(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済政策や日本銀行による金融政策を背景に、企業収益や雇用環境の改善が続くなど、緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、中国を始めとする新興国経済の減速や英国のEU離脱問題、米国新政権の政策動向といった海外経済の不確実性が高まるリスクも存在しており、景気の先行きにつきましては不透明な状況が続いております。
住宅業界におきましては、低水準の住宅ローン金利や各種住宅取得支援策の下支えにより、住宅需要は堅調に推移しました。その結果、新設住宅着工戸数は、974千戸(前年度比5.8%増)となりました。
このような状況下、当社グループでは、既存市場におけるシェア拡大に向けて、立川ショールームや名古屋ショールームをリニューアルするなど、基幹ショールームを充実させるとともに、ビルダー戦略を強化することにより、住宅資材事業でのシェア拡大を図りました。また、シニアマーケット向けに開発した「セーフケアプラス」製品群を、幼稚園や保育園などの園舎に対応する製品にも展開し、非住宅市場における販売に注力しました。
一方、住宅ストックの余剰や人口の減少、世帯構成の変化を背景に新設住宅着工戸数が減少していくことを見据え、シニアマーケットや中古住宅・リフォーム市場といった成長市場への対応を強化するなど、新築住宅に依存した体質からの脱却に取り組んでまいりました。さらに、海外事業では、現地企業との業務提携なども視野に入れつつ、ASEAN諸国のマーケティング活動を展開するなど、海外市場への販売に向けた営業活動を推進しております。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は66,511百万円(前年同期比7.6%増)、経常利益は2,636百万円(同27.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,334百万円(同80.9%増)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
(住宅資材事業)
建材分野では、表面化粧材に高級銘木を使用した「森の逸品、銘木フローリング『銘樹』」のブランド化を推進しました。この銘樹ブランド強化の一環として、選りすぐりの銘木を組み合わせてコントラストを効かせたデザインの「銘樹irodori」や直貼り・遮音タイプの「銘樹ダイレクト」を新たに発売しました。一方、室内階段においては、熟練大工の減少や環境配慮への対応として、施工時間の短縮、仕上がりの均一化及び現場の廃材削減を実現する正寸プレカットの対応範囲を拡大し、幅広いユーザーに提案しました。その結果、多くの新規採用をいただき、室内階段全体の販売量の増加につながりました。
内装システム分野では、室内ドアの主力シリーズであるアーバンモードαやトラディショナルモードに新柄を追加したほか、収納製品においては、収納物に合わせて自由にプランニングができる新製品「フリーハンギングシェルフ」を発売しました。さらに、リビングステージのプランの充実を図るなど、市場シェアの拡大に取り組みました。その結果、室内ドアやクロゼットを中心に、ビルダーへの販売が好調に推移したことにより、受注は増加しました。
住設分野では、空気環境に配慮したシステムキッチン「ラフィーナ エアプラス」や大容量のキャビネットを備えた「ハイル」の拡販に努めました。さらに、リビングと調和しつつ高級感があるシステムキッチン「ピアサス S-1 ユーロモード」やオールステンレスキッチンの「ゲートスタイル キッチン S-1」など、当社の強みであるステンレス加工技術を活かした製品の販売を強化しました。
この結果、住宅資材事業の売上高は59,956百万円(前年同期比9.3%増)、セグメント利益は3,885百万円(同21.2%増)となりました。
(木質ボード事業)
空気環境に配慮した素材パーティクルボードや化粧パーティクルボードを文教施設や医療施設などに提案することにより、非住宅市場における新たな需要の掘り起こしに注力しました。
また、当社は地域産材を活用したパーティクルボードの開発に取り組んでおります。
この活動は、環境保全を通してより一層の社会貢献を目指すという当社の環境方針に基づいたもので、当該地域の森林保全と林業の活性化に貢献しております。
しかしながら、企業間の販売競争が一層激化した影響により、木質ボード事業の売上高は6,343百万円(前年同期比5.7%減)、セグメント利益は297百万円(同42.2%減)となりました。
(その他事業)
当社グループでは、上記事業のほか、不動産有効活用事業、環境事業、太陽光発電事業を推進しております。
不動産有効活用事業では、これまでに建設した賃貸マンションやその他の遊休不動産の賃貸で、安定した収益を確保しました。
環境事業では、引き続き独自に開発したアスベスト処理薬剤を使用した「アスブロック工法」の提案に注力しました。
太陽光発電事業では、山口・平生事業所と大阪事業所に設置した太陽光発電設備が安定した稼働を続けております。
この結果、その他事業の売上高は211百万円(前年同期比1.8%減)、セグメント利益は82百万円(同14.8%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により2,784百万円の資金を獲得し、投資活動に2,083百万円、財務活動に1,012百万円の資金を使用したことにより、前連結会計年度末に比べ317百万円減少し、当連結会計年度末には12,976百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは2,784百万円の増加(前年同期は4,902百万円の増加)となりました。その主な要因は、税金等調整前当期純利益2,758百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは2,083百万円の減少(前年同期は2,896百万円の減少)となりました。その主な要因は、有形固定資産の取得による支出2,132百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは1,012百万円の減少(前年同期は654百万円の減少)となりました。その要因は、配当金の支払729百万円、自己株式の取得283百万円によるものです。
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
住宅資材事業(百万円) |
29,616 |
110.4 |
|
木質ボード事業(百万円) |
6,455 |
100.6 |
|
報告セグメント計(百万円) |
36,072 |
108.5 |
|
その他(百万円) |
61 |
89.8 |
|
合計(百万円) |
36,134 |
108.4 |
(注) 金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
住宅資材事業(百万円) |
13,766 |
110.4 |
|
木質ボード事業(百万円) |
519 |
135.4 |
|
報告セグメント計(百万円) |
14,286 |
111.2 |
|
その他(百万円) |
- |
- |
|
合計(百万円) |
14,286 |
111.1 |
(注) 金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)受注状況
当社グループ(当社及び連結子会社)は概ね見込生産を行っております。内装システム分野では主として受注生産を行っておりますが、その多くが短期間で販売されるため、記載を省略しております。
(4)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
住宅資材事業(百万円) |
59,956 |
109.3 |
|
木質ボード事業(百万円) |
6,343 |
94.3 |
|
報告セグメント計(百万円) |
66,299 |
107.7 |
|
その他(百万円) |
211 |
98.2 |
|
合計(百万円) |
66,511 |
107.6 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
||
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金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
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住友林業株式会社 |
10,700 |
17.3 |
11,632 |
17.5 |
|
SMB建材株式会社 ※ |
- |
- |
11,039 |
16.6 |
※ 平成29年1月1日付で、三井住商建材株式会社と丸紅建材株式会社が合併し、SMB建材株式会社となりました。前連結会計年度における三井住商建材株式会社及び丸紅建材株式会社については、個々の総販売実績に対する割合が10%未満のため記載を省略しております。当連結会計年度は、平成28年4月1日から平成28年12月31日までの三井住商建材株式会社及び丸紅建材株式会社としての取引金額を含めております。
3.金額には、消費税等は含まれておりません。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは経営の基本理念に『木を活かし、よりよい暮らしを』を掲げ、地球、社会、人との共生を通じて、豊かで持続可能な社会の実現に貢献する企業であり続けることを目指しております。
「持続可能な森林の木を使う」「木を無駄なく使う」「木を循環して使う」という3つの循環の輪に沿った事業を展開するとともに、地球環境に配慮した製品を開発することにより、社会に貢献してまいります。
また、すべての世代の安全と使い勝手に配慮した製品を提供することにより、豊かな住環境を創造し、国際社会の一員として国や地域の多様性を尊重し、雇用の確保や製品の提供等を通じて地域社会の発展を推進し、ステークホルダーの皆様に報いてまいりたいと考えております。
(2)目標とする経営指標
当社グループは事業の継続性とともに、株主に対する安定配当を持続するためにも収益の確保が最も重要と考え、売上高を増大させながら売上高経常利益率を高めるとともに、資本効率を高めることでROA(営業利益)を向上させることにより、企業体質を強化してまいります。
当面の経営指標として、売上高経常利益率5%以上およびROA(営業利益)5%以上を目標とし、業容拡大に取り組んでおります。
(3)経営環境
今後の住宅業界におきましては、住宅ストックの余剰や人口の減少、世帯構成の変化を背景に新設住宅着工戸数は減少していくと考えております。一方、堅調な推移が見込まれるストック市場やシニアマーケットは成長市場であり、非住宅市場とともに注力すべき市場と認識しております。
当社グループは、これらの事業環境に対応するため、新設住宅着工戸数に依存しない事業構造への転換を目指し、各種施策に取り組んでまいります。
(4)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題
①既存市場におけるシェア拡大
多様な顧客層のニーズを取り入れた新製品開発と更なるコスト低減により、既存市場でのシェア拡大を図ってまいります。また、堅調に推移する賃貸住宅に対応する製品の拡充と積極的な販売活動を展開してまいります。
②ストック市場への対応
中古住宅・リフォーム市場は、国の政策支援や在宅介護に伴うバリアフリーリフォームの増加などを背景として堅調な推移が期待されます。これらの需要に対応するため、省施工製品の開発、特注サイズの生産体制の構築及び短納期化に取り組んでまいります。
③シニアマーケットへの対応
高齢化が進行する中、介護サービスや介護施設の拡充が急速に進んでいるシニアマーケットは成長市場のひとつです。このシニアマーケットに対応するために、「セーフケアプラス」製品群の拡充及び安全性能の向上を図ってまいります。
④非住宅市場の開拓
幼稚園や保育園などの園舎を始めとする文教施設や医療施設、宿泊施設に対応する製品開発を強化し、非住宅市場への参入を推進してまいります。
⑤新規販売チャネルの開拓
既存の販売チャネルに加え、ホームセンターや家電量販店などの新たな販売チャネルの開拓に注力してまいります。
⑥海外事業の強化
永大ベトナム(Eidai Vietnam Co.,Ltd.)におきましては、生産効率や品質の更なる向上に取り組み、生産品目の一層の拡大を図ります。また、今後の成長が期待されるASEAN諸国の市場開拓、中でもインドネシアでの販売に向けて現地法人を設立し、販売体制の構築を加速してまいります。
⑦新規事業への参入
総合企画本部を中心に幅広いマーケティング活動を展開し、M&Aなどの積極的な投資も視野に入れ、新たな収益の柱となる事業の育成を図ってまいります。
⑧原材料の価格変動への対応
当社の主要原材料であるフローリング用基材は、海外から調達している割合が高いため、現地価格と為替変動の影響を受けます。これらの価格変動要因に対しては、現地における原木の需給動向等の情報収集による長期見通しを策定するとともに、調達先の見直しや樹種の変更を行っております。また、フローリング用基材には、為替変動の影響を受けない国産材を積極的に活用しており、今後も更なる利用拡大に向けて取り組んでまいります。
⑨多様な人材の活用及び組織の活性化
外部環境が急速に変化していく中で事業活動を継続・発展させるためには、多様な人材が活躍できる企業風土の構築が重要であると考えております。多様な能力や価値観を持った人材を幅広く採用し活用することによって組織の活性化を図りつつ、人材育成にも努めてまいります。
⑩働き方改革の推進
当社グループでは、社員の働き方全般を見直す活動に、全社を挙げて取り組んでまいります。社員の意識改革を通して、あらゆる業務の効率化と生産性の向上を図ります。
(5)買収防衛策について
当社は平成20年5月26日開催の取締役会において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を決定しました。さらに同取締役会にて当社株式の大規模買付行為に関する対応策の内容を決定し、同年6月27日開催の当社定時株主総会において承認可決されました。
その後、平成23年6月29日開催及び平成26年6月26日開催の当社定時株主総会における承認可決を経て継続してまいりました(以下、継続してきた対応策を「現プラン」といいます。)。
また、現プランは平成29年6月28日開催の当社定時株主総会(以下、「本株主総会」といいます。)の終結の時をもって有効期間が満了することから、本株主総会において株主様のご承認いただき、現プランを更新しました。(以下、更新後のプランを「本プラン」といいます。)
本プランの概要は、以下①~③のとおりです。
なお、本プランの詳細につきましては、当社ホームページに掲載の「当社株式等の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)の更新について」をご覧ください。
(参考URL http://www.eidai.com/profile/data/201705221600.pdf)
①当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、金融商品取引所市場における当社株式の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式の大規模買付行為であっても、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。また、最終的には株式の大規模買付提案に応じるかどうかは株主の皆様の決定に委ねられるべきだと考えております。
ただし、株式の大規模買付提案の中には、たとえばステークホルダーとの良好な関係を保ち続けることができない可能性があるなど、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を損なうおそれのあるものや、当社グループの価値を十分に反映しているとは言えないもの、あるいは株主の皆様が最終的な決定をされるために必要な情報が十分に提供されないものも想定されます。
そのような提案に対して、当社取締役会は、株主の皆様から負託された者の責務として、株主の皆様のために、必要な時間や情報の確保、株式の大規模買付提案者との交渉などを行う必要があると考えております。
②基本方針実現のための具体的取組
a.当社グループの財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組
当社グループは、当社グループの企業価値ひいては株主価値の向上のために次のような取組を行っております。当社グループは、住宅用建材の素材から製品に至るまでの幅広い事業を展開し、快適な住環境作りに貢献できる製品を提供しています。また、経営の基本理念に「木を活かし、よりよい暮らしを」を掲げ、地球、社会、人との共生を通じて、豊かで持続可能な社会の実現に貢献する企業であり続けることを目指しております。
当社グループの得意とする木質材料加工技術、ステンレス加工技術を最大限に活かしながら、顧客ニーズや市場動向にマッチした製品の開発に取り組んでおります。
また、当社グループは、コーポレート・ガバナンスの強化・充実が経営の基本的課題であると認識し、公正性・透明性の高い意思決定と迅速で適切な経営判断により、継続的な企業価値の向上に取り組んでおります。
b.基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組
本プランは、当社株式の大規模買付行為を行おうとする者が遵守すべきルールを明確にし、株主の皆様が適切な判断をされるのに必要かつ十分な情報及び時間並びに大規模買付行為を行おうとする者との交渉の機会を確保すること、当社取締役会が独立委員会の勧告を受けて当該大規模買付行為に対する賛否の意見又は代替案を株主の皆様に対して提示すること、あるいは、株主の皆様のために、当該大規模買付行為を行おうとする者と交渉を行うこと等を可能とするものです。
本プランにおいては、以下の(ⅰ)又は(ⅱ)に該当する当社株式の買付け又はこれに類似する行為(ただし、当社取締役会が承認したものを除きます。かかる行為を、以下「大規模買付等」といいます。)がなされる場合を適用対象とします。
(ⅰ)当社が発行者である株式について、保有者の株式保有割合が20%以上となる買付け
(ⅱ)当社が発行者である株式について、公開買付けに係る株式の株式所有割合及びその特別関係者の株式所有割合の合計が20%以上となる公開買付け
③上記の取組に対する当社取締役会の判断及びその理由
a.企業価値向上のための取組は、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を持続的に確保、向上させるための具体的方策として策定されております。
b.本プランは、下記の点において公正性・客観性が担保される工夫がなされており、株主共同の利益を損なうものではなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものでもありません。
イ.買収防衛策に関する指針の要件を全て充足していること
ロ.当社グループの企業価値・株主共同の利益の確保又は向上の目的をもって導入されていること
ハ.株主意思を重視するものであること
ニ.独立性の高い社外者(独立委員会)の判断の重視と情報開示
ホ.合理的な客観的発動要件の設定
へ.デッドハンド型又はスローハンド型買収防衛策ではないこと
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、当社グループとして必ずしも事業上のリスクと考えていない事項についても、当社グループの事業活動を理解いただくうえで重要と考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)新設住宅着工戸数について
当社グループは住宅用の木質建材と内装部材及び設備機器の製造販売を主たる事業としているため、当社グループの売上は新設住宅着工戸数、とりわけ、持家の着工戸数増減に強い影響を受けます。新設住宅着工戸数は景気動向、金利動向、税制変更等に左右されやすく、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)原材料価格と為替相場の変動について
当社グループはフローリング用基材となる合板をはじめ、接着剤の原材料などを海外から調達しております。これらは国際市場価格及び為替相場の変動に大きく影響され、かつ、仕入先の切り替えが困難なものや、特定少数の仕入先から入手せざるを得ないものもあります。また、原油価格の高騰は接着剤などの価格を押し上げる要因となります。これらの動向によっては、生産に必要な原材料が十分に調達できなくなる可能性や、調達に多額の資金が必要になるなど、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)価格競争激化による販売価格低下の影響について
新設住宅着工戸数は100万戸を下回る水準で推移しており、今後も超高齢社会の進行や住宅ストックの余剰、世帯数の減少等により、さらに減少していくことが見込まれます。縮小するマーケットにおいては、販売先であるハウスメーカー等の価格競争は熾烈を極め、住宅資材メーカーにおける受注競争も激化することが考えられます。こういった状況は当社の販売価格の下落圧力となり、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)製品の品質問題について
当社グループの製品において、製品事故の発生や製品の品質上の問題、とりわけ、製造物責任の対象となる製品の欠陥に起因する損害に対しては、当社グループのブランド価値の低下を招くとともに、損害賠償請求の発生など、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)自然災害等について
大地震等の大規模な自然災害が発生した場合は、生産活動の停止や配送の遅延、また、損害を被った事業所や保有設備の復旧等に多額の費用が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)法的規制等について
当社グループの事業に関係する法規制には、建築基準法や住宅品質確保促進法、個人情報保護法など様々な規制があります。当社グループは、事業運営の中でこれらの法規制の遵守に努めておりますが、関係する法規制の改廃や新たな法規制の制定が行われた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7)情報セキュリティについて
当社グループでは、情報管理に関する社内規程等の整備や従業員等への教育の徹底により、情報管理には万全を期しております。しかしながら、予測できないコンピュータウイルスの侵入等により、情報が外部に漏洩した場合、損害賠償等の発生や当社グループのブランド価値の低下を招くなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループでは顧客、市場のニーズに的確に応えるため、デザイン・機能・価格の3要素を常に意識し、徹底したマーケティングリサーチに基づいて、「見て、施工して、使って違いの分かる」製品の開発を基本としております。また、顧客ニーズを創り出すという視点を重視し、品質・コスト・サービスなど、顧客満足度を高める新製品の開発に取り組んでおります。
強みとする「木質材料加工技術」と「ステンレス加工技術」を最大限活かし、「環境への配慮」、「健康と安心・安全性の重視」、「独自性のある製品の追求」を最重要項目に掲げ、研究活動を行っております。
中でも「環境への配慮」に関しては、持続可能な森林資源を使用した基材や国産材を積極的に利用した製品の開発、さらにはマテリアルリサイクルを通じて地球温暖化防止に寄与しているパーティクルボードの新たな用途開発に力を注いでおります。
当社の研究開発体制は、基礎研究・応用研究を担当する総合研究所、具体的な新製品の開発及び生産技術を担当する各事業部の傘下の開発室で構成されます。総合研究所では新基材や木質ボードの研究に加え、新たなデザインや加工技術、化粧技術、さらには環境対応技術の研究など、中長期にわたるテーマに基づいて活動しております。一方、各事業部の傘下の開発室では市場ニーズに沿った新製品の発案、製品設計やデザインの研究、既存製品の改良から具体的な製品化、量産化のための生産技術や生産工程の研究・開発を行っております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は673百万円であります。なお、研究開発費については、各事業部門に配分できない基礎研究費用227百万円が含まれております。また、当連結会計年度における各セグメント別の研究開発活動は次のとおりであります。
(1)住宅資材事業
建材関連製品では、選りすぐりの銘木を組み合わせてコントラストを効かせたデザイン性の高いフローリング「銘樹irodori」を発売し、内装システム関連製品では、室内ドアやクロゼットの主力シリーズに市場のトレンドを意識した新柄を追加しました。また、住設関連製品では、大容量のキャビネットを備えたシステムキッチン「ハイル」において仕様面での充実を図りました。
当セグメントに係る研究開発費は、393百万円であります。
(2)木質ボード事業
パーティクルボード分野では、兵庫県産材や京都府産材を始めとする地域産材を活用したパーティクルボードの開発に取り組みました。
当セグメントに係る研究開発費は、52百万円であります。
文中の将来に対する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たっては、当連結会計年度の財政状態、経営成績に影響を与える重要な会計方針の採用及び見積りを行っております。
当社グループは過去の実績や当連結会計年度末時点での状況に基づく合理的な見積りと判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果とは異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
(2)当連結会計年度の財政状態の分析
① 流動資産
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ2,488百万円増加し、49,658百万円となりました。主な要因は、有価証券が2,998百万円減少したものの、現金及び預金が2,681百万円、売上債権が1,340百万円、たな卸資産が1,312百万円増加したことによるものです。
② 固定資産
当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末に比べ1,655百万円増加し、21,141百万円となりました。主な要因は、投資有価証券が908百万円、有形固定資産が731百万円増加したことによるものです。
③ 流動負債
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ2,331百万円増加し、19,856百万円となりました。主な要因は、仕入債務が1,384百万円、未払金が765百万円増加したことによるものです。
④ 固定負債
当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末に比べ169百万円減少し、2,725百万円となりました。主な要因は、繰延税金負債が172百万円減少したことによるものです。
⑤ 純資産
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ1,982百万円増加し、48,217百万円となりました。主な要因は、配当金の支払729百万円があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益2,334百万円を計上したことによるものです。
(3)当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高
当連結会計年度における売上高は、新設住宅着工戸数が堅調に推移し、新製品の開発及び販売に注力した結果、前連結会計年度に比べ4,711百万円増加し、66,511百万円となりました。
② 売上総利益
売上総利益は、売上高の増加及び売上総利益率の改善などにより、前連結会計年度に比べ1,582百万円増加し、17,599百万円となりました。
③ 営業利益
営業利益は、販売費及び一般管理費が前連結会計年度に比べ1,132百万円増加したものの、売上総利益が増加したことにより、前連結会計年度に比べ449百万円増加し、2,467百万円となりました。
④ 経常利益
経常利益は、営業利益の増加及び持分法による投資利益が99百万円増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ573百万円増加し、2,636百万円となりました。
⑤ 税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純利益は、経常利益の増加及び投資有価証券売却益233百万円を計上したことなどにより、前連結会計年度に比べ772百万円増加し、2,758百万円となりました。
⑥ 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、税金等調整前当期純利益の増加及び税効果会計適用後の法人税等の負担率が減少したことにより、前連結会計年度に比べ1,043百万円増加し、2,334百万円となりました。
(4)資本の財源及び資金の流動性について
「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。なお、当社グループは製品製造のための原材料の調達、経費等の支払いを始めとした運転資金のほか、安定した製品の生産を行うための設備投資資金、ソフト開発資金の需要がありますが、すべてを自己資金にて調達しております。