文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
① 会社の経営の基本方針
当社グループは、「北越紀州製紙企業理念」(本年4月1日付で「グループ企業理念」に改定)のもと、洋紙、白板紙、特殊紙及び紙加工の主要4事業を核として、魅力ある商品とサービスを広く社会に提供し、顧客、株主、取引先、地域社会をはじめとする総てのステークホルダーの支持と信頼に基づいた企業グループの安定的かつ持続的な成長と企業価値の向上を図ることを経営の基本方針としております。
特に環境については、当社グループの環境への取り組みの基本方針である「ミニマム・インパクト」をより深化させ、これからもCO2排出量の削減、海外植林事業及びエコロジー技術などの積極的な取り組みを進め、地球環境の保全に向けた環境重視経営をさらに強化してまいります。
② 目標とする経営指標
当社グループでは、企業としての本来の事業活動の成果を示す売上高及び営業利益を重要な経営指標と位置付け、この向上を通じて、企業価値の拡大を図ってまいります。
③ 中長期的な会社の経営戦略
当社グループでは、あらゆる事業環境の変化に対応し得る真のグローバル企業を目指し、平成23年4月に、平成32年(2020年)を目標とする長期経営ビジョン「Vision 2020」を策定しております。その「Vision 2020」における企業の具体像は、環境経営を推進し、あらゆる企業活動において環境を重視する企業、また、高い技術を有し、優れた品質とコスト競争力を持った魅力ある商品を提供する企業、そして、着実な成長とあくなき挑戦を、情熱をもって続ける企業であります。
「Vision 2020」の達成に向けた第1ステップとして平成23年4月より「G-1st」計画、第2ステップとして平成26年4月より「C-next」計画を策定し、取り組んでまいりました。そして、「Vision 2020」へ向けた最終ステップとして、平成29年4月から平成32年3月までの中期経営計画「V-DRIVE」をスタートさせ、海外事業拡大、工場競争力再強化及び連結経営体制基盤強化を基本方針として様々な経営戦略を実行してまいります。
(2) 経営環境及び対処すべき課題
① 経営環境認識
当期における我が国経済は、海外経済の堅調な成長や世界的な設備投資意欲の改善等を背景に企業収益及び雇用情勢の改善が続き、景気は緩やかな回復基調が継続しておりますが、国内紙パルプ産業につきましては、印刷・情報用紙の需要縮小、販売価格の低迷、原燃料価格の上昇等により一段と厳しい事業環境になってきております。
② 対処すべき課題
イ 洋紙事業戦略
洋紙事業につきましては、印刷・情報用紙の内需縮小が続いていることに加え、紙・パルプ業界各社の供給能力が大幅に需要を上回る構造的問題が続く中、販売価格の維持と販売数量確保の両立を目指し、取り組んでまいりました。
国内販売については、平成32年の東京オリンピックに向けて環境需要が更に高まりをみせる中、当社のコア事業である洋紙、白板紙、特殊紙において、森林認証紙(FSC認証製品)をラインアップに加え、拡販に取り組みました。上質紙においては平成28年5月の発売以降、ベストセラーとなった「ざんねんないきもの事典」シリーズの本文に当社新潟工場の「メヌエットフォルテC」を採用していただくなど、お客様のニーズにあった製品の拡充に努めてまいりました。
また、輸出については、年間30万tを目標として北米市場の拡販やベトナム・インド市場の開拓を推進してまいりました。
更に、本年4月1日、洋紙事業本部内に、資源原料・生産・販売の一元管理を推進する「プロフィットセンター」を設置し、工場競争力の再強化と利益の最大化を目指してまいります。
ロ 白板紙事業戦略
白板紙事業につきましては、食品、医薬及び高級化粧品等のパッケージ分野が堅調に推移しております。健康志向や環境配慮志向が今後更に高まる中、「安心安全」・「機能性」・「美粧性」を兼ね備えた「材料」としての白板紙の開発を進めるとともに、継続してコスト改善に取り組んでまいります。
また、中国の江門星輝造紙有限公司は、初めて通期で営業黒字を達成するなど当社グループの業績に貢献しております。現在、中国国内では、旺盛な需要とともに、中国国内における古紙価格の高騰に対応した製品値上げが着実に浸透しております。また、中国政府は、環境規制を一層強化しており、江門星輝造紙有限公司の環境規制強化への対応を先取りした取組は、更なる優位性を発揮することが可能です。今後は工場の拡張計画など中国における事業展開拡大の検討を進めてまいります。
ハ 特殊紙事業戦略
特殊紙事業につきましては、機能紙分野において、電子部品搬送用のチップキャリアテープ原紙がスマートフォン及び車載用電子部品の需要拡大により増販となりました。また、空気清浄用フィルター等も堅調に推移しております。更に、昨年より販売を開始した合成繊維抄紙技術を応用したポリエステル湿式不織布は、中国市場において販売数量を着実に伸ばしております。
海外事業においては、フランスのBernard Dumas S.A.S.で生産している車載用バッテリーセパレータの生産・販売が引き続き好調を維持しており、生産数量・売上高・利益とも過去最高を記録しました。今後、更なる生産能力の増強工事等と新たな海外生産拠点の確立にむけ計画を進めるとともに、引き続き、グループ会社との連携を強化し、事業規模の拡大を図ってまいります。
ニ 紙加工事業戦略
紙加工事業につきましては、主力のパッケージング・包装分野において液体容器や食品・菓子用紙器の新規受注や拡販を目指すとともに、原紙・素材開発から加工までのグループ一貫生産によるシナジー効果の発現に向け取り組んでまいります。
ビーエフ&パッケージ㈱は、昨年末、イタリアの大手飲料用充填機メーカーと日本市場における独占的販売契約を締結し、今後、国内の乳業メーカー、食品・飲料メーカーに対する容器及び充填機の販売活動を進めてまいります。
ホ パルプ事業戦略
パルプ事業につきましては、当社が平成27年に買収した北米最大規模のFSC認証パルプ工場であるカナダのAlberta-Pacific Forest Industries Inc.は、市況の大幅な回復により生産数量が過去最高を記録するとともに、販売価格の上昇及び販売数量の増加により、当社グループの収益拡大に大きく貢献しております。
今後は主要薬品の輸送形態をトラック輸送から貨車輸送に切り替え、輸送コストのさらなる改善を図るとともに、北米を中心に中国、日本及び韓国へのパルプ販売を強化してまいります。
ヘ ESGの取り組み
当社グループは、持続的な企業価値向上を図るため、従来よりEnvironment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の三つの言葉の頭文字をとった「ESG」の取り組みを積極的に推進してまいりました。
当社グループの環境戦略(E)については、原料から製品に至るまで、環境へのあらゆる影響を最小限にする「ミニマム・インパクト」を基本方針とし、業界に先駆けた環境対策を積極的に進めております。当期においては、新潟工場において、パルプ緑液設備や排水クラリファイヤーの環境対策工事等を実施いたしました。また、昨年日本経済新聞社が実施した「第21回企業の環境経営度調査」において、当社はCO2排出量の削減による温暖化対策や森林保全活動などの生物多様性対応、国際的な森林認証に適合した製品対策等が評価され、紙パルプ業界では2年連続で首位を獲得することができました。
社会との関わり(S)については、地域社会に密着した活動を主体として、工場見学の受入、出張授業、工業高等専門学校のインターンシップの受入等を実施いたしました。また、海外においては当社のチップ調達を通じて、スワジランドの子供たちへの食料支援の協力を継続してまいりました。引き続き、国内外問わず、地域との共生を積極的に推進してまいります。
ガバナンス(G)については、海外事業の急拡大に対応したグループ経営管理体制を構築・強化するため、平成29年4月にグローバル管理室を新設し、さらに同年12月に中国において海外COO(最高執行責任者)・ガバナンス会議を開催するとともに、平成30年1月にグローバル戦略室を立ちあげました。また、特に海外におけるリスク管理強化の一つとして、海外子会社を含め当社グループ全社で「競争法遵守基本規程」及び「贈収賄防止基本規程」を制定し、当社グループ役職員を対象に研修を実施し周知いたしました。
ト 研究開発の推進
当社は平成29年4月に新機能材料開発室を新設し、これまでの空気清浄用フィルターや超低密度多孔質体(エアロゲル)といった三次元多孔質材料に加え、当社の特殊紙製品やナノカーボン材料の応用等、CNF(セルロースナノファイバー)をはじめとする新機能材料の開発と応用展開について本格的な取り組みを開始しました。また、平成30年度より新潟県工業技術総合研究所と、CNFを利用した表面コーティング剤の開発をテーマに共同研究を始めました。当社グループはCNFに加え、カナダのAlberta-Pacific Forest Industries Inc.において研究開発を推進しているCNC(セルロースナノクリスタル)等の新しい知見や技術を既存の製品のみならず新規商品にも活かしていくことで技術的イノベーションを起こし、競争力をさらに高めてまいります。
チ グループ競争力の強化
当社は、今まで紙パルプ産業の川中である国内製紙事業に集中していたそれまでの事業構造を改革し、川上の植林・パルプ事業から川下の紙加工事業、代理店販売事業に至るまでの、紙パルプ産業全体のバリューチェーンを主体的に構築し、事業構造の転換と拡大を図り企業価値を向上してまいりました。
今後、当社グループが自ら変革し、新しい未来に向かって事業領域を進化・拡大させ、真のグローバル企業として持続的な成長を果たし続けるためには、新たなスタートを切る必要があります。そのため、本年4月に当社グループが共有するグループ企業理念、グループ行動規範及びグループシンボルを制定いたしました。新たなグループ企業理念である「私たちは人間本位の企業として、自然との共生のもと技術を高め最高のものづくりによって、世界の人々の豊かな暮らしに貢献します。」は、当社グループの使命や存在意義、価値観を明確化したものであり、当社グループの求心力を高め、かつ発展の原動力になるものと期待しております。また、新たに策定したグループシンボルは、北越の「h」と抄紙機を象ったものであり、当社グループの事業領域である、紙パルプ産業全体をイメージしたものであります。さらに、本年定時株主総会において、本年7月1日に商号を「北越コーポレーション株式会社」へ変更することについて株主の皆様のご承認をいただきました。
今後も、当社グループは、すべてのステークホルダーの皆さまからの信頼をもとに、次世代を見据えた進化と成長を目指してまいります。
(株式会社の支配に関する基本方針)
(1) 当社の基本方針の内容の概要
当社は、先進の技術と従業員の強固な信頼関係をベースとして、環境負荷を低減した紙素材の提供を通して、顧客・株主・取引先・地域社会等に貢献できる会社となり、同時に企業価値の長期安定的な向上を図ることを、経営の最重要課題と認識しております。従いまして、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させる者でなければならないと考えております。
当社は、株式の大量買付であっても、当社自身の企業価値を増大させ、株主共同の利益を向上させるものであれば、これを一概に否定するものではありません。会社の支配権の移転については、最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと認識しております。
しかしながら、株式の大量買付の中には、その目的等から見て却って企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するもの、株主に株式売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が買付の条件等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための充分な時間や情報を提供しないもの等、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なからず見受けられます。
当社の属する製紙産業は、設備の投資から回収まで長期間を要するものであり、中長期的視点での経営判断が必要とされます。当社は適宜・適切な設備投資を実施し、国際競争力を確保して参りましたが、こうした努力が当社の株式の大量買付を行う者により中長期的に確保され、向上させられなくてはなりません。また、当社の競争力の源泉は設備の比較優位性だけでなく、需要家の皆様から当社製品の品質と短期間での納品をはじめとしたお客様の要請に応えるきめ細かなサービスに対して、多くの御支持を頂いていることにあります。さらに、当社グループ従業員の一体感を持った、高いモチベーションや、当社とその事業がなされる地域社会との関係も重要と考えられます。これらが当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上にとって不可欠であると考えております。
当社としては、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、このような当社の企業価値の源泉を十分に理解したうえで、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益を中長期的に確保し、向上させる者でなければならないと考えております。従いまして、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある株式の大量買付を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。
(2) 基本方針実現に資する特別な取組みの概要
当社グループは、明治40年の創業以来、一貫して紙素材を社会に提供することにより、社会経済の発展と生活文化の向上に努めております。また、国際的な競争力を有し、持続的な成長を可能とすることにより企業価値の長期安定的な向上を図ることを、経営の最重要課題と捉えております。そのため、いかなる事業環境下においても持続的な成長を目指し、さらに企業価値を向上させるため、2020年(平成32年)を目標とする長期経営ビジョン「Vision 2020」の最終ステップとして、前述のとおり、平成29年4月より中期経営計画「V-DRIVE」をスタートさせました。ここで掲げた基本方針、経営目標を実現することにより、企業価値、ひいては株主共同の利益の向上に努めてまいります。
(3) 基本方針に照らして不適切な者によって当該株式会社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要
当社は、平成28年5月13日開催の取締役会において「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)」(以下「本プラン」という。)の更新を決議し、同年6月28日開催の第178回定時株主総会において、本プランは株主の皆様のご承認をいただき、更新されました。
本プランは、当社の企業価値・株主共同の利益を確保・向上させることを目的として、当社株式の20%以上の買付等が行われる場合に、買付者等に対し、事前に意向表明書の提出や当該買付等に関する情報の提供を求め、当社が、当該買付等についての情報収集・検討等を行う期間を確保した上で、株主に対して当社経営陣の計画や代替案等を提示したり、買付者等との交渉等を行っていくための手続を定めるものです。
買付者等が、本プランに定める手続に従うことなく買付等を行う場合や、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのある買付等である場合など、買付等が本プランに定められた客観的な発動要件に該当し、対抗措置を発動することが相当であると認められる場合は、当社は、会社法その他の法律及び当社定款が当社取締役会の権限として認める措置(以下「対抗措置」という。)をとり、当該買付等に対抗することがあります。当社取締役会は、具体的にいかなる対抗措置を講じるかについては、その時点で最も適切と当社取締役会が判断したものを選択することとしますが、現時点における具体的な対抗措置としては、新株予約権の無償割当てを行うことを予定しており、その場合には、当該買付者等による権利行使は認められないなどの差別的行使条件及び当該買付者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得するなどの差別的取得条項が付された新株予約権を、その時点の全ての株主に対して新株予約権無償割当ての方法(会社法第277条以降に規定されます。)により割り当てます。
なお、対抗措置の発動、不発動または中止等の判断については、当社取締役会の恣意的判断を排するため、当社経営陣から独立した者のみから構成される独立委員会の判断を経るとともに、株主に対して適時に情報開示を行うことにより透明性を確保することとしています。
本プランの有効期間は、平成31年3月期に係る定時株主総会の終結時までとし、本プランの有効期間の満了前であっても、当社の株主総会において本プランを変更または廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランは当該決議に従いその時点で変更または廃止されます。また、当社取締役会により本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されます。
本プランの導入(更新)時点においては、本新株予約権の無償割当て自体は行われませんので、株主及び投資家の皆様の権利に直接具体的な影響が生じることはありません。他方、対抗措置が発動され、新株予約権無償割当てが実施された場合、株主の皆様が新株予約権の行使及び行使価額相当の金銭の払込みを行わないと、他の株主の皆様による新株予約権の行使により、その保有する当社株式が希釈化することになります。ただし、当社は、買付者等以外の株主の皆様から本新株予約権を取得し、それと引換えに当社株式を交付することがあります。当社が係る取得の手続を取った場合、買付者等以外の株主の皆様は、新株予約権の行使及び行使価額相当の金銭の払込みをせずに当社株式を受領することとなり、その保有する当社株式の希釈化は原則として生じません。
(4) 上記の取組みに対する取締役会の判断及びその理由
本プランは、当社株式に対する買付等が行われた場合に、当該買付等に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保したり、株主の皆様のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって導入されるものです。従いまして、本プランは、当社の基本方針に沿うものであって、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)も完全に充足しています。
また、本プランは、経済産業省に設置された企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」を踏まえた内容となっております。
当社は、本プランの導入にあたり、当社取締役会の恣意的判断を排除し、株主の皆様のために本プランの発動等の運用に際しての実質的な判断を客観的に行う機関として、独立委員会を設置しております。独立委員会は、当社の業務執行を行う経営陣から独立している当社の社外取締役もしくは社外監査役または社外の有識者のいずれかに該当する委員3名以上により構成されます。また、独立委員会の判断の概要については株主の皆様に情報開示をすることとされており、当社の企業価値・株主共同の利益に資する範囲で本プランの透明な運営が行われる仕組みが確保されています。本プランの発動については、予め定められた合理的な客観的発動要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しているものといえます。
このように、本プランは高度の合理性を有しており、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであって、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 製品需要及び価格の変動について
当社グループは、紙パルプ事業及びパッケージング・紙加工事業を主力事業としておりますが、景気後退による需要減少の影響を受けることがあります。また、当社グループの製品は市況品の割合も高いため、経済情勢の変動に伴い製品価格が変動するリスクがあります。これらの製品需要及び価格の変動が、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 原燃料市況の変動について
当社グループが購入している主原燃料は、国内外の市況に大きく影響を受け、価格が変動するリスクがあります。原燃料の購入価格変動が、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 為替変動について
当社グループは、製品輸出取引、原燃料輸入取引及び海外子会社との取引において為替変動の影響を受けることがあります。これらの影響を回避するため、一部為替予約によるリスクヘッジを実施しておりますが、完全なリスク回避は不可能です。従って、為替変動が、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 海外の政治、経済情勢の変動について
当社グループが購入している主原燃料は、海外からの輸入が大きな割合を占めております。調達国や地域の政治、経済情勢の予期しえぬ変動により、原燃料確保の困難な状況や、大幅な価格上昇が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。また、海外の政治、経済情勢の変動が、海外の子会社の経営成績及び財政状態や、海外における各種活動に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 金利変動について
当社グループの総資産に対する有利子負債の比率は、前連結会計年度末が32.2%、当連結会計年度末が29.5%となっております。
今後の金利動向によっては、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 法規制及び訴訟について
当社グループの事業は、様々な法令の規制を受けており、事業遂行にあたりコンプライアンスを重視し、法令遵守を旨としております。しかし、訴訟等のリスクに晒される可能性がないとは言えません。その場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 自然災害等について
当社グループでは、「北越紀州製紙グループ危機管理規程」に基づきBCP(事業継続計画)を策定しており、災害等による損失に対処する態勢をとっていますが、地震、洪水等の自然災害、事故やテロのような予測不可能な事由により、生産設備等が大きな損害を受けることも考えられます。その場合には、生産の継続が困難になるとともに、その復旧に多大な費用と時間が掛かることにより、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 設備投資について
紙・パルプ業界では、競争力を維持するために生産コストの継続的低減、品質の向上及び生産設備の改善は不可欠であります。当社グループの生産設備改善のための設備投資の実行の判断は、当社グループによる製品市場の需給予測等に基づいておりますが、市場の動向によっては新規設備の稼働率が上がらない可能性があります。この場合、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 提携契約について
当社は主要株主である三菱商事株式会社と業務提携契約を締結しております。この提携関係は、当社の国際競争力向上、企業価値向上に資するものであります。しかしながら、この提携先との関係に変更が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 企業買収等について
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保、向上させる者でなければならないと考えております。しかしながら、株式の大量買付の中には、買収者側の一方的かつ恣意的な条件を付したもので、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なからず見受けられます。こうした行為があった場合、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループにおきましては、海外子会社の販売好調により増収となった一方で、原燃料価格の高騰等により減益となりました。当社グループの当期における業績は以下のとおりです。
|
売 上 高 |
269,099 |
百万円 |
(前連結会計年度比 |
2.6%増 |
) |
|
営 業 利 益 |
11,414 |
百万円 |
(前連結会計年度比 |
11.5%減 |
) |
|
経 常 利 益 |
13,907 |
百万円 |
(前連結会計年度比 |
1.1%減 |
) |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
10,327 |
百万円 |
(前連結会計年度比 |
0.5%減 |
) |
主なセグメント別の経営成績は、下記のとおりであります。
紙パルプ事業
紙パルプ事業につきましては、海外子会社の販売好調により増収となりました。損益面においては、原燃料価格の高騰等により減益となりました。
品種別には、洋紙につきましては、広告媒体及び通販カタログの電子化の影響並びに出版物の発行部数減少 により販売は減少しました。
白板紙につきましては、コート白ボールは菓子及びレトルト等の食品関連が底堅く推移しました。高級白板紙はコンビニ関連の販促品及び店頭POP用途が振るわず販売は前年をやや下回りました。また特殊白板紙は洋菓子及び土産関連のパッケージ用途が堅調に推移しました。
特殊紙につきましては、機能紙分野において、電子部品搬送用のチップキャリアテープ原紙がスマートフォン及び車載用電子部品の需要拡大により増販となりました。また、車載用バッテリーセパレータ及び空気清浄用フィルター等も堅調に推移しました。一方で、ファンシーペーパー全般では需要減少に加えて一般紙へのグレードダウンが続いていますが、高級印刷用紙は堅調に推移しました。情報用紙では、通知用の圧着ハガキ用紙は前年を上回る販売となりましたが、情報用紙全体では帳票用途の減少及び電子媒体への移行が続き、厳しい販売状況でした。
パルプにつきましては、パルプ市況の上昇等により、Alberta-Pacific Forest Industries Inc.の販売が好調で、前年を上回る販売量となりました。
以上の結果、紙パルプ事業の業績は以下のとおりとなりました。
|
売上高 |
242,082 |
百万円 |
(前連結会計年度比 |
3.2%増 |
) |
|
営業利益 |
8,808 |
百万円 |
(前連結会計年度比 |
14.7%減 |
) |
パッケージング・紙加工事業
パッケージング・紙加工事業につきましては、一部ユーザーによる液体容器の形状変更等の影響で受注が減少し、減収減益となりました。
この結果、パッケージング・紙加工事業の業績は以下のとおりとなりました。
|
売上高 |
19,428 |
百万円 |
(前連結会計年度比 |
3.6%減 |
) |
|
営業利益 |
1,128 |
百万円 |
(前連結会計年度比 |
10.5%減 |
) |
その他
木材事業、建設業、運送・倉庫業をはじめとするその他事業につきましては、建設業において、受注が減少し減収となりました。損益面においては、各種コストダウン等の効果により増益となりました。
以上の結果、その他事業の業績は以下のとおりとなりました。
|
売上高 |
7,589 |
百万円 |
(前連結会計年度比 |
1.1%減 |
) |
|
営業利益 |
815 |
百万円 |
(前連結会計年度比 |
30.8%増 |
) |
なお、上記の金額には消費税等は含まれておりません。
総資産は、前連結会計年度末に比べて5,038百万円増加し、367,244百万円となりました。これは主として、受取手形及び売掛金が5,028百万円、電子記録債権が2,095百万円、商品及び製品が2,990百万円、株価の上昇等により投資有価証券が2,818百万円それぞれ増加した一方で、現金及び預金が5,178百万円、減価償却等により有形固定資産が4,408百万円それぞれ減少したことによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べて5,903百万円減少し、175,266百万円となりました。これは主として、有利子負債が8,513百万円減少したことによるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べて10,942百万円増加し、191,977百万円となりました。これは主として、親会社株主に帰属する当期純利益等により利益剰余金が8,062百万円増加したことによるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べて5,002百万円減少し、14,281百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は19,741百万円(前連結会計年度比31.7%減)となりました。
収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益13,521百万円、減価償却費19,065百万円、支出の主な内訳は、持分法による投資利益1,844百万円、売上債権の増加額6,649百万円、たな卸資産の増加額3,707百万円、法人税等の支払額2,155百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は14,158百万円(前連結会計年度比3.7%増)となりました。
支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出13,705百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は10,644百万円(前連結会計年度比26.3%減)となりました。
支出の主な内訳は、短期借入金の減少額1,365百万円、長期借入金の返済による支出10,537百万円、配当金の支払額2,273百万円、収入の主な内訳は、長期借入れによる収入3,871百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、その内容、構造、形式等は必ずしも一様ではありません。このため、セグメントごとの生産高を表示することは困難であります。そこで、紙パルプ事業の主要生産会社である当社、Alberta-Pacific Forest Industries Inc.及び江門星輝造紙有限公司の当連結会計年度における主たる品種別生産実績を示すと、次のとおりであります。
|
区分 |
生産高(t) |
前年同期比(%) |
|
|
紙 |
洋紙 |
1,358,453 |
98.0 |
|
板紙 |
557,462 |
100.4 |
|
|
合計 |
1,915,915 |
98.7 |
|
|
パルプ |
1,666,732 |
102.2 |
|
当社グループは、一部受注生産を行っているものもありますが、大部分は一般市況及び直接需要を勘案して計画生産を行い、自由契約に基づき販売しております。このため、グループ会社の受注実績を把握することが困難であります。そこで、受注実績については記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
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紙パルプ事業 |
242,082 |
103.2 |
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パッケージング・紙加工事業 |
19,428 |
96.4 |
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その他 |
7,589 |
98.9 |
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合計 |
269,099 |
102.6 |
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
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相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
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販売高(百万円) |
割合(%) |
販売高(百万円) |
割合(%) |
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新生紙パルプ商事㈱ |
37,328 |
14.2 |
37,245 |
13.8 |
|
国際紙パルプ商事㈱ |
22,572 |
8.6 |
20,377 |
7.6 |
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りの評価が必要な事項については、合理的な基準に基づき実施しております。
なお、個々の「重要な会計方針及び見積り」については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。
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前連結会計年度 (平成29年3月期) (百万円) |
当連結会計年度 (平成30年3月期) (百万円) |
連結業績予想 (平成30年3月期) (百万円) |
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売上高 |
262,398 |
269,099 |
275,000 |
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営業利益 |
12,900 |
11,414 |
12,000 |
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経常利益 |
14,055 |
13,907 |
16,000 |
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親会社株主に帰属する当期純利益 |
10,380 |
10,327 |
11,000 |
経営成績の状況につきましては、前連結会計年度と比べ、国内における紙需要は期初の想定を下回ったことから、国内売上高は減収となったものの、パルプ販売等の海外売上高は増収となり、全体では増収を確保しました。原油を起因とした原燃料価格の高騰及び為替における円安進行等の影響により、当期の営業利益は前連結会計年度と比べ減益となりました。また経常利益につきましては、営業外損益における為替差損の解消等による増益要因はあったものの、持分法投資利益の減少等による減益要因により、前連結会計年度と比べ減益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、特別損益において退職給付制度改定益が発生した一方で、固定資産除売却損が増加したことから、前連結会計年度と比べ減益となり、いずれも連結業績予想を下回る状況となりました。
国内における紙需要の縮小は継続するとの認識の下、海外事業拡大等により事業構造の転換を継続し、成長に努めてまいります。
以上より、総資産は増加したものの自己資本は拡充され、財務健全性指標の一つである自己資本比率は2.3%増加し、52.1%となりました。また、グループ内資金効率改善に努めたことから、有利子負債残高から現預金残高を差し引いた後のネット有利子負債残高は3,335百万円減少し、93,924百万円となりました。これらのことから、財政状態の健全性は維持できているものと認識しております。
キャッシュ・フローにつきましては、営業活動の結果得られた資金は当連結会計年度末日が金融機関の休日に該当したこと等により、必要運転資金が増加したことから、前連結会計年度と比べ9,176百万円減少し19,741百万円となりましたが、投資活動の結果使用した資金は14,158百万円であり、営業活動により生じたキャッシュ・フロー範囲内での投資活動となりました。また、余力資金は有利子負債返済等に充当しており、財務活動の結果使用した資金は10,644百万円となりました。安定的かつ効率的なキャッシュ・フローの状況であると認識しております。
当社グループの取扱商品は市況商品の割合が高いことから、需給動向から大きな影響を受けます。特に国内事業における主力の印刷情報用紙事業では需要の減退が加速しておりますが、業界として供給過剰状態が継続しております。一方で世界的にもパルプは堅調な需要となっております。
また当社グループが購入している原燃料もまた市況商品が多く、価格変動リスクに晒されており、加えて国内事業においては輸入原燃料を多用することから為替の変動リスクもあり、これらが経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
かかる認識の下、取扱製品や販売市場等の事業構造の転換に注力しており、取扱商品の拡充及び分散、また、輸出を強化することで為替リスクを軽減する等の対策に努めております。
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平成29年3月期(前期) |
平成30年3月期(当期) |
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有利子負債残高 |
116,753 |
百万円 |
108,240 |
百万円 |
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現預金残高 |
19,494 |
百万円 |
14,315 |
百万円 |
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ネット有利子負債残高 |
97,259 |
百万円 |
93,924 |
百万円 |
|
自己資本 |
180,294 |
百万円 |
191,154 |
百万円 |
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ネットD/Eレシオ |
0.54 |
|
0.49 |
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R&I |
JCR |
|
短期格付 |
a-1 |
― |
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(長期)発行体格付 |
A- |
A |
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V-DRIVE計画(平成32年3月期) |
平成30年3月期(実績) |
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連結売上高 |
3,000 |
億円 |
2,690 |
億円 |
|
連結営業利益 |
150 |
億円 |
114 |
億円 |
|
売上高営業利益率 |
5.0 |
%以上 |
4.2 |
% |
|
ROE |
6.0 |
%以上 |
5.6 |
% |
|
EBITDA |
400 |
億円 |
338 |
億円 |
|
ネットD/Eレシオ |
0.6 |
以下 |
0.49 |
|
我が国経済は緩やかな回復基調が続いており、次年度におきましても、企業収益及び雇用情勢の改善が続く中、緩やかな回復が続くことが期待されています。しかしながら、米国政権の経済政策の動向、中国をはじめとするアジア新興国等の景気の先行きなど海外経済の不確実性による影響などがリスクとして懸念されております。
このような状況下、紙パルプ産業を取り巻く環境は、印刷・情報用紙の国内需要の減少、原燃料価格の上昇等、依然として先行き不透明な状況が続いております。当社グループといたしましては、さらに収益体質の強化を図るべく、引続き徹底したコストダウンに取り組むと共に事業構造の転換を継続してまいります。
業務提携契約
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契約会社名 |
相手方の名称 |
契約締結日 |
契約内容 |
契約期間 |
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北越紀州 |
三菱商事㈱ |
平成18年7月21日 |
業務提携 |
平成18年7月21日から |
(注) 合意により、契約期間を平成30年7月20日まで1年間自動更新いたしました。
当社グループの研究開発部門は、技術開発本部下にある研究所と技術開発部を中心に構成されております。昨年4月にはセルロースナノファイバー(以下、「CNF」)等の新機能材料の開発を加速させるため、新機能材料開発室を発足させております。また、各工場でも現場に立脚した新製品開発や品質改善及びコストダウン等を行っております。技術開発本部がこれらの研究開発活動を総括し、技術開発部が営業部門や工場の製造部門及び研究所と緊密な連携をとり、お客様の要望に直結した新製品開発を行っております。また、各事業本部をバックアップすべく、研究開発部門でも最大の効果を上げるための取り組みを進めてまいりました。
紙パルプ事業の研究開発活動の項目は以下のとおりであります。
(セグメント別では、紙パルプ事業の占める割合が大きいため、その他のセグメントについては省略しております。)
(1) 印刷用紙及び白板紙分野
印刷用紙、白板紙両分野とも品質改善や新製品開発を積極的に進めると共にコストダウンや効率改善等の研究にも注力しております。
印刷用紙分野では、品質改善や新製品開発を積極的に進めております。特に中期経営計画の柱でもある海外展開に呼応して、国際市場での競争力強化のための研究開発を推進しております。具体的には、学習参考書用途としてKINMARI NINE(キンマリナイン)及び高品質塗工紙としてKINMARI VIVID(キンマリビビッド)の2銘柄を新たに本年初より上市いたしました。継続したお客様への訪問により、ユーザーニーズに即した品質改善に向けて、営業部門・研究開発部門との連携を深めながら、各生産設備の特長を最大限活かした取組を強化しております。
また、新潟・紀州両工場のパルプ・紙一貫生産の優位性を最大限に発揮する為の最適生産体制を基本として、安定生産の追求により、尚一層のコストダウンを推進し競争力強化を図ってまいります。
白板紙分野では、定期的なユーザーとの品質会議や市場調査を通して、課題の早期改善やニーズの先取りを進めています。特に品質が悪化傾向にある古紙事情の中で、夾雑物レベルの改善はユーザーからも一定の評価を得ております。
新規開発におきましては、堅調な分野であるカップ原紙関係に取り組み、数量も順調に推移しております。また、機能性をもたせたカップ原紙の開発にも取り組んでおります。
(2) 機能紙、特殊紙・情報用紙分野
機能紙分野では、品質改善及びコストダウンに取り組むと共に、濾過・分離分野については、気体のみならず液体も対象として、CNFを含め、各種素材を利用した新製品開発を推進しております。空気清浄用フィルター分野では通気抵抗が低く、高機能を満足する差別化製品の開発に継続的に取り組んでおります。また、当社の連結子会社であるフランスのBernard Dumas S.A.S.とは、車載用バッテリーセパレーター及び空気清浄用フィルターに関し技術交流を進め、新製品開発や品質改善に取り組んでまいります。
特殊紙分野では、国内・海外のお客様のニーズを取り込み、個別のニーズに対応した多面的な新製品開発を進めております。
情報用紙分野では、顔料インクを搭載したインクジェットプリンターに適正のあるIJ圧着紙の開発を進めております。
(3)セルロースナノファイバー及びセルロースナノクリスタル
昨年4月1日に発足した新機能材料開発室が中心となり、エアフィルタや超低密度多孔質体(エアロゲル)などの三次元多孔質材料の開発に加え、自社の特殊紙製品やナノカーボン材料へと応用の幅を広げております。さらに、CNFゲルでセルロースを強化した新しいコンセプトのCNF強化材料は、既存技術と先端科学が融合した材料で、今後の発展が期待されております。
また、当社の連結子会社であるカナダの Alberta-Pacific Forest Industries Inc.は、アルバータ州の研究機関であるInnoTech Albertaとセルロースナノクリスタルの商業生産を目指した共同研究を進めております。
当連結会計年度の当セグメントにおける研究開発費は692百万円であります。
なお、パッケージング・紙加工事業における研究開発費は20百万円であり、パッケージング・紙加工事業等を含めた全セグメントの研究開発費は713百万円であります。