当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。
(1) 経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における国内経済は、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種が普及し、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が段階的に解除されるなど、経済活動の回復への期待が高まりました。しかし、変異株の出現による感染再拡大への懸念や、世界的なエネルギー価格の上昇や物流網の混乱などを受け、景気の先行きは依然不透明な状況が続いています。
このような状況の中で当社グループは、第4次中期事業計画「GEAR UP 次なる成長、新たな未来へ」(2021年5月発表)の経営目標達成に向け、三島工場でのペーパータオル生産設備の稼働や、川之江工場における衛生用紙生産設備の増設などの「紙・板紙事業とホーム&パーソナルケア事業を横断した構造改革」を着実に実行しています。
当第3四半期連結累計期間の紙・板紙事業においては、昨年度のコロナ禍による経済活動の停滞からは回復しつつあった状況を反映して、洋紙、板紙・段ボールの販売は数量・金額ともに前年同四半期を上回りました。一方で、当第3四半期における古紙、石炭等の原燃料価格や物流費の上昇によるコストアップや、温暖化ガス削減等の環境対策費用の増大への対応を進めるために、生産体制の見直しや経費削減など徹底したコストダウンを続けるとともに、販売価格の修正にも取り組んでいます。
ホーム&パーソナルケア事業においては、国内事業は、需要が伸長しているペーパータオルやソフトパックティシューなどの衛生用紙の販売が引き続き好調な中で、新たな生産設備の稼働による供給能力の増強が販売増加に寄与しました。ウエットワイプやマスクなどのカテゴリーにおいても、新商品や企画品を連続して投入したことで、販売数量は増加しました。一方、海外事業については、主要生産拠点のあるタイ、インドネシア、ブラジルでは依然としてコロナ禍による行動制限が続いていることと、パルプや荷資材価格等の高騰が影響し、期初の計画からは大きく減益となりました。
これらの取り組みの結果、紙・板紙事業では増収増益となり、ホーム&パーソナルケア事業では、国内におけるパルプ等の原材料のコストアップ及び海外では主にコロナ禍による減益により、増収減益となりました。なお、足元の事業環境悪化にともない業績の伸長は鈍化していますが、第3四半期連結累計期間において売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益は過去最高の業績となりました。
当第3四半期連結累計期間の連結業績は、以下のとおりです。
当第3四半期連結累計期間のセグメントの状況は、以下のとおりです。
① 紙・板紙
新聞用紙は、コロナ禍の影響で減少していた新聞頁数が回復傾向にあることから、販売数量・金額ともに前年同四半期を上回りました。洋紙事業(新聞を除く)では、前四半期に引続きワクチン接種券や受診票等のコロナ関連の需要や、緊急事態宣言解除後の経済活動回復による広告需要の増加により、販売数量・販売金額ともに前年同四半期を上回りました。
板紙・段ボールは、国内需要は上向きつつあり、また輸出も市況が堅調なことから、販売数量・金額ともに、前年同四半期を上回りました。
当第3四半期は古紙、石炭等の価格高騰の影響を受け業績の伸長は鈍化しているものの、生産品種のシフトや生産性の改善等に取組み、当第3四半期連結累計期間における、売上高・セグメント利益は、前年同四半期を上回りました。
② ホーム&パーソナルケア
国内事業については、衛生用紙は、2台の生産設備新設による安定供給体制を強化したことで、需要が伸長するペーパータオル・キッチンペーパーや、倍巻きトイレット、ソフトパックティシューなどの高付加価値品の販売が順調に拡大しました。また、「エリエールティシュー」のリニューアルや、「イーナプチティシュー」等の新商品を投入したことで、販売数量・金額ともに前年同四半期を上回りました。
大人用紙おむつは、市販ルートではリニューアルした「アテント下着爽快プラス」及び「アテント夜1枚安心パッド」の販売が伸長しました。業務ルートにおいては、病院や施設への積極的な営業活動が拡販に繋がりました。これらの結果、販売数量は前年同四半期を上回りました。
フェミニンケア用品は、フィンランドのテキスタイルブランド「Finlayson(フィンレイソン)」とのコラボレーションで発売した「エリスコンパクトガード」のデザイン企画品が好評で、販売数量は大幅に前年同四半期を上回りましたが、市況単価下落の影響を受け、販売金額は前年同四半期並となりました。
ベビー用紙おむつは、「グーンまっさらさら通気」秋冬限定デザイン企画品の販売が好調に推移した他、「グーンプラス」については、品質改良及びディズニーキャラクターへのパッケージデザインの変更が好評を得ました。これらの施策がシェア拡大に繋がり、市況単価下落の影響を受けましたが、販売数量・金額ともに前年同四半期を上回りました。
ウエットワイプは、「キレキラ!」ブランドのフロア用ウエットシートやキッチンクリーナー、除菌できるシリーズのBOXタイプや抗菌成分をプラスした新商品等がいずれも好評でしたが、コロナ特需の反動や、市況単価下落の影響により販売数量・販売金額は前年同四半期を下回りました。
マスクは、コロナ特需の反動により市場が縮小する中、カラーマスク「ハイパーブロックマスク リラカラ」を中心に販売が好調で、市況単価下落の影響を受けましたが、販売数量・販売金額ともに前年同四半期を上回りました。
海外事業については、中国では、ベビー用紙おむつで、前四半期に引き続き市場拡大が見込まれるパンツタイプ拡販とともに、地方都市向けの商品ラインナップの拡充と販促強化による大都市圏以外の地域での拡販を進めました。加えて、紙製品、ウエットワイプ、ナプキンの拡販等の複合事業化を推進したことで、販売金額は前年同四半期を上回りました。
東南アジア諸国では、長引くコロナ禍の影響によりベビー用紙おむつの販売が減少する状況下で、タイでは除菌ウエットワイプやフェミニンケア商品の拡販や、インドネシアではEコマースでのベビー用紙おむつの販売は伸長したものの販売金額は前年同四半期を下回りました。
海外事業全体では、前年第1四半期末から連結範囲に含めたブラジル、トルコの子会社の業績が、当期では期首より寄与することもあり、販売金額は前年同四半期を上回りました。
これらの結果、売上高は前年同四半期を上回りましたが、海外事業の環境悪化による影響を国内事業で補いきれずセグメント利益は前年同四半期を下回りました。
③ その他
主に売電事業、機械事業、木材事業及び物流事業であり、黒液発電設備の電力販売、海外での木材チップの販売が引き続き好調であったこと等により、売上高・セグメント利益は前年同四半期を上回りました。
(2) 財政状態に関する説明
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、借入金の返済による現金及び預金の減少等により、前連結会計年度末に比べ214百万円減少し、849,586百万円となりました。
負債は長期借入金の減少等により、前連結会計年度末に比べ17,660百万円減少し、585,351百万円となりました。
純資産は利益剰余金の増加により、前連結会計年度末に比べ17,446百万円増加し、264,235百万円となりました。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ1.9ポイント上昇し、30.1%となりました。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は、2,651百万円です。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 主要な設備
当社は、需要減少の続く洋紙からの転換に加えて、100%輸入しているフラッフパルプの一部を内製化することで、吸収体製品の安定供給体制を一層強化することを目的として、三島工場の洋紙の生産設備を停機し、2022年9月にフラッフパルプ生産設備として再稼働させる計画を2020年8月7日に公表いたしました。
対象設備の三島工場15号抄紙機は2021年3月に停機し、他の洋紙マシンの稼働率を高めることにより、洋紙事業の構造改革は一段進んだものと考えております。
その一方で、これまでのコロナ禍の需要変動を踏まえ、三島工場の競争力のあるパルプを衛生用紙、段ボール原紙、クラフト紙へと活用していくためのパルプバランスを再検証した結果、戦略的な生産品種シフトによるマシン稼働率の維持と競争優位性の向上を実現する最適なタイミングとして、フラッフパルプの生産開始時期の変更を決定いたしました。
当第3四半期連結累計期間において、新たに確定した主要な設備の新設等の計画は次のとおりです。
当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定及び締結等はありません。