第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度における我が国経済は、企業収益や雇用情勢の改善及び設備投資の増加等により、景気は緩やかに回復基調が続いているものの、中国をはじめとするアジア新興国や資源国等の海外経済の不確実性が高まるなど、依然として先行き不透明な状況が続きました。

当社グループにおきましては、国内における販売数量は、洋紙・白板紙共に減少したものの、中国での白板紙事業の営業運転を開始したことや、当連結会計年度より株式取得によるAlpac Forest Products Inc.及びAlpac Pulp Sales Inc.の連結子会社化等により増収となりました。また、洋紙の価格修正効果や原燃料価格の下落によるコスト負担の減少等により、当社グループの当連結会計年度における業績は以下のとおりです。

売  上  高           246,849百万円 (前連結会計年度比   8.1%増)

営 業 利 益             9,236百万円 (前連結会計年度比  50.4%増)

経 常 利 益            10,587百万円 (前連結会計年度比   7.6%減)

親会社株主に帰属する当期純利益     7,476百万円 (前連結会計年度比  10.6%減)

 

主なセグメント別の業績は、下記のとおりであります。

 

① 紙パルプ事業

紙パルプ事業につきましては、国内においては、販売数量が減少したものの、洋紙の価格修正、中国での白板紙事業の営業運転を開始したことや、当連結会計年度より株式取得によるAlpac Forest Products Inc.及びAlpac Pulp Sales Inc.の連結子会社化等により増収となりました。
 損益面においては、洋紙の価格修正効果や原燃料価格の下落によるコスト負担の減少、さらには当連結会計年度より株式取得によるAlpac Forest Products Inc.及びAlpac Pulp Sales Inc.の連結子会社化等により、増益となりました。

品種別には、洋紙につきましては、価格修正を実施した一方で、企業における広告宣伝費削減によるチラシ等の部数減少や電子媒体へのシフトによる紙の使用減少により販売数量は減少しました。

白板紙につきましては、コート白ボールは食品向けに定期品が堅調に推移し、高級白板紙もインバウンド効果による化粧品、医薬品関連商品が堅調でしたが、特殊白板紙にて洋菓子向けパッケージや、ギフト関連が振るわず販売数量は減少しました。

特殊紙につきましては、車載用バッテリーセパレータ、空気清浄用フィルター及びキャリアテープ等の機能紙分野は堅調に推移しました。一方で、カタログ・パンフレット・カレンダー用途等の高級印刷用紙やファンシーペーパーは厳しい受注状況となりました。

 

以上の結果、紙パルプ事業の業績は以下のとおりとなりました。

 売上高   218,276百万円 (前連結会計年度比   8.8%増)

 営業利益    7,319百万円 (前連結会計年度比   64.7%増)

 

 

② パッケージング・紙加工事業

パッケージング・紙加工事業につきましては、液体容器において価格修正及び受注が増加し、加工紙においてもインバウンド効果による化粧品分野で受注が増加したことにより増収となりました。損益面においては、各種コストダウン等の効果により増益となりました。

 以上の結果、パッケージング・紙加工事業の業績は以下のとおりとなりました。

 売上高    20,129百万円 (前連結会計年度比   1.6%増)

 営業利益      696百万円 (前連結会計年度比  57.3%増)

 

③ その他

木材事業、建設業、運送・倉庫業をはじめとするその他事業につきましては、建設業において、受注が増加し増収となりました。損益面においては、各種コストダウン等の効果により増益となりました。

以上の結果、その他事業の業績は以下のとおりとなりました。

 売上高     8,443百万円 (前連結会計年度比   6.4%増)

 営業利益      551百万円 (前連結会計年度比  19.2%増)

 

 なお、上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べて3,592百万円増加し、18,890百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は20,943百万円(前連結会計年度比24.8%減)となりました。
 収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益9,821百万円、減価償却費19,552百万円、仕入債務の増加額2,534百万円、支出の主な内訳は、持分法による投資利益3,960百万円、たな卸資産の増加額4,113百万円、法人税等の支払額2,352百万円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は3,628百万円(前連結会計年度比77.7%減)となりました。
 支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出8,379百万円、収入の主な内訳は、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入5,380百万円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は12,301百万円(前連結会計年度比26.7%減)となりました。
 支出の主な内訳は、長期借入金の返済による支出31,918百万円、社債の償還による支出10,000百万円、短期借入金の減少額7,095百万円、配当金の支払額2,271百万円、収入の主な内訳は、長期借入れによる収入28,791百万円、コマーシャル・ペーパーの増加額11,000百万円であります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、その内容、構造、形式等は必ずしも一様ではありません。このため、セグメントごとの生産高を表示することは困難であります。そこで、紙パルプ事業の主要生産会社である当社、Alpac Forest Products Inc.及び江門星輝造紙有限公司の当連結会計年度における主たる品種別生産実績を示すと、次のとおりであります。

 

区分

生産高(t)

前年同期比(%)

洋紙

1,400,336

96.2

板紙

497,461

161.3

合計

1,897,797

107.5

パルプ

1,195,910

111.4

 

(注)当連結会計年度において、江門星輝造紙有限公司が営業運転を開始したことにより、板紙の生産高が増加しております。また、株式取得によりAlpac Forest Products Inc.を連結の範囲に含めたことにより、パルプの生産高が増加しております。
なお、Alpac Forest Products Inc.については、平成27年10月1日から平成27年12月31日までの生産高を含めております。

 

(2) 受注実績

当社グループは、一部受注生産を行っているものもありますが、大部分は一般市況及び直接需要を勘案して計画生産を行い、自由契約に基づき販売しております。このため、グループ会社の受注実績を把握することが困難であります。そこで、受注実績については記載を省略しております。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

紙パルプ事業

218,276

108.8

パッケージング・紙加工事業

20,129

101.6

その他

8,443

106.4

合計

246,849

108.1

 

(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

新生紙パルプ商事㈱

40,732

17.8

39,671

16.1

国際紙パルプ商事㈱

26,333

11.5

24,268

9.8

 

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

(1) 長期経営ビジョン及び中期経営計画の達成に向けて

当社グループは、平成23年4月に、平成32年(2020年)を目標とする長期経営ビジョン「Vision 2020」を策定するとともに、その達成に向けて平成23年4月より「G-1st」計画、平成26年4月より「C-next」計画を策定し、国内事業の収益基盤の強化や海外事業への積極的な進出など、様々な経営施策を戦略的に進めてまいりました。

 

(2) 重点経営施策

① 事業環境認識

我が国経済は、企業収益や雇用情勢の改善及び設備投資の増加等により、景気は緩やかに回復基調が続いているものの、中国をはじめとするアジア新興国や資源国等の海外経済の不確実性が高まるなど、依然として先行き不透明な状況が続きました。

国内紙パルプ産業において、少子高齢化やICT化の進展による構造的な変化により、印刷・情報用紙の国内市場は厳しさを増しております。あわせて海外市場も競争の激化により一段と厳しい状況になってきております。

 

② 4つのコア事業の取り組み

このような事業環境の中、当社グループは洋紙、白板紙、特殊紙及び紙加工からなる4つのコア事業を主体に取り組みを進めてまいりました。まず、洋紙事業につきましては、主力の新潟工場において印刷用紙の内需縮小に対応し輸出を増大する拡大均衡策を推進し競争力を高めております。洋紙主要4品種における平成27年度の生産量は、リーマンショック前の平成19年度比で14%増加し、国内シェアも10%から19%と増加し、当社は業界第2位と肩を並べるまでに成長いたしました。今後も、国内市場の動向を見極めながら、ユーザーの品質要望に応え、新製品の上市を目指すとともに最適生産体制の構築を図り、さらなる体質の強化につなげてまいります。

白板紙事業につきましては、昨年1月から中国の江門星輝造紙有限公司の白板紙マシンが営業運転を開始し、初年度の生産は順調に滑り出しました。引き続き、お客様のニーズに合致した製品を提供するとともに、マーケティングの徹底による販売戦略の強化を推進してまいります。また国内の白板紙事業においては、新たに関東工場においてスラッジ炭化設備や、古紙処理設備第2期工事を予定しており、さらなる品質及びコスト改善を推進してまいります。

特殊紙事業につきましては、昨年、フランスのBernard Dumas S.A.S.(デュマ社)において、欧州で販売が好調な車載用バッテリーセパレータの増産工事を実施したほか、米国の当社子会社HK PAPER(USA),Inc.を通じた販売を進めてまいりました。また国内においては、デュマ社とのシナジー効果の発現として長岡工場で車載用バッテリーセパレータを生産し、販売を開始いたしました。全世界に向けて米国・欧州・日本の3極から拡販を進めてまいります。

紙加工事業につきましては、紙加工トータルサービスの向上による事業競争力強化を図るため、当社グループのビーエフ&パッケージ㈱において本年1月より茨城県ひたちなか市の「勝田工場」と埼玉県所沢市の「所沢工場」の組織統合を実施いたしました。今後は、多能工化の推進や効率的な生産体制と品質管理体制の確立に努めるとともにシナジー効果を発現し、原紙製造から最終製品まで一貫製造できる競争優位性を活かして市場シェアの拡大を目指してまいります。

 

 

③ 新規事業の取り組み

当社グループは、「Vision 2020」で掲げた目標を達成するため、新たに、昨年10月にカナダ西部のアルバータ州で単一工場としては北米最大であるパルプ製造・販売事業を展開するAlpac Forest Products Inc.及びAlpac Pulp Sales Inc.を完全子会社化いたしました。この買収により当社グループは、パルプの外販事業に本格的に進出し新たな収益基盤を確立いたしました。本事業につきましては、引き続き北米・アジア・日本等に向けて販売を強化してまいります。

また、当社は現在、新素材「セルロースナノファイバー」を用いた3次元ネットワーク構造体の製造を研究しております。具体例としては半導体工場のクリーンルームなどに使われる超高性能エアフィルターへの応用や、世界的に注目されている「エアロゲル(スポンジ状の3次元構造体)」の製造法の研究を進めており、今後はさらに開発スピードを加速してまいります。

さらに当社は、平成29年4月よりスタートする新中期経営計画においても数百億円規模の戦略投資を検討しており、既存事業の拡大と新たな海外事業への進出を進めてまいります。

 

④ 環境への取り組み

当社グループは、原料から製品に至るまで、環境へのあらゆる影響を最小限にする「ミニマム・インパクト」を基本方針とし、業界に先駆けた環境対策を積極的に進めてきた結果、CO2排出原単位は、国内紙パルプ業界平均の約半分とトップに位置しております。特に新潟工場構内においては、ガスタービン発電設備と排熱ボイラーの稼働により重油使用量及びCO2排出量の大幅な削減を実現したことに加え、本年3月に黒液濃縮装置を最新の高効率タイプへ更新し、CO2排出量の削減及びエネルギー効率の改善を図りました。今後も、当社グループは、環境負荷低減につながる環境投資を積極的に実施し、環境に優しい製品を提供するとともに、環境経営を積極的に進めてまいります。

 

⑤ コーポレートガバナンスの強化

当社グループは、経営の最重要課題である長期安定的な企業価値の向上を達成するため、「コーポレートガバナンスに関する基本方針」を策定し、適正なコーポレートガバナンス体制を構築しております。昨年は、業務執行の機動性を高めるための権限委任や取締役会における監督機能の強化に取り組んだほか、グループ統制管理室による関係会社への監査機能の強化、それらに伴う各種規程の改定等に取り組みました。

また、危機管理体制については、本年3月に、首都直下型地震を想定したBCP(事業継続計画)訓練を実施いたしました。今後も、事業継続に主眼をおいた訓練と自然災害が発生した場合の初期対応訓練等を継続実施して非常事態への対応能力向上を図り、お客様をはじめとしたステークホルダーの皆様からの信用力の獲得につなげてまいります。

今後も「北越紀州製紙企業理念」で掲げる「法を遵守し、透明性の高い企業活動により信頼される企業」としてすべてのステークホルダーの皆様からの信頼をいただき、持続的な成長を果たしてまいります。
 

 

 

 

(株式会社の支配に関する基本方針)

(1) 当社の基本方針の内容の概要

当社は、先進の技術と従業員の強固な信頼関係をベースとして、環境負荷を低減した紙素材の提供を通して、顧客・株主・取引先・地域社会等に貢献できる会社となり、同時に企業価値の長期安定的な向上を図ることを、経営の最重要課題と認識しております。従いまして、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させる者でなければならないと考えております。

当社は、株式の大量買付であっても、当社自身の企業価値を増大させ、株主共同の利益を向上させるものであれば、これを一概に否定するものではありません。会社の支配権の移転については、最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと認識しております。

しかしながら、株式の大量買付の中には、その目的等から見て却って企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するもの、株主に株式売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が買付の条件等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための充分な時間や情報を提供しないもの等、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なからず見受けられます。

当社の属する製紙産業は、設備の投資から回収まで長期間を要するものであり、中長期的視点での経営判断が必要とされます。当社は適宜・適切な設備投資を実施し、国際競争力を確保して参りましたが、こうした努力が当社の株式の大量買付を行う者により中長期的に確保され、向上させられなくてはなりません。また、当社の競争力の源泉は設備の比較優位性だけでなく、需要家の皆様から当社製品の品質と短期間での納品をはじめとしたお客様の要請に応えるきめ細かなサービスに対して、多くの御支持を頂いていることにあります。さらに、当社グループ従業員の一体感を持った、高いモチベーションや、当社とその事業がなされる地域社会との関係も重要と考えられます。これらが当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上にとって不可欠であると考えております。

当社としては、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、このような当社の企業価値の源泉を十分に理解したうえで、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益を中長期的に確保し、向上させる者でなければならないと考えております。従いまして、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある株式の大量買付を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。

(2) 基本方針実現に資する特別な取組みの概要

当社グループは、明治40年の創業以来、一貫して紙素材を社会に提供することにより、社会経済の発展と生活文化の向上に努めております。また、国際的な競争力を有し、持続的な成長を可能とすることにより企業価値の長期安定的な向上を図ることを、経営の最重要課題と捉えております。そのため、いかなる事業環境下においても持続的な成長を目指し、さらに企業価値を向上させるため、2020年(平成32年)を目標とする長期経営ビジョン「Vision 2020」の第2ステップとして、前述のとおり、平成26年4月より新中期経営計画「C-next」に取り組んでおります。ここで掲げた基本方針、経営目標を実現することにより、企業価値、ひいては株主共同の利益の向上に努めてまいります。

 

(3) 基本方針に照らして不適切な者によって当該株式会社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要

当社は、平成25年6月25日開催の第175回定時株主総会において、有効期間を平成28年3月期にかかる当社定時株主総会の終結時までとして「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)」の更新が承認されましたが、その後の経済情勢等の変化等や買収防衛策をめぐる動向を踏まえつつ、当社における買収防衛策のあり方について、延長の是非を含め、検討を続けてまいりました。かかる検討の結果、当社は、平成28年5月13日開催の取締役会において「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)」(以下「本プラン」という。)の更新を決議し、同年6月28日開催の第178回定時株主総会において、本プランは株主の皆様のご承認をいただき、更新されました。

本プランは、当社の企業価値・株主共同の利益を確保・向上させることを目的として、当社株式の20%以上の買付等が行われる場合に、買付者等に対し、事前に意向表明書の提出や当該買付等に関する情報の提供を求め、当社が、当該買付等についての情報収集・検討等を行う期間を確保した上で、株主に対して当社経営陣の計画や代替案等を提示したり、買付者等との交渉等を行っていくための手続を定めるものです。

買付者等が、本プランに定める手続に従うことなく買付等を行う場合や、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのある買付等である場合など、買付等が本プランに定められた客観的な発動要件に該当し、対抗措置を発動することが相当であると認められる場合は、当社は、会社法その他の法律及び当社定款が当社取締役会の権限として認める措置(以下「対抗措置」という。)をとり、当該買付等に対抗することがあります。当社取締役会は、具体的にいかなる対抗措置を講じるかについては、その時点で最も適切と当社取締役会が判断したものを選択することとしますが、現時点における具体的な対抗措置としては、新株予約権の無償割当てを行うことを予定しており、その場合には、当該買付者等による権利行使は認められないなどの差別的行使条件及び当該買付者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得するなどの差別的取得条項が付された新株予約権を、その時点の全ての株主に対して新株予約権無償割当ての方法(会社法第277条以降に規定されます。)により割り当てます。

なお、対抗措置の発動、不発動または中止等の判断については、当社取締役会の恣意的判断を排するため、当社経営陣から独立した者のみから構成される独立委員会の判断を経るとともに、株主に対して適時に情報開示を行うことにより透明性を確保することとしています。

本プランの有効期間は、平成31年3月期に係る定時株主総会の終結時までとし、本プランの有効期間の満了前であっても、当社の株主総会において本プランを変更または廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランは当該決議に従いその時点で変更または廃止されます。また、当社取締役会により本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されます。

本プランの導入(更新)時点においては、本新株予約権の無償割当て自体は行われませんので、株主及び投資家の皆様の権利に直接具体的な影響が生じることはありません。他方、対抗措置が発動され、新株予約権無償割当てが実施された場合、株主の皆様が新株予約権の行使及び行使価額相当の金銭の払込みを行わないと、他の株主の皆様による新株予約権の行使により、その保有する当社株式が希釈化することになります。ただし、当社は、買付者等以外の株主の皆様から本新株予約権を取得し、それと引換えに当社株式を交付することがあります。当社が係る取得の手続を取った場合、買付者等以外の株主の皆様は、新株予約権の行使及び行使価額相当の金銭の払込みをせずに当社株式を受領することとなり、その保有する当社株式の希釈化は原則として生じません。

 

(4) 上記の取組みに対する取締役会の判断及びその理由

本プランは、当社株式に対する買付等が行われた場合に、当該買付等に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保したり、株主の皆様のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって導入されるものです。従いまして、本プランは、当社の基本方針に沿うものであって、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)も完全に充足しています。 

また、本プランは、経済産業省に設置された企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」を踏まえた内容となっております。  

当社は、本プランの導入にあたり、当社取締役会の恣意的判断を排除し、株主の皆様のために本プランの発動等の運用に際しての実質的な判断を客観的に行う機関として、独立委員会を設置しております。独立委員会は、当社の業務執行を行う経営陣から独立している当社の社外取締役もしくは社外監査役または社外の有識者のいずれかに該当する委員3名以上により構成されます。また、独立委員会の判断の概要については株主の皆様に情報開示をすることとされており、当社の企業価値・株主共同の利益に資する範囲で本プランの透明な運営が行われる仕組みが確保されています。本プランの発動については、予め定められた合理的な客観的発動要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しているものといえます。

このように、本プランは高度の合理性を有しており、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであって、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。 

 

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 製品需要及び価格の変動について

当社グループは、紙パルプ事業及びパッケージング・紙加工事業を主力事業としておりますが、景気後退による需要減少の影響を受けることがあります。また、当社グループの製品は市況品の割合も高いため、経済情勢の変動に伴い製品価格が変動するリスクがあります。これらの製品需要及び価格の変動が、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 原燃料市況の変動について

当社グループが購入している主原燃料は、国内外の市況に大きく影響を受け、価格が変動するリスクがあります。原燃料の購入価格変動が、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 為替変動について

当社グループは、製品輸出取引、原燃料輸入取引及び海外子会社との取引において為替変動の影響を受けることがあります。これらの影響を回避するため、一部為替予約によるリスクヘッジを実施しておりますが、完全なリスク回避は不可能です。従って、為替変動が、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 海外の政治、経済情勢の変動について

当社グループが購入している主原燃料は、海外からの輸入が大きな割合を占めております。調達国や地域の政治、経済情勢の予期しえぬ変動により、原燃料確保の困難な状況や、大幅な価格上昇が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。また、海外の政治、経済情勢の変動が、海外の子会社の経営成績及び財政状態や、海外における各種活動に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 金利変動について

当社グループの総資産に対する有利子負債の比率は、前連結会計年度末が35.2%、当連結会計年度末が35.6%となっております。
 今後の金利動向によっては、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 法規制及び訴訟について

当社グループの事業は、様々な法令の規制を受けており、事業遂行にあたりコンプライアンスを重視し、法令遵守を旨としております。しかし、訴訟等のリスクに晒される可能性がないとは言えません。その場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 自然災害等について

当社グループでは、「北越紀州製紙グループ危機管理規程」に基づきBCP(事業継続計画)を策定しており、災害等による損失に対処する態勢をとっていますが、地震、洪水等の自然災害、事故やテロのような予測不可能な事由により、生産設備等が大きな損害を受けることも考えられます。その場合には、生産の継続が困難になるとともに、その復旧に多大な費用と時間が掛かることにより、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(8) 設備投資について

紙・パルプ業界では、競争力を維持するために生産コストの継続的低減、品質の向上及び生産設備の改善は不可欠であります。当社グループの生産設備改善のための設備投資の実行の判断は、当社グループによる製品市場の需給予測等に基づいておりますが、市場の動向によっては新規設備の稼働率が上がらない可能性があります。この場合、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 提携契約について

当社は持分法適用関連会社の大王製紙株式会社と総合技術提携基本契約を、主要株主である三菱商事株式会社と業務提携契約を締結しております。これらの提携関係は、当社の国際競争力向上、企業価値向上に資するものであります。しかしながら、これらの提携先との関係に変更が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 企業買収等について

当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保、向上させる者でなければならないと考えております。しかしながら、株式の大量買付の中には、買収者側の一方的かつ恣意的な条件を付したもので、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なからず見受けられます。こうした行為があった場合、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

  業務提携契約

契約会社名

相手方の名称

契約締結日

契約内容

契約期間

北越紀州
製紙㈱

三菱商事㈱

平成18年7月21日

業務提携
原材料の調達、国内外の紙販売に関する協業等

平成18年7月21日から
5年間(以後1年毎の自動更新規定あり)(注)

北越紀州
製紙㈱

大王製紙㈱

平成24年11月14日

総合技術提携
両社が共通して製造する製品全般の製造技術及び各工場の運営技術

平成24年11月14日から
5年間(以後1年毎の自動更新規定あり)

 

(注) 合意により、契約期間を平成28年7月20日まで1年間自動更新いたしました。

 

6 【研究開発活動】

当社グループの研究開発部門は、技術開発本部下にある研究所と技術開発部を中心に構成されております。さらに各工場でも現場に立脚した新製品開発や品質改善及びコストダウン等を行っております。技術開発本部がこれらの研究開発活動を総括し、技術開発部が営業部門や工場の製造部門及び研究所と緊密な連携をとり、顧客の要望に直結した製品開発を行っております。また、各事業本部をバックアップすべく、研究開発部門でも最大の効果を上げるための取り組みを進めてまいりました。
 紙パルプ事業の研究開発活動の項目は以下のとおりであります。
 (セグメント別では、紙パルプ事業の占める割合が大きいため、その他のセグメントについては省略しております。)

 

(1) 印刷用紙及び白板紙分野

印刷用紙、白板紙両分野とも品質改善や新製品開発を積極的に進めると共にコストダウンや効率改善等の研究にも注力しております。また、中期経営計画の柱でもある海外展開に呼応して、国際市場での競争力強化のための研究開発を推進しております。
 印刷用紙分野では新潟・紀州両工場のパルプ・紙一貫生産の優位性の追求による最適生産体制の運用を基本とし、各抄紙機の特徴を活かした新製品開発や積極的な顧客訪問によりユーザーニーズに対応した品質改善を営業部門及び研究開発部門と連携しながら継続的に進めております。また、平判断裁から仕上・出荷までの設備能力の向上と効率化を進め、コストダウンによる海外市場での競争力強化を継続的に図っております。
 白板紙分野では営業部門と連携し、品質改善・クレーム再発防止対策への取り組み、及び定期的な顧客訪問を実施、顧客要求の把握に努めております。また昨今需要が見込まれる一次容器や医療品用途向けの開発も積極的に行い、さらに品質優位性と機能を維持した上でのコスト提案を行いながら、拡販と新規ユーザーの開拓に向けバックアップを図っております。また中国の江門星輝造紙有限公司の白板紙抄紙機の生産・販売も着実に伸びております。今後はさらなるコスト改善を実施すると共に、新製品の開発を進めてまいります。

(2) 機能紙、特殊紙・情報用紙分野

機能紙分野では、品質改善やコストダウンに取り組むと共に、空気清浄用フィルター分野では、通気抵抗が低く、高機能を満足する差別化製品の開発に継続的に取り組んでおります。濾過・分離分野については、気体のみならず液体も対象として、セルロースナノファイバーを含め、各種素材を利用した新製品開発を推進しております。また、フランスのBernard Dumas S.A.S.(デュマ社)とは、車載用バッテリーセパレータ及び空気清浄用フィルターに関し技術交流を進め、新たな製品開発や品質改善に取り組み、戦力の強化に努めております。
 特殊紙・情報用紙分野では、大学ともタイアップし、新しいコンセプトのファンシーペーパーをはじめとして、国内・海外の顧客ニーズを取り込み、積極的な新製品開発を進めております。

(3) パルプ

パルプ原料用木材について、化学組成分析などの手法を用いて、植林木の産地や樹種の違いによる蒸解特性と薬液浸透性や最適漂白条件等の検討を進めております。これらの研究は、大学との共同研究を中心に進めております。

 

(4)セルロースナノファイバー及びセルロースナノクリスタル

セルロースナノファイバーを用いた3次元ネットワーク構造体の製造を研究しております。具体例としては超高性能エアフィルターへの応用や、世界的に注目されているエアロゲル(スポンジ状の3次元構造体)の製造法の開発などを進めております。

また、昨年買収したカナダのAlpac Forest Products Inc.は、アルバータ州立研究機関のAlberta Innovates of Technology Futuresとセルロースナノクリスタルの商業化に向けた共同研究に携わっております。

 

当連結会計年度の当セグメントにおける研究開発費は695百万円であります。
 なお、パッケージング・紙加工事業における研究開発費は14百万円であり、パッケージング・紙加工事業等を含めた全セグメントの研究開発費は709百万円であります。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りの評価が必要な事項については、合理的な基準に基づき実施しております。
 なお、個々の「重要な会計方針及び見積り」については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。

(2) 当連結会計年度の財政状態の分析

総資産は、前連結会計年度末に比べて12,625百万円増加し、363,658百万円となりました。これは主として、株式取得によるAlpac Forest Products Inc.及びAlpac Pulp Sales Inc.の連結子会社化により増加したものです。

負債は、前連結会計年度末に比べて11,669百万円増加し、194,129百万円となりました。これは主として、有利子負債が5,861百万円増加したことによるものです。

純資産は、前連結会計年度末に比べて955百万円増加し、169,529百万円となりました。これは主として、親会社株主に帰属する当期純利益等により利益剰余金が5,215百万円増加したこと、一方で、その他有価証券評価差額金が2,504百万円減少したことによるものです。

(3) 当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高

当連結会計年度の売上高は246,849百万円となり、前連結会計年度と比べ18,448百万円(8.1%)の増収となりました。これは主として、国内における販売数量は洋紙・白板紙共に減少したものの、中国での白板紙事業の営業運転を開始したことや、当連結会計年度より株式取得によるAlpac Forest Products Inc.及びAlpac Pulp Sales Inc.の連結子会社化等によるものです。

② 経常利益

当連結会計年度の経常利益は10,587百万円となり、前連結会計年度と比べ875百万円(7.6%)の減益となりました。これは主として、洋紙の価格修正効果や原燃料価格の下落によるコスト負担の減少等がありましたが、急激な為替変動による為替差損を計上したことによるものです。

③ 特別損益

当連結会計年度の特別損益は766百万円の損失(純額)となり、前連結会計年度と比べ186百万円の損失(純額)の増加となりました。これは主として、負ののれん発生益が201百万円減少したことによるものです。

④ 親会社株主に帰属する当期純利益

以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は7,476百万円となり、前連結会計年度と比べ882百万円(10.6%)の減益となりました。

(4) 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要」に記載のとおりであります。

(5) 次期の見通し

我が国経済は緩やかな回復基調が続いており、次年度におきましても各種政策の効果もあり、緩やかな回復に向かうことが期待されます。しかしながら、アジア新興国や資源国等の海外経済の不確実性が高まるなど、景気の下振れも懸念されます。
 このような状況下、紙パルプ産業を取り巻く環境は、長期的な印刷・情報用紙の国内需要の減少、為替・原油価格の動向など、依然として先行き不透明な状況が続いております。当社グループといたしましては、Alpac Forest Products Inc.及びAlpac Pulp Sales Inc.の連結子会社化の影響が期を通じて寄与することが見込まれ、さらに収益体質の強化を図るべく、引続き徹底したコストダウンに取り組んでまいります。