当連結会計年度のわが国経済は、米国をはじめ世界経済の回復による好調な企業収益を背景として、雇用・所得環境が改善するとともに、底堅い個人消費や設備投資の持ち直しにより緩やかな回復基調が続いた。
このような経済環境の中で、板紙業界においては、段ボール原紙の堅調な需要に加えて、輸出も引き続き好調であったことから、生産量は前年を上回った。
段ボール業界においては、天候不順等の影響により青果物向けの需要は低迷したものの、飲料、通販および日用品が好調に推移し、生産量は前年を上回った。
紙器業界においては、ギフト関連需要の縮小、軟包装など他素材へのシフトが続いているが、堅調な食品向けに支えられ、生産量は前年並みとなった。
軟包装業界においては、食品や日用品向け需要に支えられ、生産量は堅調に推移した。
重包装業界においては、原子力発電所事故関連の除染用コンテナバッグの需要減が続いていることなどから、生産量は前年を下回った。
以上のような状況の下で、当社グループは、あらゆる産業の全ての包装ニーズに対して、総合的なソリューションを提案する「ゼネラル・パッケージング・インダストリー」として、製紙、段ボール、紙器、軟包装、重包装、海外の6つのコア事業を中心とするヘキサゴン経営をさらに発展させるべく、パッケージングのイノベーションを通じた営業力の強化、積極的な設備投資やM&A、事業の再編等により、業容の拡大と収益力の向上に鋭意取り組んできた。
より少ない資源で大きな価値を生む“Less is more.”をパッケージづくりの基本に掲げ、優れた開封性と高い販売促進機能を発揮する新しい段ボール包装「レンゴー スマート・ディスプレイ・パッケージング(RSDP)」や、世界包装機構(WPO:World Packaging Organisation)からワールドスター賞を受賞したワンタッチ組立て販促什器「ラクッパ ディスプレイ」など、革新的な製品開発を進めるとともに、積極的なプロモーションにより受注の拡大に努めた。
平成28年4月、山陽自動車運送株式会社(大阪府東大阪市)が、集配業務効率化と輸送品質向上を目的として、兵庫県東部の3拠点を統合して新たに神戸支店(神戸市中央区)を開設したほか、8月には、セッツカートン株式会社(兵庫県伊丹市)が新東京工場(埼玉県川口市)を開設し、関東地区における段ボール製品供給体制を強化した。また、平成29年3月、東京本社を新オフィス(東京都港区)に移転し、ビジネスシステム各部門の連携強化によりオペレーション・ヘッドクォーターとしての機能の充実を図った。
海外においては、平成28年5月に、江蘇中金瑪泰医薬包装有限公司(中国・江蘇省)が、成長著しい中国医薬品市場での業容を拡大すべく医薬包材の新工場を増設したほか、10月には、重量物段ボールの世界的なブランドである「Tri-Wall Pak®」などを有し、アジアやヨーロッパをはじめ世界各地で事業を展開するトライウォールグループの持株会社トライウォール・ホールディングス社(英国領ケイマン諸島)を子会社化した。また、11月には、ベトナムにおける合弁会社、ビナクラフトペーパー社が、同国の旺盛な段ボール需要に対応するため、段ボール原紙生産設備を増設した。さらに、平成29年4月、朋和産業株式会社(千葉県船橋市)と日本マタイ株式会社(東京都台東区)が、合弁による軟包装・重包装販売会社をタイに設立し、拡大する需要に応える体制を整えた。
なお、先進的な設備の導入や革新的なパッケージづくりを通じた、ハード・ソフト両面からのCO2排出量削減をはじめとする環境保全への取組みが評価され、平成29年4月、地球環境大賞環境大臣賞を受賞した。
この結果、当連結会計年度の売上高は545,489百万円(前期比2.4%増)、営業利益は23,642百万円(同50.3%増)、経常利益は25,214百万円(同51.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は13,876百万円(同41.4%増)となった。
セグメントの概況は、次のとおりである。
板紙・紙加工関連事業については、原料価格の上昇や製品価格の低下はあったものの、販売量の増加やエネルギー価格の低下等により、増収増益となった。
この結果、当セグメントの売上高は382,146百万円(同4.0%増)、営業利益は13,308百万円(同58.3%増)となった。
主要製品の生産量は、次のとおりである。
(板紙製品)
板紙製品については、堅調な需要を背景に、生産量は2,424千t(同8.0%増)となった。
(段ボール製品)
段ボール製品については、受注の回復に努め、生産量は段ボール3,902百万㎡(同6.5%増)、段ボール箱3,068百万㎡(同7.0%増)となった。
② 軟包装関連事業
軟包装関連事業については、コンビニエンスストア向けの需要増やコスト改善効果により、増収増益となった。
この結果、当セグメントの売上高は65,699百万円(同2.9%増)、営業利益は4,882百万円(同14.9%増)となった。
③ 重包装関連事業
重包装関連事業については、除染用コンテナバッグの需要減はあったものの、原料価格の低下やコスト改善効果により、減収増益となった。
この結果、当セグメントの売上高は39,789百万円(同2.5%減)、営業利益は2,631百万円(同51.3%増)となった。
④ 海外関連事業
海外関連事業については、軟包装事業が堅調に推移したこと等により、増収増益となった。
この結果、当セグメントの売上高は26,802百万円(同1.8%増)、営業利益は825百万円(同134.4%増)となった。
⑤ その他の事業
その他の事業については、洋紙事業からの撤退に加えて、不織布事業の採算改善により、減収増益となった。
この結果、当セグメントの売上高は31,052百万円(同9.1%減)、営業利益は1,845百万円(同136.2%増)となった。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は26,643百万円となり、前連結会計年度末の残高と比べ7,226百万円(37.2%)増加した。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ収入が8,556百万円(16.9%)減少し、42,003百万円となった。
主な内訳は、減価償却費29,524百万円、税金等調整前当期純利益24,186百万円である。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ支出が3,422百万円(10.2%)増加し、△36,884百万円となった。
主な内訳は、有形固定資産の取得による支出24,578百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出16,296百万円である。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ収入が19,035百万円増加し、2,063百万円となった。
主な内訳は、長短借入金の純減額6,753百万円、社債の発行による収入20,000百万円、社債の償還による支出5,035百万円、配当金の支払額2,971百万円である。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
|
セグメントの名称 |
生産高 |
前期比(%) |
|
板紙・紙加工関連事業 |
|
|
|
板紙(千t) |
2,424 |
108.0 |
|
段ボール(百万㎡) |
3,902 |
106.5 |
|
段ボール箱(百万㎡) |
3,068 |
107.0 |
|
海外関連事業 |
|
|
|
段ボール(百万㎡) |
279 |
113.0 |
|
段ボール箱(百万㎡) |
252 |
113.5 |
当社グループにおいては、紙器機械等一部の事業で受注生産を行っているが、その重要性が乏しいため記載を省略している。
その他の製品については、見込み生産を行っているか、受注生産であっても生産と販売の関連において製品の回転が極めて速く、月末(または期末)における受注残高が少ないため、記載を省略している。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前期比(%) |
|
板紙・紙加工関連事業 |
382,146 |
104.0 |
|
軟包装関連事業 |
65,699 |
102.9 |
|
重包装関連事業 |
39,789 |
97.5 |
|
海外関連事業 |
26,802 |
101.8 |
|
その他の事業 |
31,052 |
90.9 |
|
合計 |
545,489 |
102.4 |
(注) 上記の金額には消費税等は含まれていない。
当社は、明治42年の創業以来、わが国における段ボール産業のパイオニアとしての誇りと、業界のトップメーカーとしての地位を保ちながら、広くユーザーを開拓し、技術力を高め、新しい需要を創造し続けてきた。
現在、当社グループの事業領域は、板紙から段ボールまでの強固な一貫生産体制に、紙器や軟包装、重包装が加わり、国内外で多様なパッケージング・ソリューションを生み出している。
当社グループは、高い倫理観と公正な経営姿勢をもって経営資源を効率的に活用のうえ、収益力の向上と企業価値の極大化に努め、株主・取引先・従業員・地域社会などさまざまなステークホルダーとの良好な関係を構築し、あわせて適正かつ魅力ある還元を行うことにより広く社会に貢献していきたいと考えている。
同時に、地球環境保護の観点より企業レベルでの対応が要求されている環境経営についても、全社的な取組みを行っている。
当社グループが常に達成すべき目標としている経営指標は次のとおりである。
・売上高経常利益率: 5%以上
・D/Eレシオ : 1.5倍以下
なお、当連結会計年度においては、売上高経常利益率4.6%、D/Eレシオ 1.2倍である。
当社グループは、「製紙」「段ボール」「紙器」「軟包装」「重包装」「海外」の6つのコア事業を中心に多彩な事業を展開し、包装全般にわたり幅広くソリューションを提供してきた。今後も、たゆまぬ意識改革とイノベーションを通じて、産業全般に積極的に働きかける提案型の企業集団「ゼネラル・パッケージング・インダストリー」=GPIレンゴーを目指していく。
また、当社グループは、コア事業および周辺事業において、ユーザーオリエンテッド(顧客志向)を基本方針とし、より高い品質とサービスを提供することによる顧客満足度の向上に努め、持続的な成長を図っていく。
製紙事業については、需要に見合った供給体制の維持に努めるとともに、生産性の向上、コスト削減、新製品の開発に、継続的に取り組んでいる。現在、平成28年2月に発表したとおり、当社グループ内における中芯原紙とライナ原紙の生産比率の見直しを軸とする、段ボール原紙生産体制再構築の計画を進行中である。
段ボール事業については、グループ全体での営業力の強化、最適な生産体制の構築を進めている。また、お客様のニーズにお応えする「提案型営業」へ積極的に取り組み、競争力向上へ努めていく。小売店での開梱・陳列などの作業性や販売促進力を大幅に向上させる革新的なパッケージ「レンゴー スマート・ディスプレイ・パッケージング(RSDP)」を開発し、流通現場を効率化する「リテールメイト」シリーズと位置づけ、新たな需要の開拓を図っている。
紙器事業については、求められる機能に対応する最適なパッケージを提供するとともに、これまで蓄積してきた知識、技術を集結して、新時代のパッケージづくりを追求していく。
軟包装事業については、当社子会社である朋和産業株式会社を中心に展開している。お客様の要望にお応えできる高機能な製品を、最新の設備で提供し、当社グループの軟包装事業のさらなる競争力と収益基盤の強化を図っていく。
重包装事業については、当社子会社である日本マタイ株式会社を中心に展開している。当社グループにおける相乗効果を追及すると同時に、お客様の商品の価値を高める重包装製品を提供し続けるために、社会の変化に対応する技術革新に取り組んでいく。
海外事業については、今後の成長分野として事業の拡大を図ると同時に、「選択と集中」による経営資源の有効活用を目指した施策にも、積極的に取り組んでいく。平成28年10月には、重量物段ボールの世界的ブランドを誇るトライウォールグループを新たに当社グループに加え、製品ラインアップの拡充による、さらなるサービス品質の向上を図っていく。
当社グループは、各コア事業と周辺事業の総力を結集し、お客様の包装に関わるプロセス全体に対して、最適なソリューションを提供することにより、企業価値の向上に取り組んでいく。
また、環境負荷の低減、社会貢献活動への取組みといった、企業が果たすべき社会的責任についても積極的に遂行し、さまざまなステークホルダーの信用と信頼に足る企業グループとなるべく、鋭意努力していく。
今後のわが国経済は、世界の政治・経済情勢に先行き不透明感はあるものの、好調な米国経済や中国をはじめ新興国経済の回復による世界的な景況感の改善、政府・日本銀行による各種政策効果などにより、景気は緩やかな回復基調が続くものと思われる。
このような状況の下、揺るぎない経営基盤を構築するために、以下の課題に対し、グループ全体で取り組んでいく考えである。
当社グループは、板紙、段ボール、紙器、軟包装、重包装など、それぞれの製品において、需要に見合った生産および設備能力の実現を目指し、価格の適正化へ向けた製品価格の修正については、概ね実現した。
継続的なコスト削減努力と同時に、再生産可能な価格水準の維持に尽力し、製品の品質向上を図るとともに、製品の安定供給に取り組んでいく。
当社グループは、地球環境の保全に配慮した経営を実践することが、企業の持続的発展には不可欠であるという認識に立ち、全力をあげて環境保全活動に継続的に取り組んでいく。
また、環境負荷の小さい製品の研究・開発および設計に努め、環境配慮製品を提案・推進していく。
製造コストおよび物流コストの低減や生産性の向上については、従来からの取組みに加え、新たな発想で諸問題を創造的に解決するためのプロジェクトチームを必要に応じ発足させ、活動している。
また、産業界全般にわたる課題でもある全要素生産性(TFP:Total Factor Productivity)の向上に、率先垂範取り組んでいく。
コア事業、その他周辺事業ともに、当社各事業部門を軸とし、グループ各社との連携強化へ向けての取組みを加速していく。その一環として、「グループ経営会議」と、その分科会である「営業戦略部会」および「財務戦略部会」を設置し、情報と戦略の共有を図り、グループ全体の業容の拡大とともに、財務体質の改善に取り組んでいく。
今後の成長に向けた原動力として、新たな海外への事業展開を検討していく。また、既存の海外事業においては、これまで培ってきた国内外でのネットワークの有効活用による日系企業、多国籍企業との取引拡大、および現地化を推進するとともに、「選択と集中」をキーワードとして、経営資源の配分を見直し、収益の向上を図っていく。あわせて、グローバルなフィールドに対応した人材育成に取り組んでいる。
当社取締役会は、大規模買付行為を受け入れるか否かの判断は、最終的には当社株主の判断に委ねられるべきものであると考えている。しかしながら、大規模買付行為の中には、その目的等から企業価値ひいては株主共同の利益に対して明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が大規模買付行為の内容等を検討し、代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、大規模買付者の提示した条件よりも有利な条件を引き出すために大規模買付者との交渉を必要とするもの等、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくない。また、当社の経営の特質を考慮すると、大規模買付行為が当社ならびに当社のステークホルダーに与える影響や大規模買付者の経営方針や事業計画等によっては、当社の企業価値ひいては株主共同の利益が損なわれる可能性も否定できない。
したがって、当社は、このような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大規模買付行為を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えている。
当社は、以下のような取組みを通じて、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させることが、多様な投資家からの当社への投資につながり、結果的に、基本方針の実現に資するものと考え、実施している。
当社は、基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に反する大規模買付行為を抑止するとともに、大規模買付行為が行われる際に、当社取締役会が株主に代替案を提案したり、あるいは株主がかかる大規模買付行為に応じるべきか否かを判断するために必要な情報や時間を確保すること、株主のために交渉を行うこと等を可能にすることを目的として、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(以下、「本対応方針」という。)に基づき大規模買付行為に関するルール(以下、「大規模買付ルール」という。)を定めている。
大規模買付ルールとは、グループとしての議決権割合が20%以上となるような大規模買付行為を行おうとする者が事前に当社取締役会に対して必要かつ十分な情報を提供し、それに基づき当社取締役会が大規模買付行為について評価・検討を行うための期間を設け、かかる期間が経過した後に限り大規模買付行為が開始される、というものである。
大規模買付者には、大規模買付行為に先立ち、当社取締役会に対し、株主の判断および当社取締役会の評価・検討のために必要かつ十分な情報を提供してもらう。当社取締役会は、適宜外部専門家等の助言を得ながら、かかる情報を評価・検討し、当社取締役会としての意見を取りまとめ、開示する(株主へ代替案を提示することもある。)。
大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合であり、かつ、対抗措置をとることが相当であると認められる場合には、当社取締役会は、新株予約権の無償割当て等、会社法その他の法令および当社定款が当社取締役会の権限として認める措置(以下、「対抗措置」という。)等をとり、大規模買付行為に対抗する場合等がある。
一方、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合には、当社取締役会は、原則として、当該大規模買付行為に対する対抗措置はとらない。ただし、当該大規模買付行為が、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれがある場合であり、かつ、対抗措置をとることが相当であると認められる場合等で大規模買付ルール所定の要件を充足する場合には、当社取締役会は、差別的条件付新株予約権の無償割当てを含む対抗措置をとることがある。
当社は、本対応方針において、大規模買付行為が発動事由に該当するか否か、および大規模買付行為に対し一定の対抗措置をとるか否か等についての当社取締役会の判断の合理性および公正性を担保するため、当社取締役会から独立した組織として、独立委員会を設置している。当社取締役会は、対抗措置の発動に先立ち、独立委員会に対して対抗措置の発動の是非について諮問し、独立委員会からの勧告を受けたうえ、当該勧告を最大限尊重して、対抗措置を発動するか否かを最終的に判断する。また、当社取締役会は、本対応方針所定の場合には、株主総会を招集し、対抗措置の発動その他当該大規模買付行為に関する株主の意思を確認することができるものとする。
本対応方針の有効期間は、3年間である。
ⅰ) 2.ⅰ) の取組みについて
2.ⅰ) の取組みは、いずれも、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための取組みであるため、これらの施策により、多様な投資家が当社へ投資することが期待できるという意味で、多様な株主のさまざまな意見の反映という当社の基本方針に沿うものである。また、これらの施策は、当社の会社役員の地位の維持とは関係がない。
ⅱ) 2.ⅱ) の取組みについて
本対応方針は、以下のような点から、基本方針に沿い、株主共同の利益を害するものではなく、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないものといえる。
・本対応方針は、経済産業省および法務省が平成17年5月27日に公表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性の原則)を充足している。
・本対応方針は、株主が大規模買付行為の是非を判断するために十分な期間・情報を確保し、もって当社企業価値ひいては株主共同の利益を毀損する買付けが行われることを防止すること等を内容とするものであるため、基本方針に沿うものである。
・本対応方針においては、当社経営陣から独立した社外者により構成された独立委員会が設置されており、大規模買付者に対する対抗措置の発動を取締役会が判断するにあたっては、独立委員会の勧告を最大限尊重することとしているので、当社取締役会による恣意的な判断を排除するための仕組みが備わっているものである。
・本対応方針は、平成28年6月29日開催の当社定時株主総会において株主の承認を得て更新されたものである。また、本対応方針の有効期間は3年間としており、有効期間の満了前であっても、当社取締役会において廃止する旨の決議が行われた場合には、本対応方針は廃止される。さらに、本対応方針においては、一定の場合には、株主総会を招集し、対抗措置の発動等に関する株主の意思を確認することができるものとしている。以上のような点から、本対応方針は、株主の意思を重視するものであるといえる。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがある。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成29年3月31日)現在において判断したものである。
当社グループの主力製品である板紙、段ボール製品は、国内の景気動向の影響を大きく受ける。景気後退による需要の減少、競争の激化等による市況の悪化要因により、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループの主要原材料である段ボール古紙の価格は、中国をはじめとするアジア地域における需要動向の影響を受ける。国内における需給バランスに変動が生じた場合には、購入価格の上昇によるコスト増加要因となり、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループにおいては、主に都市ガス、LNG、重油、石炭を燃料として利用している。これらの価格は、国際商品市況の影響を受けるため、市況が上昇した場合には、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループの有利子負債は、当連結会計年度末現在において283,350百万円である。有利子負債については、削減に鋭意取り組んでいるが、金利変動リスクを有しているため、市場金利が上昇した場合には、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループは、取引先を中心に株式を保有しているが、市場性のある株式においては、各種要因による株価の下落により、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループにおける年金資産は、株価水準の影響を受けるため、退職給付費用に変動が生じる。
当社グループは、中国、東南アジアを成長市場と位置づけ、板紙・紙加工関連事業、軟包装関連事業、重包装関連事業を展開している。海外進出に対し、当社グループは、リスクを十分に検討したうえで投資の意思決定を行っているが、海外における事業活動については、為替変動リスク、あるいは国ごとにさまざまな経済的、政治的リスクが存在しており、これらの顕在化により、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループは、製品、原材料および燃料の輸出入取引において、為替変動の影響を受けることがあり、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループは、法令遵守等のコンプライアンス経営に努めているが、国内外で継続して事業活動を行う過程において、知的財産関連、環境関連等の訴訟を提起されるリスクを負っており、訴訟の内容によっては、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループは、企業価値の増大に向けて事業の選択と集中に取り組んでおり、この過程における一時損失が発生し、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループの製造拠点等が、大規模な地震、台風等の自然災害によって多大な被害を受けた場合、事業活動の中断等により、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループは、上記の事項以外にも、予期せぬ事態によるリスクを負う可能性があり、これらの内容によっては、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
当社は、国内外でのパッケージング事業拡大のため、平成28年5月13日付にて、トライウォール・ホールディングス社(英国領ケイマン諸島)の発行済株式総数の100%を総額221,750千米ドル(22,872百万円)にて既存株主3名より取得する株式譲渡契約を締結し、平成28年10月27日に当該株式を取得した。
詳細は、第5「経理の状況」 1「連結財務諸表等」 「注記事項」 (企業結合等関係)に記載している。
当社中央研究所において、製紙、段ボール、紙器、軟包装、機能材の各事業とその周辺領域に研究開発の中心を置き、地球環境に配慮した独創的で付加価値の高い新商品と新技術の開発を進めている。また、当社研究・技術開発部門パッケージング技術開発本部および包装システム開発部において、紙器機械の開発・改良を進めている。
日本マタイ株式会社では国内の重包装関連事業において、江蘇中金瑪泰医薬包装有限公司では海外の軟包装関連事業において、それぞれ安全・環境への配慮と市場の要求に沿って、新製品の開発および品質改良を行っている。
当社グループでの研究開発費の総額は1,448百万円である。
当社において、段ボール原紙の薄物化に伴う紙力増強や品質向上に関する技術開発、⊿(デルタ)フルート段ボール、段ボール貼合糊を中心とした省エネ・省資源生産技術の開発、防食性・保冷性・耐水性・防湿性・低摩擦性・防炎性等に優れたリサイクル可能な機能性段ボールや青果物鮮度保持技術を利用した機能化包装の開発等、省エネ、省資源、生産性向上、コストダウン、製品の高付加価値化を目指して研究開発を進めており、順次、実用化を果たしている。
また当社で使用する紙器機械について、他社にない独自の機械装置・システムの開発を通じて、品質・生産性向上、省力・省エネ、作業環境の改善等に取り組んでいる。当連結会計年度において注力したのは、検査装置としては、フレキソ輪転印刷機における印刷物と印刷データを比較するオフライン検査装置である。管理装置としては、生産機械の運転停止、運転速度およびあらゆる時点で発生したイベントを自動的に記録する装置、またRFIDを用いた原紙の在籍管理装置である。品質向上装置としては、既設フォルダーグルアに後付する不良除去装置である。省エネ設備としては、蒸気システムのさらなる改良である。
当事業にかかる研究開発費は776百万円である。
当社において、環境に優しい食品用酸素バリアフィルム、ロールラベルおよびロールオンシュリンクラベルの研究開発などを進め、一部の市場に投入している開発品は順調に数量が拡大している。平成26年に上市した車窓や建物窓用向けの熱線カット性を有するハードコートフィルム、身離れ性が求められる粘性食品用包装フィルムについても、さらに拡販に取り組んでいる。
当事業にかかる研究開発費は114百万円である。
日本マタイ株式会社において、機能性フィルム、樹脂加工品、重包装製品の開発を行っている。
重包装製品については、農産業向けの防草シートを上市展開しており、更なる展開を視野に入れハイエンド品の開発活動を強化している。
機能性フィルム、樹脂加工品においては単層・多層シーティング事業を強化しており、多層フィルム生産機の安定稼動、技術力蓄積による高付加価値製品群の拡充を図っているほか、電子部品搬送用包装材では国内トップシェアを維持し、更なる発展を見据え新製品開発および品質改良も進めている。
当事業にかかる研究開発費は278百万円である。
江蘇中金瑪泰医薬包装有限公司において、主力事業である医薬品向けPTP/SP包材用に、環境に配慮した水性インクおよび水溶性接着剤の実用化に向けた開発を進めている。また、製薬メーカー各社からの要望内容に沿った医薬用包装材料の開発およびリチウム電池用包装材料の顧客評価に基づく改善などを進めている。
当事業にかかる研究開発費は32百万円である。
当社において、木材の主成分であるセルロースを素材とする多孔性ビーズ「ビスコパール」、カラシ・ワサビ成分を用いた天然系抗菌防カビ剤「ワサヴェール」に続き、合成ゼオライトを複合化した高機能パルプ「セルガイア」を商品化するなど、環境と機能を両立した新素材に関する研究開発に取り組んでいる。セルガイアについては、抗菌・消臭機能を利用した掃除機紙パック、衛生材料向け部材、加湿フィルター、台所用水切り袋、文化財保護シート、吸水蒸散ボードおよび業務用抗菌ワイパーが引き続き好調で、また梅炭と組み合わせた高機能糸を用いた服飾雑貨を平成27年に上市して以降、大変好評を得ている。さらに新商品の市場投入を予定しており、順調に商品が増えている。希土類不使用型新規蛍光体「ガイアフォトン」は、銀イオンをフォージャサイト型またはA型ゼオライトに担持すると蛍光体としての性質を有することを発見したもので、LED照明用蛍光体や偽造防止技術としての応用が期待される。本技術は、平成26年度に国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業に採択され、助成期間中に量産試験まで完了した。引き続き素材の特性を活かした用途開発に注力し、数年後の事業化を目指している。
また、当社は数年前から急速に拡大する通販市場向けの包装機械のラインアップ化に取り組んできた。高さランダム可変システム「ジェミニ」のコンパクト化、ローコスト化を目的とした「ジェミニS」を開発し、東京パック2016に出展している。当連結会計年度のI-Pack、e-cube、ジェミニ等の高さ可変システムの納入は、合計8ラインの実績となっている。
当事業にかかる研究開発費は245百万円である。
当連結会計年度末の総資産は704,826百万円で、前連結会計年度末の644,690百万円に比べ60,136百万円の増加となった。その内訳は、流動資産が26,524百万円の増加、固定資産が33,613百万円の増加であり、主にトライウォール・ホールディングス社および同社の子会社74社を連結の範囲に含めたことによるものである。
流動資産の増加の内訳は、主に現金及び預金の増加(6,997百万円)、売上債権の増加(14,420百万円)である。
固定資産の増加の内訳は、主に有形固定資産の増加(6,829百万円)、無形固定資産の増加(16,877百万円)、投資有価証券の増加(8,698百万円)である。
当連結会計年度末の負債は463,316百万円で、前連結会計年度末の422,956百万円に比べ40,360百万円の増加となった。これは、主に社債の増加(15,065百万円)や、トライウォール・ホールディングス社および同社の子会社74社を連結の範囲に含めたこと等による仕入債務の増加(8,810百万円)によるものである。
当連結会計年度末の純資産は241,510百万円で、前連結会計年度末の221,733百万円に比べ19,777百万円の増加となった。これは、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加(10,432百万円)や、株価の上昇に伴うその他有価証券評価差額金の増加(7,355百万円)によるものである。
その結果、1株当たり純資産額は946円06銭となった。
当連結会計年度の売上高は545,489百万円で、前連結会計年度の532,534百万円に比べ12,955百万円の増収となった。これは、主に販売量の増加が寄与したことによるものである。
当連結会計年度の営業利益は23,642百万円で、前連結会計年度の15,727百万円に比べ7,915百万円の増益となった。これは、主に販売量の増加やエネルギー価格の低下が寄与したことによるものである。
当連結会計年度の経常利益は25,214百万円で、前連結会計年度の16,633百万円に比べ8,581百万円の増益となった。これは、上記営業利益の増加に加え、金融収支の改善や持分法による投資利益の増加等により、営業外損益が改善されたことによるものである。
当連結会計年度の特別損益は1,028百万円の損失となった。これは、主に当社における東京本社移転に係る事業所移転費用の計上(541百万円)によるものである。
当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税は8,566百万円となり、前連結会計年度から1,805百万円増加した。
法人税等調整額については、前連結会計年度の△632百万円から当連結会計年度の985百万円となった。
非支配株主に帰属する当期純利益については、前連結会計年度の322百万円から当連結会計年度の758百万円となった。
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は13,876百万円となり、前連結会計年度の9,816百万円に比べ4,060百万円の増益となった。1株当たり当期純利益は前連結会計年度の39円64銭から16円40銭改善し、当連結会計年度は56円04銭となった。
キャッシュ・フローの分析については、第2「事業の状況」 1「業績等の概要」 (2) キャッシュ・フローの状況に記載している。