文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、「真実と努力」及び「行持報恩」を基本理念とし、常に真理に則った誠実な行動を実践するとともに、公正性と透明性を重んじる企業倫理に基づいた事業活動を通じて、あらゆるステークホルダーから信頼される企業価値の創造と発展を目指しております。
品質方針においては「お客様へ最大の満足と安心を提供する」を掲げ、顧客ニーズを的確かつ迅速に捉え、快適で付加価値の高い製品・サービスを創出し続けます。更に、環境方針として「地球環境との共生」を定め、その理念に沿ったマネジメントシステムを構築・運用することで、環境配慮型の事業展開を積極的に推進しています。
これらの取り組みを通じて、持続的な成長を可能とする企業基盤を確立し、企業価値の最大化を実現してまいります。
(2)経営戦略等
当社を取り巻く事業環境は大きな転換期を迎えており、新設住宅着工戸数は、かつての100万戸超から足元では約80万戸を割り込む水準に減少し、少子高齢化・人口減少に伴い今後も緩やかな縮小が見込まれます。一方、カーボンニュートラル実現に向けた取り組みとして、木造化・木質化による CO₂ 長期固定化が推進されており、大阪・関西万博での大屋根リング建設をはじめ国策としての木材利用は拡大の一途をたどっています。
こうした流れにより、非住宅分野での木材需要拡大や “ウッドファースト” の潮流が加速するなか、大工職人の減少・高齢化による担い手不足、現場作業の負荷増大を背景に、省施工化ニーズも一段と高まっており、木材加工事業を多面的に展開する当社は、自社の強みを最大限に発揮できる好機と捉えております。非住宅建築向けの提案力を強化し、木造化領域の拡大と新市場開拓を推進するとともに、パネル事業を核としたユニット化による新商品開発や、完全プレカット階段の拡充など、省施工化ソリューションを積極的に展開し、すでに複数の取り組みの成果が顕在化しつつあります。
更に、内装建材事業と木構造事業という二つの柱を有する「当社ならでは」の事業構造を活かし、両領域のシナジー創出を図る施策を進めるとともに木材の持つ多様な可能性を追求し、コーポレートスローガン「伝えたい 届けたい WOOD IDEA」の具現化に向けた挑戦を継続してまいります。
(3)経営環境及び優先的に対処すべき事業上並びに財務上の課題
今後の経済の見通しにつきましては、米国の通商政策の動向、ウクライナ情勢及び中東情勢の緊迫化といった地政学的リスクに加え、為替相場の変動等も懸念され、依然として先行き不透明な状況が継続するものと予測されます。特に、中東情勢に起因するエネルギー価格及び各種資材価格への影響に加え、サプライチェーンの分断による物資調達の不安定化など、経済活動全般に大きな影響を及ぼす可能性があるものと認識しております。
当社が属する住宅関連業界におきましても、中東情勢の緊迫化に伴う資源価格の高騰や供給面の不安定化が懸念され、住宅着工の抑制や住宅価格の更なる上昇につながる可能性も否定できず、新設住宅着工戸数は低水準で推移するとともに、価格競争の激化も一層進展するなど、予断を許さない事業環境が継続するものと見込まれます。
このような状況のもと、当社におきましては、翌事業年度のスローガンとして「Create New7 <3.0> “投資を力に!成果を形に!”」を掲げ、過去2年間にわたり進めてきた各種施策を成果として具現化する、攻勢フェーズと位置付けております。プレカット及びカウンターにおける大型投資のフル稼働、大手建材メーカーとの協業による階段事業の展開、本年4月に取得した子会社の事業特性を活かした非住宅分野の更なる拡充など、収益基盤の強化に資する取り組みを推進してまいります。
内装建材事業においては、事業特性上、中東情勢に起因する資源価格の高騰及び供給体制への影響が特に懸念されることから、こうした外部環境の変化への対応を図り、より踏み込んだ販売価格の適正化及び原価低減活動の徹底に取り組んでまいります。また、前事業年度に実施した設備投資によりカウンターの生産体制を強化し、生産性向上への寄与を目指すとともに、かねてより準備を進めてきた階段製品の協業事業を開始し、当該事業領域における主力製品の底上げを図ります。加えて、子会社の展開を通じ、同社の加工技術及びノウハウを活用した非住宅向け製品の拡充を進め、提案力の強化及び販売機会の拡大につなげてまいります。
木構造事業においては、主力のプレカット事業において多くの課題を残したことを踏まえ、まずは新プレカットラインの稼働能力を最大限発揮できる体制の構築を進め、生産効率の向上と加工能力の最大化を図ってまいります。また、これらの設備を活かした大型物件及び非住宅木造建築分野の受注拡大に取り組み、引き続き非住宅分野への展開強化を進めてまいります。さらに、建築基準法改正等による構造計算需要の増加などの環境変化も見据え、設計支援体制の強化や技術提案力の向上を図るとともに、加工技術の高度化による差別化を推進し、競争力強化に努めてまいります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、売上高営業利益率及びROE(株主資本利益率)を、経営上の重要指標として位置付けており、売上高営業利益率3%、ROE5%以上の達成を経営目標として掲げております。
この目標の実現に向けては、木材に特化した高度な技術力を基盤とし、優れた品質基準の下、付加価値の高い製品群の拡充を図っております。あわせて、非住宅分野への事業領域の拡張並びに、当社の強みである内装建材事業と木構造事業との融合によるシナジー創出を推進し、安定的かつ持続的な成長の実現を目指してまいります。
また、資本コストに関しては、先行き不透明な経営環境が継続するなか、自己資本の現状水準を維持しつつ、将来を見据えた設備投資及び株主価値の向上に資する配当政策を総合的に勘案し、資本効率を重視した経営に努めております。
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)サステナビリティの基本方針
当社は、社是である「真実と努力」及び「行持報恩」を基本理念とし、すべてのステークホルダーからの信頼を得る、事業の創生及び構築を基本姿勢としております。また、「顧客に最大の満足と安心」を品質方針とし、顧客ニーズに即応した快適な商品の創造・供給に注力しております。更に、「地球環境との共生」をテーマに環境マネジメントシステムを構築し、積極的な事業展開を推進しております。
これらの取り組みを通じて、持続可能な社会の実現及び企業価値の最大化に向け、引き続き邁進してまいります。
① ガバナンス体制
事業活動においてサステナビリティマネジメントを推進するにあたり、当社はサステナビリティの基本方針に基づき、以下の方針及び体制を定め、かかる活動を推進しております。
ガバナンスにおいては、当該事項の担当部門又は内部統制を管掌するインターナルコントロール委員会並びにコンプライアンスを管掌する企業倫理委員会から、執行役員会に報告され、そのなかでも重要な内容は取締役会において報告され、協議しております。また、独立役員を含む社外取締役、社外監査役のみの会合を通じ、それぞれの専門的かつ独立的見地からの経営に対する提案を行うなど、より健全なガバナンス体制へと強化する施策を進めております。
② リスク管理
当社は、事業継続及び経営目標の達成に影響を及ぼすリスクを適切に管理するため、「リスク管理規程」を制定し、損失の最小化を図るとともに、企業の社会的責任を全うし、信用維持に努めております。リスク管理の手法としては、リスク事象を分類の上、各リスクの予見及び災害・事故等、具現化したリスクへの検証・対応を所掌する管掌機関を定め、各委員会又は会議体の決定に基づき対策を講じ、その進捗を適宜確認しております。
近年は、気候変動に伴う風水害の激甚化に備えた対応や、防災意識の啓発にも注力しており、防災訓練等を通じた従業員教育を実施しております。
また、大規模災害等により事業継続に重大な支障を来すおそれがある場合には、社長を最高責任者とする全社緊急対策本部を設置し、あわせて部門単位で部門緊急対策本部を編成、緊急連絡メールシステムの整備等により、初動遅延の防止を図る体制(事業継続計画(BCP)に基づく対応)を構築しております。全社緊急対策本部は、情報の収集・分析、対策の決定・指示、関係機関との連絡・連携を担い、一方で部門緊急対策本部は、所管インフラや建屋・設備の復旧、並びに生産再開に向けたマニュアルの策定と体制整備を行い、早期復旧を可能とする体制を整備しております。
(2)重要なサステナビリティ項目
① 地球環境問題への取組
地球温暖化をはじめとする環境問題への意識が高まる中、温室効果ガス削減及びカーボンニュートラル実現に向け、木造化・木質化によるCO₂の長期固定化が国策として推進されています。東京2020オリンピックに続き、大阪・関西万博においても木材利用が進展しており、こうした動きは大規模イベントや商業施設に留まらず、行政庁舎、学校、介護施設、物流倉庫など非住宅分野全般で木材需要が拡大しています。一方で、建築現場における大工職人の減少・高齢化も進行しており、省施工化は環境面のみならず社会的課題となっています。
このような環境下、当社は木材利用促進及び省施工化対応分野において、自社の差別化と提案力を発揮できると考え、ウッドファースト時代を見据えた木材利用促進や、省エネルギー住宅対応など社会課題解決に資する取り組みを推進しております。具体的施策としては、省力化・産業廃棄物削減・省エネルギーに貢献する製品として「NEO SMART PANEL」の展開、及び既存製品である完全プレカット階段「エコプレ」の拡充、木質化を推進する市場ニーズの具現化に資する取り組みを進めております。
また、環境マネジメントに関しては、ISO14001に基づく事業活動を通じ、電力使用量・CO₂排出量・産業廃棄物処理量・環境法令遵守状況を適切に管理し、リスク低減に努めています。加えて、太陽光発電設備の拡充などサステナブルエネルギー供給に向けた取り組みも継続してまいります。
② 人的資本及び多様性
当社は、社是及びコーポレートスローガンに基づく、社会・環境への貢献を企業理念として掲げ、向上心と挑戦意欲の醸成、高い倫理観の涵養を人事施策の根幹に据えております。これらの価値観・行動指針を明示した「seven philosophy(社員手帳)」を全従業員に配布し、意識の共有及び浸透を図っております。
人事制度においては、風通しの良い企業風土の醸成、職場環境の整備、ワーク・ライフ・バランスの推進及び健康・能力開発の促進、更には生活基盤の支援といった観点から制度設計・運用を行っております。
人材育成に関しては、中堅社員を対象とする長期研修や、管理職向けの定期研修を通じて、組織の中核を担う人材の育成と士気の向上に取り組んでいます。加えて、Web社内報による情報発信や職場または部門の垣根を超えた懇親の機会促進等を通じて、社内コミュニケーションの活性化及び企業風土の醸成を推進しております。
採用・登用においては、人物本位の方針のもと属性にとらわれない公正な選考を実施しております。仕事と育児の両立支援や女性活躍推進にも注力しており、「岐阜県ワーク・ライフ・バランス推進企業」に登録しているほか、男女問わず育児休業取得の促進や役職への登用における性別比率の均衡を目指しております。
また、採用・雇用環境の変化や地域特性を踏まえ、休日数の増加、賃金水準の見直し等の施策を講じ、採用力及び定着率の向上を図っております。外国人労働者の受入体制整備も進めており、多様な人材が安心して就業できる職場環境の構築を継続しております。
なお、当社では、上記において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次の通りであります。
|
指標 |
目標 |
実績(当事業年度) |
|
|
|
|
|
|
|
|
(3)持続可能な開発目標の達成に向けた取組
当社は、「SDGs(持続可能な開発目標)」の達成に向けた取組みを強化するために、2022年1月に「SDGs宣言」し、持続可能な社会の実現に向けた活動について組織全体で共通認識を持ち、その解決に向け活動に取り組んでおります。
|
|
『木』を通じて人の暮らしも、自然環境も、豊かにしたい セブン工業は、企業活動を通じてSDGsに取り組みます |
(ESGの取り組みによるSDGsへの貢献)
|
分野 |
テーマ |
|
|
Environment 環境 |
|
環境方針の策定・表明 温室効果ガス削減への貢献 資源循環型社会実現への取り組み(森林、林業、木材産業) 環境負荷低減への取り組み |
|
Social 社会 |
|
地域や社会の問題への貢献 地域との共生への取り組み 建築業の職人高齢化問題、労働力不足の解消への貢献 健康や安心・安全への取り組み
従業員・労働環境への配慮 働きやすい職場づくり 人材育成、多様性への取り組み |
|
Governance ガバナンス |
|
企業価値の向上 ガバナンス強化 リスクマネジメント・コンプライアンス |
なお、当社のサステナビリティへの取り組みの詳細につきましては当社ホームページをご参照ください。
https://www.seven-gr.co.jp/sustainability/
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
当社の事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも上記のようなリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努めておりますが、本株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容を併せて、慎重に検討したうえで行われる必要があります。なお、以下の記載は本株式への投資に関連するリスクを全て網羅するものではありませんので、この点ご留意下さい。
(1)住宅着工の動向が当社業績に影響を及ぼすことについて
当社は、主として住宅用木質部材の製造・販売を中核事業とし、加えて施設建築、賃貸事業等も展開しております。なかでも新築住宅市場向け製品が売上の大半を占めており、特に木造住宅の着工戸数の動向は、当社業績に直接的な影響を及ぼす要因であります。
近年、住宅様式の多様化や顧客ニーズの高度化が進むなか、市場競争の激化により、当社の売上及び収益性が影響を受ける可能性があります。また、国内における少子高齢化の進行に伴い、住宅着工戸数は今後も減少傾向が継続することが予想され、市場構造の変化とあいまって、価格競争の激化による収益圧迫のリスクが高まることが懸念されます。
こうした事業環境の変化に対応すべく、当社は特注対応力を活かした柔軟な製品提案により多様な顧客ニーズに応えるとともに、非住宅分野への事業領域拡充を推進し、特定市場への依存度低減を図るなど、事業基盤の強化に取り組んでおります。
なお、足元においては、中東情勢に起因するエネルギー価格及び各種資材価格への影響に加え、サプライチェーンの分断による物資調達の不安定化が進行しており、住宅関連業界においても資源価格の高騰や供給面の不安定化のみならず、住宅着工の抑制や住宅価格の更なる上昇が懸念され、新設住宅着工戸数は低水準で推移する可能性があります。
(2)特定販売先依存について
当社は、売上高の相当部分を一部の特定顧客に依存しており、これら顧客からの受注が大幅に減少した場合には、当社の売上及び利益に重大な影響を及ぼす可能性があります。
とりわけ、顧客の業績動向や経営方針の変更等、当社の経営努力では制御し得ない外的要因により、突発的な契約終了や調達方針の転換が生じた場合には、業績への影響が避けられないものと認識しております。また、顧客からの価格引下げ要請等に応じざるを得ない局面では、利益率の低下を招く可能性があることも、リスク要因の一つとして想定されます。
このようなリスクに対応するため、新規開拓に努め、特定の顧客に対する過度の依存体質にならない顧客基盤を構築してきており、その成果が顕在化しております。
(3)海外調達による資材の価格変動、為替変動等について
当社は、資材調達において海外依存度が高いため、国際的な需給バランスの変動、自然環境の変化、原産国の政策変更、原材料の仕様変更等の外的要因に加え、為替相場の変動が業績及び財務状況に与える影響は少なくありません。
こうしたリスクに対しては、主にベトナムを中心とした東南アジア地域において独自の調達体制を確立するとともに、国内外の有力サプライヤーとの協働体制を構築し、安定的な資材供給の確保に努めております。
また、調達リスクの分散を図る観点から、新規サプライヤーの開拓を継続的に推進しているほか、為替変動の影響を軽減すべく、国産材及び地域材の活用拡大にも取り組んでおります。
(4)法的規制について
当社は、集成材をはじめとする住宅部材の製造・販売を主要事業としており、事業活動に関連する法的規制は多岐にわたります。該当法令の改正や新たな規制の導入は、当社の事業運営に重大な影響を及ぼす可能性があります。
現在、当社の製品及び事業所が主に該当する法令は以下のとおりであります。
① 建築基準法
② 農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)
③ 製造物責任法(PL法)
④ 住宅の品質確保の促進等に関する法律(住宅品質確保促進法)
⑤ 労働基準法、労働安全衛生法及び関係諸法令
⑥ 中小受託取引適正化法(旧法名:下請代金支払遅延等防止法(下請法))
⑦ 消防法
⑧ 個人情報保護法
⑨ 環境関連法令(大気汚染防止法、水質汚濁防止法、騒音規制法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律)
なかでも建築基準法については、大幅な改正が行われた場合、製品仕様や資材調達体制の見直しを迫られる可能性があり、当社の事業運営に直接的かつ重大な影響を及ぼすおそれがあります。
また、環境保全に対する社会的要請の高まりに伴い、環境関連法令の規制強化も想定され、新たな設備投資や対応費用の発生が業績に影響を及ぼす可能性があります。
現時点においては、重大な改正は確認されておりませんが、法令遵守は企業経営の前提であり、法改正の動向を注視しつつ、必要な措置を的確に講じてまいります。
(5)製造物責任について
住宅業界においては、住宅の品質確保の促進等に関する法律(住宅品質確保促進法)の施行をはじめとする消費者保護の流れを背景に、製造物責任に関わるリスクが高まっております。当社においても、製品の欠陥が生じた場合には、業績及び事業運営に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社は品質確保に最大限の留意を払い、品質管理システムに基づく徹底した管理体制を構築・運用しておりますが、木材は有機物であり、気温や湿度等の環境条件によっては、経年変化や不具合が発生し、結果として欠陥に至る場合があります。特に、柱や梁といった住宅の構造体に関わる部材に欠陥が認められた場合には、重大な責任問題へと発展するおそれがあり、是正費用の発生に加え、顧客である住宅メーカーや工務店からの信頼喪失を招き、当社の信用、業績にも影響を及ぼす可能性があります。
なお、現時点においては、当社製品に起因する重大な品質クレームは発生しておらず、品質管理体制のもと、引き続き未然防止と適切な対応に努めてまいります。
(6)人材の確保と育成について
企業価値の最大化及び持続的成長の実現に向け、当社では、基本理念に基づいた優秀な人材の確保・育成を重要課題として位置付けております。既存事業の維持・拡大に加え、新製品の開発や新規事業の推進を図るうえで、各部門において専門知識を有する人材の確保及び管理者の計画的育成が不可欠であります。
雇用の流動化が進行するなか、当社では新卒採用に加え、即戦力となる中途人材の採用を積極的に行い、人材確保に注力するとともに、その育成にも継続的に取り組んでおります。しかしながら、当社の主要生産拠点が岐阜県東部に集中していることから、地域的な雇用環境によっては、必要人材の確保が困難となる場合や、有能な人材の流出が生じた場合、事業運営に支障をきたし、将来的に業績へ影響を及ぼす可能性があります。
なお、現在においては、労使間の円滑な関係のもと、離職率は低水準で推移しており、新卒・中途を問わず人員の安定的な確保が図られております。また、労働時間の削減やワーク・ライフ・バランスの推進、多様な人材の登用・育成を通じて、組織全体の活性化に努めております。
(7)災害に対するリスクについて
当社の工場及び生産関連設備は、火災、地震、水害等の自然災害により、生産活動や業務運営に支障をきたす可能性があります。特に主力工場は岐阜県東部に集中しており、当該地域は河川氾濫や土砂災害等の自然災害リスクが比較的高いほか、東海・東南海地震の影響も懸念されております。
火災への備えとしては、建物・設備を含め消防法に基づく防火体制を整備し、避難訓練を通じて初動対応の徹底を図っております。また、全ての建物及び機械設備については火災・風水害に備えた損害保険に加入しておりますが、地震保険については補償内容の限界から未加入となっております。
大規模地震により工場等が滅失・焼失等の物的損害が生じた場合、復旧までの間における操業停止による逸失利益を含め、当社の事業運営及び業績に重大な影響を及ぼすおそれがあります。
このため当社では、災害発生時の初動対応、対策本部の設置、復旧手順を定めた事業継続計画(BCP)を策定し、全従業員を対象とした安否確認システムの導入、主要拠点間の通信確保を目的とした衛星電話の配備、非常食の備蓄等、平時からの備えを講じております。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度における我が国経済は、雇用環境の改善及び賃上げの進展を背景に緩やかな回復基調を示したものの、物価上昇に伴う家計負担の増加により個人消費の回復は依然として力強さを欠く状況で推移いたしました。加えて、米国の通商政策の動向や長期化するウクライナ情勢に加え、本年2月に発生した米国・イスラエルによるイラン攻撃に端を発する中東情勢の混乱など、地政学的リスクの一段の高まりに伴う資源価格の高騰もあり、先行き不透明感は従来以上に増大いたしました。
当社が属する住宅業界におきましては、年度前半の建築基準法改正に伴う住宅の構造審査義務化に起因する工期遅延等の影響は沈静化したものの、通年では金利上昇局面及び資材価格高騰を背景とした住宅価格の上昇による消費マインドの減退が重なり、新設住宅着工戸数は低水準で推移いたしました。また、このような状況を背景に価格競争の激化も進展するなど、極めて厳しい事業環境となりました。
このような環境下、当社は成長戦略として掲げる「非住宅分野への事業領域の拡大」及び「省施工商品の充実化」に注力し、新たな需要創出と既存事業の付加価値向上に取り組んでまいりました。また、当事業年度のスローガン「Create New7〈2.0〉」のもと、提案力の強化や事業基盤の整備を進めるなど、中長期的な成長に向けた各種施策を推進してまいりました。
内装建材事業におきましては、厳しい事業環境のもと、販売価格の適正化、原価低減及び生産性向上に取り組みに加え、既存事業の拡充及び基盤強化として、カウンターの生産性向上を目的としたオートランニングソーの新規設置を実施するとともに、階段事業における大手建材メーカーとの協業に向けた生産体制の整備を進めてまいりました。また、営業面においては非住宅分野への展開拡大に向け、店舗向け什器関連など新たな需要開拓を進め順調に推移しております。一方、主軸である戸建住宅市場における需要低迷が継続したことに加え、円安の進行など為替動向をはじめとする外部環境の影響もあり、収支改善は一進一退の状況で推移いたしました。特に第4四半期においては、想定を上回る需要減速により収益が圧迫されたことに加え、設備及び人員への先行投資も重なり、厳しい結果となりました。
木構造事業におきましては、かねてより進めてきた一連の大型設備投資が完工し、10月より新プレカットラインの稼働を開始するなど、生産性向上及び増産に向けた体制整備を進めてまいりましたが、安定稼働に向けた設備調整等に想定以上の時間を要したことに加え、住宅市場低迷に伴う価格競争の激化によりコストアップの価格転嫁が難航し、プレカット事業は極めて厳しい結果となりました。一方、非住宅分野を担う建装事業においては、公共施設及び民間施設案件を中心に大型物件を含む複数案件を手掛け、住宅関連需要の停滞を補完する形で事業全体を下支えする結果となりました。また、パネル事業においては、省施工ニーズの高まりを背景にその特性を活かした事業運営が奏功し、パネル及び建装の両分野において、成長戦略である「省施工商品の拡充」と「非住宅分野への拡大」に貢献することができました。しかしながら、事業全体では主力であるプレカット事業の低迷の影響が大きく、収益面では課題を残す結果となりました。
これらの結果、当事業年度の売上高は、155億89百万円と前事業年度と比較し1億70百万円(1.1%)の増収となりました。利益面では先に述べたとおり両事業部門ともに厳しい事業環境にあったことに加え、プレカットをはじめとする主力事業における収益改善が進捗しなかったことから、営業損失は56百万円(前事業年度は営業利益1億83百万円)、経常損失は60百万円(前事業年度は経常利益1億89百万円)、当期純損失は1億27百万円(前事業年度は当期純利益1億84百万円)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。また、セグメント間取引については、相殺消去しております。
(内装建材事業)
売上高は、事業部全体が減少し、82億89百万円と前事業年度と比較し90百万円(△1.1%)の減収となりました。営業損失は、資材価格の高騰等の影響により、22百万円(前事業年度は営業利益13百万円)となりました。
(木構造事業)
売上高は、プレカットが減少したものの、パネル及び非住宅物件等が増加し72億87百万円と前事業年度と比較し2億62百万円(3.7%)の増収となりました。営業損失は、資材価格の高騰及び価格競争の激化等の影響により37百万円(前事業年度は営業利益1億64百万円)となりました。
(その他)
売上高は、12百万円と前事業年度と比較し2百万円(△14.8%)の減収となりました。営業利益は、4百万円と前事業年度と比較し2百万円(△33.7%)の減益となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ、4億54百万円減少し、7億43百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は2億64百万円(前事業年度は3億28百万円の収入)となりました。これは主に売上債権の減少3億36百万円及び減価償却費2億36百万円があったものの、仕入債務の減少4億65百万円、棚卸資産の増加1億52百万円及び税引前当期純損失89百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は6億74百万円(前事業年度比1億69百万円の支出増加)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出6億22百万円及び無形固定資産の取得による支出34百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は4億84百万円(前事業年度比2億40百万円の収入増加)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出3億85百万円及び配当金の支払額89百万円等があったものの、短期借入金の純増額4億円及び長期借入れによる収入6億円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
内装建材事業(百万円) |
8,047 |
100.5 |
|
木構造事業(百万円) |
7,320 |
104.6 |
|
合計(百万円) |
15,367 |
102.4 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺処理しております。
2.金額は販売価格によっております。
b.商品仕入実績
当事業年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
内装建材事業(百万円) |
320 |
137.3 |
|
木構造事業(百万円) |
- |
- |
|
合計(百万円) |
320 |
137.3 |
(注) 金額は仕入価格によっております。
c.受注状況
当事業年度の受注状況をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
木構造事業 |
6,668 |
91.6 |
24 |
3.9 |
|
合計 |
6,668 |
91.6 |
24 |
3.9 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺処理しております。
2.金額は販売価格によっております。
3.当社の受注生産品は、主に木構造事業であり、他は概ね見込生産品であります。
d.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
内装建材事業(百万円) |
8,289 |
98.9 |
|
木構造事業(百万円) |
7,287 |
103.7 |
|
報告セグメント計(百万円) |
15,577 |
101.1 |
|
その他(百万円) |
12 |
85.2 |
|
合計(百万円) |
15,589 |
101.1 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺処理しております。
2.売上高の10%を超える主な相手先が存在しないため、「最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合」の記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の状況
当事業年度末における総資産は109億49百万円、純資産は60億97百万円、自己資本比率は55.7%となりました。
流動資産については、主に棚卸資産等が増加したものの、現金及び預金及び売上債権等が減少したことにより、61億68百万円と前事業年度末と比べ6億14百万円(△9.1%)の減少となりました。
固定資産については、主に両事業部門における設備投資により、47億81百万円と前事業年度末と比べ6億21百万円(14.9%)の増加となりました。
流動負債については、主に取適法の改正による支払条件変更に伴い仕入債務等が減少したものの、1年内返済予定の長期借入金及び設備関係未払金等が増加したことにより、30億25百万円と前事業年度末と比べ9百万円(0.3%)の増加となりました。
固定負債については、主に長期借入金及びリース債務等が増加したことにより、18億25百万円と前事業年度末と比べ2億13百万円(13.2%)の増加となりました。
このような財務基盤のもと、当社の事業方針及び施策については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営戦略等 及び (3)経営環境及び優先的に対処すべき事業上並びに財務上の課題」に記載のとおりですが、財務レバレッジとのバランスを鑑みながら、設備投資を中心に成長戦略への必要な投資を行ってまいります。
b.経営成績の状況
売上高については、物価上昇、米通商政策やウクライナ・中東情勢の混乱といった地政学的リスクの高まり、及び資源価格の高騰などにより、新設住宅着工戸数は依然として減少する状況が続いております。
このような環境下、内装建材事業では、販売価格の適正化、原価低減、生産性向上への取り組みに加え、大手建材メーカーとの協業を見据えた生産体制の整備、非住宅分野への需要開拓を進めてまいりました。
しかしながら、戸建住宅市場の需要低迷、特に第4四半期における想定を上回る需要減速が響き、82億89百万円と前事業年度と比較し90百万円(△1.1%)の減収となりました。木構造事業においては、住宅市場低迷に伴う販売価格競争の激化により価格転嫁は難航し、また、10月より新プレカットラインの稼働を開始し生産性向上及び増産に向けた体制整備を進めてまいりましたが、安定稼働に向けた設備調整等に想定以上に時間を要したことから厳しい結果となりました。一方、非住宅分野を担う建装事業において公共施設及び民間施設案件を中心に大型物件を含む複数案件を手掛け、住宅関連需要の停滞を補完する形で事業全体を下支えし、パネル事業も省施工ニーズの高まりを背景にその特性を活かした事業運営が奏功し、72億87百万円と前事業年度と比較し2億62百万円(3.7%)の増収となりました。その結果、全社では155億89百万円と前事業年度と比較し1億70百万円(1.1%)の増収となりました。
売上原価においては、内装建材事業は先に述べたとおり設備投資及び人員増による労務費等の増加、木構造事業においては大型設備投資導入における安定稼働に向けた設備調整等に時間を要したこと等により134億94百万円と前事業年度と比較し3億72百万円(2.8%)増加し、売上原価率は1.5ポイント増加し86.6%となりました。
販売費及び一般管理費については、輸送コスト等の増加により、21億51百万円と前事業年度と比較し37百万円(1.8%)増加となりました。
営業損失については、先に述べた売上原価の要因により、56百万円(前事業年度は営業利益1億83百万円)となりました。
経常損失については、営業損失に加え、長期借入金による金利上昇に伴い支払利息が増加し、60百万円(前事業年度は経常利益1億89百万円)となりました。
税引前当期純損失については、内装建材事業における先行の設備投資及び木構造事業における大型設備投資による既存設備等の廃棄費用が増加したことにより、89百万円(前事業年度は税引前当期純利益1億87百万円)となりました。
法人税、住民税及び事業税については、減益により課税所得が減少し15百万円と前事業年度と比較し1百万円(△10.5%)減少いたしました。また、法人税等調整額については、繰延税金負債が増加し22百万円(前事業年度は△14百万円)となりました。
この結果、当期純損失は1億27百万円(前事業年度は当期純利益1億84百万円)となりました。
なお、セグメント等の詳細につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析
当社の運転資金需要のうち主なものは、原材料等の購入費用のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要のうち主なものは、生産性向上や合理化を目的とした設備や施設への投資のほか、既存の設備及び施設の更新であります。
今後の経営環境につきましては不透明感が強まっているため、資金調達の重要性を認識するとともに、自己資本の水準を維持しながら、投資及び配当政策等を行ってまいります。経営資源の配分につきましては、取締役会及び執行役員会で十分な検討を行った上で決定しております。
なお、当事業年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社は事業活動の維持成長に必要な資金を確保するため、自己資金及び金融機関からの借入を有効活用しております。手元資金に関しては常に注視をしており、資金の流動性を確保しつつ資金の使途、調達を決定しております。
なお、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は7億43百万円となっております。
資金調達は、金融情勢の変化に対する対応と資金コスト削減及び調達構成のバランスを考慮し調達先の分散、調達方法及び手段等の多様化を図っており、原則として、運転資金については、短期借入金で調達し、生産設備などの長期資金は、社債や長期借入金で調達することとしております。2026年3月31日現在の短期借入金残高8億円(1年内返済予定の長期借入金含む)及び長期借入金残高15億25百万円の借入金総額23億26百万円を主力銀行をはじめとする金融機関から調達しております。なお、運転資金の効率的な調達を行うため、主要取引銀行と当座借越契約を締結しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、財政状態及び経営成績に関する以下の分析が行われております。
当社は、財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債及び収益・費用の計上金額に影響を与える見積りを行っております。また、貸倒引当金、固定資産、株式等、繰延税金資産、退職給付、偶発事象及び訴訟等に関して見積り及び判断を実績や状況に応じ合理的な判断により継続的に検証し評価を行っております。しかしながら、これらの見積り及び判断は、不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
我が国経済は、米通商政策やウクライナ、中東情勢の混乱といった地政学リスクの高まり及び資材価格の高騰など、極めて不透明な経済環境が続くものと想定しております。
当社が属する住宅業界におきましても、住宅価格の高騰など引き続き新設住宅着工戸数は低水準で推移するとみられ、市況の悪化とともに関税の影響による木材資源の流通変化に伴う、更なるコスト増や調達難が懸念されるなど、これまで以上に厳しい事業環境が予想されます。
当社が、見積り及び判断により当社の財務諸表に重要な影響を及ぼすと考えている項目は以下のとおりであります。
a.貸倒引当金
当社は、債権の回収不能見込額について、一般債権は貸倒実績率、貸倒懸念債権等特定の債権は個別に回収可能性を検討し、不足分については追加計上しております。
b.固定資産の減損損失
当社は、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しており、グルーピングごとに営業活動から生じる損益が継続してマイナスである場合、市場価格が著しく下落した場合及び将来の使用が見込まれていない遊休資産等減損の兆候がある場合に減損損失の認識の判定を行い、投資額の回収が困難になった場合は、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減額分を減損損失として特別損失に計上しております。
また、回収可能価額については、正味売却価額又は使用価値により測定しており、合理的に算定された価額に基づき評価しております。
なお、当事業年度末の固定資産の減損の認識の判定にあたっては、以下の仮定を用いております。
長期化するウクライナや中東情勢の複雑化を含む地政学リスクの高まり、中国経済の回復の遅れに加え、米国の保護貿易主義への懸念や金融政策の不確実性など、世界経済全体の先行き不透明感が増しております。
このような状況下で、市況の悪化と、関税やグローバルサプライチェーンの再編に伴う木材資源の流通変化による、更なるコスト増や調達難が懸念され、これらの影響は翌事業年度も続くものと想定しております。
上記のとおり、非常に不透明な経済環境を背景とし、新設住宅着工戸数は減少傾向が予測されますが、経営目標及び重点課題を着実に実行していくことで、翌事業年度の売上高は増収を見込んでおります。
減損の兆候の把握にあたり、これらも含めグルーピングごとの事業実態を慎重に検討し減損の兆候を判断しており、減損の兆候がある場合は、事業別の事業計画に基づき割引前キャッシュ・フローを見積り、減損の認識の要否を判断しておりますが、結果減損損失の認識はないものと判断しております。
割引前将来キャッシュ・フローをはじめとする見積りや当該見積りに使用された仮定は、今後の市場動向、為替相場の変動や資材価格高騰等の影響を受ける可能性があり、主要な仮定に見直しが必要となった場合、翌事業年度の財務諸表において、新たに減損損失が発生する可能性があります。
c.株式の減損処理
当社の財務諸表において、長期保有を目的とする特定の取引先の株式を所有しております。これらの株式には、価格変動性が高い公開会社の株式と、非公開会社の株式が含まれます。当社は投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、株式の減損処理をしております。公開会社の株式の場合、通常、時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合、2年間にわたり時価が取得原価に比べて30%以上50%未満継続して下落した場合、発行会社が債務超過の状態にある場合又は2期連続で損失を計上し翌期も損失が予想される場合において減損処理をしております。
非公開会社の株式の場合、発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した場合において減損処理をしております。
d.繰延税金資産
当社の繰延税金資産については、将来減算一時差異の解消による課税所得との相殺により、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると認められる範囲内で認識しております。繰延税金資産の回収可能性は、収益力に基づく将来の課税所得の見積額、タックス・プランニング及び将来加算一時差異の解消スケジュール等に基づいて判断しております。
当事業年度の繰延税金資産は、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第26号)に基づき、翌事業年度の課税所得の見積額に基づいて、翌事業年度の一時差異等のスケジューリングの結果、回収可能と認められる範囲内で繰延税金資産を計上しております。
当事業年度末の繰延税金資産の回収可能性についての判断にあたって、当社の将来の収益に与える影響を客観的に予測することが困難であることから、以下の仮定を用いて作成した翌事業年度の事業計画を基礎とした課税所得の見積額に基づき、繰延税金資産の回収可能性について判断しております。
長期化するウクライナや中東情勢の複雑化を含む地政学リスクの高まり、中国経済の回復の遅れに加え、米国の保護貿易主義への懸念や金融政策の不確実性など、世界経済全体の先行き不透明感が増しております。
このような状況下で、市況の悪化と、関税やグローバルサプライチェーンの再編に伴う木材資源の流通変化による、更なるコスト増や調達難が懸念され、これらの影響は翌事業年度も続くものと想定しております。
上記のとおり、非常に不透明な経済環境を背景とし、新設住宅着工戸数は減少傾向が予測されますが、経営目標及び重点課題を着実に実行していくことで、翌事業年度の売上高は増収を見込んでおります。
翌事業年度の課税所得の見積額が減少し回収可能性がないと判断された場合は、繰延税金資産の取り崩しが発生し翌事業年度の利益金額に影響を及ぼす可能性があります。
「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に詳細を記載しております。
e.退職給付
当社は、従業員の退職給付費用及び退職給付債務について、年金数理計算に使用される前提条件に基づいて算定しております。年金数理計算の前提条件には、割引率、退職率、死亡率、昇給率及び年金資産の期待運用収益率等の重要な見積りが含まれております。これらの前提条件の決定にあたっては、金利変動などの市場動向を含め、入手可能なあらゆる情報を総合的に判断し決定しております。
当社は、これらの前提条件の決定は合理的に行われたと判断しておりますが、前提条件と実際の結果が異なる場合には、将来の退職給付費用及び退職給付債務に影響を及ぼす可能性があります。
④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
当社が目標の達成状況を判断するための客観的な指標については、売上高営業利益率及びROE(株主資本利益率)としております。
この数年、特に収益性改善に資する取り組みを進めておりますが、当社を取り巻く事業環境や事業領域を勘案し、まずは売上高営業利益率3%を目標とし、付加価値の高い製品の開発、新たな事業領域(非住宅分野)の拡充、二つの事業の融合によるシナジーの追求を図ってまいります。ROEに関しては、当社の規模感や今後の事業環境を鑑みて、自己資本は現状の水準を維持していく必要性を認識しており、効率的な資本政策と財務レバレッジとのバランスを鑑みながら、ROE5%以上を持続できる体制にすべきと考えております。当事業年度の経営成績につきましては、上記、「① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 b.経営成績の状況」に記載のとおりであります。
|
指標 |
前事業年度 |
当事業年度 |
目標値 |
目標対比 |
|
売上高営業利益率 |
1.2% |
△0.4% |
3.0% |
△3.4ポイント |
|
ROE(株主資本利益率) |
3.0% |
△2.1% |
5.0% |
△7.1ポイント |
該当事項はありません。
当社は、「伝えたい 届けたい WOOD IDEA」をスローガンに掲げ、木材の特性を最大化する技術とアイデアで、建材としての新たな価値の創造と「人と自然をつなぐ循環の輪」を目指し、持続可能な社会への貢献を研究開発のテーマと位置づけております。
近年の環境意識の高まりに応え、木材利用促進と施工合理化という社会的ニーズを「非住宅分野への領域拡大」と「省施工商品の拡充」の2つの成長戦略へと転化し、独自の差別化と提案力の強化に資する製品開発を進めております。
内装建材事業においては、製品群がライフサイクルの転換期を迎えているとの認識のもと、事業ポートフォリオの再構築と新規事業創出を基本方針に、SGEC認証を取得した国産材を用いた店舗什器の製造・販売拡大、キャンピングカー内装部材や収納部材の展開、更に自社ブランド「COMOKU」のEC販売による商品ラインアップ充実と販売チャネルの多様化または拡充を図っております。
木構造事業においては非住宅市場の拡充と省施工商品の開発を加速させ、サッシ・断熱材付き壁パネル「NEO SMART PANEL」や階段室ユニット、小屋界壁ユニットなど工場生産への移管モデルを推進し、現場施工の効率化・工期短縮のみならず、廃棄物削減・大工職人の不足解消といった社会的課題解決に寄与する取り組みを推進しております。
このような研究開発を通じ、持続可能な社会の実現と木材の新たな価値の創造に貢献してまいります。
研究開発スタッフは10名で、当事業年度に支出した研究開発費の総額は
なお、研究開発活動は特定のセグメントに限定されておらず、セグメント別の記載は行っておりません。