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連結財務諸表注記「(重要な会計上の見積り)固定資産の減損損失の認識の要否」に記載のとおり、レンゴー株式会社の連結貸借対照表において、海外関連事業に属する無錫聯合包装有限公司の固定資産は5,703百万円が計上されている。
これらの固定資産は規則的に減価償却されるが、減損の兆候があると認められる場合には、資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額と帳簿価額を比較することによって、減損損失の認識の要否を判定する必要がある。その結果、減損損失の認識が必要と判定された場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、帳簿価額の減少額は減損損失として認識される。
無錫聯合包装有限公司については、販売数量の減少等により継続的に営業損益がマイナスとなっていることから、減損の兆候が認められる。このため、当連結会計年度において減損損失の認識の要否の判定が行われている。当該判定に用いられる将来キャッシュ・フローの見積りは、経営者が作成した事業計画を基礎として行われるが、販売数量増加等の計画の見積りには不確実性を伴い、これらの経営者による判断が将来キャッシュ・フローの見積りに重要な影響を及ぼす。
以上から、当監査法人は無錫聯合包装有限公司の固定資産の減損損失の認識要否に関する判断の妥当性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 |
当監査法人は、無錫聯合包装有限公司の固定資産の減損損失の認識要否に関する判断の妥当性を検討するにあたり、主に以下の監査手続を実施した。
(1) 内部統制の評価
固定資産の減損損失の認識要否の判定に関連する内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。
(2) 割引前将来キャッシュ・フローの見積りの合理性の評価
将来キャッシュ・フローの見積りの基礎となるRGコンテナー株式会社の事業計画の作成に当たって採用された主要な仮定の適切性を評価するため、その根拠について経営者に対して質問したほか、主に以下の手続を実施した。
● 過年度の事業計画とその実績との比較により、過年度の見積りの精度を評価した。
● 販売数量増加に関する仮定について、得意先別の販売数量計画を閲覧し、直近の販売数量の実績と比較するとともに、利用可能な市場環境に関する外部情報の閲覧により、その達成可能性を評価した。
● 事業計画に一定の不確実性を織り込んだ場合の将来キャッシュ・フローを独自に見積もり、経営者による見積額と比較した。 |