文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、持続的に成長し社会に貢献する企業であり続けるため、以下の通り経営理念を定めております。
主体的に価値創造に挑戦することにより個の成長を促し、さらなる社会貢献を実現できる企業となる。
・木の良さを活かして快適な空間創造に寄与する。
・木をムダなく使い持続可能な森林循環に貢献する。
共生・誠実・しんか(深化・進化・伸化・新化)
これら経営理念を具現化するため、ビジョン2030「木の心地よさを住まいから様々な空間へ」を掲げ、より成長できる企業になることを目指してまいります。
そのための経営戦略として以下の3つを定めるとともに、理念を実現するために当社グループの全役職員が共有する基本姿勢として以下の3つを定めております。
・木の良さを活かす事業領域への集中
・様々な空間へ対象を拡大しバリューチェーンにおける競争力を強化
・財務・非財務両面の経営基盤の強化
・SDGsとリンクしたCSV(共通価値の創造)の推進
・ガバナンスの強化
・コミュニケーションと挑戦を促す企業文化
当社グループは、長年培ってきた合板、MDF(中質繊維板)など木質系建材の素材についてのノウハウを生かし、多様化するユーザーのニーズに適合した総合的な製品群を安定的に提供することにより社会に貢献してまいります。
なお、当業界の指標である新設住宅着工戸数は、少子化、増加した住宅ストック等の観点から減少すると予想しておりますが、高齢化が進展するなか安心安全・快適な住環境の確保や、老朽化した住宅の建替え、リフォーム需要など、住環境の改善に対する潜在的なニーズには根強いものがあると確信しており、当社グループは多様化するユーザーのニーズを迅速、的確にとらえてまいります。また、住宅向けだけでなく、公共・商業施設や宿泊施設など非住宅分野向けの製品開発や販路拡大に取組み、新たな市場の開拓を図ってまいります。
さらに、為替相場や海外情勢、原材料の資源問題、自然災害や感染症拡大による物流停滞について適切に対応するため、国産材の活用をはじめ、原材料調達パイプの多様化や、原材料の分散化を進めるとともに、一層の品質向上にも努めてまいります。
これらの企業活動を通じ、営業基盤の拡充、経営資源の最適活用、コスト競争力の強化、営業基盤の拡充に努め、永続的な収益力の向上をはかることにより、株主様、取引先様、従業員など全ての利害関係者の信頼にお応えしてまいります。
当社グループは、持続的に企業価値の向上を図るために、各種施策の徹底により収益力の強化をはかり、業績の向上や企業体質の強化に努めておりますが、その進捗度合いをはかる経営指標として「営業利益」「経常利益」などの損益項目に加え、「自己資本比率」「売上高経常利益率」を重視し、収益力の高さを維持する経営を実践してまいります。
新設住宅着工戸数は、国内人口や世帯数の減少に伴い長期的に減少傾向で推移すると見込まれておりますが、すでに戸建を中心に低迷が続いており、2025年11月期も本格的な回復は見込めない厳しい事業環境が予想されます。一方で、住み替え需要は底堅いものがあり、貸家市場やリフォーム・リノベーション市場は今後も比較的堅調に推移するものと思われます。また、法改正等により建築物の省エネ化や構造計算に関する規制が強化され、優れた強度や透湿性を持つ耐力面材の需要がさらに高まることが期待されます。
当社グループはこのような事業環境のもと、新規顧客の獲得や既存顧客との取引深耕を図るため、新築戸建市場における競争力強化に加え、貸家・リフォーム市場のさらなる開拓を推進します。そのための取り組みとして、深刻化する職人不足の解決に貢献する省施工製品の開発・拡充や、連結子会社㈱ナフィックスや各地の施工業者との連携による材工販売の拡大、HBWのさらなる拡販、多様なニーズに応えるデザインや機能を備えた新製品の投入などにより、付加価値の高い提案活動に注力し、安定的な収益の確保に努めます。また、2025年11月期より連結範囲に含める子会社㈱アリモト工業との営業・施工分野での連携をさらに強化し、非住宅分野の開拓も一層推進いたします。合板やMDFなど素材につきましては、引き続き需要動向を注視しながら適切な仕入・生産を行い、コストに見合った適正な販売価格の設定に努めるとともに、中・大規模建築物向けなど用途拡大のための研究開発にも取り組みます。さらに、原材料や製造工程の見直しや、効果的な販促活動の徹底、配送効率の向上、固定費のコントロールなど、生産性向上やコスト削減の徹底により収益性を改善するとともに、IT投資や人材育成、職場環境改善の推進、災害対策や安全管理の徹底など各種施策を引き続き実施して、経営基盤の強化に努めます。
なお、これらと並行し、SDGsへの取り組みとして、植林により再生可能な木材資源である国産材を使用した国産針葉樹合板や、再生資源・未利用資源である廃木材のチップを使用したMDFを積極的に活用するとともに、健全な森林を整備するため、これらの原材料として間伐材を積極的に受け入れることで、引き続きCO2の削減や持続可能な森林循環に貢献いたします。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、様々な要因により実際の結果とは異なる可能性があります。
当社は、
また、取引先、従業員、株主・投資家、地域社会など様々なステークホルダーと信頼関係を構築するため、経営理念に基づき次に掲げる「サステナビリティ基本方針」を定めています。この基本方針のもと、事業活動を通じて社会の持続可能な発展に貢献し、企業価値の向上に努めています。
さらに、ビジョン2030の実現に向けたワーキンググループにおいて、ESG・SDGsに関する取組みの推進に向けた議論や報告を定期的に実施しており、その進捗状況については代表取締役をはじめ社内の取締役が参加する会議体で報告しております。
間伐材を積極的に活用することで森林整備に貢献するとともに、自社や他社の工場から出る端材や木造建物の解体材などをリサイクルできる材料として活用することで、木を無駄なく使用し、地球環境の保護に取組みます。
また、国産材・植林木を利用することで森林循環を促進し、これらの取組みにより木質資源の有効利用を積極的に行い、CO2の削減及び地球環境との共生を推進します。
世の中の人々が末永く安心・安全・快適に生活できる空間を実現するため、地震に強い構造部材や建築工法、誰もが安心して暮らせる住まいに役立つバリアフリー対応建材など優れた機能と品質をもつ製品を提供します。
また、幅広いコーディネートを可能にする様々な色柄・デザインの建材を取り揃え、多様なライフスタイルに対応いたします。
従業員が能力を最大限に発揮できるための人事制度や教育研修体系を整備することで、挑戦を繰り返し価値創造を実現できる人材の育成に取組みます。
また、従業員がいきいきと仕事に取組むことができる健康で安全な職場環境の整備に努めます。
人権を尊重し、サプライチェーンにおける強制労働や児童労働など人権侵害の排除に努めます。
当社グループは、主体的に価値創造に挑戦することにより個の成長を促し、さらなる社会貢献を実現できる企業を目指しております。
個の成長のための方針として、「業務を通じて専門性を高める」、「部署の垣根を越えて、ともに考え成長する機会を設ける」、「業務に関連する幅広い知識やスキルの習得を促す」を掲げ、専門性の高い次世代を担う人材の育成を行っております。
そのための取組みとして、各職場において担当分野や全社横断プロジェクトへの参画を通じて知識と経験を積み重ねていくことに加え、様々な部署のメンバーが参加する各種階層別研修の定期的な実施によるマネジメント能力やコミュニケーション能力の向上を目指しています。また、スキルマップを用いた現場教育の実施とスキル向上を進めながら、各種資格取得や通信教育の奨励等を実施しており、今後もこれらの取組みを推進してまいります。
誰もが働きやすい環境づくりのための方針として、「柔軟な働き方」、「労働生産性の向上」、「育児と仕事の両立」を掲げ、テレワークや時差出勤、時短勤務ができる体制の整備や、ITツールを活用した業務の効率化、ハラスメント研修の開催、定期的な社員意識調査の実施、年次有給休暇や産休・育児休業の取得奨励などに取組み、社員の定着や職場環境の整備・改善を図っております。
なお、当社における育児休業を取得した社員の職場復帰率は男女とも100%であり、2024年11月期は男性2名、女性5名が育児休業等・育児目的休暇を取得いたしました。出産・育児後も働きやすい環境づくりに今後も取組んでまいります。
当社グループのリスク管理体制は、
当社の取締役会では毎年、環境問題などサステナビリティ関連を含むリスクの洗い出しや分析・評価を行い、事業の継続に影響を及ぼす可能性のある重大なリスクを中心に対応方針等について審議・監督を行い、リスクの軽減や発生した場合における被害の最小化に努めています。
人的資本に係る指標については、
当社は、「(2) 戦略 ①人材育成方針 ②社内環境整備方針」に記載の各取組みを推進し、次世代を担う人材の育成や年次有給休暇・育児休業の取得率向上等に努めてまいります。なお、育児休業を取得した当社社員の職場復帰率については、今後も100%の維持を目指してまいります。その他の人的資本に係る数値目標の設定については、今後必要に応じて検討してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
当社グループの属する建材業界は、新設住宅着工戸数の動向に影響を受けます。当社グループの業績は、新設住宅のなかでも持家と分譲戸建ての建築動向に深い関係がありますが、高齢者施設などの非住宅市場やリフォーム市場等の一層の開拓に注力するなど、その影響の軽減をはかっております。
当社グループ製品の輸入合板・MDF、及び一部の原材料は、国際相場や為替動向等による価格変動を受けやすく、仕入価格に大きな変化があった場合には当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、木材資源国の伐採規制等の動向によっては、調達が難しくなるリスクも内在しています。
当社グループは、為替変動の影響を最小限に抑えるように各種手段を講じるとともに、製品、原材料の調達パイプの多様化、分散化を進め、それらのリスクの軽減に努めております。
大規模な自然災害や火災等の事故が発生した場合、生産活動の停止や配送の遅延、棚卸資産や機械設備の破損等により、当社グループの業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、生産拠点や営業拠点において、地震・台風などの自然災害や火災等に備え、耐震対策や定期的な設備の点検・改良、緊急連絡体制の整備、緊急時対応マニュアルの見直し、防災訓練等の対策を行っております。また、物的損害、復旧費用及び操業停止による機会損失を補填するため、損害保険によるリスクヘッジも行っております。
当社グループが営む住宅建材事業や合板事業の製品とサービスは、国内競合他社との激しい競争にさらされておりますが、今後、さらに企業間競争が激化した場合には、製品販売価格の下落や販売数量の減少に伴う収益性の低下が生じるおそれがあり、これにより当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、引き続き市場の需給状況を注視するとともに、高付加価値製品の開発による差別化や市場におけるシェアアップに取組み、それらのリスクの軽減に努めております。
当社グループは、製品の品質管理には細心の注意を払っておりますが、万一、製品の欠陥による品質問題が発生した場合、欠陥に起因する損害に対しては損害賠償などの費用が発生するおそれがあり、これにより当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
新型ウイルス等の感染症の拡大は、経済活動の停滞リスクがあり、当社グループの生産・営業活動や業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、人命の安全確保と生産・営業活動継続のため、職場内でクラスターを発生させないことを最優先事項として社内ガイドラインを制定し、時差出勤及び在宅勤務の実施やWeb会議システムの導入など柔軟な勤務体制の確立や、感染状況・社会情勢等を踏まえた自社工場への出張・訪問等の制限、基本的感染予防策の徹底等により生産・営業活動への影響を最小化するための対策を行っております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度末における流動資産の残高は、47,180百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,621百万円 減少しました。その主な要因は、現金及び預金の減少605百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の増加741百万円、原材料を中心とした棚卸資産の減少2,301百万円などによるものです。
当連結会計年度末における固定資産の残高は、27,002百万円となり、前連結会計年度末に比べ567百万円減少しました。その主な要因は、設備投資などによる有形固定資産の増加441百万円、無形固定資産の減少190 百万円、投資有価証券の増加682百万円、繰延税金資産の減少1,490百万円などによるものです。
当連結会計年度末における流動負債の残高は、25,535百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,495百万円増加しました。その主な要因は、支払手形及び買掛金の増加502百万円、短期借入金の減少261百万円、未払法人税等の減少101百万円、設備関係支払手形の増加1,464百万円などによるものです。
当連結会計年度末における固定負債の残高は、9,725百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,434百万円増加しました。その主な要因は、長期借入金の増加636百万円、繰延税金負債の増加901百万円、リース債務の減少29百万円、長期未払金の減少24百万円などによるものです。
当連結会計年度末における純資産の残高は、38,922百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,118百万円減少 しました。その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純損失の計上による利益剰余金の減少4,612百万円及び配当による利益剰余金の減少753百万円、その他有価証券評価差額金の増加444百万円、為替換算調整勘定の増加168百万円、非支配株主持分の増加172百万円などによるものです。
その結果、「自己資本比率」は45.2%となり前連結会計年度末50.8%に比べ5.6%の減少となりました。
当連結会計年度(2023年12月~2024年11月)におけるわが国経済は、雇用・所得環境に改善の動きが見られたものの、物価上昇が続くなか個人消費は力強さを欠き、また、ロシア・ウクライナ問題の長期化や中東情勢の悪化、不安定な為替相場など、景気の先行きは依然として不透明な状況が続きました。
住宅業界においては戸建を中心に需要の低迷が続いており、建築費高騰や職人不足などの影響から当連結会計年度の新設住宅着工は、前期に比べ総戸数3.5%減、床面積5.4%減となりました。また、住宅着工の不振などを受け、合板の荷動きも低調に推移しており、引き続き各社で生産量や入荷量の調整が行われました。
このような厳しい事業環境において当社グループは、収益確保のため、労働生産性の向上や固定費のコントロール、原材料の見直し、配送効率の向上など各種コストダウンの徹底に取り組みました。また、内装建材シリーズ「カナエル」の定着・拡販に注力するとともに、合板やMDF(中質繊維板)など素材については、市場動向や製造・輸入原価に即した販売価格の設定と適正な在庫水準の維持をはかりながら、シェアの確保に努めました。しかしながら、住宅の着工減が響き販売量が伸び悩むなか、原材料・副資材コストは引き続き高水準で推移し、さらに、物流コストの上昇や国産針葉樹合板の販売価格低下なども利益の圧迫要因となり、収益性は低下いたしました。
これらの結果、当連結会計年度における連結業績は、次のとおりです。
売上高 67,039百万円(前期比△6,188百万円 8.5%減)
営業利益 444百万円(前期比△4,257百万円 90.5%減)
経常利益 675百万円(前期比△4,344百万円 86.5%減)
親会社株主に帰属する当期純損失 4,612百万円(前期比△7,446百万円 262.7%減)
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
内装建材シリーズ「カナエル」をてこに、意匠性や省施工など多様なニーズに応える高付加価値製品の提案活動を継続するとともに、充実したラインナップの防音フロアやバリアフリー商品群「ユニバーサル ディレクト」等の拡販にも引き続き注力いたしました。さらに、軽量・重量いずれの床衝撃音も低減する木造遮音・防火工法「シャーオン」の本格展開を第3四半期より開始し、木造集合住宅等における生活音対策として同工法の提案を積極的に行いました。これらの取り組みによって、新築戸建市場における需要の掘り起こしに加え、比較的堅調な貸家市場や、リフォーム・リノベーション市場、高齢者施設や公共・商業施設など非住宅市場のさらなる開拓を推進し、シェアの確保に努めました。
MDFについては、相次ぐ地震災害や国・自治体によるZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)普及促進を踏まえ、耐震性能や透湿性能に優れた「HBW」(構造用ハイベストウッド)の提案強化を引き続き推進いたしました。
しかしながら、住宅の着工減などの影響から建材・MDF製品全般について販売量が回復しないなか、生産調整の継続や高水準で推移する原材料・副資材価格などが利益を圧迫いたしました。この結果、住宅建材事業の売上高は40,329百万円(前期比4.8%減)、セグメント損失は10百万円(前期はセグメント利益442百万円)となりました。
合板事業
合板については、国産・輸入いずれも需要の低迷により販売量が低水準で推移する厳しい状況が続きました。
国産針葉樹合板は、国内出荷量が低迷するなか、当社グループを含めた合板メーカー各社は生産調整を継続いたしました。10月以降、ようやく荷動きに持ち直しの動きが見られたものの、販売価格は期を通じて値下がり傾向で推移いたしました。
輸入南洋材合板は、前期において港頭在庫の調整が進んだことから入荷量に持ち直しの動きが見られたものの、国内需要は依然として弱含みであり、販売価格は緩やかな値下がり傾向となりました。また、円安等の影響で仕入コストが高止まりとなり、採算性が悪化する厳しい状況が続きました。
この結果、合板事業の売上高は26,710百万円(前期比13.5%減)、セグメント利益は2,210百万円(前期比63.1%減)となりました。
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ605百万円減少し、21,739百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失1,581百万円となり、減価償却費の計上による2,115百万円の増加や、減損損失の計上による2,112百万円の増加、持分法投資利益の計上による107百万円の減少、売上債権の増加による740百万円の減少、棚卸資産の減少による2,343百万円の増加、仕入債務の増加による436百万円の増加、未払消費税等の増加による24百万円の増加、法人税等の納付による516百万円の減少などの要因から、3,647百万円の収入(前期は3,713百万円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資などの有形固定資産の取得による2,836百万円の減少などの要因から、2,894百万円の支出(前期は3,632百万円の支出)となりました。
また、財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の借入による1,800百万円の増加、長期借入金の返済による1,177百万円の減少、リース債務返済による314百万円の減少、配当金の支払による753百万円の減少、自己株式の取得による468百万円の減少などの要因から、1,361百万円の支出(前期は805百万円の収入)となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、製品製造原価によっております。
当社グループの生産は主に見込生産を行っているため、記載を省略しています。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及びそれぞれ総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当連結会計年度(2023年12月~2024年11月)におけるわが国経済は、雇用・所得環境に改善の動きが見られたものの、物価上昇が続くなか個人消費は力強さを欠き、また、ロシア・ウクライナ問題の長期化や中東情勢の悪化、不安定な為替相場など、景気の先行きは依然として不透明な状況が続きました。
住宅業界においては戸建を中心に需要の低迷が続いており、建築費高騰や職人不足などの影響から当連結会計年度の新設住宅着工は、前期に比べ総戸数3.5%減、床面積5.4%減となりました。また、住宅着工の不振などを受け、合板の荷動きも低調に推移しており、引き続き各社で生産量や入荷量の調整が行われました。
このような厳しい事業環境において当社グループは、収益確保のため、労働生産性の向上や固定費のコントロール、原材料の見直し、配送効率の向上など各種コストダウンの徹底に取り組みました。また、内装建材シリーズ「カナエル」の定着・拡販に注力するとともに、合板やMDF(中質繊維板)など素材については、市場動向や製造・輸入原価に即した販売価格の設定と適正な在庫水準の維持をはかりながら、シェアの確保に努めました。しかしながら、住宅の着工減が響き販売量が伸び悩むなか、原材料・副資材コストは引き続き高水準で推移し、さらに、物流コストの上昇や国産針葉樹合板の販売価格低下なども利益の圧迫要因となり、収益性は低下いたしました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は67,039百万円となり、前連結会計年度に比べ6,188百万円の減少となりました。営業利益は444百万円となり、前連結会計年度に比べ4,257百万円の減少となりました。また、経常利益は海外関連会社の持分法による投資利益や受取配当金等により675百万円となりましたが、前連結会計年度に比べ4,344百万円の減少となりました。これにより当連結会計年度の売上高経常利益率は1.0%となり、前連結会計年度に比べ5.9%の減少となりました。なお、減損損失の計上や繰延税金資産の取り崩しにより、親会社株主に帰属する当期純損失は、4,612百万円となり前連結会計年度に比べると7,446百万円の減少となりました。
当連結会計年度の財政状態につきましては、「第2 事業の状況、4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析、(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況、4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析、② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
また、当社グループの資金需要は、主に製品製造のための原材料・副資材の調達や製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用の支払いにより生じる運転資金と、生産設備の新設及び更新による設備投資資金であります。
なお、当社グループの事業活動を円滑に行うため、営業キャッシュ・フローのほか、安定的な財源確保のため金融機関からの借入金により資金調達を実施しております。
当社グループの当連結会計年度末の借入金の残高は9,701百万円でありますが、営業活動によるキャッシュ・フローや現金及び現金同等物の残高を考慮すると、将来必要とされる運転資金及び設備投資資金、有利子負債の返済に対し、当面十分な流動性を確保しております。
該当事項はありません。
当グループの研究開発は、「木の心地よさを住まいから様々な空間へ」をビジョンに、木の良さを活かして快適な空間創造に寄与し、木をムダなく使い持続可能な森林循環に貢献する製品開発を基本理念にしております。
特に以下の5分野においてニーズのマッチした独自の提案型製品の研究開発に取り組んでおります。
(1)木をムダなく使い、木の良さを活かして快適な空間創造に寄与
・再生資源、未利用資源である廃木材のチップを繊維化・加熱・圧縮したMDFを活用した製品
の開発
・ヒノキ・スギなど植林により再生可能な国産針葉樹を活用した製品の開発
(2)様々なライフスタイルに対応した安全・快適に関する分野
・多様化しているライフスタイルに対応した製品の開発
・賃貸住宅に対応した製品の開発
・安全、安心に暮らせる製品の開発
(3)リフォームに関する分野
(4)省施工製品に関する分野
(5)防災に関する構造用面材の分野
当連結会計年度において、建具、収納、フロア等のコーディネート商品群「カナエル」の拡充として住宅着工が低迷している中でも堅調に推移している賃貸住宅において木造においてはALC+特殊接着剤を組み合わせた床防音システム「シャーオン」を開発、及びRC造へ対応する製品の機能、サイズ、デザイン開発を行い順次市場投入を行っております。
フロアにおいてはヒノキを硬質化し耐傷性を向上させたヒノキフロアを開発、今後、国産材フロアのラインナップを充実させていきます。デザイン展開として流行りのグレージュ系色の突板化粧フロア「グレースフェイス」、シートフロアにサニタリーに対応可能な石目調フロア「クオルテ」、表面に溝加工のないシンプルなデザインの「ルッソ」及び対応する框等周辺部材の追加投入を行いました。
省施工化への取り組みとして収納ボックスの組立が短時間で施工が可能な組立方法の開発を行い、手間が掛かる玄関収納へ展開を図っております。また、現場での加工を工場で行う完全プレカットの推進、造作材の継ぎ手の施工を容易にするカバー材の開発を行いました。
リフォームにおいては既存床に上貼り可能な薄く、加工が容易、接着剤を使用せず養生期間が不要な「カナエルリフォームフロア」を簡単に固定の強化ができるようリニューアルを行いました。
今後もユーザー様からのご意見、ご要望に応じた様々な商品開発、改善を行ってまいります。
これからも快適な住まいづくりに貢献する製品開発を進めていきます。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、