当連結会計年度(平成28年12月~平成29年11月)における我が国経済は、米国政権の政策や欧州の政治リスク、東アジアの地政学的リスクなどによる国内景気への影響が懸念されるなか、大規模な金融緩和をはじめ政府の各種経済対策の効果もあり、企業業績や雇用・所得環境に改善傾向が見受けられるなど、景気は緩やかな回復基調で推移しました。
一方、住宅需要につきましては、低水準な住宅ローン金利や政府による住宅取得支援策、賃貸住宅の増加などを背景に、新設住宅着工戸数は概ね堅調に推移してきましたが、分譲一戸建が引き続き堅調な一方、昨年夏場以降は、持家や貸家の着工数がやや減少に転じました。
こうしたなか当社グループは、床材や建具など建材製品の拡販や、製造コストの低減、製品短納期化による競争力の強化など利益率の改善に取り組みました。また、合板類については適切な生産、仕入、販売に努め、収益力の向上をはかりました。
これらの結果、当連結会計年度における連結業績は、売上高66,897百万円(前期比3.0%増)、営業利益4,474百万円(前期比25.4%増)、経常利益4,796百万円(前期比29.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,972百万円(前期比29.0%増)となり、大幅に改善いたしました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
住宅建材事業
住宅建材事業につきましては、デザイン性・施工性に優れた建具類のシリーズ「BINOIE(ビノイエ)」、斬新で表情豊かなインテリア空間を表現する建具とフローリングのシリーズ「Art Couture(アートクチュール)」、循環可能な木材資源である国産材合板を基材に使用したフローリングのシリーズ(「ナチュラルフェイス・Jベース」「Jシルキー」「Jクラレス」他)など建材製品の拡販に努めました。また、最近のトレンド変化に対応するため、これら国産材合板を基材に使用したフローリングの表面を特殊加工化粧シート(NEXシート)とした「Jネクシオ」を新たにラインナップしました。
さらに、安心安全ユニバーサルデザインなど高齢者対応、環境、リフォーム、住宅の長寿命化等をテーマに、高付加価値製品の提案に努めるとともに、地球環境に優しいリサイクル素材を使用し、耐震性能や劣化軽減性能に優れた構造用MDFの販売に注力いたしました。加えて、ビノイエなど売れ筋品からセレクトした短納期対応製品「レギュラーズセレクション」も展開、リフォーム・リノベーション需要獲得に向けた体制整備をはかりました。なお、これら建材製品の原材料であるMDFは製造コストが上昇し、損益の圧迫要因となりました。
この結果、住宅建材事業の売上高は40,802百万円(前期比0.6%減)、セグメント利益は2,839百万円(前期比13.4%減)となりました。
合板事業
国産針葉樹合板は、依然として業界全体の製品在庫水準が低く、当社及び子会社の生産、販売が好調に推移するなか、販売価格は緩やかな値上がり傾向で安定した合板相場が続いたことから、平成27年5月に稼動を開始した当社合板工場も収益に貢献し、前年同期に比べ売上高・利益とも増加いたしました。一方、輸入南洋材合板は、生産現地の原木伐採税の増税をきっかけとする市況の先高感のほか、急激な円安による一時的な要因もあり販売数量が増加し、前年同期に比べ売上高・利益とも増加いたしました。
この結果、合板事業の売上高は26,095百万円(前期比9.4%増)、セグメント利益は3,079百万円(前期比87.5%増)となりました。
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ3,567百万円増加し、 14,614百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益4,741百万円となり、減価償却費の計上による1,935百万円の増加や、持分法投資利益の計上による223百万円の減少、売上債権の増加による516百万円の減少、たな卸資産の減少による1,256百万円の増加、仕入債務の増加による485百万円の増加、未払消費税等の減少による443百万円の減少、法人税等の納付による1,588百万円の減少などの要因から、6,103百万円の収入(前期は4,917百万円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資などの有形固定資産の取得による2,129百万円の減少などの要因から、1,844百万円の支出(前期は1,426百万円の支出)となりました。
また、財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の借入による1,400百万円の増加、長期借入金の返済による1,533百万円の減少、配当金の支払額301百万円などの要因から、691百万円の支出(前期は1,026百万円の支出)となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
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住宅建材事業 |
21,979 |
95.5 |
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合板事業 |
13,109 |
100.5 |
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合計 |
35,089 |
97.3 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、製品製造原価によっており、消費税等は含まれておりません。
当社グループの生産は主に見込生産を行っているため、記載を省略しています。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
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住宅建材事業 |
40,802 |
99.4 |
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合板事業 |
26,095 |
109.4 |
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合計 |
66,897 |
103.0 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 主な相手先別の販売実績及びそれぞれ総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 |
相手先 |
当連結会計年度 |
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販売高(百万円) |
割合(%) |
販売高(百万円) |
割合(%) |
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三井住商建材㈱ |
25,361 |
39.1 |
SMB建材㈱ |
35,176 |
52.6 |
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丸紅㈱ |
7,097 |
10.9 |
伊藤忠建材㈱ |
6,938 |
10.4 |
(注)当連結会計年度において、相手先である三井住商建材㈱は、丸紅建材㈱と平成29年1月1日に事業統合し、商号をSMB建材㈱に変更しております。なお、上記金額には、事業統合前の三井住商建材㈱と丸紅建材㈱への売上高を含めて記載しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは「優れた建材製品の製造・販売を通じ、より良い住空間の創造につとめ、もって社会の発展に寄与し強い総合建材メーカーとなる」ことを目指しております。長年培ってきた合板、MDF(中質繊維板)など木質系建材の素材についてのノウハウを生かし、多様化するユーザーのニーズに適合した総合的な製品群を安定的に提供することにより社会に貢献してまいります。これらの企業活動を通じ、営業基盤の拡充、経営資源の最適活用、コスト競争力の強化に努め永続的な収益力の向上をはかることにより、株主、取引先、従業員など全ての利害関係者の信頼にお応えしてまいります。
当社グループは、各種施策の徹底により収益力の強化をはかり、業績の向上や企業体質の強化に努めておりますが、その進捗度合いをはかる経営指標として「営業利益」「経常利益」などの損益項目に加え「自己資本比率」「売上高経常利益率」を重視しています。
当社グループは、激変する経営環境に耐えうる低コスト体質の構築をはかり、業績や収益力の向上を目指してまいります。
当業界の指標である新設住宅着工戸数は、少子化、増加した住宅ストック等の観点から減少すると予想しておりますが、高齢化が進展するなか安心安全・快適な住環境の確保や、老朽化した住宅の建替え、リフォーム需要など、住環境の改善に対する潜在的なニーズには根強いものがあると確信しており、当社グループは多様化するユーザーのニーズを迅速、的確にとらえるとともに、不安定な為替相場や木質系建材の原材料である原木の資源問題について適切に対応するため、国産材の活用をはじめ、原材料調達パイプの多様化や、原材料の分散化を進め、競争力のある製品開発に役立て、顧客ニーズに合致した無駄のない品揃えや一層の品質向上、積極的な需要の開拓に努め、業績向上と企業体質の強化に努めてまいります。
当社グループを取り巻く事業環境は、低水準な住宅ローン金利や政府の住宅取得支援策、賃貸住宅の増加などを背景に、新設住宅着工戸数は概ね堅調に推移してきましたが、分譲一戸建が引き続き堅調な一方、昨年夏場以降は、持家や貸家の着工戸数が減少に転じ、先行き不透明な事業環境が続くものと予想されます。
当社グループは、このような事業環境のもと、床材や建具、住宅構造材など主力の建材製品のシェアアップに努めるとともに、これら建材製品の原材料として、地球環境に優しいリサイクル素材のMDF(中質繊維板)や、循環可能な木材資源であり円安の影響を受けにくい国産材合板を積極的に活用し収益力の向上に努めてまいります。また、一層の生産性向上をはかるため、設備投資による省力化やITの活用、人材育成などを推進し、コスト競争力の強化、製品競争力の強化、営業機能の強化、安全管理の徹底など、各種施策を引き続き実施してまいります。加えて、高齢化社会(サ高住、介護施設など)、環境(リサイクル素材、循環可能な木材資源である国産材の活用促進)、リフォーム(短納期生産体制)、住宅の長寿命化、ペット共生など、多様化する顧客ニーズに合致した商品展開を推進しマーケットの新規開拓をはかり、更なる収益力の向上と企業体質の強化に努めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成29年11月30日)現在において当社グループが判断したものです。
当社グループの属する建材業界は、新設住宅着工戸数の動向に影響を受けます。当社グループの業績は、新設住宅のなかでも持家の建築動向に深い関係がありますが、貸家、分譲住宅、高齢者施設などの非住宅市場やリフォーム市場等の一層の開拓に注力するなど、その影響の軽減をはかっております。
当社グループ製品の主要原材料である輸入木材・輸入合板は、国際相場や為替動向等による価格変動を受けやすく、仕入価格に大きな変化があった場合には当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、木材資源国の伐採規制等の動向によっては、調達が難しくなるリスクも内在しています。
当社グループは、為替変動の影響を最小限に抑えるように各種手段を講じるとともに、製品、原材料の調達パイプの多様化、分散化を進め、それらのリスクの軽減に努めております。
当社グループでは、自然災害の発生に備え定期的な設備点検及び緊急時における連絡体制の整備等を行っておりますが、主力工場が静岡県に集中しているため、この地域に大地震等の大規模な自然災害が発生した場合には、生産活動の停止や配送の遅延等により、当社グループの業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが営む住宅建材事業や合板事業の製品とサービスは、国内競合他社との激しい競争にさらされておりますが、今後、さらに企業間競争が激化した場合には、製品販売価格の下落や販売数量の減少に伴う収益性の低下が生じるおそれがあり、これにより当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、製品の品質管理には細心の注意を払っておりますが、万一、製品の欠陥による品質問題が発生した場合、欠陥に起因する損害に対しては損害賠償などの費用が発生するおそれがあり、これにより当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
合弁事業契約
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契約 |
締結年月日 |
相手先名 |
国名 |
契約内容 |
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当社 |
1989年 |
スラインダー社 |
インドネシア |
・当社は同社製品を日本国内において販売 ・内装建具の製造に関する技術援助及び製品規格・デザインに関する情報を提供 |
(注) 同社との関係内容は、第1 企業の概況 4 関係会社の状況に記載しております。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、170百万円であります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、たな卸資産、貸倒引当金、退職給付に係る負債等につき、合理的と考えられる諸々の要因に基づき見積り及び判断を行い、その結果を基礎として金額を算出しております。これらは期末時における資産・負債の金額及び会計期間の収益・費用の金額に影響を与えます。なお、これらの見積りは特有の不確実性があるため、将来における実際の結果と異なる場合があります。
当連結会計年度末における流動資産の残高は、35,785百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,817百万円増加しました。
その主な要因は、現金及び預金の増加3,567百万円、受取手形及び売掛金の増加516百万円、製品を中心としたたな卸資産の減少1,250百万円などによるものです。
当連結会計年度末における固定資産の残高は、20,119百万円となり、前連結会計年度末に比べ252百万円増加しました。
その主な要因は、有形固定資産の減少22百万円、投資有価証券の増加613百万円、繰延税金資産の減少170百万円などによるものです。
当連結会計年度末における流動負債の残高は、22,041百万円となり、前連結会計年度末に比べ221百万円減少しました。
その主な要因は、支払手形及び買掛金の増加485百万円、短期借入金の増加115百万円、未払法人税等の減少245百万円、その他に含まれる未払消費税等の減少443百万円などによるものです。
当連結会計年度末における固定負債の残高は、9,496百万円となり、前連結会計年度末に比べ362百万円減少しました。
その主な要因は、長期借入金の減少288百万円、退職給付に係る負債の増加166百万円、役員退職慰労引当金の減少413百万円、長期未払金の増加247百万円などによるものです。
当連結会計年度末における純資産の残高は、24,366百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,654百万円増加しました。
その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加2,972百万円及び配当による利益剰余金の減少301百万円、その他有価証券評価差額金の増加347百万円、為替換算調整勘定の増加176百万円、非支配株主持分の増加432百万円などによるものです。
「第2 事業の状況、1 業績等の概要、(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しているため省略しております。
当連結会計年度(平成28年12月~平成29年11月)における我が国経済は、米国政権の政策や欧州の政治リスク、東アジアの地政学的リスクなどによる国内景気への影響が懸念されるなか、大規模な金融緩和をはじめ政府の各種経済対策の効果もあり、企業業績や雇用・所得環境に改善傾向が見受けられるなど、景気は緩やかな回復基調で推移しました。
一方、住宅需要につきましては、低水準な住宅ローン金利や政府による住宅取得支援策、賃貸住宅の増加などを背景に、新設住宅着工戸数は概ね堅調に推移してきましたが、分譲一戸建が引き続き堅調な一方、昨年夏場以降は、持家や貸家の着工数がやや減少に転じました。
こうしたなか当社グループは、床材や建具など建材製品の拡販や、製造コストの低減、製品短納期化による競争力の強化など利益率の改善に取り組みました。また、合板類については適切な生産、仕入、販売に努め、収益力の向上をはかりました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は66,897百万円となり、前連結会計年度に比べ1,974百万円の増加となりました。営業利益は4,474百万円となり、前連結会計年度に比べ905百万円の増加となりました。また、経常利益は4,796百万円となり、前連結会計年度に比べ1,083百万円の増加、親会社株主に帰属する当期純利益は2,972百万円となり前連結会計年度に比べ668百万円の増加となりました。