文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2022年3月31日)現在において当社グループが判断したものである。
(1) 企業集団の経営戦略
当社は、1909年の創業以来、わが国における段ボール産業のパイオニアとしての誇りと、業界のトップメーカーとしての地位を保ちながら、広くユーザーを開拓し、技術力を高め、新しい需要を創造し続けてきた。
現在、当社グループの事業領域は、板紙から段ボールまでの強固な一貫生産体制に、紙器や軟包装、重包装が加わり、国内外で多様なパッケージング・ソリューションを生み出している。当社グループは、高い倫理観と公正な経営姿勢をもって経営資源を効率的に活用のうえ、収益力の向上と企業価値の極大化に努め、株主・取引先・従業員・地域社会などさまざまなステークホルダーとの良好な関係を構築し、あわせて適正かつ魅力ある還元を行うことにより広く社会に貢献していきたいと考えている。
同時に、地球環境保護の観点より企業レベルでの対応が要求されている環境経営についても、全社的な取組みを行っている。
当社グループが目標とすべき重要な経営指標は次のとおりである。
・売上高経常利益率: 6%以上
・D/Eレシオ : 1.5倍以下
なお、当連結会計年度においては、売上高経常利益率4.9%、D/Eレシオ1.0倍である。
当社グループは、「製紙」「段ボール」「紙器」「軟包装」「重包装」「海外」の6つのコア事業を中心に多彩な事業を展開し、包装全般にわたり幅広くソリューションを提供してきた。今後も、たゆまぬ意識改革とイノベーションを通じて、産業全般に積極的に働きかける提案型の企業集団「ゼネラル・パッケージング・インダストリー」=GPIレンゴーを目指していく。また、当社グループは、コア事業および周辺事業において、ユーザーオリエンテッド(顧客志向)を基本方針とし、より高い品質とサービスを提供することによる顧客満足度の向上に努め、持続的な成長を図っていく。
製紙事業については、2018年3月に淀川工場を閉鎖し、当社グループの段ボール原紙生産拠点を5つに集約して生産体制を再構築した。引き続き、需要に見合った供給体制の維持に努めるとともに、生産性の向上、コスト削減、新製品の開発に、継続的に取り組んでいる。
段ボール事業については、グループ全体での営業力の強化、最適な生産体制の構築を進めている。また、お客様のニーズにお応えする「提案型営業」へ積極的に取り組み、競争力向上に努めている。流通現場における業務効率化に貢献する「レンゴー スマート・ディスプレイ・パッケージング(RSDP)」のラインアップを充実させるとともに、わが国初となるプレプリント・デジタル印刷機を導入し、高精細で可変印刷が可能なプロモーションツールとして、これまでにない段ボールの世界を拓く「デジパケ」の販売を推進する。
紙器事業については、求められる機能に対応する最適なパッケージを提供するとともに、これまで蓄積してきた知識、技術を集結して、新時代のパッケージづくりを追求していく。
軟包装事業については、当社子会社である朋和産業株式会社を中心に展開している。お客様の要望にお応えできる高機能な製品を、最新の設備で提供し、当社グループの軟包装事業のさらなる競争力と収益基盤の強化を図っていく。
重包装事業については、当社子会社である日本マタイ株式会社を中心に展開している。当社グループにおける相乗効果を追求すると同時に、お客様の商品の価値を高める重包装製品を提供し続けるために、社会の変化に対応する技術革新に取り組んでいく。
海外事業については、今後の成長分野として事業の拡大を図ると同時に、「選択と集中」による経営資源の有効活用を目指した施策にも、積極的に取り組んでいく。中国・東南アジアでの事業展開を強化するとともに、当社グループが近年まで未進出であった欧州や北米等の地域についても、トライウォールグループを通じて新しい展開を推進する。
当社グループは、各コア事業と周辺事業の総力を結集し、お客様の包装に関わるプロセス全体に対して、最適なソリューションを提供することにより、企業価値の向上に取り組んでいく。
また、環境負荷の低減、社会貢献活動への取組みといった、企業が果たすべき社会的責任についても積極的に遂行し、さまざまなステークホルダーの信用と信頼に足る企業グループとなるべく、鋭意努力していく。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
今後のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の先行きが今なお不透明な状況にあるが、感染対策に万全を期し社会経済活動を継続する中で景気が持ち直していくことが期待される一方で、ウクライナ情勢の展開如何によってはさらなる資源高による交易条件の悪化が、エネルギーや諸資材価格の一段の上昇を招き、景気の下振れリスクとなる可能性がある。
このような状況のもと、揺るぎない経営基盤を構築するために、以下の課題に対し、グループ全体で取り組んでいく考えである。
① 製品の適正価格の維持
当社グループは、板紙、段ボール、紙器、軟包装、重包装など、それぞれの製品において、継続的なコスト削減努力や製品の品質向上、安定供給の取組みと同時に、需要に見合った生産および設備能力の実現を目指し、再生産可能な適正価格水準の維持に尽力する。
② 環境問題への取組みの強化
当社グループは、地球環境の保全に配慮した経営を実践することが、企業の持続的発展には不可欠であるという認識に立ち、全力をあげて環境保全活動に継続的に取り組んでいく。
また、環境負荷の小さい製品の研究・開発および設計に努め、環境配慮製品を提案・推進していく。
③ コスト競争力の強化
製造コストおよび物流コストの低減や生産性の向上については、産業界全般にわたる課題でもある全要素生産性(TFP:Total Factor Productivity)改善の観点を踏まえ、従来からの取組みに加え、新たな発想で諸問題を創造的に解決するためのプロジェクトチームを必要に応じ発足させ、活動している。
④ グループ経営の強化
コア事業、その他周辺事業ともに、当社各事業部門を軸とし、グループ各社との連携強化へ向けての取組みを加速していく。その一環として、「グループ経営会議」と、その分科会である「営業戦略部会」および「財務戦略部会」を設置し、情報と戦略の共有を図り、グループ全体の業容の拡大とともに、財務体質の改善に取り組んでいく。
⑤ 海外事業の拡大と収益向上
今後の成長に向けた原動力として、新たな海外への事業展開を検討していく。また、既存の海外事業においては、これまで培ってきた国内外でのネットワークの有効活用による日系企業、多国籍企業との取引拡大、および現地化を推進するとともに、「選択と集中」をキーワードとして、経営資源の配分を見直し、収益の向上を図っていく。あわせて、グローバルなフィールドに対応した人材育成に取り組んでいく。
⑥ DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進
当社グループは、最新のデジタル技術を活用し、製造・物流・営業・管理の各方面で、業務の効率化、新たな付加価値の創造、働き方改革への対応を進めていく。代表取締役社長を委員長とする「DX推進検討委員会」を設置し、全社ビジネスの各フェーズのデジタル化を俯瞰的、横断的に検討し事業プロセスの進化を図る。同時に、情報セキュリティ対策の強化やDX人材育成にも取り組んでいく。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりである。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2022年3月31日)現在において当社グループが判断したものである。
(1) 製品需要、市況動向
当社グループの主力製品である板紙、段ボール製品は、国内の景気動向の影響を大きく受ける。景気後退による需要の減少、競争の激化等による市況の悪化要因により、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
これらに対し当社グループでは、安定した需要が見込まれる食品向けの受注に加えて、特定業種における需要の減少等の影響を相対的に低減させるべく、幅広い業種の取引先と良好な関係を構築するよう努めるとともに、より付加価値の高いパッケージづくりを通じて、提案型営業を推進することで競争力を高め、リスクの最小化に努めている。
(2) 原燃料価格
当社グループの主要原材料である段ボール古紙の価格は、中国をはじめとするアジア地域における需要動向の影響を受ける。国内における需給バランスに変動が生じた場合には、購入価格の上昇によるコスト増加要因となり、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループにおいては、主に都市ガス、LNG、重油、石炭を燃料として利用している。これらの価格は、国際商品市況の影響を受けるため、市況が上昇した場合には、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
これらに対し当社グループでは、生産性の向上や省資源・省エネルギーに資する設備投資等の実施によって原単位の改善、燃料の多様化に取り組み、リスクの最小化に努めている。
(3) 自然災害、疫病
当社グループの製造拠点等が、大規模な地震、台風等の自然災害によって多大な被害を受けた場合、事業活動の中断等により、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
また、大規模感染症の流行等によって当社グループの事業活動が中断等を余儀なくされた場合、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
これらに対し当社グループでは、特定の事業所において事業活動の中断等が起こった場合は、全国に展開している製造拠点から製品の供給が行えるよう、供給責任を果たす体制の構築に努めている。
(4) 海外事業
当社グループは、中国、東南アジア並びにヨーロッパを成長市場と位置づけ、板紙・紙加工関連 事業、軟包装関連事業、重包装関連事業を展開している。海外進出に対し、当社グループは、リスクを十分に検討したうえで投資の意思決定を行っているが、海外における事業活動については、為替変動リスク、自然災害・疫病等のリスクあるいは国ごとにさまざまな経済的、政治的リスクが存在しており、これらの顕在化により、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
これらに対し当社グループでは、早期に適切な対応が取れるよう、グループ各社や当社の担当部門が適時に情報の収集および共有をし、リスクの最小化に努めている。
なお、当連結会計年度の当社グループの海外売上比率は16.6%である。
(5) 金利の変動
当社グループの有利子負債は、当連結会計年度末現在において353,415百万円である。有利子負債については、削減に鋭意取り組んでいるが、金利変動リスクを有しているため、市場金利が上昇した場合には、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
(6) 株価の変動
当社グループは、取引先を中心に株式を保有しているが、市場性のある株式においては、各種要因による株価の下落により、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループにおける年金資産は、株価水準の影響を受けるため、退職給付費用に変動が生じる。
(7) 為替の変動
当社グループは、製品、原材料および燃料の輸出入取引において、為替変動の影響を受けることがあり、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
(8) 事業再構築
当社グループは、企業価値の増大に向けて事業の選択と集中に取り組んでおり、この過程における一時損失が発生し、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
(9) 訴訟
当社グループは、国内外で継続して事業活動を行う過程において、知的財産関連、環境関連等の訴訟を提起されるリスクを負っており、訴訟の内容によっては、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
これらに対し当社グループでは、法令順守等のコンプライアンス経営に努めており、役員、従業員のコンプライアンス意識向上のために階層別に研修・教育を実施し、リスクの最小化に努めている。
(10) 新型コロナウイルス感染症
新型コロナウイルス感染症による社会経済活動の停滞が継続した場合、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループは、「レンゴーグループ新型コロナウイルス感染症統合対策本部」を立ち上げ、働く者の安全と健康を確保し、社会の一員として感染症拡大防止に最大限努めるとともに、生活必需品を消費者に届けるサポーティングインダストリーとしての供給責任を果たすよう鋭意取り組んでいる。
(11) その他
当社グループは、上記の事項以外にも、予期せぬ事態によるリスクを負う可能性があり、これらの内容によっては、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は、次のとおりである。
当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により依然として厳しい状況が続いたが、感染拡大の防止策が講じられ社会経済活動が正常化に向かう中で、各種政策効果や海外経済の改善もあって、設備投資や企業収益を中心に持ち直しの動きがみられるようになった。その一方で、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻以降は、わが国をはじめ世界経済の先行きに一気に不透明感が増してきた。
このような経済環境の中で、板紙業界においては、景気の持ち直しの動きに支えられ、生産量は前年を上回った。
段ボール業界においては、加工食品や電気・機械器具向けが堅調に推移したほか、通販・宅配など幅広い分野で需要が好調を維持したことにより、生産量は前年を上回った。
紙器業界においては、個人向けの加工食品や薬品などは伸長したが、業務用食品、オフィス関連需要などの減少とともに他素材へのシフトも相まって、生産量は前年を下回った。
軟包装業界においては、脱プラスチックの動きはあるものの、食品関係を中心とする堅調な需要に支えられ、生産量は前年を上回った。
重包装業界においては、食品関連向けは低調に推移したが、石油化学関連の需要回復を受けて、生産量は前年を上回った。
以上のような状況のもとで、当社グループは、あらゆる産業の全ての包装ニーズをイノベーションする「ゼネラル・パッケージング・インダストリー」=GPIレンゴーとして、営業力の強化、積極的な設備投資やM&A等を通じ、業容拡大と収益力向上に鋭意取り組んできた。
また、世界的な原燃料価格の高騰、補助材料や物流経費の大幅な上昇に対し、徹底したコストダウンにより価格の維持に努めてきたが、自社努力だけでは抗し難い状況となったため、2021年9月出荷分からのセロファン、2022年2月出荷分からの段ボール原紙をはじめとする板紙製品ならびに段ボール製品の価格改定を推し進めるとともに、ポリプロピレンフィルム、軟包装製品についても同様に取り組んできた。
2021年8月、2018年3月末に閉鎖した淀川工場の跡地(大阪市福島区)に、段ボール原紙の新たな物流拠点として淀川流通センターを開設し、倉庫管理システムやトラック誘導システムにITを導入するとともに、無人運転のクランプリフトを採用する等により、物流現場の業務改革の推進を図った。あわせて、同センター内に中央研究所を移転、共創をコンセプトに施設を一新することにより研究開発体制を強化した。
9月には、事業再生支援を進めていた大興製紙株式会社(静岡県富士市)を子会社化し、クラフトパルプ、クラフト紙の製造・販売事業に進出した。
また、2022年1月には関東地区において、ホワイト物流の推進を図るべく、段ボール原紙の新たな物流拠点として八潮第二流通センターを開設した。
2月、ヒロパックス株式会社(群馬県高崎市)を子会社化したほか、3月には大津製函株式会社(滋賀県大津市)を子会社化し、関東および京滋地区における段ボール事業を強化した。同じく3月には、製紙機械の設計・開発分野に事業展開する永井鉄工株式会社(兵庫県尼崎市)を子会社化するとともに、軟包装の一貫生産メーカーである株式会社タキガワ・コーポレーション・ジャパン(千葉県船橋市)を含むグループ会社6社を子会社化し国内外において軟包装事業の製造・販売拠点および製品ラインアップを大幅に拡充した。
海外においては、2021年8月、タイ・コンテナーズ・グループ社が、同社の子会社を通じてインドネシアの段ボールメーカーの株式を取得し、同国における段ボール事業の拡充を図った。さらに9月には、ベトナムにおいて、ビナクラフトペーパー社が、同国の旺盛な段ボール需要に対応するため、新たな段ボール原紙生産拠点の建設を決定した。
ESG経営における環境への取組みは、“Less is more.”をキーワードに掲げる当社グループとして最も優先すべき課題であり、2050年のカーボンニュートラル実現に向け、2021年4月に2030年度を達成年度とする環境目標「エコチャレンジ2030」を策定し、さらに8月にはCO2排出量削減目標を「2013年度比46%削減」に引き上げた。
この結果、当連結会計年度の売上高は、746,926百万円(前期比109.7%)、営業利益は33,279百万円(同83.3%)、経常利益は36,641百万円(同84.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益は28,188百万円(同98.6%)となった。主な内容は次のとおりである。
売上高については、加工食品や電気・機械器具向けが堅調に推移したほか、通販・宅配など幅広い分野で需要が好調を維持したことにより増収となった。
営業利益および経常利益については、原燃料価格の上昇や固定費の増加等により減益となり、親会社株主に帰属する当期純利益についても、特別利益に固定資産売却益を計上したことで特別損益の改善はあったものの減益となった。
当連結会計年度の売上高経常利益率については、4.9%と目標を1.1ポイント下回った。これは主に原燃料価格の上昇等によるものであるが、現在、当該コストアップを回収できる適正な水準を維持するべく、製品価格の改定に取り組んでおり、収益拡大を図っている。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりである。
[板紙・紙加工関連事業]
板紙・紙加工関連事業については、販売量の増加により増収となったが、原燃料価格の上昇や固定費の増加により減益となった。
この結果、当セグメントの売上高は448,838百万円(同103.7%)、営業利益は22,657百万円(同79.8%)となった。
主要製品の生産量は、次のとおりである。
(板紙製品)
板紙製品については、景気の持ち直しの動きに支えられ、生産量は2,586千t(同107.2%)となった。
(段ボール製品)
段ボール製品については、食品や通販・宅配向けなどの底堅い需要に加えて、工業製品、電気・機械器具向けが堅調に推移したことにより、生産量は段ボール4,356百万㎡(同102.9%)、段ボール箱3,591百万㎡(同102.9%)となった。
[軟包装関連事業]
軟包装関連事業については、連結子会社の増加により増収となったが、原料価格の上昇により減益となった。
この結果、当セグメントの売上高は93,979百万円(同112.8%)、営業利益は2,064百万円(同51.9%)となった。
[重包装関連事業]
重包装関連事業については、業務用食品関連の需要減および原料価格の上昇等により減収減益となった。
この結果、当セグメントの売上高は42,380百万円(同97.9%)、営業利益は1,621百万円(同77.7%)となった。
[海外関連事業]
海外関連事業については、新型コロナウイルス感染症拡大によって落ち込んだ需要の回復を受けて増収増益となった。
この結果、当セグメントの売上高は126,518百万円(同144.0%)、営業利益は4,880百万円(同146.6%)となった。
[その他の事業]
その他の事業については、貨物量の回復および紙器機械等の需要が持ち直したことにより増収となったが、原燃料価格の上昇等により減益となった。
この結果、当セグメントの売上高は35,210百万円(同104.9%)、営業利益は1,943百万円(同96.1%)となった。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりである。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
当社グループにおいては、紙器機械等一部の事業で受注生産を行っているが、その重要性が乏しいため記載を省略している。
その他の製品については、見込み生産を行っているか、受注生産であっても生産と販売の関連において製品の回転が極めて速く、月末(または期末)における受注残高が少ないため、記載を省略している。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
(注) 当連結会計年度において、海外関連事業の販売実績が著しく増加している。これは、トライウォールグループの業績が寄与したことによるものである。
当連結会計年度末の総資産は、主に受取手形及び売掛金の増加や有形固定資産の増加により934,345百万円となり、前連結会計年度末に比べ64,353百万円増加した。
負債は、主に支払手形及び買掛金の増加や長短借入金の増加により580,056百万円となり、前連結会計年度末に比べ34,527百万円増加した。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加や、為替レート変動に伴う為替換算調整勘定の増加等により354,289百万円となり、前連結会計年度末に比べ29,826百万円増加した。
この結果、自己資本比率は36.6%となり、前連結会計年度末に比べ0.6ポイント上昇した。また、1株当たり純資産額は1,380円74銭となった。
また、D/Eレシオについては1.0倍となり、目標の1.5倍以下を達成している。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は57,835百万円となり、前連結会計年度末の残高と比べ7,736百万円増加した。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりである。
営業活動による資金の増加額は57,893百万円(前連結会計年度に比べ8,107百万円の収入の減少)となった。主な内訳は、税金等調整前当期純利益41,437百万円、減価償却費41,723百万円、法人税等の支払額13,859百万円である。
投資活動による資金の減少額は54,680百万円(前連結会計年度に比べ8,673百万円の支出の増加)となった。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出46,216百万円、関係会社株式の取得による支出12,741百万円である。
財務活動による資金の増加額は1,860百万円(前連結会計年度に比べ9,153百万円の収入の増加)となった。主な内訳は、社債の発行による収入20,000百万円、社債の償還による支出10,302百万円、配当金の支払額5,965百万円である。
資本の財源および資金の流動性について、当社グループは、資金調達については銀行借入および社債発行により行っている。また、キャッシュマネジメントサービスを国内子会社に導入しており、グループ全体における効率的な資金活用による有利子負債の削減と金融収支の改善を図っている。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いているが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性がある。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは第5「経理の状況」 1「連結財務諸表等」「注記事項」 (重要な会計上の見積り)、(追加情報)に記載している。
該当事項なし。
当社中央研究所において、製紙、段ボール、紙器、軟包装および機能材の各事業とその周辺領域に研究開発の中心を置き、地球環境に配慮した独創的で付加価値の高い新商品と新技術の開発を進めている。また、当社パッケージング部門技術開発本部および包装システム開発推進本部において、紙器機械の開発・改良を進めている。さらに、情報システム本部において、新規の情報技術の開発を進めている。
サン・トックス株式会社では軟包装関連事業において、顧客と連携しながら環境に配慮した食品包装用フィルムの新製品開発および品質改良を行っている。
日本マタイ株式会社では国内の重包装関連事業において、江蘇中金瑪泰医薬包装有限公司では海外の軟包装関連事業において、それぞれ安全・環境への配慮と市場の要求に沿って、新製品の開発および品質改良を行っている。
当社グループでの研究開発費の総額は
当社において、段ボール原紙の紙力増強や白板紙の品質向上技術、段ボール貼合接着剤、デジタル印刷の周辺技術、ならびに機能性段ボールの開発を進めており、抗ウイルス段ボール「ウイルスレンガ―ド」や新規耐水糊などの実用化を果たしている。
また当社で使用する紙器機械について、他社にない独自の機械装置・システムの開発を通じて、品質・生産性向上、省力・省エネ、作業環境の改善等に取り組んでいる。当連結会計年度において注力したのは、生産性向上設備としては、高精度ロータリーダイカッタラインを開発中で、石川製作所の所内にてさまざまな実地検証を行っている。検査装置としては、印刷情報・罫線情報など検査に必要な情報が入ったPDFファイルと連携できる検査装置の開発や、以前から運用している印刷検査装置の検査精度の向上である。管理装置としては、次世代コルゲータ管理装置のRYCC-DXを開発した。作業環境の改善としては、引き続き工場の暑さ対策に取り組み、工場の吸排気設備を正常化するととともに、各工場の製造現場に見合った空調設備を水平展開中である。
さらに、当社はデータ活用の観点で、二つの取組を進めている。一つは、製紙工場の各種センサーデータの解析による、マシン改造効果の検証や現場オペレーションを改善する取組みである。二つ目として、紙器、軟包装におけるデザインデータ検版の仕組み作りを行った。
当事業にかかる研究開発費は
当社において、飲料用ロールラベルおよびロールオンシュリンクラベルを展開しており、バリアブル印刷や環境対応ラベルなど多様化するニーズに対応した研究開発を進めている。また、世界的レベルの課題である海洋プラスチック問題に対応するため、当社で生産しているセロファンや紙と生分解性樹脂などを組み合わせた生分解性と高バイオマス度を有するパッケージシリーズ「REBIOS(レビオス)」を開発・上市し、拡販に向けて取り組んでいる。
サン・トックス株式会社において、主に食品包装に使用される二軸延伸ポリプロピレンフィルム製品ならびに無延伸ポリオレフィンフィルム製品の開発を行っている。環境問題(脱プラスチック)に対応するために、化石原料由来プラスチック減容化に向けて、フィルム薄膜化、バイオマス原料を使用したバイオマスフィルム製品の開発を推進し、新規アイテムについて顧客との連携を密にし、継続的に市場投入している。またマスバランス方式でのバイオマスフィルム製品の市場投入に向けて国際持続可能性カーボン認証(ISCC PLUS)を取得した。
当事業にかかる研究開発費は
日本マタイ株式会社において、機能性フィルム、樹脂加工品、ノンソルラミネート製品および重包装製品の開発を行っている。
ノンソルラミネート製品および重包装製品については、環境問題に対応した生分解性プラスチックやバイオマスプラスチックによる軽包装材料や紙製品の開発、環境配慮型等の機能性防草シートなどの開発活動を強化している。
また、機能性フィルムおよび樹脂加工品においては、自動車用ペイントプロテクションフィルム向けTPUフィルム基材およびその応用展開や加飾成型用のバッキングシートを展開し、さらなる高付加価値製品の拡充やそれを応用した他機能製品の開発活動を強化している。
当事業にかかる研究開発費は
江蘇中金瑪泰医薬包装有限公司において、主力事業である医薬品向けPTP包装用アルミフィルムの水溶性接着剤の実用化に向けた生産工程の研究およびアルミ厚みの薄箔化に向けた包材構成の研究など環境対応型製品を継続して研究している。また、製薬メーカー各社から要望される医療医薬用包装材料の課題に対して研究開発を進めている。
当事業にかかる研究開発費は
当社において、木材の主成分であるセルロースを素材とする球状粒子「ビスコパール」、カラシ・ワサビ成分を用いた天然系抗菌防カビ剤「ワサヴェール」、パルプ繊維内部でゼオライトを高密度に結晶化させた高機能繊維「セルガイア」など、これまでに開発してきた環境と機能を両立した素材を応用した商品開発に取り組んでいる。「ビスコパール」はセロファンとともに海洋生分解性の国際認証「OK biodegradable MARINE」を取得し、海洋プラスチック問題に貢献するマイクロプラスチックビース代替素材として注目されている。さらなる用途拡大を図るべく、研究開発を進め小粒径の「ビスコパール」の製造技術を開発し、年間120tを生産するプラント設備を環境省補助事業として導入し、稼働を開始している。また、当社が有するセロファン製造技術を応用した木材パルプ由来の機能性素材であるセルロースナノファイバー「RCNF」の事業化を目指し、製造実証を進めている。
さらに、新型コロナウイルス感染症の影響もあり通販市場は伸長している。多くのユーザーが通販を活用した拡販に取り組んでおり、当社はそのニーズに対応するため多種多様の包装機械を市場に提供してきた。中でも商品寸法に合わせて長×幅×高さを可変し箱を成形する「パルミラ」は納入ユーザーにも高い評価を受けている。また昨今、宅配業者が手渡しせず、置き配や宅配ボックスに入れる動きが広がっている。当社は各家庭のポストにダイレクトで入れられる「スマートポストイン」ケースを開発し、同時にポストイン用薄型サイズ包装機の製作販売を開始した。製函部と封函部の組み合わせにより、その間で製品をインケースする作業は人手でも自動でも可能なレイアウトとした。
流通においては、ボックスストア型ケースNSDシリーズのバリエーションを拡大した。
軽量物はNSD2、中・重量物はNSD3-Tで賄えるが、中量物が主となるユーザーではNSD3-Tがオーバースペックになり得るため、この領域に対応するNSD2-T、NSD3形態を開発しその兼用型包装機の製作に着手した。現在テスト運転を完了し、デモンストレーションの準備を整えている。
当事業にかかる研究開発費は