文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
① 会社の経営の基本方針
当社グループは、「グループ企業理念」のもと、洋紙、白板紙、特殊紙、紙加工及びパルプの主要5事業を核として、魅力ある商品とサービスを広く社会に提供し、顧客、株主、取引先、地域社会をはじめとする総てのステークホルダーの支持と信頼に基づいた企業グループの安定的かつ持続的な成長と企業価値の向上を図ることを経営の基本方針としております。
特に環境については、当社グループの環境憲章への取り組みの基本方針である「ミニマム・インパクト」をより深化させ、これからもCO2排出量の削減、海外植林事業及びエコロジー技術などの積極的な取り組みを進め、地球環境の保全に向けた環境重視経営をさらに強化してまいります。
② 目標とする経営指標
当社グループでは、事業活動の成果を示す売上高、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益を重要な経営指標と位置付け、この向上を通じて、企業価値の拡大を図ってまいります。
③ 中長期的な会社の経営戦略
新型コロナウイルス感染症の影響は、国内外の紙・パルプ需要減退及び需要構造転換のスピードを加速させており、かかる外部環境認識の下、当社グループは更なるグローバル企業としての持続的な成長を目指し、新たに長期経営ビジョン「Vision 2030」を策定いたしました。その「Vision 2030」における企業グループイメージは、環境経営を基軸として、持続可能な社会の発展に貢献する企業グループ、多様な労働力と最新技術を活用し、時代に適応した新たな事業領域に挑戦する企業グループ、夢・希望・誇りが持てる働きがいのある企業グループであります。
また、長期経営ビジョン「Vision 2030」の企業グループイメージ実現に向けた第1ステップとして2020年4月より「中期経営計画 2023」をスタートさせました。「中期経営計画 2023」では、事業ポートフォリオシフト、海外事業拡充、国内事業強化、ガバナンス経営強化及びSDGs活動推進の5つの基本方針を柱とする経営施策を迅速かつ強力に推進することにより、更なる企業価値の向上を目指してまいります。
(2) 経営環境及び対処すべき課題
① 経営環境認識
世界経済は、米中貿易摩擦や新型コロナウイルス感染症の影響による世界的な経済活動の急速な悪化により、今後の見通しが非常に難しくなっております。国内紙パルプ産業については、これらの世界的な経済の悪化に加え、情報メディアの電子化等による印刷・情報用紙の需要減少により、一段と厳しい事業環境になってきております。
② 対処すべき課題
当社グループは、このような経営環境認識を踏まえ、2020年4月より「中期経営計画 2023」を策定いたしました。その基本方針は次のとおりであります。
イ 事業ポートフォリオシフト
当社は、洋紙事業における国内市場の需要減に対応するため、戦略的な紙パルプ製品の輸出や海外事業の拡大を進めるとともに、新潟工場6号抄紙機を洋紙から段ボール中芯原紙に転抄し、2020年4月より段ボール原紙事業に参入いたしました。段ボール原紙事業については、新潟県内で発生する段ボール古紙を最大限活用し、新潟県内のお客様を中心に販売する「地産地消」戦略を掲げ、お客様へ安定供給を行うとともに、一部は輸出も進めてまいります。あわせて国内外において、当社グループの持続的成長を支える新たなコア事業を開拓し、事業ポートフォリオの転換を推進してまいります。
ロ 海外事業拡充
当社は、カナダにおけるパルプ事業のコスト改善投資、フランスにおけるバッテリーセパレータ生産体制の強化、中国白板紙事業の販売拡大への取り組みを通じて海外事業を拡大してまいりました。これらに加え、2020年4月にグローバル事業推進部を設置し、主要な海外事業の管理及び国内外の新規事業を、集中して検討する体制を構築いたしました。海外既存事業については、引き続き収益力を高める投資等を行うとともに、M&A等により、さらに海外事業を拡充してまいります。
ハ 国内事業強化
特殊紙事業については、5G関連機器、スマートフォン、車載機器向け電子部品の搬送に使用されるチップキャリアテープ原紙、水処理分野向けRO膜支持体等の需要が増加しており、生産体制の拡充を進めてまいります。
また、プラスチック代替材料への需要が期待される紙加工事業については、原紙から最終製品まで一貫で生産できる当社グループの強みを活かしてまいります。
さらに洋紙・白板紙を含め、これらの需要動向に最も適した生産体制の構築を進め、物流コストの改善にも継続的に取り組んでまいります。
ニ ガバナンス経営強化
当社グループは、「グループ企業理念」及び「グループ行動規範」を実現することにより、全てのステークホルダーの皆様に信頼される企業グループとなることを目指し、コーポレートガバナンス強化のための諸施策を継続して進めてまいりました。その一環として、2019年度は全グループ会社を対象とする連結経営・ガバナンス会議を半期毎に開催するとともに、海外グループ会社に対してはフランス、カナダ、中国においてそれぞれ海外グループ・ガバナンス会議を開催し、グループ従業員の意識の向上を図りました。
2020年4月からは、内部統制の強化のため、連結経営・ガバナンス会議を「連結経営内部統制会議」として再構成するとともに、監査役の補助使用人として監査役室を設置し、監査役監査の実効性を高めてまいります。
コンプライアンスについては、2019年度は当社及び国内グループ会社を対象に「独占禁止法の遵守」及び「ハラスメントの防止」をテーマとする研修を実施し、基本的な知識と問題発生時の対応(内部通報制度の活用等)について、一層の周知徹底を図りました。当社グループの内部通報制度は消費者庁所管の「内部通報制度認証」(自己適合宣言登録制度)に登録されており、研修等による高いコンプライアンス意識の醸成と内部通報制度が相互に機能するコンプライアンス体制を構築しております。
さらに、2020年4月には、当社グループの経営リスクを回避若しくは最小化することを目的として、当社CEO直属のチーフ・リスクマネジメント・オフィサー(CRO)を新設しました。CROのイニシアチブの下、リスクマネジメント体制を強化してまいります。
ホ SDGs活動推進
当社グループは、持続的な企業価値向上を図るため、国連が提唱するSDGs(持続可能な開発目標)の内容を踏まえ、永続的かつ実効性の高いCSR活動を展開しております。2019年度については、SDGsの17の目標のうち、当社グループは10の目標をCSR活動と連動して取り組んでまいりました。特に、環境問題に対しては、新たに「グループ環境目標2030」を制定し、地球温暖化対策、森林管理・育成、資源活用・リサイクル、廃棄物対策、環境法令の遵守・排出管理、環境配慮型製品・技術の各々について2030年までの目標を定め、取り組みを新たにスタートいたしました。
また、経済産業省が主導している「健康経営」を実践している企業の1社として「健康経営優良法人2020(大規模法人部門)」に認定されました。安全衛生については、グループ安全衛生基本方針を策定するとともに、中期安全目標を掲げ、ISO45001の取得を目指すなど新たな安全衛生活動に取り組みます。
これらの取り組みを重点とした施策を通じて、SDGsに貢献し企業価値の向上に努めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下「経営成績等」といいます。)に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、当社グループでは、2020年4月1日付でCEO直属の組織としてチーフ・リスクマネジメント・オフィサーを設置し、リスクマネジメント・オフィサー会議の中で当社グループの経営リスクを回避または最小化するためのリスクマネジメントの取り組みをスタートしております。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(特に重要なリスク)
(1)製品需要及び価格の変動について
当社グループは、紙パルプ事業及びパッケージング・紙加工事業を主力事業としておりますが、景気後退や需要構造の変化等による需要減少の影響を受けることがあります。また、当社グループの製品は市況品の割合も高いため、経済情勢の変動に伴い製品価格が変動するリスクがあります。これらの製品需要及び価格の変動が、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。そのため、「中期経営計画 2023」における基本方針の一つに「事業ポートフォリオシフト」を掲げ、将来の中核となる新たな事業の開拓に取り組んでおります。
(2)原燃料市況の変動について
当社グループは、主として木材チップ、古紙、薬品、ガス、重油等の原燃料を購入しておりますが、国際市況及び国内市況の変動により、購入価格が変動するリスクがあります。この原燃料の購入価格の変動が、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。そのため、「グループ原材料調達基本方針」を踏まえて、サプライヤーの多様化等により有利購買、安定調達に努めております。
(3)為替変動について
当社グループは、製品輸出取引、原燃料輸入取引及び海外子会社との取引において為替変動の影響を受けることがあります。この為替変動が、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。これらの影響を回避するため、一部為替予約によるリスクヘッジを実施しております。
(4)海外の政治、経済情勢の変動について
当社グループは、木材チップ、重油等の原燃料の多くを海外から調達しております。また、北米、中国、フランスで紙・パルプ事業を展開しております。現地での政治、経済情勢の悪化による原燃料確保の困難な状況や大幅な価格上昇、または現地政府による規制や政治不安等による経済環境の悪化等のリスクがあり、それらが発生した場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。そのため、海外子会社では、現地弁護士やコンサルタント等のアドバイスに基づき法改正等に対する迅速な対応を行うことでリスクを軽減する体制を構築しております。さらに中国の子会社に対しては、海外投資保険を付保しております。
(5)金利変動について
当社グループの総資産に対する有利子負債の比率は、前連結会計年度末が29.8%、当連結会計年度末が31.0%となっております。今後の金利動向によっては、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。そのため、グループファイナンスの実施等、グループ資金の効率化に努めております。
(6)法規制及び訴訟について
当社グループは、環境規制、知的財産権や製造物責任法等様々な法令規制の適用を受けており、それらの変更・改正によって、追加の費用が発生する可能性があります。また、訴訟等のリスクに晒される可能性がないとは言えません。その場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループは「グループ企業理念」及び「グループ行動規範」を制定し、当社グループ全社員に対し、法令・定款の遵守は勿論のこと、社内規程の遵守も徹底しております。
(7)設備投資について
紙・パルプ産業は装置産業であり、当社グループでは、生産コストの低減、品質及び効率の向上、増設等を目的として設備投資を行っており、多くの有形固定資産等の固定資産を保有しております。その実行の判断は、当社グループによる製品市場の需給予測等に基づいておりますが、将来の事業環境の急激な変化等により、固定資産の資産価値が見込以上に下落した場合、減損処理により当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。そのため、設備投資後においても、継続的に市場動向を注視しながら最適生産体制の継続に努めております。
(重要なリスク)
(8)自然災害等について
地震、洪水等の自然災害、事故やテロのような予測不可能な事由により、当社グループの生産設備が大きな損害を受けることも考えられます。その場合には、生産の継続が困難になるとともに、その復旧に多大な費用と時間が掛かることにより、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループは、「グループ危機管理規程」に基づきBCP(事業継続計画)を策定しており、災害等による損失に対処する態勢をとっております。
(9)企業買収等について
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保、向上させる者でなければならないと考えております。しかしながら、株式の大量買付の中には、買収者側の一方的かつ恣意的な条件を付したもので、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なからず見受けられます。こうした行為があった場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に反する買付行為を抑止するための枠組みとして、「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)」を導入しております。
(10)株価の変動について
当社グループは、取引先を中心に株式を保有しておりますが、市場性のある株式については、各種要因による株価の変動により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。そのため、特に政策保有株式の保有による企業価値向上効果やリスクについて、毎年取締役会で検証しております。
(11)新型コロナウイルス感染症について
当社グループは、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、在宅勤務や外出・出張の禁止等の措置を実施してきましたが、新型コロナウイルス感染症のまん延や第二波の到来によって、国内外の経済活動がさらに縮小することにより、当社グループの製品需要が減少するリスクがあります。また、当社グループの役職員が罹患した場合、その規模によって当社グループの事業活動の継続に支障が生ずる可能性があります。この場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループでは緊急事態宣言全面解除後も新型コロナウイルス感染症のまん延防止策を継続するとともに、「グループ危機管理規程」に基づき作成した新型インフルエンザ等感染症に対するBCP(事業継続計画)の見直しを進めております。
(12)情報セキュリティについて
当社グループは、主にプライベート・クラウド上に業務システムを構築しており、それらにサイバー攻撃等による情報セキュリティ事故が発生した場合、業務遂行に支障をきたす可能性があります。この場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループは「グループ情報セキュリティ基本方針」を定め、情報セキュリティに関する管理を強化するとともに、ウイルス感染やサイバー攻撃によるシステム障害、社外への情報漏洩に対する対策を図っております。
(13)海外連結子会社の内部統制について
当社グループは、国内の他、北米、中国、フランスで紙・パルプ事業を展開しております。海外連結子会社における内部統制に予期せぬ脆弱性があった場合、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。そのため、経営から独立した専任の内部監査人の設置、現地の事情に詳しいコンサルタントによる内部統制の監査の実施等により、内部統制の強化を図っております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループにおきましては、2019年1月より実施した洋紙の価格改定があったものの、国内需要の低迷及び海外における販売価格の低迷により減収となりました。損益面においては、洋紙の価格改定及び各種コストダウン効果等により、営業利益及び経常利益は増益となりました。一方で、親会社株主に帰属する当期純利益は、江門星輝造紙有限公司にて固定資産の減損損失を計上したこと等に伴い減益となりました。当社グループの当期における業績は以下のとおりです。
主なセグメント別の経営成績は、下記のとおりであります。
紙パルプ事業
紙パルプ事業につきましては、2019年1月より実施した洋紙の価格改定があったものの、国内需要の低迷及び海外における販売価格の低迷により減収となりました。損益面においては、洋紙の価格改定及び各種コストダウン効果等により増益となりました。
品種別には、洋紙につきましては、広告媒体及び通販カタログの電子化により需要は減少しているものの、2019年1月より価格改定を実施したことにより、国内につきましては、前年実績を上回りました。一方、輸出につきましては、米中貿易摩擦等の影響により前年実績を下回りました。
白板紙につきましては、特殊白板紙及びコート白ボールは、医薬向けについては堅調でしたが、化粧品や土産関連の分野でインバウンド需要の減少が大きく前年実績を下回りました。また、高級白板紙は、店頭POP用途、各種カード類及び出版表紙用途向けで低迷し、前年実績を下回りました。
特殊紙につきましては、機能紙分野において、電子部品搬送用のチップキャリアテープ原紙は米中貿易摩擦の影響により、また、空気清浄用フィルター等は輸出の受注減少により、前年実績を下回りました。ファンシーペーパー全般では需要減少に加えて一般紙へのグレードダウンが続いています。堅調に推移していた高級印刷用紙も苦戦が目立つようになりました。情報用紙では、通知用の圧着ハガキ用紙や帳票用途の減少及び電子媒体への移行が続き、前年実績を下回りました。
パルプにつきましては、米中貿易摩擦の影響で、パルプ価格が下落し、前年実績を下回りました。
以上の結果、紙パルプ事業の業績は以下のとおりとなりました。
パッケージング・紙加工事業
パッケージング・紙加工事業につきましては、液体容器の受注減少及びインバウンド需要の減少による化粧品用途の受注減少により、減収減益となりました。
この結果、パッケージング・紙加工事業の業績は以下のとおりとなりました。
その他
木材事業、古紙卸業、建設業、運送・倉庫業をはじめとするその他事業につきましては、全体的に厳しい受注環境下でありましたが、木材事業の外部受注が増加したことにより増収となりました。損益面においては、各種コストダウン等の効果により増益となりました。
以上の結果、その他事業の業績は以下のとおりとなりました。
総資産は、前連結会計年度末に比べて23,351百万円減少し、344,731百万円となりました。これは主として、現金及び預金が6,180百万円、商品及び製品が3,187百万円それぞれ増加した一方で、受取手形及び売掛金が17,630百万円、原材料及び貯蔵品が3,957百万円、投資有価証券が2,920百万円、減価償却等により有形固定資産が7,489百万円それぞれ減少したことによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べて11,351百万円減少し、163,869百万円となりました。これは主として、有利子負債が2,893百万円、支払手形及び買掛金が2,048百万円、未払法人税等が1,444百万円、退職給付に係る負債が4,747百万円それぞれ減少したことによるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べて11,999百万円減少し、180,861百万円となりました。これは主として、自己株式の消却等により利益剰余金が4,719百万円、その他有価証券評価差額金が6,716百万円それぞれ減少したことによるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べて6,180百万円増加し、21,383百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は43,974百万円(前連結会計年度比103.3%増)となりました。
収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益12,711百万円、減価償却費18,450百万円、減損損失6,382百万円、売上債権の減少額17,550百万円、支出の主な内訳は、退職給付信託設定益4,874百万円、持分法による投資利益4,580百万円、法人税等の支払額4,860百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は20,199百万円(前連結会計年度比4.8%増)となりました。
支出の主な内訳は、投資有価証券の取得による支出4,569百万円、有形固定資産の取得による支出14,857百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は17,261百万円(前連結会計年度は934百万円の支出)となりました。
支出の主な内訳は、コマーシャル・ペーパーの減少額3,500百万円、長期借入金の返済による支出15,551百万円、自己株式の取得による支出10,097百万円、配当金の支払額2,274百万円、収入の主な内訳は、長期借入れによる収入16,000百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、その内容、構造、形式等は必ずしも一様ではありません。このため、セグメントごとの生産高を表示することは困難であります。そこで、紙パルプ事業の主要生産会社である当社、Alberta-Pacific Forest Industries Inc.及び江門星輝造紙有限公司の当連結会計年度における主たる品種別生産実績を示すと、次のとおりであります。
当社グループは、一部受注生産を行っているものもありますが、大部分は一般市況及び直接需要を勘案して計画生産を行い、自由契約に基づき販売しております。このため、グループ会社の受注実績を把握することが困難であります。そこで、受注実績については記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
経営成績の状況につきましては、紙販売において輸出の数量と価格が前連結会計年度を下回ったことや、パルプ販売において価格が下落基調であった影響もあり、売上高は減収となりました。一方で洋紙の国内における販売価格において、2019年1月より取り組んだ価格改定の効果が当連結会計年度を通して寄与したことや、各種コストダウンによる効果もあり、当連結会計年度の営業利益は前連結会計年度と比べ増益となりました。経常利益につきましては、営業外損益において為替の円高進行による為替差損が発生したものの、持分法投資利益の増加による増益効果が上回ったことから前連結会計年度と比べ増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、特別利益において退職給付信託設定益を計上した一方で、特別損失において江門星輝造紙有限公司の固定資産減損損失を計上したこともあり、前連結会計年度と比べ減益となりました。なお連結業績予想に対しては、売上高においては予想額を下回る結果となりましたが、損益面においてはいずれも予想額を上回る結果となりました。
引き続き国内外を問わず需要環境は厳しいものの、特殊紙等の高付加価値製品の開発やコストダウン等の内部改善による、収益体質の強化を図ることで更なる成長を目指してまいります。
以上により、財務健全性指標の一つである自己資本比率は52.3%と前連結会計年度より0.1ポイント上昇しており、財政状態の健全性は維持できているものと認識しております。
キャッシュ・フローにつきましては、前連結会計年度末日が金融機関の休日に該当したのに対し、当連結会計年度末日は当該休日に該当しなかった為、運転資金が減少したことなどにより、営業活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度と比べ22,347百万円増加し43,974百万円となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、各種設備投資や投資有価証券の追加取得などを実施した結果、20,199百万円の減少となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは自己株式の取得や有利子負債の削減を進めた結果、17,261百万円減少と前連結会計年度を大きく上回る減少額となりましたが、投資活動によるキャッシュ・フローと合わせて営業活動によるキャッシュ・フローの範囲内であることから、現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度から6,180百万円増加の21,383百万円となっており、安定的且つ効率的なキャッシュ・フローの状況であると認識しております。
当社グループの取扱商品は市況商品の割合が高いことから、需給動向から大きな影響を受けます。特に国内事業における主力の印刷情報用紙事業では需要の減退が著しく、将来的にも同様の傾向が予想されます。パルプの需要についても、中長期的には堅調な推移が見込まれているものの、足下では米中貿易摩擦の影響から需要の停滞がみられる状況です。またこれらに加えて新型コロナウイルス感染症の影響により我が国のみならず世界的な経済の悪化が懸念されており、通商問題の動向や世界経済・政策に関する不確実性、これらに付随する各国通貨の為替変動なども含め当社グループの取扱商品の需給や収益性に与える影響に注視が必要な状況となっております。
また当社グループが購入している原燃料につきましても市況商品が多く、価格変動リスクに晒されており、加えて国内事業においては輸入原燃料を多用することから為替の変動リスクもあり、これらが経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
かかる認識の下、取扱製品や販売市場等の事業構造の転換に注力しており、取扱商品の拡充及び分散、また、輸出を強化することで為替リスクを軽減する等の対策に努めております。
我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による消費減退や失業率上昇など深刻な影響を受けており、緊急事態宣言は解除となったものの、予断を許さない状況が続いております。また、海外においても同感染症の影響は経済活動の大幅な縮小を招いており、加えて大国間の通商問題の動向は不確実性を高めております。
紙パルプ産業界においても、当社グループの主力製品である印刷・情報用紙やパルプの大幅な需要減少は全世界的に顕著であり、厳しい事業環境が継続すると判断しております。
次期の見通しにつきましては、国内においては、緊急事態宣言解除後の緩やかな回復が期待できるものの、翌連結会計年度中に感染拡大前の水準に回復することは困難であり、また、海外においては、足元の状況が翌連結会計年末まで継続するものと想定しております。
一方、当社グループは新たな長期経営ビジョン「Vision 2030」およびその企業グループイメージ実現に向けた第一ステップとして、「中期経営計画 2023」がスタートいたします。厳しい事業環境下でのスタートとなりますが、基本方針として掲げる「事業ポートフォリオシフト」、「海外事業拡充」、「国内事業強化」、「ガバナンス経営強化」、「SDGs活動」を推進し、更なる企業価値の向上を目指してまいります。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りの評価が必要な事項については、合理的な基準に基づき実施しております。
なお、個々の「重要な会計方針及び見積り」については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。
また、連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目は以下のとおりであります。
イ 連結財務諸表に計上した会計上の見積りによるもののうち、翌年度の連結財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある項目
新型コロナウイルス感染症の影響により、国内外共に紙製品・パルプの需要は急速に減少しており、当社グループの業績は売上高減少等の影響を受けており、固定資産の減損会計の適用及び、繰延税金資産の回収可能性の前提となる将来事業計画に重要な不確実性が含まれると判断しております。
ロ 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
当連結会計年度において減損損失6,382百万円を計上し、繰延税金資産を1,393百万円取り崩しております。
ハ 会計上の見積りの内容について連結財務諸表利用者の理解に資するその他の情報
(a) 当年度の連結財務諸表に計上した金額の算出方法
将来事業計画により見積もられた将来営業キャッシュ・フロー及び将来の課税所得に基づき、固定資産の減損会計を適用し、繰延税金資産を計上しております。
(b) 当年度の連結財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定
新型コロナウイルス感染症については、今後の拡大状況や収束時期が不透明であり、今後の当社グループにおける業績への影響を見通すことは極めて困難でありますが、最善の見積りを行う上での一定の仮定として、国内においては、緊急事態宣言解除後の緩やかな回復が期待できるものの、翌連結会計年度中に感染拡大前の水準に回復することは困難であり、また、海外においては、足元の状況が翌連結会計年度末まで継続するものと仮定して、事業計画に当該影響を織り込み、将来営業キャッシュ・フロー及び将来課税所得の見積りを行っております。
(c) 翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響
営業キャッシュ・フロー及び課税所得が生じる時期及び金額は、将来の不確実な経済状況の変動によって影響を受ける可能性があり、実際に生じた時期及び金額が見積りと異なった場合、当連結会計年度の連結財務諸表に計上した固定資産の減損損失及び、繰延税金資産計上額に重要な影響を与える可能性があります。
当社は、2019年7月20日の契約期間満了をもって三菱商事株式会社との業務提携を解消いたしました。
当社グループの研究開発部門は、技術開発本部下にある研究所と新機能材料開発室、及び技術開発部を中心に構成され、セルロースナノファイバー(CNF)等の新機能材料の開発は新機能材料開発室を中心として進めております。また、各工場でも現場に立脚した新製品開発や品質改善及びコストダウン等を行っております。技術開発本部がこれらの研究開発活動を総括し、技術開発部が営業部門や工場の製造部門及び研究所と緊密な連携をとり、お客様の要望に直結した新製品開発を行っております。
紙パルプ事業の研究開発活動の項目は以下のとおりであります。
(セグメント別では、紙パルプ事業の占める割合が大きいため、その他のセグメントについては省略しております。)
(1) 印刷用紙及び白板紙分野
印刷用紙分野では、キンマリSW・紀州上質紙Nのメインブランドの新潟・紀州両工場での生産による輸送コスト低減や古紙パルプ生産の紀州工場への集約生産により製造コスト削減を図っています。白板紙分野では、定期的なユーザーとの品質会議やマーケティングリサーチの頻度を増しつつ、課題の早期改善やニーズの先取りを進めています。新規開発品につきましては、チップキャリアテープ原紙の製造拠点多角化に取り組んでおります。
また、両分野において、脱プラスチック対応による包装用紙・紙器等のニーズ増を最大限に取り込み、販路拡大を図るべく、特殊紙分野・新機能材料開発室との連携を密にして新製品開発や品質改善を積極的に進めております。
(2) 機能紙、特殊紙・情報用紙分野
機能紙分野では、チップキャリアテープ原紙、逆浸透膜用の支持体の品質改善及びコストダウンに取り組むと共に、需要増に応じた生産体制の構築にも取り組んでおります。また、濾過・分離分野については、気体のみならず液体も対象として、各種素材を利用した新製品開発を推進しております。また、当社の連結子会社であるフランスのBernard Dumas S.A.S.とは、鉛蓄電池用バッテリーセパレータ及び空気清浄用フィルターに関し技術交流を進め、新製品開発や品質改善に取り組み、戦力アップに努めております。
特殊紙分野では、市場のニーズを取り込み、ポリエチレンラミネート紙の代替品として脱プラスチック紙基材「パンセ」の開発に研究所とともに取り組んでおります。
情報用紙分野では、顔料インクを搭載したインクジェットプリンターに適性のあるIJ圧着紙、IJフォーム用紙の品質改善やコストダウンに取り組んでおります。
(3) 段ボール原紙分野
当社グループの事業ポートフォリオをさらに進化・拡大させるため、新潟6号機を改造し2020年4月より段ボール原紙(中芯)の生産を開始しました。製品品質と供給体制を整えて早期に顧客信頼を得る様に努めております。
(4) セルロースナノファイバー及びセルロースナノクリスタル
新機能材料開発室を中心として、これまで蓄積してきたナノ材料に関する知見を活かし、CNF、機能性カーボン材料、高性能空気清浄用フィルターの開発を手掛け、大学や研究機関との連携を深めながら機能性材料の創出に取り組んでおります。2018年に発表した、CNFでセルロースを強化したオールセルロース材料に関する論文が、紙パルプ技術協会賞を受賞し、社外においても高い評価が得られております。この材料の応用開発においては、炭素繊維と複合化させた素材の展開が進み、鞄や各種ボックス用途として軽量化や寸法安定化に寄与しております。また、新潟県工業技術総合研究所との共同研究では、オールセルロース材料の加工技術を開発しており、次世代自動車への適用に向けて開発を進めております。
また、当社の連結子会社であるカナダの Alberta-Pacific Forest Industries Inc.は、アルバータ州の研究機関である InnoTech Alberta とセルロースナノクリスタルの商業生産を目指した共同研究を進めております。
当連結会計年度の当セグメントにおける研究開発費は
なお、パッケージング・紙加工事業における研究開発費は