当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績に関する説明
当第3四半期連結累計期間における国内経済は、コロナ禍の収束の見通しが立たず、休業要請や外出自粛要請の影響による景気悪化及び個人消費の低迷が続いています。世界経済も同様にコロナ禍の影響によって減速しており、今後の見通しについても不透明な状況となっています。
このような状況の中で、当社グループは第3次中期事業計画「Move on 革進と飛翔」(2018年5月31日発表)の最終年度を迎え、急激な外部環境変化に対応可能な強靭な企業体質への革進を加速するとともに、売上高8,000億円~1兆円規模を目指した長期ビジョンに向けて成長戦略を果敢に実行しています。
当第3四半期連結累計期間の紙・板紙事業においては、コロナ禍による経済活動停滞の影響により、チラシ用途をはじめとした洋紙の国内需要は大きく減少しました。「Gо Tо キャンペーン」や各種イベントの一部再開等により、夏場以降は洋紙の需要が回復傾向にありましたが、感染者数が11月頃より再び増加に転じたことから、例年の年末需要の盛り上がりはありませんでした。このように事業環境が大きく変化する中、当社は基幹工場である三島工場のN7号抄紙機を改造し、主に海外向け板紙生産マシンとしての営業運転を昨年4月より開始する等、「メディア用途の紙」から「梱包・包装用途の紙」へのシフトを進めています。さらには洋紙を生産する三島工場15号抄紙機を停止し、紙おむつに使用するフラッフパルプの自製化へと転抄を進める等、セグメントを横断した構造改革にも取り組んでいます。
ホーム&パーソナルケア事業においては、「エリエール 贅沢保湿ティシュー」をはじめとした高品質・高付加価値の商品に集中した広告宣伝を実施しました。また、ペーパータオルの新商品の緊急上市等、コロナ禍に対応した施策を実施しました。ベビー用紙おむつでは、「エリエール 贅沢保湿ティシュー」と同じ保湿成分を配合した「グ~ンプラス」と、既存商品のリニューアルに合わせてディズニーキャラクターをパッケージに採用した「グ~ン まっさらさら通気」の2種類の商品を同時に上市し、生活者の支持を得て大幅なシェアアップを達成しました。
これらの取組みの結果、紙・板紙事業では減収減益となりましたが、ホーム&パーソナルケア事業では増収増益となり、連結業績は増収増益となりました。
また、最近の業績動向を踏まえ、2021年3月期通期の連結業績予想を修正しました。
当第3四半期連結累計期間の連結業績は、以下のとおりです。
当第3四半期連結累計期間のセグメントの状況は、以下のとおりです。
(a)紙・板紙
新聞用紙は、新聞の発行部数減少や、コロナ禍での広告減少に伴う頁数減少の影響により、販売数量・金額ともに前年同四半期を下回りました。
洋紙(新聞用紙を除く)は、コロナ禍での旅行・イベント等のチラシ需要の減少や、在宅勤務の拡大等によるコピー用紙等の需要減少により、販売数量・金額ともに前年同四半期を下回りました。
板紙・段ボールは、コロナ禍の影響で国内需要は減少したものの、昨年4月から三島工場N7号抄紙機の営業運転開始による板紙の輸出販売の増加により、販売数量・金額ともに前年同四半期を上回りました。
セグメント利益は、印刷用紙等の需要減少に合わせた生産調整や、板紙の輸出販売の増加に取り組みましたが、コロナ禍による需要減の影響が大きかったことにより前年同四半期を下回りました。
(b)ホーム&パーソナルケア
国内事業については、衛生用紙は、前年度に実施したティシュー等の価格修正後の市況が維持されている中、順調に拡販が進みました。コロナ禍で需要が拡大しているペーパータオルでは「エリエール Plus+キレイ ペーパーハンドタオル」のBОXタイプを発売する等、生活者の要望に応える施策を実施しました。これらの結果、販売数量は前年同四半期並みとなり、販売金額は前年同四半期を上回りました。
ベビー用紙おむつは、新シリーズとなる「グ~ンプラス」を10月に立ち上げ、「エリエール 贅沢保湿ティシュー」と同じ保湿成分を配合したハイグレード商品としてテープタイプ・パンツタイプを上市しました。また、既存商品の「グ~ン まっさらさら通気」も、新たにディズニーキャラクターのデザインを採用した全面リニューアルを実施しました。これらのブランド一新に合わせてテレビCM等での認知拡大策にも注力した結果、ベビー用紙おむつ市場全体の縮小の影響により販売数量・金額ともに前年同四半期を下回ったものの、大幅なシェアアップを達成しました。
大人用紙おむつは、市販ルートでは、9月発売の新商品「アテント 夜1枚安心パッド モレを防いで朝までぐっすり8回吸収」の拡販が順調に進みました。病院・施設等の業務ルートでは、地域包括ケアシステムにおける生活者の在宅復帰支援提案(市販ルート・業務ルートの連携)に注力した営業活動を継続しました。これらの結果、販売数量・金額ともに前年同四半期を上回りました。
フェミニンケア用品は、「エリス 朝まで超安心」を、よりモレない安心感を与えるパッケージに刷新したことが生活者から好評を得ましたが、コロナ禍で市場全体の売上が落ち込んだ影響を受け、販売数量・金額ともに前年同四半期を下回りました。
ウエットワイプは、9月にリニューアル発売した「キレキラ!トイレクリーナー 1枚で徹底おそうじシート」のプロモーション強化による認知率向上及び拡販に取り組みました。またコロナ禍での需要の高止まりに対し、安定供給に努めた結果、販売数量・金額ともに前年同四半期を大幅に上回りました。
マスクは、昨年4月と6月の設備増設に加え、新たに11月と12月にも増設したことによる生産能力向上を背景に、安定供給を継続しました。また、「小さめサイズ」、「中・高学年サイズ」をラインナップに加え、あらゆる層の生活者に安心・安全をお届けできる体制としました。これらの結果、販売数量・金額ともに前年同四半期を大幅に上回りました。
海外事業については、中国ではベビー用紙おむつのプレミアム商品である「光羽鎏金(りゅうじん)シリーズ」の拡販と、地域別・消費者層別に対応した商品展開を進めたことで、大都市以外への配荷が拡大しました。またベビー用紙おむつだけでなく、ベビー用ローションティシューやプレミアムトイレットといった紙製品の販売が順調に伸長したことにより、販売は増加しました。
タイやインドネシア等の東南アジア諸国では、4月以降のコロナ禍によりベビー用紙おむつの販売数量が減少しました。複合事業化が進んでいるタイでは、除菌ウエットやフェミニンケア用品の拡販で補うことができました。インドネシアでは、EC(イーコマース)での販売が伸長しているものの、競合他社との競争が激化したことにより、販売金額は前年同四半期を下回りました。
輸出販売国については、韓国において日本製品不買運動の影響からの回復が進んでいないこと等により、販売は減少しました。
第2四半期より、ブラジルのサンテル及びトルコのエリエール・インターナショナル・ターキーを連結の範囲に含めており、海外事業の売上高の増加等に寄与しています。なお、いずれの子会社も販売は堅調に推移しています。
これらの結果、国内事業・海外事業ともに前年同四半期を上回る売上高となり、セグメント利益も前年同四半期を上回りました。
(c)その他
主に売電事業、機械事業、木材事業及び物流事業であり、コロナ禍の影響で機械事業の売上が減少したこと等により、売上高は前年同四半期を下回りましたが、昨年7月よりバイオマス発電設備が営業運転を開始し、売電事業による収益が増加したこと等により、セグメント利益は前年同四半期を上回りました。
② 財政状態に関する説明
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、新規連結によるのれんの増加や機械装置及び運搬具の増加等により、前連結会計年度末に比べ76,148百万円増加し、839,208百万円となりました。
負債は長期借入金の増加等により、前連結会計年度末に比べ49,516百万円増加し、603,039百万円となりました。
純資産は転換社債の転換による株式の発行等により、前連結会計年度末に比べ26,631百万円増加し、236,168百万円となりました。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ1.3ポイント上昇し、27.4%となりました。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は、2,251百万円です。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4) 従業員数
当第3四半期連結会計期間末における当社及び連結子会社の従業員数は、連結子会社が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ2,210名増加し、12,656名となりました。セグメント別の従業員数は次のとおりです。
(注)従業員数は就業人員数を表示しています。
(5) 生産、受注及び販売の実績
当第3四半期連結累計期間において、ホーム&パーソナルケア事業を行う連結子会社が増加したこと等により、ホーム&パーソナルケア事業の生産実績が著しく増加しました。セグメント別の生産実績は次のとおりです。
(注)金額は製造原価によっています。
(6) 主要な設備
当社は、2018年5月に2020年度までの第3次中期事業計画における紙・板紙の構造改革として、「メディア用途の紙」から「梱包・包装用途の紙」へのシフトを掲げ、洋紙マシンである三島工場N7号抄紙機の板紙マシンへの改造と生産・販売バランスの調整として子会社である大成製紙の板紙マシンの停機を公表しました。
三島工場N7号抄紙機は、計画通り2019年10月に停機し、板紙への設備改造工事を進め、2020年4月より営業運転を開始しましたが、三島工場の臨海立地と流送パルプの競争力を活かした中国・東南アジア向け新製品(高破裂ライナー)の上市による差別化提案により、輸出販売は当初の想定を上回る販売が見込まれています。
今後、大成製紙の板紙マシンを停機し、三島工場N7号抄紙機へ生産移管した場合、国内の安定供給並びに三島工場N7号抄紙機の優位性を活かした中国・東南アジアマーケットに対するさらなる輸出事業の拡大に支障をきたすと判断し、大成製紙の板紙マシンの継続運転を行うことを2020年6月26日に公表しました。引き続き、市場の需要構造の変化に対応しながら、国内需給バランスの維持と収益性の向上に努めていきます。
当第3四半期連結累計期間において、新たに確定した主要な設備の新設等の計画は次のとおりです。
当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定及び締結等はありません。