第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

当社は、1909年の創業以来、わが国における段ボール産業のパイオニアとしての誇りと、業界のトップメーカーとしての地位を保ちながら、広くユーザーを開拓し、技術力を高め、新しい需要を創造し続けてきた。

現在、当社グループの事業領域は、板紙から段ボールまでの強固な一貫生産体制に、紙器や軟包装、重包装が加わり、国内外で多様なパッケージング・ソリューションを生み出している。

当社グループは、高い倫理観と公正な経営姿勢をもって経営資源を効率的に活用のうえ、収益力の向上と企業価値の極大化に努め、株主・取引先・従業員・地域社会などさまざまなステークホルダーとの良好な関係を構築し、あわせて適正かつ魅力ある還元を行うことにより広く社会に貢献していきたいと考えている。

同時に、地球環境保護の観点より企業レベルでの対応が要求されている環境経営についても、全社的な取組みを行っている。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループが常に達成すべき目標としている経営指標は次のとおりである。
・売上高経常利益率:  5%以上
・D/Eレシオ  : 1.5倍以下
 なお、当連結会計年度においては、売上高経常利益率4.2%、D/Eレシオ 1.1倍である。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、「製紙」「段ボール」「紙器」「軟包装」「重包装」「海外」の6つのコア事業を中心に多彩な事業を展開し、包装全般にわたり幅広くソリューションを提供してきた。今後も、たゆまぬ意識改革とイノベーションを通じて、産業全般に積極的に働きかける提案型の企業集団「ゼネラル・パッケージング・インダストリー」=GPIレンゴーを目指していく。

また、当社グループは、コア事業および周辺事業において、ユーザーオリエンテッド(顧客志向)を基本方針とし、より高い品質とサービスを提供することによる顧客満足度の向上に努め、持続的な成長を図っていく。

製紙事業については、2018年3月に淀川工場を閉鎖し、当社グループの段ボール原紙生産拠点を5つに集約して生産体制を再構築した。引き続き、需要に見合った供給体制の維持に努めるとともに、生産性の向上、コスト削減、新製品の開発に、継続的に取り組んでいる。

段ボール事業については、グループ全体での営業力の強化、最適な生産体制の構築を進めている。また、お客様のニーズにお応えする「提案型営業」へ積極的に取り組み、競争力向上に努めている。流通現場における業務効率化に貢献するリテールメイトシリーズをさらに進化させ、「レンゴー スマート・ディスプレイ・パッケージング(RSDP)」のラインアップを充実させるとともに、野菜や果物、農産加工品などを陳列する販売台として手軽に設営できる「マルシェ キット」を新たにシリーズに加えるなど、付加価値の高い製品の開発と積極的なプロモーションを展開している。

 

紙器事業については、求められる機能に対応する最適なパッケージを提供するとともに、これまで蓄積してきた知識、技術を集結して、新時代のパッケージづくりを追求していく。

軟包装事業については、当社子会社である朋和産業株式会社を中心に展開している。お客様の要望にお応えできる高機能な製品を、最新の設備で提供し、当社グループの軟包装事業のさらなる競争力と収益基盤の強化を図っていく。

重包装事業については、当社子会社である日本マタイ株式会社を中心に展開している。当社グループにおける相乗効果を追求すると同時に、お客様の商品の価値を高める重包装製品を提供し続けるために、社会の変化に対応する技術革新に取り組んでいく。

海外事業については、今後の成長分野として事業の拡大を図ると同時に、「選択と集中」による経営資源の有効活用を目指した施策にも、積極的に取り組んでいく。中国・東南アジアでの事業展開を強化するとともに、2016年10月に子会社化したトライウォールグループを通じて欧州や北米を含む当社グループが未進出だった地域への新しい展開を図る。

当社グループは、各コア事業と周辺事業の総力を結集し、お客様の包装に関わるプロセス全体に対して、最適なソリューションを提供することにより、企業価値の向上に取り組んでいく。

また、環境負荷の低減、社会貢献活動への取組みといった、企業が果たすべき社会的責任についても積極的に遂行し、さまざまなステークホルダーの信用と信頼に足る企業グループとなるべく、鋭意努力していく。

 

(4) 会社の対処すべき課題

今後のわが国経済は、内外の政治・経済情勢に先行き不透明感はあるものの、世界的な景況感の改善と、金融、財政における各種政策効果、東京オリンピック・パラリンピックに向けた需要も期待できることから、景気は緩やかな回復基調が続くものと思われる。
 このような状況のもと、揺るぎない経営基盤を構築するために、以下の課題に対し、グループ全体で取り組んでいく考えである。

 

① 製品の適正価格の維持

当社グループは、板紙、段ボール、紙器、軟包装、重包装など、それぞれの製品において、継続的なコスト削減努力や製品の品質向上、安定供給の取組みと同時に、需要に見合った生産および設備能力の実現を目指し、再生産可能な適正価格水準の維持に尽力する。

 

② 環境問題への取組みの強化

当社グループは、地球環境の保全に配慮した経営を実践することが、企業の持続的発展には不可欠であるという認識に立ち、全力をあげて環境保全活動に継続的に取り組んでいく。
 また、環境負荷の小さい製品の研究・開発および設計に努め、環境配慮製品を提案・推進していく。

 

 

③ コスト競争力の強化

製造コストおよび物流コストの低減や生産性の向上については、産業界全般にわたる課題でもある全要素生産性(TFP:Total Factor Productivity)改善の観点を踏まえ、従来からの取組みに加え、新たな発想で諸問題を創造的に解決するためのプロジェクトチームを必要に応じ発足させ、活動している。

 

④ グループ経営の強化

コア事業、その他周辺事業ともに、当社各事業部門を軸とし、グループ各社との連携強化へ向けての取組みを加速していく。その一環として、「グループ経営会議」と、その分科会である「営業戦略部会」および「財務戦略部会」を設置し、情報と戦略の共有を図り、グループ全体の業容の拡大とともに、財務体質の改善に取り組んでいく。

 

⑤ 海外事業の拡大と収益向上

今後の成長に向けた原動力として、新たな海外への事業展開を検討していく。また、既存の海外事業においては、これまで培ってきた国内外でのネットワークの有効活用による日系企業、多国籍企業との取引拡大、および現地化を推進するとともに、「選択と集中」をキーワードとして、経営資源の配分を見直し、収益の向上を図っていく。あわせて、グローバルなフィールドに対応した人材育成に取り組んでいく。

 

⑥ 買収防衛策について

1. 当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容の概要

当社取締役会は、大規模買付行為を受け入れるか否かの判断は、最終的には当社株主の判断に委ねられるべきものであると考えている。しかしながら、大規模買付行為の中には、その目的等から企業価値ひいては株主共同の利益に対して明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が大規模買付行為の内容等を検討し、代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、大規模買付者の提示した条件よりも有利な条件を引き出すために大規模買付者との交渉を必要とするもの等、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくない。また、当社の経営の特質を考慮すると、大規模買付行為が当社ならびに当社のステークホルダーに与える影響や大規模買付者の経営方針や事業計画等によっては、当社の企業価値ひいては株主共同の利益が損なわれる可能性も否定できない。
 したがって、当社は、このような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大規模買付行為を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えている。

 

 

2. 基本方針に関する取組みの具体的な内容の概要
ⅰ) 当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組み

当社は、以下のような取組みを通じて、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させることが、多様な投資家からの当社への投資につながり、結果的に、基本方針の実現に資するものと考え、実施している。

・製紙事業については、競争力強化のための事業分野の選択と集中を図り、生産体制の再構築を進めるとともに、生産性の向上、省資源・省エネルギー等に資する設備投資を実施している。

・段ボール、紙器、軟包装事業については、個装から内装、外装にいたるパッケージの一体的な営業推進による受注拡大を目指し、段ボール、紙器、軟包装の連携を強化している。また、グループ全体での営業力の強化、生産体制の再構築を進めるため、各地域事業部を中心にグループ会社との連携を強化し、地域ごとのニーズを的確に把握し迅速に対応している。さらに、効率的な工場運営に加え、企画・デザイン等による営業支援体制の拡充により、品質とサービスを一層向上させ、より付加価値の高いパッケージづくりを追求することで競争力を高めている。

・重包装事業については、他の事業分野との連携をさらに進め、お客様の多様なニーズに的確に応えるとともに、より一層の生産性の向上、コスト競争力の強化を図っている。
・海外事業については、長年にわたって培ってきたトップレベルの包装技術を活かし、お客様の包装ニーズに応えるとともに、進出地域の包装文化と経済発展にも貢献している。
・当社グループは、「ゼネラル・パッケージング・インダストリー」=GPIレンゴーとして、製紙、段ボール、紙器、軟包装、重包装、海外の6つのコア事業を中心に、より広範な領域でパッケージングに関する総合力を高め、開発・提案型の営業推進による受注拡大、コスト競争力向上、財務体質強化に取り組んでいる。
・“Less is more.”をパッケージづくりのコンセプトとして掲げ、製品と生産プロセスの両面でより少ない資源・エネルギー化を徹底し環境負荷の低減を図るとともに、より高品質で付加価値が高く、社会のさまざまな課題の解決に資するパッケージの開発を推進している。

 

ⅱ) 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に反する大規模買付行為を抑止するとともに、大規模買付行為が行われる際に、当社取締役会が株主に代替案を提案したり、あるいは株主がかかる大規模買付行為に応じるべきか否かを判断するために必要な情報や時間を確保すること、株主のために交渉を行うこと等を可能にすることを目的として、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(以下、「本対応方針」という。)に基づき大規模買付行為に関するルール(以下、「大規模買付ルール」という。)を定めている。

大規模買付ルールとは、グループとしての議決権割合が20%以上となるような大規模買付行為を行おうとする者が事前に当社取締役会に対して必要かつ十分な情報を提供し、それに基づき当社取締役会が大規模買付行為について評価・検討を行うための期間を設け、かかる期間が経過した後に限り大規模買付行為が開始される、というものである。

 

大規模買付者には、大規模買付行為に先立ち、当社取締役会に対し、株主の判断および当社取締役会の評価・検討のために必要かつ十分な情報を求める。当社取締役会は、適宜外部専門家等の助言を得ながら、かかる情報を評価・検討し、当社取締役会としての意見を取りまとめ、開示する(株主へ代替案を提示することもある。)。

大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合であり、かつ、対抗措置をとることが相当であると認められる場合には、当社取締役会は、新株予約権の無償割当て等、会社法その他の法令および当社定款が当社取締役会の権限として認める措置(以下、「対抗措置」という。)等をとり、大規模買付行為に対抗する場合等がある。

一方、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合には、当社取締役会は、原則として、当該大規模買付行為に対する対抗措置はとらない。ただし、当該大規模買付行為が、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれがある場合であり、かつ、対抗措置をとることが相当であると認められる場合等で大規模買付ルール所定の要件を充足する場合には、当社取締役会は、差別的条件付新株予約権の無償割当てを含む対抗措置をとることがある。

当社は、本対応方針において、大規模買付行為が発動事由に該当するか否か、および大規模買付行為に対し一定の対抗措置をとるか否か等についての当社取締役会の判断の合理性および公正性を担保するため、当社取締役会から独立した組織として、独立委員会を設置している。当社取締役会は、対抗措置の発動に先立ち、独立委員会に対して対抗措置の発動の是非について諮問し、独立委員会からの勧告を受けたうえ、当該勧告を最大限尊重して、対抗措置を発動するか否かを最終的に判断する。また、当社取締役会は、本対応方針所定の場合には、株主総会を招集し、対抗措置の発動その他当該大規模買付行為に関する株主の意思を確認することができるものとする。

本対応方針の有効期間は、3年間である。

 

3.取組みに対する当社取締役会の判断およびその理由

ⅰ) 2.ⅰ) の取組みについて

2.ⅰ) の取組みは、いずれも、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための取組みであるため、これらの施策により、多様な投資家が当社へ投資することが期待できるという意味で、多様な株主のさまざまな意見の反映という当社の基本方針に沿うものである。また、これらの施策は、当社の会社役員の地位の維持とは関係がない。

 

ⅱ) 2.ⅱ) の取組みについて

本対応方針は、以下のような点から、基本方針に沿い、株主共同の利益を害するものではなく、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないものといえる。

・本対応方針は、経済産業省および法務省が2005年5月27日に公表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性の原則)を充足している。

 

・本対応方針は、株主が大規模買付行為の是非を判断するために十分な期間・情報を確保し、もって当社企業価値ひいては株主共同の利益を毀損する買付けが行われることを防止すること等を内容とするものであるため、基本方針に沿うものである。

・本対応方針においては、当社経営陣から独立した社外者により構成された独立委員会が設置されており、大規模買付者に対する対抗措置の発動を取締役会が判断するにあたっては、独立委員会の勧告を最大限尊重することとしているので、当社取締役会による恣意的な判断を排除するための仕組みが備わっているものである。

・本対応方針は、2016年6月29日開催の当社定時株主総会において株主の承認を得て更新されたものである。また、本対応方針の有効期間は3年間としており、有効期間の満了前であっても、当社取締役会において廃止する旨の決議が行われた場合には、本対応方針は廃止される。さらに、本対応方針においては、一定の場合には、株主総会を招集し、対抗措置の発動等に関する株主の意思を確認することができるものとしている。以上のような点から、本対応方針は、株主の意思を重視するものであるといえる。

 

    (注)

当社は、2019年6月20日開催の第151回当社定時株主総会の終結の時をもって有効期間満了を迎える本対応方針について、当社を取り巻く経営環境や市場環境等が変化してきたことなどから、2019年3月26日開催の当社取締役会において、上記当社定時株主総会の終結時をもって、本対応方針を廃止することを決議した。

なお、当社は、本対応方針の有無に関わらず、今後とも中長期的な企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に取り組んでいく。また、当社は、本対応方針廃止後も、大規模買付行為を行おうとする者に対し、大規模買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するために必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のための時間と情報の確保に努める等、関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じていく。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがある。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2019年3月31日)現在において判断したものである。

 

(1) 製品需要、市況動向

当社グループの主力製品である板紙、段ボール製品は、国内の景気動向の影響を大きく受ける。景気後退による需要の減少、競争の激化等による市況の悪化要因により、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。

 

(2) 原燃料価格

当社グループの主要原材料である段ボール古紙の価格は、中国をはじめとするアジア地域における需要動向の影響を受ける。国内における需給バランスに変動が生じた場合には、購入価格の上昇によるコスト増加要因となり、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。

当社グループにおいては、主に都市ガス、LNG、重油、石炭を燃料として利用している。これらの価格は、国際商品市況の影響を受けるため、市況が上昇した場合には、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。

 

(3) 金利の変動

当社グループの有利子負債は、当連結会計年度末現在において283,071百万円である。有利子負債については、削減に鋭意取り組んでいるが、金利変動リスクを有しているため、市場金利が上昇した場合には、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。

 

(4) 株価の変動

当社グループは、取引先を中心に株式を保有しているが、市場性のある株式においては、各種要因による株価の下落により、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。

当社グループにおける年金資産は、株価水準の影響を受けるため、退職給付費用に変動が生じる。

 

(5) 海外事業

当社グループは、中国、東南アジアを成長市場と位置づけ、板紙・紙加工関連事業、軟包装関連事業、重包装関連事業を展開している。海外進出に対し、当社グループは、リスクを十分に検討したうえで投資の意思決定を行っているが、海外における事業活動については、為替変動リスク、あるいは国ごとにさまざまな経済的、政治的リスクが存在しており、これらの顕在化により、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。

 

 

(6) 為替の変動

当社グループは、製品、原材料および燃料の輸出入取引において、為替変動の影響を受けることがあり、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。

 

(7) 訴訟

当社グループは、法令遵守等のコンプライアンス経営に努めているが、国内外で継続して事業活動を行う過程において、知的財産関連、環境関連等の訴訟を提起されるリスクを負っており、訴訟の内容によっては、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。

 

(8) 事業再構築

当社グループは、企業価値の増大に向けて事業の選択と集中に取り組んでおり、この過程における一時損失が発生し、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。

 

(9) 自然災害

当社グループの製造拠点等が、大規模な地震、台風等の自然災害によって多大な被害を受けた場合、事業活動の中断等により、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。

 

(10) その他

当社グループは、上記の事項以外にも、予期せぬ事態によるリスクを負う可能性があり、これらの内容によっては、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は、次のとおりである。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度のわが国経済は、世界経済の回復を背景として企業収益は堅調に推移し、雇用・所得環境の改善、個人消費の持ち直しや設備投資の増加により緩やかな回復基調が続いた。
 このような経済環境の中で、板紙業界においては、段ボール原紙の旺盛な国内需要により、生産量は前年を上回った。
 段ボール業界においては、通販向けが引き続き伸長したほか、食品や電気・機械器具向けをはじめほぼ全ての分野で需要が堅調に推移したことにより、生産量は前年を上回った。
 紙器業界においては、食品向けは好調を維持したものの、ギフト関連需要は縮小傾向が続いており、生産量は前年を下回った。
 軟包装業界においては、食品や日用品向けの底堅い需要に支えられ、生産量は前年を上回った。
 重包装業界においては、農業関連需要の減少により、生産量は前年を下回った。
 以上のような状況のもとで、当社グループは、あらゆる産業の全ての包装ニーズをイノベーションする「ゼネラル・パッケージング・インダストリー」=GPIレンゴーとして、製紙、段ボール、紙器、軟包装、重包装、海外の6つのコア事業を中心に、営業力の強化、積極的な設備投資やM&A等を通じ、業容拡大と収益力向上に鋭意取り組んできた。
 “Less is more.”をキーワードとする、より少ない資源で大きな価値を生むパッケージの開発では、流通現場の業務効率化に貢献するリテールメイトシリーズのラインアップをさらに充実させた。ワンアクションで開封でき、すぐに陳列可能な「レンゴー スマート・ディスプレイ・パッケージング(RSDP)」の機能をより進化させ、ニーズにきめ細かく対応するとともに、野菜や果物、農産加工品などを陳列する販売台として手軽に設営できる「マルシェ キット」を新たにシリーズに加えた。さらに、段ボール箱の寸法を自動的に測定し天面をカットする包装システム「ZIZAI」を開発し、開封作業の自動化により物流センターの人手不足に対応するなど、社会的課題の解決も念頭に、革新的な製品の開発と積極的なプロモーションにより受注の拡大に努めた。
 また、段ボール原紙の主原料である古紙の高騰や、燃料、補助材料、物流経費等の上昇に対し、徹底したコストダウンにより製品価格の維持に努めてきたが、当社単独の努力では抗し難い状況となったため、段ボール原紙をはじめとする板紙製品、段ボール製品の価格改定に取り組み、一定の成果をあげた。
 2018年8月、三和段ボール株式会社(高知県高知市)を子会社化したほか、9月には、凸版印刷株式会社の子会社トッパンコンテナー株式会社の株式を60%取得して子会社化(新社名:レンゴー・トッパンコンテナー株式会社(埼玉県川口市))し、段ボール事業を拡充した。また、同月、山陽自動車運送株式会社(大阪府東大阪市)が、京都支店を京都府八幡市に移転拡張し、集配業務と運行配車を効率化した。さらに、11月には、朋和産業株式会社(千葉県船橋市)が習志野工場において新工場棟を増設し、伸長の続く軟包装需要に応える体制を整えた。

 

海外においては、トライウォール社(香港)が、2018年4月に米国、10月には英国にて、それぞれ重量物包装資材メーカーを子会社化したほか、2019年2月には、トルコとメキシコに子会社を設立するなど、世界各地において重量物包装事業の充実を図った。

この結果、当連結会計年度の売上高は653,107百万円(前期比7.8%増)、営業利益は25,292百万円(同48.1%増)、経常利益は27,454百万円(同18.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は17,163百万円(同3.3%増)となった。主な内容は次のとおりである。

売上高については、販売量の増加に加え、製品価格の改定や、連結子会社が増加したことにより増収となった。
 営業利益については、原燃料価格の上昇や固定費の増加はあるものの、製品価格の改定や販売量の増加が寄与し、増益となった。
 経常利益については、前期に持分法適用関連会社である鴻興印刷集団有限公司において計上した子会社株式売却益がなくなり、持分法による投資利益が減少したが、営業利益の増益がそれを上回り増益となった。
 親会社株主に帰属する当期純利益については、特別利益の減少はあるものの、経常利益の増益がそれを上回り増益となった。

当連結会計年度の売上高経常利益率については、4.2%と目標を0.8%下回った。これは主に、原燃料価格の上昇等によるものであるが、2020年3月期以降は2018年から取り組んできた製品価格の改定寄与や提案型営業の推進により、収益拡大を図っている。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりである。

 

[板紙・紙加工関連事業]
 板紙・紙加工関連事業については、原燃料価格の上昇や固定費の増加はあるものの、連結子会社が増加したことに加えて、製品価格の改定や販売量の増加により、増収増益となった。

この結果、当セグメントの売上高は431,927百万円(同8.8%増)、営業利益は15,591百万円(同117.9%増)となった。
 
 主要製品の生産量は、次のとおりである。
 (板紙製品)
 板紙製品については、堅調な需要を背景に、生産量は2,497千t(同1.8%増)となった。
 (段ボール製品)
 段ボール製品については、通販向けを中心に販売量が増加したことにより、生産量は段ボール4,231百万㎡(同4.6%増)、段ボール箱3,434百万㎡(同5.7%増)となった。
 

[軟包装関連事業]
 軟包装関連事業については、コンビニエンスストア向けを中心に需要は増加したものの、原料価格の上昇や固定費の増加により、増収減益となった。
 この結果、当セグメントの売上高は73,079百万円(同7.0%増)、営業利益は1,917百万円(同48.5%減)となった。
 

 

[重包装関連事業]
 重包装関連事業については、樹脂製品の販売量は増加したものの、原料価格の上昇等により、増収減益となった。
 この結果、当セグメントの売上高は40,871百万円(同4.1%増)、営業利益は1,647百万円(同9.4%減)となった。
 

[海外関連事業]
 海外関連事業については、連結子会社が増加したことに加えて、段ボール事業や重量物包装事業が堅調に推移したことにより、増収増益となった。

  この結果、当セグメントの売上高は73,271百万円(同9.0%増)、営業利益は3,395百万円(同47.5%増)となった。

 

[その他の事業]
 その他の事業については、運送事業の採算改善等により、増収増益となった。
  この結果、当セグメントの売上高は33,957百万円(同0.5%増)、営業利益は2,528百万円(同30.9%増)となった。

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりである。

 

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。

 

セグメントの名称

生産高

前期比(%)

板紙・紙加工関連事業

 

 

板紙(千t)

2,497

101.8

段ボール(百万㎡)

4,231

104.6

段ボール箱(百万㎡)

3,434

105.7

海外関連事業

 

 

段ボール(百万㎡)

269

87.3

段ボール箱(百万㎡)

241

86.4

 

 

② 受注実績

当社グループにおいては、紙器機械等一部の事業で受注生産を行っているが、その重要性が乏しいため記載を省略している。
 その他の製品については、見込み生産を行っているか、受注生産であっても生産と販売の関連において製品の回転が極めて速く、月末(または期末)における受注残高が少ないため、記載を省略している。

 

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

板紙・紙加工関連事業

431,927

108.8

軟包装関連事業

73,079

107.0

重包装関連事業

40,871

104.1

海外関連事業

73,271

109.0

その他の事業

33,957

100.5

合計

653,107

107.8

 

(注)  上記の金額には消費税等は含まれていない。

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末の総資産は、主に売上債権の増加により、769,355百万円となり、前連結会計年度末に比べ21,655百万円増加した。
 負債は、主に仕入債務の増加により、494,658百万円となり、前連結会計年度末に比べ9,539百万円増加した。

純資産は、為替換算調整勘定の減少はあったが、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加により、274,697百万円となり、前連結会計年度末に比べ12,116百万円増加した。
 この結果、自己資本比率は34.3%となり、前連結会計年度末に比べ0.2ポイント上昇した。また、1株当たり純資産額は1,066円07銭となった。

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は29,604百万円となり、前連結会計年度末の残高と比べ2,661百万円(9.9%)増加した。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりである。

営業活動による資金の増加額は50,857百万円(前連結会計年度に比べ19,608百万円(62.7%)の収入の増加)となった。主な内訳は、減価償却費32,259百万円である。

投資活動による資金の減少額は38,685百万円(前連結会計年度に比べ10,027百万円(35.0%)の支出の増加)となった。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出38,291百万円である。 

財務活動による資金の減少額は9,412百万円(前連結会計年度に比べ6,230百万円(195.8%)の支出の増加)となった。主な内訳は、長短借入金の純減額8,527百万円、社債の発行による収入10,000百万円、社債の償還による支出5,025百万円、配当金の支払額2,971百万円、リース債務の返済による支出2,142百万円である。

 

 

資本の財源および資金の流動性について、当社グループは、資金調達については銀行借入および社債発行により行っている。また、キャッシュマネジメントサービスを国内子会社に導入しており、グループ全体における効率的な資金活用による有利子負債の削減と金融収支の改善を図っている。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項なし。

 

 

5 【研究開発活動】

当社中央研究所において、製紙、段ボール、紙器、軟包装および機能材の各事業とその周辺領域に研究開発の中心を置き、地球環境に配慮した独創的で付加価値の高い新商品と新技術の開発を進めている。また、当社研究・技術開発部門パッケージング技術開発本部および包装システム開発部において、紙器機械の開発・改良を進めている。さらに、情報システム本部において、新規の情報技術の開発を進めている。
 日本マタイ株式会社では国内の重包装関連事業において、江蘇中金瑪泰医薬包装有限公司では海外の軟包装関連事業において、それぞれ安全・環境への配慮と市場の要求に沿って、新製品の開発および品質改良を行っている。
 当社グループでの研究開発費の総額は1,531百万円である。
 

(1) 板紙・紙加工関連事業

当社において、段ボール原紙の薄物化に伴う紙力増強や品質向上に関する技術開発、⊿(デルタ)フルート段ボール、段ボール貼合糊を中心とした省エネ・省資源生産技術の開発、リサイクル可能な機能性段ボールを活用した青果物長期輸送技術の開発等、品質向上、生産性向上、省エネ・省資源、コストダウンおよび製品の高付加価値化を目指して研究開発を進めており、順次、実用化を果たしている。
 また当社で使用する紙器機械について、他社にない独自の機械装置・システムの開発を通じて、品質・生産性向上、省力・省エネ、作業環境の改善等に取り組んでいる。当連結会計年度において注力したのは、検査装置としては、生産効率の高いロータリーダイカッタにて抜きズレ検査と全面印刷検査を行う検査装置の開発である。管理装置としては、製函機の稼働を電子チャート方式で管理するRen-Chartの全国展開である。生産性向上設備としては、単体印刷機でシートを積層するシートスタッカにて、印刷機本機の能力を100%活用できる独自設計のシートスタッカの開発である。省エネ設備としては、コンプレッサの台数制御と分散設置を組み合わせた消費電力の削減である。

さらに、当社はレンゴーロジスティクス株式会社の運営する八潮流通センターにおいて、AI技術を活用した製品荷揃え計画・トラック誘導に関するシステムの開発を完了し、運用を開始した。
 当事業にかかる研究開発費は880百万円である。

 

(2) 軟包装関連事業

当社において、飲料用ロールラベルおよびロールオンシュリンクラベルを展開しており、バリアブル印刷や環境対応ラベルなど多様化するニーズに対応した研究開発を進めている。また、世界的レベルの新たな課題である海洋マイクロプラスチック問題に対処するため、当社で生産しているセロファンを有効活用した商品開発にも注力している。さらに、石油系資源の使用量削減という観点から、包装フィルムの薄肉化や機能性向上を目指した研究開発も進めている。

当事業にかかる研究開発費は66百万円である。

 

 

(3) 重包装関連事業

日本マタイ株式会社において、機能性フィルム、樹脂加工品および重包装製品の開発を行っている。
 重包装製品については、環境問題に対応した生分解性プラスチックによる重袋製品、包材フィルムの開発活動を強化している。
 機能性フィルム、樹脂加工品においては、屋外用保護フィルムを中心とした高付加価値製品群の拡充、環境に配慮した無溶剤型の粘着保護フィルムの拡充を図っているほか、電子部品搬送用包装材では国内トップシェアを維持し、さらなる発展を見据えた新製品開発および品質改良も進めている。

当事業にかかる研究開発費は319百万円である。

 

(4) 海外関連事業

江蘇中金瑪泰医薬包装有限公司において、主力事業である医薬品向けPTP包装用アルミフィルムの水溶性接着剤の実用化に向けた開発およびSP包装用ノンソルラミネート品の製造確立に向けた開発など環境対応型製品の開発を進めている。また、製薬メーカー各社からの要望内容に沿った医薬用包装材料の開発およびリチウム電池用包装材料の顧客評価に基づく改善などを進めている。

当事業にかかる研究開発費は39百万円である。

 

(5) その他の事業

当社において、木材の主成分であるセルロースを素材とする多孔性ビーズ「ビスコパール」、カラシ・ワサビ成分を用いた天然系抗菌防カビ剤「ワサヴェール」「ワサエース」、合成ゼオライトを複合化した高機能パルプ「セルガイア」など、これまでに開発してきた環境と機能を両立した素材を応用した研究開発に取り組んでいる。セルガイアについては、抗菌・消臭機能を利用したディスポーザブルマスク、業務用抗菌キッチンクロス、台所用水切りゴミ袋および業務用加湿フィルターが引き続き好調である。2019年度は、最近大きく注目されているプラスチックの環境に対する影響や、持続可能な開発に対する社会的要求の高まりなどを背景とし、当社が有するセロファン製造技術から応用した100%天然木材パルプ由来の機能性素材であるセルロースナノファイバーやセルロースビーズの開発も加速し、早期の事業化を目指している。希土類不使用型新規蛍光体「ガイアフォトン」は、引き続き素材の特性を活かした用途開発に注力し、LED照明用蛍光体や偽造防止技術としての展開を目指している。
 また、当社は急速に拡大する通販市場向けの包装機械のラインアップ化に取り組んできた。当連結会計年度の通販向け包装機械の販売実績は、人手不足の解消と配送料の削減・輸送効率の向上を目的として、前連結会計年度に続き順調に需要があり、I-Pack12台(前連結会計年度は17台)、e-cube5台(同7台)、ジェミニ関係11台(同1台)合計28台の納入実績となっている。
 当社の高さ可変システムのバリエーションは、通販業界での認知度も非常に上がっており、包装関連は当社に問い合わせる気運になりつつある。また現在、高さ可変のみならず、三辺長を商品に合わせて自動可変する設備開発に取り組んでいる。

当事業にかかる研究開発費は226百万円である。