当期の日本経済は、政府の経済政策や日銀の金融政策もあり、一部に企業収益の改善や雇用の改善も見られましたが、中国経済の成長鈍化など今後の世界経済への懸念も増しており、先行き不透明な状況で推移いたしました。紙パルプ産業においては、電子媒体への移行に伴う国内紙需要の構造的減少が続いており、厳しい事業環境のまま推移いたしました。
このような状況下、当社グループは、平成25年11月に策定した「第1次中期経営計画フェーズ2ローリングプラン」の最終年度として、「成長に向けての収益基盤強化」を目指した諸施策への取り組みを行い、当期は前期に引き続き、八戸構造改革の推進などコストダウン諸施策を強力に進めてまいりました。
紙・パルプ事業につきましては、情報用紙を中心に国内向けが堅調であったことに加え、印刷用紙の輸出にも注力し、販売数量は増加いたしました。また、これらの増販に対応するため、一時休止していた八戸工場3号抄紙機を昨年7月より再稼働しております。
イメージング事業につきましては海外市場で写真感光材料が競争激化の影響を受けましたが、インクジェット用紙が業務用途を中心に伸長するなど全般的に堅調に推移いたしました。
機能材事業につきましては、不織布の水処理膜用支持体、海外向けリライトメディア、バッテリーセパレータの販売増により、販売金額は増加いたしました。
この結果、連結売上高は2,163億4千万円(前期に比べ0.6%増)となりました。損益面では、円安による原材料価格の高騰など減益要因があったものの、洋紙価格の修正、イメージング事業の損益改善、機能材料の拡販、労務費削減などによるコストダウン効果等の増益要因があり、連結経常利益は22億1千6百万円(前期に比べ1,535.9%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は22億1千7百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失42億7千2百万円)となりました。
当社単体では、売上高は1,158億9千4百万円、経常利益は28億7千4百万円、当期純利益は33億5千1百万円となりました。
①紙・パルプ事業
国内向けにつきましては、情報用紙を中心に販売数量は増加いたしました。輸出につきましては、印刷用紙に加え産業用インクジェット用紙の拡販にも取り組みました。その結果、販売数量は増加し、販売金額は価格修正効果等により増加いたしました。
欧州子会社におきましては、主力製品のノーカーボン紙・感熱紙ともに拡販に注力し、販売数量は増加いたしましたが、販売金額は為替の影響もあり減少いたしました。
市販パルプにつきましては、販売数量は減少いたしましたが、円安などから販売金額は増加いたしました。
このほか、販売金額は連結会社間の一部商流変更による減少がありました。
以上の結果、紙・パルプ事業全体の売上高は1,643億1千9百万円と、前期比0.7%減となり、営業利益は2億2千6百万円(前期は営業損失13億2千6百万円)となりました。
②イメージング事業
国内市場におきましては、写真感光材料や印刷製版材料が堅調に推移し、販売金額は前期並みとなりました。
海外市場におきましては、写真感光材料が競争激化に伴う市場環境悪化の影響を受けましたが、インクジェット用紙が業務用途を中心に伸張するなど全般的に受注は安定しており、円安効果もあって販売金額は増加いたしました。
以上の結果、イメージング事業全体の売上高は417億6千5百万円と、前期比4.1%減となり、営業利益は24億円と、前期比62.0%増となりました。
③機能材事業
機能材料につきましては、海外家電向けフィルターが低調で販売金額が減少いたしましたが、水処理膜支持体、海外向けリライトメディアの販売増、また、大手電池メーカー向けバッテリーセパレータの販売立ち上げなどにより、販売金額は増加いたしました。化学紙につきましては、壁紙用裏打紙が低迷し、販売金額は減少いたしました。
以上の結果、機能材事業全体の売上高は169億2千8百万円と、前期比0.5%増となり、営業利益は9億2百万円と、前期比60.8%増となりました。
④その他
工務関連子会社の売上高増加等により、売上高は158億1千万円と、前期比4.4%増となり、営業利益は3億7千1百万円と、前期比5.9%減となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ87億1千8百万円増加し、126億2千6百万円となりました。これは、税金等調整前当期純利益30億1千8百万円、減価償却費106億6千2百万円、たな卸資産の減少32億1千万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ9億7千7百万円増加し、21億4千5百万円となりました。これは、有形及び無形固定資産の取得による支出41億9千6百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ11億6千1百万円増加し、57億3千7百万円となりました。これは、有利子負債の削減等によるものです。
以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ48億7千6百万円増加し、113億8千1百万円となりました。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
紙・パルプ事業 | 134,703 | 99.7 |
イメージング事業 | 27,801 | 103.9 |
機能材事業 | 12,212 | 97.5 |
合計 | 174,717 | 100.2 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は販売価格によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
その他 | 978 | 87.5 | 76 | 21.7 |
合計 | 978 | 87.5 | 76 | 21.7 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
紙・パルプ事業 | 160,013 | 99.2 |
イメージング事業 | 35,673 | 106.5 |
機能材事業 | 13,859 | 100.2 |
その他 | 6,793 | 107.5 |
合計 | 216,340 | 100.6 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
[第2次中期経営計画について]
「成長に向けての収益基盤強化」を柱とする第1次中期経営計画フェーズ2ローリングプラン(平成25年4月~平成28年3月)に沿って八戸工場の分社化、希望退職の募集、グループ会社の再構築等による収益基盤の強化を図り、有利子負債の削減については計画通り進めてまいりました。
今後益々厳しさを増す事業環境に対応すべく、「アライアンスによる収益の安定化」をキーワードとし、以下を全社方針とする第2次中期経営計画(平成28年4月~平成31年3月)を策定し、外部環境に左右されにくい安定収益構造の強化に努めてまいります。
① 洋紙事業の構造改革
・ アライアンスの強化により、主力工場である八戸工場の最適化を図り、外部環境に左右されにくい安定収益構造を実現いたします。
・ 流通体制・物流体制の最適化を図ります。
② 収益基盤の充実
・ 写真用原紙の分野で富士フイルム株式会社とのアライアンスを更に強化し、効率的生産体制を構築します。
・ イメージング及び機能材事業の既存分野における、当社の強みとポジショニングを活かした収益基盤事業を充実させます。
③ 新規事業の育成
・ 八戸の立地を活かし、将来の収益基盤強化を図るため、王子グループと共同でバイオマス発電事業を立ち上げます。
・ 新規事業(機能性フィルム、デジタル捺染紙、不織布の新分野等)を戦略的に育成します。
・ 注力分野(不織布、機能性フィルム、エネルギー等)に対して、厳選された戦略的・選択的な投資を行います。
④ 収益力を支える業務基盤・財務基盤の強化
・ 事業構造の改革に向けて業務プロセス・IT基盤の再構築を図ります。
・ 震災前レベルまで圧縮した有利子負債の削減を進め、財務基盤の更なる強化を図ります。
[CSR(企業の社会的責任)について]
当社グループは、持続可能な未来を社会と共に築き上げることを念頭に、ステークホルダーの皆様との積極的な対話を通じて環境面、財務面、社会面から課題の解決に向けた的確な取組みが必要と考えております。
CSR活動の目的が、皆様からの信頼と共感を得ることを通じて企業価値向上につなげることにあると認識し、持続可能な発展に向けて特徴あるCSR活動の推進に努めてまいります。
当期は、「安全衛生に関する活動の強化」及び「法令遵守の徹底」を最重要課題に掲げて取り組むとともに、製品面では持続可能な社会に貢献するFSC森林認証紙やサーマルディジプレート製版システムなどの環境配慮型商品の充実を図りました。
平成29年3月期は、「コーポレートガバナンスの実効性の確保」と「安全衛生に関する活動の強化」の2点を最重要課題としました。コーポレートガバナンスに関する基本方針に定めた各項目を具体的に進め、中長期的な発展の実現と企業価値向上につなげるCSR活動の推進に努めてまいります。
[会社の支配に関する基本方針]
① 基本方針の内容
当社は、当社が生み出した利益を株主の皆様に還元していくことで企業価値ないし株主の皆様共同の利益を最大化することを本分とし、市場における自由な取引を通じ当社株主となられた方々にお支えいただくことを原則としつつも、当社の総議決権の20%以上の議決権を有する株式(以下「支配株式」といいます)の取得を目指す者及びそのグループの者(以下「買収者等」といいます)による支配株式の取得により、このような当社の企業価値又は株主の皆様共同の利益が毀損されるおそれが存する場合には、かかる買収者等は当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であるものとして、法令及び定款によって許容される限度において、当社の企業価値及び株主の皆様共同の利益の確保・向上のための相当な措置を講じることをその基本方針といたします。
② 基本方針の実現に資する特別な取り組み
当社は、企業価値ないし株主の皆様共同の利益のため、企業基盤の安定を目指し平成28年度に新たにスタートした「第2次中期経営計画」の諸施策を強力に推進しております。また、平成27年10月に策定したコーポレートガバナンス基本方針に従い、当社グループの持続的成長と中長期的な企業価値向上に向けて、CSRを重視した企業グループ経営を推進し、経営の透明性を高めガラス張りの経営を行い、コーポレートガバナンスの充実にも取り組んでまいります。
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、平成28年5月31日開催の取締役会において、基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの一つとして、平成25年6月27日開催の当社第148回定時株主総会において株主の皆様のご承認をいただいた上で、継続していた当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(以下「旧プラン」といいます)につき、所要の変更を行った上で継続することを決議し(以下、かかる変更後のプランを「本プラン」といいます)、平成28年6月28日開催の当社第151回定時株主総会において、株主の皆様のご承認をいただきました。また、当社は、上記継続に伴い、独立委員会委員として、従前と同様、片岡義広氏、品川知久氏、竹原相光氏の3氏を選任いたしました。
本プランの概要は、以下に記載のとおりですが、詳細につきましては、当社ホームページに掲載の平成28年5月31日付けプレスリリース「当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)の一部変更及び継続に関するお知らせ」をご覧下さい。
(参考URL:http://www.mpm.co.jp/ir/library/pdf/2016/20160531.pdf)
イ.本プランの目的
本プランは、大規模買付者に対して事前に必要な情報の提供及び考慮・検討のための期間を確保することを求めることによって、当該大規模買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様が適切に判断されること、取締役会が、独立委員会の勧告を受けて当該大規模買付行為に対する賛否の意見又は代替案を株主の皆様に対して提示すること、あるいは、株主の皆様のために大規模買付者と交渉を行うこと等を可能とし、もって基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止し、当社の企業価値ないし株主の皆様共同の利益の確保・向上を実現することを目的とします。
ロ.本プランに基づく対抗措置の発動に係る手続
(a) 対象となる大規模買付行為
当社株式に関して、大要、次の1)から3)までのいずれかに該当する行為若しくはその可能性がある行為がなされ、又はなされようとする場合に、本プランに基づく対抗措置が発動される場合があります。
1)当社の株券等に関する当社の特定の株主の株券等保有割合(金融商品取引法第27条の23第4項に定義される株券等保有割合をいいます。以下同じとします)が20%以上となる取得
2)当社の株券等に関する当社の特定の株主の株券等所有割合(金融商品取引法第27条の2第8項に定義される株券等所有割合をいいます。以下同じとします)とその特別関係者の株券等所有割合との合計が20%以上となる取得
3)当社の特定の株主が、当社の他の株主との間で行う行為であり、且つ当該行為の結果として当社の株券等の共同保有者に該当するに至るような合意その他の行為、又はかかる両株主の間に支配関係若しくは共同ないし協調して行動する関係を樹立する行為(ただし、当該両株主の株券等保有割合の合計が20%以上となる場合に限ります)
(b) 大規模買付者に対する情報提供要求
大規模買付者には、大規模買付行為の開始又は実行に先立ち、意向表明書及び大規模買付情報を提出・提供していただきます。
(c) 取締役会評価期間の設定等
取締役会は、対価を現金(円貨)のみとする公開買付けによる当社の全ての株券等の買付けが行われる場合には最長60日間、それ以外の態様による大規模買付行為の場合には最長90日間の期間を、取締役会評価期間として設定し、当社の企業価値ないし株主の皆様共同の利益の確保・向上の観点から、企図されている大規模買付行為に関して評価、検討、意見形成、代替案立案及び大規模買付者との交渉を行うものとします。
(d) 独立委員会の勧告及び取締役会による決議
独立委員会は、大規模買付者が大規模買付ルールにつき重要な点において違反した場合で、取締役会がその是正を当該大規模買付者に対して要求した後5営業日以内に当該違反が是正されない場合には、原則として、取締役会に対して、大規模買付行為に対する対抗措置の発動を勧告します。
他方、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合、独立委員会は、原則として、取締役会に対して、大規模買付行為に対する対抗措置の不発動を勧告しますが、大規模買付ルールが遵守されている場合であっても、当該大規模買付者がいわゆるグリーンメイラーである場合等一定の事情を有していると認められる者である場合には、取締役会に対して、対抗措置の発動を勧告します。
取締役会は、独立委員会の勧告を最大限尊重したうえで、対抗措置の発動又は不発動その他必要な決議を行うものとします。
(e) 対抗措置の具体的内容
当社が本プランに基づき発動する大規模買付行為に対する対抗措置は、原則として、新株予約権の無償割当てによるものとします。
ハ.本プランの特徴
(a) 基本方針の制定
本プランは、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を制定したうえで、導入されたものです。
(b) 独立委員会の設置
当社は、本プランの必要性及び相当性を確保するために独立委員会を設置し、取締役会が対抗措置を発動する場合は、その判断の公正を担保し、且つ、取締役会の恣意的な判断を排除するために、独立委員会の勧告を最大限尊重するものとしています。
(c) 株主総会における本プランの承認
本プランによる買収防衛策の継続につきましては、平成28年6月28日開催の第151回定時株主総会において、株主の皆様のご承認をいただきました。
(d) 適時開示
取締役会は、本プラン上必要な事項について、適用ある法令等及び金融商品取引所規則に従って、適時適切な開示を行います。
(e) 本プランの有効期間
本プランの有効期間は、平成28年6月28日開催の第151回定時株主総会終了後3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結時までとしております。
ニ.株主の皆様への影響
(a) 旧プランの本プランへの改定時における株主の皆様への影響
旧プランの本プランへの改定時には、株主の皆様の法的権利及び経済的利益に直接具体的な影響を与えておりません。
(b) 新株予約権の発行時に株主の皆様へ与える影響
対抗措置として新株予約権の無償割当てが行われた場合においても、株主の皆様が保有する当社株式1株当たりの価値の希釈化は生じるものの、株主の皆様が保有する当社株式全体の価値の希釈化は生じないことから、株主の皆様の法的権利及び経済的利益に対して直接的具体的な影響を与えることは想定しておりません。ただし、本プランの定める例外事由該当者については、対抗措置が発動された場合、結果的に、その法的権利又は経済的利益に何らかの影響が生じる可能性があります。
④ 上記の取組みに対する取締役会の判断及びその判断に係る理由
上記②に記載した、基本方針の実現に資する特別な取組みは、当社の企業価値ないし株主の皆様共同の利益を高めるための具体的方策であり、まさに当社の基本方針に沿うものと考えます。
また、当社取締役会は、前記③イ記載のとおり、本プランは企業価値ないし株主の皆様共同の利益の確保・向上という目的をもって導入されたものであり、基本方針に沿うものと考えます。特に本プランは、1)株主総会において本プランを廃止する旨の議案が承認された場合にはその時点で廃止されるものとしており、その存続が株主の皆様の意思にかからしめられている点において株主の皆様のご意思を重視していること、2)独立性の高い独立委員会の設置を伴うものであり、対抗措置の発動に際しては必ず独立委員会の勧告を経る仕組みとなっていること、3)対抗措置の発動、不発動又は中止に関する判断の際に拠るべき基準が設けられていること等から、当社取締役会としては、本プランは当社の企業価値ないし株主の皆様共同の利益を損なうものではなく、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。
国内景気の大幅な後退により、当社グループ製品の紙・パルプ及び、写真感光材料の国内需要が大幅に減少した場合や、製品市況が下落した場合には、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの主力製品である情報関連用紙、写真用印画紙、印刷製版材料、写真印画紙用原紙等で、需要構造の変化等により製品需要が変化した場合には、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが調達する主要原材料である木材チップ、製紙用パルプ、重油、石炭等の価格は、国際的な需給関係等により変動するため、これら主要諸資材の価格が上昇した場合には、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、原材料の購入及び製品の販売等において、広く外貨建て取引及び外貨ベースでの円建て取引を行っております。輸入取引と輸出取引のどちらか一方に大きく偏っているということはありませんが、為替レート変動の影響を受けることになるため、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの主要事業である紙・パルプ事業、イメージング事業、機能材事業はいわゆる装置産業にあたり、多額の設備投資資金を要します。当社グループでは、大型の設備投資は将来の需要予測に基づいて実施いたしますが、市場の動向が変化した場合等においては、新規設備の稼働率が十分に上がらない可能性があります。この場合、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、主に借入れによる資金調達を行っており、大幅な金利の上昇が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの国内外の事業所、植林地等は、地震、火災等の災害に見舞われる可能性があります。この場合、保険金で補償される金額を除いて、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの国内外における事業は、環境、知的財産、製造物責任等各種の法規制を受けており、それに関連し訴訟等を受ける可能性があります。その結果によっては、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
その他偶発事象に起因して費用や損失が発生し、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループにおいて発生しうるリスクをすべて予測することは不可能であり、リスクは上記に限られるものではありません。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
当連結会計年度における経営上の重要な契約等は行われておりません。
当社は「ハイグレード&情報メディアの三菱製紙」を掲げ、印刷・情報用紙のみならずイメージング関連材料、機能性材料など、幅広い分野の開発・製造に取り組んでおります。また、地球環境の保全と循環型社会の構築は、豊かな森林資源にその事業基盤を持つ製紙産業にとって何より重要な課題であり、環境への配慮とより豊かな文化生活の両立という視点は、当社における商品開発すべての大切な原点となっております。
当社グループの事業分野は、紙・パルプ事業、イメージング事業、機能材事業に分類されます。
紙・パルプ事業では、印刷用紙、情報用紙が主な製品群となります。イメージング事業は、大きく分けてインクジェット用紙部門、写真感材部門から構成され、写真感材部門では写真用印画紙、印画紙の原紙及び印刷製版材料のほか、イメージング技術を活かした電気・電子関連材料などの開発に取り組んでおります。機能材事業では、高機能性不織布の作成とその不織布技術を用いた各種フィルターや二次電池用セパレータ等の機能性材料の研究を行っております。
研究活動は、つくばR&Dセンター、京都R&Dセンター、生産技術センターの3センター制で運営しております。
白河の生産技術センターでは、抄紙テストプラントとオフセット印刷機に関わる印刷評価設備を擁し、研究開発成果の商品化支援と既存製品の品質向上に取り組んでおります。
当連結会計年度の研究開発費は9億5千8百万円で、当連結会計年度末に当社が保有する産業財産権の総数は1,607件であります。
次に、各セグメント別の研究開発活動の状況は以下のとおりであります。
紙・パルプ部門では、絵本、ぬり絵、図録、表紙等の用途向けに、嵩高非塗工紙「ダイヤバルキー」を開発・上市いたしました。電子化や本離れ等から不況が長引く出版業界において、絵本、ぬり絵などの分野は好調に推移しており、これら用途向けに色鉛筆や絵の具で適度な筆記特性を有し、かつ嵩高でラフな肌合いと印刷での均一なインキ着肉性を両立したファンシーライクな嵩高非塗工紙を八戸工場(青森県八戸市)で開発いたしました。
また、引き続き産業用インクジェット用紙の開発にも注力しております。各ハードメーカーから商業印刷分野をターゲットに、より高品質な印刷機が続々と投入されており、これらハードに対応しつつ商業印刷分野のボリュームゾーンに対応した薄物コート紙の開発に取り組んでおります。今後も進化するハードと市場の要望に対応した製品展開を進めてまいります。
当連結会計年度の紙・パルプ事業の研究開発費は2億7百万円であります。
イメージング事業では、インクジェット用紙、写真感光材料部門の開発で蓄積したイメージング技術を活かして、既存部門だけでなく機能性フィルム等成長分野での商品開発を進めております。
インクジェット用紙部門では、紙ベースプルーフ用紙を1グレード追加するとともに、ドライミニラボ専用紙を2種類開発し、上市いたしました。
写真感材部門では、プロセスレスタイプのCTP印刷版システム「サーマルディジプレート(TDP)」において、製版機械で共用できる感熱タイプの製版フィルムに加え、大サイズ対応の製版機械を投入してラインナップを拡充し、新分野の開拓を進めております。
京都R&Dセンターで進められている次世代の商品として、プリント配線板等の電子材料のファインパターニングに用いられる感光性レジスト類やタッチパネル用途の機能性フィルムを開発しており、既に製品化して市場拡大に努めております。
当連結会計年度のイメージング事業での研究開発費は4億6千2百万円であります。
機能材事業では、不織布製品の開発にリソースを集中して投入し、エアフィルター、二次電池セパレータ、水処理関連材料、その他各種フィルターの開発を進めております。
エアフィルターでは、大気汚染により新興国で高まる空気浄化の需要に応えるべく、素材メーカーと連携して高性能の脱臭、集塵フィルターの開発を進めており、東南アジア向けに脱臭フィルターなどを商品化いたしました。
二次電池用、各種コンデンサー用のセパレータについては、セルロース素材を使ったセパレータ、塗工タイプのセパレータの採用が進んでおります。現在、更に薄手で安全性の高いセパレータの開発検討を行っております。
つくばR&Dセンターでは微細化セルロースに関して、効率的生産方法の検討と、共同研究を通じた用途開拓を進めております。
また子会社のKJ特殊紙では、独自の技術を持つカーボンナノチューブ分散液・塗工液の量産設備を完成させ、それらを使用した加工品も含め、電気分野、化学分野など市場開拓に努めております。
当連結会計年度の機能材事業での研究開発費は2億8千8百万円であります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。なお、個々の「重要な会計方針及び見積もり」については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
売上高は、前連結会計年度比0.6%増収の2,163億4千万円となりました。
セグメント別では、紙・パルプ事業が前連結会計年度比0.7%減収の1,643億1千9百万円となりました。情報用紙を中心に販売数量が増加したほか、価格修正効果もありましたが、欧州子会社における為替の影響や連結会社間の一部商流変更による減少等があったことによるものです。イメージング事業につきましては、連結会社間の一部商流変更等により、前連結会計年度比4.1%減収の417億6千5百万円となりました。機能材事業につきましては、水処理膜支持体、海外向けリライトメディアの販売増、大手電池メーカー向けバッテリーセパレータの販売立ち上げ等により、前連結会計年度比0.5%増収の169億2千8百万円となりました。その他につきましては、工務関連子会社、倉庫・運送関連子会社の売上高増加等により、前連結会計年度比4.4%増収の158億1千万円となりました。
営業利益は、前連結会計年度の10億3千8百万円から28億3千3百万円増加して38億7千2百万円となり、売上高に対する営業利益の比率は1.3ポイント改善して1.8%となりました。円安による原材料価格の高騰による減益要因があったものの、洋紙価格の修正、イメージング事業の損益改善、機能材料の拡販、労務費削減などによるコストダウン効果等の増益要因が上回ったことによるものです。
営業外損益は、前連結会計年度の9億3百万円の費用(純額)から、16億5千6百万円の費用(純額)となりました。前年度と比べ、為替差益が減少したこと等によるものです。
これにより経常利益は、前連結会計年度の1億3千5百万円から20億8千万円増加して22億1千6百万円となりました。
特別損益は、前連結会計年度の13億8千2百万円の費用(純額)から、8億2百万円の利益(純額)となりました。これは、事業構造改革費用の減少、固定資産処分益の増加等によるものです。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の42億7千2百万円の親会社株主に帰属する当期純損失から64億8千9百万円増加して22億1千7百万円の親会社株主に帰属する当期純利益となりました。
これにより、前連結会計年度が12円50銭の1株当たり当期純損失であったのに対し、当連結会計年度は6円49銭の1株当たり当期純利益となりました。
流動資産は、たな卸資産が減少したものの、現金及び預金、受取手形及び売掛金の増加等により、前連結会計年度末に比べ6億9千万円増加いたしました。固定資産は、有形固定資産の減少等により、前連結会計年度末に比べ130億1千7百万円減少いたしました。
この結果、当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ123億2千7百万円減少し、2,411億5千5百万円となりました。
負債は、有利子負債の減少等により、当連結会計年度末における残高は、前連結会計年度末に比べ87億2千5百万円減少し、1,896億6千3百万円となりました。
非支配株主持分を含む純資産は、退職給付に係る調整累計額の減少等により、当連結会計年度末における残高は、前連結会計年度末に比べ36億2百万円減少し、514億9千2百万円となりました。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ0.1ポイント低下し、20.4%となりました。
キャッシュ・フローの状況分析につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要」に記載の通りであります。
なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりであります。
| 平成26年3月期 | 平成27年3月期 | 平成28年3月期 |
自己資本比率 (%) | 20.4 | 20.5 | 20.4 |
時価ベースの自己資本比率 (%) | 12.2 | 11.6 | 11.3 |
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 (年) | 12.2 | 37.1 | 11.0 |
インタレスト・カバレッジ・レシオ (倍) | 4.9 | 1.5 | 5.3 |
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
2 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式を除く)により算出しております。
3 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
4 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っているすべての負債を対象としております。
5 利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
当社グループは平成28年5月に策定した第2次中期経営計画(平成28年4月~平成31年3月)の完遂に向けた諸施策の実行により、更なる収益力の改善に努めてまいります。