第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは経営の基本理念に『木を活かし、よりよい暮らしを』を掲げ、地球、社会、人との共生を通じて、豊かで持続可能な社会の実現に貢献する企業であり続けることを目指しております。

「持続可能な森林の木を使う」「木を無駄なく使う」「木を循環して使う」という3つの循環の輪に沿った事業を展開するとともに、地球環境に配慮した製品を開発することにより、社会に貢献してまいります。

また、すべての世代の安全と使い勝手に配慮した製品を提供することにより、豊かな住環境を創造するとともに、国際社会の一員として国や地域の多様性を尊重し、雇用の確保や製品の提供等を通じて地域社会の発展に貢献することで、ステークホルダーの皆様に報いてまいりたいと考えております。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは事業の継続性とともに、株主に対する安定配当を持続するためにも収益の確保が最も重要と考え、売上高を増大させながら売上高経常利益率を高めることにより、収益基盤を強化してまいります。

当面の経営指標として売上高経常利益率5%以上を目標とし、業容拡大に取り組んでおります。

 

(3)経営環境

2021年3月期の国内経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により経済活動が停滞した結果、景気は急速に悪化しました。感染状況に配慮しつつ、経済活動は段階的に再開されましたが、感染症は再拡大を繰り返すなど、収束時期は依然として見通すことができない状況で推移しております。景気の回復には今しばらく時間を要すると考えておりますが、ワクチンの早期接種とその効果への期待も含め、感染症の経済活動への影響が今後1年程度にわたって緩やかに回復していくものと想定しております。

住宅業界では、上記の影響のほか、今後、人口減少や世帯構成の変化といった構造的な問題がさらに顕在化すると考えられており、住宅需要の早期回復は困難な状況にありますが、一方ではコロナ禍での新たな生活様式や働き方への対応が進み、住宅会社によるニューノーマルを意識した需要の掘り起こし、事業運営が実践されております。また、住宅内装部材は、住宅購入者の年齢層や世帯構成、ライフスタイル等によりニーズの多様化が進んでおり、それらの需要を取り込めるか否かは、事業を拡大するうえで重要なポイントになると考えております。

このような状況下、住宅内装部材メーカー各社は、最新のトレンドを反映した色柄やデザイン、機能を取り入れた新製品開発を強化し、市場投入サイクルを短縮するとともに、生産拠点においては生産能力の強化を図ってきました。こういった企業間の熾烈な競争が続いてきたことから、新設住宅着工戸数が100万戸を下回る現在の市場においては、住宅内装部材の需給バランスは供給過多の傾向が強まっており、製品価格に下落圧力が働きやすい状況にあります。

当社グループを取り巻く環境は厳しいものがありますが、事業の持続的な成長を図るためには、品質・価格・納期のレベルをより一層高めることにより、製品・サービスの両面において顧客満足度の向上に取り組んでまいります。また、ENボード株式会社への投資をはじめとする将来の事業活動に向けた大きな費用を伴う取組につきましても、費用対効果を見極めながら今後も積極的に推進してまいります。

当社グループでは、検査の自動化による品質管理体制の徹底強化、生産から販売に至る全社ベースでのコスト低減活動の推進により、収益性の向上を図っております。さらに、当社が長年培ってきた室内階段、造作材の正寸プレカット技術や多品種少量生産、短納期対応等による優位性を最大限発揮することにより、厳しい環境を事業拡大の機会に変えることが可能と考えております。

 

(4)経営計画、経営戦略及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは、2018年の台風被災により悪化した業績を回復させるため、2020年3月期を初年度とする中期経営計画「EIDAI Advance Plan 2023」を策定し、各施策に取り組んでおりました。しかしながら、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、ENボード株式会社の新工場の稼働計画に遅れが生じるなど、グループとして設定した数値計画を見直さざるを得ない状況となったため、数値計画が合理的に算定できるまでの間、一旦未定としておりました。

この度、アフターコロナ・ウィズコロナ時代の経営環境や市場ニーズ等を踏まえて、改めて数値計画を算定し、当社グループの安定した収益基盤の確立、さらには中長期的な業容拡大を図るため、2022年3月期を初年度とする新たな中期経営計画「EIDAI Advance Plan 2023」として、各施策を推進することといたしました。当中期経営計画では、当社グループが優先的に対処すべき課題を以下の6項目の基本方針に落とし込み、各施策に取り組んでまいります。

<数値目標>

 ①当社グループの目標

                                          (単位:百万円)

 

2019年3月期

(実績)

2020年3月期

(実績)

2021年3月期

(実績)

2022年3月期

(計画)

2023年3月期

(計画)

2024年3月期

(計画)

売上高

58,246

57,119

55,814

60,000

64,000

68,000

営業利益

△1,609

△750

△383

530

470

1,500

経常利益

△1,400

△647

△227

430

1,060

1,130

EBITDA(注)

192

1,114

1,647

2,622

5,051

5,297

(注)EBITDA=税金等調整前当期純利益に特別損益、支払利息および減価償却費を加算した値です。

 

 ②資本政策・収益計画の基本方針

  1)資本政策の基本方針

当社の資本政策の基本方針は、株主価値の持続的成長を目指し、事業拡大の機会を迅速、確実に捉えるために必要となる十分な株主資本の水準を保持するとともに、連結配当性向30%以上を確保しつつ、自己株式の取得を必要に応じて検討することとしております。

  2)収益計画に関する目標

当社は、収益力に関する目標として、売上高経常利益率5%以上を設定しております。今回の中期経営計画は、2022年1月の設備稼働開始を予定しておりますENボード株式会社(総事業費約250億円)の償却費が大きく影響するため、最終目標に到達しない計画としておりますが、EBITDAを目標に加え、達成度合いを管理してまいります。次の中期経営計画において最終目標の5%を達成すべく取り組んでまいります。

 

<基本方針>

① お取引先様及びエンドユーザー様にご満足いただける製品品質とサービスの提供

 当社では、設計、製造から販売に至るまで、「お取引先様及びエンドユーザー様にご満足いただくこと」を最優先とし、お客様の声に耳を傾け、各施策を通じて製品品質とサービス、そして信頼を提供してまいります。

 

住宅分野でのシェアアップと新設住宅着工戸数に依存しない事業構造への転換

  1)住宅分野でのシェアアップ

今後、新設住宅着工戸数は低水準での推移が見込まれますが、当社の主力である住宅分野においては、多様なニーズを取り入れた製品開発とライフスタイルの変化に合わせた製品の拡充に取り組み、効果的な販売促進策を通じて、これまで以上のシェアアップと売上の拡大を図ってまいります。

  2)新設住宅着工戸数に依存しない事業構造への転換

コロナ禍による市況の悪化、さらには人口減少や世帯構成の変化といった構造的な要因により、新設住宅着工戸数は低水準での推移が見込まれますが、当社のさらなる売上の拡大と将来の事業基盤を強固なものとするため、各施策を通じて事業構造の転換を加速し、事業領域の拡大と収益力の強化を図ってまいります。

 

③ 木質ボード事業の強化と拡大

 パーティクルボードの製造を目的として日本ノボパン工業と合弁で設立したENボード株式会社を早い段階で軌道に乗せ、各施策を通じて木質ボード事業の拡大と収益向上を図ってまいります。

 

④ 生産性の向上とグループ全体での生産体制の最適化

 当社グループの製造部門においては、生産性の改善をはじめ、海外拠点を含めたグループ全体での生産体制の最適化を図るとともに、コスト低減に継続して取り組んでまいります。

 

⑤ 物流及び情報システムの改革を推進

 物流・情報システムの改革を推進することにより、物流関連業者の負荷低減に努めるとともに、BCMの強化と安定したサプライチェーンの構築に注力し、経営基盤のさらなる強化を図ってまいります。

⑥ SDGsの取り組み

 当社グループは、「持続可能な社会の形成や地域社会の発展に貢献する企業」として、社会的な課題やニーズに対して取り組んでまいりました。今後も前述①~⑤の方針に基づく事業活動を推進することにより、SDGsに貢献してまいります。

 

なお、中期経営計画の詳細につきましては、当社ホームページに掲載しております。

(参考URL https://www.eidai.com/profile/ir/management.html

 

注)経営計画等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、当社グループとして必ずしも事業上のリスクと考えていない事項についても、当社グループの事業活動を理解いただくうえで重要と考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 新設住宅着工戸数について

当社グループは住宅用の木質建材と内装部材及び設備機器の製造販売を主たる事業としているため、当社グループの売上は新設住宅着工戸数の増減に強い影響を受けます。新設住宅着工戸数は景気動向、金利動向、税制変更等に左右されやすく、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、文教施設や宿泊施設、医療施設等の非住宅やリフォーム需要に対する販売を強化するとともに、ASEANを中心とする海外での販売拡大を図り、新設住宅着工戸数に依存しない事業構造への転換に取り組んでおります。

 

(2) 原材料価格と為替相場の変動について

当社グループはフローリング用基材となる合板をはじめ、接着剤の原材料などを海外から調達しております。これらは国際市場価格及び為替相場の変動に大きく影響され、かつ、仕入先の切り替えが困難なものや、特定少数の仕入先から入手せざるを得ないものもあります。また、原油価格の高騰は接着剤などの価格を押し上げる要因となります。これらの動向によっては、生産に必要な原材料が十分に調達できなくなる可能性や、調達に多額の資金が必要になるなど、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、主力製品であるフローリングの基材については、国産材化を積極的に進めており、国際市場価格の高騰や為替相場の変動が業績に及ぼす影響を抑制するよう努めております。

 

(3) 価格競争激化による販売価格低下の影響について

新設住宅着工戸数は100万戸を下回る水準で推移しており、今後も人口減少や世帯構成の変化といった構造的な要因等により、さらに減少していくことが見込まれます。縮小するマーケットにおいては、販売先であるハウスメーカー等の価格競争は熾烈を極め、住宅資材メーカーにおける受注競争も激化することが考えられます。こういった状況は当社の販売価格の下落圧力となり、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、長年培ってきた木質材料の加工技術を活かした競争優位性のある新製品を市場に投入することにより、販売価格の下落リスクを抑制するよう努めております。

 

(4) 製品の品質問題について

当社グループの製品において、製品事故の発生や製品の品質上の問題、とりわけ、製造物責任の対象となる製品の欠陥に起因する損害に対しては、当社グループのブランド価値の低下を招くとともに、損害賠償請求の発生など、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、中期経営計画の基本方針の1つに「お取引先様及びエンドユーザー様に満足いただける製品品質とサービスの提供」を掲げており、検査の自動化や二次元コードの活用による誤配送の防止に取り組むなど、生産から販売に至る各プロセスにおいて品質管理体制の徹底強化を図っております。

 

(5) 自然災害等について

大地震等の大規模な自然災害が発生した場合は、生産活動の停止や配送の遅延、また、損害を被った事業所や保有設備の復旧等に多額の費用が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

とりわけ、近年は大型台風の襲来や大規模な地震の発生が相次ぐなど、自然災害のリスクが高まっております。当社グループにおきましても、2018年の台風被災により当社大阪事業所(堺市西区)が極めて甚大な被害を受け、全面的な復旧に長期間を要したため、業績が大きく悪化しました。当社グループでは、このような状況を二度と発生させないため、台風被災の影響を詳細に分析し、事業継続計画の刷新、生産拠点の複数化、物流・情報システムの改革を推し進めることにより、事業継続態勢の強化を図っております。

 

(6) 法的規制等について

当社グループの事業に関係する法規制には、建築基準法や住宅品質確保促進法、個人情報保護法など様々な規制があり、関係する法規制の改廃や新たな法規制の制定が行われた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、関係する法規制の動向を注視し、改廃時には社内で情報共有を行うなど、事業運営の中でこれらの法規制の遵守に努めております。

 

(7) 情報セキュリティについて

当社グループが事業活動を継続していくなかで、予測できないコンピュータウイルスの侵入等により、情報が外部に漏洩した場合、損害賠償等の発生や当社グループのブランド価値の低下を招くなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、情報セキュリティ規程をはじめとする社内規程を整備し、従業員等への教育を徹底しております。さらに、情報セキュリティ規程を補完するパソコンや電子メール、インターネット等の利用基準を制定するなど、情報管理の強化を図っております。

 

(8) 重篤な感染症の流行について

重篤な感染症流行時における対策は講じていた場合であっても、感染症による被害は完全に回避できるものではなく、想定規模を超える被害発生時には当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、重篤な感染症の流行に際しては、感染拡大を防止するために社内ガイドラインを制定し、全従業員に周知しております。感染症の拡大状況によっては、政府及び地方自治体からの様々な要請が想定されますが、必要に応じて国内外の出張禁止、不要不急の外出の自粛、在宅勤務や時差出勤の拡大、Web会議の活用などの取組を実施し、感染リスクの低減に努めることとしております。

 

(9) 気候変動に関する規制について

地球温暖化対策をはじめとする気候変動を抑制するための法令等が強化されることにより、当社グループの事業活動において燃料や諸資材の置換、さらには設備の更新等の対応費用が増加した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、住宅内装部材の素材から製品に至るまで幅広い事業を展開するとともに、環境に配慮した製品開発を推進しております。素材であるパーティクルボードの製造においては、不用となった木質製品のマテリアルリサイクルを行っており、フローリングをはじめとする製品の基材にはサスティナブルな森林資源を使用するなど、木を活かした製品づくりを通じて環境問題に取り組み、社会に貢献する事業を展開しております。

 

(10)固定資産の減損損失について

固定資産について減損会計を適用しており、固定資産の減損に係る会計基準により、定期的に減損損失の認識、測定を行っておりますが、将来の環境変化により固定資産の将来キャッシュ・フロー総額が減少した場合には、減損損失を計上することとなり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、設備投資をはじめとする固定資産の取得に際しては、費用対効果を厳格に精査したうえで、投資判断を行っております。

 

(11)繰延税金資産の取崩について

当社グループでは、将来発生し得る課税所得の時期及び金額を合理的に見積り、未使用の税務上の繰越欠損金および将来減算一時差異のうち回収可能と判断される金額を繰延税金資産として計上しております実際に発生した課税所得の時期及び金額が見積りと異なった場合には、繰延税金資産の取崩を行うこととなり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(12)重要事象等について

当社グループは、2020年3月期以降、2期連続で営業損失を計上したことにより、当社連結子会社が取引金融機関と締結している借入契約の一部に付された財務制限条項に抵触しておりますが、当該金融機関より期限の利益喪失に係る権利を行使しないことについての合意を得ております。従って、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。

 

(13)ウッドショックについて

米国の住宅需要の拡大や中国の経済回復による木材需要の増加、さらには貨物船の減便、コンテナ不足等を背景として、世界的に木材需要が異常な高まりを見せ、流通量が減少した結果、国内の木材価格が高騰する「ウッドショック」と呼ばれる状況が発生しております。2022年3月期の住宅業界に与える影響につきましては不透明な状況ですが、住宅木材価格の高騰や新設住宅着工戸数の減少が長期化した場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の概要

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大により、経済活動が停滞した結果、景気は急速に悪化しました。経済活動は段階的に再開されましたが、感染症は再拡大を繰り返すなど、収束時期は依然として見通すことができず、予断を許さない状況で推移しました。

住宅業界におきましては、コロナ禍での新たな生活様式や働き方への対応が進み、住宅会社によるニューノーマルを意識した需要の掘り起こしが徐々に進んでおります。しかしながら、2019年10月の消費増税に伴う住宅購入マインドの低下に加え、新型コロナウイルスの感染拡大により、新設住宅着工戸数は低水準での推移となりました。

このような状況の中、当社グループでは、政府及び地方自治体からの要請を踏まえ、出張や外出の自粛、在宅勤務の拡大といった感染拡大防止策を徹底しつつ、業績の回復に全社を挙げて取り組みました。住宅分野においては、顧客ニーズを取り入れた新製品の積極的な市場投入によるシェアアップを図るとともに、コロナ禍で受注ストックが減少するなど厳しい状況ではありましたが、非住宅分野の販売拡大に努めました。また、株式会社ノーリツの連結子会社である株式会社アールビーの事業の一部を譲受し、事業運営を担う関東住設産業株式会社が操業を開始するなど、住設分野の強化を図りました。一方、パーティクルボードの製造を目的として日本ノボパン工業株式会社と設立したENボード株式会社は、コロナ禍の影響で操業スケジュールに遅れが生じましたが、2022年1月の設備稼働開始に向けて生産設備の設置作業を進めました。

当社グループは、ENボード株式会社への投資をはじめ、相次ぐ自然災害の発生を踏まえた生産拠点の複数拠点化、物流倉庫の新設、基幹システムの改善、二次元コードを活用した物流業務の改善といった大きな費用を伴う取組につきましても、財務状況に配慮しつつ、将来の事業活動への先行投資として積極的に推進しております。

これらの結果、当連結会計年度の売上高は、山口・平生事業所内のパーティクルボード工場を2019年9月末で閉鎖した影響に加え、第1四半期連結会計期間において緊急事態宣言の発出を受けてショールームの一時休館や対面での営業活動を控えた影響もあり、55,814百万円(前年同期比2.3%減)となりました。

損益面では、コロナ禍での働き方改革を全社ベースで積極的に進めたことにより販管費が減少した一方で、操業開始に向けて準備を進めているENボード株式会社の人件費等が発生した影響等により、営業損失383百万円(前年同期は営業損失750百万円)、経常損失227百万円(前年同期は経常損失647百万円)となりました。一方、株式会社ノーリツの連結子会社である株式会社アールビーの事業の一部譲受に係る負ののれん発生益350百万円及び株式会社ヤマダホールディングスによる株式会社ヒノキヤグループ株式の公開買付けに係る投資有価証券売却益1,106百万円を特別利益に、非連結子会社のPT. Eidai Industries Indonesiaに係る関係会社株式評価損291百万円を特別損失に計上したことなどに伴い、親会社株主に帰属する当期純利益は951百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失934百万円)となりました。

また、中期的な経営指標として売上高経常利益率5%以上を目標に取り組んでおりますが、前述のとおり、経常損失を計上したため、目標は未達となっております。

 

セグメント別の経営成績は次のとおりであります。

(住宅資材事業)

住宅資材事業におきましては、フローリング、室内階段、室内ドア、収納等の色柄・デザインを体系化した基軸ブランド「Skism(スキスム)」の更なる販売拡大に向けて、製品構成の更なる充実を図りました。また、非対面でより多くの情報伝達が可能なデジタルコンテンツとしてWeb上でのカラーコーディネートシミュレーションや製品動画の提供やSNSの積極的な活用など、コロナ禍に対応した販売促進策への転換に取り組みました。このほか、各分野において以下の施策を推し進めました。

建材分野では、フローリングにおいて「銘樹パーケット」「銘樹ヘリンボーン ファボリ」「銘樹エルテージ」を新たに発売し、銘樹ブランドの販売強化に取り組みました。また、室内階段においては、引き続き省施工製品である正寸プレカットの販売強化に努めました。

内装システム分野では、最上位シリーズとして「グランマジェスト」を発売し、高い意匠を備えた高級感のある室内ドアの需要の獲得に努めました。また、非住宅分野における販売拡大を図るため、文教施設や介護施設、高齢者住宅等に対応する製品「セーフケアプラス」の拡充を図るとともに、製品カタログを大幅に刷新するなど、販売促進ツールの充実を図りました。

住設分野では、システムキッチン「ラポッテ」を新たに発売し、普及価格帯のグレードの製品を強化しました。また、洗面化粧台においては、コストパフォーマンスに優れた洗面化粧台「キューボプレーン」「シャンピーヌプレーン」「LTプレーン」を発売するなど、操業を開始した関東住設産業株式会社の強みを活かした品揃えの強化を図りました。

これらの結果、第1四半期連結会計期間において緊急事態宣言の発出を受けてショールームの一時休館や対面での営業活動を控えた影響もあり、売上高は50,972百万円(前年同期比0.8%減)となりました。一方、製造原価の低減やコロナ禍での働き方改革を全社ベースで積極的に進めたことにより販売費が減少した結果、セグメント利益は1,290百万円(前年同期比108.0%増)となりました。

 

(木質ボード事業)

木質ボード事業におきましては、山口・平生事業所内のパーティクルボード工場を2019年9月末で閉鎖した影響に加え、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、木質ボード事業の売上高は4,685百万円(前年同期比16.3%減)となりました。一方、製造原価の低減や販売費の減少等による一定の効果はありましたが、売上高の減少による影響や操業開始に向けて準備を進めているENボード株式会社の人件費等を吸収するには至らず、セグメント利益は45百万円(同85.8%減)となりました。

 

(その他事業)

当社グループは、上記事業のほか、不動産有効活用事業、太陽光発電事業を推進しております。

当期の売上高は156百万円(前年同期比1.3%増)、セグメント利益は83百万円(同7.2%増)となりました。

 

(2)中期経営計画の達成状況

当社グループは、2018年の台風被災により悪化した業績を回復させるため、2020年3月期を初年度とする中期経営計画「EIDAI Advance Plan 2023」を策定し、各施策に取り組んでおりました。しかしながら、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、ENボード株式会社の新工場の稼働計画に遅れが生じるなど、グループとして設定した数値計画を見直さざるを得ない状況となったため、数値計画が合理的に算定できるまでの間、一旦未定としておりました。

この度、アフターコロナ・ウィズコロナ時代の経営環境や市場ニーズ等を踏まえて、改めて数値計画を算定し、当社グループの安定した収益基盤の確立、さらには中長期的な業容拡大を図るため、2022年3月期を初年度とする新たな中期経営計画「EIDAI Advance Plan 2023」として、各施策を推進することといたしました。

詳細につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営計画、経営戦略及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおりであります。

 

(3)生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2020年4月1日

至  2021年3月31日)

前年同期比(%)

住宅資材事業(百万円)

25,164

95.3

木質ボード事業(百万円)

4,935

86.3

報告セグメント計(百万円)

30,100

93.7

その他(百万円)

17

86.0

合計(百万円)

30,117

93.7

(注)  金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.仕入実績

当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2020年4月1日

至  2021年3月31日)

前年同期比(%)

住宅資材事業(百万円)

11,260

101.6

木質ボード事業(百万円)

168

95.7

報告セグメント計(百万円)

11,428

101.5

その他(百万円)

合計(百万円)

11,428

101.5

(注)  金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.受注実績

当社グループ(当社及び連結子会社)は概ね見込生産を行っております。内装システム分野では主として受注生産を行っておりますが、その多くが短期間で販売されるため、記載を省略しております。

d.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2020年4月1日

至  2021年3月31日)

前年同期比(%)

住宅資材事業(百万円)

50,972

99.2

木質ボード事業(百万円)

4,685

83.7

報告セグメント計(百万円)

55,657

97.7

その他(百万円)

156

101.3

合計(百万円)

55,814

97.7

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  2019年4月1日

至  2020年3月31日)

当連結会計年度

(自  2020年4月1日

至  2021年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

住友林業株式会社

9,618

16.8

10,118

18.1

SMB建材株式会社

8,880

15.5

8,214

14.7

3.金額には、消費税等は含まれておりません。

(4)財政状態の概要

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ11,920百万円増加し、80,673百万円となりました。主な要因は2022年1月の稼働開始を予定しているENボード株式会社の工場建設等により建設仮勘定が11,731百万円増加したことによるものです。

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ11,675百万円増加し、38,462百万円となりました。主な要因は、ENボード株式会社の設備投資資金として10,184百万円の借入れを行ったことによるものです。

当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ245百万円増加し、42,210百万円となりました。主な要因は、配当金の支払い596百万円があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益951百万円を計上したことによるものです。

 

(5)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動で4,118百万円、財務活動で9,587百万円の資金を獲得し、投資活動に10,593百万円の資金を使用したことにより、前連結会計年度末に比べ3,076百万円増加し、当連結会計年度末には7,360百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは4,118百万円の増加(前年同期は1,520百万円の減少)となりました。主な要因は、減価償却費1,823百万円、たな卸資産の減少1,979百万円、未払金の増加1,114百万円によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは10,593百万円の減少(前年同期は9,271百万円の減少)となりました。主な要因は、投資有価証券の売却により1,431百万円、定期預金の払戻により3,155百万円の収入があったものの、有形固定資産の取得に12,908百万円、定期預金の預入に1,955百万円を支出したことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは9,587百万円の増加(前年同期は5,390百万円の増加)となりました。

主な要因は、配当金に596百万円を支出したものの、ENボード株式会社の設備投資資金として10,184百万円の借入れを行ったことによるものです。

 

(6)資本の財源及び資金の流動性について

「(5)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。なお、当社グループは製品製造のための原材料の調達、経費等の支払いを始めとした運転資金のほか、安定した製品の生産を行うための設備投資資金、ソフト開発資金の需要があります。これらの資金需要に対し、自己資金並びに外部からの資金調達も含め柔軟に対応することを基本としております。なお、ENボード株式会社に係る設備投資資金について、2021年3月31日現在、借入金の残高は16,654百万円であります。

また、新型コロナウイルス感染拡大の長期化に備え、安定的かつ機動的な資金調達手段を確保するため、金融機関と総額5,000百万円の融資枠を設定しております。

 

(7)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当社グループでは顧客、市場のニーズに的確に応えるため、デザイン・機能・価格の3要素を常に意識し、徹底したマーケティングリサーチに基づいて、「見て、施工して、使って違いの分かる」製品の開発を基本としております。また、顧客ニーズを創り出すという視点を重視し、品質・コスト・サービスなど、顧客満足度を高める新製品の開発に取り組んでおります。

強みとする「木質材料加工技術」と「ステンレス加工技術」を最大限活かし、「環境への配慮」、「健康と安心・安全性の重視」、「独自性のある製品の追求」を最重要項目に掲げ、研究活動を行っております。

中でも「環境への配慮」に関しては、持続可能な森林資源を使用した基材や国産材を積極的に利用した製品の開発、さらにはマテリアルリサイクルを通じて地球温暖化防止に寄与しているパーティクルボードの新たな用途開発に力を注いでおります。

当社の研究開発体制は、基礎研究・応用研究を担当する総合研究所、具体的な新製品の開発及び生産技術を担当する各事業部の傘下の開発部門で構成されます。総合研究所では新基材や木質ボードの研究に加え、新たなデザインや加工技術、化粧技術、さらには環境対応技術の研究など、中長期にわたるテーマに基づいて活動しております。一方、各事業部の傘下の開発部門では市場ニーズに沿った新製品の発案、製品設計やデザインの研究、既存製品の改良から具体的な製品化、量産化のための生産技術や生産工程の研究・開発を行っております。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は610百万円であります。なお、研究開発費については、各事業部門に配分できない基礎研究費用214百万円が含まれております。

なお、当連結会計年度における各セグメント別の研究開発活動は次のとおりであります。

 

(1)住宅資材事業

住宅資材事業では、フローリング、室内階段、室内ドア、収納等の色柄、デザインを体系化し、それらを組み合わせたインテリアスタイルが特長である主力ブランド「Skism(スキスム)」の商品構成の更なる充実を図りました。

分野別では、建材関連製品として丁寧に組んだ寄木細工が魅力の「銘樹パーケット」、各樹種の特長を活かした色柄が選択できる「銘樹ヘリンボーン ファボリ」、部分的な濃淡による美しいゆらぎを演出した「銘樹エルテージ」を発売しました。また、内装システム関連製品として高い意匠を備えた高級感のある室内ドアの最上位シリーズ「グランマジェスト」を、住設関連製品として普及価格帯のグレードで標準装備やプラン対応を充実させたシステムキッチン「ラポッテ」をそれぞれ発売しました。

当セグメントに係る研究開発費は、364百万円であります。

 

(2)木質ボード事業

パーティクルボード分野では、新たな用途開発に加えて、生産性の向上や品質をより安定させるための製造技術面の改善に取り組みました。

当セグメントに係る研究開発費は、30百万円であります。