第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2026年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 企業集団の経営戦略
  当社は、1909年の創業以来、わが国における段ボール産業のパイオニアとしての誇りと、業界のトップメーカーとしての地位を保ちながら、広くユーザーを開拓し、技術力を高め、新しい需要を創造し続けてきました。
 現在、当社グループの事業領域は、板紙から段ボールまでの強固な一貫生産体制に、紙器や軟包装、重包装が加わり、国内外で多様なパッケージング・ソリューションを生み出しております。当社グループは、高い倫理観と公正な経営姿勢をもって経営資源を効率的に活用のうえ、収益力の向上と企業価値の極大化に努め、株主・取引先・従業員・地域社会などさまざまなステークホルダーとの良好な関係を構築し、あわせて適正かつ魅力ある還元を行うことにより広く社会に貢献していきたいと考えております。
 同時に、環境および社会に配慮した企業活動を通じて、事業の持続可能性を高めていくサステナビリティ経営についても、全社的な取組みを行っております。

当社グループは、「製紙」「段ボール」「紙器」「軟包装」「重包装」「海外」の6つのコア事業を中心に多彩な事業を展開し、包装全般にわたり幅広くソリューションを提供してきました。今後も、たゆまぬ意識改革とイノベーションを通じて、産業全般に積極的に働きかける提案型の企業集団「ゼネラル・パッケージング・インダストリー」=GPIレンゴーを目指してまいります。また、当社グループは、コア事業および周辺事業において、ユーザーオリエンテッド(顧客志向)を基本方針とし、より高い品質とサービスを提供することによる顧客満足度の向上に努め、持続的な成長を図ってまいります。 
 製紙事業については、需要に見合った供給体制の維持に努めるとともに、生産性の向上、コスト削減、新製品の開発に、継続的に取り組んでおります。

段ボール事業については、グループ全体での営業力の強化、最適な生産体制の構築を進めております。また、お客様のニーズにお応えする「提案型営業」へ積極的に取り組み、競争力向上に努めております。
 紙器事業については、求められる機能に対応する最適なパッケージを提供するとともに、これまで蓄積してきた知識、技術を集結して、新時代のパッケージづくりを追求してまいります。
 軟包装事業については、当社子会社である朋和産業株式会社およびアールエム東セロ株式会社を中心に展開しております。お客様の要望にお応えできる高機能な製品を、最新の設備で提供し、当社グループの軟包装事業のさらなる競争力と収益基盤の強化を図ってまいります。

 

重包装事業については、当社子会社である日本マタイ株式会社を中心に展開しております。当社グループにおける相乗効果を追求すると同時に、お客様の商品の価値を高める重包装製品を提供し続けるために、社会の変化に対応する技術革新に取り組んでまいります。
 海外事業については、今後の成長分野として事業の拡大を図ると同時に、「選択と集中」による経営資源の有効活用を目指した施策にも、積極的に取り組んでまいります。中国・東南アジアでの事業展開を強化するとともに、当社グループが近年拠点を拡充しているインド、ヨーロッパおよび北米等の地域についても、主としてトライウォールグループを通じて新しい展開を推進してまいります。
 当社グループは、各コア事業と周辺事業の総力を結集し、お客様の包装に関わるプロセス全体に対して、最適なソリューションを提供することにより、企業価値の向上に取り組んでまいります。
 また、環境負荷の低減、社会貢献活動への取組みといった、企業が果たすべき社会的責任についても積極的に遂行し、さまざまなステークホルダーの信用と信頼に足る企業グループとなるべく、鋭意努力してまいります。

 

以上の経営戦略を踏まえて、当社は中期の経営指針として、2026年3月期から創業120周年にあたる2030年3月期までの5カ年を対象期間とするレンゴーグループ中期ビジョン「Vision120(ビジョンイチニーマル)」を策定し、より強固な価値創出基盤の確立に向けてグループ一丸となって取り組んでおります。Vision120においては、「人本主義(人間中心主義)」および「Less is more.」を引き続き企業経営の基礎に据え、これまで着実に築き上げてきた事業規模を活かして、業容の質的向上を図ってまいります。

当社グループが2030年3月期に目標とすべき重要な経営指標は次のとおりであります。

・売上高          :1兆2,000億円

・経常利益         :720億円

・ROE(自己資本利益率)  :8.5%

・D/Eレシオ       :0.7倍

なお、当連結会計年度においては、売上高1,008,337百万円、経常利益37,419百万円、ROE 4.4%、D/Eレシオ 1.0倍であります。

「Vision120」の詳細につきましては、当社ウェブサイトで開示しております。

 
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
 今後のわが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種の政策効果が緩やかな回復を支えることが期待される一方で、世界経済の不透明感が高まっており、中東情勢や金融資本市場の変動、米国の政策動向による影響等に留意する必要があります。

このような状況のもと、揺るぎない経営基盤を構築するために、以下の課題に対し、グループ全体で取り組んでいく考えであります。
 

 

① 製品の適正価格の維持
 当社グループは、板紙、段ボール、紙器、軟包装、重包装など、それぞれの製品において、継続的なコスト削減努力や製品の品質向上、安定供給の取組みと同時に、需要に見合った生産および設備能力の実現を目指し、再生産可能な適正価格水準の維持に尽力してまいります。

 

② 環境問題への取組みの強化
 当社グループは、地球環境の保全に配慮した経営を実践することが、企業の持続的発展には不可欠であるという認識に立ち、全力をあげて環境保全活動に継続的に取り組んでまいります。
 また、環境負荷の小さい製品の研究・開発および設計に努め、環境配慮製品を提案・推進してまいります。

 

③ コスト競争力の強化
 製造コストおよび物流コストの低減や生産性の向上については、産業界全般にわたる課題でもある全要素生産性(TFP:Total Factor Productivity)改善の観点を踏まえ、従来からの取組みに加え、新たな発想で諸問題を創造的に解決するためのプロジェクトチームを必要に応じ発足させ、活動しております。
 
④ グループ経営の強化
 コア事業、その他周辺事業ともに、当社各事業部門を軸とし、グループ各社との連携強化へ向けての取組みを加速してまいります。その一環として、「グループ経営会議」と、その分科会である「営業戦略部会」および「財務戦略部会」を設置し、情報と戦略の共有を図り、グループ全体の業容の拡大とともに、財務体質の改善に取り組んでまいります。
 
⑤ 海外事業の拡大と収益向上
 今後の成長に向けた原動力として、新たな海外への事業展開を検討してまいります。また、既存の海外事業においては、これまで培ってきた国内外でのネットワークの有効活用による日系企業、多国籍企業との取引拡大、および現地化を推進するとともに、「選択と集中」をキーワードとして、経営資源の配分を見直し、収益の向上を図ってまいります。あわせて、グローバルなフィールドに対応した人材育成に取り組んでまいります。

 

⑥ DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進

 当社グループは、最新のデジタル技術を活用し、製造・物流・営業・管理の各方面で、業務の効率化、新たな付加価値の創造、働き方改革への対応を進めてまいります。代表取締役社長を委員長とする「DX推進検討委員会」を設置し、全社ビジネスの各フェーズのデジタル化を俯瞰的、横断的に検討し事業プロセスの進化を図ります。同時に、情報セキュリティ対策の強化やDX人材育成にも取り組んでまいります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2026年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) サステナビリティについてのガバナンス

当社グループは、気候変動などの地球環境問題、人権の尊重、従業員の健康・安全、公正・適正な取引、自然災害等への危機管理など、サステナビリティを巡る課題への対応は、リスクの減少のみならず収益機会にもつながる重要な経営課題であると認識しており、これらの課題に積極的に取り組んでおります

あわせて、経営品質の向上と将来のリスクの低減あるいは回避などを目的に、代表取締役会長を委員長とするCSR委員会を設置し、コンプライアンス、環境、災害、品質、情報等に係るリスク管理については、各担当部門およびCSR委員会の下部組織である倫理、環境、安全衛生、CS(顧客満足)、広報、情報セキュリティの6つの委員会が協力して、社内規程の制定、マニュアルの作成等を行うとともに、グループ全体の状況の監視を行っております

取締役会は、これらの取組み状況について、各部門を管掌または担当する取締役および各委員会の委員長から報告を受けるとともに、必要に応じて改善策等を審議、決定しております

 

  コーポレートガバナンス体制図(2026年6月25日)


  ※上記の図表は、有価証券報告書提出日現在の状況を表示しております。

当社は、2026年6月26日開催予定の第158回定時株主総会の議案(決議事項)として「取締役10名選任の件」および「監査役1名選任の件」を提案しておりますが、当該議案が原案どおり承認可決された場合の状況は上記と同様であります。

 

(2) マテリアリティ(重要課題)とそ取組

当社は、当社グループが取り組む重要課題をマテリアリティとして特定し、ステークホルダーに対して当社の戦略とその重要性を明確に伝えるため、2023年6月にその内容を開示しました。

さらに、変化する経営環境や社会的要請に対応するため、2025年3月にマテリアリティの改定を実施しました。

改定版では、当社グループのマテリアリティを「パッケージプロバイダー」としての新たな価値創出、地球環境との共生、人を中心におく経営、持続的成長に向けた経営基盤の強化の4つとし、これらの実現に向けた14項目の取組みテーマと中期目標を設定しました。これらの詳細については当社ウェブサイトに開示しております。

当連結会計年度は、改定後のマテリアリティに基づく取組みの初年度にあたり、各重要課題において具体的施策の実行およびKPI(重要業績評価指標)に基づく進捗管理のもとで取組みを開始しました。

一部の取組みについては成果の創出および開示に至る段階にある一方、研究開発や事業基盤の整備を要する取組みについては、中長期目標の達成に向けた基盤構築を着実に進めるとともに、継続的な改善に取り組んでおります。

 

 

 

レンゴーグループのマテリアリティ(重要課題)

「パッケージプロバイダー」としての新たな価値創出

●取組みテーマ

 持続可能な包装の提供

●説明

 社会的課題の解決に資する包装製品の開発と普及を通 じ、持続可能な社会の形成に貢献します。

●主な施策

 1.環境配慮型紙製品の開発と普及

 2.環境配慮型プラスチック製品の普及と推進

 3.低炭素型パッケージの推進

●取組みテーマ

 社会的課題を解決する

 新たな事業や製品の創出

●説明

 長年にわたり培ってきた技術の応用や、事業の垣根を超えたグループ間の連携を加速させ、旧来の枠組みにとらわれない新たな価値を創出します。

●主な施策

 1.セルロース製品の生産拡大

 2.新規セルロース製品の開発と普及

 3.バイオエタノールの開発と普及

 4.多様化する社会的ニーズへの対応

●取組みテーマ

 持続可能な物流の構築

 

●説明

 物流に不可欠なパッケージづくりを担う企業として、調達から出荷、使用および回収に至るバリューチェーン全体の課題解決に取り組みます。

●主な施策

 物流従事者の安全確保と負担の軽減

地球環境との共生

●取組みテーマ

 気候変動への対応

●説明

 温室効果ガスの削減など、事業活動による気候変動への影響を抑える「気候変動の緩和」と、自然災害によるサプライチェーンの寸断リスクに備える「気候変動への適応」に取り組みます。

●主な施策

 1.温室効果ガス排出量の削減

 2.リスクへの適応

●取組みテーマ

 循環経済の拡大

●説明

 すでに確立されている段ボールの古紙リサイクルシステムをより堅固なものにするとともに、プラスチックの資源循環など、新たなシステムの実現に取り組みます。

●主な施策

 1.段ボール資源循環システムの強化

 2.プラスチック資源循環システムの構築

 3.水資源の効率的利用

●取組みテーマ

 自然資本の保全

●説明

 生産活動に不可欠な自然資本を持続可能なものとするため、製造工程における環境負荷の低減やビオトープなどの自然環境の保全に取り組みます。

●主な施策

 1.自然共生サイトの管理と活用

 2.環境事故と汚染の防止

 

 

 

人を中心におく経営

●取組みテーマ

 人権の尊重

●説明

 従業員をはじめ、取引先や顧客など事業に関わる全てのステークホルダーの人権尊重を念頭に、事業活動を通じ企業の社会的責任を果たします。

●主な施策

 人権デュー・ディリジェンスの実施

●取組みテーマ

 安全で働きやすい環境の整備

●説明

 業務に携わる全ての人の安全衛生を確保するとともに、労働災害の撲滅に取り組みます。

●主な施策

 労働安全衛生の確保

●取組みテーマ

 ゆとりと豊かさの実現

●説明

 従業員が個々の状況に応じたキャリア形成を目指せる柔軟な制度と環境を整備し、心にゆとりと豊かさをもって働くことがエンゲージメント意識の醸成と全要素生産性(TFP)の向上につながる組織風土を実現します。

●主な施策

 1.従業員エンゲージメントの向上

 2.キャリア形成支援

●取組みテーマ

 DEIの推進

●説明

 性別や年齢などにとらわれず多様な人材が互いを尊重かつ受容しあうことで、一人ひとりの個性や強みが引き出され、シナジーが生み出される組織を目指します。

●主な施策

 1.多様な人材の活躍推進

 2.生涯現役を見据えた制度設計

持続的成長に向けた経営基盤の強化

●取組みテーマ

 グループガバナンスの強化

●説明

 レンゴーグループのガバナンス強化に取り組み、コンプライアンスと経営管理水準の維持および向上を図ります。

●主な施策

 1.レンゴーグループの一体感の醸成

 2.コンプライアンスに関する従業員の理解増進

 3.腐敗行為の発生防止

●取組みテーマ

 DXの基盤構築

●説明

 デジタル技術とそれを扱う人間の調和を実現させ、データの収集と活用によりさまざまなビジネス課題の解決と社会への貢献を目指します。

●主な施策

 1.DXの推進

 2.情報セキュリティの強化

●取組みテーマ

 取引先とのパートナーシップの強化

●説明

 環境と社会に配慮した健全な原料調達とパートナーシップ構築宣言に基づく適正な取引の徹底とともに、強靭なパートナーシップの構築により、レンゴーグループと取引先相互の発展を目指します。

●主な施策

 持続可能な調達の推進

●取組みテーマ

 製品の品質と安全性の保証

●説明

 徹底した品質と安全性の確保により顧客のニーズを満たす製品を安定的に供給し、顧客満足度の向上を図ります。

●主な施策

 ZD(Zero Defects)の達成

 

 

(3) 環境への取組

 ① 2050年に向けての環境の取組

当社グループは2021年、優先的に取組むべき環境に関わる6つのマテリアリティを特定し、取組みを推進してきました。その後、環境課題の多様化やステークホルダーの期待など外部環境の変化と、当社グループの事業領域拡大を踏まえて、2025年3月にマテリアリティの見直しを行い、あわせて2025年4月、課題解決に向けた長期・中期の環境目標を改定しました。当社グループは、地球環境とともに生きる社会の実現に向けて、「気候変動」「循環経済」「自然資本」への対応を取組みの柱とし、新たな目標達成に向けて取組みを進めてまいります。

詳細については当社ウェブサイトに開示しております。

 

[長期目標] レンゴーグループ環境アクション2050

 

 レンゴーグループは、パッケージング・イノベーションを通じて環境課題を解決し、

 地球環境とともに生きる社会を実現します。

 

 ・ バリューチェーン全体における温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指します。

 ・ 資源を効率的に循環させ非化石資源や再生材の使用割合の最大化を目指します。

 ・ 自然資本に対する負の影響の最小化を目指します。

 

 

 

[中期目標] エコチャレンジ2030

 

 ●「パッケージプロバイダー」としての新たな価値創出

 取組みテーマ:持続可能な包装の提供

      <主な施策>

     1. 環境配慮型紙製品の開発と普及

     2. 環境配慮型プラスチック製品の普及と推進

     3. 低炭素型パッケージの推進

 

 ● 地球環境との共生

   取組みテーマ:気候変動への対応

     <主な施策>

     1. 温室効果ガス排出量の削減

     2. リスクへの適応

 

   取組みテーマ:循環経済の拡大

     <主な施策>

     1. 段ボール資源循環システムの強化

     2. プラスチック資源循環システムの構築

     3. 水資源の効率的利用

 

   取組みテーマ:自然資本の保全

     <主な施策>

     1. 自然共生サイトの管理と活用

     2. 環境事故と汚染の防止

 

 

 

温室効果ガス排出量の削減

最も優先すべき課題である気候変動への対応については、2050年までに温室効果ガス排出量の実質ゼロを掲げ、2030年度までに国内における温室効果ガス排出量(*)を2013年度比で46%削減することを目指して取組みを進めております。2026年1月には、当社金津工場で石炭からLNGへの燃料転換が完了し、2025年度は2013年度比で17%の削減となりました。今後も2030年度の目標達成に向けて、徹底した省エネルギー化とともに、石炭・重油ボイラの燃料転換、バイオマスボイラの新設、太陽光発電設備などの再生可能エネルギーの導入促進に取り組んでまいります。

(*)「地球温暖化対策の推進に関する法律」に基づく調整後温室効果ガス排出量

 


 

気候変動への対応

当社グループは、気候変動によるリスクおよび機会に関連する影響評価、対応策の立案と推進に向け、2021年12月、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言への賛同を表明しております。これまで、板紙・紙加工関連事業および軟包装・重包装関連事業に加え、2024年4月より連結子会社となったアールエム東セロ株式会社を含め、当社グループにおけるリスクおよび機会の評価を実施することで、開示の充実を図ってまいりました。その詳細な結果を含む直近の情報を当社ウェブサイトに開示しております。

 

 [ガバナンス]

経営品質の向上と将来のリスクの低減あるいは回避等を目的に、代表取締役会長を委員長とするCSR委員会の下部組織として環境経営推進部の責任者を委員長とする環境委員会を設置しております。環境委員会の開催頻度は年4回で、CSR委員会は議事の報告を受けております。CSR委員会に報告される内容について、取締役会は案件の重要性や緊急度に応じて報告を受け、審議・決定を行っております。

環境委員会の下部組織である「脱炭素ワーキンググループ(以下、「脱炭素WG」という。)」「グループ環境活動会議」では、温室効果ガス排出削減に関する情報収集や当社各部門およびグループ全体の活動計画・進捗状況を管理しております。

 

 活動実績

 

構成メンバー

主な活動

概要

脱炭素WG

・代表取締役社長兼

 COO

・環境委員会委員

・各部門の代表者

・GHG排出量削減に関する動向、技術

 に関する情報収集

・GHG排出量削減に関する中長期活動

 計画の立案、進捗の管理と達成状況の

 検証

・適宜、進捗や実績を環境委員会へ報告

<議題>

・国内グループ各社の取組みの

 進捗状況の共有

・電力における脱炭素の取組みに

 ついての意見交換

グループ環境活動会議

・レンゴー単体

・国内グループ各社

・環境委員会で検討されたGHG排出量

 削減方針の周知

・設定された目標の達成に向けて自社で

 可能な対策の検討・実行を推進

・適宜、進捗や実績を環境委員会へ報告

<実施内容>

・再生可能エネルギーの導入

・燃料転換の実施

 

 

 [リスク管理]

当社は重要な環境側面ならびに環境法規制等を考慮の上、環境委員会での審議を経て、環境経営の推進にかかる事業計画上のリスク・機会を特定しております。

環境委員会およびCSR委員会では、リスク・機会を特定の上、その発生可能性と影響度を評価するとともに、即時ないし中長期といった対応の時間軸を念頭に取組みの優先順位付けを行い、リスク・機会に対応した事業計画を検討しております。また、社内規程の制定、マニュアルの作成等を指揮するほか、グループ全体の状況を監視しております。

取締役会では、特定されたリスク・機会の認識を踏まえ、環境経営にかかる事業計画の遂行を監督するとともに、グループ全体の状況を踏まえ、必要に応じて改善策等を審議・決定しております。

環境経営推進部は、これらのリスク・機会の認識に則した対応の戦略的枠組みを具体化し、当社各部門およびグループ全体で運用するため、現場人材の育成支援やモニタリング等の運用全般を調整・指導しております。当社グループでは、これらのパフォーマンスにおいて改善の機会を特定し、その後のパフォーマンス改善につながる施策を遂行するとともに、その効果をモニタリングするサイクルを継続することで、気候変動に対するレジリエンスの向上に努めております。これらのマネジメントシステムにおいては、その全体にトップマネジメントが関与し、環境パフォーマンスの継続的な改善を指揮することで、当社グループ全体のマネジメントシステムの一つとしての実効性確保を図っております。

 

 

 [戦略]

 (シナリオ分析に基づくリスク・機会の特定)

当社はこれまで、主要事業である板紙・紙加工関連事業および軟包装・重包装関連事業を対象に、2030年時点における外部環境の予測に基づいたシナリオ分析を実施しております。シナリオについては、パリ協定を踏まえて低炭素経済に移行する1.5℃シナリオと、現状の想定以上の気候変動対策は実施されない4℃シナリオを設定しております。

部門横断型ワークショップ等で議論を重ね、気候変動によるリスク・機会の絞り込み、予想される財務影響の把握、対応策の検討を行った結果、4℃シナリオでも、リスク・機会の両面で影響が生じる可能性が確認されましたが、低炭素社会への移行が進む1.5℃シナリオでは、移行リスクと機会における影響がより大きくなる可能性が高いとの認識に至っております。当社グループでは、各シナリオにおけるリスクおよび機会を考慮し、環境経営を推進しております。

 

 (リスク・機会の認識と対応策)

当社ではシナリオ分析に基づき、2030年度において事業継続または利益への影響が懸念される要因として、炭素税の導入をはじめとする政策・法規制の変更や、電力小売価格等の上昇を含む移行リスクのほか、災害の激甚化と頻繁化に伴い施設への影響等が懸念される物理リスクを認識しております。

当社グループではこれらへの対応策として、移行リスクについては、エネルギー転換のための設備投資や財務影響を最小化する適正な製品価格の実現を基本としつつ、工場の稼働や調達の平準化による原燃料価格変動リスクの制御等を図るとともに、物理リスクについては、BCPの策定とその実効性確保、生産拠点における水害対策(嵩上げ、止水板、非常用電源等の設置)を行うほか、有事の際の分散調達も可能とするサプライチェーンマネジメントの強化等を図っております。

また、これらのリスク回避の一方、物流効率化に資する包装設計やグリーンロジスティクス、ライフサイクルアセスメント(LCA)に基づく低炭素化を戦略的に推進するとともに、一連の取組みに関する情報開示の拡張と深化を図ることで、新たな機会の獲得に努めております。

なお、これらのリスク・機会の認識と対応策の詳細につきましては、直近の情報を当社ウェブサイトに開示しております。

 

 [指標と目標]

当社グループは、2025年4月に環境に関する中長期目標の見直しを実施しております。2050年を目途とする長期目標「レンゴーグループ環境アクション2050」を掲げ、温室効果ガス排出量実質ゼロの達成を目指しております。また、2030年度を目途とする中期目標「エコチャレンジ2030」では、国内グループ各社を対象に削減目標を設定するとともに、最終的にはSBT(Science Based Targets)を達成すべく着実に取組みを進めております。

 

 

(4) 人的資本・多様性に関する取組

 [ガバナンス]

当社グループは、人的資本・多様性に関する取組みについて、人事本部が各部門との意見交換を踏まえて取りまとめ、経営幹部会において審議・決定しております。その上で、当該取組みの方針および重要施策は取締役会に報告され、取締役会はその進捗状況および実効性について監督を行っております。

また、重要な人的資本・多様性に関する課題については、必要に応じて経営戦略や事業運営上の意思決定に反映しております。

 

 [リスク管理]

当社グループは、人的資本・多様性に関するリスクおよび機会について、事業環境や労働市場の変化を踏まえて、人事本部が各部門と連携し、また労働組合と協議して、定期的に見直しを行っております。

具体的には、少子高齢化の進展や労働市場環境の変化を踏まえ、人材の確保・定着、各事業領域における専門人材の確保および知識・技能の継承等が難しくなることを主要なリスクとして認識しております。

一方で、多様な人材の確保および活躍推進、人材育成の強化は、生産性向上や技術力の高度化、イノベーション創出を通じて、当社グループの競争力強化および持続的成長につながる重要な機会と認識しております。

これらの人的資本・多様性に関するリスクおよび機会は、当社グループの中長期的な収益力および競争力に重要な影響を及ぼすものと認識しております。

 

 [戦略]

当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針は次のとおりであります

 

レンゴーグループ 人材育成方針・社内環境整備方針

 

レンゴーグループは、人本主義(人間中心主義)を会社経営の柱に据えて、働く者一人ひとりの成長こそが

企業を成長させるとの考えのもと、以下の人材育成、社内環境整備を行っています。

 

1.人材育成に関する方針

  自立と自律の気概を持ち、自ら学び、考え、やり抜く人材を育成するため、さまざまな成長の機会を

  提供します。

   生産性とは人間の心の持ちようであるとの基本に立ち返り、全要素生産性(TFP)向上に邁進する

    人づくりに取り組みます。
    そして、全要素生産性の向上を図ることにより生み出される付加価値を従業員に適切に分配し次の

  長につなげる「成長と分配の好循環」を中長期的に実現するための取組みを、労使一致協力して推し

  進めてまいります。

 

2.社内環境整備に関する方針

  多様な人材が互いに尊重かつ受容し、持てる能力を最大限に発揮して活躍できるよう、DEIに積極

  的に取り組みます。

  生涯現役の考えに基づき、心身ともに健康で、安全かつ安心して、いきいきと働くことができる職場

  環境を築くとともに、仕事と生活の調和のとれた働き方を推進します。

 

 

 

当社グループは、人本主義を会社経営の柱に据えて、人への投資、人づくりを通して、持続的な成長と生産性向上に取り組んでおります。

 

 

1.人材育成に関して

人材育成に関しては、優秀な人材を確保し適正に配置したうえ、「現場にこそ真理がある」をモットーに、それぞれの持ち場におけるニーズに対応した職種別や階層別教育を計画的に実施するとともに、グローバル人材の育成、自己啓発の支援といった教育制度を整備・拡充し、自己の成長を実感できる取組みを進めております。

生産性についてあらゆる要素を分析し、技術革新とともに人の働き方、心のありようも意識しながら全要素生産性を高めることに労使一致協力して取り組んでおります。「生産性とは人間の心の持ちようである」という基本に立ち返り、「心をみがこう」をスローガンとする人づくりの研修を2022年度から3年計画で全従業員を対象に実施し、研修回数は計305回、4,893名が受講しました。その経験で積み重ねたノウハウを活用して2025年度からは階層別に、あるいは部門において各職場や部署の課題に応じた生産性研修を実施しております。研修を通して浮かび上がった課題については、労使の議論を経て人事諸施策へ反映しております。

 

2.社内環境整備に関して

多様な人材が互いに尊重かつ受容し、個々の能力を最大限に発揮することによってイノベーションが生まれる企業を目指しております。2014年4月に女性活躍推進室を設置して女性が能力をさらに発揮できる企業風土づくりや環境整備に取り組み、2022年4月のD&I推進室への改称を経て、2025年1月にはDEI推進部に改組し、ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョンを推進・強化しております。

中でも女性の活躍推進については、2016年度以降、女性活躍推進法に基づき策定した「女性の活躍推進に関する行動計画」に掲げる目標の達成はもとより、採用促進と職域拡大に注力し女性比率を高めるとともに、教育・キャリア形成の強化・充実を図っております。さらに、管理職登用についても積極的に取り組み、女性の役員登用につなげてまいります。

また、生涯現役の考えのもと、2019年4月に導入した65歳定年にあわせて「レンゴーはつらつ健康宣言」を策定し、誰もが健やかで心豊かなはつらつとした生活を実現できるよう、日々の健康づくりと安全・安心な職場づくりに取り組み、健康経営を実践しております。

少子化対策と次世代育成支援の一環として、2006年4月より第3子以降の出産には100万円の祝い金を贈呈し、子育てを制度面と経済面の両方からサポートしております。制度実施以降は毎年30名前後の受給者が発生し、2024年9月には延べ500名に達しました。(2026年3月末時点 536名)

2025年4月には改正育児・介護休業法への対応に加え、当社独自に法令以上としていた両立支援制度をより一層充実させて改定し、安全かつ安心して働くことができる職場環境を整備しております。そして同年10月から翌年2月にかけて、全国事業所のライン部課長計448名を対象として両立支援マネジメント研修を実施しました。上長が制度の目的と内容の理解を深めることによって、職場において安心して両立支援の制度を利用できる風土を醸成しております。

これらの取組みの進捗および成果については、以下の指標により把握しております。

 

 

 [指標および目標]

当社グループにおける、上記[戦略]において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針について、当社においては次の指標を用いております。当該指標に関する目標および実績は、以下のとおりであります。なお、当社グループにおいては事業特性や企業規模が多様であるため、各社の課題に応じた取組みを行っております。

 

① 人材育成に関する取組みの進捗を把握するため、教育・研修への投資額および実施状況を指標の一つとし、これらの取組みから従業員の能力開発および全要素生産性(TFP)向上を図っております。2025年度における教育・研修費用は227百万円であり、そのうち人づくりの研修、はつらつ研修に32百万円を投資しております。

 

② 女性の活躍推進に関しては行動計画(期間:2021年4月1日から5年間)を策定し、次の目標を掲げておりましたが、全て達成しました。

目   標

2021年度

2022年度

2023年度

2024年度

2025年度

1.総合職女性採用比率を3割以上とする

31.1%

31.0%

30.1%

34.5%

30.3

2.業務職女性採用比率を2割以上とする

21.3%

29.2%

24.6%

21.7%

20.0

3.女性管理職数を1.5倍以上とする

 (2020年度40名 → 60名以上)

39名

46名

49名

56名

62

4.男性の育児休業取得率を8割以上とする

82.4%

97.6%

106.3%

100.0%

109.2

 

 

なお、次期行動計画(期間:2026年4月1日から5年間)を策定・公表しましたが、次の目標を掲げております。

2030年度までに

1.女性採用比率を30以上とする

2.女性管理職比率を8以上とする

3.男性の育児休業取得率を90以上とする

 

 

③ 誰もが働きやすい職場環境を整える中で、障がい者の雇用促進や職域拡大に積極的に取り組んでおります。2026年3月時点の障がい者雇用率は2.6%と法定雇用率を満たしております。また、障がいに関する正しい理解のもと当事者意識をもって行動できる従業員を増やすため、2018年度より「ユニバーサルマナー検定研修」を実施しております。従来は、管理職や新入社員が順次受講しておりましたが、2025年度はこれらに加えて公開講座として開催することでより多くの従業員の受講機会を設けた結果、同研修の修了者は約1,230名となりました。

 

④ 2015年より「全要素生産性(TFP)向上による総労働時間削減」に取り組んでおります。年次有給休暇取得促進については、2025年度の取得率は目標とする70%を超えました。引き続き取得率の向上に向けて取組みを着実に進めてまいります。

 

 

⑤ 社内研修の実施や社内外の相談窓口の設置などを通じて、メンタルヘルス対策を推進しており、ストレスチェックの受検率100%を目指すとともに、職場環境改善を通じて従業員エンゲージメントの向上を図っております。

   従来から、ストレスチェックにその要素を織り込んだ設問をいくつか加えることで、従業員のワークエンゲージメントスコアの測定を行っておりましたが、その結果は以下のとおりであります。

調査年度

2022

2023

2024

2025

ワークエンゲージメント(偏差値)

48.3

48.4

48.5

48.6

 

   ※第三者(株式会社アドバンテッジリスクマネジメント)が提供するストレスチェックで測定し、偏差値で

    算出。

  これに加えて、組織の状態把握および課題抽出をより精緻に行い、組織改善につなげていくことを目的として、専門業者による従業員エンゲージメント調査を導入し、2025年12月に実施しました。

  当該調査により、従業員の当社に対する信頼・共感・貢献意欲等を定量的に把握するとともに、コミュニケーションやマネジメントに関する課題等を把握し、組織の強みや課題を特定し、職場環境の改善に活用しております。

  今後も本調査を継続的に実施し、従業員エンゲージメントの向上に取り組んでまいります。

調査年度

2025

EXスコア®

70.2

回答率

99%

 

   ※EXスコア®とは組織状態を示す指標であり、調査委託先である㈱HRBrainの登録商標。各個人の期待値

    と実感値、そのギャップを測定し、期待・実感ともに高く、ギャップが小さい場合にスコアは最大化さ

    れる。他社平均はおよそ68.9であり、EXサーベイに回答しているすべてのサンプルから算出。

 

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。 
  なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2026年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
 

(1) 製品需要、市況動向
 当社グループの主力製品である板紙、段ボール製品は、国内の景気動向の影響を大きく受けます。景気後退による需要の減少、競争の激化等による市況の悪化要因により、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
 これらに対し当社グループでは、安定した需要が見込まれる食品向けの受注に加えて、特定業種における需要の減少等の影響を相対的に低減させるべく、幅広い業種の取引先と良好な関係を構築するよう努めるとともに、より付加価値の高いパッケージづくりを通じて、提案型営業を推進することで競争力を高め、リスクの最小化に努めております。

 

(2) 原燃料の購入
 当社グループは、段ボール古紙、パルプ、プラスチック素材等を主要原材料としており、都市ガス、LNG、バイオマス等を燃料として利用しております。これらの価格および調達安定性は、国内外における需要動向や国際商品市況の影響を受けます。需要バランスの変動やサプライチェーンの混乱が生じた場合には、購入価格の上昇によるコスト増加、あるいは必要量を確保できないリスクがあり、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
 これらに対し当社グループでは、生産性の向上や省資源・省エネルギーに資する設備投資等の実施によって原単位の改善、燃料の多様化に取り組み、リスクの最小化に努めております。

 

(3) 自然災害、疫病
 当社グループの製造拠点等が、大規模な地震、台風等の自然災害によって多大な被害を受けた場合、事業活動の中断等により、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
 また、大規模感染症の流行等によって当社グループの事業活動が中断等を余儀なくされた場合、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

  これらに対し当社グループでは、特定の事業所において事業活動の中断等が起こった場合は、全国に展開している製造拠点から製品の供給が行えるよう、供給責任を果たす体制の構築に努めております。

 

(4) 海外事業

当社グループは、中国、インド、東南アジア、ヨーロッパならびに北米を成長市場と位置づけ、板紙・紙加工関連事業、軟包装関連事業、重包装関連事業を展開しております。海外進出に対し、当社グループは、リスクを十分に検討したうえで投資の意思決定を行っておりますが、海外における事業活動については、為替変動リスク、自然災害・疫病等のリスクあるいは国ごとにさまざまな経済的、政治的リスクが存在しており、これらの顕在化により、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 
 これらに対し当社グループでは、早期に適切な対応が取れるよう、グループ各社や当社の担当部門が適時に情報の収集および共有をし、リスクの最小化に努めております。

なお、当連結会計年度の当社グループの海外売上比率は21.1%であります。

 

(5) 金利の変動

当社グループの有利子負債は、当連結会計年度末現在において483,980百万円であります。有利子負債については、削減に鋭意取り組んでおりますが、金利変動リスクを有しているため、市場金利が上昇した場合には、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 株価の変動

当社グループは、取引先を中心に株式を保有しておりますが、市場性のある株式においては、各種要因による株価の下落により、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 
 当社グループにおける年金資産は、株価水準の影響を受けるため、退職給付費用に変動が生じます。

 

(7) 為替の変動
 当社グループは、製品、原材料および燃料の輸出入取引において、為替変動の影響を受けることがあり、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 事業再構築
  当社グループは、企業価値の増大に向けて事業の選択と集中に取り組んでおり、この過程における一時損失が発生し、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 訴訟
  当社グループは、国内外で継続して事業活動を行う過程において、知的財産関連、環境関連等の訴訟を提起されるリスクを負っており、訴訟の内容によっては、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

  これらに対し当社グループでは、法令順守等のコンプライアンス経営に努めており、役員、従業員のコンプライアンス意識向上のために階層別に研修・教育を実施し、リスクの最小化に努めております。

 

(10) その他
 当社グループは、上記の事項以外にも、予期せぬ事態によるリスクを負う可能性があり、これらの内容によっては、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は、次のとおりであります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度のわが国経済は、米国の通商政策の影響が残るものの、個人消費や設備投資の持ち直し等により、緩やかな回復基調が続きましたが、本年2月末に中東地域で発生した紛争に伴い、景気動向の不透明感が高まりました。

このような経済環境の中で、板紙業界におきましては、包装形態の変更や軽量化の継続等により、生産量は前年を下回りました。

段ボール業界におきましては、物価高による節約志向の定着や記録的猛暑の影響等により、生産量は前年をやや下回りました。

紙器業界におきましては、食品向けが低調であったこと、ギフト関連市場の縮小が続いたことから、生産量は前年を下回りました。

軟包装業界におきましては、環境に配慮した減量化や軽量化の影響がみられたものの、食品や日用品向けが需要を支え、生産量は前年並みとなりました。

重包装業界におきましては、農業・石油化学関連の需要が減少し、生産量は前年を下回りました。

以上のような状況のもとで、レンゴーグループは、あらゆる産業の全ての包装ニーズをイノベーションする「ゼネラル・パッケージング・インダストリー」=GPIレンゴーとして、2050年の未来にも新たな価値、より大きな価値を提供し続けられるように、2030年3月までの中期ビジョン「Vision120」を策定し、より強固な価値創出基盤の確立に向けてグループ一丸となって取組みを開始しました。

また、物流費や労務費の上昇、環境対策への投資、パートナーシップ構築宣言に則った適正な取引など、バリューチェーン全体にわたるコスト構造の変化に対し、安定供給、品質維持のため、板紙、段ボール、紙器製品の価格改定に取り組みました。

M&A等の取組みとしては、昨年4月、キンキダンボール株式会社(滋賀県草津市)へ資本参加したほか、新光株式会社(東京都東村山市)を子会社化、本年1月にオカジ物流株式会社(和歌山県海南市)、3月には村瀬段ボール株式会社(愛知県江南市)の株式をそれぞれ追加取得し、段ボール事業の強化を図りました。また、本年4月、住友林業株式会社(東京都千代田区)との間で合弁会社(社名:RSウッドリファイナリー株式会社)を設立し、原料木材チップの調達体制の強化と第2世代バイオエタノールの事業化に向けた取組みを開始しました。海外におきましては、昨年7月、トライウォール社(香港)がイタリアの重量物包装資材メーカーであるスカート社の持分100%を取得し、11月にはトライコー社(ドイツ)の新工場が同国において稼働したほか、2024年に設立した豊源特耐王包装(山東)有限公司(中国・山東省)の新工場が稼働し、グローバル戦略のさらなる充実を図りました。

2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)におきましては、「海の蘇生」をテーマにしたパビリオンである「BLUE OCEAN DOME(ZERI JAPAN)」ドームCに紙管や古紙建材を提供したほか、レンゴーグループの海洋課題へ取り組む姿勢を示した常設展示等を行いました。

ESG経営における環境への取組みは、“Less is more.”をキーワードに掲げるレンゴーグループとして最も優先すべき課題であり、2030年度における温室効果ガス排出量削減目標「2013年度比46%削減」に向け、重要課題(「気候変動への対応」「循環経済の拡大」「自然資本の保全」)についての取組みを一段と前進させました。

この結果、当連結会計年度の売上高は1,008,337百万円(前期比101.5%)、営業利益は37,090百万円(同99.1%)、経常利益は37,419百万円(同95.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益は21,005百万円(同72.5%)となりました。主な内容は次のとおりであります。

売上高につきましては、板紙・紙加工関連事業および軟包装関連事業の製品価格改定により増収となったものの、利益面では海外関連事業において重量物段ボールの採算が悪化したこと等により減益となりました。なお、特別利益として当社湘南工場敷地の一部収用に係る受取補償金、政策保有株式を売却したことによる投資有価証券売却益を計上し、特別損失としてトライコー社に係る減損損失を計上しております。

当連結会計年度の売上高経常利益率については、3.7%(目標6.0%)となりました。Vision120達成に向けて、適正な製品価格の水準の維持およびグループ経営の進化/深化により価値創出基盤の強化を図ってまいります。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

[板紙・紙加工関連事業]

板紙・紙加工関連事業につきましては、固定費や物流費の上昇等があったものの、製品価格の改定が寄与し増収増益となりました。

この結果、当セグメントの売上高は521,869百万円(同101.4%)、営業利益は25,676百万円(同109.5%)となりました。

 

主要製品の生産量は、次のとおりであります。
 (板紙製品)

板紙製品につきましては、海外を含むグループ内供給の増加により、生産量は2,481千t(同100.6%)となりました。
 (段ボール製品)

段ボール製品につきましては、飲料、青果物向けが低調であったものの、他の分野で受注を確保したことにより、生産量は段ボール4,231百万㎡(同100.1%)、段ボール箱3,597百万㎡(同100.4%)となりました。

 

 

[軟包装関連事業]

軟包装関連事業につきましては、製品価格の改定と販売量の増加により増収増益となりました。

この結果、当セグメントの売上高は191,529百万円(同105.5%)、営業利益は9,372百万円(同185.1%)となりました。

 

[重包装関連事業]

重包装関連事業につきましては、製品価格の改定が寄与し増収増益となりました。

この結果、当セグメントの売上高は46,419百万円(同103.2%)、営業利益は1,897百万円(同112.6%)となりました。

 

[海外関連事業]

海外関連事業につきましては、欧州における自動車産業の低迷の影響により重量物段ボールの採算が悪化したこと等により減収減益となりました。

この結果、当セグメントの売上高は209,092百万円(同98.1%)、営業損失は1,628百万円(前期は4,931百万円の営業利益)となりました。

 

[その他の事業]

その他の事業につきましては、運送事業における価格改定が寄与し増収となりましたが、労務費の上昇等により減益となりました。

この結果、当セグメントの売上高は39,425百万円(同101.5%)、営業利益は1,367百万円(同69.6%)となりました。

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

 

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高

前期比(%)

板紙・紙加工関連事業

 

 

板紙(千t)

2,481

100.6

段ボール(百万㎡)

4,231

100.1

段ボール箱(百万㎡)

3,597

100.4

海外関連事業

 

 

段ボール(百万㎡)

240

93.4

段ボール箱(百万㎡)

225

96.2

 

 

 

② 受注実績

当社グループにおきましては、紙器機械等一部の事業で受注生産を行っておりますが、その重要性が乏しいため記載を省略しております。

その他の製品につきましては、見込み生産を行っているか、受注生産であっても生産と販売の関連において製品の回転が極めて速く、月末(または期末)における受注残高が少ないため、記載を省略しております。

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

板紙・紙加工関連事業

521,869

101.4

 

軟包装関連事業

191,529

105.5

 

重包装関連事業

46,419

103.2

 

海外関連事業

209,092

98.1

 

その他の事業

39,425

101.5

 

合計

1,008,337

101.5

 

 

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末の総資産は、主に有形固定資産、受取手形及び売掛金の増加により、1,313,086百万円となり、前連結会計年度末に比べ69,969百万円増加しました。

負債は、主に社債や未払法人税等の増加により784,531百万円となり、前連結会計年度末に比べ41,659百万円増加しました。

純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加や、為替レートの変動に伴う為替換算調整勘定の増加により、528,554百万円となり、前連結会計年度末に比べ28,310百万円増加しました。

この結果、自己資本比率は前連結会計年度と同じ37.3%となりました。

また、D/Eレシオについては1.0倍となっております。

 

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は89,388百万円となり、前連結会計年度末の残高と比べ18,837百万円増加しました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
  営業活動による資金の増加額は78,164百万円(前連結会計年度に比べ1,155百万円の収入の増加)となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益42,411百万円、減価償却費58,985百万円、法人税等の支払額13,054百万円であります。
  投資活動による資金の減少額は70,739百万円(前連結会計年度に比べ26,543百万円の支出の減少)となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出88,970百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入15,349百万円、定期預金の純減額7,162百万円、補助金の受取額6,935百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社出資金の取得による支出6,243百万円、関係会社株式の取得による支出4,140百万円であります。

財務活動による資金の増加額は8,769百万円(前連結会計年度に比べ23,254百万円の収入の増加)となりました。主な内訳は、社債の発行による収入30,100百万円、配当金の支払額8,734百万円、リース債務の返済による支出7,173百万円、長短借入金の純減額4,260百万円であります。

資本の財源および資金の流動性について、当社グループは、資金調達については銀行借入および社債発行により行っております。また、キャッシュマネジメントサービスを国内子会社に導入しており、グループ全体における効率的な資金活用による有利子負債の削減と金融収支の改善を図っております。

 

(4) 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは第5「経理の状況」 1「連結財務諸表等」「注記事項」 (重要な会計上の見積り)に記載しております。

 

 

5 【重要な契約等】

当社は、安定的な資金調達を図るため、金融機関との間でシンジケートローン契約を締結しておりますが、本契約には一定の財務上の特約(財務制限条項)が付されており、当社がこれらに抵触した場合、期限の利益を喪失し、一括返済を求められる等、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

当連結会計年度における財務制限条項の主な内容は以下のとおりであります。

  各連結会計年度の末日における連結貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額から新株予約権、非支配株主持分および繰延ヘッジ損益を控除した金額を、直近の連結会計年度末日における連結貸借対照表に記載される同金額の75%に相当する金額(1億円未満切上)以上に維持すること。

  各事業年度の末日における単体貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額から新株予約権および繰延ヘッジ損益を控除した金額を、直近の事業年度末日における単体貸借対照表に記載される同金額の75%に相当する金額(1億円未満切上)以上に維持すること。

 

対象となる契約内容は以下のとおりであります。なお、複数の契約を集約して記載しております。

契約日

弁済期限

属性

期末残高(百万円)

担保の内容

2019年10月29日

から

2025年11月26日

2027年1月29日

から

2033年7月29日

都市銀行、

信託銀行、

系統金融機関

95,653

無担保

 

 

 

6 【研究開発活動】

当社中央研究所において、製紙、段ボール、紙器、軟包装および機能材の各事業とその周辺領域に研究開発の中心を置き、地球環境に配慮した独創的で付加価値の高い新商品と新技術の開発を進めております。また、当社パッケージング部門技術開発本部および包装システム推進本部において、段ボール・紙器機械の開発・改良を進めております。さらに、情報システム本部において、新規の情報技術の開発を進めております。

アールエム東セロ株式会社では軟包装関連事業において、顧客と連携しながら、主に食品包装における様々な社会課題解決に向けたフィルム・シートの新製品開発および品質改良を行っております。

日本マタイ株式会社では国内の重包装関連事業において、江蘇中金瑪泰医薬包装有限公司では海外の軟包装関連事業において、それぞれ安全・環境への配慮と市場の要求に沿って、新製品の開発および品質改良を行っております。

当社グループでの研究開発費の総額は2,993百万円であります。

 

(1) 板紙・紙加工関連事業

当社において、CO2排出量削減に向けた段ボール貼合技術および接着剤の開発、白板紙の品質向上技術の開発、ならびにデジタル印刷の周辺技術の開発を進めております。また、生産工程における省力化と生産性向上の実現を目指してデジタル技術の開発も進めております。

さらに当社で使用する段ボール・紙器機械において、他社にない独自の機械装置・システムの開発を通じ、品質・生産性向上、省力・省エネ、作業環境の改善等に取り組んでおります。当連結会計年度において注力した取組みとして、品質・生産性向上設備については、貼合工程の表裏全面検査装置を最新機種へ更新し、検査精度の向上を図りました。製函工程においても、既存の印刷検査装置にAI機能を追加することで、さらなる検査精度の強化を推進しております。省力・省エネの面では、将来的な構内物流の自動化を見据え、AGF(無人搬送フォークリフト)の基礎検証を開始しました。また、印刷設計書や製作指示書を電子データ化する自社システム“SpecView”は、15工場への展開が完了し、現場の作業負荷の軽減とペーパーレス化に大きく寄与しています。作業環境の改善においては、従来のセーフティセンサーに加え、新たに「AIカメラ」による安全管理の研究を推進しています。高精度な人体判別システムを確立し、装置内への侵入や接近、残留などを自動検知することで、作業者の安全を確保する補助装置として運用を開始しています。

また、2023~2024年度にかけて生成AI利用環境を整えたことを背景に、生成AIで社内システムの開発・プログラム実装を行うという取組みを開始しております。

当事業にかかる研究開発費は1,014百万円であります。

 

(2) 軟包装関連事業

社において、「2R(リデュース、リサイクル)+リニューアブル」を基本とするプラスチックの資源循環に向けた取組みとして、モノマテリアル包材の開発やマテリアルリサイクル技術の開発をグループ会社と連携して進めております。また、海洋プラスチック問題に対応するため、当社で生産しているセロファンや紙と生分解性樹脂などを組み合わせた生分解性と高バイオマス度を有するパッケージシリーズ「REBIOS®(レビオス)」を開発・上市し、拡販に取り組んでおります。なお、セロファン製造の際に発生するトリム屑など端材について、再原料化技術の開発と生産設備への実装を進めております。

アールエム東セロ株式会社において、主に食品包装に使用される延伸ポリオレフィンフィルム、無延伸ポリオレフィンフィルムならびに発泡シートを主軸とする多彩な製品群の開発を行っております。環境意識が高まる中で、温室効果ガス排出低減や化石原料由来プラスチック削減に向けた「バイオマスフィルム」「モノマテリアル包装フィルム」「リサイクルフィルム」の開発を積極的に進めております。また、食品の品質や鮮度を保持する「バリアフィルム」「鮮度保持フィルム」ならびに人々の生活の質向上に貢献する「イージーオープンフィルム」等の開発、製品展開を進めております。

当事業にかかる研究開発費は1,162百万円であります。

 

(3) 重包装関連事業

日本マタイ株式会社において、環境配慮をコンセプトに、コンパウンド技術、コーティング技術、ラミネート技術を活用し、機能性フィルム・樹脂加工製品、ラミネート製品および重包装製品の開発に取り組んでおります。機能性フィルム・樹脂加工製品においては、「半導体製造工程用テープ基材」「塗装代替フィルム」「加飾用PPシート」「次世代太陽電池関連材料」などの開発を進め、半導体、モビリティ、エネルギー分野を重点ターゲットとして研究開発を強化しております。

また、遮光・遮熱機能を付与した製品や、生分解性プラスチックやバイオマス由来プラスチックを活用した環境対応製品の開発も推進しております。

当事業にかかる研究開発費は424百万円であります。

 

(4) 海外関連事業

江蘇中金瑪泰医薬包装有限公司において、偽造防止アルミ箔製品(3Dフォトクロミックアルミ箔)を開発しました。また、PTPアルミ箔の性能に遜色ないレベルのPET素材PTP製品を開発し、リサイクル性能と滅菌処理性能の両立を実現しました。

当事業にかかる研究開発費は41百万円であります。

 

(5) その他の事業

当社において、木材の主成分であるセルロースを素材とする球状粒子「ビスコパール®」、カラシ・ワサビ成分を用いた天然系抗菌防カビ剤「ワサヴェール」、パルプ繊維内部でゼオライトを高密度に結晶化させた高機能繊維「セルガイア」など、これまでに開発してきた環境と機能を両立した素材を応用した商品開発に取り組んでおります。また、当社が有するセロファン製造技術を応用した木材パルプ由来の機能性素材であるセルロースナノファイバーの事業化を目指し、製造実証、製品ラインアップの拡充、用途開発を進めサンプルワークを行っております。その他、木質バイオマスを用いたバイオエタノール製造技術の開発を進めております。

通販物流においては、ポストインや軒下渡しのニーズを背景に、段ボール箱から紙やフィルムによる包装への移行の動きがあることを踏まえ、紙製やフィルム製の製袋包装機や小物用の紙製ピロー包装機の開発に着手しております。また、クッションペーパーを利用し、袋状にする機械の開発も進めております。

当事業にかかる研究開発費は350百万円であります。