第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度のわが国経済は、雇用・所得環境の改善による底堅い個人消費と、好調な企業収益を背景とした設備投資の改善などにより、緩やかな回復基調を維持した。
 このような経済環境の中で、板紙業界においては、紙器用板紙の需要は減少したが、段ボール原紙の国内出荷が回復し、輸出も引き続き増加したことにより、生産量は前年を上回った。
 段ボール業界においては、食品向け需要が堅調であったことに加え、通販向けが伸びたことにより、生産量は前年を上回った。
 紙器業界においては、ギフト関連需要の縮小、軟包装など他素材へのシフトが続いているが、堅調な食品向けに支えられ、生産量は前年並みとなった。
 軟包装業界においては、天候不順の影響により、飲料・青果物向けは低迷したものの、紙器からの転換需要などにより、生産量は前年を上回った。
 重包装業界においては、石油化学分野は回復したが、原子力発電所事故関連の除染用コンテナバッグの需要が減少したことにより、生産量は前年を下回った。
 以上のような状況の下で、当社グループは、「ゼネラル・パッケージング・インダストリー」=GPIレンゴーとして、製紙、段ボール、紙器、軟包装、重包装、海外の6つ(ヘキサゴン)のコア事業を中心に、あらゆる産業の全ての包装ニーズに総合力で応えるとともに、ヘキサゴン経営のさらなる発展に向け、パッケージングのイノベーションはもちろん、積極的な設備投資、M&A、事業の再編、営業力の強化等により、収益力向上と事業規模拡大に鋭意取り組んできた。
 “Less is more.”を事業活動の基本として、より少ない資源で大きな価値を生む革新的なパッケージの開発に継続的に取り組み、その象徴的製品である「レンゴー スマート・ディスプレイ・パッケージング(RSDP)」をはじめ、流通現場を効率化する製品を「リテールメイト」シリーズと位置づけ、新たな需要の開拓に努めた。また、資源の効率的な利用とエネルギーソースの多様化を図るため、金津工場(福井県あわら市)に蒸気タービン発電設備、八潮工場(埼玉県八潮市)に木質チップバイオマス発電設備、尼崎工場(兵庫県尼崎市)にガスタービン発電設備をそれぞれ新設した。
 平成27年4月に、セッツカートン株式会社(兵庫県伊丹市)が新東京工場(埼玉県川口市)の建設に着手し、5月には、レンゴーロジスティクス株式会社(大阪市西淀川区)が24時間入出庫可能な八潮流通センター(埼玉県八潮市)を開設した。また、10月には、軟包装事業の拡充を目指し、プラスチックフィルムの製造・販売会社であるサン・トックス株式会社(東京都港区)に資本参加したほか、平成28年3月には、朋和産業株式会社(千葉県船橋市)干潟工場(千葉県旭市)において自動倉庫棟を増設した。

 

海外においては、平成27年4月に、ベトナムにおける合弁会社、ビナクラフトペーパー社が同国の旺盛な段ボール需要に対応するため、段ボール原紙生産設備の増設を決定し、現在建設を進めている。また、6月には、タイにおける合弁会社、TCフレキシブル・パッケージング社(TCFP社)が、ベトナムの有力軟包装メーカーであるティン・タイン・パッキング社(BATICO社)に出資したほか、平成28年3月には、TCFP社が出資するタイの軟包装メーカーであるプレパック・タイランド社が新工場を開設し、需要が伸長する東南アジア地域における軟包装事業の充実を図った。

なお、製紙事業において、収益力強化を図るため、平成28年3月末をもって大阪製紙株式会社(大阪市西淀川区)が洋紙事業から撤退し白板紙事業に経営資源を集中する一方で、段ボール原紙生産体制の再構築に向けて、金津工場の抄紙機を中芯原紙に加えライナ原紙も併抄可能な設備へ改造するとともに、平成30(2018)年3月末をもって淀川工場(大阪市福島区)を閉鎖し、グループ内段ボール原紙生産拠点を5工場に集約することを決定した。
 この結果、当連結会計年度の売上高は532,534百万円(前期比1.9%増)、営業利益は15,727百万円(同182.5%増)、経常利益は16,633百万円(同133.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は9,816百万円(同71.7%増)となった。
 なお、洋紙事業からの撤退に伴う損失見込み額は当連結会計年度の業績に反映している。

 

 セグメントの概況は、次のとおりである。
 

① 板紙・紙加工関連事業

板紙・紙加工関連事業については、原料価格の上昇はあったものの、製品価格の改定やエネルギー価格の低下等が寄与し、増収増益となった。
 この結果、当セグメントの売上高は367,335百万円(同2.4%増)、営業利益は8,406百万円(同160.7%増)となった。 

 

主要製品の生産量は、次のとおりである。
 (板紙製品)
 板紙製品については、段ボール原紙の供給体制を強化したことにより、2,245千t(同7.5%増)となった。
 (段ボール製品)
 段ボール製品については、段ボール3,665百万㎡(同0.7%増)、段ボール箱2,866百万㎡(同0.5%減)と前年並みとなった。
 
② 軟包装関連事業
 軟包装関連事業については、コンビニエンスストア向けの需要増が寄与したことやコスト改善により増収増益となった。
 この結果、当セグメントの売上高は63,872百万円(同3.6%増)、営業利益は4,249百万円(同102.0%増)となった。
 

 

③ 重包装関連事業
 重包装関連事業については、売上高は前年並みとなったが、原料価格の低下もあり増益となった。
 この結果、当セグメントの売上高は40,814百万円(同0.5%増)、営業利益は1,739百万円(同180.0%増)となった。

 

④ 海外関連事業
 海外関連事業については、中国における段ボール事業の販売量減少もあり減収となったが、軟包装事業が堅調に推移したこと等により営業黒字となった。
 この結果、当セグメントの売上高は26,338百万円(同5.9%減)、営業利益は352百万円(前期は営業損失653百万円)となった。

 

⑤ その他の事業
 その他の事業については、不織布事業や運送事業の採算改善により、増収増益となった。
 この結果、当セグメントの売上高は34,172百万円(同1.6%増)、営業利益は781百万円(同665.7%増)となった。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は19,417百万円となり、前連結会計年度末の残高と比べ60百万円(0.3%)減少した。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりである。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ収入が31,151百万円(160.5%)増加し、50,559百万円となった。
 主な内訳は、減価償却費29,333百万円、固定資産圧縮損11,110百万円である。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ支出が3,867百万円(13.1%)増加し、△33,462百万円となった。
 主な内訳は、有形固定資産の取得による支出28,907百万円、投資有価証券の取得による支出3,081百万円である。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ収入が23,195百万円減少し、△16,972百万円となった。
 主な内訳は、長短借入金の純減額10,974百万円、配当金の支払額2,971百万円である。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。

 

セグメントの名称

生産高

前期比(%)

板紙・紙加工関連事業

 

 

板紙(千t)

2,245

107.5

段ボール(百万㎡)

3,665

100.7

段ボール箱(百万㎡)

2,866

99.5

海外関連事業

 

 

段ボール(百万㎡)

247

96.5

段ボール箱(百万㎡)

222

96.9

 

 

(2) 受注実績

当社グループにおいては、紙器機械等一部の事業で受注生産を行っているが、その重要性が乏しいため記載を省略している。
 その他の製品については、見込み生産を行っているか、受注生産であっても生産と販売の関連において製品の回転が極めて速く、月末(または期末)における受注残高が少ないため、記載を省略している。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

板紙・紙加工関連事業

367,335

102.4

軟包装関連事業

63,872

103.6

重包装関連事業

40,814

100.5

海外関連事業

26,338

94.1

その他の事業

34,172

101.6

合計

532,534

101.9

 

(注) 上記の金額には消費税等は含まれていない。

 

 

3 【対処すべき課題】

今後のわが国経済は、依然として不透明な国際情勢や、中国経済をはじめとする海外景気の下振れなどの懸念はあるものの、好調な米国経済や、原油をはじめとする低水準の資源価格に加え、政府・日本銀行の経済再生に向けた政策効果も期待できることから、景気は緩やかな回復基調を維持するものと思われる。
 このような状況の下、揺るぎない経営基盤を構築するために、以下の課題に対し、グループ全体で取り組んでいく考えである。

 

(1) 製品の適正価格の維持

当社グループは、板紙、段ボール、紙器、軟包装、重包装など、それぞれの製品において、需要に見合った生産および設備能力の実現を目指し、価格の適正化へ向けた製品価格の修正については、概ね実現した。

継続的なコスト削減努力と同時に、再生産可能な価格水準の維持に尽力し、製品の品質向上を図るとともに、製品の安定供給に取り組んでいく。

 

(2) 環境問題への取組みの強化

当社グループは、地球環境の保全に配慮した経営を実践することが、企業の持続的発展には不可欠であるという認識に立ち、全力をあげて環境保全活動に継続的に取り組んでいく。
 また、環境負荷の小さい製品の研究・開発および設計に努め、環境配慮製品を提案・推進していく。

 

(3) コスト競争力の強化

製造コストおよび物流コストの低減や生産性の向上については、従来からの取組みに加え、新たな発想で諸問題を創造的に解決するためのプロジェクトチームを必要に応じ発足させ、活動している。
 また、産業界全般にわたる課題でもある全要素生産性(TFP:Total Factor Productivity)の向上に、率先垂範取り組んでいく。

 

(4) グループ経営の強化

コア事業、その他周辺事業ともに、当社各事業部門を軸とし、グループ各社との連携強化へ向けての取組みを加速していく。その一環として、「グループ経営会議」と、その分科会である「営業戦略部会」および「財務戦略部会」を設置し、情報と戦略の共有を図り、グループ全体の業容の拡大とともに、財務体質の改善に取り組んでいく。

 

(5) 海外事業の拡大と収益向上

今後の成長に向けた原動力として、新たな海外への事業展開を検討していく。また、既存の海外事業においては、これまで培ってきた国内外でのネットワークの有効活用による日系企業、多国籍企業との取引拡大、および現地化を推進するとともに、「選択と集中」をキーワードとして、経営資源の配分を見直し、収益の向上を図っていく。あわせて、グローバルなフィールドに対応した人材育成に取り組んでいる。

 

(6) 買収防衛策について

1. 当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容の概要

当社取締役会は、大規模買付行為を受け入れるか否かの判断は、最終的には当社株主の判断に委ねられるべきものであると考えている。しかしながら、大規模買付行為の中には、その目的等から企業価値ひいては株主共同の利益に対して明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が大規模買付行為の内容等を検討し、代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、大規模買付者の提示した条件よりも有利な条件を引き出すために大規模買付者との交渉を必要とするもの等、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくない。また、当社の経営の特質を考慮すると、大規模買付行為が当社ならびに当社のステークホルダーに与える影響や大規模買付者の経営方針や事業計画等によっては、当社の企業価値ひいては株主共同の利益が損なわれる可能性も否定できない。
 したがって、当社は、このような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大規模買付行為を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えている。

 

2. 基本方針に関する取組みの具体的な内容の概要
①当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組み

当社は、以下のような取組みを通じて、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させることが、多様な投資家からの当社への投資につながり、結果的に、基本方針の実現に資するものと考え、実施している。

・製紙事業については、競争力強化のための事業分野の選択と集中を図り、生産体制の再構築を進めるとともに、生産性の向上、省資源・省エネルギーに資する設備投資を実施している。

・段ボール、紙器、軟包装事業については、個装から内装、外装にいたるパッケージの一体的な営業推進による受注拡大を目指し、段ボール、紙器、軟包装の連携を強化している。また、グループ全体での営業力の強化、生産体制の再構築を進めるため、各地域事業部を中心にグループ会社との連携を強化し、地域ごとのニーズを的確に把握し迅速に対応している。さらに、効率的な工場運営に加え、企画・デザイン等クリエイティブ制作体制の拡充により、品質とサービスをさらに向上させ、より付加価値の高いパッケージづくりを追求することで競争力を高めている。

・重包装事業については、他の事業分野との連携をさらに進め、お客様の多様なニーズに的確に応えるとともに、より一層の生産性の向上、コスト競争力の強化を図っている。
・海外事業については、長年にわたって培ってきたトップレベルの包装技術を活かし、お客様の包装ニーズに応えるとともに、進出地域の包装文化と経済発展にも貢献している。
・当社グループは、「ゼネラル・パッケージング・インダストリー」=GPIレンゴーとして、製紙、段ボール、紙器、軟包装、重包装、海外の6つのコア事業を中心に、より広範な領域でパッケージングに関する総合力を高め、開発・提案型の営業推進による受注拡大、コスト競争力向上、財務体質強化に取り組んでいる。
・"Less is more."をパッケージづくりのコンセプトとして掲げ、製品と生産プロセスの両面で省資源・省エネルギー化を徹底し環境負荷の低減を図るとともに、より高品質で付加価値が高く、社会のさまざまな課題の解決に資するパッケージの開発を推進している。

 

 

②基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に反する大規模買付行為を抑止するとともに、大規模買付行為が行われる際に、当社取締役会が株主に代替案を提案したり、あるいは株主がかかる大規模買付行為に応じるべきか否かを判断するために必要な情報や時間を確保すること、株主のために交渉を行うこと等を可能にすることを目的として、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(以下、「本対応方針」という。)に基づき大規模買付行為に関するルール(以下、「大規模買付ルール」という。)を定めている。

大規模買付ルールとは、グループとしての議決権割合が20%以上となるような大規模買付行為を行おうとする者が事前に当社取締役会に対して必要かつ十分な情報を提供し、それに基づき当社取締役会が大規模買付行為について評価・検討を行うための期間を設け、かかる期間が経過した後に限り大規模買付行為が開始される、というものである。
 大規模買付者には、大規模買付行為に先立ち、当社取締役会に対し、株主の判断および当社取締役会の評価・検討のために必要かつ十分な情報を提供してもらう。当社取締役会は、適宜外部専門家等の助言を得ながら、かかる情報を評価・検討し、当社取締役会としての意見を取りまとめ、開示する(株主へ代替案を提示することもある。)。

大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合であり、かつ、対抗措置をとることが相当であると認められる場合には、当社取締役会は、新株予約権の無償割当て等、会社法その他の法令および当社定款が当社取締役会の権限として認める措置(以下、「対抗措置」という。)等をとり、大規模買付行為に対抗する場合等がある。

一方、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合には、当社取締役会は、原則として、当該大規模買付行為に対する対抗措置はとらない。ただし、当該大規模買付行為が、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれがある場合であり、かつ、対抗措置をとることが相当であると認められる場合等で大規模買付ルール所定の要件を充足する場合には、当社取締役会は、差別的条件付新株予約権の無償割当てを含む対抗措置をとることがある。

当社は、本対応方針において、大規模買付行為が発動事由に該当するか否か、および大規模買付行為に対し一定の対抗措置をとるか否か等についての当社取締役会の判断の合理性および公正性を担保するため、当社取締役会から独立した組織として、独立委員会を設置している。当社取締役会は、対抗措置の発動に先立ち、独立委員会に対して対抗措置の発動の是非について諮問し、独立委員会からの勧告を受けたうえ、当該勧告を最大限尊重して、対抗措置を発動するか否かを最終的に判断する。また、当社取締役会は、本対応方針所定の場合には、株主総会を招集し、対抗措置の発動その他当該大規模買付行為に関する株主の意思を確認することができるものとする。

本対応方針の有効期間は、3年間である。

 

 

3.取組みに対する当社取締役会の判断およびその理由

 ①2.①の取組みについて

2.①の取組みは、いずれも、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための取組みであるため、これらの施策により、多様な投資家が当社へ投資することが期待できるという意味で、多様な株主の様々な意見の反映という当社の基本方針に沿うものである。また、これらの施策は、当社の会社役員の地位の維持とは関係がない。

 

 ②2.②の取組みについて

本対応方針は、以下のような点から、基本方針に沿い、株主共同の利益を害するものではなく、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないものといえる。

・本対応方針は、経済産業省および法務省が平成17年5月27日に公表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性の原則)を充足している。

・本対応方針は、株主が大規模買付行為の是非を判断するために十分な期間・情報を確保し、もって当社企業価値ひいては株主共同の利益を毀損する買付けが行われることを防止すること等を内容とするものであるため、基本方針に沿うものである。

・本対応方針においては、当社経営陣から独立した社外者により構成された独立委員会が設置されており、大規模買付者に対する対抗措置の発動を取締役会が判断するにあたっては、独立委員会の勧告を最大限尊重することとしているので、当社取締役会による恣意的な判断を排除するための仕組みが備わっているものである。

・本対応方針は、平成28年6月29日開催の当社定時株主総会において株主の承認を得て更新されたものである。また、本対応方針の有効期間は3年間としており、有効期間の満了前であっても、当社取締役会においては廃止する旨の決議が行われた場合には、本対応方針は廃止される。さらに、本対応方針においては、一定の場合には、株主総会を招集し、対抗措置の発動等に関する株主の意思を確認することができるものとしている。以上のような点から、本対応方針は、株主の意思を重視するものであるといえる。

 

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがある。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成28年3月31日)現在において判断したものである。

 

(1) 製品需要、市況動向

当社グループの主力製品である板紙、段ボール製品は、国内の景気動向の影響を大きく受ける。景気後退による需要の減少、競争の激化等による市況の悪化要因により、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。

 

(2) 原燃料価格

当社グループの主要原材料である段ボール古紙の価格は、中国をはじめとするアジア地域における需要動向の影響を受ける。国内における需給バランスに変動が生じた場合には、購入価格の上昇によるコスト増加要因となり、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。

当社グループにおいては、主に都市ガス、LNG、重油、石炭を燃料として利用している。これらの価格は、国際商品市況の影響を受けるため、市況が上昇した場合には、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。

 

(3) 金利の変動

当社グループの有利子負債は、当連結会計年度末現在において264,748百万円である。有利子負債については、削減に鋭意取り組んでいるが、金利変動リスクを有しているため、市場金利が上昇した場合には、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。

 

(4) 株価の変動

当社グループは、取引先を中心に株式を保有しているが、市場性のある株式においては、各種要因による株価の下落により、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。

当社グループにおける年金資産は、株価水準の影響を受けるため、退職給付費用に変動が生じる。

 

(5) 海外事業

当社グループは、中国、東南アジアを成長市場と位置づけ、板紙・紙加工関連事業を中心に事業を展開している。海外進出に対し、当社グループは、リスクを十分に検討したうえで投資の意思決定を行っているが、海外における事業活動については、為替変動リスク、あるいは国ごとにさまざまな経済的、政治的リスクが存在しており、これらの顕在化により、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。

 

 

(6) 訴訟

当社グループは、法令遵守等のコンプライアンス経営に努めているが、国内外で継続して事業活動を行う過程において、訴訟を提起されるリスクを負っており、訴訟の内容によっては、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。

 

(7) 事業再構築

当社グループは、企業価値の増大に向けて事業の選択と集中に取り組んでおり、この過程における一時損失が発生し、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。

 

(8) その他

当社グループは、上記の事項以外にも、自然災害、事故等の予期せぬ事態によるリスクを負う可能性があり、これらの内容によっては、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社は、国内外でのパッケージング事業拡大のため、平成28年5月13日付にて、Tri-Wall Holdings Limited(本社:英国領ケイマン諸島)の発行済株式総数の100%を総額2億2,175万USドル(約244億円)にて既存株主3名より取得する株式譲渡契約を締結した。
 なお、本取引は、中華人民共和国商務部の承認が得られること等を譲渡実行の条件としている。
 詳細は、第5「経理の状況」 1「連結財務諸表等」 「注記事項」 (重要な後発事象) に記載している。

 

6 【研究開発活動】

当社中央研究所において、製紙、段ボール、紙器、軟包装、機能材・化学品の各事業とその周辺領域に研究開発の中心を置き、地球環境に配慮した独創的で付加価値の高い新商品と新技術の開発を進めている。また、当社研究・技術開発部門パッケージング技術開発本部および包装システム開発部において、紙器機械の開発・改良を進めている。
 日本マタイ株式会社では国内の重包装関連事業において、江蘇中金瑪泰医薬包装有限公司では海外の軟包装関連事業において、それぞれ安全・環境への配慮と市場の要求に沿って、新製品の開発および品質改良を行っている。
 当社グループでの研究開発費の総額は1,441百万円である。
 

(1) 板紙・紙加工関連事業

当社において、段ボール原紙の薄物化に伴う紙力増強や品質向上に関する技術開発、⊿(デルタ)フルート段ボール、段ボール貼合糊を中心とした省エネ・省資源生産技術の開発、防食性・保冷性・耐水性・防湿性・低摩擦性・防炎性等に優れたリサイクル可能な機能性段ボールや青果物鮮度保持技術を利用した機能化包装の開発等、省エネ、省資源、生産性向上、コストダウン、製品の高付加価値化を目指して研究開発を進めており、順次、実用化を果たしている。
 また当社で使用する紙器機械について、他社にない独自の機械装置・システムの開発を通じて、品質・生産性向上、省力・省エネ、作業環境の改善等に取り組んでいる。当連結会計年度において注力したのは、検査装置として、フレキソフォルダグルアのシートの曲り、ずれ等の検査装置、精度を倍に上げた印刷検査装置および段ボール箱の接合精度検査装置、グラビア印刷打ち抜き機の打ち抜きめくれ検査装置およびコルゲータでシートの寸法等を計測する最終検査装置の開発である。省人設備として、マイクロフルート用オートフィーダーの開発およびワンタッチグルアの出口自動化の開発である。省エネ設備としてIoTを用いたエネルギーの見える化および省エネ蒸気システムの改良である。

当事業にかかる研究開発費は796百万円である。

 

(2) 軟包装関連事業

当社において、環境に優しい食品用酸素バリアフィルム、ロールラベルおよびロールオンシュリンクラベルの研究開発などを進め、一部の市場に投入している開発品は順調に数量が拡大している。平成26年に上市した車窓や建物窓用向けの熱線カット性を有するハードコートフィルム、身離れ性が求められる粘性食品用包装フィルムについても、さらに拡販に取り組んでいる。

当事業にかかる研究開発費は108百万円である。

 

 

(3) 重包装関連事業

日本マタイ株式会社において、機能性フィルム、樹脂加工品、重包装製品の開発を行っている。重包装製品については、除染用耐候性大型土嚢「マイコンBK」を上市展開しており、また、新たに加わったネット資材の新製品開発活動を強化している。
 機能性フィルム、樹脂加工品においては多層シーティング事業を強化しており、多層フィルム生産機を増設するとともに、短期間で成約に繋がるよう多層成膜試作機も完備し、各種機能性フィルムの開発を進めているほか、電子部品用テーピング包装材で国内トップシェアを築き、更なる発展を見据え新製品開発および品質改良も進めている。

当事業にかかる研究開発費は268百万円である。

 

(4) 海外関連事業

江蘇中金瑪泰医薬包装有限公司において、主力事業である医薬品向けPTP/SP包材用に、環境に配慮した水溶性接着剤の開発を進めている。その他、新製品として新型偽造防止PTPアルミの開発、ならびに電池外装用フィルムの開発など、顧客評価に基づく改善を進めている。 

当事業にかかる研究開発費は37百万円である。

 

(5) その他の事業

当社において、木材の主成分であるセルロースを素材とする多孔性ビーズ「ビスコパール」、カラシ・ワサビ成分を用いた天然系抗菌防カビ剤「ワサヴェール」に続き、合成ゼオライトを複合化した高機能パルプ「セルガイア」を商品化するなど、環境と機能を両立した新素材に関する研究開発に取り組んでいる。セルガイアについては、抗菌・消臭機能を利用した掃除機紙パック、衛生材料向け部材、加湿フィルター、台所用水切り袋、文化財保護シート、吸水蒸散ボードおよび業務用抗菌ワイパーが引き続き好調で、また当連結会計年度においては梅炭と組み合わせた高機能糸を用いた服飾雑貨を上市し大変好評を得ている。さらに新商品の市場投入を予定しており、順調に商品が増えている。希土類不使用型新規蛍光体「ガイアフォトン」は、銀イオンをフォージャサイト型またはA型ゼオライトに担持すると蛍光体としての性質を有することを発見したもので、LED照明用蛍光体や偽造防止技術としての応用が期待される。本技術は、平成26年度に国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業に採択され、当連結会計年度では量産試験まで完了した。引き続き数年後の事業化を目指して開発を進めている。  
 また、当社は数年前から急速に拡大する通販市場向けの包装機械のラインアップ化に取り組んできた。その中で日本総代理店であるB+equipment社(フランス)から従来取扱いのI-Pack(身箱+蓋の2ピースからなる)の変形形態であるe-cube(身箱のみ1ピース)を導入し、当連結会計年度においては2台のユーザー設置の成果となっている。

当事業にかかる研究開発費は230百万円である。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態

①資産の状況

当連結会計年度末の総資産は644,690百万円で、前連結会計年度末の655,674百万円に比べ10,984百万円の減少となった。その内訳は、流動資産が5,051百万円の増加、固定資産が16,036百万円の減少である。 
 流動資産の増加の内訳は、主に売上債権の増加(6,510百万円)である。
 固定資産の減少の内訳は、主に有形固定資産の減少(10,804百万円)、投資有価証券の減少(2,466百万円)である。

 

②負債および純資産の状況

当連結会計年度末の負債は422,956百万円で、前連結会計年度末の433,284百万円に比べ10,328百万円の減少となった。これは、主に長期借入金の減少(19,917百万円)によるものである。 

当連結会計年度末の純資産は221,733百万円で、前連結会計年度末の222,390百万円に比べ656百万円の減少となった。これは、主に株価の下落や為替レートの変動に伴うその他の包括利益累計額の減少(7,248百万円)が、利益剰余金の増加(6,826百万円)を上回ったことによるものである。 

その結果、1株当たり純資産額は872円17銭となった。

 

(2) 経営成績

①売上高の状況

当連結会計年度の売上高は532,534百万円で、前連結会計年度の522,671百万円に比べ9,863百万円の増収となった。これは、主に製品価格の改定が寄与したことによるものである。 

 

②営業利益の状況

当連結会計年度の営業利益は15,727百万円で、前連結会計年度の5,567百万円に比べ10,160百万円の増益となった。これは、主に製品価格の改定やエネルギー価格の低下が寄与したことによるものである。 

 

③経常利益の状況

当連結会計年度の経常利益は16,633百万円で、前連結会計年度の7,139百万円に比べ9,494百万円の増益となった。これは、上記営業利益の増加はあったものの、円高に伴う為替差損の計上等により、営業外損益が減少したことによるものである。

 

④特別損益の状況

当連結会計年度の特別損益は366百万円の損失となった。これは、主に大阪製紙株式会社における洋紙事業からの撤退に伴う事業撤退損の計上(1,295百万円)によるものである。補助金収入(11,811百万円)を計上したが、一方で補助金受入による固定資産圧縮損(11,110百万円)を計上している。

 

 

⑤法人税等および非支配株主に帰属する当期純利益の状況

当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税は6,761百万円となり、前連結会計年度から750百万円増加した。

法人税等調整額については、前連結会計年度の201百万円から当連結会計年度の△632百万円となった。

当連結会計年度の非支配株主に帰属する当期純利益については、前連結会計年度の150百万円から当連結会計年度の322百万円となった。

 

⑥親会社株主に帰属する当期純利益の状況

以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は9,816百万円となり、前連結会計年度の5,718百万円に比べ4,098百万円の増益となった。1株当たり当期純利益は前連結会計年度の23円09銭から16円55銭改善し、当連結会計年度は39円64銭となった。

 

(3) キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析については、第2「事業の状況」 1「業績等の概要」 (2) キャッシュ・フローの状況に記載している。