文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、高い技術力を活かした製品を顧客に提供し社会に貢献することを経営理念とし、この経営理念のもと以下の企業グループを目指してまいります。
・ 世界市場で顧客の信頼に応える企業グループ
・ 常に技術の先端を行く企業グループ
・ 地球環境保全、循環型社会に貢献する企業グループ
「アライアンスによる収益の安定化」をキーワードとし以下を全社方針とする「第2次中期経営計画」(平成29年3月期~平成31年3月期)を策定し、外部環境に左右されにくい収益構造の実現・強化に向け取り組みを進めております。
① 洋紙事業の構造改革
・徹底した構造改革、王子グループとのアライアンスの強化により、外部環境に左右されにくい安定収益構造を実現いたします。
・流通体制・物流体制の最適化を図ります。
② 収益基盤の充実
・富士フイルム株式会社とのアライアンスを強化し、効率的生産体制を構築します。
・三菱製紙の強みとポジショニングを活かした収益基盤事業を充実させます。
③ 新規事業の育成
・王子グループと共同でバイオマス発電事業を立ち上げます。
・新規事業を戦略的に育成します。
・注力分野に対して、厳選された戦略的・選択的な投資を行います。
④ 収益力を支える業務基盤・財務基盤の強化
・事業構造の改革に向けて業務プロセス・IT基盤の再構築を図ります。
・震災前レベルまで圧縮した有利子負債の削減を進め、財務基盤を更に強化します。
「第2次中期経営計画」2年目の当期は、王子グループとのアライアンスを更に包括的かつ建設的なものに発展させるため、資本提携契約を締結いたしました。これは、特定の事業における単発的な協業関係にとどまらず、複数の事業での協業関係を強化することが、当社の持続的成長には不可欠との認識に立ち、行ったものです。本提携において、当社の経営の自主性や既存取引先との関係は尊重しながら、王子グループと長期的なパートナーとしての相互協力を更に加速・発展させ、当社の健全で持続的な成長と中長期的な企業価値の最大化を図ります。
① 洋紙事業の構造改革
王子グループとのアライアンスの一環である情報用紙の拡販に加え、印刷用紙の輸出拡大及びパルプ外販強化を組み合わせて、八戸工場の稼働率維持と販売数量の安定化を図るとともに、生産から販売末端までのサプライチェーンの効率化(流通体制・物流体制の最適化)を進め、安定した収益構造の構築を目指しています。
ドイツ事業については、王子グループとドイツ子会社の再編についての検討を進めることにいたしました。
② 収益基盤の充実
イメージング事業は、写真用原紙に関する富士フイルムとのアライアンスによる事業基盤強化を進めながら、海外市場への積極的展開により、成熟化しつつある既存製品の更なる充実を図っています。
機能材事業は、中国を中心にアジア諸国及び欧米での販売拡大に努め、独自の技術を活かし、フィルター事業、水処理膜支持体等の不織布事業、リライト事業、化粧板原紙やテープ原紙等の事業で着実に前進しています。
③ 新規事業の育成
イメージング技術を用いた機能性フィルムやデジタル捺染紙、品質面で優位性を持つバッテリーセパレータ等、成長分野での事業拡大と、次なる新規事業の確立に向けた取組みを推進しています。特に機能性フィルムについては、京都工場において新規製造設備の建設に着工し、平成31年1月の営業運転開始に向けて取組みを進めています。
また、八戸工場の収益基盤強化を目指して、王子グループとの共同によるバイオマス発電事業(平成31年7月事業開始予定)や家庭紙事業(平成31年4月事業開始予定)の立上げなど、王子グループとの業務提携の範囲を拡大しております。
④ 収益力を支える業務基盤・財務基盤の強化
業務プロセス、IT基盤の再構築に向け、経営戦略に柔軟に対応できる業務基盤を整備する取組みを進めています。今期末の有利子負債及びD/Eレシオは「第2次中期経営計画」の目標を前倒しで達成しました。
[CSR(企業の社会的責任)について]
当社グループは、持続可能な未来を社会と共に築き上げることを念頭に、ステークホルダーの皆様との積極的な対話を通じて環境面、社会面、財務面から課題の解決に向けた的確な取組みが必要と考えております。CSR活動の目的が、皆様からの信頼と共感を得ることを通じて、企業価値向上につなげることにあると認識し、持続可能な発展に向けてCSR活動の推進に努めてまいります。
当期は、「製品品質の確保」及び「安全衛生に関する活動の強化」を最重要課題として取り組んだほか、国連の「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」の達成に貢献するFSC森林認証紙をはじめとする環境配慮型商品の拡充を図りました。
平成31年3月期は、「安全衛生に関する活動の強化」と「顧客起点を意識した商品開発」及び「人材パフォーマンス向上のための諸施策の推進」の3点を最重要課題に掲げました。引き続き中長期的な発展の実現と企業価値向上につながるCSR活動を展開してまいります。
[会社の支配に関する基本方針]
① 基本方針の内容
当社は、当社が生み出した利益を株主の皆様に還元していくことで企業価値ないし株主の皆様共同の利益を最大化することを本分とし、市場における自由な取引を通じ当社株主となられた方々にお支えいただくことを原則としつつも、当社の総議決権の20%以上の議決権を有する株式(以下「支配株式」といいます)の取得を目指す者及びそのグループの者(以下「買収者等」といいます)による支配株式の取得により、このような当社の企業価値又は株主の皆様共同の利益が毀損されるおそれが存する場合には、かかる買収者等は当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であるものとして、法令及び定款によって許容される限度において、当社の企業価値及び株主の皆様共同の利益の確保・向上のための相当な措置を講じることをその基本方針といたします。
② 基本方針の実現に資する特別な取組み
当社は、企業価値ないし株主の皆様共同の利益のため、企業基盤の安定を目指し平成28年度に新たにスタートした「第2次中期経営計画」の諸施策を強力に推進しております。また、平成27年10月に策定したコーポレートガバナンス基本方針に従い、当社グループの持続的成長と中長期的な企業価値向上に向けて、CSRを重視した企業グループ経営を推進し、経営の透明性を高めガラス張りの経営を行い、コーポレートガバナンスの充実にも取り組んでまいります。
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、平成28年5月31日開催の取締役会において、基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの一つとして、平成25年6月27日開催の当社第148回定時株主総会において株主の皆様のご承認をいただいた上で、継続していた当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(以下「旧プラン」といいます)につき、所要の変更を行った上で継続することを決議し(以下、かかる変更後のプランを「本プラン」といいます)、平成28年6月28日開催の当社第151回定時株主総会において、株主の皆様のご承認をいただきました。また、当社は、上記継続に伴い、独立委員会委員として、従前と同様、片岡義広氏、品川知久氏、竹原相光氏の3氏を選任いたしました。
本プランの概要は、以下に記載のとおりですが、詳細につきましては、当社ホームページに掲載の平成28年5月31日付けプレスリリース「当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)の一部変更及び継続に関するお知らせ」をご覧ください。
(参考URL:http://www.mpm.co.jp/ir/library/pdf/2016/20160531.pdf)
イ.本プランの目的
本プランは、大規模買付者に対して事前に必要な情報の提供及び考慮・検討のための期間を確保することを求めることによって、当該大規模買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様が適切に判断されること、取締役会が、独立委員会の勧告を受けて当該大規模買付行為に対する賛否の意見又は代替案を株主の皆様に対して提示すること、あるいは、株主の皆様のために大規模買付者と交渉を行うこと等を可能とし、もって基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止し、当社の企業価値ないし株主の皆様共同の利益の確保・向上を実現することを目的とします。
ロ.本プランに基づく対抗措置の発動に係る手続
(a) 対象となる大規模買付行為
当社株式に関して、大要、次の1)から3)までのいずれかに該当する行為若しくはその可能性がある行為がなされ、又はなされようとする場合に、本プランに基づく対抗措置が発動される場合があります。
1)当社の株券等に関する当社の特定の株主の株券等保有割合(金融商品取引法第27条の23第4項に定義される株券等保有割合をいいます。以下同じとします)が20%以上となる取得
2)当社の株券等に関する当社の特定の株主の株券等所有割合(金融商品取引法第27条の2第8項に定義される株券等所有割合をいいます。以下同じとします)とその特別関係者の株券等所有割合との合計が20%以上となる取得
3)当社の特定の株主が、当社の他の株主との間で行う行為であり、且つ当該行為の結果として当社の株券等の共同保有者に該当するに至るような合意その他の行為、又はかかる両株主の間に支配関係若しくは共同ないし協調して行動する関係を樹立する行為(ただし、当該両株主の株券等保有割合の合計が20%以上となる場合に限ります)
(b) 大規模買付者に対する情報提供要求
大規模買付者には、大規模買付行為の開始又は実行に先立ち、意向表明書及び大規模買付情報を提出・提供していただきます。
(c) 取締役会評価期間の設定等
取締役会は、対価を現金(円貨)のみとする公開買付けによる当社の全ての株券等の買付けが行われる場合には最長60日間、それ以外の態様による大規模買付行為の場合には最長90日間の期間を、取締役会評価期間として設定し、当社の企業価値ないし株主の皆様共同の利益の確保・向上の観点から、企図されている大規模買付行為に関して評価、検討、意見形成、代替案立案及び大規模買付者との交渉を行うものとします。
(d) 独立委員会の勧告及び取締役会による決議
独立委員会は、大規模買付者が大規模買付ルールにつき重要な点において違反した場合で、取締役会がその是正を当該大規模買付者に対して要求した後5営業日以内に当該違反が是正されない場合には、原則として、取締役会に対して、大規模買付行為に対する対抗措置の発動を勧告します。
他方、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合、独立委員会は、原則として、取締役会に対して、大規模買付行為に対する対抗措置の不発動を勧告しますが、大規模買付ルールが遵守されている場合であっても、当該大規模買付者がいわゆるグリーンメイラーである場合等一定の事情を有していると認められる者である場合には、取締役会に対して、対抗措置の発動を勧告します。
取締役会は、独立委員会の勧告を最大限尊重したうえで、対抗措置の発動又は不発動その他必要な決議を行うものとします。
(e) 対抗措置の具体的内容
当社が本プランに基づき発動する大規模買付行為に対する対抗措置は、原則として、新株予約権の無償割当てによるものとします。
ハ.本プランの特徴
(a) 基本方針の制定
本プランは、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を制定したうえで、導入されたものです。
(b) 独立委員会の設置
当社は、本プランの必要性及び相当性を確保するために独立委員会を設置し、取締役会が対抗措置を発動する場合は、その判断の公正を担保し、且つ、取締役会の恣意的な判断を排除するために、独立委員会の勧告を最大限尊重するものとしています。
(c) 株主総会における本プランの承認
本プランによる買収防衛策の継続につきましては、平成28年6月28日開催の第151回定時株主総会において、株主の皆様のご承認をいただきました。
(d) 適時開示
取締役会は、本プラン上必要な事項について、適用ある法令等及び金融商品取引所規則に従って、適時適切な開示を行います。
(e) 本プランの有効期間
本プランの有効期間は、平成28年6月28日開催の第151回定時株主総会終了後3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結時までとしております。
ニ.株主の皆様への影響
(a) 旧プランの本プランへの改定時における株主の皆様への影響
旧プランの本プランへの改定時には、株主の皆様の法的権利及び経済的利益に直接具体的な影響を与えておりません。
(b) 新株予約権の発行時に株主の皆様へ与える影響
対抗措置として新株予約権の無償割当てが行われた場合においても、株主の皆様が保有する当社株式1株当たりの価値の希釈化は生じるものの、株主の皆様が保有する当社株式全体の価値の希釈化は生じないことから、株主の皆様の法的権利及び経済的利益に対して直接的具体的な影響を与えることは想定しておりません。ただし、本プランの定める例外事由該当者については、対抗措置が発動された場合、結果的に、その法的権利又は経済的利益に何らかの影響が生じる可能性があります。
④ 上記の取組みに対する取締役会の判断及びその判断に係る理由
上記②に記載した、基本方針の実現に資する特別な取組みは、当社の企業価値ないし株主の皆様共同の利益を高めるための具体的方策であり、まさに当社の基本方針に沿うものと考えます。
また、当社取締役会は、前記③イ記載のとおり、本プランは企業価値ないし株主の皆様共同の利益の確保・向上という目的をもって導入されたものであり、基本方針に沿うものと考えます。特に本プランは、1)株主総会において本プランを廃止する旨の議案が承認された場合にはその時点で廃止されるものとしており、その存続が株主の皆様の意思にかからしめられている点において株主の皆様のご意思を重視していること、2)独立性の高い独立委員会の設置を伴うものであり、対抗措置の発動に際しては必ず独立委員会の勧告を経る仕組みとなっていること、3)対抗措置の発動、不発動又は中止に関する判断の際に拠るべき基準が設けられていること等から、当社取締役会としては、本プランは当社の企業価値ないし株主の皆様共同の利益を損なうものではなく、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。
国内景気の大幅な後退により、当社グループ製品の紙・パルプ、インクジェット用紙、写真感光材料、機能性材料等の国内需要が大幅に減少した場合や、製品市況が下落した場合には、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの主力製品である印刷用紙、情報用紙、インクジェット用紙、写真用印画紙、印刷製版材料、写真印画紙用原紙、機能性材料等で、需要構造の変化等により製品需要が縮小した場合には、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが調達する主要原材料である木材チップ、製紙用パルプ、重油、石炭等の価格は、国際的な需給関係等により変動するため、これら主要諸資材の価格が上昇した場合には、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、原材料の購入及び製品の販売等において、広く外貨建て取引及び外貨ベースでの円建て取引を行っております。輸入取引と輸出取引のどちらか一方に大きく偏っているということはありませんが、為替レート変動の影響を受けることになるため、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの主要事業である紙・パルプ事業、イメージング事業、機能材事業はいわゆる装置産業にあたり、多額の設備投資資金を要します。当社グループでは、大型の設備投資は将来の需要予測に基づいて実施いたしますが、市場の動向が変化した場合等においては、新規設備の稼働率が十分に上がらない可能性があります。この場合、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、主に借入れによる資金調達を行っており、大幅な金利の上昇が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの国内外の事業所、社有林等は、地震、津波、火災等の災害に見舞われる可能性があります。この場合、保険金で補償される金額を除いて、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの国内外における事業は、環境、知的財産、製造物責任等各種の法規制を受けており、それに関連し訴訟等を受ける可能性があります。その結果によっては、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
その他偶発事象に起因して費用や損失が発生し、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループにおいて発生しうるリスクをすべて予測することは不可能であり、リスクは上記に限られるものではありません。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当期は、地政学的リスクの高まりや米国政権の政策運営の不確実性など、国際情勢に不透明感があったものの、世界経済は総じて回復傾向で推移し、日本経済も堅調な企業収益や雇用・所得環境の改善などにより、緩やかな回復基調を辿りました。紙パルプ産業においては、情報メディアの電子化による構造的な需要減退や、原燃料価格の上昇などにより、主力の洋紙事業を中心に事業環境は厳しさを増しています。
このような状況下、当社グループは「第2次中期経営計画」(平成29年3月期~平成31年3月期)に沿って、「アライアンスによる収益の安定化」をキーワードとした4項目の基本方針(①洋紙事業の構造改革 ②収益基盤の充実 ③新規事業の育成 ④収益力を支える業務基盤・財務基盤の強化)のもと、外部環境に左右されにくい収益構造の実現・強化を目指した諸施策に取り組んでおります。
「第2次中期経営計画」に沿って、王子グループとはバイオマス発電事業や家庭紙事業などアライアンスを進めてまいりましたが、複数の事業での協業関係の強化を可能とすることが両社の持続的成長には不可欠との認識で一致し、平成30年2月に王子ホールディングス㈱と資本提携契約を締結いたしました。
当期は、既存製品の需要減少等により、連結売上高は2,014億9千2百万円(前期比0.2%減)となりました。
損益面では、原燃料価格の上昇等による減益要因に対して、洋紙価格修正の効果が限定的なものにとどまり、連結営業利益は17億9千万円(前期比58.5%減)、連結経常利益は6億5千2百万円(前期比75.8%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産や投資有価証券の売却益を計上したほか、繰延税金資産の計上で法人税等調整額が減少したことなどにより、31億9千8百万円(前期比177.5%増)となりました。
当社単体では、売上高は1,184億4千5百万円、経常利益は35億4千3百万円、当期純利益は40億5千万円となりました。
セグメントごとの経営成績を示すと、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、一部報告セグメントの変更を行っており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の報告セグメントに基づいて記載しております(以下同様)。
(紙・パルプ事業)
国内市場につきましては、アライアンス効果等により情報用紙の販売は引続き堅調に推移いたしましたが、印刷用紙は需要の落ち込みが一段と進んだこともあり、販売数量が減少いたしました。輸出につきましては、印刷用紙が数量を伸ばしましたが、国内向けの落ち込みをカバーするには至りませんでした。その結果販売数量は減少し、販売金額も期中に取り組んだ価格修正効果が限定的であったことから減少いたしました。
欧州子会社につきましては、主力製品の感熱紙を中心に需要が堅調であったことから、販売数量、販売金額とも増加いたしました。
市販パルプにつきましては、価格高騰をとらえ、国内外での拡販に努めた結果、販売数量、販売金額とも増加いたしました。
以上の結果、紙・パルプ事業全体の売上高は1,522億2千万円と、前期比1.2%増となりました。
(イメージング事業)
国内市場につきましては、写真感光材料や印刷製版材料の需要が減退し、販売金額は減少いたしました。
海外市場につきましては、アライアンス効果によって写真感光材料の受注が安定し、インクジェット用紙は新興国を中心に伸長いたしましたが、既存製品の需要減退の影響が大きく、販売金額は減少いたしました。
以上の結果、イメージング事業全体の売上高は369億7百万円と、前期比5.1%減となりました。
(機能材事業)
機能材料につきましては、水処理膜支持体、放電加工フィルター向けの不織布やバッテリーセパレータの販売金額が増加いたしました。
化学紙につきましては、化粧板原紙やテープ原紙等の販売が増加したものの、無機繊維紙の販売が減少し、販売金額は減少いたしました。
以上の結果、機能材事業全体の売上高は170億2千6百万円と、前期比0.4%増となりました。
(倉庫・運輸事業)
従来、その他事業に含めておりました倉庫・運輸事業は、当連結会計年度より報告セグメントとしております。
倉庫・運輸事業の売上高は85億7千5百万円と、前期比4.0%増となりました。
(その他)
工務関連子会社の売上増加等により、売上高は82億6千2百万円と、前期比3.4%増となりました。
当連結会計年度末の資産は、有形固定資産等の減少はあったものの、退職給付に係る資産、たな卸資産等の増加により、前連結会計年度末に比べ15億5千6百万円増加し、2,374億2千6百万円となりました。
負債は、支払手形及び買掛金等の増加はあったものの、有利子負債の減少等により、前連結会計年度末に比べ28億8千9百万円減少し、1,763億4千8百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上、退職給付に係る調整累計額の増加等により、前連結会計年度末に比べ44億4千6百万円増加し、610億7千7百万円となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ10億9千6百万円減少し、97億4千4百万円となりました。
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ70億2千9百万円減少し、128億9百万円となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益17億4千9百万円、減価償却費104億7千4百万円、仕入債務の増加20億4千1百万円であり、支出の主な内訳はたな卸資産の増加19億3千5百万円であります。
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ10億7千5百万円減少し、59億9千4百万円となりました。支出の主な内訳は、有形及び無形固定資産の取得による支出78億2千2百万円であります。
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ50億5百万円減少し、81億7百万円となりました。これは主に有利子負債の削減によるものであります。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
紙・パルプ事業 |
124,872 |
101.2 |
|
イメージング事業 |
24,455 |
92.4 |
|
機能材事業 |
12,531 |
99.8 |
|
合計 |
161,860 |
99.6 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は販売価格によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
その他 |
1,293 |
55.1 |
1,644 |
131.2 |
|
合計 |
1,293 |
55.1 |
1,644 |
131.2 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
紙・パルプ事業 |
148,508 |
101.3 |
|
イメージング事業 |
31,756 |
92.8 |
|
機能材事業 |
14,090 |
100.0 |
|
倉庫・運輸事業 |
5,208 |
109.4 |
|
その他 |
1,928 |
86.4 |
|
合計 |
201,492 |
99.8 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。なお、個々の「重要な会計方針及び見積もり」については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える大きな要因として、当社グループの主力事業である洋紙事業の構造的な需要減退、洋紙事業の市況変動、木材チップ、製紙用パルプ、重油、石炭、諸薬品等の原燃料価格変動があります。
当連結会計年度は、洋紙などの需要減退が進む一方で、原燃料価格の上昇が進行する非常に厳しい事業環境で推移しました。
また、当連結会計年度は「第2次中期経営計画」の2年目にあたりますが、「第2次中期経営計画」との対比は、以下のとおりであります。
中期計画 実績 差異 (億円)
売上高 2,250 2,015 ▲235
営業利益 55 18 ▲37
経常利益 35 7 ▲28
「第2次中期経営計画」に対する売上高下振れの大きな要因は、洋紙事業やイメージング事業の既存製品の需要が想定以上に減少したことに加え、イメージング事業や機能材事業の新規品の拡販が計画より遅れたことによります。
また、損益面では売上高の減少に加え、想定以上に原燃料価格の上昇が進んだことによります。
なお、足元におきましても更に原燃料価格の上昇が進行して事業環境は厳しさを増しており、当社は従前の経営戦略の延長線では、他社との競争の中で、事業の安定した運営と成長を続けていくことはできない状況にあり、王子ホールディングス㈱と資本提携契約を締結し、王子グループを長期的なパートナーとして相互協力をさらに加速・発展させることで、当社の健全で持続的な成長と中長期的な企業価値の最大化を図ってまいります。
当連結会計年度の経営成績の前連結会計年度との比較の詳細は以下のとおりであります。
売上高は、前連結会計年度比0.2%減収の2,014億9千2百万円となりました。洋紙事業やイメージング事業でのアライアンス効果や欧州子会社での販売数量・金額の増加はありましたが、一方で、国内洋紙、イメージング事業での既存製品の需要減少が大きく、減収となりました。
営業利益は、前連結会計年度の43億1千3百万円から25億2千3百万円減少し、17億9千万円となりました。また、売上高に対する営業利益の比率は1.2ポイント低下し、0.9%となりました。これは、原燃料価格の上昇等による減益要因に対して、洋紙価格修正の効果が限定的なものにとどまったことが大きな要因で、工場の生産性向上や物流費削減などのコストダウン諸施策も積極的に進めたものの、減益要因をカバーするには至りませんでした。
営業外損益は、前連結会計年度の16億1千万円の費用(純額)から、11億3千7百万円の費用(純額)となりました。これは、為替差損益が差損から差益へ転じたことや、「第2次中期経営計画」の基本方針として取り組みを続けている有利子負債削減などの効果により支払利息が減少したことなどによるものです。
これにより経常利益は、前連結会計年度の27億3百万円から20億5千万円減少し、6億5千2百万円となりました。
特別損益は、前連結会計年度の11億1千7百万円の損失(純額)から、10億9千7百万円の利益(純額)となりました。これは、保有資産の有効活用や財務基盤強化を目的として、連結子会社である三菱製紙販売㈱が固定資産処分益及び投資有価証券売却益を計上したことなどによるものです。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度から20億4千5百万円増加し、31億9千8百万円となりました。税金等調整前当期純利益の増加のほか、現在及び今後の業績動向を勘案し、繰延税金資産の回収可能性について慎重に検討した結果、繰延税金資産を追加計上したことにより法人税等調整額が減少したことなどによるものものです。
これにより1株当たり当期純利益は、前連結会計年度が33円72銭であったのに対し、当連結会計年度は93円57銭となりました。なお、平成28年10月1日付で普通株式10株につき1株の割合で株式併合を実施しておりますが、前連結会計年度の期首に当該株式併合が行われたと仮定し、1株当たり当期純利益を算定しております。
流動資産は、たな卸資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ16億2千1百万円増加いたしました。たな卸資産につきましては、財務基盤強化のために削減に向けた取り組みを強化してまいります。
固定資産は、退職給付に係る資産等の増加がありましたが、設備投資の抑制や減価償却の進行による有形固定資産の減少等により、前連結会計年度末に比べ6千5百万円減少いたしました。
この結果、当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ15億5千6百万円増加し、2,374億2千6百万円となりました。
負債は、当連結会計年度末が金融機関の休日であった影響等による支払手形及び買掛金等の増加はありましたが、有利子負債の削減などにより、当連結会計年度末における残高は、前連結会計年度末に比べ28億8千9百万円減少し、1,763億4千8百万円となりました。
有利子負債につきましては、「第2次中期経営計画」で平成30年3月末の目標とした1,300億円に対して、1,193億円と107億円削減を進めました。平成31年3月末の最終目標値1,250億円を既に達成しております。D/Eレシオも最終目標値の2.3倍に対して、当連結会計年度末は2.0倍となっております。
非支配株主持分を含む純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上、退職給付に係る調整累計額の増加等により、当連結会計年度末における残高は、前連結会計年度末に比べ44億4千6百万円増加し、610億7千7百万円となりました。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ2.1ポイント改善し、25.2%となりました。「第2次中期経営計画」の平成30年3月末の目標値21.8%に対して、3.4ポイント上回っております。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
(紙・パルプ事業)
売上高は、国内市場における印刷用紙の需要の落ち込みはあったものの、情報用紙のアライアンス効果や、欧州子会社での販売数量・金額の増加、市販パルプの価格高騰をとらえた拡販等により、前連結会計年度比1.2%増収の1,522億2千万円となりました。
営業利益は、前連結会計年度の20億2千2百万円から19億2千4百万円減少し、9千8百万円となりました。資産は、1,744億3千9百万円となりました。
原燃料価格の上昇等に対し、洋紙価格修正の効果が需要減退の環境下で限定的なものにとどまったことが主な減益要因であります。工場の生産性向上や物流費削減などのコストダウン諸施策を進めるとともに、洋紙需要の減少に対しては市販パルプの拡販や売電量の増加などの取り組みも行いましたが、減益要因をカバーするには至りませんでした。厳しい事業環境下にありますが、「第2次中期経営計画」に掲げた「洋紙事業の構造改革」の諸施策に引き続き取り組んでまいります。
主力の八戸工場におきましては、王子グループとの合弁事業として、家庭紙事業やバイオマス発電事業の立ち上げを進めており、ともに平成31年度に事業開始の予定です。
(イメージング事業)
売上高は、国内及び海外市場での写真感光材料や印刷製版材料などの既存製品の需要減退により、前連結会計年度比5.1%減収の369億7百万円となりました。
営業利益は、前連結会計年度の9億4千8百万円から4億9千8百万円減少し、4億4千9百万円となりました。資産は、387億8千4百万円となりました。
既存製品の需要減少による売上高の減少に加え、原燃料価格の上昇の影響や品質向上のための諸費用の増加などにより、減益となりました。富士フイルム㈱とのアライアンス強化による写真用原紙の数量確保と生産性向上などに取り組みましたが、減益要因をカバーするには至りませんでした。今後も、富士フイルム㈱とのアライアンスにより事業基盤を一層強固にして生産体制の効率化に取り組むとともに、既存商品のアジアほか新興国での拡販に努めてまいります。
また、京都工場において平成31年1月の営業運転に向けて機能性フィルム塗工設備の新設を進めており、新規事業の拡大への取り組みに着手しております。
(機能材事業)
売上高は、水処理膜支持体、放電加工フィルター向けの不織布やバッテリーセパレータ、化粧板原紙、テープ原紙等の販売増等により、前連結会計年度比0.4%増収の170億2千6百万円となりました。
営業利益は、前連結会計年度の9億7千万円から1千8百万円減少し、9億5千2百万円となりました。資産は、170億9千万円となりました。
新規製品の拡販や生産性向上の取り組みを進めましたが、原燃料価格上昇等の減益要因をカバーするには至らず、若干の減益となりました。引き続き、水処理膜支持体やバッテリーセパレータなどの不織布関連商品の更なる成長に向けた取り組みなどを進めてまいります。
(倉庫・運輸事業)
売上高は、前連結会計年度比4.0%増収の85億7千5百万円となりました。
営業利益は、前連結会計年度の1億9千8百万円から6千万円増加し、2億5千8百万円となりました。資産は、46億7百万円となりました。
(その他)
売上高は、工務関連子会社での増加等により、前連結会計年度比3.4%増収の82億6千2百万円となりました。
営業利益は、前連結会計年度の1億5千4百万円から1千8百万円減少し、1億3千5百万円となりました。資産は、82億7百万円となりました。
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ70億2千9百万円減少し、128億9百万円となりました。
前連結会計年度に比べ営業活動の結果得られた資金が減少した主な要因は、たな卸資産の増減額の差異53億6千8百万円などであります。前連結会計年度は「第2次中期経営計画」の初年度として、たな卸資産の削減の取り組みに力を入れて削減効果が大きかったことに対して、当連結会計年度は、既存製品の急激な需要減少や、原燃料価格高の影響によりたな卸資産の評価金額が上昇したことなどによります。
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ10億7千5百万円減少し、59億9千4百万円となりました。
前連結会計年度に比べ投資活動の結果使用した資金が減少した主な要因は、有形及び無形固定資産の取得による支出が17億1百万円増加したものの、保有資産の有効活用や財務基盤強化を目的として連結子会社である三菱製紙販売㈱が保有資産の売却を行ったことなどにより、有形及び無形固定資産の売却による収入が18億2千1百万円増加、投資有価証券の売却による収入が8億6千6百万円増加したことなどによります。
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ50億5百万円減少し、81億7百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フロー128億9百万円と、投資活動によるキャッシュ・フロー△59億9千4百万円を合計したフリー・キャッシュ・フロー68億1千4百万円を原資にして、前連結会計年度に引き続き有利子負債の削減を進めたものであります。
当社グループの運転資金及び設備資金については、自己資金又は借入金等により充当することとしております。
しかし、主力の洋紙事業を中心に事業環境が厳しさを増している中、①国内の印刷情報用紙の需要減少に対応した収益構造転換を進め、②能力の安定的維持を目的として老朽化が進んだ設備の改善や効率の向上や省エネルギー対応等の性能向上を目的とした設備投資を行い、また、③経営課題である有利子負債の圧縮による財務基盤を強化するための資金需要が存在しております。一方で、東日本大震災による八戸工場の被災に伴う復興費用調達のため、想定外に有利子負債が急増して以降、既存有利子負債の削減は当社の重要な経営課題となっており、また、資金繰りとしても借入金の返済に並行して十分な投資を実行することは容易ではありません。
かかる状況下、負債性の資金調達ではなく資本性の資金調達を行うことが、当社の財務基盤の強化、当該諸施策の実行、ひいては当社の持続的な成長に資するとの考えに至り、王子ホールディングス㈱を割当先とする第三者割当増資による資金調達を実施し、経営基盤の安定化、競争力の一層の強化を図ることといたしました。
当連結会計年度において締結した、経営上の重要な契約等は次のとおりであります。
当社は、王子ホールディングス株式会社(以下「王子ホールディングス」といいます。)との資本業務提携(以下「本提携」といいます。)に関し、王子ホールディングスとの資本提携契約(以下「本資本提携契約」といいます。)の締結、及び王子ホールディングスに対する第三者割当による新株式の発行(以下「本第三者割当増資」といいます。)について平成30年2月6日開催の当社の取締役会において決議し、同日に王子ホールディングスと契約を締結いたしました。
また、王子ホールディングスは、本第三者割当増資の払込日と同日に、当社株主から当社の普通株式を取得する(以下「本当社株式譲渡」といいます。)予定とのことです。本第三者割当増資及び本当社株式譲渡の実施後、王子ホールディングスは、当社の議決権の33.00%を保有することになるため、王子ホールディングスは、新たに当社の主要株主、主要株主である筆頭株主及びその他の関係会社に該当することが見込まれます。
なお、本提携及び本第三者割当増資の実施につきましては、本資本提携契約に定める前提条件が満たされることを条件としております。
当社及び王子ホールディングスは、(a)本第三者割当増資及び本当社株式譲渡を通じて、両社間のより安定的な資本関係を構築すること、並びに(b)かかる資本関係を基礎として、両社間で、以下の実現に向けた、協議、検討を含む業務提携を行い、強固な提携関係を構築することによって両社の発展をめざすとともに両社のシナジーを実現し、それぞれの企業価値を向上させることを目的とします。
(1) 両社の経営資源を活用した事業基盤の強化
(2) 両社のノウハウの共有を通じた競争力の強化
(3) 両社の合弁事業、既存関連事業及び新規事業を通じた更なる協業機会の拡大
王子ホールディングスは、適用法令及び本資本提携契約並びに王子ホールディングスと明治安田生命保険相互会社、株式会社三菱UFJ銀行、三菱商事株式会社、東京海上日動火災保険株式会社及び三菱UFJ信託銀行株式会社のそれぞれとの間の平成30年2月6日付の各本当社株式譲渡に関する合意に基づき、上記各社から当社の株式を譲り受けます。
当社は、本資本提携契約及び本第三者割当増資に係る総数引受契約に従い、本第三者割当増資を行います。王子ホールディングスは、本資本提携契約及び本第三者割当増資に係る総数引受契約に従い、発行株式の総数を引受け、当該総数引受契約に定める払込期間中のいずれかの日において、発行株式の払込金額である7,610,658,000円(1株当たり726円)を払い込みます。
本第三者割当増資については、金融商品取引法による届出の効力発生、本第三者割当増資及び本当社株式譲渡についての国内外の競争当局の許認可をすべて得ること、本子会社株式譲渡が実行される見込みであること、並びに本当社株式譲渡が実行される見込みであること等を条件とします。
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募集又は割当方法 (割当予定先) |
第三者割当の方法により、その全てを王子ホールディングスに割り当てます。 |
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発行新株式数 |
普通株式 10,483,000株 |
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発行価額の総額 |
7,610,658,000円 |
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発行価額 |
1株当たり726円 |
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資本組入額の総額 |
3,805,329,000円 |
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払込期間 |
平成30年7月1日から平成31年12月31日まで |
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資金使途 |
① 家庭紙製造設備新設に係る当社の子会社への融資 ② バイオマス発電所建設に係る当社の関連会社への融資 ③ 八戸工場を中心とする省エネルギー、動力設備維持投資 ④ 金融機関からの借入金等の返済 |
(注)平成30年2月6日現在、国内外の競争当局の許認可が得られる時期を確定することができないため、払込期間を設定し、当該払込期間を払込期日として記載しております。王子ホールディングスは、払込期間において、本第三者割当増資のためのすべての条件が充たされた後に、払込みを実施する予定とのことです。
当社は「ハイグレード&情報メディアの三菱製紙」を掲げ、印刷・情報用紙のみならずイメージング関連材料、機能性材料など、幅広い分野の商品開発・製造に取り組んでおります。また、地球環境の保全と循環型社会の構築は、豊かな森林資源にその事業基盤を持つ製紙産業にとって何より重要な課題であり、環境への配慮とより豊かな文化生活の両立という視点は、当社における商品開発すべての大切な原点となっております。
紙・パルプ事業では、印刷用紙、情報用紙が主な製品群となります。イメージング事業は、大きく分けてインクジェット用紙部門と写真用印画紙、写真用原紙、印刷製版材料などの写真感光材料部門から構成され、研究開発は電気・電子関連材料などイメージング技術を応用した分野に取り組んでおります。機能材事業では、高機能性不織布の開発とその不織布技術を用いた各種フィルターや二次電池用セパレータ等の機能性材料の研究を行っております。
研究活動は、機能材研究開発センター(旧つくばR&Dセンター)、京都R&Dセンター、生産技術センターの3センター制で運営しております。
白河の生産技術センターでは、抄紙テストプラントとオフセット印刷機に関わる印刷評価設備を擁し、研究開発成果の商品化支援と既存製品の品質向上に取り組んでおります。
当連結会計年度の研究開発費は11億4千8百万円で、当連結会計年度末に当社が保有する産業財産権の総数は1,655件であります。
セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。
紙・パルプ事業では、これまで産業用インクジェット用紙の新規開発を進めてまいりましたが、この技術を応用し、現在は新たに、インクジェット昇華捺染転写用紙の開発に注力しております。捺染用紙市場の中でもインクジェット昇華捺染は、北米、南米、欧州を中心に、年率20%と特に高い伸び率で市場を拡大しており、転写用紙に対しても高品質発現の為の高い技術が要望されるようになってまいりました。開発検討の結果、お客様の品質要望に応えられる銘柄として、「IJ-TF-PIJ63」の商品化に至りました。既に海外向けで販売を開始しており、今後の数量拡大が期待されます。
また、八戸工場の廃棄物ボイラー焼却灰を造粒することで有効活用した商品「リグローブ」の拡販を進めており、前期、国土交通省東北地方整備局や八戸市の事業に使用していただいたのに続き、当期は、青森県商工労働部や青森県産業技術センターにも雑草抑制材として採用されております。加えて、従来の用途にとどまらず、新規用途展開の可能性を検証しております。
さらに、洋紙事業における新たな商品開発プロジェクトをスタートさせました。新たな機能紙などの開発を進めており、商品化に向けて幾つかの銘柄について試作を重ねている段階です。
当連結会計年度の紙・パルプ事業の研究開発費は1億9千9百万円であります。
イメージング事業では、インクジェット用紙部門、写真感光材料部門の開発で蓄積したイメージング技術を活かして、既存部門だけでなく機能性フィルムなど成長分野での商品開発を進めております。
インクジェット用紙部門では、デジタル捺染デモセンターを高砂工場内に設置し、テキスタイル分野において急拡大しつつある昇華熱転用及び熱圧転写用のデジタル捺染紙を開発、上市いたしました。
写真感光材料部門では、シルクスクリーン印刷業界をターゲットとしたデジタルスクリーン製版機を上市し、極小ロットのオフセットやデジタル印刷の印刷後加工分野に向けて、自動紙加工機を開発するなど新分野の開拓を進めております。
京都R&Dセンターでは、電子基板や電子部品用絶縁材料のエッチング液を上市し、すでに上市しております感光性レジストやレジスト処理システム、タッチパネルセンサーとともにエレクトロニクス分野で品揃えを強化して販売拡大に努めております。
当連結会計年度のイメージング事業での研究開発費は6億1千7百万円であります。
機能材事業では、不織布製品の開発にリソースを集中して投入し、エアフィルター、二次電池セパレータ、水処理関連材料、その他各種機能性材料の開発を進めております。
エアフィルターについては、室内空気環境への関心が高まる新興国市場向けに、脱臭、集塵、機能性フィルターの開発・提案を進め、ASEANの空気清浄機及びエアコンメーカーに採用されております。
機能材研究開発センターで開発した電池用セパレータについては、高耐熱性を有した塗工タイプの不織布セパレータが、国内外において産業用電池に採用されました。引き続き、用途拡大に向けた評価を進めていただいておりますが、 EV用として採用されるためには、高安全性等の性能発現メカニズムの解明が必要であり、大学とも共同で研究を行い、お客様への情報提供を行っております。
その他の機能性材料については、均一性に優れた炭素繊維不織布を開発し、現在、複数のお客様により利用評価が進められております。また、パルプ由来のセルロースの利用については、セルロースと樹脂の複合材の効率的な生産方法の検討を進めております。
子会社のKJ特殊紙では、独自の技術により開発したカーボンナノチューブの分散液をベースとして、商品を塗料、塗工シート、成型体、染糸、織物などの形態に展開して、導電発熱性塗料、帯電防止塗料、極薄フレキシブル面状ヒーター等への応用を検討しています。また、従来有している無機繊維の抄造技術と融合させ、300℃以上の高温用薄膜ヒーターの実用化を図っております。
当連結会計年度の機能材事業での研究開発費は3億3千1百万円であります。