当連結会計年度(平成27年12月~平成28年11月)における我が国経済は、中国経済の減速や、英国のEU離脱に伴うヨーロッパ経済の不安定化など世界経済の下振れが懸念され、円高が進行するなか、政府の各種経済対策やマイナス金利の導入を含む大規模な金融緩和もあり、景気は緩やかな回復基調で推移し雇用情勢も改善しましたが、節約志向の強い個人消費の回復が振るわず、消費増税も先送りとなるなど先行き不透明な状況で推移しました。一方、住宅需要につきましては、住宅ローン金利の低下や政府による住宅取得支援策、相続税対策に伴う賃貸住宅の増加などにより、新設住宅着工戸数は堅調に推移いたしました。
こうしたなか当社グループは、モデルチェンジを実施し好評を博しているシリーズ「BINOIE(ビノイエ)」を中心に床材や建具など建材製品の拡販に努めるとともに、安心安全ユニバーサルデザイン(UD)など高齢者対応、環境、リフォーム、住宅の長寿命化等をテーマに、需要の掘り起こしに努めました。また、合板類については適切な生産、仕入、販売に努め、収益力の向上をはかりました。
さらに、製造コスト低減や設備投資による生産性向上、安全管理の徹底にも取り組みました。
これらの結果、当連結会計年度における連結業績は、売上高64,922百万円(前期比6.9%増)、営業利益3,569百万円(前期比221.7%増)、経常利益3,713百万円(前期比133.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,303百万円(前期比123.5%増)となり、大幅に改善いたしました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
住宅建材事業
住宅建材事業につきましては、デザイン性・施工性を強化した建具類のシリーズ「BINOIE」、斬新で表情豊かなインテリア空間を表現する建具とフローリングのシリーズ「Art Couture(アートクチュール)」、静岡県内の自社工場で生産している国産ヒノキ合板を基材に使用したフローリングのシリーズ(「ナチュラルフェイス・Jベース」「Jシルキー」「Jクラレス」他)など、好評を博している製品を中心に主力の建材製品の拡販、シェアアップに取り組み、収益力の向上に努めました。
このほか、地球環境に優しいリサイクル素材を使用し、耐震性能や劣化軽減性能に優れた構造用MDFの販売も好調に推移いたしました。
この結果、住宅建材事業の売上高は41,065百万円(前期比4.1%増)、セグメント利益は3,279百万円(前期比62.7%増)となりました。
合板事業
国産針葉樹合板は、業界全体の製品在庫水準も低く堅調な製品相場と出荷が続いたことから、生産、販売とも好調に推移し、売上高、利益とも前期に比べ大幅な増加となりました。一方、輸入南洋材合板は、国内の需要不振により販売価格が低下し売上高は前期に比べ減少となり、また損益面においても、為替相場が円安基調から円高傾向へシフトするなか仕入コストの低減はあったものの、収益性は若干の改善にとどまりました。この結果、合板事業の売上高は23,857百万円(前期比11.9%増)、セグメント利益は1,642百万円(前期比393.2%増)となりました。
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ2,464百万円増加し、 11,047百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益3,689百万円となり、減価償却費の計上による2,016百万円の増加や、持分法投資利益の計上による179百万円の減少、売上債権の増加による1,814百万円の減少、たな卸資産の増加による160百万円の減少、仕入債務の減少による135百万円の減少、未払消費税等の増加による691百万円の増加、法人税等の納付による322百万円の減少などの要因から、4,917百万円の収入(前期は1,101百万円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資などの有形固定資産の取得による1,391百万円の減少などの要因から、1,426百万円の支出(前期は4,108百万円の支出)となりました。
また、財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金(1年内返済予定の長期借入金を除く)の返済による87百万円の減少、長期借入金の借入による1,380百万円の増加、長期借入金の返済による1,982百万円の減少、社債の発行による280百万円の増加、自己株式の取得による182百万円の減少などの要因から、1,026百万円の支出(前期は462百万円の支出)となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
住宅建材事業 |
23,023 |
104.2 |
|
合板事業 |
18,156 |
164.6 |
|
合計 |
41,179 |
124.4 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、製品製造原価によっており、消費税等は含まれておりません。
当社グループの生産は主に見込生産を行っているため、記載を省略しています。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
住宅建材事業 |
41,065 |
104.1 |
|
合板事業 |
23,857 |
111.9 |
|
合計 |
64,922 |
106.9 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 主な相手先別の販売実績及びそれぞれ総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
販売高(百万円) |
割合(%) |
販売高(百万円) |
割合(%) |
|
|
三井住商建材㈱ |
23,606 |
38.9 |
25,361 |
39.1 |
|
丸紅㈱ |
6,805 |
11.2 |
7,097 |
10.9 |
当社グループを取り巻く事業環境は、住宅ローン金利の低下や政府の住宅取得支援策などを背景に、目下、住宅需要は堅調に推移しておりますが、国内合板相場の動向や、昨年11月の米大統領選以降の円安による原材料コストへの影響など、先行き不透明な事業環境が続くものと予想されます。
当社グループは、このような事業環境のもと、床材や建具、住宅構造材など主力の建材製品のシェアアップに努めるとともに、これら建材製品の原材料として、地球環境に優しいリサイクル素材のMDF(中質繊維板)や、循環可能な木材資源であり円安の影響を受けにくい国産材合板を積極的に活用し収益力の向上に努めてまいります。また、一層の生産性向上をはかるため、設備投資による省力化やITの活用、人材育成などを推進し、コスト競争力の強化、製品競争力の強化、営業機能の強化、安全管理の徹底など、各種施策を引き続き実施してまいります。加えて、高齢化社会(サ高住、介護施設など)、環境(リサイクル素材、循環可能な木材資源である国産材の活用促進)、リフォーム(短納期生産体制)、住宅の長寿命化、ペット共生など、多様化する顧客ニーズに合致した商品展開を推進しマーケットの新規開拓をはかり、更なる収益力の向上と企業体質の強化に努めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成28年11月30日)現在において当社グループが判断したものです。
当社グループの属する建材業界は、新設住宅着工戸数の動向に影響を受けます。当社グループの業績は、新設住宅のなかでも持家の建築動向に深い関係がありますが、貸家、分譲住宅、高齢者施設などの非住宅市場やリフォーム市場等の一層の開拓に注力するなど、その影響の軽減をはかっております。
当社グループ製品の主要原材料である輸入木材・輸入合板は、国際相場や為替動向等による価格変動を受けやすく、仕入価格に大きな変化があった場合には当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、木材資源国の伐採規制等の動向によっては、調達が難しくなるリスクも内在しています。
当社グループは、為替変動の影響を最小限に抑えるように各種手段を講じるとともに、製品、原材料の調達パイプの多様化、分散化を進め、それらのリスクの軽減に努めております。
当社グループでは、自然災害の発生に備え定期的な設備点検及び緊急時における連絡体制の整備等を行っておりますが、主力工場が静岡県に集中しているため、この地域に大地震等の大規模な自然災害が発生した場合には、生産活動の停止や配送の遅延等により、当社グループの業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが営む住宅建材事業や合板事業の製品とサービスは、国内競合他社との激しい競争にさらされておりますが、今後、さらに企業間競争が激化した場合には、製品販売価格の下落や販売数量の減少に伴う収益性の低下が生じるおそれがあり、これにより当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、製品の品質管理には細心の注意を払っておりますが、万一、製品の欠陥による品質問題が発生した場合、欠陥に起因する損害に対しては損害賠償などの費用が発生するおそれがあり、これにより当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
合弁事業契約
|
契約 |
締結年月日 |
相手先名 |
国名 |
契約内容 |
|
当社 |
1989年 |
スラインダー社 |
インドネシア |
・当社は同社製品を日本国内において販売 ・内装建具の製造に関する技術援助及び製品規格・デザインに関する情報を提供 |
(注) 同社との関係内容は、第1 企業の概況 4 関係会社の状況に記載しております。
当社グループの研究開発は、「より良い住空間の創造に貢献する総合建材メーカー」を基本理念としております。特に以下の4分野においてニーズにマッチした独自の提案型製品の研究開発に取り組んでおります。
当連結会計年度において、平成27年5月から稼働・生産開始した自社合板工場で生産される国産ヒノキ合板を活用した製品のラインナップ拡充として、高密度MDF+国産ヒノキ合板の複合基材の表面にビノイエシリーズに対応した表面化粧突板カバ7色をラインナップした普及グレードフロア「JクラレスS」(4枚ハギ、V溝センター1本溝)、フラットハードコートの中級グレードフロア「Jシルキー」(4枚ハギ、V溝2本タイプ)2製品を市場投入しました。さらに、対応可能な施工現場を広げるため、堅木合板を使用し置き床・根太施工対応の「エブリステージS」(V溝センター1本溝)の発売を開始しました。
また、ビノイエシリーズでは、同一化粧シートで色柄のばらつきが起きにくく、シート巻き込み仕様で意匠性を向上させたシートタイプの「ビノイエ階段」、ピボット受けは上下共に枠付けで、扉を閉めたまま上下、左右、前後の調整を可能にした「ピボット丁番 新仕様」を発売いたしました。
ユニバーサルディレクト(UD)商品においては、施設向け商品として、複数のボックスを組み合わせて使用できボックスユニット横に手摺の取付け可能な「共用玄関収納」、キャスター付きチェストタイプで建具とコーディネート可能な「居室用収納」などさまざまな現場に対応可能な機能強化製品の新製品投入を行いました。
個性を大切にインテリアを楽しむ「アートクチュールシリーズ」では、アートクチュール建具、フロアに対応するラスティックデザイン5柄の「アートクチュール化粧シート階段」を追加しました。空間をトータルコーディネートすることが可能です。さらに造作部材として、壁の一部、カウンター下など、お好みの箇所に施工可能な、高意匠の小割り壁材「ウォールデコ」を発売しました。
これら新製品の発売により使う人のさまざまな場面での快適な住まいづくりを目指した製品の充実を進めています。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、148百万円であります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、たな卸資産、貸倒引当金、退職給付に係る負債等につき、合理的と考えられる諸々の要因に基づき見積り及び判断を行い、その結果を基礎として金額を算出しております。これらは期末時における資産・負債の金額及び会計期間の収益・費用の金額に影響を与えます。なお、これらの見積りは特有の不確実性があるため、将来における実際の結果と異なる場合があります。
当連結会計年度末における流動資産の残高は、32,967百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,203百万円増加しました。
その主な要因は、現金及び預金の増加2,454百万円、受取手形及び売掛金の増加1,814百万円、製品を中心としたたな卸資産の増加174百万円などによるものです。
当連結会計年度末における固定資産の残高は、19,867百万円となり、前連結会計年度末に比べ472百万円減少しました。
その主な要因は、有形固定資産の減少185百万円、投資有価証券の減少458百万円、繰延税金資産の増加190百万円などによるものです。
当連結会計年度末における流動負債の残高は、22,263百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,016百万円増加しました。
その主な要因は、支払手形及び買掛金の減少135百万円、短期借入金の減少181百万円、未払法人税等の増加829百万円、未払消費税等の増加691百万円などによるものです。
当連結会計年度末における固定負債の残高は、9,859百万円となり、前連結会計年度末に比べ330百万円増加しました。
その主な要因は、社債の増加220百万円、長期借入金の減少508百万円、退職給付に係る負債の増加630百万円などによるものです。
当連結会計年度末における純資産の残高は、20,712百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,383百万円増加しました。
その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加2,303百万円及び配当による利益剰余金の減少239百万円、自己株式の取得による減少182百万円、為替換算調整勘定の減少290百万円、退職給付に係る調整累計額の減少358百万円、非支配株主持分の増加169百万円などによるものです。
「第2 事業の状況、1 業績等の概要、(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しているため省略しております。
当連結会計年度(平成27年12月~平成28年11月)における我が国経済は、中国経済の減速や、英国のEU離脱に伴うヨーロッパ経済の不安定化など世界経済の下振れが懸念され、円高が進行するなか、政府の各種経済対策やマイナス金利の導入を含む大規模な金融緩和もあり、景気は緩やかな回復基調で推移し雇用情勢も改善しましたが、節約志向の強い個人消費の回復が振るわず、消費増税も先送りとなるなど先行き不透明な状況で推移しました。一方、住宅需要につきましては、住宅ローン金利の低下や政府による住宅取得支援策、相続税対策に伴う賃貸住宅の増加などにより、新設住宅着工戸数は堅調に推移いたしました。
こうしたなか当社グループは、モデルチェンジを実施し好評を博しているシリーズ「BINOIE(ビノイエ)」を中心に床材や建具など建材製品の拡販に努めるとともに、安心安全ユニバーサルデザイン(UD)など高齢者対応、環境、リフォーム、住宅の長寿命化等をテーマに、需要の掘り起こしに努めました。また、合板類については適切な生産、仕入、販売に努め、収益力の向上をはかりました。
さらに、製造コスト低減や設備投資による生産性向上、安全管理の徹底にも取り組みました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は64,922百万円となり、前連結会計年度に比べ4,165百万円の増加となりました。営業利益は3,569百万円となり、前連結会計年度に比べ2,459百万円の増加となりました。また、経常利益は3,713百万円となり、前連結会計年度に比べ2,122百万円の増加、親会社株主に帰属する当期純利益は2,303百万円となり前連結会計年度に比べ1,272百万円の増加となりました。