文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、高い技術力を活かした製品を顧客に提供し社会に貢献することを経営理念とし、この経営理念のもと以下の企業グループを目指してまいります。
・ 世界市場で顧客の信頼に応える企業グループ
・ 常に技術の先端を行く企業グループ
・ 地球環境保全、循環型社会に貢献する企業グループ
(2) 経営環境
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える大きな要因として、当社グループの主力事業である洋紙事業の構造的な需要減退、市況変動、木材チップ、製紙用パルプ・重油・石炭・諸薬品等の原燃料価格変動があります。
洋紙の需要減退は今後も進行すると思われ、経営環境は厳しさを増して行くと認識しております。
原燃料費については、購入パルプ・石炭など一時期より下落したものもありますが、チップ価格など上昇したものもあり、全体的には高い水準にあります。
紙・パルプ事業は、洋紙の需要減退や市販パルプの市況下落など販売面では厳しい環境にありますが、昨年1月の価格修正後の市況の維持、王子グループとの業務提携効果、今後も安定的な需要の見込める家庭紙事業の拡充や、脱プラスチック用途としての市場拡大の可能性があるバリアコート紙や晒クラフト紙等の新商品開発を進めることなどにより、事業構造転換を進めて収益安定化を図ります。
イメージング事業は、既存製品である印刷製版材料や写真印画紙などは電子化による構造的な需要減退が進んでおりますが、富士フイルムとのアライアンスの強化、市場開拓余地のある新興国でのインクジェット用紙拡販や、エレクトロニクス関連分野での新事業確立を進めてまいります。
機能材事業は、主要販売先である中国の経済状態や香港情勢が不安定なことによる先行きの不透明感はありましたが、バッテリーセパレータなどの販売は増加しました。今後も市場拡大が見込める分野で、新規拡販や新商品開発による事業拡大の取組みを進めてまいります。
当社グループは、「新しいステージに立った事業基盤の強化と多様化」を基本方針とする「新中期経営計画」(2019年4月~2022年3月)に取り組んでおります。「新中期経営計画」では最終年度(2022年3月期)の経営数値目標を設定しております。
○ 経営数値目標
(4) 会社の対処すべき課題
[新型コロナウイルスの影響に関して]
当社グループは、新型コロナウイルスの感染リスク拡大に対して、従業員の生命と安全を守るため、製造現場では、時差出勤・交代出勤・接触機会の削減等の対策を講じ、販売・管理部門ではリモートワークを進める等の感染防止対策を取っています。
外出制限・イベント中止などで、印刷・情報用紙の需要減退が加速し、画像出力用のイメージング分野も打撃を受けるなど、マイナスの影響は避けられません。一時帰休等も行いながら需要動向に応じた生産体制を維持するなど、経営の「守り」を固め、この事態に対処してまいります。
一方で、衛生面でのニーズの高まりから家庭紙やフィルター関係の需要は増加しており、発電事業などは社会インフラを支える不可欠なものであります。また、生活のさまざまな局面で使われる紙には、社会を下支えする重要な使命があります。新型コロナウイルス禍で激変・急変する状況に柔軟に対応し、このような経営の「攻め」の部分にも力を割いてまいります。
[新中期経営計画について]
「新中期経営計画」(2019年4月~2022年3月)では、「新しいステージに立った事業基盤の強化と多様化」を基本方針とし、王子グループとのアライアンスによる強固な経営基盤の確立、既存事業の再構築と充実、及び新たな収益の柱の育成による事業基盤の多様化により、当社の健全で持続的な成長と中長期的な企業価値の最大化を図ります。
① 王子グループとのアライアンスによる強固な経営基盤の確立
・王子グループ及び当社グループの経営資源及びノウハウを相互に活用して生産、販売、原材料調達、物流、エンジニアリング、設備投資、研究開発及び間接部門など全ての事業分野において強固な協業関係を構築することにより、効率化とコストダウン効果を早期に発現させ、競争力強化を図ります。また、財務基盤の強化により、経営基盤の安定化と有利子負債の一層の削減を進めます。
・洋紙事業は、王子グループとの相互OEMの強化、販売体制の転換、倉庫や物流の相互活用も含めた物流費の削減、需要動向に見合った生産体制の構築と生産効率の向上、及び原燃料の購入コストの削減などを進め、収益安定化を進めてまいります。
② 既存事業の再構築と充実
・イメージング事業は、写真用原紙などで富士フイルムとのアライアンスによる事業基盤強化を進めながら、海外市場への積極的展開により、成熟化しつつある既存製品販売の充実を図ります。
・機能材事業は、独自の技術を活かし、中国を中心にアジア諸国及び欧米での販売拡大に努め、水処理膜支持体などの不織布、リライトメディア、化粧板原紙やテープ原紙などの事業で着実な前進を図ります。
③ 新たな収益の柱の育成による事業基盤の多様化
・八戸工場では、王子グループと共同による家庭紙事業やバイオマス発電事業を順次立ち上げており、事業構造の転換を進めながら黒字安定化を図ります。
・イメージング技術を用いた機能性フィルムやデジタル捺染紙、品質面で優位性を持つバッテリーセパレータや無機繊維紙、脱プラを目指した各種バリア紙の立上げ、などの成長分野での事業拡大と多様な新規事業の確立に向けた取り組みを進めます。
「新中期経営計画」の初年度である当期は、王子グループとの主なアライアンスとして、以下の進捗がありました。次年度以降も引き続き、王子グループとのアライアンス拡大に取り組んでまいります。
2019年4月 エム・ピー・エム・王子ホームプロダクツ㈱
営業運転開始(家庭紙事業)
2019年9月 エム・ピー・エム・王子エコエネルギー㈱
営業運転開始(バイオマス発電事業)
2019年11月 三菱王子紙販売㈱
三菱製紙販売㈱から商号変更を行い「王子」ブランドの仕入基盤確立
2019年11月 OCMファイバートレーディング㈱
王子ホールディングス㈱と中越パルプ工業㈱の輸入チップ調達会社に資本参加し輸入木材チップの共同調達開始
2019年11月 王子イメージングメディア㈱からのノーカーボン紙の生産・販売移管を発表
2020年7月から王子イメージングメディア㈱神崎工場のノーカーボン紙事業の生産および販売を当社高砂工場に移管予定
[CSR(企業の社会的責任)について]
当社グループでは、CSRの目的はステークホルダーの皆様からの信頼と共感を得ることを通じて企業価値を向上し、環境面、社会面、財務面からの諸課題の解決につなげることにあると認識し、CSRを事業活動の中で取り組むべき重要な経営課題のひとつと位置づけております。
当期は、「安全衛生に関する活動の強化」及び「社会との共生を意識した商品開発」を最重要課題として取り組みました。また、国連の「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」の達成に貢献するFSC森林認証紙をはじめとする環境配慮型商品の拡充等に努めてまいりました。
2021年3月期は、引き続き「安全衛生に関する活動の強化」及び「社会との共生を意識した商品開発」の2点を最重要課題に掲げ、企業価値の向上を目指し、特徴あるCSR活動を展開してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。
(1) 市場及び事業に関するリスク
① 国内需要の減少及び市況価格の下落
国内景気の大幅な後退により、当社グループ製品の紙・パルプ、インクジェット用紙、写真感光材料、機能性材料等の国内需要が大幅に減少した場合や、製品市況が下落した場合には、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 原材料価格の上昇
当社グループが調達する主要原材料である木材チップ、製紙用パルプ、重油、石炭等の価格は、国際的な需給関係等により変動するため、これら主要諸資材の価格が上昇した場合には、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 設備投資
当社グループの主要事業である紙・パルプ事業、イメージング事業、機能材事業はいわゆる装置産業にあたり、多額の設備投資資金を要します。当社グループでは、大型の設備投資は将来の需要予測に基づいて実施いたしますが、市場の動向が変化した場合等においては、新規設備の稼働率が十分に上がらない可能性があります。この場合、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 固定資産の減損
当社グループは生産設備等の固定資産を有しております。これらの固定資産は、事業環境の変化によって将来キャッシュ・フローに悪化が見込まれる場合に、固定資産の減損に係る会計基準の適用により、減損損失が発生する可能性があります。この場合、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 繰延税金資産
当社グループは、将来の課税所得の予測に基づいて繰延税金資産の計上・取崩を行っております。経営成績が大幅に悪化した場合には、繰延税金資産の回収が見込めないと判断をし、繰延税金資産を減少させることにより、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 金融及び経済に関するリスク
① 為替変動
当社グループは、原材料の購入及び製品の販売等において、広く外貨建て取引及び外貨ベースでの円建て取引を行っております。輸入取引と輸出取引のどちらか一方に大きく偏っているということはありませんが、為替レート変動の影響を受けることになるため、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 金利の上昇
当社グループは、主に借入れによる資金調達を行っており、大幅な金利の上昇が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 投資有価証券
当社グループは、取引先との関係維持のため時価のある投資有価証券を保有しております。当社グループが保有する株式等の投資有価証券の時価が大幅に下落した場合には、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 退職給付債務
当社グループの退職給付費用及び退職給付債務は、割引率や年金資産の長期期待運用収益率等の数理計算上の前提に基づいて算出されております。株式市場の下落などにより前提条件が変動した場合には、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) その他のリスク
① 災害
当社グループの国内外の事業所、社有林等は、地震、津波、火災等の災害に見舞われる可能性があります。また、テロやサイバー攻撃のような人為的な災害に見舞われる可能性もあります。この場合、保険金で補償される金額を除いて、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 新型コロナウイルス感染拡大のリスク
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、経済活動全般の萎縮に伴う需要低迷に加え、印刷用紙・情報用紙の需要減少(イベント中止、オフィス向け需要減等)、世界的な外出制限による画像出力向けのフォト・IJの需要減少などが生じる可能性があります。生産販売数量が大幅に減少した場合には、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 法規制又は訴訟
当社グループの国内外における事業は、環境、知的財産、製造物責任等各種の法規制を受けており、それに関連し訴訟等を受ける可能性があります。その結果によっては、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 偶発事象
その他偶発事象に起因して費用や損失が発生し、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループにおいて発生しうるリスクをすべて予測することは不可能であり、リスクは上記に限られるものではありません。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営成績等の状況及び経営者の視点による分析・検討内容
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況及び経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。なお、個々の「重要な会計方針及び見積り」については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(追加情報)」に記載のとおりであります。
② 経営成績に関する説明
当期は、米中貿易摩擦の長期化などで世界経済が不安定に推移するなか、2020年1月以降は新型コロナウイルスの感染拡大により、日本経済および世界経済への影響懸念が一段と強まっています。紙パルプ産業においては、情報メディアの電子化による構造的な需要減退や、原燃料価格の高止まりなどにより、厳しい状況で推移いたしました。
このような状況下、当社グループは「新しいステージに立った事業基盤の強化と多様化」を基本方針とする「新中期経営計画」(2019年4月~2022年3月)を策定して取組みを開始しております。
「新中期経営計画」では3つの重点戦略として、
① 王子グループとのアライアンスによる強固な経営基盤の確立
② 既存事業の再構築と充実
③ 新たな収益の柱の育成による事業基盤の多様化
を掲げ、精力的に諸施策を進めています。
王子グループと進めてきたバイオマス発電事業(エム・ピー・エム・王子エコエネルギー㈱)と家庭紙事業(エム・ピー・エム・王子ホームプロダクツ㈱)は当期から操業を開始しました。また、王子ホールディングス㈱及び中越パルプ工業㈱の輸入チップ共同調達会社に当社も資本参画し、OCMファイバートレーディング㈱からの調達を開始しました。これにより、大幅な原料コスト削減を図るなど、王子グループとのアライアンスは着実に成果を出しています。
当期は、前期導入した洋紙の輸送調整金制度や価格修正効果などはありましたが、洋紙の国内外での販売数量減少やイメージングの海外市場を中心とした既存製品の減少等により、連結売上高は1,945億7千5百万円(前期比4.6%減)となりました。
損益面では、洋紙の価格修正効果やコストダウン諸施策を進めたことなどにより、連結営業利益は19億7千6百万円(前期は営業損失4千万円)、連結経常利益は26億9千6百万円(前期は経常損失9億1千4百万円)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、八戸工場4号抄紙機の減損損失を計上したことなどにより、8億1百万円(前期は3億5千1百万円)となりました。
当社単体では、売上高は1,064億5千2百万円、営業利益は4億2千2百万円、経常利益は8億9千8百万円、当期純損失は9億7千1百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(紙・パルプ事業)
国内市場につきましては、価格の維持に努めましたが、印刷用紙、情報用紙ともに需要の落ち込みが一段と進み、販売数量、販売金額ともに減少しました。輸出は、アジア向け印刷用紙を中心に販売数量を伸ばしたものの、市況の下落により販売金額は減少しました。需要動向に応じた生産体制を確立するべく既に八戸工場4号抄紙機を停機しておりますが、需要減退が想定以上に加速していることを受け、第3四半期以降減産を強化し、需給引き締めを図ってまいりました。
欧州子会社では、昨年来の価格修正効果はあったものの、感熱紙及び感圧紙の販売数量の減少に加えて為替の影響もあり、販売金額は減少しました。
市販パルプにつきましては、国際市況の急激な悪化に伴い、販売数量、販売金額ともに減少しました。
以上の結果、紙・パルプ事業全体の売上高は1,464億1千3百万円と、前期比6.6%減となりました。営業損益は、洋紙の価格修正効果等により、前期の14億2千7百万円の損失から25億6千8百万円増加し、11億4千万円の利益となりました。
今後も、従来の取組みに加えて、脱プラスチック事業としてのバリアコート紙や晒クラフト紙等の新商品の拡販、王子グループとの協業強化等によりポートフォリオの転換を図り、早期に収益の安定化を目指してまいります。
(イメージング事業)
国内市場につきましては、写真感光材料を中心に堅調に推移し、販売金額は増加しました。
海外市場につきましては、アライアンス効果によって写真感光材料の受注が安定し、インクジェット用紙は新興国や業務用途の需要が拡大しましたが、既存製品の需要減退の影響が大きく、販売金額は減少しました。
以上の結果、イメージング事業全体の売上高は336億7百万円と、前期比4.8%減となりました。営業損益は前期の5億3千7百万円の利益から8億6千8百万円減少し、3億3千万円の損失となりました。既存製品の需要減退に伴う海外市場での販売数量の減少に加え、円高による価格安や生産コスト上昇などにより、減収減益となりました。富士フイルム㈱とのアライアンス強化による写真用原紙の数量確保、既存製品の海外での直販体制構築に伴う販売力強化や取引見直しによる採算改善を進めるとともに、生産性向上と固定費の削減に努めましたが、減収減益要因をカバーするには至りませんでした。
今後も、富士フイルム㈱とのアライアンスにより事業基盤を一層強固にして生産体制の効率化に取り組み、エレクトロニクス関連製品の事業確立、海外顧客との協業体制構築に伴う販売力強化を推進し、収益の確保に取り組んでまいります。
(機能材事業)
機能材料につきましては、バッテリーセパレータが増加しましたが、リライトメディアや水処理膜支持体の販売金額が減少しました。
化学紙につきましては、主力の化粧板原紙のほか、壁紙用裏打紙やテープ原紙の販売金額が減少しました。
以上の結果、機能材事業全体の売上高は161億7千8百万円と、前期比7.5%減となりました。営業利益は前期の6億5千3百万円から2億9千9百万円増加し、9億5千3百万円となりました。原燃料価格安や工場コストダウン効果に加え、一部製品の価格修正により、増益となりました。
引き続き、水処理膜支持体の新規ユーザー獲得やMBR(膜分離活性汚泥法)膜用への展開、高耐熱のバッテリーセパレータの拡販、化粧板原紙やテープ原紙等の新規拡販とコストダウンに注力してまいります。
(倉庫・運輸事業)
倉庫・運輸事業の売上高は80億8千7百万円と、前期比2.9%減となりました。営業利益は前期の1億8千4百万円から4千7百万円減少し、1億3千6百万円となりました。
(その他)
工務関連子会社の売上増加等により、売上高は72億8百万円と、前期比10.8%増となりました。営業利益は前期の9千8百万円から3千4百万円増加し、1億3千3百万円となりました。
また、当連結会計年度は「新中期経営計画」の初年度にあたります。「新中期経営計画」の最終年度目標値との対比は、以下のとおりであります。
○ 経営数値目標
「新中期経営計画」の2022年3月期の目標値に対する進捗は、売上高は販売数量の未達により想定より下回っています。損益面では、売上高の減少をコストダウンの進捗等で一部カバーして、営業利益は想定より下回りましたが、経常利益は想定を上回っております。有利子負債は、計画に沿って削減を進めております。
新型コロナウイルスの影響は、2020年3月期は限定的でしたが、2021年3月期以降は印刷・情報用紙や画像出力向けのフォト・IJ等の需要減少が生じる可能性があります。現時点で2021年3月期以降の新型コロナウイルスの影響を計ることは困難ですが、「新中期経営計画」に織込んだ諸施策を着実に実施してまいります。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は販売価格によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
流動資産は、たな卸資産の増加はあったものの、受取手形及び売掛金の減少等により、前連結会計年度末に比べ71億1千3百万円減少しました。
固定資産は、減価償却の進行による有形固定資産の減少や、株価下落による退職給付に係る資産等の減少により、前連結会計年度末に比べ134億2千8百万円減少しました。
この結果、当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ205億4千1百万円減少し、2,122億1千7百万円となりました。
負債は、退職給付に係る負債等の増加はあったものの、支払手形及び買掛金、有利子負債等の減少により、当連結会計年度末における残高は、前連結会計年度末に比べ140億6千4百万円減少し、1,516億8千9百万円となりました。
有利子負債残高につきましては、前連結会計年度末に比べ27億円減少の1,019億円となりました。「新中期経営計画」で2022年3月末の目標を980億円と設定しており、目標に沿って削減を進めました。D/Eレシオは2022年3月末目標の1.3倍に対して1.7倍となっております。
非支配株主持分を含む純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上はありましたが、退職給付に係る調整累計額、その他有価証券評価差額金、連結子会社株式の追加取得による資本剰余金の減少等により、当連結会計年度末における残高は、前連結会計年度末に比べ64億7千6百万円減少し、605億2千7百万円となりました。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末と同じく、28.5%となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ23億5千6百万円減少し、92億6千万円となりました。
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ90億8千9百万円減少し、99億7千6百万円となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益10億円、減価償却費98億2千4百万円、売上債権の減少62億2千9百万円であり、支出の主な内訳は、仕入債務の減少45億3千7百万円、たな卸資産の増加42億7千3百万円であります。
前連結会計年度に比べ営業活動の結果得られた資金が減少した主な要因は、前連結会計年度は資金調達手段多様化を目的とする債権流動化の実行金額増加が大きかったことなどによります。
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ24億7百万円減少し、65億7千1百万円となりました。支出の主な内訳は、有形及び無形固定資産の取得による支出72億4千3百万円であります。
前連結会計年度に比べ投資活動の結果使用した資金が減少した主な要因は、有形及び無形固定資産の取得による支出が29億7千9百万円減少したことなどによります。
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ25億3千万円減少し、56億5千5百万円となりました。これは主に有利子負債の削減によるものであります。有利子負債は、営業活動によるキャッシュ・フロー99億7千6百万円と、投資活動によるキャッシュ・フロー△65億7千1百万円を合計したフリー・キャッシュ・フロー34億5百万円を原資にして、前連結会計年度に引き続き削減を進めました。
当社グループの運転資金需要の主なものは、原燃料購入、製造諸費用、販売費及び一般管理費等であります。投資資金需要の主なものは、既存設備の改善や効率向上、省エネルギー対応などの性能向上、成長分野での事業拡大と多様な新規事業の確立に向けた設備投資などであります。
当社グループの運転資金及び設備資金については、自己資金と金融機関からの借入金、コマーシャル・ペーパーの発行等により調達しております。また、運転資金の調達手段多様化として売掛債権の流動化も実施しております。長期資金の調達につきましては、金利動向等の市場環境を見ながら、シンジケート・ローンの活用など調達手段や調達時期を適宜判断して実行しております。
また、当社グループ内では、キャッシュ・マネジメント・システムを導入して資金の一元管理を行い、資金効率の向上を図っております。運転資金の圧縮など資産効率の改善も進めながら、経営目標である2022年3月末有利子負債残高980億円、D/Eレシオ1.3倍の達成に向けて取り組んでおります。
経営上の重要な契約等は次のとおりであります。
当社は「ハイグレード&情報メディアの三菱製紙」を掲げ、印刷・情報用紙のみならずイメージング関連材料、機能性材料など、幅広い分野の商品開発・製造に取り組んでおります。また、地球環境の保全と循環型社会の構築は、豊かな森林資源にその事業基盤を持つ製紙産業にとって何より重要な課題であり、環境への配慮とより豊かな文化生活の両立という視点は、当社における商品開発すべての大切な原点となっております。
紙・パルプ事業では、印刷用紙、情報用紙が主な製品群となります。イメージング事業は、インクジェット用紙部門と写真用印画紙、写真用原紙、印刷製版材料などの写真感光材料部門から構成され、研究開発は電気・電子関連材料などイメージング技術を応用した分野に取り組んでおります。機能材事業では、高機能性不織布の開発とその不織布技術を用いた各種フィルターや二次電池用セパレータ等の機能性材料の研究を行っております。
研究活動は、つくばR&Dセンター(旧機能材研究開発センター)、京都R&Dセンター、生産技術センターの3センター及び商品開発部等で運営しております。
白河の生産技術センターでは、抄紙テストプラントとオフセット印刷機に関わる印刷評価設備を擁し、研究開発成果の商品化支援と既存製品の品質向上に取り組んでおります。
当連結会計年度の研究開発費は
セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。
八戸工場では、お客様からの要望にお応えし、新たに「DFカラーマットIJ」を上市いたしました。当該銘柄は、これまで当社が培ってきた産業用インクジェット用紙開発の技術を応用したもので、産業用インクジェット印刷機、オフセット印刷機、いずれに対しても優れた適性を有する共用印刷用紙となっております。特に圧着葉書用途として好適に使用する事ができ、お客様からも高い評価をいただいております。
また、八戸工場はこれまで印刷用紙の生産が中心でしたが、新商品開発プロジェクトの下、包装用紙の商品化検討を進めており、既に上市した晒クラフト紙に続き、「barricote J HS-G」の商品化に至りました。この銘柄は、当社が積極的に商品展開を進めている、紙素材の包装用コート紙 「barricote」ブランドの一つであり、優れたヒートシール適性と高いグラビア印刷適性を両立した、二次包装(集合包装)用途に特化したグレードになります。今後更に、プラスチック材料から紙素材への置換が可能な新商品を提供すべく、開発を継続中であります。
当連結会計年度の紙・パルプ事業の研究開発費は
イメージング事業では、インクジェット用紙部門、写真感光材料部門の開発で蓄積したイメージング技術を活かして、既存部門だけでなく機能性フィルムなど成長分野での商品開発を進めております。
インクジェット用紙部門では、テキスタイル分野において昇華転写用デジタル捺染紙のラインナップを拡充して北米およびアジア市場を中心に開拓を進めており、熱圧転写用のデジタル捺染紙は試験販売に向け開発に取り組んでおります。
写真感光材料部門では、軽印刷業界をターゲットとした製版機器の開発を完了するとともに、シルクスクリーン印刷業界をターゲットとしたTシャツ向け新規転写システムの導入に取り組むなど新分野の開拓を進めております。
京都R&Dセンターでは、電子工業材料の新規用途開発や先端絶縁材料の処理システム開発に注力しており、すでに上市しております感光性レジストやレジスト処理システムとともにエレクトロニクス分野で品揃えを強化して販売拡大に努めております。
当連結会計年度のイメージング事業での研究開発費は
機能材事業では、不織布製品の開発にリソースを集中して投入し、エアフィルター、二次電池セパレータ、水処理関連材料、その他各種機能性材料の開発を進めております。
エアフィルターについては、成長が見込まれる中国空気清浄機市場を開拓すべく、中国子会社に濾材生産設備及び空気清浄機の中国国家標準に準拠した評価設備を導入し、中国での開発・生産体制を構築しました。
リチウムイオン電池用のセパレータについては、より電池の長寿命化に貢献できるようなセパレータの設計・開発を進めております。
また、耐熱性・耐薬品性に優れたPPS繊維不織布、極薄オレフィン繊維不織布、その他の特殊繊維のシート化を検討し、多くのお客様と共同で商品化を検討しております。
子会社のKJ特殊紙では、セラミック繊維を用いた高耐熱の無機繊維シート「コーセラン」の強度、加工性の向上と量産化を達成し、耐熱材に加え、VOC除去装置、除湿装置用の吸着基材として採用されました。更に不燃材、防炎材等への展開を図っています。また、カーボンナノチューブ分散液は帯電防止材料として採用が決まり、更なる拡販を進めております。
当連結会計年度の機能材事業での研究開発費は