文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、永続的発展のため、ひたむきに人を大切にしたものづくりに努め、国際競争を勝ち抜く、強い企業創りを目指しております。
その実現のため、経営理念に“愛され信頼される企業に”を第一に掲げ、コンプライアンスに徹し、真摯で誠実な企業活動を旨として、品質第一主義と弛まざる技術革新で顧客満足を希求するとともに、地域社会との共存共栄を図ってまいります。さらに企業の社会的責任の視点に立って、環境と社会に貢献し、向上心あふれる働きがいのある会社づくりに励み、企業価値を高めてまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、中期3ヶ年計画「フォワード304」で企業価値の向上を実現することを基本方針に、事業領域の選択と創造により、営業利益30億円、ROE(株主資本利益率)4%の収益基盤の確立を目指してまいります。
(3) 会社の経営戦略
当社グループは、いかなる情勢の変化にも対応し、リスクを吸収できるしなやかな企業グループを築くため、2020年度を最終年度とした中期3ヶ年計画「フォワード304」の取り組みを2018年度より開始し、事業領域の選択と創造により、企業価値向上の実現を基本方針として、掲げた事業戦略の取り組みを推進しております。
当社は紙パルプ製造事業を基に、原料調達ソースを活かし、未利用間伐材を主に国産材のみを燃料とする、木質バイオマス燃料発電設備によるエネルギー事業や、「竹紙」と「里山物語」に代表される環境配慮型製品の提供により、森林資源の有効利用を進め、里山保全と森林価値の向上に努めてまいりました。
新たな事業戦略におきましては、使い捨てプラスチック問題や地球温暖化などの地球規模の環境課題への取り組みとして、長年にわたり培ってきた当社の持つパルプや紙の製造技術を活用し、これまでにない新しい価値の提供を目指しております。
セルロース・ナノファイバー(CNF)は、川内工場内の第一期商業プラントの稼働により「nanoforest®」ブランドとして認知度を高めてまいりました。更に、高岡工場において高機能セルロース・ナノファイバーパイロットプラントの建設計画を具体化し、新たな用途拡大に向けた取り組みを展開いたします。
また、株式会社環境経営総合研究所との合弁で設立した「中越エコプロダクツ株式会社」においては、高岡工場内に新素材「マプカ(MAPKA®)」製造工場を新設いたします。株式会社環境経営総合研究所のパウダー化技術、合成樹脂との混成技術と当社の紙製造技術の融合により、従来のプラスチックトレイの機能性・加工適性は同等に、合成樹脂の使用量を半分以下に削減できる、他にはない製品の供給体制を整えてまいります。
当社グループは、現在、新中期経営計画について具体的な案件の精査を進めておりますが、完成までには今しばらくの時間を要するため、完成次第速やかに公表させていただく予定にしております。
(4) 会社の対処すべき課題
新型コロナウイルス感染症は依然として収束の見込みがなく、社会・経済活動への影響は当面の間継続し、回復までには時間を要するものと推測されます。
当社グループは、現在の経済情勢においても安定的に収益を確保すること、また新型コロナウイルス感染症の収束後においても、紙の需要はもとの水準まで回復しないことを想定した収益体制の確立を喫緊の課題として、事業戦略推進室を設置し、生産体制の再構築を含めた新しい中期経営計画の策定・実践を推進してまいります。
① 事業基盤の強化
新規販路の開拓による販売量の確保や、発電設備を含め操業トラブルの未然防止による安定操業の維持、生産効率向上や、新たな発想でのコスト削減により事業の基盤強化に取り組んでまいります。
② 不採算事業の見直し
ニーズに見合った事業体制の再編、グループ外商権の獲得など収益改善に取り組んでまいります。
③ 成長事業、新規事業への取り組み
成長事業、新規事業への積極的な経営資源投資を軸とした、事業領域の拡大に向けた諸施策を早期に立案・実施し、また中越エコプロダクツ事業、ナノフォレスト事業および高板・加工原紙事業について、さらにスピードを上げて取り組んでまいります。
(中越エコプロダクツ事業)
富山県の高岡工場で建設を進めている新素材マプカ製造工場については、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、スケジュールが大幅に遅れておりますが、製造設備の早期営業運転を目指して取り組んでまいります。
海洋プラスチックごみやマイクロプラスチックによる環境汚染が世界規模で問題となっているなか、ポストプラスチック素材として成長が期待される新素材マプカの普及拡大に向けた取り組みを推進してまいります。
(ナノフォレスト事業)
当社のセルロース・ナノファイバー(以下CNF)「nanoforest®」は、音響機器や卓球ラケット、和楽器、スニーカーのラバーソールに採用されたほか、エレクトロニクス関連への応用など、多岐に渡った分野での実用化に向けて取り組んでおります。
富山県の高岡工場の高機能CNFパイロットプラント設置計画を早期に実現するとともに、樹脂関連のみならず幅広い分野への採用拡大を推進し、事業性を高め収益に貢献することを目指してまいります。
(高板・加工原紙事業)
当社が取り組んでいるO&Cアイボリーボード株式会社における高板・加工原紙事業については、さらなる効率操業と品質安定化、コストダウンを全社を挙げて推し進め、脱プラスチック問題への社会意識が高まるなか、食品容器用途分野におけるプラスチック代替製品の需要獲得や新規分野への展開を進めてまいります。
当社グループは、安全、環境、品質、コンプライアンスを、企業活動を永続的に行ううえでの基本とし、あらゆるステークホルダーから「愛され信頼される」企業グループとなることを希求するとともに、地球規模での環境問題への対応や、紙の新しい価値の創造、資源の有効活用や再生可能エネルギーの利用推進、健康経営の推進など、ESG(環境・社会・ガバナンス)の強化を推進してまいります。
※「MAPKA」は株式会社環境経営総合研究所の登録商標です。
※「nanoforest」は当社が製造したCNFの登録商標です。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 国内需要及び市況の変動リスク
当社グループの売上高の8割を占める紙・パルプ製造事業は概ね内需型産業であり、国内景気の影響を大きく受けます。国内景気の浮沈による国内需要の動向や市況価格の変動により、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。紙の国内需要については既に減少傾向にあり、当該リスクへの対応を喫緊の課題として認識して、中期3ヶ年計画「フォワード304」でグループ事業領域の再構築を計画し、紙からパルプへの転換やパルプ販売ラインナップの拡充に努めております。
② 原材料購入価格の変動リスク
当社グループはチップ、重油、古紙、薬品などの諸原燃材料を購入しておりますが、それぞれの国際市況、国内市況の変動により、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 為替レートの変動リスク
当社グループは輸出入取引をしており、このため当該国との取引通貨が為替変動することにより、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 金利の変動リスク
当社グループは、従来よりグループファイナンスによる資金の効率化に取り組んでおりますが、今後の金利の変動によっては経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 災害リスク
天変地異などの自然災害、テロなどの人的災害などによって、当社グループの生産設備に多大な被害を被ることにより、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応としてBCP(事業継続計画)を策定中です。
⑥ 新型コロナウイルス感染症のリスク
世界的な新型コロナウイルス感染症の感染拡大影響による需要減少、当社グループの従業員が新型コロナウイルスに感染した場合や、政府・地域行政機関からの要請等により、生産活動を一時的に停止した場合、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。拡大する感染症への対策として、当社グループでは新型コロナウイルスの拡散防止と社員の健康・安全・雇用確保を最優先に、国内拠点の一部において在宅勤務を推進しております。工場での生産活動につきましては、政府や地域行政機関の方針に従い、感染防止に留意しながら稼働を継続しております。また、中越エコプロダクツ事業において、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、スケジュールが大幅に遅れておりますが、製造設備の早期営業運転を目指して取り組んでおります。
新型コロナウイルス感染症拡大による経済活動への影響は不透明であることから、現金及び預金の残高を増やし手元流動性を高めております。
⑦ 訴訟リスク
当社グループの事業活動の遂行に当たっては、様々な法規制の適用下にあって、それらによる訴訟等のリスクにさらされる可能性があり、その結果、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 偶発債務
当社グループは、上記以外の項目に関しても偶発債務に起因する損失が発生するリスクがあり、その結果、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
2020年度は、初頭からの新型コロナウイルス感染症拡大に起因する景気減速が紙の消費にも影響を及ぼし、国内市場が停滞するなか、紙パルプ事業においては生産および販売の減少を余儀なくされる状況が続きました。
このような状況のもと、当社グループは中期3ヶ年計画「フォワード304」の達成年度として、需要減退に対応したグループ事業領域の再構築の推進や、ナノフォレスト事業など新規事業分野の展開、既存事業の発展強化に注力してまいりました。
当期の営業成績につきましては、下期後半は景気回復に期待が高まる状況のなか、需要の裾野が広い非塗工紙を中心とした消費の持ち直しを適宜に捉え、販売数量の確保に注力したものの、期初からの新型コロナウイルス感染症拡大による経済活動の落ち込みが激しかったことにより、売上高は81,938百万円と前期に比べ13,202百万円の大幅な減収となりました。
収益面では、徹底したコスト削減対策の推進など損失の削減に努めましたが、販売減少による収益悪化の影響を吸収するに至らず、営業損失347百万円(前年同期は2,057百万円の営業利益)、経常損失319百万円(前年同期は1,985百万円の経常利益)となりました。
また当期は、休止中の高岡工場5号抄紙機の減損損失を特別損失として計上したことなどで、1,052百万円の親会社株主に帰属する当期純損失となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は81,938百万円(前年同期比13.9%減収)となり、営業損失は347百万円(前年同期は2,057百万円の営業利益)、経常損失は319百万円(前年同期は1,985百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は1,052百万円(前年同期は919百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
事業の種類別セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
(紙・パルプ製造事業)
新型コロナウイルス感染症によるイベントの自粛等の影響で販売数量が減少したことや、販売減少に伴い減産したことにより、大幅な減収減益となりました。
◎ 新聞用紙
新聞用紙の販売につきましては、構造的な要因による発行部数の減少と新型コロナウイルス感染症による広告減での頁数減少という複合要素により、数量・金額ともに前年を下回りました。
◎ 印刷用紙
印刷用紙の販売につきましては、新型コロナウイルス感染症による国内イベントの自粛等の影響により販売数量は減少、輸出増販に取り組みましたが補う事が出来ず、数量・金額ともに前年を下回りました。
◎ 包装用紙
包装用紙の販売につきましては、自動車関連・インバウンド需要減少の影響を受けて国内販売量は前年を下回り、金額も前年を下回りました。
◎ 特殊紙・板紙及び加工品等
特殊紙・板紙及び加工品等の販売につきましては、新型コロナウイルス感染症による影響で高級白板紙分野にて需要減退を余儀なくされましたが、壁紙は前年並みを確保し、巣ごもり需要の食品関連を中心とした加工原紙も前年を上回ることが出来ました。しかしながら、高級白板紙の販売減を補い切れず、数量・金額ともに前年を下回りました。
◎ パルプ
パルプの販売につきましては、世界的なパルプ市況の軟化もあり、数量・金額とも前年を下回りました。
これらにより、当事業の業績は以下のとおりとなりました。
連結売上高 70,580百万円(前年同期比15.4%減収)
連結営業損失 2,150百万円(前年同期は 518百万円の連結営業利益)
(発電事業)
安定操業の維持に努めたことや、隔年で行っているボイラーの定期検査が今年度はなかった影響もあり増収増益となりました。
これらにより、当事業の業績は以下のとおりとなりました。
連結売上高 7,131百万円(前年同期比 2.1%増収)
連結営業利益 1,562百万円(前年同期比20.7%増益)
(その他)
紙・パルプ製品の減産減販の影響で生産設備の稼働率が低下したことや、高岡工場の設備更新による定期点検停止が前年と比較して長期間となったことなどで、紙断裁選別包装・運送事業等の紙・パルプ製造事業を補助する「その他の事業」において減収減益となりました。
これらにより、当事業の業績は以下のとおりとなりました。
連結売上高 17,162百万円(前年同期比12.7%減収)
連結営業利益 139百万円(前年同期比12.9%減益)
財政状態は、次のとおりであります。
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,657百万円増加し、123,490百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ3,665百万円増加し、76,034百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,008百万円減少し、47,455百万円となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ8,352百万円増加し、15,575百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は5,965百万円(前連結会計年度比28.5%減少)となりました。
これは主として、税金等調整前当期純損失1,093百万円、減価償却費6,764百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は3,898百万円(前連結会計年度比16.2%減少)となりました。
これは主として、有形固定資産の取得による支出4,776百万円、長期貸付金の回収による収入671百万円、短期貸付金の純増減額による収入324百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は6,284百万円(前連結会計年度は2,387百万円の支出)となりました。
これは主として長期借入による収入17,300百万円、短期借入金の純増減額1,900百万円による収入と、長期借入金の返済による支出12,550百万円によるものです。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) パルプは未晒総生産量であり自家消費量を含んでおります。
当社グループは、大部分が市況を勘案した見込み生産を行っており、グループ全体の受注状況を把握することは困難であるため、該当事項については記載を省略しております。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等を含んでおりません。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(注) 上記金額には、消費税等を含んでおりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績等は、電子媒体へのシフトや少子・高齢化による構造的問題による需要の漸減に加え、世界的な新型コロナウイルス感染拡大での景気減速による紙需要の減少もあり、非常に厳しい情勢が続いたことにより、売上高は81,938百万円と前期に比べ13,202百万円の大幅な減収となりました。営業損失は347百万円(前年同期は2,057百万円の営業利益)、経常損失は319百万円(前年同期は1,985百万円の経常利益)となりました。
また当期は、休止中の高岡工場5号抄紙機の減損損失を特別損失として計上したことなどで、1,052百万円の親会社株主に帰属する当期純損失(前年同期は919百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
セグメント別の売上高については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。
④ 経営戦略の現状と見通し
当社グループはいかなる情勢の変化にも対応し、リスクを吸収できるしなやかな企業グループの基盤を築くため、中期3ヶ年計画『フォワード304』を2018年5月に策定し、2020年度末に、営業利益30億円、ROE4%の収益基盤の確立に向け取り組みを開始しております。
2020年度は、事業基盤の強化として、新規販路の開拓による販売量の確保や、発電設備を含め操業トラブルの未然防止による安定操業の維持、生産効率向上や、新たな発想でのコスト削減により事業の基盤強化に取り組んでまいりました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響で大きく販売減少したことによる収益悪化を吸収することができず、2020年度の営業利益は目標とする30億円から大きく乖離した△347百万円となりました。
パルプ事業拡大については、ラインナップを拡充し、拡販に取り組んでおります。さらに、成長事業、新規事業への積極的な経営資源投資を軸とした、事業領域の拡大に向けた諸施策を立案・実施し、また、高板・加工原紙事業、中越エコプロダクツ事業およびナノフォレスト事業について、重点的に取り組んでおります。
当社が取り組んでいるO&Cアイボリーボード株式会社における高板・加工原紙事業については、さらなる効率操業と品質安定化、コストダウンを、全社を挙げて推し進め、脱プラスチック問題への社会意識が高まるなか、食品容器用途分野におけるプラスチック代替製品の需要獲得や新規分野への展開を進めてまいります。
不動産の有効活用については、本年2月に中央区銀座から千代田区内幸町に東京本社機能を移転しており、自社用地である中央区銀座の再開発に取り組んでまいります。
新型コロナウイルス感染症の収束後においても、紙の需要はもとの水準まで回復しないことを想定した事業基盤の確立を喫緊の課題として、事業戦略推進室を設置し、生産体制の再構築を含めた新しい中期経営計画の策定を推進しており、具体的な案件の精査を進めておりますが、完成までには今しばらくの時間を要するため、完成次第速やかに公表させていただく予定にしております。
⑤ 財政状態及びキャッシュ・フローの分析
当連結会計年度末の総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ2.2%増加し、123,490百万円となりました。これは主として、有形固定資産が減価償却などにより2,325百万円減少しましたが、新型コロナウイルスの影響長期化を勘案し、手元流動性を厚くしたため現金及び預金が8,352百万円増加したことによります。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ5.1%増加し、76,034百万円となりました。これは主として、支払手形および買掛金が2,961百万円減少しましたが、金融機関からの借入金が6,649百万円増加したことによります。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ2.1%減少し、47,455百万円となりました。これは主として、親会社株主に帰属する当期純損失1,052百万円、配当金の支払333百万円により利益剰余金が1,386百万円減少したことによります。また自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ1.7ポイント減少し38.4%となりました。
当社グループのキャッシュ・フローにつきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(資本の財源及び資金の流動性についての分析)
当社グループの資金計画は、設備投資資金については営業キャッシュ・フローで獲得した資金を主な財源としておりますが、銀行借入やコミットメントラインの利用などによって流動性を保持しております。今後の主な設備投資資金需要として、高機能性のあるセルロースナノファイバーの量産化へ向けたパイロットプラントの建設(投資総額24億円)を予定しております。
また、当社グループはCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、資金融通を行うことで資金効率を高めております。
当社グループの当連結会計年度末の資金は、前連結会計年度末に比べ8,352百万円増加し、15,575百万円となりました。
なお、当連結会計年度末の金融機関からの借入金の内訳は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
資金につきましては、手元預金の増加(2020年3月:72億円⇒2021年3月末155億円)などの対応を行い、新型コロナウイルス感染症などの不測の事態に備えております。
⑥ 経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループは、常に市場ニーズに密着し、創造的で信頼性の高い技術をもって、人と環境にやさしい「紙」の開発と安定した製品の供給により、経済・社会・文化の発展に寄与することを社会的使命と認識し「紙」の文化の創造に果敢に挑戦しております。
そして、「株主重視」「顧客重視」に心がけ、当社グループの総合力に対する信頼性と収益性の確保・向上を目指し、株主・顧客・地域社会・社員・企業の共存共栄を図るとともに、社会に対する貢献を重点に企業活動を行ってまいります。
また、グローバル化に対応し、迅速な情報開示に努め、透明な経営姿勢を保ち、加えて効率的な連結経営を行うことで、国際競争力の強化を図り、当社グループの存在価値を高めてまいります。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発、商品開発のコンセプトは、21世紀の激動する地球自然環境や社会の変化にいち早く対応しながら、社会的責任を果たす企業を目指すこと、さらには、社会に貢献し得る新素材・新製品の創製に努めることでございます。
現代社会では、会社を取巻く経営環境が日々目まぐるしく変化し、自社に保有しない新規分野の専門的知見や経験が必要となっています。このような状況下で開発を進めるため、外部の機関、即ち大学、研究機関、公設試、他業種の企業と連携し技術や情報を共有しながら研究開発を進めています。
グループ内の研究開発体制としては、開発本部、生産本部、工場技術研究部門及び連結子会社技術研究部門が連携して行っております。
当連結会計年度の研究開発費は
当社が現在注力している取組みとしましては、セルロースナノファイバー(CNF)、マプカ(MAPKA)の市場への展開があります。更に脱プラスチックを推進するため、紙、パルプの利用拡大に対しても全社的な取組みとして進めております。
具体的な研究開発活動は次のとおりであります。
1.紙製品への展開
(1) 環境対策新製品の開発
・機能性を持つ天然資源を活用した高付加価値製品の開発
(2) 現行品の品質改善
・新聞用紙の更なる軽量化
・軽くてしなやかな嵩高印刷用紙の開発
・特殊機能を付与した食品用途紙の開発
(3) 新規市場の開拓
・製造工程紙や緩衝材などの開発
2.天然資源の高度活用技術開発への展開
(1) セルロースナノファイバー(CNF):ナノフォレストの用途展開
・ナノ化及び樹脂化製造技術及び応用技術の更なる開発(プラスチック用樹脂への展開強化)
・高機能CNFパイロットプラントの建設計画推進、及び幅広い分野での用途開発
(2) CO₂削減に貢献できる紙パウダーを主原料に合成樹脂を混合した非プラスチック
※マプカ(MAPKA)設備が2022年春に稼働予定
・成形材料開発及び製品のグレード開発、多くの分野への応用開発
(3) 新分野へのパルプの利用拡大
3.脱プラスチックへの取組
①プラスチック素材の性能を持つ紙の開発
②プラスチックが材料として使用される用途で材料を紙に置換
③プラスチックの素材の一部に紙やパルプを配合し、プラ比率の削減
④プラスチック製品を紙製品に置換