文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
① 会社の経営の基本方針
当社グループは、「グループ企業理念」のもと、洋紙、白板紙、特殊紙、パッケージング・紙加工及び事業投資を核として、魅力ある商品とサービスを広く社会に提供し、顧客、株主、取引先、地域社会をはじめとする総てのステークホルダーの支持と信頼に基づいた企業グループの安定的かつ持続的な成長と企業価値の向上を図ることを経営の基本方針としております。
特に環境については、「グループ環境目標2030」を制定し、当社グループが環境問題の最重要課題と捉える地球温暖化対策を始め、さまざまな面から環境重視経営を強化するための2030年度を目標とした具体的な行動計画を定めております。
更には2050年までにCO2排出実質ゼロに挑戦する「北越グループ ゼロCO2 2050」を新たに策定し、人と自然が共生する社会の実現を目指してまいります。
② 目標とする経営指標
当社グループでは、事業活動の成果を示す売上高、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益を重要な経営指標と位置付け、この向上を通じて、企業価値の拡大を図ってまいります。
③ 中長期的な会社の経営戦略
新型コロナウイルス感染症の影響は、国内外の紙・パルプ需要減退及び需要構造転換のスピードを加速させており、かかる外部環境認識の下、当社グループは更なるグローバル企業としての持続的な成長を目指すための長期経営ビジョン「Vision 2030」を策定しております。その「Vision 2030」における企業グループイメージは、環境経営を基軸として、持続可能な社会の発展に貢献する企業グループ、多様な労働力と最新技術を活用し、時代に適応した新たな事業領域に挑戦する企業グループ、夢・希望・誇りが持てる働きがいのある企業グループであります。
また、長期経営ビジョン「Vision 2030」の企業グループイメージ実現に向けた第1ステップとして2020年4月より「中期経営計画 2023」をスタートさせました。「中期経営計画 2023」では、事業ポートフォリオシフト、海外事業拡充、国内事業強化、ガバナンス経営強化及びSDGs活動推進の5つの基本方針を柱とする経営施策を迅速かつ強力に推進することにより、更なる企業価値の向上を目指してまいります。
(2) 経営環境及び対処すべき課題
① 経営環境認識
世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響等による世界的な経済活動の停滞により、今後の見通しが非常に難しくなっております。国内紙パルプ産業については、これらの世界的な経済の停滞に加え、情報メディアの電子化等による印刷・情報用紙の需要減少により、厳しい事業環境が継続しております。
② 対処すべき課題
イ 環境競争力強化
当社グループは、長期経営ビジョン「Vision 2030」及び「中期経営計画 2023」とともにCSR活動をグループ経営の両輪と位置づけ、その中でも「環境競争力強化」を最重点経営課題に掲げ事業活動を推進してまいりました。
当社グループは、原材料の調達から紙製品の生産、使用・廃棄に至るまでライフサイクル全体でのCO2排出量の削減に取り組んでおり、当社が生産・販売する紙製品は、70%のCO2ゼロ・エネルギーによって生産されており、当社グループの競争力の源泉となっております。2020年11月には、当社グループが将来目指すべき環境ビジョンをより明確化するため、2050年までに、CO2排出実質ゼロに挑戦する「北越グループ ゼロCO2 2050」を策定しました。当社グループは、「環境競争力強化」の経営施策を更に推進することにより、社会のカーボンニュートラルの実現と、国連が提唱するSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みに貢献してまいります。
ロ 事業ポートフォリオシフト
当社グループは、洋紙・板紙・特殊紙を生産・販売するとともに、パッケージング事業やパルプ事業を有する総合製紙メーカーとして、事業活動を展開しております。「中期経営計画 2023」の目標達成に向け、2020年10月に設置した事業投資本部において新規事業等の検討を行い、国内において家庭紙事業への新規参入、海外においては、タイに設立する子会社を通じて逆浸透膜(RO膜)支持体を生産・販売する工場を建設することを決定いたしました。
家庭紙事業につきましては、大量消費地である関東圏に近い新潟工場において2023年12月に家庭紙製品の生産・販売を開始する予定です。当社が長年培ってきた高品質・低コスト・高効率操業の知見と技術を活かすとともに、70%のCO2ゼロ・エネルギーによって生産された家庭紙製品の供給を通じて、カーボンニュートラルの実現にも貢献してまいります。
次に、逆浸透膜(RO膜)支持体事業の拡大につきましては、長年生産を行っている長岡工場で培った技術を活かし、東南アジアにおいて著しい経済成長を続けるタイにおいてグリーンフィールドから逆浸透膜(RO膜)支持体を生産・販売する工場を建設し、長岡工場とタイ工場で拡大する世界需要に応えるグローバルな供給体制を確立いたします。
当社グループは上記新規事業のほか、昨年4月より新規に段ボール原紙事業を開始しており、事業ポートフォリオの転換と拡大を同時に実現することで、持続的成長を目指してまいります。
ハ 海外事業拡充
当社グループは、グローバルな経済環境の中で、積極的に海外事業を推進し、カナダのパルプ事業、中国の白板紙事業並びに中国とフランスで機能材事業を軌道に乗せることにより、海外事業は当社グループの業績拡大の推進役を担ってまいりました。
カナダのAlberta-Pacific Forest Industries Inc.におけるパルプ事業は、パルプ価格の下落により収益が低下しましたが、回収ボイラー熱回収設備導入工事等による売電事業や物流体制の強化を実施し、パルプ市況の変動の影響に耐え得る長期安定的な収益を確保するための各種施策を進めてまいります。
中国の江門星輝造紙有限公司における白板紙事業は、中国国内による環境規制の強化に伴う浙江省の小規模コート白ボールメーカーの閉鎖などを背景とした製品価格の上昇や、昨年よりコート白ボールの生産に加え、段ボール原紙の開発及び販売を開始したことなどにより、過去最高益を更新しております。引き続き、古紙をはじめとした原材料の安定的な確保による製品ポートフォリオの拡充を進めてまいります。
あわせて、中国の東拓(上海)電材有限公司におけるチップキャリアテープ、フランスのBernard Dumas S.A.S.におけるバッテリーセパレータ等の機能材事業は、社会全般の急速な電子化等により「中期経営計画 2023」を上回るペースでの販売が続いております。当社グループは、海外で展開する新規事業も加え、海外事業を成長戦略の要と位置づけ積極的に推進してまいります。
ニ 国内事業強化
電子出版の普及など急激に変わる社会の変化の影響を受け、印刷・情報用紙の需要減少をはじめとした国内事業の再構築は、当社グループの喫緊の課題であります。
当社は新潟工場や紀州工場をはじめとした既存事業の再構築を推進するとともに、お客様に対するサービスの向上と既存事業の効率化、収益の安定化を目指し、本年4月より生産・販売体制の改編を実施し、従来の4事業本部体制から「洋紙・白板紙事業本部」と「機能材事業本部」の2事業本部体制へ変更いたしました。今後、洋紙・白板紙事業本部は既存事業の最大効率化と収益安定化を目指し、機能材事業本部は、新たなマテリアルとして機能紙の事業領域の拡大と収益獲得を目指すことにより、新組織体制におけるシナジー効果を最大限追求してまいります。
なお、昨年4月から営業生産を開始した段ボール原紙につきましては、新潟県に加え、関東や中部地区のお客様からもご採用をいただき、販売数量を伸ばしております。当社の段ボール原紙事業は、お客様への直接販売が全体の約7割となっており、今後もお客様の声に耳を傾け、付加価値の高い段ボール原紙の生産・販売に尽力してまいります。
ホ ガバナンス経営強化
当社グループは「グループ企業理念」及び「グループ行動規範」を実現することにより、全てのステークホルダーの皆様に信頼される企業グループとなることを目指し、コーポレートガバナンス強化のための諸施策を継続して進めてまいりました。
2020年4月より連結経営内部統制会議を再構築するとともに、改編された安全環境品質本部がグループ統制管理室と連携して内部監査を実施するなど、当社グループにおけるガバナンスの強化へ向けた体制を整備しました。
さらに、当社グループの経営リスクを回避若しくは最小化することを目的として、グループリスクマネジメント基本規程を新設し、平時における経営リスクの洗い出しと取り組み事項の明確化を図りました。本年4月からはチーフ・コンプライアンス・オフィサーをチーフ・リスクマネジメント・オフィサーに統合し、あらゆる経営リスクに経営が一体となって取り組むことができるよう、組織体制の整備をおこなうとともに、グループ会社においても各社の潜在するリスクを正確に把握し、リスクを限りなく極小化する取り組みを推進しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下「経営成績等」といいます。)に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、当社グループでは、CEO直属の組織としてチーフ・リスクマネジメント・オフィサーを設置し、リスクマネジメント・オフィサー会議の中で当社グループの経営リスクを回避または最小化するためのリスクマネジメントの取り組みを実施しております。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(特に重要なリスク)
(1)製品需要及び価格の変動について
当社グループは、紙パルプ事業及びパッケージング・紙加工事業を主力事業としておりますが、景気後退や需要構造の変化等による需要減少の影響を受けることがあります。また、当社グループの製品は市況品の割合も高いため、経済情勢の変動に伴い製品価格が変動するリスクがあります。これらの製品需要及び価格の変動が、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。そのため、「中期経営計画 2023」における基本方針の一つに「事業ポートフォリオシフト」を掲げ、事業投資本部が中心となり新規事業の開拓に向け取り組んでおります。
(2)原燃料市況の変動について
当社グループは、主として木材チップ、古紙、薬品、ガス、重油等の原燃料を購入しておりますが、国際市況及び国内市況の変動により、購入価格が変動するリスクがあります。この原燃料の購入価格の変動が、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。そのため、「グループ原材料調達基本方針」を踏まえて、サプライヤーの多様化等により有利購買、安定調達に努めております。
(3)海外の政治、経済情勢の変動について
当社グループは、木材チップ、重油等の原燃料の多くを海外から調達しております。また、北米、中国、フランスで紙・パルプ事業を展開しております。現地での政治、経済情勢の悪化による原燃料確保の困難な状況や大幅な価格上昇、または現地政府による規制や政治不安等による経済環境の悪化等のリスクがあり、それらが発生した場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。そのため、海外子会社では、現地弁護士やコンサルタント等のアドバイスに基づき法改正等に対する迅速な対応を行うことでリスクを軽減する体制を構築しております。さらに中国の子会社に対しては、海外投資保険を付保しております。
(4)法規制及び訴訟等について
当社グループは、労働安全衛生法、労働基準法、環境規制、知的財産権や製造物責任法等様々な法令規制の適用を受けており、それらの変更・改正によって、追加の費用が発生する可能性があります。また、訴訟等のリスクに晒される可能性がないとは言えません。それらが発生した場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループは「グループ企業理念」及び「グループ行動規範」を制定し、当社グループ全社員に対し、法令・定款の遵守は勿論のこと、社内規程の遵守も徹底しております。また、労働災害及び労働時間に関するリスクについては、リスクマネジメント活動の重要対象リスクとして、低減に向けて取り組んでおります。
(5)設備投資について
紙・パルプ産業は装置産業であり、当社グループでは、生産コストの低減、品質及び効率の向上、増設等を目的として設備投資を行っており、多くの有形固定資産等の固定資産を保有しております。その実行の判断は、当社グループによる製品市場の需給予測等に基づいておりますが、将来の事業環境の急激な変化等により、固定資産の資産価値が見込以上に下落した場合、減損処理により当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。そのため、設備投資後においても、継続的に市場動向を注視しながら最適生産体制の継続に努めております。
(6)自然災害等について
地震、洪水等の自然災害、事故やテロのような予測不可能な事由により、当社グループの生産設備が大きな損害を受けることも考えられます。その場合には、生産の継続が困難になるとともに、その復旧に多大な費用と時間が掛かることにより、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループは「緊急事態対応規程」に基づきBCP(事業継続計画)を策定しており、自然災害をはじめとした緊急事態に対処する態勢をとっております。
(7)気候変動について
気候変動による地球温暖化や異常気象は、干ばつや森林火災、集中豪雨、大型台風、土砂災害などをもたらす原因となり、木材原料やその他の原材料の調達に影響を及ぼすほか、当社グループの所有する森林資産の価値を棄損する等のリスクになります。また、当社グループのみならずサプライチェーンが被害を受けることにより様々な事業活動に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループは従来から気候変動リスクを低減するため、バイオマス燃料などへの燃料転換の設備投資を進め、率先して温室効果ガスの発生削減に取り組んでおります。さらに環境経営の一環として2020年11月には、2050年までにCO2の排出を実質ゼロにする「北越グループ ゼロCO2 2050」を策定し、環境経営の推進に努めております。なお、2021年2月には金融安定理事会により設置された「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」へ賛同いたしました。
(8)新型コロナウイルス感染症について
新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大によって、当社グループを取り巻く経営環境は激変し、大きな影響を受けております。また、新型コロナウイルス感染症の収束時期については見通しが立っておらず、感染がさらに拡大、長期化し、国内外の経済活動が停滞し続けた場合、今後も当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループでは「緊急事態対応規程」に基づき、感染症に対するBCP(事業継続計画)を策定し、在宅勤務、時差出勤、会食の禁止など新型コロナウイルス感染症のまん延防止に努めております。
(9)情報セキュリティについて
当社グループは、主にプライベート・クラウド上に業務システムを構築しており、それらにサイバー攻撃等による情報セキュリティ事故が発生した場合、業務遂行に支障をきたす可能性があります。この場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループは「グループ情報セキュリティ基本方針」を定め、情報セキュリティに関する管理を強化するとともに、ウイルス感染やサイバー攻撃によるシステム障害、社外への情報漏洩に対する対策を図っております。
(重要なリスク)
(10)企業買収等について
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保、向上させる者でなければならないと考えております。しかしながら、株式の大量買付の中には、買収者側の一方的かつ恣意的な条件を付したもので、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なからず見受けられます。こうした行為があった場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に反する買付行為を抑止するための枠組みとして、「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)」を導入しております。
(11)株価の変動について
当社グループは、取引先を中心に株式を保有しておりますが、市場性のある株式については、各種要因による株価の変動により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。そのため、特に政策保有株式の保有による企業価値向上効果やリスクについて、毎年取締役会で検証しております。
(12)為替変動について
当社グループは、製品輸出取引、原燃料輸入取引及び海外子会社の業績において為替変動の影響を受けることがあります。この為替変動が、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。これらの影響を回避するため、一部為替予約によるリスクヘッジを実施しております。
(13)金利変動について
当社グループの総資産に対する有利子負債の比率は、前連結会計年度末が31.0%、当連結会計年度末が31.4%となっております。今後の金利動向によっては、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。そのため、グループファイナンスの実施等、グループ資金の効率化に努めております。
(14)海外連結子会社の内部統制について
当社グループは、国内の他、カナダ、中国、フランスで紙・パルプ事業を展開しております。海外連結子会社における内部統制に予期せぬ脆弱性があった場合、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。そのため、経営から独立した専任の内部監査人の設置、現地の事情に詳しいコンサルタントによる内部統制の監査の実施等により、内部統制の強化を図っております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループにおきましては、新型コロナウイルス感染症の影響で社会経済活動が停滞し、第2四半期において、大きな需要減となりました。下期に入り、段階的に社会経済活動が再開され、需要が回復してきたものの、第2四半期の落ち込みが大きく、通期では減収減益となりました。一方で、親会社株主に帰属する当期純利益は、当社が保有する日伯紙パルプ資源開発株式会社の全株式譲渡による投資有価証券売却益の計上等に伴い増益となりました。当社グループの当期における業績は以下のとおりです。
主なセグメント別の経営成績は、下記のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しております。
紙パルプ事業
紙パルプ事業につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響で社会経済活動が停滞し、第2四半期において、大きな需要減となりました。下期に入り、段階的に社会経済活動が再開され、需要が回復してきたものの、第2四半期の落ち込みが大きく、通期では減収減益となりました。
品種別には、洋紙につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、社会経済活動が停滞し、イベントの中止・自粛が相次ぎ、前年実績を大きく下回りました。
板紙につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、食品向けで堅調に推移した一方で、インバウンド需要の消失による化粧品及び土産物向けが大きく落ち込むことになりました。グレード別には、特殊白板紙及びコート白ボールは、食品一次容器、持ち帰り用食品関連容器並びにインスタント及びレトルト食品向けの箱用途については好調に推移しましたが、土産物及び医薬品向けで減少が大きく前年実績を下回りました。高級白板紙は、店頭POP用途、各種カード類、化粧品及び医薬品向けで減少が大きく前年実績を下回りました。また、段ボール原紙は、2020年4月より顧客である段ボールメーカーへの出荷を開始しております。
特殊紙につきましては、機能紙分野においては総じて好調に推移しました。電子部品搬送用のチップキャリアテープ原紙は5Gスマートフォンの新モデル需要及びリモートワークの普及によるパソコン及びタブレット需要が追い風となり、また、空気清浄用フィルター等は衛生意識の高まりにより好調であり、機能紙全体で前年実績を上回りました。ファンシーペーパー全般では洋紙同様にイベントの中止・自粛に伴い高級印刷用紙にてカタログ・パンフレット用途が低迷しました。情報用紙では、通知用の圧着ハガキ用紙が電子媒体への移行により低迷し、また、OCR用紙が大きく減少し前年実績を下回りました。
パルプにつきましては、新型コロナウイルス感染症の影響で経済活動が停滞した結果パルプ価格が下落し、前年実績を下回りました。
以上の結果、紙パルプ事業の業績は以下のとおりとなりました。
パッケージング・紙加工事業
パッケージング・紙加工事業につきましては、液体容器の形状変更による受注減少及び新型コロナウイルス感染症の影響で需要が大きく落ち込み、特にパッケージング分野及び情報メディア分野を中心として販売が低調だったことにより、減収減益となりました。
この結果、パッケージング・紙加工事業の業績は以下のとおりとなりました。
木材事業
木材事業につきましては、バイオマスボイラー向け燃料チップの販売が好調であったことにより、増収増益となりました。
この結果、木材事業の業績は以下のとおりとなりました。
エンジニアリング事業
エンジニアリング事業につきましては、大型受注案件が減少し減収減益となりました。
この結果、エンジニアリング事業の業績は以下のとおりとなりました。
運送・倉庫事業
運送・倉庫事業につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響で取扱量が減少し減収減益となりました。
この結果、運送・倉庫事業の業績は以下のとおりとなりました。
その他
その他事業につきましては、2020年8月に事業の撤退を意思決定し、一部事業の営業が終了したことにより減収減益となりました。
この結果、その他事業の業績は以下のとおりとなりました。
総資産は、前連結会計年度末に比べて18,344百万円増加し、363,075百万円となりました。これは主として、投資有価証券が16,462百万円、現金及び預金が8,463百万円、退職給付に係る資産が1,347百万円それぞれ増加した一方で、商品及び製品が6,825百万円、減価償却等により有形固定資産が941百万円それぞれ減少したことによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べて3,787百万円増加し、167,656百万円となりました。これは主として、有利子負債が7,159百万円増加した一方で、支払手形及び買掛金が1,788百万円、設備関係支払手形が1,192百万円がそれぞれ減少したことによるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べて14,557百万円増加し、195,419百万円となりました。これは主として、親会社株主に帰属する当期純利益等により利益剰余金が12,011百万円、その他有価証券評価差額金が2,184百万円それぞれ増加したことによるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べて8,463百万円増加し、29,846百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は23,760百万円(前連結会計年度比46.0%減)となりました。
収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益13,331百万円、減価償却費14,482百万円、たな卸資産の減少額6,516百万円、支出の主な内訳は、持分法による投資利益5,587百万円、投資有価証券売却益5,320百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は19,575百万円(前連結会計年度比3.1%減)となりました。
支出の主な内訳は、投資有価証券の取得による支出10,625百万円、有形固定資産の取得による支出15,526百万円、収入の主な内訳は、投資有価証券の売却による収入7,478百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は4,358百万円(前連結会計年度は17,261百万円の支出)となりました。
収入の主な内訳は、短期借入金の増加7,060百万円、長期借入れによる収入16,000百万円、支出の主な内訳は、コマーシャル・ペーパーの減少額7,000百万円、長期借入金の返済による支出9,145百万円、配当金の支払額2,190百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、その内容、構造、形式等は必ずしも一様ではありません。このため、セグメントごとの生産高を表示することは困難であります。そこで、紙パルプ事業の主要生産会社である当社、Alberta-Pacific Forest Industries Inc.及び江門星輝造紙有限公司の当連結会計年度における主たる品種別生産実績を示すと、次のとおりであります。
当社グループは、一部受注生産を行っているものもありますが、大部分は一般市況及び直接需要を勘案して計画生産を行い、自由契約に基づき販売しております。このため、グループ会社の受注実績を把握することが困難であります。そこで、受注実績については記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症の影響により、社会経済活動が停滞したことから、世界的に紙・パルプ需要は低迷しました。当社グループでは、国内における紙販売量の大幅な減少により売上高は減収となり、加えて世界的なパルプ価格の低下及び紙生産数量の減少による影響が大きく、営業利益、経常利益共に減益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、有価証券売却益などの特別利益計上により増益となりました。なお、連結業績予想に対しては、いずれも予想額を上回る結果となりました。
当社グループでは当連結会計年度より段ボール原紙事業を開始するなど、「中期経営計画 2023」の基本方針に則り、事業ポートフォリオシフト、海外事業拡充及び国内事業強化等を図っております。これらの基本方針に基づく企業活動を加速することで持続的成長を目指してまいります。
以上により、財務健全性指標の一つである自己資本比率は53.6%と前連結会計年度より1.4ポイント上昇しており、財政状態の健全性は維持できているものと認識しております。
営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、前連結会計年度43,974百万円から20,213百万円減少し23,760百万円となりました。前連結会計年度は、前々連結会計年度末日が金融機関の休日に該当したことから売上債権が大きく減少しており、営業活動によるキャッシュ・フローが大きく増加しております。当連結会計年度においても、売上債権及びたな卸資産は減少しているものの、先の特殊要因から大きく減少しております。投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券を売却した一方で各種設備投資や投資有価証券の追加取得を実施した結果、19,575百万円の減少となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、新型コロナウイルス感染症の影響による資金調達の市場変化等を鑑み、流動性預金を増やすべく長期借入れを実施したことから4,358百万円の増加となりました。現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度から8,463百万円増加の29,846百万円となっております。設備投資等については、営業活動によるキャッシュ・フロー及び資産売却に伴う収入の範囲内において実施されており、適切なキャッシュ・フローの状況であると認識しております。
当社グループの取扱商品は市況商品の割合が高く、需給動向や市場価格等の影響を大きく受けます。国内事業における主力の印刷情報用紙事業では構造的な需要減退が継続しており、新型コロナウイルス感染症の影響はその需要減退を加速させております。また、市販パルプ価格は需給バランスに加え、一部の投機的な市場価格形成の影響により、大きな価格変動が生じています。
当社グループが購入している原燃料につきましても市況商品が多く、価格変動リスクに晒されており、加えて国内事業においては輸入原燃料を多用することから為替の変動リスクもあります。世界的な新型コロナウイルス感染症による経済的不確実性に加えて、各国間通商問題の動向や各国通貨の為替変動等が、当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
かかる認識の下、事業ポートフォリオシフトに注力しており、取扱商品及び販売市場の拡充及び分散、また、輸出強化による為替リスク軽減等に努めております。
運転資金につきましては主に短期資金にて調達しており、短期資金調達枠には十分な調達余力を有しています。また、設備投資等につきましては主に長期社債、長期借入金等にて調達し、市場環境を鑑みながら有利な手段を選択しております。
安定的な財務基盤の指標の一つとして、有利子負債残高から現預金残高を差し引いた後のネット有利子負債残高を自己資本にて除したネットD/Eレシオを用いております。ネットD/Eレシオは一定水準以上であり、財務健全性は維持できております。
また、当社グループは「グループ環境目標2030」を制定し、地球温暖化対策をはじめとした行動計画を定め、環境経営を強化しております。加えて「北越グループ ゼロCO2 2050」を策定し、人と自然が共生する社会の実現を目指し、2050年までにCO2排出量をゼロとすることに挑戦しております。
当該セグメントの売上高は連結売上高の89.4%を占めております。また当該セグメントの資産は総資産の94.8%を占めていることから、当該セグメントの財政状態及び経営成績が連結財政状態及び経営成績に大きな影響を与えます。
国内においては主力事業である印刷情報用紙を中心に国内紙需要が急減し売上高が減少しました。事業ポートフォリオシフトの一環として段ボール原紙事業を新規に開始いたしましたが、生産販売数量の低下をカバーするには至らず、減収減益となりました。国内既存事業の強化を目的に当該事業推進体制を「洋紙・白板紙事業本部」「機能材事業本部」の2事業本部制に変更いたします。カナダのパルプ市販事業においては、販売数量は増販となりましたが、世界的なパルプ価格低下の影響が大きく、減収減益となりました。中国における白板紙事業においては、中国市場が新型コロナウイルス感染症による影響から比較的早期に回復し、年度後半より販売数量、販売価格共に回復しましたが、年度前半の販売数量減少が大きく、減収増益となりました。フランスにおける特殊紙事業においては、新型コロナウイルス感染症の欧米における経済活動低下の影響から、減収減益となりました。当該セグメントの売上高及び収益力を強化するべく、事業ポートフォリオシフトに継続的に取り組み、併せて環境経営を推進することにより環境負荷の低い当社製品販売を強化してまいります。
当該セグメントにおいては、主力事業である液体容器事業の形状変更による受注減少やビジネスフォーム印刷・情報メディア事業の需要減少等が継続しております。かかる状況下、海洋プラスチック問題等を起因として、需要増加が期待される紙容器等のパッケージング事業に経営資源を集中することを目的に、ビジネスフォーム印刷事業等の一部事業譲渡を決定いたしました。当社グループの原紙・素材の開発から製品まで一貫生産できる強みを活かして、販売拡充に注力してまいります。
木材事業のセグメント売上高は3,419百万円と前連結会計年度比18.9%の増加となりました。セグメント利益につきましては、317百万円と前連結会計年度比12.0%の増加となりました。
当該セグメントはバイオマスボイラー向け燃料チップの集荷及び販売を行っております。CO2排出量の削減が求められる中、再生可能エネルギーであるバイオマスボイラー向け燃料チップの販売は好調でありました。引き続き、再生可能エネルギー向け燃料チップを安定的に供給すると共に、安定した売上高・利益を確保してまいります。
エンジニアリング事業のセグメント売上高は911百万円と前連結会計年度比2.3%の減少となりました。セグメント利益につきましては、228百万円と前連結会計年度比32.8%の減少となりました。
当該セグメントは建設、機械の製造・販売・営繕等を行っております。大型受注案件の減少により減収減益となりました。建設案件等の情報収集に注力してまいります。
運送・倉庫事業のセグメント売上高は829百万円と前連結会計年度比24.8%減少し、セグメント損失は159百万円となりました。
当該セグメントは一般貨物輸送業及び倉庫業を営んでおりますが、貨物取扱量が減少したことから、減収減益となりました。製品輸出に関連する外注作業の内製化を図ると共に、輸送段階におけるCO2排出量の削減のため引き続き鉄道コンテナへのモーダルシフトを推進してまいります。
当該セグメントは古紙卸業及びパレット生産購入販売等を含んでおります。自動車教習所及びゴルフ練習場経営の事業撤退を意思決定し一部事業の営業が終了したこと等により、減収減益となりました。
我が国経済は、予断を許さない状況にあるものの、新型コロナウイルス感染症の影響による社会経済活動の停滞から徐々に回復しつつあり、紙パルプ業界においても、急減した紙・パルプ需要は回復基調にあると判断しております。次期の見通しにつきましては、原燃料等の市況価格上昇はあるものの、国内紙需要の一定程度の回復、パルプ販売価格の上昇等が想定されます。当社グループは「中期経営計画 2023」の基本方針である「事業ポートフォリオシフト」「海外事業拡充」「国内事業強化」「ガバナンス経営強化」「SDGs活動推進」に基づく企業活動を加速し、併せて「グループ環境目標2030」に基づく環境経営を推進し、企業価値向上を目指してまいります。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発部門は、生産技術本部下にある研究所、新機能材料開発室及び生産技術部を中心に構成され、セルロースナノファイバー(CNF)等の新機能材料の開発は新機能材料開発室を中心として進めております。また、各工場でも現場に立脚した新製品開発や品質改善及びコストダウン等を行っております。生産技術本部がこれらの研究開発活動を総括し、生産技術部が営業部門や工場の製造部門及び研究所と緊密な連携をとり、お客様の要望に直結した新製品開発を行っております。
紙パルプ事業の研究開発活動の項目は以下のとおりであります。
(セグメント別では、紙パルプ事業の占める割合が大きいため、その他のセグメントについては省略しております。)
(1) 印刷用紙及び白板紙分野
印刷用紙分野では、新潟・紀州両工場での生産による輸送コスト低減や古紙パルプ生産の紀州工場への集約生産等の最適生産体制を継続いたします。加えて洋紙分野での脱プラスチック対応による包装紙・紙器等のニーズに応えるべく、研究所・新機能材料開発室との連携を強化し新規開発を推進してまいります。
白板紙分野では、同様に加速が予想される脱プラスチック、紙化の流れの中、食品一次容器向けの新規上市を実施し、お客様からのご採用を頂いている案件が増えております。引き続き、ユーザー情報の収集、開発サイクルの短縮、関連設備への投資を進めてまいります。
(2) 機能紙、特殊紙・情報用紙分野
機能紙分野では、チップキャリアテープ原紙、逆浸透膜(RO膜)用の支持体の品質改善及びコストダウンに取り組むと共に、需要増に応じた生産体制の構築にも取り組んでおります。また、濾過・分離分野については、気体のみならず液体も対象として、各種素材を利用した差別化製品の開発を継続的に取り組んでおります。一方、特殊紙分野では、ポリエチレンラミネート紙の代替品として脱プラスチック紙基材「パンセ」をはじめ、包装・食品容器用紙等、脱プラスチック・減プラスチックを目標に環境に配慮した紙素材の開発を進めております。
(3) 段ボール原紙分野
中芯原紙につきましては、更に製品品質の安定と供給体制の拡充を図り、万全な製品供給体制の構築を継続推進してまいります。
(4) 新機能材料分野(セルロースナノファイバー等)
新機能材料開発室を中心として、これまで蓄積してきたナノ材料に関する知見を活かし、CNFのさらなる活用や機能性カーボン材料の製品化に向けて開発を進めてまいりました。2018年に紙パルプ技術協会賞を受賞したCNFで強化されたオールセルロース材料「バルカナイズドファイバー(VF)」は、時代のニーズともマッチしてその応用を広げています。新潟県工業技術総合研究所との共同研究では、VFを次世代自動車への適用に向けて、接着や3次元成形といった加工技術の開発を進め、電池関連材料としての応用にも繋げています。また、空気清浄用フィルターへの応用では、製品化に向けて工程の大幅な簡略化を行ってまいりました。
2020年度より参画した東京大学、京都大学、大阪大学等との国家プロジェクトでは、「CNFの精密構造解析と断熱性多孔体の形成」を担当するグループにて、低CO2社会の実現に向けた革新的技術開発の一翼を担っております。
当連結会計年度の当セグメントにおける研究開発費は
なお、パッケージング・紙加工事業における研究開発費は