当社グループの経営方針、経営環境および対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、「経営ならびに製品の独自性と安定成長」を基本理念に、変化する外部環境に対して柔軟に対応できる経営体制のもと、メーカーの使命である製品の安定供給を続けてまいります。そのために、原材料仕入先である現地子会社ならびに協力工場に対して技術的援助をおこない、安定的な調達を実現してまいります。また、環境問題につきましては、現地の規制強化にともない植林事業への投資を実施いたしております。今後も市場ニーズを先取りしたオリジナル製品の開発により、顧客満足度の高い住宅内装メーカーを目指してまいります。
(2) 経営戦略等
当社製品の販売に大きく影響を及ぼす新設住宅着工戸数は、今後の少子高齢化・人口減少社会において大きく減少することが予想されています。このような市場環境の変化の中、当社グループにおいては新設住宅着工数に依存しない新たな事業に積極的に取り組むことにより、持続的な成長を図ってまいります。具体的にはリフォーム市場、DIYやECビジネスなどの個人向け市場、非住宅市場などへの製品展開を図ってまいります。
そのためには、徹底的なマーケティングにより顧客のニーズやライフスタイルの変化を的確にとらえる必要があります。ショールームやSNSなどを活用した市場動向の分析により省施工型の収納製品やデザイン性、快適性、居住性に優れた戦略的商品開発を推進することにより、顧客満足度、品質、コストパフォーマンスに優れた独自性のある製品展開に取り組んでまいります。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、これまで同様安定した財務基盤のもとに持続的な成長を図る観点から「売上高成長率」「売上高営業利益率」「自己資本比率」を重要な経営指標として位置づけ、収益基盤を拡大していくことにより企業価値の継続的拡大を目指しております。
<「売上高成長率」「売上高営業利益率」「自己資本比率」推移>
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回次 |
68期 |
69期 |
70期 |
71期 |
72期 |
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決算年月 |
2021年3月 |
2022年3月 |
2023年3月 |
2024年3月 |
2025年3月 |
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売上高成長率(%) |
△1.6 |
13.0 |
5.1 |
3.1 |
4.8 |
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売上高営業利益率(%) |
8.5 |
9.9 |
3.9 |
3.6 |
3.9 |
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自己資本比率(%) |
81.1 |
75.4 |
71.7 |
74.4 |
75.1 |
(注)「売上高成長率」につきましては前期比較により算出しております。
(4) 経営環境
今後の我が国の経済情勢は企業業績の回復、所得環境の改善を受けて経済活動は一定の回復基調を続けるものと思われます。しかし、エネルギー・資源価格の高止まり、円安基調等の継続の影響によりアフターコロナの消費者の購買動向は慎重さが続くものと思われ、当面の間内需型製造業にとって厳しい経営環境になることが想定されます。
このような状況の下、当社は引き続き収納材のトップメーカーを目指して、当社の強み・得意分野の拡充を図り、新設住宅着工戸数の減少予測等の事業を取巻く様々な課題の解決に向けて新規市場での採算性の向上等に取り組んでまいります。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループといたしましては、安定した財務基盤を背景に今後の市場動向を注視し、製品の安定供給を確保するとともに、製造原価低減と品質向上に努めて、中期の経営戦略に定めたターゲットに向かって製品開発やそれぞれのアクションプランの確実な実施を目指しております。また、経営の透明度を高め効率性・健全性を追求すべく、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組み、コンプライアンス体制につきましては企業倫理および法令遵守の基本体制を構築してまいります。さらに海外情勢の変化、災害などに対するリスク分散など事業の継続性を確保するための整備を図ってまいります。
こうした企業活動を通じて高収益体質の企業を目指すとともに、顧客に安心してご使用いただける住宅内装材を供給できる体制を整えてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ
当社グループは、「独自の発想と経営で革新にチャレンジし、お客様の求める真の価値を創造することで、ステークホルダーおよび社会と調和のある安定成長の実現」を経営理念としており、これを実現するための行動規範として「持続可能な社会の実現のための企業倫理の遵守」「顧客満足度の高い製品開発」「あらゆる環境の保全と持続」を掲げております。これらの実践を通じて、ステークホルダーの期待に応え、社会とともに持続可能な発展をしていくことが当社のサステナビリティ活動の基本であると考えております。
当社グループはこの考え方のもと、ESGを重視し持続的な企業価値の向上を図るため、環境や社会の課題解決に向けたサステナビリティに関する取り組みを進めてまいります。
①ガバナンス
当社グループは気候変動問題や人的資本をはじめとしたサステナビリティ課題への対応は、持続的な企業価値の成長のための重要な経営課題として捉えており、サステナビリティへの取組みを活性化させるためサステナビリティ委員会を設置しております。サステナビリティ委員会は、代表取締役が指名した担当役員を委員長とした取締役会の下部組織であり、委員会で議論した内容は必要に応じて取締役会に報告されます。当委員会は社内のサステナビリティ課題単位の推進組織と連携し、これらに関する情報の収集や分析、計画の立案、達成状況の評価を行います。また、特に重要な事項については取締役会で議論し、サステナビリティ課題と事業経営との一体化を図ります。
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取締役会 |
決裁 |
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▲ 報告 ▼ 監督・指示 |
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サステナビリティ委員会 |
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▲ 報告 ▼ 監督・指示 |
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サステナビリティ課題単位の推進組織 |
進捗 |
|
当社における重要なマテリアリティ |
主な推進事項 |
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気候変動を中心とした環境課題への対応 |
温室効果ガスの定量化と排出削減 |
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多様な人材の育成とイノベーションの創出 |
女性活躍推進、男性育休取得率向上 人材育成、ライフワークバランス |
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危機管理の推進による強固な事業体制の構築 |
BCP対策、従業員の安全堅守 災害・ビジネス・コンプライアンスリスク対策 |
②リスク管理
当社グループは、事業リスク全般の抽出および評価を各部門の担当役員が実施し、事業経営に与える影響が重要なリスクについては取締役会に報告され、回避・軽減策の協議や決定、見直しを行います。気候変動リスク等をはじめとしたサステナビリティ課題に係るリスクも同様に、サステナビリティ委員会において抽出および評価を実施し、特に重要性が高いと評価されたリスクについては、取締役会による監督・指示体制のもと、グループ全体での情報共有、リスク低減に努めております。
(2)人的資本
当社では、暮らしにイノベーションをもたらす企業として、業務および生活において異なる経験・価値観を持つ社員がお互いに刺激を受け合いながら新たな価値を生み出すことを目指しております。そのために、性別や家庭環境に関わらず仕事と家庭を両立できる環境の整備、および社員が外部から新しい知見を取り入れ、多角的な視点を持って組織へ貢献できるような人材育成を推進してまいります。
①戦略
性別や家庭環境に関わらず多様な人材が仕事と家庭を両立できる環境を整え、従業員が持続的に成長できる人材育成を推進することで、当社の成長戦略に貢献することを目指してまいります。
当社では、今後女性社員が会社の重要な意思決定へ関与を深めるための取り組みとして、まずは基幹的な業務を担う総合職において女性の積極採用を行っています。現在当社の女性管理職比率は6.1%と高くはありませんが、将来的な管理職登用を見据えた採用および育成に取り組んでまいります。
また、当社では従来ワークライフバランスの推進に向け、時間外勤務の抑制や女性の産後復帰率100%実現に努めてまいりました。これらを今後も継続すると同時に、男性社員による育児休暇取得率の向上にも努め、性別に関わらず仕事と家庭の両立ができる環境整備を進めてまいります。
人材育成方針につきましては、現在実施している階層別・職種別研修のプログラムを強化することに加え、自己啓発制度の受講促進にも注力してまいります。2023年度より自己啓発制度のさらなる充実を目指し、学びたいときに学べる動画学習サービスを希望者に向け提供開始いたしました。社員の研修制度利用率を高め、一人一人が新たな知見を業務に取り入れることで、新しい視点での発案や業務効率向上などの価値創出に繋げられるような支援を行っております。
②指標及び目標
当社では、上記において記載した、人材の多様性を含む人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針について次の指標を用いております。当該指標に関する目標および実績は、次のとおりであります。
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実績(前事業年度) |
実績(当事業年度) |
目標( |
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8.7% |
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40.0% |
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100.0% |
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355名 |
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当社グループの経営成績、株価および財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、以下の文中における将来の事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経済状況について
当社グループの営業収入における重要な部分を占める住宅向け収納建材の需要は、新設住宅着工戸数の影響を受けます。従いまして、景気後退による経済状況の悪化等から、大幅な新設住宅着工戸数の減少がある場合には、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 海外事情の変化について
当社グループはインドネシアより原材料を調達することで、コスト削減を進めております。そのため、現地の政治および経済の状況が変化した場合や自然災害の発生によって、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 為替レートの変動について
当社グループの主力製品である住宅向け収納建材の資材等の一部は海外子会社から調達しております。為替レートの変動は、外貨建て取引により発生する資産・負債および仕入価格に影響を与える可能性があります。為替の変動リスクをヘッジするために為替予約および通貨オプション等を行っており、為替変動の製品コストへの影響を最小限にとどめておりますが、急激な為替変動は当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 価格競争について
当社グループは安定した高品質を確保した上で、徹底した生産の合理化や海外子会社から資材調達等によりコスト削減に取り組んでおりますが、新設住宅のコスト削減傾向と、新設住宅着工戸数の減少傾向のため、業界における価格競争がさらに激しくなった場合には、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 災害について
近い将来発生が予想される南海トラフ地震等による災害が、広範囲でかつ深刻なものであった場合には、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 海外子会社の業績について
当社のフランス子会社であるNP ROLPIN SASは、主として合板の製造および販売を行っております。同社は、2014年の買収当初より業績の低迷が続いているため、経営全般にわたる積極的な経営支援を含む経営再建計画を策定し、業績の回復を図っておりますが、今後同社の業績が回復しない場合には、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループではフランス子会社に対してコスト削減や品質向上のための更なる技術支援およびインドネシア子会社からの製品供給などの販売支援に取り組み、欧州市場での競争力を向上させることでフランス子会社の業績回復に鋭意取り組んでまいります。
なお当社は、フランス子会社のNP ROLPIN SASに対して1百万ユーロの資本投資、28百万ユーロの融資を行っておりますが、経営再建計画における利益計画とは想定以上の乖離が発生しており、2025年3月末時点においては、同社が3,010百万円の債務超過となったため、当事業年度に貸倒引当金繰入額1,747百万円を追加計上しております。これにより当社が同社の株式に対して計上した関係会社株式評価損は1,820百万円、同社への貸付金に対して計上した貸倒引当金は3,010百万円になります。
また、当社は、NP ROLPIN SASの完全子会社であるROLKEM SASに対して、2025年3月末時点において10百万ユーロの運転資金融資を行っております。ROLKEM SASは主要な販売先の内製化や、原材料価格の上昇等により利益計画の達成が困難な状況が続いており、同社は1,029百万円の債務超過となりました。そのため当社はROLKEM SASの債務超過額に対して、当事業年度に貸倒引当金繰入額184百万円を追加計上しております。これにより同社への貸付金に対して計上した貸倒引当金は1,029百万円になります。
今後NP ROLPIN SASおよびROLKEM SASの業績が回復せず、純資産価値が引き続き毀損した場合には、追加で損失を計上するリスクがあります。連結財務諸表上におきましては、フランス子会社の業績は毎期の連結業績および連結財政状態に反映されております。なお、連結グループ内の事象であるため当社の子会社に対する関係会社株式評価損や貸倒引当金は計上されません。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や、円安の影響によるインバウンド需要の拡大が進行し、緩やかな回復傾向となりました。一方で、中東やウクライナ情勢など地政学的リスクの影響により、資源・エネルギー価格をはじめとした物価は依然として高止まりの状況にあり、米国の政策動向など世界経済の下振れリスクも多く、国内経済の先行きは不透明な状況が続いております。
住宅関連業界におきましては、建築資材価格や、労務費、運賃等の上昇により住宅価格が高騰していることに加え、日銀の金融緩和政策の転換に伴う住宅ローン金利上昇の懸念から、住宅取得マインドの低下が一層強まり2024年1月~2024年12月における新設住宅着工戸数は、792,195戸と前年同期比で3.3%減少しました。そのうち当社の主力である持家の着工戸数は218,175戸と前年同期比で2.8%の減少となり、今後の経営を取り巻く環境は益々厳しさを増しております。
このような状況のなか、当社グループは主力の木材関連事業で、主に為替対策による資材価格高騰への対応や、更なる物流コスト低減のためのサプライチェーンの見直し等、各種コストダウンを徹底し、物価上昇圧力による販売価格への転嫁を極力抑えるための取組みに努めました。また、収納製品のシェア拡大を目指し商品ラインナップの拡充を継続いたしました。具体的には2025年2月に集中収納特化型のストックルーム収納「モノック」を発売いたしました。「モノック」は家中に分散されがちなストック品や防災備蓄品、置き場所に困っていた物を一括収納することで、居住スペースをよりスッキリさせ、暮らしを快適にすることをコンセプトにした新商品です。このようなお客様の潜在的なニーズを反映した商品の発売と併せて、アートランバーの新色や棚板の前面にR加工と4面エッジテープを施したRタイプの発売等、お客様の要望に応えた既存商品のラインナップ拡充にも努めました。一方で、新市場における取組みとしては為替変動に強いグループ体制の確立を目指して、販売用資材の開発と海外市場開拓に向けた体制強化などに取り組みました。またリフォーム(リノベーション含む)市場や集合住宅市場の開拓にも積極的に取り組み、リフォーム市場における売上高は前年より大きく伸長しております。当社はこれらの各市場における製品の認知度向上を目指して、現在全国に4か所の収納特化型ショールームを展開しておりますが、今年度においては6,800名を超えるお客様が来場される等、想定以上の盛況となりました。更に収納を通して暮らしに役立つ様々な情報を発信する当社の公式インスタグラムはフォロワー数が8.4万人まで増加し、公式YouTubeチャンネルにおいて新商品「ラクロ」の紹介動画の再生回数は36万回に到達する等、SNSを通じた当社製品の認知度向上の取組みにも大きな手応えを得ることができました。今後も、高品質でお客様の暮らしをより快適にする商品を積極的に展開していくとともに、体感型ショールームやSNSツールを掛け合わせた積極的な情報発信を推進し、収納のトップメーカーを目指してまいります。
電線関連事業では、四国エリアを中心に電線および電設資材を販売しております。当エリアにおきましては、引き続き大型の新設物件が低迷しておりますが、資材価格の高騰による電材の仕入価格が更に上昇しており、利益を圧迫する状況が一段と厳しさを増しております。このような市場環境において、価格競争に対応するための価格設定や利益管理を徹底し、大型物件と小口物件それぞれの販路開拓に積極的にチャレンジしてまいります。
一般管工事関連事業では、西日本エリアにおける化学プラント向け配管工事、ライニング工事を中心とした事業展開をしております。工場の設備改修等の需要は安定しているものの、業界全体の人材不足問題が深刻な状況である中、当社グループも同様に人材不足の状況が継続しており、引き続き現場管理の人員や体制の整備強化が必要な状況が継続しております。市場環境は好調であることから引き続き技術向上や人材確保に努め収益拡大に取り組んでまいります。
この結果、当連結会計年度の財政状態および経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ231百万円増加し、32,485百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ206百万円減少し、8,019百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ437百万円増加し、24,466百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高24,921百万円(前年同期比4.8%増)、営業利益961百万円(前年同期比13.4%増)、経常利益1,655百万円(前年同期比10.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益101百万円(前年同期比89.3%減)となりました。
当連結会計年度における各セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
(木材関連事業)
当セグメントにおける、国内市場については円安相場による仕入コストの上昇に対する為替対策やその他のコスト全般に対する削減施策を徹底し、販売価格への転嫁の影響を極力抑えることに注力いたしました。また積極的な商品展開やSNSを活用した販売促進の取組み等を実施した他、リフォーム市場や集合住宅市場への販路開拓も推進いたしました。その結果新設住宅着工戸数が落ち込むなか、前期以上の国内売上高を確保することができました。海外市場については、フランス子会社の合板製造販売事業において、製造工程の見直しおよび販路開拓による黒字化を目指しております。これまで原材料であるフランス海岸松合板の材質に起因する歩留まり改善策として各工程への設備投資や生産工程の省エネ化等を推進してきたことにより、製造原価は当初計画の水準まで改善いたしました。しかし、欧州経済の停滞が継続していることから、海岸松合板に関する市況も悪化しており、販売数量および操業度の回復が今後の経営改善の重要課題となっております。引き続き販売体制の強化と販路拡大を推進し黒字化を目指してまいります。
結果、当セグメントの経営成績は、売上高22,263百万円(前年同期比3.2%増)、セグメント利益852百万円(前年同期比16.8%増)となりました。
(電線関連事業)
当セグメントでは、新規顧客の開拓、小口販売の拡充等の営業強化に取り組みました。電材仕入価格の高止まりの状況や業界内の価格競争が継続しておりますが、大型物件の受注を獲得できたことにより、今期の売上高は堅調に推移いたしました。しかし大型物件の利益率は小口販売と比較して低い傾向がありセグメント利益率は前年同期より低下する状況となりました。
結果、当セグメントの経営成績は、売上高2,085百万円(前年同期比27.6%増)、セグメント利益23百万円(前年同期比6.5%減)となりました。
(一般管工事関連事業)
当セグメントでは、引き続き顧客の設備投資および設備改修工事が好調であり、今期も安定的に工事物件を受注することができました。しかし資材価格の高止まりの状況は未だ継続しており、利益額は前年同期より低下する状況となりました。
結果、当セグメントの経営成績は、売上高572百万円(前年同期比2.8%増)、セグメント利益58百万円(前年同期比11.1%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における当社グループの現金および現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ196百万円減少し、3,314百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は2,461百万円(前年同期比27.9%減)となりました。
これは、主な増加要因としては、税金等調整前当期純利益986百万円、棚卸資産の減少額883百万円、減価償却費830百万円、減損損失642百万円等であるのに対し、減少要因として、売上債権の増加額717百万円、法人税等の支払額661百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、支出した資金は1,978百万円(前年同期比21.2%増)となりました。
これは、主に有形固定資産の取得による支出1,871百万円、無形固定資産の取得による支出39百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、支出した資金は672百万円(前年同期比48.4%減)となりました。
これは、主に長期借入れによる収入100百万円、長期借入金の返済による支出632百万円、配当金の支払額144百万円等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績及び受注実績
当社グループの生産品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模および受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
b.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
増減率(%) |
|
木材関連事業(千円) |
22,263,621 |
3.2 |
|
電線関連事業(千円) |
2,085,448 |
27.6 |
|
一般管工事関連事業(千円) |
572,373 |
2.8 |
|
合計(千円) |
24,921,443 |
4.8 |
(注)1.セグメント間取引につきましては、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
SMB建材株式会社 |
6,249,920 |
26.3 |
6,352,741 |
25.5 |
|
住友林業株式会社 |
4,386,129 |
18.4 |
4,475,453 |
18.0 |
|
ジャパン建材株式会社 |
2,516,096 |
10.6 |
2,610,558 |
10.5 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は以下のとおりであります。
以下の文中における将来の事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
当連結会計年度末の資産につきましては、総資産の額が32,485百万円となり、前連結会計年度末と比べ231百万円の増加となりました。主な要因は、機械装置及び運搬具(純額)914百万円の増加、デリバティブ債権488百万円の減少、建設仮勘定251百万円の減少等によるものです。
負債につきましては、負債合計の額が8,019百万円となり、前連結会計年度末と比べ206百万円の減少となりました。主な要因は、長期借入金544百万円の減少、繰延税金負債228百万円の増加、支払手形及び買掛金101百万円の増加等によるものです。
純資産につきましては、純資産合計の額が24,466百万円となり、前連結会計年度末と比べ437百万円の増加となりました。主な要因は、為替換算調整勘定824百万円の増加、繰延ヘッジ損益390百万円の減少等によるものです。
b.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ1,146百万円増加し、24,921百万円(前年同期比4.8%増)となりました。これは主に、木材関連事業において収納建材の商品ラインナップ拡充に加えて各種収納プランの提案、販売活動に注力したことやリフォーム市場への売上高が増加したことで伸長したものであります。
各セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、木材関連事業が89.3%、電線関連事業が8.4%、一般管工事関連事業が2.3%となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度に比べ113百万円増加し、961百万円(前年同期比13.4%増)となりました。これは主に、木材関連事業における売上高の増加の影響に加え、為替対策をはじめとする各種コスト削減等によるものであります。また、連結売上高営業利益率は3.9%(前年同期3.6%)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、為替差益542百万円により前連結会計年度に比べ225百万円減少し、978百万円(前年同期比18.7%減)となりました。営業外費用は、前連結会計年度に比べ76百万円増加し、284百万円(前年同期比36.6%増)となりました。
以上の結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ188百万円減少し、1,655百万円(前年同期比10.2%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は、固定資産売却益10百万円により、10百万円(前年同期比3.5%増)となりました。特別損失は、フランス子会社のNP ROPIN SASにおける減損損失642百万円の計上により、前連結会計年度に比べ655百万円増加し、679百万円(前年同期は24百万円)となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ847百万円減少し、101百万円(前年同期比89.3%減)となりました。
セグメント毎の経営成績に関しましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの資本の財源および資金の流動性につきましては、次のとおりです。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金および金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金を含む有利子負債の残高は4,240百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は3,314百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
当連結会計年度において、重要な契約等の決定または締結等はありません。
当社の特徴を生かした、時代のニーズに合った商品の開発を進めております。
研究開発は、木材関連事業セグメントにおいて、天井材、収納材、床材、その他の4部門に分け、当社商品開発グループ(当連結会計年度末現在12名)で行っております。
当連結会計年度の主な研究開発の概要とその成果および工業所有権の取得状況は次のとおりであります。
(1) 天井材部門
新柄の検討
パネルタイプの検討
(2) 収納材部門
新中段・枕棚の開発
システム収納部材の開発
ファルカタLVL・合板の検討
ボックス収納ユニットの開発
(3) 床材部門
サニタリーフロアの拡販・補助
(4) その他
新規アームハングシステムの開発
ストラボシステムの開発
(5) 工業所有権の取得状況
|
2025年3月31日現在 |
|
|
登録件数 |
出願中の件数 |
合 計 |
|
特 許 |
5件 |
1件 |
6件 |
|
意 匠 |
8件 |
0件 |
8件 |
|
商 標 |
15件 |
1件 |
16件 |
なお、当連結会計年度において、上記の研究開発に要した費用の総額は