当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは経営の基本理念に『木を活かし、よりよい暮らしを』を掲げ、地球、社会、人との共生を通じて、豊かで持続可能な社会の実現に貢献する企業であり続けることを目指しております。
「持続可能な森林の木を使う」「木を無駄なく使う」「木を循環して使う」という3つの循環の輪に沿った事業を展開するとともに、地球環境に配慮した製品を開発することにより、社会課題の解決に貢献してまいります。
また、すべての世代の安全と使い勝手に配慮した製品を提供することにより、豊かな住環境を創造するとともに、国際社会の一員として国や地域の多様性を尊重し、雇用の確保や製品の提供等を通じて地域社会の発展に貢献することで、ステークホルダーの皆様に報いてまいりたいと考えております。
(2)目標とする経営指標
当社グループは事業の継続性とともに、株主に対する安定配当を持続するためにも収益の確保が最も重要と考え、売上高を増大させながら売上高経常利益率を高めることにより、収益基盤を強化してまいります。
当面の経営指標として売上高経常利益率5%以上を目標とし、業容拡大に取り組んでおります。
(3)経営環境
今後のわが国経済は、新型コロナウイルスの感染再拡大には留意が必要なものの、社会生活や経済活動の正常化がさらに進むことにより、個人消費を中心として景気の持ち直しが期待されております。一方、ウクライナ情勢の長期化や為替変動に伴う原材料、資源・エネルギー価格の高騰、さらには世界的な金融引き締めによる海外景気の減速懸念は景気の下押しリスクとなることから、本格的な景気回復には今しばらく時間を要すると考えております。
住宅業界におきましては、政府による住宅取得支援策やコロナ禍で進んだライフスタイルの変化等が引き続き住宅需要を下支えすると見ておりますが、人口減少や単身世帯の増加といった構造的な問題は残されており、特に少子化は当初の想定より速いペースで進行しております。さらに足元では、住宅資材価格の高騰による建設コストの上昇や住宅ローン金利の先高観等による住宅取得マインドの低下が懸念されるなど、事業環境の不確実性が高まっております。こういった状況を踏まえると、住宅需要の早期回復は困難な状況にありますが、一方では、住宅内装部材においては住宅購入者の年齢層や世帯構成、ライフスタイル等によりニーズの多様化が進んでおり、それらの需要を取り込むための製品開発は、当社グループが事業を拡大するうえで重要なポイントになると考えております。
このような状況の中、住宅内装部材メーカー各社は、最新のトレンドを反映した色柄やデザイン、機能を取り入れた新製品開発を強化し、市場投入サイクルを短縮するとともに、生産拠点においては生産能力の強化を図ってきました。こういった企業間の熾烈な競争が続いてきたことから、住宅内装部材の需給バランスは供給過多の傾向が強まっており、原材料や資源・エネルギー価格が高騰を続ける状況においても、想定した期間内に販売価格の改定を浸透させることが難しくなっております。
(4)経営計画、経営戦略及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、2024年3月期を最終年度とする中期経営計画「EIDAI Advance Plan 2023」の実現に向けて、本計画の基本方針に基づく各施策を進めましたが、新型コロナウイルス感染拡大に加えて、ウッドショックやウクライナ情勢の長期化、急激な円安の進行等により原材料、資源・エネルギー価格が高騰を続けたため、過去2年は売上高、各利益ともに数値計画を下回る結果となりました。コロナ禍で制約された社会生活や経済活動は正常化が図られているものの、原材料、資源・エネルギー価格が高騰するなど、当社グループを取り巻く環境は大きく変化しております。また、ENボード株式会社は、2021年11月に工場建屋が竣工しましたが、ドイツの専任技術者がコロナ禍の影響により入国できない状況が続いたため、操業スケジュールに遅れが生じ、2022年11月の商用生産開始となりました。
このような状況を鑑み、中期経営計画を精査した結果、最終年度の数値計画が現時点の数値計画から大きく乖離する見込みとなりましたので、見直しが必要と判断いたしました。新たな数値計画につきましては、原材料や資源・エネルギー価格の高騰影響やENボード株式会社の進捗状況を考慮したうえで、売上高及び各利益指標を算定しております。なお、当社グループが優先的に対処すべき課題を落とし込んだ6項目の基本方針は、中期経営計画の根幹をなすものであり、変更はございません。
(3)経営環境に記載のとおり、当社グループを取り巻く環境は厳しさを増しておりますが、当社グループでは、お客様にご満足いただける製品品質の維持向上と併せて、資材の安定調達と製品の安定生産、安定供給に引き続き取り組んでまいります。これらの取組を前提として、主力の住宅資材事業では、更なる製造原価の低減や販売価格の適正化、販売構成の改善により収益性の改善を図るとともに、多様なニーズを取り入れた製品開発とライフスタイルの変化に合わせた製品の拡充を図り、SNSを含めたより効果的な販売促進策を通じて、販売拡大に努めてまいります。さらに、リフォーム需要の獲得や非住宅分野での販売を強化することにより、新築依存からの事業構造の転換を進め、事業領域の拡大と収益力の強化を図ります。
また、ENボード株式会社の事業を早期に軌道に乗せることが喫緊の課題と認識しております。同社の高品質なパーティクルボードを、グループ外から調達している合板などの木質材料の代替として住宅資材事業の製品へ積極的に採用するなど、材料から製品までを一貫して生産できる体制を構築し、調達コストと製品供給の安定化を図ってまいります。一方、構造用やフローリング基材用のパーティクルボードは、合板の代替として需要の拡大が見込まれているため、最新鋭の設備を駆使して生産した高品質なパーティクルボードを提案することにより、新たな販売先を開拓してまいります。さらに、パーティクルボードの新たな用途開発を推進し、住宅資材と木質ボードの両事業の相乗効果により、業績と企業価値の向上に取り組んでまいります。
<数値目標>
①当社グループの目標
(単位:百万円)
|
|
2019年3月期 (実績) |
2020年3月期 (実績) |
2021年3月期 (実績) |
2022年3月期 (実績) |
2023年3月期 (実績) |
2024年3月期 (計画) |
|
売上高 |
58,246 |
57,119 |
55,814 |
59,444 |
69,787 |
75,000 |
|
営業利益 |
△1,609 |
△750 |
△383 |
△40 |
△1,143 |
△100 |
|
経常利益 |
△1,400 |
△647 |
△227 |
59 |
△1,309 |
△300 |
|
EBITDA(注) |
192 |
1,114 |
1,647 |
1,988 |
1,473 |
3,650 |
(注)EBITDA=税金等調整前当期純利益に特別損益、支払利息および減価償却費を加算した値です。
②資本政策・収益計画の基本方針
1)資本政策の基本方針
当社の資本政策の基本方針は、企業価値の持続的成長を目指し、事業拡大の機会を迅速、確実に捉えるために必要となる十分な株主資本の水準を保持するとともに、連結配当性向30%以上を確保しつつ、自己株式の取得を必要に応じて検討することとしております。
2)収益計画に関する目標
当社は、収益力に関する目標として、売上高経常利益率5%以上を設定しております。中期経営計画「EIDAI Advance Plan 2023」は、2022年11月に商用生産を開始したENボード株式会社(総事業費約250億円)の償却費が大きく影響するため、最終目標に到達しない計画としておりますが、EBITDAを目標に加え、達成度合いを管理してまいります。そして、次の中期経営計画において最終目標の5%を達成すべく取り組んでまいります。
<基本方針>
① お取引先様及びエンドユーザー様にご満足いただける製品品質とサービスの提供
当社では、設計、製造から販売に至るまで、「お取引先様及びエンドユーザー様にご満足いただくこと」を最優先とし、お客様の声に耳を傾け、各施策を通じて製品品質とサービス、そして信頼を提供してまいります。
② 住宅分野でのシェアアップと新設住宅着工戸数に依存しない事業構造への転換
1)住宅分野でのシェアアップ
今後、新設住宅着工戸数は低水準での推移が見込まれますが、当社の主力である住宅分野においては、多様なニーズを取り入れた製品開発とライフスタイルの変化に合わせた製品の拡充に取り組み、効果的な販売促進策を通じて、これまで以上のシェアアップと売上の拡大を図ってまいります。
2)新設住宅着工戸数に依存しない事業構造への転換
コロナ禍による市況の悪化、さらには人口減少や世帯構成の変化といった構造的な要因により、新設住宅着工戸数は低水準での推移が見込まれますが、当社のさらなる売上の拡大と将来の事業基盤を強固なものとするため、各施策を通じて事業構造の転換を加速し、事業領域の拡大と収益力の強化を図ってまいります。
③ 木質ボード事業の強化と拡大
パーティクルボードの製造を目的として日本ノボパン工業株式会社と合弁で設立したENボード株式会社を早い段階で軌道に乗せ、各施策を通じて木質ボード事業の拡大と収益向上を図ってまいります。
④ 生産性の向上とグループ全体での生産体制の最適化
当社グループの製造部門においては、生産性の改善をはじめ、海外拠点を含めたグループ全体での生産体制の最適化を図るとともに、コスト低減に継続して取り組んでまいります。
⑤ 物流及び情報システムの改革を推進
物流・情報システムの改革を推進することにより、物流関連業者の負荷低減に努めるとともに、BCMの強化と安定したサプライチェーンの構築に注力し、経営基盤のさらなる強化を図ってまいります。
⑥ SDGsの取り組み
当社グループは、「持続可能な社会の形成や地域社会の発展に貢献する企業」として、社会的な課題やニーズに対して取り組んでまいりました。今後も前述①~⑤の方針に基づく事業活動を推進することにより、SDGsに貢献してまいります。
なお、中期経営計画の詳細につきましては、当社ウェブサイトに掲載しております。
(参考URL https://www.eidai.com/profile/ir/management.html)
注)経営計画等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)基本的な考え方
まず、当社グループの事業の特性として、木質ボード事業の製造拠点においては、国内で発生する建築解体材を主原料としてパーティクルボードに再生していることから、事業活動そのものがマテリアルリサイクルに直結していると考えております。さらに、当社グループが生産する素材パーティクルボードは、住宅や建築物の構造材として耐力壁や床・屋根下地材に、表裏に化粧材をラミネートした化粧パーティクルボードは、室内ドアやシューズボックスといった住宅の内装部材に広く使用されております。このため、建築解体材には当社グループが製造・販売した製品が含まれており、これらを主原料としてパーティクルボードに再生する木質ボード事業は、「木材資源を無駄なく利用する」「木材資源の循環を促し、再利用する」という環境に配慮したビジネスモデルとなっております。一方、脱炭素化に資する木材資源の活用が叫ばれる中、2050年のカーボンニュートラルの実現に貢献するために法改正が行われた結果、木材利用促進の対象が公共建築物等から民間建築物を含めた建築物一般に拡大されました。その中で、森林資源の循環利用を進めることが示されており、建築解体材から再生されるパーティクルボードの利用拡大は、こういった国の政策の方向性とも一致しております。
以上のような事業の特性を踏まえ、当社は、「木を活かし、よりよい暮らしを」という基本理念に則り、地球・社会・人との共生を通じて豊かで持続可能な社会の実現に貢献する企業であり続けることを目指しております。
(2)ガバナンス・リスク管理
当社は、企業として存続し持続的な運営を行うための行動規範として「永大産業グループ企業行動憲章」を制定しております。その中に掲げている環境問題への取組につきましては、以前から事業活動と紐づけながら継続的に取り組み、取組内容や成果等を「EIDAIレポート」にて公表してまいりました。また、2018年の台風被災以降は、BCPの強化を目的として設置した委員会において、自然災害や感染症、地政学リスク等によるサプライチェーンの停止リスクへの対策を実行してまいりました。
現在においては、社会課題として認識されている気候変動問題や人的資本への投資、人材の多様性といったサステナビリティ課題への対応は、企業活動を継続、発展させていくうえで避けて通ることはできません。当社としましては、これらの課題に対する取組を実践するため、下記のとおりサステナビリティ基本方針を制定しました。
今後は、当社グループのサステナビリティ推進体制を早急に構築するため、BCPの強化を中心に取り組んできた委員会の機能を、気候変動問題や情報セキュリティ強化、人的資本・多様性といったサステナビリティ課題全般に拡充し、それぞれの課題に積極的に向き合うことにより、グループ全体の持続的な成長と社会課題の解決を両立させたいと考えております。
<サステナビリティ基本方針>
永大産業は、「木を活かし、よりよい暮らしを」という基本理念のもと、健全で透明性の高い経営とステークホルダーから信頼される事業活動を通じて、サステナビリティを巡る課題に積極的に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献するとともに、中長期的な企業価値の向上に努めてまいります。
1)社会・環境問題の解決につながる製品・サービスを通じて新たな価値を創造し、持続可能な社会の実現に貢献します。
2)事業特性を活かした木材資源の循環的な利用や持続可能な木材調達を推進し、廃棄物の削減や再利用の推進、温室効果ガスの排出抑制など、環境負荷の低減に取り組みます。
3)ステークホルダーとの対話を尊重し、対話を通じて得られた課題を事業活動に取り入れ、持続可能な社会の実現と企業価値の向上に努めます。
4)地域社会とのコミュニケーションを積極的に図り、良き企業市民として社会貢献活動を通じて、地域社会の活性化や豊かな生活環境づくりに貢献します。
5)性別や国籍など個人の属性に関係なく人財の多様性を尊重し、すべての役職員が安全・健康で働きやすい企業風土の醸成に取り組みます。
6)法令や社会規範を遵守し、取引関係においては健全な商慣習に従い、適切な条件のもとで取引を行い、あらゆる形態の腐敗の防止に努めます。
(3)人的資本への投資に関する取組
当社は、人的資本への投資に関して、従業員が生むアイデアが企業に利益をもたらすという、いわば従業員を人的資本と捉え、適切に投資するという考え方を大切にしております。一方、今後の市場変化に対応し、持続的な成長に挑戦できる組織を実現するためには、経営・マネジメント人材の多様化を図る必要があると考えております。当社はこういった観点から、下記のとおり人材育成方針及び社内環境整備方針を策定しており、教育制度の充実やキャリア形成の支援などを通じて、当社の企業価値の向上に貢献する人材の確保、育成に取り組んでまいります。
<人材育成方針>
従業員がお互いに共感できる価値観や課題をもち、連帯感の強い組織づくりを目指します。社内の各分野においては、プロ意識と専門性を持った人材育成を図り、役割・責任・実力・成果等に見合った評価制度と報酬制度の運用を図ります。また、従業員各人のキャリア自律を尊重し、自己成長を支援する施策に継続的に取り組みます。これらの取組みにより、働く場としての魅力を高め、優秀な人材の確保と定着に努めます。
<社内環境整備方針>
1)ダイバーシティ
今後の市場変化に対応し、持続的な成長に挑戦できる組織を実現するためには、経営・マネジメント人材の多様化を図ります。人材に対して多様性・公平性・包括性を取り入れ、公平な機会のもと互いに尊重し合い、力を発揮する環境を目指します。
2)健康・安全
従業員の心身の健康・安全への配慮に努め、定期的にリスクを抽出する仕組みによる問題発生の予防と問題発生時に迅速に対応・改善できる組織体制づくりを推進します。
3)労働慣行
従業員を最重要のステークホルダーと位置付けて、労使間の円滑なコミュニケーションにより、協調的な労使関係の維持に努めます。
4)コンプライアンス/倫理
企業行動憲章を制定し、コンプライアンスに対する考え方や基本姿勢を社内外に宣言しています。また、グループ全体でコンプライアンスを推進するため、マニュアルを定めて、役員や従業員の果たすべき役割を明示しているほか、推進体制や従業員に関する従業員等からの相談または通報に対して適正な処理の仕組みを定めています。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、当社グループとして必ずしも事業上のリスクと考えていない事項についても、当社グループの事業活動を理解いただくうえで重要と考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 新設住宅着工戸数について
当社グループは住宅用の木質建材と内装部材及び設備機器の製造販売を主たる事業としているため、当社グループの売上は新設住宅着工戸数の増減に強い影響を受けます。新設住宅着工戸数は景気動向、金利動向、税制変更等に左右されやすく、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、文教施設や宿泊施設、医療施設等の非住宅分野や安定した需要が見込まれているリフォーム分野に対する販売を強化し、新設住宅着工戸数に依存しない事業構造への転換に取り組んでおります。
(2) 原材料価格と為替相場の変動について
当社グループはフローリング用基材となる合板の一部や接着剤の原材料等を海外から調達しております。これらは国際市場価格及び為替相場の変動に大きく影響され、かつ、仕入先の切り替えが困難なものや、特定少数の仕入先から入手せざるを得ないものもあります。また、原油価格の高騰は接着剤などの価格を押し上げる要因となります。これらの動向によっては、生産に必要な原材料が十分に調達できなくなる可能性や、調達に多額の資金が必要になるなど、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、主力製品であるフローリングの基材については、国産材化を積極的に進めるとともに、パーティクルボードの活用に向けた研究開発を進めており、国際市場価格の高騰や為替相場の変動が業績に及ぼす影響を抑制するよう努めております。
(3) 価格競争激化による販売価格低下の影響について
新設住宅着工戸数は、今後も人口減少や世帯構成の変化といった構造的な要因等により、さらに減少していくことが見込まれます。縮小するマーケットにおいては、販売先であるハウスメーカー等の価格競争は熾烈を極め、住宅資材メーカーにおける受注競争も激化することが考えられます。こういった状況は当社の販売価格の下落圧力となり、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、長年培ってきた木質材料の加工技術を活かした競争優位性のある新製品を市場に投入することにより、販売価格の下落リスクを抑制するよう努めております。
(4) 製品の品質問題について
当社グループの製品において、製品事故の発生や製品の品質上の問題、とりわけ、製造物責任の対象となる製品の欠陥に起因する損害に対しては、当社グループのブランド価値の低下を招くとともに、損害賠償請求の発生など、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、中期経営計画の基本方針の1つに「お取引先様及びエンドユーザー様に満足いただける製品品質とサービスの提供」を掲げており、検査の自動化や二次元コードの活用による誤配送の防止に取り組むなど、生産から販売に至る各プロセスにおいて品質管理体制の徹底強化を図っております。
(5) 自然災害等について
大地震等の大規模な自然災害が発生した場合は、生産活動の停止や配送の遅延、また、損害を被った事業所や保有設備の復旧等に多額の費用が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
とりわけ、近年は大型台風の襲来や大規模な地震の発生が相次ぐなど、自然災害のリスクが高まっております。当社グループにおきましても、2018年の台風被災により当社大阪事業所(堺市西区)が極めて甚大な被害を受け、全面的な復旧に長期間を要したため、業績が大きく悪化しました。当社グループでは、このような状況を二度と発生させないため、台風被災の影響を詳細に分析し、事業継続計画の刷新、生産拠点の複数化、物流・情報システムの改革を推し進めることにより、事業継続態勢の強化を図っております。
(6) 法的規制等について
当社グループの事業に関係する法規制には、建築基準法や住宅品質確保促進法、個人情報保護法など様々な規制があり、関係する法規制の改廃や新たな法規制の制定が行われた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、関係する法規制の動向を注視し、改廃時には社内で情報共有を行うなど、事業運営の中でこれらの法規制の遵守に努めております。
(7) 情報セキュリティについて
当社グループが事業活動を継続していくなかで、予測できないコンピュータウイルスの侵入等により、情報が外部に漏洩した場合、損害賠償等の発生や当社グループのブランド価値の低下を招くなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、情報セキュリティ規程をはじめとする社内規程を整備し、従業員等への教育を徹底しております。さらに、情報セキュリティ規程を補完するパソコンや電子メール、インターネット等の利用基準を制定するなど、情報管理の強化を図っております。
(8) 重篤な感染症の流行について
重篤な感染症流行時における対策は講じていた場合であっても、感染症による被害は完全に回避できるものではなく、想定規模を超える被害発生時には当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、重篤な感染症の流行に際しては、感染拡大を防止するために社内ガイドラインを制定し、全従業員に周知しております。感染症の拡大状況によっては、政府及び地方自治体からの様々な要請が想定されますが、必要に応じて国内外の出張禁止、不要不急の外出の自粛、在宅勤務や時差出勤の拡大、Web会議の活用などの取組を実施し、感染リスクの低減に努めることとしております。
(9) 気候変動に関する規制について
地球温暖化対策をはじめとする気候変動を抑制するための法令等が強化されることにより、当社グループの事業活動において燃料や諸資材の置換、さらには設備の更新等の対応費用が増加した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、住宅内装部材の素材から製品に至るまで幅広い事業を展開するとともに、環境に配慮した製品開発を推進しております。素材であるパーティクルボードの製造においては、不用となった木質製品のマテリアルリサイクルを行っており、フローリングをはじめとする製品の基材にはサスティナブルな森林資源を使用するなど、木を活かした製品づくりを通じて環境問題に取り組み、社会課題の解決に貢献する事業を展開しております。
(10)固定資産の減損損失について
固定資産について減損会計を適用しており、固定資産の減損に係る会計基準により、定期的に減損損失の認識、測定を行っておりますが、将来の環境変化により将来キャッシュ・フロー総額が減少した場合には、減損損失を計上することとなり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、設備投資をはじめとする固定資産の取得に際しては、費用対効果を厳格に精査したうえで、投資判断を行っております。
(11)繰延税金資産の取崩について
当社グループでは、将来発生し得る課税所得の時期及び金額を合理的に見積り、未使用の税務上の繰越欠損金および将来減算一時差異のうち回収可能と判断される金額を繰延税金資産として計上しております。実際に発生した課税所得の時期及び金額が見積りと異なった場合には、繰延税金資産の取崩を行うこととなり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12)継続企業の前提に関する重要事象等について
当社グループは、5期連続で営業損失を計上したことにより、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在していると認識しております。
当社グループは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 経営計画、経営戦略及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載の<基本方針>を実行し業績の向上に取り組んでまいります。また、財務基盤の強化を目的として、シンジケートローン契約等を締結しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。
(13)ウッドショックについて
木材の需要と供給のバランスが崩れることによって国内の木材価格が高騰するウッドショックは、直近では世界的に木材需要が異常に高まり、流通量が減少した2022年3月期から顕在化し始め、2023年3月期も木材を主要材料とする企業の業績に大きな影響を及ぼしました。ウッドショックは、国内の木材価格の高騰や新設住宅着工戸数の減少に直結するため、影響が長期化した場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、急激な原材料価格の高騰に対しては、生産性の改善など様々な手法によるコスト低減に加え、原材料価格の高騰に見合った販売価格の改定をお客様にお願いすることにより業績に及ぼす影響を抑制するよう努めております。さらに、ENボード株式会社の高品質なパーティクルボードを、グループ外から調達している合板などの木質材料の代替として住宅資材事業の製品へ積極的に採用するなど、材料から製品までを一貫して生産できる体制を構築し、調達コストと製品供給の安定化を図ってまいります。
(14)重大事故の発生について
当社グループは、安全衛生管理を最重要課題として捉え、安全及び衛生管理の徹底を図り、事故の未然防止に努めております。しかしながら、何らかの不測の事由から重大な設備事故や労働災害等が発生する可能性があります。これらの重大事故が発生した場合、生産活動の停止や設備の復旧等に多額の費用が発生する可能性があります。また、訴訟問題や重大事故等に起因した行政処分に発展した場合には、損害賠償請求が生じる可能性があるほか、当社グループの社会的な信用及び顧客の信頼を失うことにも繋がり、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、製造設備の定期的な点検や設備の保守、安全活動の推進、定期的な訓練の実施とともに、生産拠点の複数化等を推し進めることにより、事業継続態勢の強化を図っております。
(1)経営成績等の概要
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染再拡大が懸念される中、個人消費を中心に持ち直しの動きが見られるなど、社会生活や経済活動の正常化が図られました。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化や為替変動に伴う原材料、資源・エネルギー価格の高騰、さらには世界的な金融引き締めによる海外景気の減速懸念等により、先行きは極めて不透明な状況で推移しました。
住宅業界におきましては、コロナ禍における生活様式や働き方の変化を背景に、新設住宅着工戸数の総数は底堅く推移したものの、利用関係別では持家が前年を下回る着工戸数となりました。一方、ウッドショックにより木材価格が大幅に上昇したため、前年の2倍近い価格に高騰する木質材料も多く、企業収益を圧迫する状況が続いております。さらに、木材以外につきましても、想定を大きく上回る水準にまで達しており、物流経費の高止まりや電力費をはじめとするエネルギーコストの上昇による影響が顕在化するなど、企業を取り巻く環境は非常に厳しい状況となっております。
このような状況の中、当社グループでは、2024年3月期を最終年度とする中期経営計画「EIDAI Advance Plan 2023」の実現に向けて、本計画の基本方針に基づく各施策への取り組みを進めてまいりました。とりわけ、顧客ニーズを取り入れた新製品の市場投入による住宅分野及び非住宅分野の販売拡大に注力しました。一方で、原材料価格の高騰が続いていることを踏まえ、更なる生産性の向上やコスト低減を図るとともに、お客様に対して原材料価格の高騰に見合った販売価格の改定をお願いしつつ、供給責任を果たすことを最優先に考え、資材の安定調達と製品の安定生産、安定供給に取り組みました。こういった取組を継続することにより、販売面では一定のシェアを確保することができましたが、供給過多の傾向にあるマーケットにおいては、販売価格の改定が原材料高騰のペースに追いつかず、さらには、売上高の拡大期に高騰した原材料を使用する時期が重なったため、収益性が悪化しました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は、住宅資材事業、木質ボード事業とも堅調に推移し、69,787百万円(前年同期比17.4%増)となりました。
損益面では、2022年11月に商用生産を開始したENボード株式会社において発生する減価償却費をグループ全体で補うべく、販売価格の適正化に加え、徹底したコスト低減や高付加価値製品の販売拡大に取り組み、収益確保に努めましたが、第3四半期以降に計画していた販売価格の改定が遅れたため、売上高の増加による増益効果が想定を下回りました。さらに、急激な円安の進行による調達コストの増加は、国内製造分に限らず普及タイプのフローリングの製造拠点であるEidai Vietnam Co., Ltd.においても製造原価を大幅に押し上げることとなり、グループ全体の売上総利益率の悪化に影響を与えました。また、販管費につきましても物流経費の高止まりやENボード株式会社の先行経費等の影響により、増加傾向となりました。以上の結果、営業損失は1,143百万円(前年同期は営業損失40百万円)、経常損失は1,309百万円(前年同期は経常利益59百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は1,104百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益389百万円)となりました。なお、非連結子会社であるPT. Eidai Industries Indonesiaの解散及び清算に伴う特別損失として252百万円を当連結会計年度に計上しております。
また、中期的な経営指標として売上高経常利益率5%以上を目標に取り組んでおりますが、前述のとおり、原材料価格の高騰や資源・エネルギー価格の上昇、さらには急激な円安の進行による調達コストの増加等が大きく影響し、目標は未達となっております。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
(住宅資材事業)
住宅資材事業におきましては、フローリング、室内階段、室内ドア、収納等の色柄・デザインを体系化した基軸ブランド「Skism(スキスム)」の販売拡大に注力しました。さらに今年度は、コロナ禍以降、穏やかに過ごせる住空間のニーズが増加していることから、「自身を平常の穏やかな状態に戻してくれる柔らかい雰囲気のインテリアコーディネート」を意味する「ニュートラルインテリア」を一つの切り軸として、グレージュ等のトレンドカラーを追加した「Skism(スキスム)2022」を発売しました。また、原材料価格の高騰などに対応するため、各分野ともコスト低減活動と並行してお客様に対して原材料価格の高騰に見合った販売価格の改定を進め、収益の確保に努めました。
このほか、各分野別の取組は以下のとおりであります。
建材分野では、フローリングの「銘樹モクトーン」と「銘樹エルテージ」をクリア系ラインナップの「銘樹モクトーン」及び着色系ラインナップの「銘樹モクトーンC」に再編し、それぞれに新製品を追加するなど、銘樹ブランドの強化を図りました。また、室内階段におきましては、シンプルな単色表現に加え、今までにないカラーバリエーションによりコーディネートの幅を広げた「ユニカラーセレクション」を発売しました。
内装システム分野では、最上位シリーズの「グランマジェスト」において、新たなカテゴリーとなる「ファニチャー」としてフロートタイプのTVボードを追加するなど、販売拡大に注力するとともに、異素材融合のトレンドを取り入れた「マテリアルミックス」をリニューアルし、品揃えの充実を図りました。また非住宅向けでは、一般住宅向けの室内ドアで採用したインクジェット印刷を活かし、室内ドアや家具、壁材など様々な用途に使用可能な化粧面材「colorial(カラリアル)」を発売し、販売拡大に注力しました。
住設分野では、新規販売先の開拓の中でオリジナルキッチンの提案を強化するなど、システムキッチンのOEM対応に注力しました。
これらの結果、住宅資材事業の売上高は61,759百万円(前年同期比14.1%増)と堅調に推移しましたが、第3四半期以降に計画していた販売価格の改定が遅れていることに加え、急激な円安の進行による調達コストの増加は、国内製造分に限らず普及タイプのフローリングの製造拠点であるEidai Vietnam Co., Ltd.においても製造原価を大幅に押し上げたため、セグメント利益は1,395百万円(同33.0%減)となりました。
(木質ボード事業)
木質ボード事業におきましては、パーティクルボードの堅調な需要を背景に、既存顧客への販売拡大や顧客の新規開拓などに取り組んだ結果、売上高は7,901百万円(前年同期比52.5%増)となりました。一方、原油価格の上昇に伴い接着剤や化粧シートをはじめとする原材料価格の高騰が続く中、徹底したコスト低減や販売価格の改定により一定の効果はあったものの、2022年11月から商用生産を開始したENボード株式会社の販管費を補うには至らず、セグメント損失は874百万円(前年同期はセグメント損失475百万円)となりました。
(その他事業)
当社グループは、上記事業のほか、不動産有効活用事業、太陽光発電事業を推進しております。
当期の売上高は126百万円(前年同期比2.8%減)、セグメント利益は75百万円(同2.6%増)となりました。
(2)中期経営計画の達成状況
当社グループは、2024年3月期を最終年度とする中期経営計画「EIDAI Advance Plan 2023」の実現に向けて、本計画の基本方針に基づく各施策を進めてまいりましたが、2年目となる2023年3月期は、売上高は住宅資材事業、木質ボード事業とも堅調に推移し、数値計画を上回った一方で、各利益指標は数値計画を下回る結果となりました。各利益指標は、操業に向けて準備を進めていたENボード株式会社で発生する経費を当社グループ全体で補う前提で数値計画を策定しておりました。しかしながら、売上高が堅調に推移した一方で、原材料価格の高騰が想定を大きく超えるレベルとなり、販売価格の改定が原材料高騰のペースに追いつかず、さらには、売上高の拡大期に高騰した原材料を使用する時期が重なり、収益性が悪化したことが主要因と考えております。
コロナ禍で制約された社会生活や経済活動は正常化が図られているものの、原材料、資源・エネルギー価格が高騰するなど、当社グループを取り巻く環境は大きく変化しております。また、ENボード株式会社は、2021年11月に工場建屋が竣工しましたが、ドイツの専任技術者がコロナ禍の影響により入国できない状況が続いたため、操業スケジュールに遅れが生じ、2022年11月の商用生産開始となりました。
このような状況を鑑み、中期経営計画を精査した結果、最終年度の数値計画が現時点の数値計画から大きく乖離する見込みとなりましたので、見直しを実施しております。
詳細につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営計画、経営戦略及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(3)生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
住宅資材事業(百万円) |
32,562 |
119.7 |
|
木質ボード事業(百万円) |
8,564 |
169.8 |
|
報告セグメント計(百万円) |
41,127 |
127.5 |
|
その他(百万円) |
14 |
93.9 |
|
合計(百万円) |
41,141 |
127.5 |
(注)当連結会計年度において、木質ボード事業の生産実績に著しい変動がありました。これは、連結子会社であるENボード株式会社の生産開始によるものです。
b.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
住宅資材事業(百万円) |
15,501 |
121.7 |
|
木質ボード事業(百万円) |
204 |
101.3 |
|
報告セグメント計(百万円) |
15,705 |
121.4 |
|
その他(百万円) |
- |
- |
|
合計(百万円) |
15,705 |
121.4 |
c.受注実績
当社グループ(当社及び連結子会社)は概ね見込生産を行っております。内装システム分野では主として受注生産を行っておりますが、その多くが短期間で販売されるため、記載を省略しております。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
住宅資材事業(百万円) |
61,759 |
114.1 |
|
木質ボード事業(百万円) |
7,901 |
152.5 |
|
報告セグメント計(百万円) |
69,660 |
117.4 |
|
その他(百万円) |
126 |
97.2 |
|
合計(百万円) |
69,787 |
117.4 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.当連結会計年度において、木質ボード事業の販売実績に著しい変動がありました。これは、連結子会社であるENボード株式会社の製品の販売開始によるものです。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
住友林業株式会社 |
11,555 |
19.4 |
13,187 |
18.9 |
|
SMB建材株式会社 |
8,589 |
14.5 |
10,329 |
14.8 |
(4)財政状態の概要
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ4,124百万円増加し、92,978百万円となりました。主な要因は、未収入金が減少したものの、売上債権、棚卸資産がそれぞれ増加したことによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ6,405百万円増加し、53,457百万円となりました。主な要因は、借入金が減少したものの、リース債務、未払金、支払手形及び買掛金がそれぞれ増加したことによるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べ2,280百万円減少し、39,520百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純損失の計上及び配当金の支払いによるものです。
(5)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動で263百万円の資金を獲得、財務活動で915百万円の資金を調達し、投資活動に662百万円の資金を使用したことにより、前連結会計年度末に比べ513百万円増加し、当連結会計年度末には6,328百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは263百万円の増加(前年同期は1,208百万円の増加)となりました。主な要因は、減少要因として、売上債権が3,375百万円増加、棚卸資産が3,580百万円増加、増加要因として、減価償却費2,559百万円の計上、未払金が2,374百万円増加、その他資産が1,727百万円減少、仕入債務が1,565百万円増加したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは662百万円の減少(前年同四半期は9,561百万円の減少)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出1,937百万円、ENボード株式会社の設備等に対する補助金の受取額1,320百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは915百万円の増加(前年同期は6,803百万円の増加)となりました。主な要因は、借入金の返済により1,121百万円の支出及び配当金の支払486百万円があったものの、セール・アンド・リースバックによる収入2,840百万円によるものです。
(6)資本の財源及び資金の流動性について
「(5)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。なお、当社グループは製品製造のための原材料の調達、経費等の支払いを始めとした運転資金のほか、安定した製品の生産を行うための設備投資資金、ソフト開発資金の需要があります。これらの資金需要に対し、自己資金並びに外部からの資金調達も含め柔軟に対応することを基本としております。また、当連結会計年度末において、金融機関と総額5,000百万円の融資枠を設定し流動性リスクに備えております(当連結会計年度末において借入未実行)。
なお、当連結会計年度末の借入金残高22,893百万円は、ENボード株式会社の設備投資資金に係るものであります。
(7)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(シンジケートローン及び相対タームローン契約の締結)
当社の連結子会社であるENボード株式会社は、財務基盤の強化を目的として、既存借入の借換えを実行いたしました。
シンジケートローン及び相対タームローン契約の概要
① シンジケートローン契約
|
借入先 |
借入金額 |
実施日 |
返済期間 |
担保 |
連帯保証人 |
|
株式会社りそな銀行を アレンジャーとし、他9行 |
14,300百万円 |
2022年11月30日 |
15年 |
ENボード株式会社の土地並びに建物及び構築物 |
当社 |
② 相対タームローン契約
|
借入先 |
借入金額 |
実施日 |
返済期間 |
担保 |
連帯保証人 |
|
株式会社三菱UFJ銀行 |
3,850百万円 |
2022年11月30日 |
15年 |
ENボード株式会社の土地並びに建物及び構築物 |
日本ノボパン工業株式会社 |
|
株式会社商工組合中央金庫 |
1,280百万円 |
||||
|
株式会社紀陽銀行 |
2,570百万円 |
なお、当該借入には財務制限条項が付されており、詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結貸借対照表関係)」に記載のとおりであります。
当社グループでは顧客、市場のニーズに的確に応えるため、デザイン・機能・価格の3要素を常に意識し、徹底したマーケティングリサーチに基づいて、「見て、施工して、使って違いの分かる」製品の開発を基本としております。また、顧客ニーズを創り出すという視点を重視し、品質・コスト・サービスなど、顧客満足度を高める新製品の開発に取り組んでおります。
強みとする「木質材料加工技術」と「ステンレス加工技術」を最大限活かし、「環境への配慮」、「健康と安心・安全性の重視」、「独自性のある製品の追求」を最重要項目に掲げ、研究活動を行っております。
特に「環境への配慮」に関しては、持続可能な森林資源を使用した基材や国産材を積極的に利用した製品の開発、さらにはマテリアルリサイクルを通じて地球温暖化防止に寄与しているパーティクルボードの新たな用途開発に力を注いでおります。
当社の研究開発体制は、基礎研究・応用研究を担当する総合研究所、具体的な新製品の開発及び生産技術を担当する各事業部の傘下の開発部門で構成されます。総合研究所では新基材や木質ボードの研究に加え、新たなデザインや加工技術、化粧技術、さらには環境対応技術の研究など、中長期にわたるテーマに基づいて活動しております。一方、各事業部の傘下の開発部門では市場ニーズに沿った新製品の発案、製品設計やデザインの研究、既存製品の改良から具体的な製品化、量産化のための生産技術や生産工程の研究・開発を行っております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は
なお、当連結会計年度における各セグメント別の研究開発活動は次のとおりであります。
(1)住宅資材事業
住宅資材事業では、フローリング、室内階段、室内ドア、収納等の色柄、デザインを体系化し、それらを組み合わせたインテリアスタイルが特長である主力ブランド「Skism(スキスム)」の商品構成の更なる充実を図りました。
分野別では、建材関連製品としてフローリングの「銘樹モクトーン」と「銘樹エルテージ」をクリア系ラインナップの「銘樹モクトーン」及び着色系ラインナップの「銘樹モクトーンC」に再編するなど、銘樹ブランドの強化を図り、室内階段におきましては、シンプルな単色表現に加え、今までにないカラーバリエーションによりコーディネートの幅を広げた「ユニカラーセレクション」を発売しました。また、内装システム関連製品では、非住宅分野むけの製品として一般住宅向けの室内ドアで採用したインクジェット印刷を活かし、室内ドアや家具、壁材など様々な用途に使用可能な化粧面材「colorial(カラリアル)」を発売しました。
当セグメントに係る研究開発費は、
(2)木質ボード事業
パーティクルボード分野では、ENボード株式会社の稼働に合わせた新たな用途開発に加えて、生産性の向上や品質をより安定させるための製造技術面の改善に取り組みました。
当セグメントに係る研究開発費は、