第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当期の日本経済は、雇用環境の改善や堅調な企業収益などを背景に、緩やかな回復の動きが見られたものの、個人消費の伸び悩みや、欧州や米国の政治・経済動向に起因する急激な為替変動も加わり、先行き不透明な状況で推移いたしました。紙パルプ産業においては、多様な情報メディアの電子化への移行による構造的な需要減退が止まらず、厳しい事業環境が続きました。

このような状況下、当社グループは「第2次中期経営計画」(平成28年4月~平成31年3月)に沿って、「アライアンスによる収益の安定化」をキーワードとした4項目の基本方針(①洋紙事業の構造改革 ②収益基盤の充実 ③新規事業の育成 ④収益力を支える業務基盤・財務基盤の強化)の下、外部環境に左右されにくい収益構造の実現・強化を目指した諸施策に取り組んでおります。

当期は「第2次中期経営計画」の初年度として、4項目の基本方針に沿って諸施策に取り組んで参りましたが、既存製品の需要減少、洋紙市況の悪化や円高の影響等により、連結売上高は2,019億5千5百万円(前期比6.6%減)となりました。

損益面では、販売数量減少や売上価格安等販売面の減益要因を、期前半の原燃料価格安や欧州子会社の損益改善等の増益要因が上回り、連結営業利益は43億1千3百万円(前期比11.4%増)、連結経常利益は27億3百万円(前期比22.0%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産処分益が大きかった前期より減少し、11億5千2百万円(前期比48.0%減)となりました。

当社単体では、売上高は1,199億7千2百万円、経常利益は34億1千万円、当期純利益は24億3千4百万円となりました。

 

セグメントの業績は次のとおりであります。

 

① 紙・パルプ事業

国内販売につきましては、アライアンス効果やPPC用紙の拡販等により情報用紙は堅調に推移したものの、印刷用紙は苦戦し、販売数量は減少いたしました。輸出につきましては、産業用インクジェット用紙の拡販に加え、印刷用紙が数量を伸ばしました。その結果、販売数量は増加したものの、国内市況が弱含みで推移したこともあり、販売金額は減少いたしました。

欧州子会社におきましては、主力製品のノーカーボン紙・感熱紙の価格修正効果があったものの、選択受注を行ったことにより、販売数量、販売金額とも減少いたしました。

市販パルプにつきましては、販売数量、販売金額とも減少いたしました。

以上の結果、紙・パルプ事業全体の売上高は1,504億2千8百万円と、前期比8.5%減となりました。

 

 イメージング事業

国内市場におきましては、写真感光材料や印刷製版材料が堅調に推移し、販売金額は前期並みとなりました。海外市場におきましては、アライアンス効果により写真感光材料の販売は増加いたしましたが、インクジェット用紙や印刷製版材料といった既存製品の需要減退に加え、円高の影響もあり、販売金額は減少いたしました。

以上の結果、イメージング事業全体の売上高は389億8百万円と、前期比6.8%減となりました。

 

 

 機能材事業

機能材料につきましては、水処理膜支持体や海外向けリライトメディアの販売が増加いたしましたが、バッテリーセパレータ、海外家電向けフィルターの受注減により、販売金額は減少いたしました。

化学紙につきましては、化粧板原紙、壁紙用裏打紙の販売が低調でしたが、テープ原紙等の販売増により販売金額は増加いたしました。

以上の結果、機能材事業全体の売上高は169億5千8百万円と、前期比0.2%増となりました。

 

 その他

工務関連子会社の売上増加等により、売上高は162億4千万円と、前期比2.7%増となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ5億4千万円減少し、108億4千万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ72億1千3百万円増加し、198億3千9百万円となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益15億8千5百万円、減価償却費104億5千4百万円、たな卸資産の減少34億3千2百万円、売上債権の減少21億8千2百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ49億2千5百万円増加し、70億7千万円となりました。支出の主な内訳は、有形及び無形固定資産の取得による支出61億2千万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ73億7千5百万円増加し、131億1千2百万円となりました。これは主に有利子負債の削減によるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

紙・パルプ事業

123,407

91.6

イメージング事業

26,470

95.2

機能材事業

12,553

102.8

合計

162,431

93.0

 

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.金額は販売価格によっております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

その他

2,349

240.1

1,252

合計

2,349

240.1

1,252

 

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.受注残高の前年同期比については、1,000%を超えているため記載しておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

紙・パルプ事業

146,649

91.6

イメージング事業

34,222

95.9

機能材事業

14,092

101.7

その他

6,990

102.9

合計

201,955

93.4

 

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、高い技術力を活かした製品を顧客に提供し社会に貢献することを経営理念とし、この経営理念のもと以下の企業グループを目指してまいります。

・ 世界市場で顧客の信頼に応える企業グループ

・ 常に技術の先端を行く企業グループ

・ 地球環境保全、循環型社会に貢献する企業グループ

 

(2) 目標とする経営指標及び中長期的な会社の経営戦略

「アライアンスによる収益の安定化」をキーワードとし以下を全社方針とする第2次中期経営計画(平成29年3月期~平成31年3月期)を策定し、外部環境に左右されにくい収益構造の実現・強化に向け取り組みを進めております。

① 洋紙事業の構造改革

・徹底した構造改革、王子グループとのアライアンスの強化により、外部環境に左右されにくい安定収益構造を実現いたします。

・流通体制・物流体制の最適化を図ります。

 

② 収益基盤の充実

・富士フイルム株式会社とのアライアンスを強化し、効率的生産体制を構築します。

・三菱製紙の強みとポジショニングを活かした収益基盤事業を充実させます。

 

③ 新規事業の育成

・王子グループと共同でバイオマス発電事業を立ち上げます。

・新規事業を戦略的に育成します。

・注力分野に対して、厳選された戦略的・選択的な投資を行います。

 

④ 収益力を支える業務基盤・財務基盤の強化

・事業構造の改革に向けて業務プロセス・IT基盤の再構築を図ります。

・震災前レベルまで圧縮した有利子負債の削減を進め、財務基盤を更に強化します。

 

(3) 経営環境及び対処すべき課題

① 洋紙事業の構造改革

アライアンスを強化して、情報・特殊紙の拡販と輸出の拡大により販売数量の安定化を図るとともに、生産から販売末端までサプライチェーンの効率化(流通体制・物流体制の最適化)により、外部環境に左右されにくい安定した収益構造の構築を進めております。

ドイツ事業については、収益重視の販売、コストダウンの効果が現われ、今後は世界市場でのアライアンスの検討も進めてまいります。

また、期後半からの原燃料価格の上昇に対応した採算是正のため、印刷用紙、情報用紙及び白板紙について値上げを打ち出し、現在交渉を進めております。

 

② 収益基盤の充実

イメージング事業は、アライアンスを活用した事業基盤強化を進めながら、海外市場への積極展開により、市場が成熟化しつつある既存製品の更なる充実を図っております。

機能材事業は、中国を中心にその他のアジア諸国及び欧米での販売拡大に努め、マーケットでのポジショニングを活かし、不織布、リライト事業等で着実に前進しております。

 

 

③ 新規事業の育成

イメージング技術を用いた機能性フィルム、デジタル捺染紙等成長分野への進出、当社バッテリーセパレータの品質面の優位性の最大活用等により、新たな分野での事業拡大を図るとともに、次なる新規事業の確立に向けた取組みを推進しております。特に機能性フィルムについては、専用設備を京都工場に新設することといたしました。

また、八戸工場の収益基盤強化を目指して、王子グループと共同でバイオマス発電事業に取り組み、平成31年7月の稼動に向けて建設を進めております。さらに、八戸工場内に王子グループと共同で家庭紙事業を立ち上げることに合意し、平成31年の事業開始に向けて取組みを進めております。

 

④ 収益力を支える業務基盤・財務基盤の強化

業務プロセス、IT基盤の再構築に向け、プロジェクト体制を構築し取組みを進めております。今期末の有利子負債及びD/Eレシオは「第2次中期経営計画」の目標を前倒しで達成いたしました。

今後も「第2次中期経営計画」の最終目標の達成に向けて取組みを継続してまいります。

 

 

[CSR(企業の社会的責任)について]

当社グループは、持続可能な未来を社会と共に築き上げることを念頭に、ステークホルダーの皆様との積極的な対話を通じて環境面、社会面、財務面から課題の解決に向けた的確な取組みが必要と考えております。CSR活動の目的が、皆様からの信頼と共感を得ることを通じて、企業価値向上につなげることにあると認識し、持続可能な発展に向けて特徴あるCSR活動の推進に努めてまいります。

当期は、「コーポレートガバナンスの実効性の確保」及び「安全衛生に関する活動の強化」を最重要課題として取り組んだほか、森林保全活動に貢献するFSC森林認証紙や環境負荷低減に貢献するサーマルディジプレートシステムなどの環境配慮型商品の拡充を図りました。

平成30年3月期は、「製品品質の確保」と「安全衛生に関する活動の強化」の2点を最重要課題に掲げました。「製品品質の確保」は、第2次中期経営計画の柱のひとつであるアライアンスの強化を後押しするもので、「安全衛生に関する活動の強化」は、現在、官民が連携して取組みを進めている「製造業における安全対策の更なる強化」に対応するものです。今後とも、中長期的な発展の実現と企業価値向上につながるCSR活動を展開してまいります。

 

 

[会社の支配に関する基本方針]

① 基本方針の内容

当社は、当社が生み出した利益を株主の皆様に還元していくことで企業価値ないし株主の皆様共同の利益を最大化することを本分とし、市場における自由な取引を通じ当社株主となられた方々にお支えいただくことを原則としつつも、当社の総議決権の20%以上の議決権を有する株式(以下「支配株式」といいます)の取得を目指す者及びそのグループの者(以下「買収者等」といいます)による支配株式の取得により、このような当社の企業価値又は株主の皆様共同の利益が毀損されるおそれが存する場合には、かかる買収者等は当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であるものとして、法令及び定款によって許容される限度において、当社の企業価値及び株主の皆様共同の利益の確保・向上のための相当な措置を講じることをその基本方針といたします。

 

② 基本方針の実現に資する特別な取組み

当社は、企業価値ないし株主の皆様共同の利益のため、企業基盤の安定を目指し平成28年度に新たにスタートした「第2次中期経営計画」の諸施策を強力に推進しております。また、平成27年10月に策定したコーポレートガバナンス基本方針に従い、当社グループの持続的成長と中長期的な企業価値向上に向けて、CSRを重視した企業グループ経営を推進し、経営の透明性を高めガラス張りの経営を行い、コーポレートガバナンスの充実にも取り組んでまいります。

 

 

③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、平成28年5月31日開催の取締役会において、基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの一つとして、平成25年6月27日開催の当社第148回定時株主総会において株主の皆様のご承認をいただいた上で、継続していた当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(以下「旧プラン」といいます)につき、所要の変更を行った上で継続することを決議し(以下、かかる変更後のプランを「本プラン」といいます)、平成28年6月28日開催の当社第151回定時株主総会において、株主の皆様のご承認をいただきました。また、当社は、上記継続に伴い、独立委員会委員として、従前と同様、片岡義広氏、品川知久氏、竹原相光氏の3氏を選任いたしました。

本プランの概要は、以下に記載のとおりですが、詳細につきましては、当社ホームページに掲載の平成28年5月31日付けプレスリリース「当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)の一部変更及び継続に関するお知らせ」をご覧下さい。

(参考URL:http://www.mpm.co.jp/ir/library/pdf/2016/20160531.pdf)

イ.本プランの目的

本プランは、大規模買付者に対して事前に必要な情報の提供及び考慮・検討のための期間を確保することを求めることによって、当該大規模買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様が適切に判断されること、取締役会が、独立委員会の勧告を受けて当該大規模買付行為に対する賛否の意見又は代替案を株主の皆様に対して提示すること、あるいは、株主の皆様のために大規模買付者と交渉を行うこと等を可能とし、もって基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止し、当社の企業価値ないし株主の皆様共同の利益の確保・向上を実現することを目的とします。

 

ロ.本プランに基づく対抗措置の発動に係る手続

(a) 対象となる大規模買付行為

当社株式に関して、大要、次の1)から3)までのいずれかに該当する行為若しくはその可能性がある行為がなされ、又はなされようとする場合に、本プランに基づく対抗措置が発動される場合があります。

1)当社の株券等に関する当社の特定の株主の株券等保有割合(金融商品取引法第27条の23第4項に定義される株券等保有割合をいいます。以下同じとします)が20%以上となる取得

2)当社の株券等に関する当社の特定の株主の株券等所有割合(金融商品取引法第27条の2第8項に定義される株券等所有割合をいいます。以下同じとします)とその特別関係者の株券等所有割合との合計が20%以上となる取得

3)当社の特定の株主が、当社の他の株主との間で行う行為であり、且つ当該行為の結果として当社の株券等の共同保有者に該当するに至るような合意その他の行為、又はかかる両株主の間に支配関係若しくは共同ないし協調して行動する関係を樹立する行為(ただし、当該両株主の株券等保有割合の合計が20%以上となる場合に限ります)

(b) 大規模買付者に対する情報提供要求

大規模買付者には、大規模買付行為の開始又は実行に先立ち、意向表明書及び大規模買付情報を提出・提供していただきます。

(c) 取締役会評価期間の設定等

取締役会は、対価を現金(円貨)のみとする公開買付けによる当社の全ての株券等の買付けが行われる場合には最長60日間、それ以外の態様による大規模買付行為の場合には最長90日間の期間を、取締役会評価期間として設定し、当社の企業価値ないし株主の皆様共同の利益の確保・向上の観点から、企図されている大規模買付行為に関して評価、検討、意見形成、代替案立案及び大規模買付者との交渉を行うものとします。

 

(d) 独立委員会の勧告及び取締役会による決議

独立委員会は、大規模買付者が大規模買付ルールにつき重要な点において違反した場合で、取締役会がその是正を当該大規模買付者に対して要求した後5営業日以内に当該違反が是正されない場合には、原則として、取締役会に対して、大規模買付行為に対する対抗措置の発動を勧告します。

他方、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合、独立委員会は、原則として、取締役会に対して、大規模買付行為に対する対抗措置の不発動を勧告しますが、大規模買付ルールが遵守されている場合であっても、当該大規模買付者がいわゆるグリーンメイラーである場合等一定の事情を有していると認められる者である場合には、取締役会に対して、対抗措置の発動を勧告します。

取締役会は、独立委員会の勧告を最大限尊重したうえで、対抗措置の発動又は不発動その他必要な決議を行うものとします。

(e) 対抗措置の具体的内容

当社が本プランに基づき発動する大規模買付行為に対する対抗措置は、原則として、新株予約権の無償割当てによるものとします。

 

ハ.本プランの特徴

(a) 基本方針の制定

本プランは、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を制定したうえで、導入されたものです。

(b) 独立委員会の設置

当社は、本プランの必要性及び相当性を確保するために独立委員会を設置し、取締役会が対抗措置を発動する場合は、その判断の公正を担保し、且つ、取締役会の恣意的な判断を排除するために、独立委員会の勧告を最大限尊重するものとしています。

(c) 株主総会における本プランの承認

本プランによる買収防衛策の継続につきましては、平成28年6月28日開催の第151回定時株主総会において、株主の皆様のご承認をいただきました。

(d) 適時開示

取締役会は、本プラン上必要な事項について、適用ある法令等及び金融商品取引所規則に従って、適時適切な開示を行います。

(e) 本プランの有効期間

本プランの有効期間は、平成28年6月28日開催の第151回定時株主総会終了後3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結時までとしております。

 

ニ.株主の皆様への影響

(a) 旧プランの本プランへの改定時における株主の皆様への影響

旧プランの本プランへの改定時には、株主の皆様の法的権利及び経済的利益に直接具体的な影響を与えておりません。

(b) 新株予約権の発行時に株主の皆様へ与える影響

対抗措置として新株予約権の無償割当てが行われた場合においても、株主の皆様が保有する当社株式1株当たりの価値の希釈化は生じるものの、株主の皆様が保有する当社株式全体の価値の希釈化は生じないことから、株主の皆様の法的権利及び経済的利益に対して直接的具体的な影響を与えることは想定しておりません。ただし、本プランの定める例外事由該当者については、対抗措置が発動された場合、結果的に、その法的権利又は経済的利益に何らかの影響が生じる可能性があります。

 

 

④ 上記の取組みに対する取締役会の判断及びその判断に係る理由

上記②に記載した、基本方針の実現に資する特別な取組みは、当社の企業価値ないし株主の皆様共同の利益を高めるための具体的方策であり、まさに当社の基本方針に沿うものと考えます。

また、当社取締役会は、前記③イ記載のとおり、本プランは企業価値ないし株主の皆様共同の利益の確保・向上という目的をもって導入されたものであり、基本方針に沿うものと考えます。特に本プランは、1)株主総会において本プランを廃止する旨の議案が承認された場合にはその時点で廃止されるものとしており、その存続が株主の皆様の意思にかからしめられている点において株主の皆様のご意思を重視していること、2)独立性の高い独立委員会の設置を伴うものであり、対抗措置の発動に際しては必ず独立委員会の勧告を経る仕組みとなっていること、3)対抗措置の発動、不発動又は中止に関する判断の際に拠るべき基準が設けられていること等から、当社取締役会としては、本プランは当社の企業価値ないし株主の皆様共同の利益を損なうものではなく、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。

 

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。

 

① 国内需要の減少及び市況価格の下落

国内景気の大幅な後退により、当社グループ製品の紙・パルプ、インクジェット用紙、写真感光材料、機能性材料等の国内需要が大幅に減少した場合や、製品市況が下落した場合には、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② 市場規模の縮小

当社グループの主力製品である印刷用紙、情報用紙、インクジェット用紙、写真用印画紙、印刷製版材料、写真印画紙用原紙、機能性材料等で、需要構造の変化等により製品需要が変化した場合には、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 原材料価格の上昇

当社グループが調達する主要原材料である木材チップ、製紙用パルプ、重油、石炭等の価格は、国際的な需給関係等により変動するため、これら主要諸資材の価格が上昇した場合には、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 為替変動

当社グループは、原材料の購入及び製品の販売等において、広く外貨建て取引及び外貨ベースでの円建て取引を行っております。輸入取引と輸出取引のどちらか一方に大きく偏っているということはありませんが、為替レート変動の影響を受けることになるため、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 設備投資

当社グループの主要事業である紙・パルプ事業、イメージング事業、機能材事業はいわゆる装置産業にあたり、多額の設備投資資金を要します。当社グループでは、大型の設備投資は将来の需要予測に基づいて実施いたしますが、市場の動向が変化した場合等においては、新規設備の稼働率が十分に上がらない可能性があります。この場合、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 金利の上昇

当社グループは、主に借入れによる資金調達を行っており、大幅な金利の上昇が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 災害

当社グループの国内外の事業所、植林地等は、地震、津波、火災等の災害に見舞われる可能性があります。この場合、保険金で補償される金額を除いて、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 法規制又は訴訟

当社グループの国内外における事業は、環境、知的財産、製造物責任等各種の法規制を受けており、それに関連し訴訟等を受ける可能性があります。その結果によっては、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨ 偶発事象

その他偶発事象に起因して費用や損失が発生し、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

なお、当社グループにおいて発生しうるリスクをすべて予測することは不可能であり、リスクは上記に限られるものではありません。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度における経営上の重要な契約等は行われておりません。

 

 

6 【研究開発活動】

研究開発方針について:

当社は「ハイグレード&情報メディアの三菱製紙」を掲げ、印刷・情報用紙のみならずイメージング関連材料、機能性材料など、幅広い分野の開発・製造に取り組んでおります。また、地球環境の保全と循環型社会の構築は、豊かな森林資源にその事業基盤を持つ製紙産業にとって何より重要な課題であり、環境への配慮とより豊かな文化生活の両立という視点は、当社における商品開発すべての大切な原点となっております。

 

事業分野と研究開発体制について:

当社グループの事業分野は、紙・パルプ事業、イメージング事業、機能材事業に分類されます。

紙・パルプ事業では、印刷用紙、情報用紙が主な製品群となります。イメージング事業は、大きく分けてインクジェット用紙部門と写真用印画紙、写真用原紙、印刷製版材料などの写真感光材料部門から構成され、研究開発は電気・電子関連材料などイメージング技術を応用した分野に取り組んでおります。機能材事業では、高機能性不織布の作成とその不織布技術を用いた各種フィルターや二次電池用セパレータ等の機能性材料の研究を行っております。

研究活動は、つくばR&Dセンター、京都R&Dセンター、生産技術センターの3センター制で運営しております。

白河の生産技術センターでは、抄紙テストプラントとオフセット印刷機に関わる印刷評価設備を擁し、研究開発成果の商品化支援と既存製品の品質向上に取り組んでおります。

当連結会計年度の研究開発費は11億2千2百万円で、当連結会計年度末に当社が保有する産業財産権の総数は1,639件であります。

 

セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。

 

(1) 紙・パルプ事業

紙・パルプ部門では、ユーザーの皆様のご要望にお応えする形で、今年度も産業用インクジェット用紙の新商品開発を進めてまいりました。染料インク・顔料インク両用コート紙製品としてご高評いただいている「SWORD iJET」シリーズに続き、更に印字部光沢に優れ、オフセットライクな印刷上がりが特長である「DP-IJ5グロス」を開発し、海外を中心に高い評価を受けております。また、文庫本サイズのコミックに用いられる「IJコミック文庫用紙」も既に大手出版社にご採用いただき、今後の数量拡大が期待されます。これら以外でも新聞用途、圧着葉書用途など各分野における産業用インクジェット印刷に対応した新商品を拡充してまいりました。

また、紙製品以外に関しても研究開発を実施しております。八戸工場の廃棄物ボイラー焼却灰を有効活用する検討を進め、灰造粒品「リグローブ」の商品化に至りました。エコマーク認定を取得(第14131006号)したこの商品は、吸水性が高い、雑草の生育を抑制する、軽量であるにも関わらず風で飛散しない、など幾つかの興味深い特性が確認され、既に八戸市、国土交通省東北地方整備局の公共事業などに採用されております。平成28年12月には大型生産設備が操業開始となり、今後さらに用途拡大を進めてまいります。

当連結会計年度の紙・パルプ事業の研究開発費は1億9千2百万円であります。

 

 

(2) イメージング事業

イメージング事業では、インクジェット用紙部門、写真感光材料部門の開発で蓄積したイメージング技術を活かして、既存部門だけでなく機能性フィルムなど成長分野での商品開発を進めております。

インクジェット用紙部門では、ドライミニラボ専用紙を1グレード追加するとともに、テキスタイル分野において急拡大しつつあるデジタル捺染紙を2種類開発し、上市いたしました。

写真感光材料部門では、CTP/CTF兼用ダイレクト製版システム「サーマルディジプレート(TDP)」において、1m超の感熱フィルムの長尺出力を可能とし、段ボールやのぼり等幅広い用途への展開を図りました。また、シルクスクリーン印刷業界をターゲットとしたデジタルスクリーン製版機を開発し、デジタル印刷等の後加工分野に無線綴じ製本機を発売するなど新分野の開拓を進めております。

京都R&Dセンターでは、次世代の商品として、電子基板や電子部品用難加工材料の微細加工に用いられる感光性レジストやレジスト処理システム、タッチパネル用途の透明導電性フィルムを開発しており、既に製品化して市場拡大に努めております。

当連結会計年度のイメージング事業での研究開発費は5億5千1百万円であります。

 

(3) 機能材事業

機能材事業では、不織布製品の開発にリソースを集中して投入し、エアフィルター、二次電池セパレータ、水処理関連材料、その他各種機能性材料の開発を進めております。

エアフィルターについては、室内空気環境への関心が高まる新興国市場向けに、脱臭、集塵、抗菌など複数の機能を一つのフィルターにコンパクトに搭載した多機能フィルターを開発・提案中であり、エアコン等の家電空調製品への採用検討が進んでおります。

電池用セパレータについては、従来にない高耐熱性を有した塗工タイプの不織布セパレータを開発し、現在、国内外の電池メーカーで性能評価を進めていただいております。

つくばR&Dセンターでは、炭素繊維を利用した不織布シートの開発と用途開拓、セルロースと樹脂の複合体の開発、微細化セルロースの商品利用に関して共同検討を進めております。

子会社のKJ特殊紙では、独自の技術により開発したカーボンナノチューブの分散液、塗工液、塗工シート、成型膜を商品化し、市場開拓を進めるとともに、電気機器部材、導電性塗料、超薄型面状ヒーター等への応用展開を図っております。

当連結会計年度の機能材事業での研究開発費は3億7千8百万円であります。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。なお、個々の「重要な会計方針及び見積もり」については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

① 売上高

売上高は、前連結会計年度比6.6%減収の2,019億5千5百万円となりました。

紙・パルプ事業につきましては、販売数量の減少に加え、国内市況が弱含みで推移したことや、欧州子会社における選択受注を行ったこと等により前連結会計年度比8.5%減収の1,504億2千8百万円となりました。イメージング事業につきましては、アライアンス効果による写真感光材料の販売増があったものの、インクジェット用紙や印刷製版材料といった既存製品の需要減退に加え、円高の影響もあり、前連結会計年度比6.8%減収の389億8百万円となりました。機能材事業につきましては、水処理膜支持体、海外向けリライトメディア、テープ原紙等の販売増等により、前連結会計年度比0.2%増収の169億5千8百万円となりました。その他につきましては、工務関連子会社の売上高増加等により、前連結会計年度比2.7%増収の162億4千万円となりました。

 

② 営業利益

営業利益は、前連結会計年度の38億7千2百万円から4億4千万円増加して43億1千3百万円となり、売上高に対する営業利益の比率は0.3ポイント改善して2.1%となりました。これは、販売数量減少や売上価格安等販売面の減益要因を、期前半の原燃料価格安や欧州子会社の損益改善等の増益要因が上回ったことによるものです。

 

③ 営業外損益、経常利益

営業外損益は、前連結会計年度の16億5千6百万円の費用(純額)から、16億1千万円の費用(純額)となりました。前年度と比べ、支払利息が減少したこと等によるものです。

これにより経常利益は、前連結会計年度の22億1千6百万円から4億8千6百万円増加して27億3百万円となりました。

 

④ 特別損益

特別損益は、前連結会計年度の8億2百万円の利益(純額)から、11億1千7百万円の費用(純額)となりました。これは、固定資産処分益の減少等によるものです。

 
⑤ 親会社株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純利益は、10億6千4百万円減少して11億5千2百万円となりました。

これにより1株当たり当期純利益は、前連結会計年度が64円85銭であったのに対し、当連結会計年度は33円72銭となりました。なお、平成28年10月1日付で普通株式10株につき1株の割合で株式併合を実施しておりますが、前連結会計年度の期首に当該株式併合が行われたと仮定し、1株当たり当期純利益を算定しております。

 

 

(3) 当連結会計年度の財政状態の分析

① 資産の部

流動資産は、受取手形及び売掛金、たな卸資産の減少等により、前連結会計年度末に比べ61億9百万円減少いたしました。固定資産は、有形固定資産等の減少があったものの、投資有価証券、退職給付に係る資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ8億2千3百万円増加いたしました。

この結果、当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ52億8千5百万円減少し、2,358億6千9百万円となりました。

 

② 負債の部

負債は、有利子負債の減少等により、当連結会計年度末における残高は、前連結会計年度末に比べ104億2千4百万円減少し、1,792億3千8百万円となりました。

 

③ 純資産の部

非支配株主持分を含む純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上、その他有価証券評価差額金、退職給付に係る調整累計額の増加等により、当連結会計年度末における残高は、前連結会計年度末に比べ51億3千8百万円増加し、566億3千1百万円となりました。

この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ2.7ポイント改善し、23.1%となりました。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

 キャッシュ・フローについて

キャッシュ・フローの状況分析につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要」に記載の通りであります。

なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりであります。

 

平成27年3月期

平成28年3月期

平成29年3月期

自己資本比率 (%)

20.5

20.4

23.1

時価ベースの自己資本比率 (%)

11.6

11.3

10.6

キャッシュ・フロー対有利子負債比率 (年)

37.1

11.0

6.3

インタレスト・カバレッジ・レシオ (倍)

1.5

5.3

9.2

 

(注) 自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式を除く)により算出しております。

3.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。

4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っているすべての負債を対象としております。

5.利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

(5) 今後の方針について

当社グループは今後益々厳しさを増すことが予想される事業環境に対応すべく、「アライアンスによる収益の安定化」をキーワードとする「第2次中期経営計画」(平成28年4月~平成31年3月)の下、外部環境に左右されにくい収益構造の実現・強化に向け取組みを進めてまいります。