見られました。

造作材の売上高は29,419百万円(同5.4%減)となり前年同期に比べ1,671百万円減少しましたが、重点商品(無垢商品・省施工商品)においては、無垢商品では「無垢の木の収納」、省施工商品では「ジャストカット階段」や「天井野縁システム」といった付加価値の高い商品が前年を上回る実績となりました。特に新商品の「仕上げてる棚板」は、販売実績が好調でした。

その他建材の売上高は16,731百万円(同8.0%減)となり前年同期に比べ1,463百万円減少しましたが、海外子会社のグループ外への販売は、前年同期に比べ増加しました。

住宅設備機器の売上高は、4,236百万円(同4.6%減)と前年同期に比べ205百万円減少しましたが、5つの新色(ニュートラルカラー)を追加した無垢の木のキッチン「スイージー」やタイル貼り天板の「無垢の木の洗面」等の売上は好調に推移しました。

発電事業では、本社敷地内に設置している木質バイオマス発電設備が安定的に稼働し、電気事業者に売電を行っています。当連結会計年度は、売上高が1,268百万円(同5.1%増)、営業利益が265百万円(同18.8%増)となりました。今後も当社グループ内外で発生した木材を燃料としたバイオマス発電により、CO₂の排出削減に努め、地球温暖化防止に対する社会的要請に応えていきます。

 

b.財政状態

当連結会計年度末における連結財政状態は、為替の影響もあり、前連結会計年度末に比べ資産が10,454百万円増加、負債が5,822百万円増加、純資産が4,631百万円増加しました。

資産10,454百万円の増加は、流動資産が2,381百万円、固定資産が8,072百万円増加したことによるものです。流動資産2,381百万円の増加は、主に現金及び預金が1,763百万円、受取手形及び売掛金が694百万円増加したことによるものです。また、固定資産8,072百万円の増加は、主にインドネシア子会社の新規設備投資や為替の影響から建物及び構築物が1,430百万円、土地が2,118百万円、立木勘定が3,048百万円増加(実質264百万円増加。為替の影響で2,784百万円増加)、その他(有形固定資産)が816百万円増加したことによるものです。

負債5,822百万円の増加は、主に支払手形及び買掛金が337百万円増加、新型コロナウイルス感染症対策やインドネシア子会社の新規設備投資のため借入金が4,700百万円増加(実質3,586百万円増加。為替の影響で1,114百万円増加)、繰延税金負債が527百万円増加したことによるものです。

純資産4,631百万円の増加は、主に利益剰余金が883百万円、その他有価証券評価差額金が434百万円、為替換算調整勘定が2,953百万円増加したことによるものです。

 

② キャッシュ・フローの状況分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループの資金需要は、主に大きく分けて運転資金需要と設備資金需要の二つがあります。運転資金需要は、主に材料・外注費及び人件費などの商品の生産活動や販売費及び一般管理費等の営業活動によるものです。また、設備資金需要は、山林投資及び生産設備の新設・更新ですが、通常は減価償却費の範囲内を目安として支出しています。当連結会計年度の設備投資は、主に国内およびニュージーランド子会社における設備投資および山林投資やインドネシア子会社の新規設備投資に支出しました。

当社グループは、運転資金と設備資金については、営業収支資金より充当し、不足が生じた場合は有利子負債の調達を実施しています。長期の借入金、社債などの長期資金の調達は、事業計画に基づき調達計画を策定し、金利動向等の調達環境や既存の借入金の償還時期を考慮して調達しています。また、ニュージーランド子会社における設備及び山林の投資資金やインドネシア子会社の新規設備投資については各社の年次資金計画を基に、各社が主に邦銀より調達を行っています。なお、当連結会計年度については、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による景気低迷に備えるための有利子負債の調達も行いました。今後、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、想定を超えて資金面で悪影響が生じることが見込まれる場合には、従来から確保しているコミットメントライン等を活用していく予定です。

なお、当連結会計年度末における借入金及び社債(有利子負債)の残高は、35,622百万円となっています。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は8,337百万円となっています。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載の通りであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当社グループでは、ニュージーランドで経営する森林から得られる植林木(森林認証を取得したラジアータパイン)を有効に活用し、顧客ニーズに沿った商品開発を進めることで、「人」と「住まい」と「木」の調和、「無垢の木のぬくもりある暮らし」のご提供を目指しています。近年は、「環境への配慮」と「品質の向上と安定化」のために認証材活用や木材加工技術・品質管理技術の向上を進めるとともに、「安全・健康」と「木からの創造」をテーマとする商品開発を中長期的課題として研究開発を行っています。今後も引き続き、住宅構造躯体に始まり内装建材から住宅設備機器に至るまで、より一層環境に配慮し、住宅市場だけでなく、商環境や非住宅市場でもお客様のニーズに合った商品の研究・開発に努めていきたいと考えています。

当連結会計年度における住宅建材設備事業セグメントでは研究開発費の総額は243百万円です。

当連結会計年度は、木の美しさと木味を堪能できる本物の風合いを持つ空間をご提案する商品、新しい生活様式に対応するため、「抗ウイルス」「テレワーク」「おうち時間」「通気」をテーマとした商品の開発を進めました。

 

住宅用建材では、内装ドア「ソフトアートシリーズ」に変わり、木目柄にグレイッシュな単色柄を追加した「ドレタスシリーズ」を発売しました。「ドレタスシリーズ」は傷や汚れに強いオレフィンシートや一般品より厳しい社内の品質基準(ウッドワンスタンダード)に適合した耐久性の高い金具を採用し、さらに、より木が持つ魅力を引き立てるアルミや真鍮を素材としたレバーハンドルなど永く安心してお使いいただける商品を幅広いラインナップでご提供しています。

また、コロナ禍の住宅ニーズに対応した商品として、抗ウイルス加工を施したフローリングや在宅ワーク、オンライン授業など、快適なワークスペースの確保に対応する商品を「無垢の木の収納シリーズ」に追加しました。

 

住宅設備機器では、無垢の木のキッチン「スイージー」に、リフォーム・リノベーション向けの新商品を追加し、新築戸建て市場のみならず、マンションやリフォームなど、より一層顧客ニーズに応えることが可能となりました。

 

健康・安全への配慮や高齢化社会への対応としては、一般向けのお住まいだけでなくサービス付き高齢者向け住宅などの高齢者向け施設や幼稚園などの保育施設にも安心な住空間を提供できる商品群の拡充を行っています。

また、昨今問題となっている現場での職人不足に対応すべく、「仕上げてる棚板シリーズ」など省施工やゴミの削減に寄与する商品を発売しました。

当社グループでは、今後も新築住宅、リフォーム、商環境及び非住宅分野など様々な市場で求められるニーズに応える商品やサービスを提供してまいります。