第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

① 会社の経営の基本方針

当社グループは、「グループ企業理念」のもと、洋紙、白板紙、特殊紙、紙加工及びパルプの主要5事業を核として、魅力ある商品とサービスを広く社会に提供し、顧客、株主、取引先、地域社会をはじめとする総てのステークホルダーの支持と信頼に基づいた企業グループの安定的かつ持続的な成長と企業価値の向上を図ることを経営の基本方針としております。 

特に環境については、当社グループの環境への取り組みの基本方針である「ミニマム・インパクト」をより深化させ、これからもCO2排出量の削減、海外植林事業及びエコロジー技術などの積極的な取り組みを進め、地球環境の保全に向けた環境重視経営をさらに強化してまいります。

 

② 目標とする経営指標

当社グループでは、企業としての本来の事業活動の成果を示す売上高及び営業利益を重要な経営指標と位置付け、この向上を通じて、企業価値の拡大を図ってまいります。

 

③ 中長期的な会社の経営戦略

当社グループでは、あらゆる事業環境の変化に対応し得る真のグローバル企業を目指し、2011年4月に、2020年を目標とする長期経営ビジョン「Vision 2020」を策定しております。その「Vision 2020」における企業の具体像は、環境経営を推進し、あらゆる企業活動において環境を重視する企業、また、高い技術を有し、優れた品質とコスト競争力を持った魅力ある商品を提供する企業、そして、着実な成長とあくなき挑戦を、情熱をもって続ける企業であります。
 「Vision 2020」の達成に向けた第1ステップとして2011年4月より「G-1st」計画、第2ステップとして2014年4月より「C-next」計画を策定し、取り組んでまいりました。そして、「Vision 2020」へ向けた最終ステップとして、2017年4月から2020年3月までの中期経営計画「V-DRIVE」をスタートさせ、海外事業拡大、工場競争力再強化及び連結経営体制基盤強化を基本方針として様々な経営戦略を実行してまいります。

 

 

(2) 経営環境及び対処すべき課題

① 経営環境認識

景気は概ね安定した回復基調が底堅く推移しておりますが、国内紙パルプ産業につきましては、情報メディアの電子化による印刷・情報用紙の需要減少、物流経費や原燃料価格の高騰、社会構造の変化等の影響により、一段と厳しい事業環境になってきております。

 

② 対処すべき課題

イ 洋紙事業戦略

洋紙事業につきましては、一昨年秋より続く原燃料価格の高騰や物流経費の上昇によるコストアップ等に対応するため、昨年11月、印刷・情報用紙の価格改定を公表しました。
 また、当社は縮小する国内洋紙市場に対応するため、戦略的に輸出を拡大し、マシンの稼働率を高め、最適生産体制を維持してきました。その結果、2018年の輸出数量は年間約30万tとなり、過去最高の輸出数量となりました。あわせて、国内洋紙の需給バランスの適正化を図るため、A3オンコートマシンの新潟工場6号抄紙機を本年3月末をもって停機いたしました。しかし、昨年来の自然災害や諸事情により国内印刷用紙の供給量が極端に不足している事態に対応し、国内製紙メーカーとして供給責任の一端を果たすため、本年5月及び6月の期間に限定し新潟工場6号抄紙機を再稼働いたしました。

 

ロ 白板紙事業戦略

白板紙事業につきましては、食品、医薬及び高級化粧品等のパッケージ分野が堅調に推移しており、現在は、関東工場に加え、紀州工場においても食品用途向け一次容器用の原紙の生産を行っております。
 また、環境配慮の観点から、昨年10月より、主力製品のマリコートとNEW-DVの全種類を森林認証紙といたしました。来年開催される東京オリンピック・パラリンピックにおいては、森林認証紙の需要に対し確実にお応えしてまいります。
 更に、中国の江門星輝造紙有限公司が営業開始後5年目を迎えました。中国政府の環境規制強化の中、昨年11月には、一年振りに古紙輸入ライセンスを再取得し、安定した生産を行っております。

引き続き、国内・海外白板紙事業ともに、徹底したコストダウンと高効率操業を追求してまいります。

ハ 特殊紙事業戦略

特殊紙事業につきましては、フランスのBernard Dumas S.A.S.に続き、新たな収益基盤を確立するため、昨年、中国最大の経済都市である上海から西へ170kmに位置する浙江省長興県において、感熱紙事業を行うことを決定いたしました。
 中国国内におきましては、eコマースの普及による多種多様な商品の物流が年々増加し、商品配送用に使用されるラベル用感熱紙の需要が急拡大しております。当社は、紀州工場で生産した感熱紙用原紙を浙江省の新工場に供給し、感熱紙の生産・販売を行います。今後は、商業生産開始に向け、江門星輝造紙有限公司と東拓(上海)電材有限公司で培った中国ビジネスの経験を活かし、垂直立ち上げを図ってまいります。

ニ 紙加工事業戦略

紙加工事業につきましては、昨年、食品・化粧品包装分野をはじめとしたラミネート事業拡大のため、8色グラビア印刷機を導入しました。また、主力の液体容器分野におきましては、イタリアIPI S.r.l.の無菌充填包装システム「NSA-EVO」の販売を開始したほか、昨年12月の製品価格改定の公表など更なる成長にむけた基盤整備を推進してまいります。

ホ パルプ事業戦略

パルプ事業につきましては、カナダのAlberta-Pacific Forest Industries Inc.が、2015年の買収以降、当社グループの連結売上高と収益に大きく貢献しており、今年度も中核事業として安定した業績が見込まれております。引き続きパルプ事業は、当社グループの第5のコア事業として更なる成長を目指します。

ヘ CSR、グループガバナンスに関する取り組み

当社グループは、持続的な企業価値向上を図るため、国連が提唱するSDGs(持続可能な開発目標)の内容を踏まえ、国際規格ISO26000に準拠した活動推進目標を定め、継続的かつ実効性の高いCSR活動を展開しております。

環境施策については、日本経済新聞社が毎年実施している「企業の環境経営度調査」において、CO2排出量の削減による温暖化対策や森林保全活動などの生物多様性対応、国際的な森林認証に適合した製品対策等が評価され、紙パルプ業界では、3年連続で首位を獲得しております。また、当社グループでは、昨年より紙の輸送の一部をトラック輸送から環境負荷の少ない貨車輸送へ切り替えるなどモーダルシフトを推進してきたほか、昨年造船した国内最大級の大型チップ船は、従来船と比較し燃費性能が約15%向上するなど環境性能に優れており、チップの輸送能力向上も同時に実現いたしました。更に、環境保全に対する考えを当社グループで共有し、推進していくために、グループ環境憲章を制定いたしました。
 原材料調達においては、環境、社会、人権に配慮したCSR調達を推進するため、グループ原材料調達基本方針を制定するとともに、サプライチェーン全体で「最高のものづくり」を追求していきます。
 あわせて、CSR活動の実効性を高め、当社グループの経営管理レベルの向上を図るため、昨年、経営管理の要点を網羅的に記載したマネジメントブックを作成いたしました。現在、マネジメントブックに基づくチェックリストを活用し、当社グループの連結経営体制の基盤を強化しております。

ト 研究開発の推進

当社研究所は、昨年4月から新潟県工業技術総合研究所との間においてセルロースナノファイバー(CNF)を利用した表面コーティング剤や、電磁波等を遮断する紙の開発に向けた共同研究を始めたほか、従来のインターンシップを発展させ、長岡技術科学大学と連携して紙・パルプの新しい可能性に向け研究開発を推進しております。

 

更に、次世代素材であるCNFと、先端素材である炭素繊維を融合させた新しい複合材料の開発を進め、オールセルロースのCNF強化材料であるバルカナイズドファイバー(VF)に炭素繊維を少量配合することで、周囲環境の変化による伸縮を抑制しつつ、加工適性及び強度を維持し、従来のVFに比べて2割ほど軽量化した複合素材を開発することに成功いたしました。すでに当社の子会社である北越東洋ファイバー㈱で量産技術も確立しております。

 

今後も、当社グループは、すべてのステークホルダーの皆さまからの信頼をもとに、次世代を見据えた進化と成長を目指してまいります。 

 

(株式会社の支配に関する基本方針)

当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりです。

 

(1) 当社の基本方針の内容の概要

当社は、先進の技術と従業員の強固な信頼関係をベースとして、環境負荷を低減した紙素材の提供を通して、顧客・株主・取引先・地域社会等に貢献できる会社となり、同時に企業価値の長期安定的な向上を図ることを、経営の最重要課題と認識しております。従いまして、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させる者でなければならないと考えております。

当社は、株式の大量買付であっても、当社自身の企業価値を増大させ、株主共同の利益を向上させるものであれば、これを一概に否定するものではありません。会社の支配権の移転については、最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと認識しております。

しかしながら、株式の大量買付の中には、その目的等から見て却って企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するもの、株主に株式売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が買付の条件等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための充分な時間や情報を提供しないもの等、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なからず見受けられます。

当社の属する製紙産業は、設備の投資から回収まで長期間を要するものであり、中長期的視点での経営判断が必要とされます。当社は適宜・適切な設備投資を実施し、国際競争力を確保して参りましたが、こうした努力が当社の株式の大量買付を行う者により中長期的に確保され、向上させられなくてはなりません。また、当社の競争力の源泉は設備の比較優位性だけでなく、需要家の皆様から当社製品の品質と短期間での納品をはじめとしたお客様の要請に応えるきめ細かなサービスに対して、多くの御支持を頂いていることにあります。さらに、当社グループ従業員の一体感を持った、高いモチベーションや、当社とその事業がなされる地域社会との関係も重要と考えられます。これらが当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上にとって不可欠であると考えております。

当社としては、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、このような当社の企業価値の源泉を十分に理解したうえで、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益を中長期的に確保し、向上させる者でなければならないと考えております。従いまして、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある株式の大量買付を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。

 

(2) 基本方針実現に資する特別な取組みの概要

当社グループは、1907年の創業以来、一貫して紙素材を社会に提供することにより、社会経済の発展と生活文化の向上に努めております。また、国際的な競争力を有し、持続的な成長を可能とすることにより企業価値の長期安定的な向上を図ることを、経営の最重要課題と捉えております。そのため、いかなる事業環境下においても持続的な成長を目指し、更に企業価値を向上させるため、2020年を目標とする長期経営ビジョン「Vision 2020」の最終ステップとして、前述のとおり、2017年4月より中期経営計画「V-DRIVE」をスタートさせました。ここで掲げた基本方針、経営目標を実現することにより、企業価値、ひいては株主共同の利益の向上に努めてまいります。

 

(3) 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要

当社は、2016年6月28日開催の第178回定時株主総会において、有効期間を2019年3月期にかかる当社定時株主総会の終結時までとして「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)」(以下「旧プラン」という。)の更新が承認されましたが、その後の経済情勢等の変化等や買収防衛策をめぐる動向を踏まえつつ、当社の企業価値、株主共同の利益を確保・向上させるための方策として、旧プランの継続の是非や内容について検討を行ってまいりました。かかる検討の結果、当社は、2019年5月17日開催の取締役会において「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)」(以下「本プラン」という。)の更新を決議し、同年6月26日開催の第181回定時株主総会において、本プランは株主の皆様のご承認をいただき、更新されました。

本プランは、当社の企業価値・株主共同の利益を確保・向上させることを目的として、当社株式の20%以上の買付等が行われる場合に、買付者等に対し、事前に意向表明書の提出や当該買付等に関する情報の提供を求め、当社が、当該買付等についての情報収集・検討等を行う期間を確保した上で、株主に対して当社経営陣の計画や代替案等を提示したり、買付者等との交渉等を行っていくための手続を定めるものです。

買付者等が、本プランに定める手続に従うことなく買付等を行う場合や、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのある買付等である場合など、買付等が本プランに定められた客観的な発動要件に該当し、対抗措置を発動することが相当であると認められる場合は、当社は、会社法その他の法律及び当社定款が当社取締役会の権限として認める措置(以下「対抗措置」という。)をとり、当該買付等に対抗することがあります。当社取締役会は、具体的にいかなる対抗措置を講じるかについては、その時点で最も適切と当社取締役会が判断したものを選択することとしますが、現時点における具体的な対抗措置としては、新株予約権の無償割当てを行うことを予定しており、その場合には、当該買付者等による権利行使は認められないなどの差別的行使条件及び当該買付者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得するなどの差別的取得条項が付された新株予約権を、その時点の全ての株主に対して新株予約権無償割当ての方法(会社法第277条以降に規定されます。)により割り当てます。

なお、対抗措置の発動または不発動等、株主意思確認総会の招集の判断については、当社取締役会の恣意的判断を排するため、当社経営陣から独立した者のみから構成される独立委員会の判断を経るとともに、株主に対して適時に情報開示を行うことにより透明性を確保することとしています。

本プランの有効期間は、2022年3月期に係る定時株主総会の終結時までとし、本プランの有効期間の満了前であっても、当社の株主総会において本プランを変更または廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランは当該決議に従いその時点で変更または廃止されます。また、当社取締役会により本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されます。

本プランの導入(更新)時点においては、本新株予約権の無償割当て自体は行われませんので、株主及び投資家の皆様の権利に直接具体的な影響が生じることはありません。他方、対抗措置が発動され、新株予約権無償割当てが実施された場合、株主の皆様が新株予約権の行使及び行使価額相当の金銭の払込みを行わないと、他の株主の皆様による新株予約権の行使により、その保有する当社株式が希釈化することになります。ただし、当社は、買付者等以外の株主の皆様から本新株予約権を取得し、それと引換えに当社株式を交付することがあります。当社が係る取得の手続を取った場合、買付者等以外の株主の皆様は、新株予約権の行使及び行使価額相当の金銭の払込みをせずに当社株式を受領することとなり、その保有する当社株式の希釈化は原則として生じません。

 

(4) 上記の取組みに対する取締役会の判断及びその理由

本プランは、当社株式に対する買付等が行われた場合に、当該買付等に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保したり、株主の皆様のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって導入されるものです。従いまして、本プランは、当社の基本方針に沿うものであって、経済産業省及び法務省が2005年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)も完全に充足しています。 

また、本プランは、経済産業省に設置された企業価値研究会が2008年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」を踏まえた内容となっております。  

当社は、本プランの導入にあたり、当社取締役会の恣意的判断を排除し、株主の皆様のために本プランの発動等の運用に際しての実質的な判断を客観的に行う機関として、独立委員会を設置しております。独立委員会は、当社の業務執行を行う経営陣から独立している当社の社外取締役もしくは社外監査役または社外の有識者のいずれかに該当する委員3名以上により構成されます。また、独立委員会の判断の概要については株主の皆様に情報開示をすることとされており、当社の企業価値・株主共同の利益に資する範囲で本プランの透明な運営が行われる仕組みが確保されています。本プランの発動については、予め定められた合理的な客観的発動要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しているものといえます。

このように、本プランは高度の合理性を有しており、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであって、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。 

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 製品需要及び価格の変動について

当社グループは、紙パルプ事業及びパッケージング・紙加工事業を主力事業としておりますが、景気後退による需要減少の影響を受けることがあります。また、当社グループの製品は市況品の割合も高いため、経済情勢の変動に伴い製品価格が変動するリスクがあります。これらの製品需要及び価格の変動が、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 原燃料市況の変動について

当社グループが購入している主原燃料は、国内外の市況に大きく影響を受け、価格が変動するリスクがあります。原燃料の購入価格変動が、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 為替変動について

当社グループは、製品輸出取引、原燃料輸入取引及び海外子会社との取引において為替変動の影響を受けることがあります。これらの影響を回避するため、一部為替予約によるリスクヘッジを実施しておりますが、完全なリスク回避は不可能です。従って、為替変動が、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 海外の政治、経済情勢の変動について

当社グループが購入している主原燃料は、海外からの輸入が大きな割合を占めております。調達国や地域の政治、経済情勢の予期しえぬ変動により、原燃料確保の困難な状況や、大幅な価格上昇が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。また、海外の政治、経済情勢の変動が、海外の子会社の経営成績及び財政状態や、海外における各種活動に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 金利変動について

当社グループの総資産に対する有利子負債の比率は、前連結会計年度末が29.5%、当連結会計年度末が29.8%となっております。
 今後の金利動向によっては、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 法規制及び訴訟について

当社グループの事業は、様々な法令の規制を受けており、事業遂行にあたりコンプライアンスを重視し、法令遵守を旨としております。しかし、訴訟等のリスクに晒される可能性がないとは言えません。その場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 自然災害等について

当社グループでは、「グループ危機管理規程」に基づきBCP(事業継続計画)を策定しており、災害等による損失に対処する態勢をとっていますが、地震、洪水等の自然災害、事故やテロのような予測不可能な事由により、生産設備等が大きな損害を受けることも考えられます。その場合には、生産の継続が困難になるとともに、その復旧に多大な費用と時間が掛かることにより、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(8) 設備投資について

紙・パルプ業界では、競争力を維持するために生産コストの継続的低減、品質の向上及び生産設備の改善は不可欠であります。当社グループの生産設備改善のための設備投資の実行の判断は、当社グループによる製品市場の需給予測等に基づいておりますが、市場の動向によっては新規設備の稼働率が上がらない可能性があります。この場合、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 提携契約について

当社は主要株主である三菱商事株式会社と業務提携契約を締結しております。この提携関係は、当社の国際競争力向上、企業価値向上に資するものであります。しかしながら、この提携先との関係に変更が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 企業買収等について

当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保、向上させる者でなければならないと考えております。しかしながら、株式の大量買付の中には、買収者側の一方的かつ恣意的な条件を付したもので、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なからず見受けられます。こうした行為があった場合、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当社グループにおきましては、輸出及び海外子会社の販売が好調で増収となった一方で、原燃料価格の高騰等により減益となりました。当社グループの当期における業績は以下のとおりです。

売  上  高

275,807

百万円

(前連結会計年度比

2.5%増

)

営 業 利 益

10,130

百万円

(前連結会計年度比

11.2%減

)

経 常 利 益

13,015

百万円

(前連結会計年度比

6.4%減

)

親会社株主に帰属する当期純利益

9,155

百万円

(前連結会計年度比

11.3%減

)

 

 

主なセグメント別の経営成績は、下記のとおりであります。

 

 紙パルプ事業

紙パルプ事業につきましては、輸出及び海外子会社の販売が好調で増収となりました。損益面においては、原燃料価格の高騰等により減益となりました。

品種別には、洋紙につきましては、広告媒体及び通販カタログの電子化により需要は減少しており、2019年1月より価格改定を実施したものの、第3四半期までの販売が振るわず前年実績を下回りました。一方、輸出につきましては、アジア諸国を中心に過去最高の販売量となりました。

白板紙につきましては、コート白ボールは菓子及びレトルト等の食品関連が底堅く推移しました。高級白板紙は高級化粧品用途は堅調でしたが、コンビニ関連の販促品及び店頭POP用途が振るわず販売は前年実績を下回りました。また特殊白板紙は洋菓子及び土産関連のパッケージ用途が堅調に推移しました。

特殊紙につきましては、機能紙分野において、電子部品搬送用のチップキャリアテープ原紙は年内までは好調でしたが、年明け後中国向けを中心に荷動きは一服状態となりました。また、空気清浄用フィルター等は国内において堅調に推移しましたが、輸出にて年明け後の受注減少により前年実績を下回りました。ファンシーペーパー全般では需要減少に加えて一般紙へのグレードダウンが続いていますが、高級印刷用紙は堅調に推移しました。情報用紙では、通知用の圧着ハガキ用紙で受注の減少により前年実績を下回る販売となり、情報用紙全体では帳票用途の減少及び電子媒体への移行が続き、厳しい販売状況でした。

パルプにつきましては、パルプ市況の上昇等により、Alberta-Pacific Forest Industries Inc.の販売が好調で、前年実績を上回りました。

 

以上の結果、紙パルプ事業の業績は以下のとおりとなりました。

売上高

248,253

百万円

(前連結会計年度比

2.5%増

)

営業利益

7,956

百万円

(前連結会計年度比

9.7%減

)

 

 

 パッケージング・紙加工事業

パッケージング・紙加工事業につきましては、一部ユーザーによる液体容器の形状変更及び情報メディア分野の電子化に伴う需要減により受注が減少し、減収減益となりました。

 この結果、パッケージング・紙加工事業の業績は以下のとおりとなりました。

売上高

19,192

百万円

(前連結会計年度比

1.2%減

)

営業利益

841

百万円

(前連結会計年度比

25.4%減

)

 

 

 

 その他

木材事業、古紙卸業、建設業、運送・倉庫業をはじめとするその他事業につきましては、全体的に厳しい受注環境下でありましたが、木材事業の外部受注が増加したことにより増収となりました。損益面においては、主として運送・倉庫業のコストアップにより減益となりました。

以上の結果、その他事業の業績は以下のとおりとなりました。

売上高

8,361

百万円

(前連結会計年度比

10.2%増

)

営業利益

709

百万円

(前連結会計年度比

13.1%減

)

 

 

総資産は、前連結会計年度末に比べて1,634百万円増加し、368,082百万円となりました。これは主として、現金及び預金が887百万円、商品及び製品が2,512百万円、原材料及び貯蔵品が3,019百万円、投資有価証券が1,562百万円それぞれ増加した一方で、受取手形及び売掛金が1,470百万円、減価償却等により有形固定資産が5,092百万円それぞれ減少したことによるものです。

負債は、前連結会計年度末に比べて749百万円増加し、175,220百万円となりました。これは主として、有利子負債が1,485百万円、未払法人税等が729百万円それぞれ増加した一方で、繰延税金負債が991百万円、資産除去債務が574百万円それぞれ減少したことによるものです。

純資産は、前連結会計年度末に比べて884百万円増加し、192,861百万円となりました。これは主として、親会社株主に帰属する当期純利益等により利益剰余金が6,784百万円増加した一方で、その他有価証券評価差額金が2,484百万円、為替換算調整勘定が3,452百万円それぞれ減少したことによるものです。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べて920百万円増加し、15,202百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は21,626百万円(前連結会計年度比9.5%増)となりました。
 収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益12,703百万円、減価償却費18,390百万円、支出の主な内訳は、持分法による投資利益1,259百万円、たな卸資産の増加額7,114百万円、法人税等の支払額3,221百万円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は19,274百万円(前連結会計年度比36.1%増)となりました。
 支出の主な内訳は、投資有価証券の取得による支出4,192百万円、有形固定資産の取得による支出15,626百万円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は934百万円(前連結会計年度比91.2%減)となりました。
 支出の主な内訳は、短期借入金の減少額3,813百万円、コマーシャル・ペーパーの減少額500百万円、長期借入金の返済による支出6,446百万円、配当金の支払額2,273百万円、収入の主な内訳は、長期借入れによる収入12,200百万円であります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、その内容、構造、形式等は必ずしも一様ではありません。このため、セグメントごとの生産高を表示することは困難であります。そこで、紙パルプ事業の主要生産会社である当社、Alberta-Pacific Forest Industries Inc.及び江門星輝造紙有限公司の当連結会計年度における主たる品種別生産実績を示すと、次のとおりであります。

 

区分

生産高(t)

前年同期比(%)

洋紙

1,333,917

98.2

板紙

519,360

93.2

合計

1,853,278

96.7

パルプ

1,662,674

99.8

 

 

b. 受注実績

当社グループは、一部受注生産を行っているものもありますが、大部分は一般市況及び直接需要を勘案して計画生産を行い、自由契約に基づき販売しております。このため、グループ会社の受注実績を把握することが困難であります。そこで、受注実績については記載を省略しております。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

紙パルプ事業

248,253

102.5

パッケージング・紙加工事業

19,192

98.8

その他

8,361

110.2

合計

275,807

102.5

 

(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

新生紙パルプ商事㈱

37,245

13.8

34,923

12.7

国際紙パルプ商事㈱

20,377

7.6

21,652

7.9

 

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りの評価が必要な事項については、合理的な基準に基づき実施しております。
 なお、個々の「重要な会計方針及び見積り」については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
 
経営成績の分析

 

前連結会計年度

(2018年3月期)

(百万円)

当連結会計年度

(2019年3月期)

(百万円)

連結業績予想

(2019年3月期)

(百万円)

売上高

269,099

275,807

275,000

営業利益

11,414

10,130

10,000

経常利益

13,907

13,015

13,000

親会社株主に帰属する当期純利益

10,327

9,155

8,500

 

 

経営成績の状況につきましては、前連結会計年度と比べ、国内における紙販売は前年を下回る販売となったことから、国内売上高は減収となりましたが、輸出販売やパルプ販売の拡大などが寄与した結果、全体では増収となりました。また原燃料価格の高騰が前連結会計年度より更に加速し、印刷・情報用紙の製品価格の改定に2019年1月より取り組んだものの、当期の営業利益は前連結会計年度と比べ減益となりました。経常利益につきましては、営業外損益において持分法投資利益の減少等による減益要因があったものの、為替の円安進行による為替差益の拡大などの増益効果が上回りましたが、営業利益の減益幅をカバーするには至らず、前連結会計年度と比べ減益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、特別利益において前連結会計年度において退職給付制度改定益が発生したことや、特別損失において固定資産除売却損の計上額が減少するなどの増減益要因があり、結果的には前連結会計年度と比べ減益となりました。なお連結業績予想に対しては、いずれも予想額を上回る結果となりました。

国内事業における収益性の改善に努めつつ、引き続き海外事業の拡大等による事業構造転換を進めることで成長に努めてまいります。

 
財政状態の分析
財政状態につきましては、流動資産は棚卸資産の増加などにより、前連結会計年度末に比べ5,508百万円増加しました。また、固定資産は設備投資額が減価償却費を下回ったことなどにより前連結会計年度末に比べ3,874百万円減少しました。一方、負債については有利子負債の増加などにより前連結会計年度末に比べ749百万円増加しました。純資産においては、利益剰余金が増加する一方で、その他有価証券評価差額金や為替換算調整勘定の減少があり、前連結会計年度末に比べ884百万円の増加となりました。

以上により、財務健全性指標の一つである自己資本比率は52.2%と前連結会計年度末と同水準を保っており、財政状態の健全性は維持できているものと認識しております。

 

キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローにつきましては、必要運転資金が減少した結果、営業活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度と比べ1,884百万円増加し21,626百万円となりました。投資活動の結果使用した資金は、投資有価証券の取得や設備投資額の増加などにより19,274百万円となりましたが、営業活動によるキャッシュ・フローの範囲内でありました。また、財務活動によるキャッシュ・フローとしては934百万円の減少となり、安定的かつ効率的なキャッシュ・フローの状況であると認識しております。

 
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、次のとおりであります。

当社グループの取扱商品は市況商品の割合が高いことから、需給動向から大きな影響を受けます。特に国内事業における主力の印刷情報用紙事業では需要の減退が著しく、また将来的にも同様の傾向が予想されます。一方でパルプの需要は世界的にも堅調に推移しておりますが、通商問題の動向や世界経済・政策に関する不確実性などがパルプ需給に与える影響に注視が必要な状況となっております。

また当社グループが購入している原燃料もまた市況商品が多く、価格変動リスクに晒されており、加えて国内事業においては輸入原燃料を多用することから為替の変動リスクもあり、これらが経営成績に重要な影響を与える可能性があります。

かかる認識の下、取扱製品や販売市場等の事業構造の転換に注力しており、取扱商品の拡充及び分散、また、輸出を強化することで為替リスクを軽減する等の対策に努めております。

 
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループは、事業活動に必要な流動性の安定確保と財務健全性の維持を基本方針としております。コマーシャル・ペーパーや長期社債発行等による直接調達及び金融機関借入等による間接調達を活用し、機動的かつ分散調達により安定的な財務基盤を確立しております。
運転資金につきましては主に短期資金にて調達しており、短期資金調達枠には十分な調達余力を有しています。また、設備投資等につきましては主に長期社債、長期借入金等にて調達し、市場環境を鑑みながら有利な手段を選択しております。
安定的な財務基盤の指標の一つとして、有利子負債残高から現預金残高を差し引いた後のネット有利子負債残高を自己資本にて除したネットD/Eレシオを用いております。ネットD/Eレシオは一定水準以上であり、財務健全性は維持できております。

 

2018年3月期(前期)

2019年3月期(当期)

有利子負債残高

108,240

百万円

109,725

百万円

現預金残高

14,315

百万円

15,202

百万円

ネット有利子負債残高

93,924

百万円

94,522

百万円

自己資本

191,154

百万円

192,104

百万円

ネットD/Eレシオ

0.49

 

0.49

 

 

また、円滑な資金調達を継続するために株式会社格付投資情報センター(以下、「R&I」という。)及び株式会社日本格付研究所(以下、「JCR」という。)から格付を取得しており、下記格付の維持向上に努めていく方針です。

 

R&I

JCR

短期格付

a-1

(長期)発行体格付

A-

 

 

 

当社グループの経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりであります。
当社グループは、持続的な成長を目指し、企業価値を向上させるために2020年を目標とする長期経営ビジョン「Vision 2020」を設定し、連結売上規模3,000億円以上、海外売上高比率25%の企業を目指しております。
その最終ステップとして2017年4月より中期経営計画「V-DRIVE」に取り組んでおります。グローバル展開における指標とした海外売上高比率は2019年3月期において既に目標を上回る35.1%となり、さらなる拡大を続けてまいります。
「V-DRIVE」の中間年度である2019年3月期の達成・進捗状況は以下の通りです。

 

V-DRIVE計画(2020年3月期)

2019年3月期(実績)

連結売上高

3,000

億円

2,758

億円

連結営業利益

150

億円

101

億円

売上高営業利益率

5.0

%以上

3.7

ROE

6.0

%以上

4.8

EBITDA

400

億円

323

億円

ネットD/Eレシオ

0.6

以下

0.49

 

 

なお、中期経営計画「V-DRIVE」につきましては、上記に記載した最終年度における目標値のみを設定しております。
 
主なセグメント別の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
紙パルプ事業のセグメント売上高は248,253百万円と前連結会計年度比2.5%の増加となりました。当該セグメントの売上高は当社グループの売上高の90.0%を占めております。セグメント利益につきましては、7,956百万円と前連結会計年度比9.7%の減少となりました。
当該セグメントは当社グループがコア事業と位置づけている5つの事業のうち、洋紙事業、白板紙事業、特殊紙事業、パルプ事業の4つの事業が主体となって構成する当社グループ最大の事業セグメントであり、セグメント資産においても総資産額の93.9%を占めております。当該セグメントは充分なキャッシュ・フロー創出力を有しており、当社グループ全体の財務健全性の維持に寄与しております。
国内における紙需要は今後も漸減傾向にあるとの認識のもと、洋紙事業において輸出の拡大戦略を推進していくことに加えて、白板紙事業においては中国、特殊紙事業においてはフランス、パルプ事業においてはカナダに海外拠点を有しており、4つのコア事業の全てがグローバルな市場開拓を積極的に進めております。今後もこれらの投資を加速していくと共に、セグメント内の製品ポートフォリオの拡充および変革にも継続的に取り組んでまいります。
 
パッケージング・紙加工事業のセグメント売上高は19,192百万円と前連結会計年度比1.2%の減少となりました。当該セグメントの売上高は当社グループの売上高の7.0%を占めております。セグメント利益につきましては、841百万円と前連結会計年度比25.4%の減少となりました。
当該セグメントは当社グループがコア事業と位置づけている5つの事業のうちの1つである紙加工事業が主体となっております。主力の液体容器事業において一部ユーザーによる形状変更や、情報メディア分野の電子化に伴う受注減の影響があったものの、液体容器事業においてはイタリアIPI S.r.l.の無菌充填包装システムの販売を開始したほか、食品・化粧品包装分野を始めとしたラミネート事業拡大のため、8色グラビア印刷機を導入しました。世界的に環境負荷低減が提唱される中、紙製容器の優位性が見直されており、液体容器以外の各種紙器においても引き続き販売拡充に注力してまいります。
 
その他の事業のセグメント売上高は8,361百万円と前連結会計年度比10.2%の増加となりました。当該セグメントは木材事業、古紙卸業、建設業、運送・倉庫業等の多岐に亘っております。直接・間接的に紙パルプ事業及びパッケージング・紙加工事業に関連する事業であり、当連結会計年度における外部売上高比率は18.8%にとどまっておりますが、経営資源の有効活用を目的に外部売上高強化に注力してまいります。
 

 

③ 次期の見通し

我が国経済は、輸出や生産の一部に弱さがみられるものの、緩やかな回復基調が続くことが期待されておりますが、通商問題の動向が世界経済に与える影響や、中国を始めとする海外経済の動向や政策に対する不確実性などに起因する影響がリスクとして懸念されております。このような状況下、紙パルプ産業を取り巻く環境におきましても、印刷・情報用紙の国内需要の減少、原燃料価格の上昇等、依然として先行き不透明な状況が続いております。

次期につきましては、当社グループの中期経営計画「V-DRIVE」の計画期間における最終年度となりますが、連結経営指標の達成を目指して、更なる収益体質の強化を図るべく、引き続き徹底したコストダウンに取り組むと共に事業構造の転換を継続してまいります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

  業務提携契約

契約会社名

相手方の名称

契約締結日

契約内容

契約期間

北越コーポレーション㈱

三菱商事㈱

2006年7月21日

業務提携
原材料の調達、国内外の紙販売に関する協業等

2006年7月21日から
5年間(以後1年毎の自動更新規定あり)(注)

 

(注) 合意により、契約期間を2019年7月20日まで1年間自動更新いたしました。

 

5 【研究開発活動】

当社グループの研究開発部門は、技術開発本部下にある研究所と新機能材料開発室、及び技術開発部を中心に構成され、CNF等の新機能材料の開発は新機能材料開発室を中心として進めております。また、各工場でも現場に立脚した新製品開発や品質改善及びコストダウン等を行っております。技術開発本部がこれらの研究開発活動を総括し、技術開発部が営業部門や工場の製造部門及び研究所と緊密な連携をとり、お客様の要望に直結した新製品開発を行っております。また、各事業本部をバックアップするために、研究開発部門でも最大の効果を上げるための取り組みを進めてまいりました。

紙パルプ事業の研究開発活動の項目は以下のとおりであります。
 (セグメント別では、紙パルプ事業の占める割合が大きいため、その他のセグメントについては省略しております。)

 

 

(1) 印刷用紙及び白板紙分野

印刷用紙分野では新潟・紀州両工場のパルプ・紙一貫生産の優位性を最大限に発揮するための最適生産体制を基本として、安定生産の追求により、一層のコストダウンを推進し競争力強化を図っております。平行して継続したお客様への訪問によりユーザーニーズに即した品質改善に向けて営業部門・研究開発部門との連携を深めながら、各生産設備の特長を最大限に活かした取り組みを強化しております。

白板紙分野では、定期的なユーザーとの品質会議やマーケティングリサーチの頻度を増しつつ、課題の早期改善やニーズの先取りを進めております。特に古紙の集荷状況が悪化する中で、夾雑物レベル改善の取り組みは、ユーザーから評価を得ております。底固い分野であるカップ原紙関係も堅調であり、幅広い機能性をもたせたカップ原紙の開発を進めております。

その他にも脱プラスチック対応素材として、当社は、紙ストローや紙スプーン等に使われる原紙を製造し、環境に配慮した製品の拡大に取り組んでおります。更に、食品容器に広く用いられているポリエチレン層を有する包装・食品容器を紙塗工品に代替することを目的として、リサイクル適性を有し、食品との接触も可能な紙基材の開発を進めております。

(2) 機能紙、特殊紙・情報用紙分野

機能紙分野では、チップキャリアテープ原紙、逆浸透膜用の支持体の品質改善及びコストダウンに取り組んでおります。特に堅調な需要が見込まれるチップキャリアテープ原紙は主力の長岡工場の他、関東工場(勝田)でも生産を開始いたしました。また、濾過・分離分野については、気体のみならず液体も対象として、各種素材を利用した新製品開発を進めております。また、当社の連結子会社であるフランスのBernard Dumas S.A.S.とは、鉛蓄電池用バッテリーセパレータ及び空気清浄用フィルターに関し技術交流を進め、新製品開発や品質改善に取り組み、戦力アップに努めてまいります。

特殊紙分野では、国内・海外のお客様のニーズを取り込み、個別のニーズに対応した多面的な新製品開発を進めております。

情報用紙分野では、顔料インクを搭載したインクジェットプリンターに適性のあるIJ圧着紙の品質改善やコストダウンなどに取り組んでおります。

(3)セルロースナノファイバー及びセルロースナノクリスタル

新機能材料開発室を中心として、CNFの応用展開を進めています。その中で、当社グループが製造するVFが、ミクロンサイズのセルロース繊維をナノサイズのCNFで接着強化した、斬新な複合材料であり、密に絡んだCNFが強靱性を付与していることを解明いたしました。更に、この材料と炭素繊維を複合化させることで、強度を維持したまま軽量化した複合材料を開発いたしました。脱プラスチック対応の新機能素材として展開を図っております。

また、当社の連結子会社であるカナダの Alberta-Pacific Forest Industries Inc.は、アルバータ州の研究機関であるInnoTech Albertaとセルロースナノクリスタルの商業生産を目指した共同研究を進めております。

その他にも、公立研究機関や大学などとも協力しながら、ナノカーボン素材の開発など、新機能を持った新しい素材の創出に向けて取り組んでおります。

 

当連結会計年度の当セグメントにおける研究開発費は753百万円であります。
 なお、パッケージング・紙加工事業における研究開発費は30百万円であり、パッケージング・紙加工事業等を含めた全セグメントの研究開発費は783百万円であります。