当社は、明治42年の創業以来、わが国における段ボール産業のパイオニアとしての誇りと、業界のトップメーカーとしての地位を保ちながら、広くユーザーを開拓し、技術力を高め、新しい需要を創造し続けてきた。
現在、当社グループの事業領域は、板紙から段ボールまでの強固な一貫生産体制に、紙器や軟包装、重包装が加わり、国内外で多様なパッケージング・ソリューションを生み出している。
当社グループは、高い倫理観と公正な経営姿勢をもって経営資源を効率的に活用のうえ、収益力の向上と企業価値の極大化に努め、株主・取引先・従業員・地域社会などさまざまなステークホルダーとの良好な関係を構築し、あわせて適正かつ魅力ある還元を行うことにより広く社会に貢献していきたいと考えている。
同時に、地球環境保護の観点より企業レベルでの対応が要求されている環境経営についても、全社的な取組みを行っている。
当社グループが常に達成すべき目標としている経営指標は次のとおりである。
・売上高経常利益率: 5%以上
・D/Eレシオ : 1.5倍以下
なお、当連結会計年度においては、売上高経常利益率3.8%、D/Eレシオ 1.1倍である。
当社グループは、「製紙」「段ボール」「紙器」「軟包装」「重包装」「海外」の6つのコア事業を中心に多彩な事業を展開し、包装全般にわたり幅広くソリューションを提供してきた。今後も、たゆまぬ意識改革とイノベーションを通じて、産業全般に積極的に働きかける提案型の企業集団「ゼネラル・パッケージング・インダストリー」=GPIレンゴーを目指していく。
また、当社グループは、コア事業および周辺事業において、ユーザーオリエンテッド(顧客志向)を基本方針とし、より高い品質とサービスを提供することによる顧客満足度の向上に努め、持続的な成長を図っていく。
製紙事業については、平成28年2月に発表した段ボール原紙生産体制再構築の計画は、平成29年12月に淀川工場のライナ抄紙機を停止したことをもって一連の再編を完了させたが、引き続き、需要に見合った供給体制の維持に努めるとともに、生産性の向上、コスト削減、新製品の開発に、継続的に取り組んでいる。
段ボール事業については、グループ全体での営業力の強化、最適な生産体制の構築を進めている。また、お客様のニーズにお応えする「提案型営業」へ積極的に取り組み、競争力向上に努めている。流通現場における業務効率化に貢献するリテールメイトシリーズをさらに進化させ、「レンゴー スマート・ディスプレイ・パッケージング(RSDP)」のラインアップを充実させるとともに、楽にパッと売場がつくれる「ラクッパ」のバリエーションを拡充するなど、付加価値の高い製品の開発と積極的なプロモーションを展開している。
紙器事業については、求められる機能に対応する最適なパッケージを提供するとともに、これまで蓄積してきた知識、技術を集結して、新時代のパッケージづくりを追求していく。
軟包装事業については、当社子会社である朋和産業株式会社を中心に展開している。お客様の要望にお応えできる高機能な製品を、最新の設備で提供し、当社グループの軟包装事業のさらなる競争力と収益基盤の強化を図っていく。
重包装事業については、当社子会社である日本マタイ株式会社を中心に展開している。当社グループにおける相乗効果を追求すると同時に、お客様の商品の価値を高める重包装製品を提供し続けるために、社会の変化に対応する技術革新に取り組んでいく。
海外事業については、今後の成長分野として事業の拡大を図ると同時に、「選択と集中」による経営資源の有効活用を目指した施策にも、積極的に取り組んでいく。中国・東南アジアでの事業展開を基礎として、平成28年10月に子会社化したトライウォールグループを通じて当社グループが未進出だった地域への新しい展開を図る。
当社グループは、各コア事業と周辺事業の総力を結集し、お客様の包装に関わるプロセス全体に対して、最適なソリューションを提供することにより、企業価値の向上に取り組んでいく。
また、環境負荷の低減、社会貢献活動への取組みといった、企業が果たすべき社会的責任についても積極的に遂行し、さまざまなステークホルダーの信用と信頼に足る企業グループとなるべく、鋭意努力していく。
今後のわが国経済は、内外の政治・経済情勢に先行き不透明感はあるものの、世界的な景況感の改善と、金融、財政における各種政策効果、東京オリンピック・パラリンピックに向けた需要も期待できることから、景気は緩やかな回復基調が続くものと思われる。
このような状況のもと、揺るぎない経営基盤を構築するために、以下の課題に対し、グループ全体で取り組んでいく考えである。
当社グループは、板紙、段ボール、紙器、軟包装、重包装など、それぞれの製品において、継続的なコスト削減努力や製品の品質向上、安定供給の取組みと同時に、需要に見合った生産および設備能力の実現を目指し、再生産可能な適正価格水準の維持に尽力する。
当社グループは、地球環境の保全に配慮した経営を実践することが、企業の持続的発展には不可欠であるという認識に立ち、全力をあげて環境保全活動に継続的に取り組んでいく。
また、環境負荷の小さい製品の研究・開発および設計に努め、環境配慮製品を提案・推進していく。
製造コストおよび物流コストの低減や生産性の向上については、産業界全般にわたる課題でもある全要素生産性(TFP:Total Factor Productivity)改善の観点を踏まえ、従来からの取組みに加え、新たな発想で諸問題を創造的に解決するためのプロジェクトチームを必要に応じ発足させ、活動している。
コア事業、その他周辺事業ともに、当社各事業部門を軸とし、グループ各社との連携強化へ向けての取組みを加速していく。その一環として、「グループ経営会議」と、その分科会である「営業戦略部会」および「財務戦略部会」を設置し、情報と戦略の共有を図り、グループ全体の業容の拡大とともに、財務体質の改善に取り組んでいく。
今後の成長に向けた原動力として、新たな海外への事業展開を検討していく。また、既存の海外事業においては、これまで培ってきた国内外でのネットワークの有効活用による日系企業、多国籍企業との取引拡大、および現地化を推進するとともに、「選択と集中」をキーワードとして、経営資源の配分を見直し、収益の向上を図っていく。あわせて、グローバルなフィールドに対応した人材育成に取り組んでいく。
当社取締役会は、大規模買付行為を受け入れるか否かの判断は、最終的には当社株主の判断に委ねられるべきものであると考えている。しかしながら、大規模買付行為の中には、その目的等から企業価値ひいては株主共同の利益に対して明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が大規模買付行為の内容等を検討し、代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、大規模買付者の提示した条件よりも有利な条件を引き出すために大規模買付者との交渉を必要とするもの等、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくない。また、当社の経営の特質を考慮すると、大規模買付行為が当社ならびに当社のステークホルダーに与える影響や大規模買付者の経営方針や事業計画等によっては、当社の企業価値ひいては株主共同の利益が損なわれる可能性も否定できない。
したがって、当社は、このような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大規模買付行為を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えている。
当社は、以下のような取組みを通じて、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させることが、多様な投資家からの当社への投資につながり、結果的に、基本方針の実現に資するものと考え、実施している。
当社は、基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に反する大規模買付行為を抑止するとともに、大規模買付行為が行われる際に、当社取締役会が株主に代替案を提案したり、あるいは株主がかかる大規模買付行為に応じるべきか否かを判断するために必要な情報や時間を確保すること、株主のために交渉を行うこと等を可能にすることを目的として、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(以下、「本対応方針」という。)に基づき大規模買付行為に関するルール(以下、「大規模買付ルール」という。)を定めている。
大規模買付ルールとは、グループとしての議決権割合が20%以上となるような大規模買付行為を行おうとする者が事前に当社取締役会に対して必要かつ十分な情報を提供し、それに基づき当社取締役会が大規模買付行為について評価・検討を行うための期間を設け、かかる期間が経過した後に限り大規模買付行為が開始される、というものである。
大規模買付者には、大規模買付行為に先立ち、当社取締役会に対し、株主の判断および当社取締役会の評価・検討のために必要かつ十分な情報を提供してもらう。当社取締役会は、適宜外部専門家等の助言を得ながら、かかる情報を評価・検討し、当社取締役会としての意見を取りまとめ、開示する(株主へ代替案を提示することもある。)。
大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合であり、かつ、対抗措置をとることが相当であると認められる場合には、当社取締役会は、新株予約権の無償割当て等、会社法その他の法令および当社定款が当社取締役会の権限として認める措置(以下、「対抗措置」という。)等をとり、大規模買付行為に対抗する場合等がある。
一方、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合には、当社取締役会は、原則として、当該大規模買付行為に対する対抗措置はとらない。ただし、当該大規模買付行為が、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれがある場合であり、かつ、対抗措置をとることが相当であると認められる場合等で大規模買付ルール所定の要件を充足する場合には、当社取締役会は、差別的条件付新株予約権の無償割当てを含む対抗措置をとることがある。
当社は、本対応方針において、大規模買付行為が発動事由に該当するか否か、および大規模買付行為に対し一定の対抗措置をとるか否か等についての当社取締役会の判断の合理性および公正性を担保するため、当社取締役会から独立した組織として、独立委員会を設置している。当社取締役会は、対抗措置の発動に先立ち、独立委員会に対して対抗措置の発動の是非について諮問し、独立委員会からの勧告を受けたうえ、当該勧告を最大限尊重して、対抗措置を発動するか否かを最終的に判断する。また、当社取締役会は、本対応方針所定の場合には、株主総会を招集し、対抗措置の発動その他当該大規模買付行為に関する株主の意思を確認することができるものとする。
本対応方針の有効期間は、3年間である。
ⅰ) 2.ⅰ) の取組みについて
2.ⅰ) の取組みは、いずれも、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための取組みであるため、これらの施策により、多様な投資家が当社へ投資することが期待できるという意味で、多様な株主のさまざまな意見の反映という当社の基本方針に沿うものである。また、これらの施策は、当社の会社役員の地位の維持とは関係がない。
ⅱ) 2.ⅱ) の取組みについて
本対応方針は、以下のような点から、基本方針に沿い、株主共同の利益を害するものではなく、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないものといえる。
・本対応方針は、経済産業省および法務省が平成17年5月27日に公表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性の原則)を充足している。
・本対応方針は、株主が大規模買付行為の是非を判断するために十分な期間・情報を確保し、もって当社企業価値ひいては株主共同の利益を毀損する買付けが行われることを防止すること等を内容とするものであるため、基本方針に沿うものである。
・本対応方針においては、当社経営陣から独立した社外者により構成された独立委員会が設置されており、大規模買付者に対する対抗措置の発動を取締役会が判断するにあたっては、独立委員会の勧告を最大限尊重することとしているので、当社取締役会による恣意的な判断を排除するための仕組みが備わっているものである。
・本対応方針は、平成28年6月29日開催の当社定時株主総会において株主の承認を得て更新されたものである。また、本対応方針の有効期間は3年間としており、有効期間の満了前であっても、当社取締役会において廃止する旨の決議が行われた場合には、本対応方針は廃止される。さらに、本対応方針においては、一定の場合には、株主総会を招集し、対抗措置の発動等に関する株主の意思を確認することができるものとしている。以上のような点から、本対応方針は、株主の意思を重視するものであるといえる。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがある。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成30年3月31日)現在において判断したものである。
当社グループの主力製品である板紙、段ボール製品は、国内の景気動向の影響を大きく受ける。景気後退による需要の減少、競争の激化等による市況の悪化要因により、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループの主要原材料である段ボール古紙の価格は、中国をはじめとするアジア地域における需要動向の影響を受ける。国内における需給バランスに変動が生じた場合には、購入価格の上昇によるコスト増加要因となり、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループにおいては、主に都市ガス、LNG、重油、石炭を燃料として利用している。これらの価格は、国際商品市況の影響を受けるため、市況が上昇した場合には、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループの有利子負債は、当連結会計年度末現在において287,322百万円である。有利子負債については、削減に鋭意取り組んでいるが、金利変動リスクを有しているため、市場金利が上昇した場合には、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループは、取引先を中心に株式を保有しているが、市場性のある株式においては、各種要因による株価の下落により、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループにおける年金資産は、株価水準の影響を受けるため、退職給付費用に変動が生じる。
当社グループは、中国、東南アジアを成長市場と位置づけ、板紙・紙加工関連事業、軟包装関連事業、重包装関連事業を展開している。海外進出に対し、当社グループは、リスクを十分に検討したうえで投資の意思決定を行っているが、海外における事業活動については、為替変動リスク、あるいは国ごとにさまざまな経済的、政治的リスクが存在しており、これらの顕在化により、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループは、製品、原材料および燃料の輸出入取引において、為替変動の影響を受けることがあり、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループは、法令遵守等のコンプライアンス経営に努めているが、国内外で継続して事業活動を行う過程において、知的財産関連、環境関連等の訴訟を提起されるリスクを負っており、訴訟の内容によっては、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループは、企業価値の増大に向けて事業の選択と集中に取り組んでおり、この過程における一時損失が発生し、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループの製造拠点等が、大規模な地震、台風等の自然災害によって多大な被害を受けた場合、事業活動の中断等により、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループは、上記の事項以外にも、予期せぬ事態によるリスクを負う可能性があり、これらの内容によっては、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は、次のとおりである。
当連結会計年度のわが国経済は、米国をはじめ好調な世界経済を背景として企業収益は堅調に推移し、雇用・所得環境の改善が続くとともに、個人消費の持ち直しや設備投資の増加により緩やかな回復基調が続いた。
このような経済環境の中で、板紙業界においては、段ボール原紙の旺盛な需要に加えて、輸出も引き続き好調であったことから、生産量は前年を上回った。
段ボール業界においては、通販向けが大きく伸長したほか、加工食品や日用品、電気・機械器具をはじめほぼ全ての需要部門にわたって堅調に推移したことにより、生産量は前年を上回った。
紙器業界においては、ギフト関連需要が年々縮小しており、軟包装など他素材へのシフトも依然として続いていることから、生産量は前年を下回った。
軟包装業界においては、安定的な加工食品や日用品向けに加えて、紙器からの需要シフトもあり、生産量は前年を上回った。
重包装業界においては、原子力発電所事故関連の除染作業終了にともなうコンテナバッグ需要の減少などにより、生産量は前年を下回った。
以上のような状況のもとで、当社グループは、「ゼネラル・パッケージング・インダストリー」=GPIレンゴーとして、製紙、段ボール、紙器、軟包装、重包装、海外の6つのコア事業を中心に、あらゆる産業の全ての包装ニーズに対して総合的なソリューションを提案する企業グループとしての事業基盤をさらに強固なものとすべく、パッケージングのイノベーションによる営業力強化、事業環境変化への素早い対応、積極的な設備投資やM&A等を通じ、業容拡大と収益力向上に鋭意取り組んできた。
“Less is more.”をキーワードとする、より少ない資源で大きな価値を生むパッケージの開発では、店舗販売と通販の両面で、流通現場における業務効率化に貢献するリテールメイトシリーズをさらに進化させ、「レンゴー スマート・ディスプレイ・パッケージング(RSDP)」のラインアップを充実させるとともに、楽にパッと売場がつくれる「ラクッパ」のバリエーションを拡充するなど、人手不足をはじめとする社会的課題の解決も念頭に、付加価値の高い製品の開発と積極的なプロモーションを展開した。
また、段ボール原紙の主原料である古紙の高騰や、燃料、薬品、物流経費等の上昇に対し、徹底したコストダウンにより製品価格の維持に努めてきたが、当社単独の努力では抗し難い状況となったため、平成29年8月出荷分からの段ボール原紙をはじめとする板紙製品、10月出荷分からの段ボール製品のそれぞれ価格改定に取り組み、一定の成果をあげた。
平成29年10月、段ボール原紙生産体制の再構築の一環として進めていた、金津工場(福井県あわら市)のライナ原紙併抄化改造工事が完了し営業運転を開始した。12月には、淀川工場(大阪市福島区)での段ボール原紙の生産を終了し、グループの段ボール原紙生産拠点を5工場に集約して収益力向上を図った。
また、平成30年1月、アサヒ紙工株式会社(埼玉県鴻巣市)が本社工場を増築しコルゲータ(段ボール貼合機)を更新するとともに、3月には、凸版印刷株式会社との間で、同社子会社であるトッパンコンテナー株式会社(東京都台東区)の当社子会社化につき契約を締結した。
海外においては、平成29年4月、タイ・コンテナーズ・グループ社が、インドネシアの段ボールメーカーを子会社化し、同国における段ボール事業の充実を図った。また、トライウォール社(香港)が、米国に重量物包装資材の製造・販売会社を合弁で設立したほか、6月にはポーランド、7月には英国のそれぞれ重量物包装資材メーカーを傘下に収めた。さらに、平成30年1月には、タイにおいて生産能力を拡充し重量物包装需要の増加に応える体制を整えた。
この結果、当連結会計年度の売上高は605,712百万円(前期比11.0%増)、営業利益は17,082百万円(同27.7%減)、経常利益は23,168百万円(同8.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は16,622百万円(同19.8%増)となった。主な内容は次のとおりである。
売上高については、主力の段ボール製品の販売量の増加や、製品価格の改定に取り組んだことに加え、トライウォール・ホールディングス社の子会社化に伴う海外関連事業の業容拡大により増収となった。
営業利益については、製品価格の改定に取り組んだが、古紙価格の高騰やエネルギー価格の上昇等のコストアップが先行したことにより減益となった。
経常利益については、持分法適用関連会社である鴻興印刷集団有限公司において、子会社株式売却益を計上したことが寄与し、持分法による投資利益が大きく増加したが、営業利益の減益がそれを上回り減益となった。
親会社株主に帰属する当期純利益については、上記に加え、特別損益の改善や法人税等の減少により増益となった。
当連結会計年度の売上高経常利益率については、3.8%と目標を1.2%下回った。これは主に、板紙・紙加工関連事業における収益性の低下によるものであるが、平成31年3月期以降は製品価格の改定等の取組みにより、収益拡大を図っている。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりである。
板紙・紙加工関連事業については、販売量の増加に加えて、製品価格の改定に取り組んだが、古紙価格の高騰やエネルギー価格の上昇等により、増収減益となった。
この結果、当セグメントの売上高は397,118百万円(同3.9%増)、営業利益は7,156百万円(同46.2%減)となった。
主要製品の生産量は、次のとおりである。
(板紙製品)
板紙製品については、堅調な需要を背景に、生産量は2,454千t(同1.2%増)となった。
(段ボール製品)
段ボール製品については、通販向けを中心に販売量が増加したことにより、生産量は段ボール4,045百万㎡(同3.7%増)、段ボール箱3,248百万㎡(同5.9%増)となった。
[軟包装関連事業]
軟包装関連事業については、コンビニエンスストア向けの需要は増加したものの、材料費や固定費の増加により増収減益となった。
この結果、当セグメントの売上高は68,299百万円(同4.0%増)、営業利益は3,724百万円(同23.7%減)となった。
[重包装関連事業]
重包装関連事業については、除染用コンテナバッグの需要が減少したことにより、減収減益となった。
この結果、当セグメントの売上高は39,273百万円(同1.3%減)、営業利益は1,818百万円(同30.9%減)となった。
[海外関連事業]
海外関連事業については、連結子会社となったトライウォール・ホールディングス社の業績が寄与したことに加えて、段ボール事業が好調に推移したことにより、増収増益となった。
この結果、当セグメントの売上高は67,236百万円(同150.9%増)、営業利益は2,301百万円(同178.9%増)となった。
[その他の事業]
その他の事業については、紙器機械事業が好調であったこと等により、増収増益となった。
この結果、当セグメントの売上高は33,784百万円(同8.8%増)、営業利益は1,931百万円(同4.7%増)となった。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりである。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
|
セグメントの名称 |
生産高 |
前期比(%) |
|
板紙・紙加工関連事業 |
|
|
|
板紙(千t) |
2,454 |
101.2 |
|
段ボール(百万㎡) |
4,045 |
103.7 |
|
段ボール箱(百万㎡) |
3,248 |
105.9 |
|
海外関連事業 |
|
|
|
段ボール(百万㎡) |
308 |
110.4 |
|
段ボール箱(百万㎡) |
279 |
110.7 |
(注) 当連結会計年度において、海外関連事業の段ボールおよび段ボール箱の生産実績が著しく増加している。これは、積極的な営業活動が寄与したことによるものである。
当社グループにおいては、紙器機械等一部の事業で受注生産を行っているが、その重要性が乏しいため記載を省略している。
その他の製品については、見込み生産を行っているか、受注生産であっても生産と販売の関連において製品の回転が極めて速く、月末(または期末)における受注残高が少ないため、記載を省略している。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前期比(%) |
|
板紙・紙加工関連事業 |
397,118 |
103.9 |
|
軟包装関連事業 |
68,299 |
104.0 |
|
重包装関連事業 |
39,273 |
98.7 |
|
海外関連事業 |
67,236 |
250.9 |
|
その他の事業 |
33,784 |
108.8 |
|
合計 |
605,712 |
111.0 |
(注) 1 上記の金額には消費税等は含まれていない。
2 当連結会計年度において、海外関連事業の販売実績が著しく増加している。これは、連結子会社となったトライウォール・ホールディングス社の業績が寄与したことに加えて、段ボール事業が好調に推移したことによるものである。
当連結会計年度末の総資産は、主に売上高の増加および当連結会計年度末日が休日であったことによる売上債権の増加や、株価の上昇等による投資有価証券の増加により、750,636百万円となり、前連結会計年度末に比べ45,810百万円増加した。
負債は、主に仕入債務の増加により、488,055百万円となり、前連結会計年度末に比べ24,739百万円増加した。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加や、株価の上昇に伴うその他有価証券評価差額金の増加により、262,580百万円となり、前連結会計年度末に比べ21,070百万円増加した。
この結果、自己資本比率は34.0%となり、前連結会計年度末に比べ0.8ポイント上昇した。また、1株当たり純資産額は1,029円98銭となった。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は26,943百万円となり、前連結会計年度末の残高と比べ300百万円(1.1%)増加した。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりである。
営業活動による資金の増加額は31,249百万円(前連結会計年度に比べ10,754百万円(25.6%)の収入の減少)となった。主な内訳は、減価償却費30,776百万円である。
投資活動による資金の減少額は28,658百万円(前連結会計年度に比べ8,226百万円(22.3%)の支出の減少)となった。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出35,923百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入6,439百万円である。
財務活動による資金の減少額は3,182百万円(前連結会計年度に比べ5,245百万円の収入の減少)となった。主な内訳は、長短借入金の純減額5,557百万円、社債の発行による収入10,000百万円、配当金の支払額2,971百万円、リース債務の返済による支出2,391百万円である。
資本の財源および資金の流動性について、当社グループは、資金調達については銀行借入および社債発行により行っている。また、キャッシュマネジメントサービスを国内子会社に導入しており、グループ全体における効率的な資金活用による有利子負債の削減と金融収支の改善を図っている。
当社は、平成30年3月2日付にて、凸版印刷株式会社(本社:東京都台東区台東一丁目5番1号、以下「凸版印刷」という。)の100%子会社であるトッパンコンテナー株式会社(本社:東京都台東区台東一丁目5番1号、以下「トッパンコンテナー」という。)の第三者割当による新株発行2,150,000株を引き受けるとともに、普通株式340,000株を凸版印刷より取得(以下、新株引受と合わせて「本件株式取得」という。)して子会社化することを決議し、トッパンコンテナーとの間で株式引受契約を、また、凸版印刷との間で株式譲渡契約を締結した。
なお、本件株式取得については、公正取引委員会および中華人民共和国商務部による独占禁止法関連の承認が得られること等を株式引受および株式譲渡実行の条件としている。
その主な内容は次のとおりである。
(1) 株式取得の目的
トッパンコンテナーは、国内3ケ所(埼玉県川口市、栃木県佐野市、宮城県石巻市)に段ボール工場を有し、主に凸版印刷が顧客より受注した段ボール製品を製造している。
当社グループでは、段ボール需要の伸長が著しい関東地区における供給能力の拡充が喫緊の課題となっており、今後、トッパンコンテナー各工場における積極的な設備投資を検討し、段ボール製品の生産能力増強とさらなる品質向上を図ることにより、従来以上に顧客ニーズに応える体制を整えていく。
(2) 取得対象子会社の概要
① 名称 トッパンコンテナー株式会社
② 住所 東京都台東区台東一丁目5番1号
③ 代表者の氏名 代表取締役社長 山本 貴之
④ 資本金 1,000百万円
⑤ 事業の内容 段ボール製品の製造
本件株式取得後のトッパンコンテナーの商号等については、次のとおり変更する予定である。
① 名称 レンゴー・トッパンコンテナー株式会社
② 住所 埼玉県川口市八幡木二丁目32番1号(埼玉工場所在地)
③ 代表者の氏名 当社より派遣する予定
④ 資本金 約3,150百万円
(3) 取得株式数、取得価額および取得前後の所有株式の状況
① 異動前の所有株式数 -株(所有割合:-%)
② 取得株式数 2,490,000株(発行済株式総数に対する割合:60.0%)
③ 取得価額 トッパンコンテナーの普通株式 約5,000百万円
アドバイザリー費用等 約 20百万円
合計(概算額) 約5,020百万円
④ 異動後の所有株式数 2,490,000株(所有割合:60.0%)
(4) 支払資金の調達方法
自己資金および借入金(予定)
当社中央研究所において、製紙、段ボール、紙器、軟包装および機能材の各事業とその周辺領域に研究開発の中心を置き、地球環境に配慮した独創的で付加価値の高い新商品と新技術の開発を進めている。また、当社研究・技術開発部門パッケージング技術開発本部および包装システム開発部において、紙器機械の開発・改良を進めている。
日本マタイ株式会社では国内の重包装関連事業において、江蘇中金瑪泰医薬包装有限公司では海外の軟包装関連事業において、それぞれ安全・環境への配慮と市場の要求に沿って、新製品の開発および品質改良を行っている。
当社グループでの研究開発費の総額は1,483百万円である。
当社において、段ボール原紙の薄物化に伴う紙力増強や品質向上に関する技術開発、⊿(デルタ)フルート段ボール、段ボール貼合糊を中心とした省エネ・省資源生産技術の開発、リサイクル可能な機能性段ボールを活用した青果物長期輸送技術の開発等、品質向上、生産性向上、省エネ・省資源、コストダウンおよび製品の高付加価値化を目指して研究開発を進めており、順次、実用化を果たしている。
また当社で使用する紙器機械について、他社にない独自の機械装置・システムの開発を通じて、品質・生産性向上、省力・省エネ、作業環境の改善等に取り組んでいる。当連結会計年度において注力したのは、検査装置としては、貼合工程でプレプリント印刷のパターンマッチングを行う検査装置の開発である。管理装置としては、製函機の稼働を電子チャート方式で管理するRen-Chartの開発、RFIDを活用した原紙倉庫の棚卸システムの開発である。生産性向上設備としては、抜き工程前受け部の「割り作業」を機械化したバッチスプリッタの開発である。省エネ設備としては、蒸気システムのさらなる改良である。
当事業にかかる研究開発費は814百万円である。
当社において、飲料用ロールラベルおよびロールオンシュリンクラベルを展開しており、バリアブル印刷や環境対応ラベルなど多様化するニーズに対応した研究開発を進めている。また、食品包装では耐熱防曇性を有する容器の蓋材、ボイル処理可能な酸素バリアフィルムおよび身離れ性が求められる包装フィルム等の開発を進めている。そのほか、工業製品向けでは、車窓用途に防曇性を付与したハードコートフィルムの開発などを進めている。
当事業にかかる研究開発費は87百万円である。
日本マタイ株式会社において、機能性フィルム、樹脂加工品および重包装製品の開発を行っている。
重包装製品については、農産業向けの防草シートを上市展開しており、さらなる展開を視野に入れハイエンド品の開発活動を強化している。
機能性フィルム、樹脂加工品においては単層・多層シーティング事業を強化しており、多層フィルム生産機の安定稼動、技術力蓄積による高付加価値製品群の拡充を図っているほか、電子部品搬送用包装材では国内トップシェアを維持し、さらなる発展を見据え新製品開発および品質改良も進めている。
当事業にかかる研究開発費は308百万円である。
江蘇中金瑪泰医薬包装有限公司において、主力事業である医薬品向けPTP/SP包材用に、環境に配慮した水性インクおよび水溶性接着剤の実用化に向けた開発を進めている。また、製薬メーカー各社からの要望内容に沿った医薬用包装材料の開発、アルミPTP包装用アルミラミネートフィルムの改良およびリチウム電池用包装材料の顧客評価に基づく改善などを進めている。
当事業にかかる研究開発費は38百万円である。
当社において、木材の主成分であるセルロースを素材とする多孔性ビーズ「ビスコパール」、カラシ・ワサビ成分を用いた天然系抗菌防カビ剤「ワサヴェール」「ワサエース」、合成ゼオライトを複合化した高機能パルプ「セルガイア」など、これまでに開発してきた環境と機能を両立した素材を応用した研究開発に取り組んでいる。セルガイアについては、抗菌・消臭機能を利用したディスポーザブルマスク、業務用抗菌キッチンクロス、台所用水切りゴミ袋および業務用加湿フィルターが引き続き好調である。当連結会計年度には業務用冷蔵ショーケース用ドレイン水蒸散ユニット、文化財保護用薄葉紙、自立型水切りゴミ袋を上市した。さらに平成30年度も新商品の市場投入を予定しており、順調に商品が増えている。希土類不使用型新規蛍光体「ガイアフォトン」は、銀イオンをゼオライトに担持すると蛍光体としての性質を有することを発見したもので、LED照明用蛍光体や偽造防止技術としての応用が期待される。引き続き素材の特性を活かした用途開発に注力し、数年後の事業化を目指している。
また、当社は急速に拡大する通販市場向けの包装機械のラインアップ化に取り組んできた。当連結会計年度の通販向け包装機械の販売実績は、人手不足の解消を目的としてさらに飛躍し、I-Pack17台(前連結会計年度は2台)、e-cube7台(同6台)、ジェミニ関係1台(同1台)合計25台となり、前連結会計年度と比べ約3倍の納入実績となっている。
当社の高さ可変システムのバリエーションは、業界での認知度もさらに高まり、引き続き成長する通販分野での採用が今後も期待できる。
当事業にかかる研究開発費は233百万円である。