第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは経営の基本理念に『木を活かし、よりよい暮らしを』を掲げ、地球、社会、人との共生を通じて、豊かで持続可能な社会の実現に貢献する企業であり続けることを目指しております。

「持続可能な森林の木を使う」「木を無駄なく使う」「木を循環して使う」という3つの循環の輪に沿った事業を展開するとともに、地球環境に配慮した製品を開発することにより、社会に貢献してまいります。

また、すべての世代の安全と使い勝手に配慮した製品を提供することにより、豊かな住環境を創造し、国際社会の一員として国や地域の多様性を尊重し、雇用の確保や製品の提供等を通じて地域社会の発展を推進し、ステークホルダーの皆様に報いてまいりたいと考えております。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは事業の継続性とともに、株主に対する安定配当を持続するためにも収益の確保が最も重要と考え、売上高を増大させながら売上高経常利益率を高めるとともに、資本効率を高めることでROA(営業利益)を向上させることにより、企業体質を強化してまいります。

当面の経営指標として、売上高経常利益率5%以上およびROA(営業利益)5%以上を目標とし、業容拡大に取り組んでおります。

 

(3)経営環境

住宅業界では、人口減少や世帯構成の変化といった構造的な要因に加え、消費税率の引き上げ、さらには新型コロナウイルス感染症の影響等により、新設住宅着工戸数は減少傾向が続くと考えております。とりわけ、新型コロナウイルス感染症の影響に関しては、住宅の着工から当社グループが販売する住宅内装部材の施工までのプロセスを考慮すると、着工が回復基調に戻った場合も、暫くの間は受注への影響が残ります。さらに、人手不足に起因する建設コストの上昇や物流費用の高騰などが続く状況において、新型コロナウイルス感染症の影響が加わるため、企業を取り巻く環境は一段と厳しさを増していくものと認識しております。一方、住宅内装部材は住宅購入者の年齢層や世帯構成、ライフスタイル等によりニーズの多様化が進んでおり、それらの需要を取り込めるか否かは、事業を拡大するうえで重要なポイントになると考えております。

このような状況下、住宅内装部材メーカー各社は、最新のトレンドを反映した色柄やデザイン、機能を製品仕様に取り入れるとともに、市場投入サイクルを短縮するなど新製品開発を強化し、生産拠点においては生産能力の強化を図ってきました。こういった企業間での熾烈な競争が続いてきたことから、新設住宅着工戸数が100万戸を下回る現在の市場においては、住宅内装部材の需給バランスは供給過多の傾向が強まっており、製品価格に下落圧力が働きやすい状況にあります。

当社グループを取り巻く環境は厳しいものがありますが、事業の持続的な成長を図るためには、製品面の充実だけではなく、品質・価格・納期のレベルをさらに高め、製品・サービスの両面において顧客満足度を向上させる必要があると考えております。

当社グループでは、検査の自動化による品質管理体制の徹底強化、生産から販売に至る全社ベースでのコスト低減活動の推進により、収益性の向上を図っております。さらに、当社が長年培ってきた室内階段、造作材の正寸プレカット技術や多品種少量生産、短納期対応等による優位性を最大限発揮することにより、厳しい環境を事業拡大の機会に変えることが可能と考えております。

 

(4)経営計画、経営戦略及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは、2019年4月1日付で新たな経営体制に移行したことを受け、社業の一層の発展・飛躍を図りたいとの思いから、2018年の台風被災により悪化した業績の回復、さらには中長期的な業容拡大を念頭においた中期経営計画の抜本的な見直しを行い、2020年3月期を初年度とする経営五ヵ年計画「EIDAI Advance Plan 2023」を策定しました。この経営五ヵ年計画では、当社グループが優先的に対処すべき課題を以下の6項目の基本方針に落とし込み、各施策に取り組んでおります。

 

<基本方針>

① お取引先様及びエンドユーザー様に満足いただける製品品質とサービスの提供

 当社では、設計、製造から販売に至るまで、「お取引先様及びエンドユーザー様にご満足いただくこと」を最優先とし、お客様の声に耳を傾け、各施策を通じて製品品質とサービス、そして信頼を提供してまいります。

 

② 住宅分野でのシェアアップと新設住宅着工戸数に依存しない事業構造への転換

1)住宅分野でのシェアアップ

 今後、新設住宅着工戸数は減少が見込まれますが、当社の主力である住宅分野においては、多様なニーズを取り入れた製品開発とライフスタイルの変化に合わせた製品の拡充に取り組み、効果的な販売促進策を通じて、これまで以上のシェアアップと売上の拡大を図ってまいります

2)新設住宅着工戸数に依存しない事業構造への転換

 現状の当社の業績は新設住宅着工戸数と強い相関関係があります。今後、新設住宅着工戸数の減少が見込まれますが、当社のさらなる売上の拡大と将来の事業基盤を強固なものとするため、当五ヵ年計画においては、各施策を通じて事業構造の転換を加速し、事業領域の拡大と収益力の強化を図ってまいります

 

③ 木質ボード事業の強化と拡大

 新設住宅分野は縮小傾向にありますが、パーティクルボードについては構造用、フローリング基材用を中心に需要の拡大が見込まれます。これらの状況下、当社は2019年4月24日に日本ノボパン工業株式会社とパーティクルボードの製造を目的とする合弁会社を設立することを決定し、同年5月22日にENボード株式会社を設立いたしました。各施策を通じて、木質ボード事業の拡大と収益向上を図ってまいります。

 

④ 生産性の向上とグループ全体での生産体制の最適化

 当社グループの製造部門においては、生産性の改善をはじめ、海外拠点を含めたグループ全体での生産体制の最適化を図るとともに、コスト低減に継続して取り組んでまいります。

 

⑤ 物流及び情報システムの改革を推進

 先に述べた生産体制の構築や、物流・情報システムの改革を推進することにより、労働人口減少への対応を含め、BCM(事業継続マネジメント)の強化と安定したサプライチェーンを構築し、経営基盤のさらなる強化を図ってまいります。

 

⑥ SDGsの取り組み

 当社グループは、「持続可能な社会の形成や地域社会の発展に貢献する企業」として、社会的な課題やニーズに対して取り組んでまいりました。これまでの事業活動に加え、今後新たに展開する方針・施策を通じて、持続可能な開発目標「SDGs」《Sustainable Development Goals》に貢献してまいります

 

2020年3月期の業績は回復基調にあるものの、台風被災の影響で受注残が減少したことによる上期の売上回復の遅れや、消費増税後の住宅購入マインドの低下、山口パーティクルボード工場閉鎖の影響等もあり、通期においては被災前の水準には至りませんでした。

2021年3月期は、経営五ヵ年計画で掲げる6項目の基本方針に則り、木質ボード事業ではENボード株式会社において最新鋭の設備を導入した新工場の立上げを急ぎ、2021年3月の稼働を目指します。さらに、住宅資材事業においては、BCP対応を含めた事業拡大を図るため、2020年3月に株式会社ノーリツの連結子会社である株式会社アールビーの事業の一部譲受を決議いたしました。現在、事業運営を担う新会社の関東住設産業株式会社では、7月1日の事業譲受に向けて準備を進めております。

一方、新型コロナウイルス感染症が世界経済に与える影響が懸念される中、当社グループでは、政府及び地方自治体からの要請を踏まえた感染拡大の防止策を徹底しつつ、業績の回復を図るべく全社一丸となって事業活動を継続しております。しかしながら、感染症の影響による国内外の景気減速の長期化や住宅業界の需要動向等は、今後の事業活動及び経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

当社グループとしましては、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた経営五ヵ年計画の見直しが必要と考えておりますが、現時点で業績に及ぼす影響を見通すことが困難であるため、2021年3月期以降の計画を一旦未定とさせていただき、計画の合理的な算定が可能となった時点で速やかに公表させていただきます。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、当社グループとして必ずしも事業上のリスクと考えていない事項についても、当社グループの事業活動を理解いただくうえで重要と考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)新設住宅着工戸数について

当社グループは住宅用の木質建材と内装部材及び設備機器の製造販売を主たる事業としているため、当社グループの売上は新設住宅着工戸数の増減に強い影響を受けます。新設住宅着工戸数は景気動向、金利動向、税制変更等に左右されやすく、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、文教施設や宿泊施設、医療施設等の非住宅やリフォーム需要に対する販売を強化するとともに、ASEANを中心とする海外での販売拡大を図り、新設住宅着工戸数に依存しない事業構造への転換に取り組んでおります。

 

(2)原材料価格と為替相場の変動について

当社グループはフローリング用基材となる合板をはじめ、接着剤の原材料などを海外から調達しております。これらは国際市場価格及び為替相場の変動に大きく影響され、かつ、仕入先の切り替えが困難なものや、特定少数の仕入先から入手せざるを得ないものもあります。また、原油価格の高騰は接着剤などの価格を押し上げる要因となります。これらの動向によっては、生産に必要な原材料が十分に調達できなくなる可能性や、調達に多額の資金が必要になるなど、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、主力製品であるフローリングの基材については、国産材化を積極的に進めており、国際市場価格の高騰や為替相場の変動が業績に及ぼす影響を抑制するよう努めております。

 

(3)価格競争激化による販売価格低下の影響について

新設住宅着工戸数は100万戸を下回る水準で推移しており、今後も人口減少や世帯構成の変化といった構造的な要因等により、さらに減少していくことが見込まれます。縮小するマーケットにおいては、販売先であるハウスメーカー等の価格競争は熾烈を極め、住宅資材メーカーにおける受注競争も激化することが考えられます。こういった状況は当社の販売価格の下落圧力となり、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、長年培ってきた木質材料の加工技術を活かした競争優位性のある新製品を市場に投入することにより、販売価格の下落リスクを抑制するよう努めております。

 

(4)製品の品質問題について

当社グループの製品において、製品事故の発生や製品の品質上の問題、とりわけ、製造物責任の対象となる製品の欠陥に起因する損害に対しては、当社グループのブランド価値の低下を招くとともに、損害賠償請求の発生など、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、経営五ヵ年計画の基本方針の1つに「お取引先様及びエンドユーザー様に満足いただける製品品質とサービスの提供」を掲げており、検査の自動化やQRコードの活用による誤配送の防止に取り組むなど、生産から販売に至る各プロセスにおいて品質管理体制の徹底強化を図っております。

 

(5)自然災害等について

大地震等の大規模な自然災害が発生した場合は、生産活動の停止や配送の遅延、また、損害を被った事業所や保有設備の復旧等に多額の費用が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

とりわけ、近年は大型台風の襲来や大規模な地震の発生が相次ぐなど、自然災害のリスクが高まっております。当社グループにおきましても、2018年の台風被災により当社大阪事業所(堺市西区)が極めて甚大な被害を受け、全面的な復旧に長期間を要したため、業績が大きく悪化しました。当社グループでは、このような状況を二度と発生させないため、台風被災の影響を詳細に分析し、事業継続計画の刷新、生産拠点の複数化、物流・情報システムの改革を推し進めることにより、事業継続態勢の強化を図っております。

 

(6)法的規制等について

当社グループの事業に関係する法規制には、建築基準法や住宅品質確保促進法、個人情報保護法など様々な規制があり、関係する法規制の改廃や新たな法規制の制定が行われた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、関係する法規制の動向を注視し、改廃時には社内で情報共有を行うなど、事業運営の中でこれらの法規制の遵守に努めております。

(7)情報セキュリティについて

当社グループが事業活動を継続していくなかで、予測できないコンピュータウイルスの侵入等により、情報が外部に漏洩した場合、損害賠償等の発生や当社グループのブランド価値の低下を招くなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、情報セキュリティ規程をはじめとする社内規程を整備し、従業員等への教育を徹底しております。さらに、情報セキュリティ規程を補完するパソコンや電子メール、インターネット等の利用基準を制定するなど、情報管理の強化を図っております。

 

(8)重篤な感染症の流行について

重篤な感染症流行時における対策は講じていた場合であっても、感染症による被害は完全に回避できるものではなく、想定規模を超える被害発生時には当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、重篤な感染症の流行に際しては、感染拡大を防止するために社内ガイドラインを制定し、全従業員に周知しております。感染症の拡大状況によっては、政府及び地方自治体からの様々な要請が想定されますが、必要に応じて国内外の出張禁止、不要不急の外出の自粛、在宅勤務や時差出勤の拡大、Web会議の活用などの取組を実施し、感染リスクの低減に努めることとしております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の概要

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が継続したものの、米中貿易摩擦などの影響が下押し圧力となり、景気に減速感が見られました。さらに、新型コロナウイルス感染症の影響により、世界的に経済活動が停滞し始めるなど、景気の悪化は避けられない厳しい状況となりました。

住宅業界におきましては、低水準で推移する住宅ローン金利や各種住宅取得支援策が下支えしたものの、関東圏を中心に甚大な被害をもたらした台風19号をはじめとする相次ぐ自然災害の発生や、2019年10月に実施された消費税率引き上げ等の影響もあり、新設住宅着工戸数は前年度実績を7.3%下回る883千戸となりました。

このような状況の中、当社グループでは、2020年3月期を初年度とする経営五ヵ年計画「EIDAI Advance Plan 2023」を策定し、2018年の台風被災により悪化した業績の回復に全社を挙げて取り組みました。設計・製造面においては品質管理体制の徹底強化、販売面では質の高いサービスの提供に注力することにより、顧客満足度の更なる向上を目指しました。さらに、主力製品の商品構成の充実を図るなど、売上高の拡大に注力するとともに、生産拠点における生産性向上や全社ベースでの諸経費削減など徹底したコスト低減に取り組みました。一方、台風被災の影響を分析し、事業継続計画(BCP)の刷新、生産拠点の複数化、物流・情報システムの改革を推し進めることにより、事業継続態勢の強化を図りました。

また、木質ボード事業の拡大を図るため、2019年5月に日本ノボパン工業株式会社との合弁会社「ENボード株式会社」を設立し、最新鋭の設備を導入した新工場を建設することといたしました。さらに、住設分野での事業を強化するため、2020年3月に株式会社ノーリツの連結子会社である株式会社アールビーから事業の一部を譲り受けることを決議しました。

これらの結果、当連結会計年度の売上高は、台風被災の影響からは徐々に回復しているものの、山口・平生事業所内のパーティクルボード工場を2019年9月末で閉鎖した影響に加え、台風被災の影響で前年度の受注残が大きく減少したことにより年度前半の回復が遅れたことが影響し、57,119百万円(前年同期比1.9%減)となりました。また、新設住宅着工戸数が900千戸を下回り、堅調に推移していた持家や分譲戸建が次第に減少に転じた点も減収要因となりました。一方で、市場環境の変化に対する各施策の進捗が遅れた面も否めず、回復の遅れを取り戻すことができなかった点は今後の大きな課題として認識しており、PDCAサイクルの着実な実行によるマネジメント強化を徹底してまいります。

損益面では、粗利率の改善や販管費の徹底した削減を進めたことにより、前年同期比では改善しましたが、売上高の回復が想定より遅れたことが影響したため、会社計画とは乖離し、営業損失750百万円(前年同期は営業損失1,609百万円)、経常損失647百万円(前年同期は経常損失1,400百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失934百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失3,434百万円)となりました。

また、中期的な経営指標として売上高経常利益率5%以上及びROA(営業利益)5%以上を目標に取り組んでおりますが、前述のとおり、営業損失及び経常損失を計上したため、目標は未達となりました。

 

セグメント別の経営成績は次のとおりであります。

(住宅資材事業)

住宅資材事業では、フローリング、室内階段、室内ドア、収納等の色柄、デザインを体系化した主力ブランド「Skism(スキスム)」の拡販に製販一体となって取り組みました。さらに、木目デザインの室内ドアや収納扉に、金属や大理石などの異素材を表現した化粧シートを採り入れた「マテリアルミックスデザイン」を追加するなど、商品構成の充実を図りました。このほか、各分野において推進した取組は以下のとおりです。

建材分野では、壁材として凹凸のある立体的な意匠を実現した「銘樹ブロックウォール」を発売し、銘樹製品でフローリングと壁材のコーディネートを可能にするなど、銘樹ブランドのより一層の強化を図りました。また、室内階段では、お客様から高い評価をいただいている正寸プレカットの提案を強化し、販売量が増加しました。

内装システム分野では、主力製品である室内ドア、造作材、クロゼット、シューズボックスの拡販に注力するとともに、新製品としてコンパクト収納「ルルボ」や宿泊施設向けのシステム家具「Orroom(オアルーム)」を発売するなど、収納製品の強化を図りました。特に「Orroom(オアルーム)」は、様々な空間をつくることが可能な特注家具製品であり、非住宅分野の開拓に向けて更なるラインナップの拡充を図ります。

住設分野では、ワークトップの厚みを20mmに抑えたシャープなデザインが特長のシステムキッチン「ラフィーナ ネオ」の販売促進に注力しました。

住宅資材事業の売上高は各施策の効果もあり徐々に増加しましたが、台風被災の影響で前年度の受注残が減少したことにより年度前半は回復が遅れた結果、売上高は51,365百万円(前年同期比0.2%減)、セグメント利益は620百万円(前年同期はセグメント損失358百万円)となりました。

 

(木質ボード事業)

木質ボード事業では、置床及び木工用などの素材パーティクルボードが販売面で苦戦を強いられました。また、ENボード株式会社を設立したことに伴い、山口・平生事業所内のパーティクルボード工場を2019年9月末で閉鎖したため、素材パーティクルボードの販売量が減少しました。

これらの結果、木質ボード事業の売上高は5,598百万円(前年同期比15.6%減)、セグメント利益は320百万円(同25.4%減)となりました。

 

(その他事業)

当社グループは、上記事業のほか、不動産有効活用事業、太陽光発電事業を推進しております。

当期の売上高は154百万円(前年同期比0.5%増)、セグメント利益は78百万円(同6.1%増)となりました。

 

なお、当連結会計年度における新型コロナウイルス感染症の影響は、各セグメントとも軽微でありました。

 

(2)中期経営計画の達成状況

当社グループは、中期経営計画として2020年3月期を初年度とする経営五ヵ年計画を策定し、各施策に取り組んでまいりました。

初年度となる2020年3月期の業績は、 (1)経営成績等の概要に記載しましたとおり、2018年の台風被災の影響からは徐々に回復しているものの、相次ぐ自然災害の発生や消費税率引き上げ等の影響による新設住宅着工戸数の減少や、山口・平生事業所内のパーティクルボード工場を2019年9月末で閉鎖した影響もあり、売上高は57,119百万円(当初計画は売上高62,500百万円)となりました。損益面におきましても、売上高の回復が想定より遅れたことに加え、物流費用の高騰などの影響もあり、営業損失750百万円(当初計画は営業利益200百万円)、経常損失647百万円(当初計画は経常利益100百万円)、EBITDA(※)1,114百万円(当初計画は1,950百万円)となりました。

(※) EBITDA=税金等調整前当期純利益に特別損益、支払利息及び減価償却費を加算した値

 

新型コロナウイルス感染症が当社グループの業績に及ぼす影響は精査中でありますが、現在公表している経営五ヵ年計画につきましては見直しを行います。詳細につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営計画及び経営戦略等」に記載のとおりであります。

 

(3)生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2019年4月1日

至  2020年3月31日)

前年同期比(%)

住宅資材事業(百万円)

26,407

96.2

木質ボード事業(百万円)

5,717

85.8

報告セグメント計(百万円)

32,125

94.2

その他(百万円)

19

93.2

合計(百万円)

32,145

94.2

(注)  金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.仕入実績

当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2019年4月1日

至  2020年3月31日)

前年同期比(%)

住宅資材事業(百万円)

11,078

89.0

木質ボード事業(百万円)

175

64.3

報告セグメント計(百万円)

11,254

88.5

その他(百万円)

合計(百万円)

11,254

88.5

(注)  金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.受注実績

当社グループ(当社及び連結子会社)は概ね見込生産を行っております。内装システム分野では主として受注生産を行っておりますが、その多くが短期間で販売されるため、記載を省略しております。

d.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2019年4月1日

至  2020年3月31日)

前年同期比(%)

住宅資材事業(百万円)

51,365

99.8

木質ボード事業(百万円)

5,598

84.4

報告セグメント計(百万円)

56,964

98.1

その他(百万円)

154

100.5

合計(百万円)

57,119

98.1

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  2018年4月1日

至  2019年3月31日)

当連結会計年度

(自  2019年4月1日

至  2020年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

住友林業株式会社

9,400

16.1

9,618

16.8

SMB建材株式会社

9,273

15.9

8,880

15.5

3.金額には、消費税等は含まれておりません。

(4)財政状態の概要

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ719百万円増加し、68,752百万円となりました。主な要因は、現金及び預金が4,252百万円、有価証券が1,000百万円、たな卸資産が1,604百万円減少したものの、売上債権が1,140百万円増加し、また、新たに設立したENボード株式会社の土地取得3,083百万円並びに建設仮勘定が3,288百万円増加したことによるものです。

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ3,194百万円増加し、26,787百万円となりました。主な要因は、未払金が3,845百万円減少したものの、新たに設立したENボード株式会社の設備投資資金として6,470百万円の借入れを行ったことによるものです。

当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,475百万円減少し、41,965百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純損失934百万円、その他有価証券評価差額金464百万円の減少、配当金770百万円の支払い及び自己株式の取得379百万円によるものです。

 

(5)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動に1,520百万円、投資活動に9,271百万円の資金を使用し、財務活動で5,390百万円の資金を獲得したことにより、前連結会計年度末に比べ5,408百万円減少し、当連結会計年度末には4,283百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは1,520百万円の減少(前年同期は758百万円の減少)となりました。その主な要因は、増加要因として、減価償却費1,753百万円、たな卸資産が1,583百万円減少したものの、減少要因として、未払金が3,540百万円減少し、売上債権が1,142百万円増加したことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは9,271百万円の減少(前年同期は3,197百万円の減少)となりました。その主な要因は、有形固定資産の取得により8,585百万円を支出したことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは5,390百万円の増加(前年同期は770百万円の減少)となりました。その主な要因は、配当金に770百万円、自己株式の取得に379百万円を支出したものの、ENボード株式会社の設備投資資金として6,470百万円の借入れを行ったことによるものです。

(6)資本の財源及び資金の流動性について

「(5)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。なお、当社グループは製品製造のための原材料の調達、経費等の支払いを始めとした運転資金のほか、安定した製品の生産を行うための設備投資資金、ソフト開発資金の需要があります。これらの資金需要に対し、自己資金及び金融機関等からの借入により調達することとしております。なお、金融機関等からの借入については、2019年5月に設立したENボード株式会社に係る設備投資資金であり、2020年3月31日現在、借入金の残高は6,470百万円であります。

 

(7)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっての重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項」に記載しております。

また、連結財務諸表の作成にあたっての会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

① 繰延税金資産

当社グループは、将来の課税所得を見積り、繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討し、回収が不確実であると考えられる繰延税金資産について評価性引当額を計上しております。

将来の課税所得の見積りは、事業計画や経営環境等により変動するため、当該見積りに影響を与える要因が発生した場合は、繰延税金資産が減額され当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 固定資産の減損損失

当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がみられる資産又は資産グループについて、減損損失の認識及び測定を慎重に検討し、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。

割引前将来キャッシュ・フローの総額は、事業計画や経営環境等により変動するため、当該見積りに影響を与える要因が発生した場合は、減損損失が計上され当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

なお、会計上の見積りに対する新型コロナウイルス感染症拡大の影響については、複数の外部の情報源に基づき、経済活動への影響が今後1年程度にわたって続くものと仮定しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

当社は、2019年4月24日開催の取締役会において、日本ノボパン工業株式会社と木質ボード事業におけるパーティクルボード(以下、PB)の製造を目的とした合弁会社を設立することを決議し、合弁契約を締結いたしました。

(1) 合弁会社設立の目的

住宅業界におきましては、人口及び世帯数の減少などに伴う新設住宅着工戸数の落ち込みにより、競合環境は厳しさを増すと予測されます。その中でPBに関しては、2018年3月の昭和56年建設省告示1100号の改正などの追い風を受け、構造用やフローリング基材用PBを中心に需要の増加が見込まれています。

このような状況下、これまで両社が各々検討してきた生産品目の拡充や生産増強などの取り組みを、より効率的に実現するために、合弁会社を設立し、最新の連続プレスを導入した新工場を建設することといたしました。

 

(2) 合弁会社(連結子会社)の概要

①名称

ENボード(エンボード)株式会社

②本社所在地

大阪市住之江区平林南2丁目10番60号

③代表者

代表取締役社長 高橋 真

④事業内容

PBの製造・加工・販売

⑤資本金

100百万円

⑥設立年月日

2019年5月22日

⑦出資比率

永大産業株式会社 65%

日本ノボパン工業株式会社 35%

 

(3) 合弁相手先の概要

①名称

日本ノボパン工業株式会社

②本社所在地

堺市堺区築港南町4番地

③代表者

代表取締役社長 山本 拓

④事業内容

PBの製造・販売、バイオマス発電業

⑤資本金

100百万円

⑥設立年月日

1956年12月10日

 

なお、上記以外で2020年3月期に締結した重要な契約は以下のとおりであります。

 

(重要な設備投資に関する契約)

(1) 契約会社名   ENボード株式会社

(2) 契約の内容   パーティクルボード生産設備の購入

(3) 契約価格    4,500百万円

(4) 契約締結日   2019年8月6日

 

(多額な資金の借入に関する契約)

ENボード株式会社は、以下の金融機関と資金の借入に関する契約を締結いたしました。

 

(1) 株式会社りそな銀行

① 借入金額の上限          11,000百万円

② 借入金利             変動金利

③ 返済期日             2021年10月29日

④ 担保の有無            無担保

⑤ 当初借入実行日          2019年8月7日

⑥ 借入金残高(2020年3月31日現在) 3,135百万円

 

(2) 株式会社三菱UFJ銀行

① 借入金額の上限          3,000百万円

② 借入金利             変動金利

③ 返済期日             2021年12月7日

④ 担保の有無            無担保

⑤ 当初借入実行日          2019年8月7日

⑥ 借入金残高(2020年3月31日現在) 1,667百万円

 

(3) 株式会社紀陽銀行

① 借入金額の上限          2,000百万円

② 借入金利             変動金利

③ 契約期間             2020年6月30日まで

④ 担保の有無            無担保

⑤ 当初借入実行日          2019年8月6日

⑥ 借入金残高(2020年3月31日現在) 1,112百万円

※当座貸越契約によるものであります。

 

(4) 株式会社商工組合中央金庫

① 借入金額の上限          1,000百万円

② 借入金利             変動金利

③ 契約期間             2020年3月31日まで(1年ごとの自動更新)

④ 担保の有無            無担保

⑤ 当初借入実行日          2019年8月6日

⑥ 借入金残高(2020年3月31日現在) 556百万円

※当座貸越契約によるものであります。

 

(連結子会社に対する債務保証に関する契約)

(1) 契約会社名   当社

(2) 相手先の名称  株式会社りそな銀行

(3) 債務保証の内容 ENボード株式会社の資金の借入に対する連帯保証

(4) 債務保証金額  11,000百万円

(5) 契約期間    2021年10月29日まで

 

(土地売買契約)

(1) 契約会社名   ENボード株式会社

(2) 契約の内容   工場建設用地の取得

(3) 契約価格    2,993百万円

(4) 契約締結日   2019年11月27日

(5) 取得日     2019年12月26日

 

(工事請負契約)

(1) 契約会社名   ENボード株式会社

(2) 契約の内容   工場建設に関する工事請負

(3) 契約価格    3,718百万円

(4) 契約締結日   2019年12月26日

 

また、当社は、2020年3月23日開催の取締役会において、当社100%出資子会社である関東住設産業株式会社を設立し、株式会社ノーリツの連結子会社である株式会社アールビーのキッチンライフ事業所の事業の一部を譲り受けることについて決議を行い、同日付けで事業譲渡契約を締結いたしました。なお、事業譲受日は2020年7月1日の予定であります。

 

 <相手先の概要>

(1)名称

株式会社アールビー

(2)所在地

茨城県土浦市北神立町1-1

(3)代表者の役職・氏名

代表取締役社長 米田一夫

(4)事業内容

石油給湯機、ハイブリッド給湯器、システムバス、

システムキッチン、洗面化粧台などの住宅設備機器製造

(5)資本金

88百万円

(6)設立年月日

1959年11月

(7)大株主及び持株比率

株式会社ノーリツ 100%

(8)上場会社と当該会社の関係

資本関係

該当事項はありません。

人的関係

該当事項はありません。

取引関係

当社との間に生産上の取引があります。

関連当事者への該当状況

該当事項はありません。

 

(1)譲受事業の内容

システムキッチン、洗面化粧台の開発・生産

 

(2)株式会社アールビーが譲渡する事業の経営成績

売上高 29億円(2019年12月期)

※上記売上高の一部が譲受の対象となる予定であります。

 

(3)譲受事業の資産・負債の項目及び負債

譲受する資産は、株式会社アールビーのキッチンライフ事業所における施設、設備、機器等の動産、不動産及び仕掛品や生産資材在庫の棚卸資産等で負債の引き受けはございません。

 

(4)その他必要な事項は、両社で協議のうえで決定いたします。

 

5【研究開発活動】

当社グループでは顧客、市場のニーズに的確に応えるため、デザイン・機能・価格の3要素を常に意識し、徹底したマーケティングリサーチに基づいて、「見て、施工して、使って違いの分かる」製品の開発を基本としております。また、顧客ニーズを創り出すという視点を重視し、品質・コスト・サービスなど、顧客満足度を高める新製品の開発に取り組んでおります。

強みとする「木質材料加工技術」と「ステンレス加工技術」を最大限活かし、「環境への配慮」、「健康と安心・安全性の重視」、「独自性のある製品の追求」を最重要項目に掲げ、研究活動を行っております。

中でも「環境への配慮」に関しては、持続可能な森林資源を使用した基材や国産材を積極的に利用した製品の開発、さらにはマテリアルリサイクルを通じて地球温暖化防止に寄与しているパーティクルボードの新たな用途開発に力を注いでおります。

当社の研究開発体制は、基礎研究・応用研究を担当する総合研究所、具体的な新製品の開発及び生産技術を担当する各事業部の傘下の開発部門で構成されます。総合研究所では新基材や木質ボードの研究に加え、新たなデザインや加工技術、化粧技術、さらには環境対応技術の研究など、中長期にわたるテーマに基づいて活動しております。一方、各事業部の傘下の開発部門では市場ニーズに沿った新製品の発案、製品設計やデザインの研究、既存製品の改良から具体的な製品化、量産化のための生産技術や生産工程の研究・開発を行っております。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は619百万円であります。なお、研究開発費については、各事業部門に配分できない基礎研究費用228百万円が含まれております。

なお、当連結会計年度における各セグメント別の研究開発活動は次のとおりであります。

 

(1)住宅資材事業

住宅資材事業では、フローリング、室内階段、室内ドア、収納等の色柄、デザインを体系化し、それらを組み合わせたインテリアスタイルが特長である主力ブランド「Skism(スキスム)」の商品構成の充実を図りました。

分野別では、建材関連製品として凹凸のある立体的な意匠を実現した壁材「銘樹ブロックウォール」を、内装システム関連製品としてコンパクト収納「ルルボ」や宿泊施設向けのシステム家具「Orroom(オアルーム)」を、住設関連製品としてワークトップの厚みを20mmに抑えたシャープなデザインが特長のシステムキッチン「ラフィーナ ネオ」をそれぞれ発売しました。

当セグメントに係る研究開発費は、360百万円であります。

 

(2)木質ボード事業

パーティクルボード分野では、新たな用途開発に加えて、生産性の向上や品質をより安定させるための製造技術面の改善に取り組みました。

当セグメントに係る研究開発費は、30百万円であります。