第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは「私たちは、包装を通じて社会に奉仕します。優秀な製品・確実な納品・適正な価格」の社是のもとで、お客様のニーズを汲み取り何処にも出来ないようなものを開発し、お約束したことは必ず守るという信念で事業活動に取り組んでおります。単に利益を求めるのみではなく、「包装を通じて社会に奉仕する」ことを愚直に追い求め、ESG(環境・社会・ガバナンス)を重視した経営を実践することで、さらなる企業価値の向上と持続的成長を目指す事業会社として今後も邁進してまいります。

(2)経営戦略等

 当社グループは、社是を準拠するに当たり、経営理念を基本として、企業集団全体とする企業行動憲章、行動基準を定め、使命や考え方、行動を普遍的なものとして社内に浸透させております。

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、事業計画を定め、会社として達成すべき目標を明確にするとともに、さらなる企業価値の向上を図っております。

(4)経営環境

当社グループは、当社および連結子会社5社で構成され、印刷紙器およびプラスチック包材の製造・販売を主な内容とした事業活動を展開しております。このうち、印刷紙器は当社グループの主力部門で、菓子、食品、石鹸洗剤、日用雑貨品等の消費財用カートンが含まれておりますが、当連結会計年度の売上高は15,512百万円となりました。プラスチック包材には、複合成型容器およびフィルム包材が含まれておりますが、当連結会計年度の売上高は1,239百万円となりました。事業構成については、「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載しております。なお、古林紙工(上海)有限公司は、乳製品市場へのカートンの製造販売が競争激化等によりこのまま事業を継続しても損失が膨らむことは不可避であると判断したため、2020年9月に同事業を停止いたしました。これにより重要性が低下したため、当連結会計年度より連結の範囲から除外いたしました。

当社グループを取り巻く状況は、日本では新型コロナウイルス感染症拡大を受け、国内外の経済活動に大きな制限が加えられる中、雇用・所得環境の悪化により個人消費が委縮するなど極めて厳しい状況で推移しました。政府による各種対策や制限緩和の動きに一部で回復の兆しが見られたものの、期末に向けて感染が再拡大した結果、先行き不透明な状況は深刻度を増しております。原料となる板紙出荷量も新型コロナウイルス感染症の影響で減少傾向にあります。海外の経済においても、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、景気は過去最悪の危機的状況にあります。中国では経済活動の再開で緩やかに回復の傾向が見られますが、欧米では感染再拡大によるロックダウンを繰り返すなど回復軌道に乗れない状況が続いております。加えて米中貿易摩擦、英国のEU離脱、米国大統領選挙の混乱などもあり、先行きは厳しい不透明な状況が続くものと思われます。このような状況のもと、当社グループでは新型コロナウイルス感染症に対して、2020年年初から各種感染症拡大防止策を講じてまいりました。これにより、現在に至るまでの400日超の間、当社グループ従業員とその家族で新型コロナウイルス感染症の罹患者は発生しておりません。

今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症により国内外の経済活動に多大な影響がある中、収束が想定できず、早期での景気回復の見通しが困難な状況であります。そうした状況の中、当社グループといたしましては、経営環境が厳しい中にあっても利益が確保できるよう、生産技術を背景としてお客様の環境に則した事業活動を推進いたします。Web会議ツールも駆使した受注活動、「優秀な製品」「確実な納品」「適正な価格」の造り込みを進めるための生産体制の更なる改善や生産設備の維持・更新、デジタルトランスフォーメーション(DX)への取組みを行い、経営体質の強化に努めてまいります。

(5)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題

 当社グループでは、新型コロナウイルス感染症により早期での景気回復の見通しが困難な状況の中、すべてのステークホルダーへの安心安全を最優先に、引続き徹底して各種感染症拡大防止策を講じてまいります。合わせて、

ESGを経営の根幹に据え、事業を通じて社会的課題の解決を図るとともに持続可能な開発目標(SDGs)に貢献し、イノベーションを続けることにより変化し続け、当社グループの持続的成長と中長期的な企業価値向上を目指して、以下の課題に取り組んでまいります。

 

① 受注活動

当社グループを取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症拡大により、従来の形態から大きく変わってきております。市場の変化をどのように認識し、受注につながる提案をするかが課題であります。これを克服するため、今後伸ばしていくターゲット市場を明確化するとともに、行動計画をベースにした活動を目指してまいります。

受注活動では、営業部門はお客様のニーズと要求品質に関わる情報の入手に注力し提案してまいります。設計技術部門は生産・品質の最適性を設計してまいります。製造技術部門は品質、供給責任、コストの運営管理を行ってまいります。営業・技術部門が協力してお客様の要求される品質を設計してまいります。この設計に係る付加価値についてお客様に評価いただけるように進めてまいります。

営業部門と技術部門が協力して設計したものを購買・生産部門は最適な生産プロセスに沿って、全社一体となってお客様と締結した個別契約の要求基準を満たすべく、製品を生産してまいります。工場・拠点においては、お客様の満足度を高めるべく、現場の防虫対策をハード面で一層進めて衛生的な製品を生産し、品質については品質保証部門を新設してお客様との折衝を密にして要求品質を把握・行動し、顧客ニーズを余さず受け取る部門として機能させてまいります。でき上がった製品は決められた納期、数量での確実な納品を徹底してお客様に評価いただけるよう進めてまいります。

 

② 生産体制

製造スキルの向上については、製造技術部門において、さまざまな分野から高いレベルの技術・知識を吸収して社内に移植してまいります。製造・販売・管理部門間のコミュニケーションを密にし、人員の配置、各設備の最大キャパシティで稼働できる体制に整備してまいります。

管理業務に関しては、DXに向けて、全拠点で業務の棚卸を行い、グローバルスタンダードで標準化されたERPパッケージを中心にトレーニングを開始いたしました。ステップを踏んで、3年後に生産設備からの情報自動連係による生産情報のリアルタイムでの見える化、プロセスのデジタライゼーションを完成させ、DXにつなげてまいります。

今後、生産量の増加を見据えて、プラント技術部門が主導して、工場・拠点の増強を進めてまいります。工場・拠点を体系的に結合させ、スマートファクトリー化を構築してまいります。

 

③ コーポレート・ガバナンス体制の強化

当社グループはコンプライアンスの徹底を最重要課題と位置づけております。実効性のあるコーポレート・ガバナンス体制を構築してまいります。経営監視機能としては独立性の高い社外取締役2名と社外監査役2名(弁護士、公認会計士各1名)を独立役員として選任しております。弁護士資格を有した社内取締役を選任し、取締役会の透明性の向上および監督機能の強化を図っております。

 

④ 人財(人材)の育成

事業の継続的発展には人財の確保と成長が課題であり、めまぐるしく変化する企業を取り巻く環境に対し、「変化対応力」を備えた次世代経営幹部を育成します。そのためにも各拠点に配置を行い、職務の執行に責任を持たせることで経営者マインドを育成してまいります。これにより、いかなる状況にも対応でき得る経営基盤を築いてまいります。

また、当社グループは従来から男性従業員の多い状況にありました。これを打開し、男女関係なく働ける職場づくりを推進し、女性従業員を増やす取組みを進めてまいりました。特に営業部門での女性従業員の比率は5年間で15%から40%となりました。さらに管理者への育成に向けて内部教育と環境づくりを進めてまいります。

評価については、年功序列型からジョブ型の報酬への移行、年齢・性別を意識しない人事などを柔軟に取り入れることにより成果報酬型評価に変革を進めてまいります。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)景気の動向

 当社グループは、国内の景気変動による個人を中心とした消費需要における市況の変化が受注活動に影響を及ぼすこととなり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、中国における連結子会社は、主に現地においてパッケージの製造販売を行っております。中国経済は米中貿易摩擦の動向が懸念される中で急激な環境や法制の変化が起こった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当社グループといたしましては、幅広い業種の顧客と取引を行い、特定の顧客に偏らない事業活動を展開してまいります。

(2)受注価格競争

 当社グループは、パッケージ専業メーカーとして多くの競合先と受注競争を行っており、一部市場では競争の激化により受注価格が変動しております。今後のさらなる競争の激化により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当社グループといたしましては、固有の技術ならびに開発力を駆使し、ニーズに即応した新製品および競合他社と差別化した高品質かつ高性能、低コストの製品をすばやく提供することに努め、利益の確保と価格変動に対応していく方針であります。

(3)原材料の調達

 当社グループは、原材料を外部メーカーから調達しております。仕入先との取引関係に変化が発生したり、仕入先の経営状態悪化などによる原材料の供給制限や製造中止などが生じた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当社グループといたしましては、仕入先の選定を行い、安定的な原材料の確保と最適な調達価格の維持に努めております。

(4)原材料価格の変動

 当社グループの原材料価格は、原油価格の高騰、米中貿易摩擦の動向や為替相場の変動など市況により変動します。急激な市況の変化により原材料の購入価格が著しく上昇し、販売価格への転嫁が困難な場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当社グループといたしましては、販売部門および購買部門の売買単価に対する交渉管理を行うとともに、生産の効率化によるコスト削減に努めております。

(5)環境に関する法的規制

 当社グループは、気候変動、大気・水・土壌の汚染、有機溶剤等の有害物質の利用、廃棄物処理およびリサイクル等を規制するさまざまな環境関連の法規制の適用を受けております。これらの法規制がより厳しくなったり、有害物資を除去する義務がさらに増加した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当社グループといたしましては、環境関連法規制に則って、省エネルギーによるエネルギー由来のCO排出量や原油使用量の削減、材料生産性の向上による材料使用量の効率化、廃棄物の削減等環境に配慮した事業活動を行っております。

(6)安全衛生

 当社グループでは、印刷機や打抜機等の大型設備を保有しております。不慮の事故等が発生した場合、従業員への補償や生産に支障をきたすことになり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当社グループといたしましては、従業員の安全を守るための作業手順を整備するとともに定期的な自主保全を実施し、安全について配慮しております。

(7)大規模災害等の発生

 当社グループでは、大地震や気候変動に伴う自然災害、感染症の世界的流行(パンデミック)など予想を超える被害が発生することで生産活動の停止、資産の滅失毀損、社員の罹災・罹患が発生した場合はもとより、取引先の事業活動への影響および物流機能の麻痺により納品および仕入が遅延や停止した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当社グループといたしましては、製造設備等の主要設備には防火、耐震対策等を実施するとともに、製造拠点の分散化を図っております。また、点検・訓練の実施や連絡体制の整備の取組みに加え、従業員の健康状態に関する情報を日々収集し全社で共有することで、災害などによって製品の供給に混乱をきたすことのないよう努めております。

(8)為替の変動

 当社は、現在中国に2社、台湾に1社の連結子会社を有しております。当該連結子会社において獲得した現地通貨は、主として現地での決済に使用しており、実質的な為替リスクは軽減されております。ただし、当該連結子会社の資産、負債、収益および費用は決算日の直物為替相場で円換算するため、換算時の為替レートが予想を超えて大幅に変動した場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

(9)固定資産の減損

 当社グループでは、事業目的に使用する設備、不動産、投資有価証券等、さまざまな資産を所有しております。今後、市況の変化や経営環境の変化等に伴って投資額の回収が見込めなくなり減損処理が必要となった場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループといたしましては、事業所別に収益管理を行い、必要に応じて対策を講じることにしております。また、投資有価証券につきましては従来より保有株式の縮減を検討しており、保有に関しては、保有意義、保有目的の適切性および経済合理性の観点から個別銘柄ごとに適否を毎年取締役会で検証しております。

(10)繰延税金資産

 当社グループは、将来減算一時差異等に対して、将来の課税所得に関する予測等に基づき回収可能性を検討した上で繰延税金資産を計上しております。しかし、将来の課税所得が予測と異なり回収可能性の見直しが必要となった場合、また、税率変更を含む税制の改正等があった場合には、繰延税金資産の修正が必要となり、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

(11)資金調達

 当社グループでは、設備資金や運転資金を自己資金の他、主に金融機関からの借入により賄っております。金融情勢の変化によっては、当社の財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループといたしましては、資金については資金繰りを計画的かつ効率的に管理し、手許流動性の維持などにより流動性リスクを管理しております。今後とも自己資本の充実を図るとともに、引続き金融機関との良好な関係の構築に努めてまいります。

(12)人財育成・確保

 当社グループでの事業の継続的発展には、人財の確保と育成が不可欠であります。しかしながら、人財の確保・育成が計画通りに進まない場合、当社グループの事業、業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループといたしましては、人財の確保と育成のため、男女関係なく働ける職場づくりの推進、労働時間の短縮、有給休暇の取得促進等の働き方改革への取組みを進めております。さらに管理者への育成に向けて内部教育と環境づくりを進め、次世代経営幹部を各拠点に配置を行い、職務の執行に責任を持たせるようにしております。社員の仕事に対するモチベーションを高めることで、生産性の向上、収益力の向上を目指しております。

(13)新型コロナウイルス感染症の感染拡大

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、国内外の経済活動に多大な影響がある中、収束が想定できず、早期での景気回復の見通しが困難な状況であります。新型コロナウィルス感染症の収束が長期化した場合や当社グループで罹患者が発生した場合、需要の低迷による受注量の低下、サプライチェーンの混乱、生産活動の停止などにより当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当社グループといたしましては、消毒の徹底、従業員とその家族へのマスク配布および対策の指導、工場内の入場制限、ソーシャルディスタンスの確保、時差出勤、在宅勤務など、人への安全確保を第一に各種感染症拡大防止策を講じており、今後もすべてのステークホルダーへの安全安心を最優先に、引続き徹底してまいります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態および経営成績の状況

当社は前連結会計年度より決算日を3月31日から12月31日に変更いたしました。そのため参考値として、当連結会計年度と同一期間となるように組み替えた前年同期(以下、「調整後前年同期」という。)による比較情報を下記に表示しております。

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主に帰属する当期純利益

2020年12月期

16,800

566

596

12

調整後前年同期

17,961

832

845

572

調整後増減

△1,161

△265

△248

△560

調整後増減率(%)

△6.5

△31.9

△29.4

△97.9

  (注) 調整後前年同期は、当社ならびにすべての連結対象会社において2019年1月1日から2019年12月31日までの12か月間を連結対象期間として表示しております。調整後増減および調整後増減率は2020年12月期と調整後前年同期との比較で記載しております。

 

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大を受け、国内外の経済活動に大きな制限が加えられる中、雇用・所得環境の悪化により個人消費が委縮するなど極めて厳しい状況で推移しました。政府による各種対策や制限緩和の動きに一部で回復の兆しが見られたものの、期末に向けて感染が再拡大した結果、先行き不透明な状況は深刻度を増しております。原料となる板紙出荷量も新型コロナウイルス感染症の影響で減少傾向にあります。

海外の経済においても、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、景気は過去最悪の危機的状況にあります。中国では経済活動の再開で緩やかに回復の傾向が見られますが、欧米では感染再拡大によるロックダウンを繰り返すなど回復軌道に乗れない状況が続いております。加えて米中貿易摩擦、英国のEU離脱、米国大統領選挙の混乱などもあり、先行きは厳しい不透明な状況が続くものと思われます。

このような状況の中、当社グループでは、「包装を通じて社会に奉仕します」の社是に則り、新型コロナウイルス感染症拡大の状況下においても、お客様にはWeb会議ツールも駆使して受注活動を進めてまいりました。当社グループ一体でお客様への供給責任を果たすべく、各部門で従来からの課題の解決に取り組むとともに部門相互で連携を強化し、全社一体となってお客様と締結した品質契約と個別契約の要求基準を満たす製品を生産し、確実な納品を徹底してまいりました。このように「優秀な製品」「確実な納品」「適正な価格」の造り込みを進めてまいりました。

また、当社グループでは、ESG(環境・社会・ガバナンス)を経営の根幹に据え、事業を通じて社会的課題の解決を図るよう努めております。環境に関しては、設計技術と生産性の向上に取り組み、結果として国内においてはエネルギー由来CO排出量を調整後前年同期比0.8%効率化、故紙原紙重量原単位で調整後前年同期比3.8%削減と、より少ないエネルギーと素材をより無駄なく製品化することで環境負荷低減に貢献いたしました。持続可能な調達を推進するお客様の環境に配慮したパッケージのために森林認証紙の使用が増え、使用重量比75.6%が認証紙となっております。

従業員の健康状況に関しては、日々情報を収集し、全社で共有しております。新型コロナウイルス感染症に対しては、消毒の徹底、従業員とその家族へのマスク配布および対策の指導、工場内の入場制限、ソーシャルディスタンスの確保、時差出勤、在宅勤務など、人への安全確保を第一に2020年年初から各種感染症拡大防止策を講じてまいりました。これにより、現在に至るまでの400日超の間、当社グループ従業員とその家族で新型コロナウイルス感染症の罹患者は発生しておりません。

この他、当社ではホストコンピュータによるバッチ処理を見直し、ペーパレス化とリアルタイム情報の把握から最適なタイミングでの事業判断ができるよう、デジタルトランスフォーメーション(DX)開発への取組みに着手しました。DXに向けて、全拠点で業務の棚卸を行い、グローバルスタンダードで標準化されたERPパッケージを中心にトレーニングを開始いたしました。

 

中国事業においては、古林紙工(上海)有限公司は、乳製品市場へのカートンの製造販売が競争激化等によりこのまま事業を継続しても損失が膨らむことは不可避であると判断したため、2020年9月に同事業を停止いたしました。これにより重要性が低下したため、当連結会計年度より連結の範囲から除外いたしました。なお、連結除外の基準日は当連結会計年度末日としているため、当連結会計年度は損益計算書およびキャッシュ・フロー計算書については連結しております。また、上海古林国際印務有限公司は、環境対応として当局の指導に基づき2020年12月に市街地から郊外へVOC対策を施した工場移転を完了いたしました。

a.財政状態

当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ1,196百万円減少し、17,510百万円となりました。

流動資産は前連結会計年度末に比べ831百万円減少し、7,056百万円となりました。これは、受取手形及び売掛金が429百万円減少、現金及び預金が263百万円減少したこと等によるものであります。

固定資産は前連結会計年度末に比べ365百万円減少し、10,454百万円となりました。これは、投資有価証券が559百万円減少した一方、関係会社出資金が古林紙工(上海)有限公司を連結の範囲から除外したことにより224百万円増加したこと等によるものであります。

負債につきましては、前連結会計年度末に比べ469百万円減少し、8,651百万円となりました。

流動負債は前連結会計年度末に比べ344百万円減少し、6,738百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が437百万円減少したこと等によるものであります。

固定負債は前連結会計年度末に比べ125百万円減少し、1,913百万円となりました。これは、繰延税金負債が190百万円減少したこと等によるものであります。

純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ727百万円減少し、8,859百万円となりました。これは、その他有価証券評価差額金が390百万円減少、非支配株主持分が284百万円減少したこと等によるものであります。

 

b.経営成績

当連結会計年度の売上高は16,800百万円(調整後前年同期比1,161百万円減、6.5%減)、営業利益は566百万円(調整後前年同期比265百万円減、31.9%減)、経常利益は596百万円(調整後前年同期比248百万円減、29.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、古林紙工(上海)有限公司の乳製品市場へのカートンの製造販売を停止したことによる事業整理損552百万円を特別損失に計上したことにより、12百万円(調整後前年同期比560百万円減、97.9%減)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。参考値として、調整後前年同期による比較情報を下記に表示しております。なお、セグメント利益は営業利益ベースの数値であります。

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

日本

中国

セグメント

間売上高

その他消去

合計

売上高

 

 

 

 

 

2020年12月期

13,454

4,598

18,053

△1,253

16,800

調整後前年同期

14,217

4,876

19,093

△1,132

17,961

調整後増減

△762

△278

△1,040

△121

△1,161

調整後増減率(%)

△5.4

△5.7

△5.4

△6.5

セグメント利益

 

 

 

 

 

2020年12月期

605

129

734

△168

566

調整後前年同期

933

71

1,004

△173

832

調整後増減

△328

58

△270

5

△265

調整後増減率(%)

△35.2

81.6

△26.9

△31.9

  (注) 調整後前年同期は、当社ならびにすべての連結対象会社において2019年1月1日から2019年12月31日までの12か月間を連結対象期間として表示しております。調整後増減および調整後増減率は2020年12月期と調整後前年同期との比較で記載しております。

 

 

a.日本

 当社および国内連結子会社においては、売上高は13,454百万円(調整後前年同期比762百万円減、5.4%減)となりました。新型コロナウイルス感染症の影響もあり、受注内容で増減はあるものの全体として売上高は減少しております。セグメント利益は売上高の減少が利益に影響し605百万円(調整後前年同期比328百万円減、35.2%減)となりました。

 

b.中国

 当社グループにおいては、セグメント間の売上高を含め売上高は4,598百万円(調整後前年同期比278百万円減、5.7%減)となりました。古林紙工(上海)有限公司の事業停止による売上高減少の影響が大きかったものの、その他の子会社では新型コロナウイルス感染症の状況下にあっても売上高は増加しております。セグメント利益は中国政府の新型コロナウイルス感染症対策としての社会保険料減免等もあり、129百万円(調整後前年同期比58百万円増、81.6%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローの増加等により前連結会計年度に比べ49百万円(対前期比4.4%増)増加し、当連結会計年度末残高は1,177百万円となりました。

 各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 なお、前連結会計年度は、決算期変更に伴い、当社ならびに3月決算であった連結対象会社は2019年4月1日から2019年12月31日までの9か月間を、12月決算であった連結対象会社は2019年1月1日から2019年12月31日までの12か月間を連結対象期間とする変則的な決算となっております。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動により獲得した資金は、582百万円となりました。これは主に、減価償却費439百万円、売上債権の減少による資金の増加253百万円、法人税等の支払額239百万円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動により使用した資金は、369百万円となりました。これは主に、主に有形固定資産の取得による支出651百万円を実行したこと等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動により使用した資金は、143百万円となりました。これは主に、借入金の純減少額16百万円、配当金の支払額58百万円、リース債務の返済による支出56百万円等によるものであります。

 

③ 生産、受注および販売の実績

 前連結会計年度は、決算期変更に伴い、当社ならびに3月決算であった連結対象会社は2019年4月1日から2019年12月31日までの9か月間を、12月決算であった連結対象会社は2019年1月1日から2019年12月31日までの12か月間を連結対象期間とする変則的な決算となっております。のため、前期比については記載しておりません。

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年1月1日

  至 2020年12月31日)

前期比(%)

日本   (千円)

11,536,598

中国   (千円)

4,495,585

合計   (千円)

16,032,183

 (注)1 中国は台湾を含んでおります。

    2 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

日本

13,450,584

1,210,712

中国

3,253,639

236,467

合計

16,704,223

1,447,179

 (注)1 中国は台湾を含んでおります。

    2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年1月1日

  至 2020年12月31日)

前期比(%)

日本   (千円)

13,454,360

中国   (千円)

3,345,563

合計   (千円)

16,799,923

 (注)1 中国は台湾を含んでおります。

    2 セグメント間の取引については、相殺消去しております。

    3 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2019年4月1日

  至 2019年12月31日)

当連結会計年度

(自 2020年1月1日

  至 2020年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

花王株式会社

2,686,134

18.3

3,325,853

19.8

4 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容

a.財政状態の分析

当連結会計年度の財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態および経営成績の状況 a.財政状態」に記載のとおりであります。

 

b.経営成績の分析

当連結会計年度の販売に関して、当社グループ一体でお客様への供給責任を果たすべく、各部門で従来からの課題の解決に取り組むとともに部門相互で連携を強化し、全社一体となってお客様と締結した品質契約と個別契約の要求基準を満たす製品を生産し、確実な納品を徹底してまいりました。しかし、日本では、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、受注内容で増減はあるものの全体として売上高は減少いたしました。中国では、古林紙工(上海)有限公司の事業停止による売上高減少の影響が大きかったものの、その他の子会社では新型コロナウイルス感染症の状況下にあっても売上高は増加いたしました。このような状況下、特に新型コロナウイルス感染症に対しては、人への安全確保を第一に2020年年初から各種感染症拡大防止策を講じ、現在に至るまでの約400日間、当社グループ従業員とその家族で新型コロナウイルス感染症の罹患者は発生させなかったことにより、お客様への納品を滞らせることは有りませんでした。その結果、売上高は16,800百万円(調整後前年同期比1,161百万円減、6.5%減)となりました。このうち、日本の売上高は13,454百万円(調整後前年同期比762百万円減、5.4%減)、中国の売上高はセグメント間の売上高を含め4,598百万円(調整後前年同期比278百万円減、5.7%減)となりました。

当連結会計年度の売上原価、販売費及び一般管理費は、日本では、売上高の減少により変動費が減少いたしました。中国では、中国政府の新型コロナウイルス感染症対策としての社会保険料減免等もあり固定費は減少しました。このような状況下、当社グループではESGを経営の根幹に据え、事業を通じて社会的課題の解決を図るよう努めております。環境に関しては、設計技術と生産性の向上に取り組み、結果として国内においてはエネルギー由来CO排出量を調整後前年同期比0.8%効率化、故紙原紙重量原単位で調整後前年同期比3.8%削減と、より少ないエネルギーと素材をより無駄なく製品化することで環境負荷低減に貢献し、コストの削減に努めました。その結果、売上原価は13,990百万円、販売費及び一般管理費は2,244百万円となり、営業利益は566百万円(調整後前年同期比265百万円減、31.9%減)となりました。

当連結会計年度の営業外収益は受取配当金等により175百万円、営業外費用は支払利息等により145百万円となり、経常利益は596百万円(調整後前年同期比248百万円減、29.4%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、古林紙工(上海)有限公司の乳製品市場へのカートンの製造販売を停止したことによる事業整理損552百万円を特別損失に計上したことにより、12百万円(調整後前年同期比560百万円減、97.9%減)となりました。

 

セグメントごとの財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容

 セグメントごとの財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容は、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態および経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に係る情報

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概況 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります

 当社グループの資本の財源および資金の流動性につきまして、運転資金需要のうち主なものは生産費用を含む営業費用であります。投資を目的とした資金需要のうち主なものは設備投資によるものであります。当社グループは事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針とし、運転資金および設備資金は自己資本および金融機関からの借入を基本としております。当連結会計年度は新型コロナウイルス感染症の影響に備え、手元流動性を厚くして経営の安全性を高めております。なお、当連結会計年度末における借入金およびリース債務を含む有利子負債の残高は2,639百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は1,177百万円となっております。

 

③ 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。この連結財務諸表の作成にあたって、重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 また、新型コロナウイルス感染拡大に伴う会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 追加情報」をご参照ください。

 

④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 2020年12月期の達成・進捗状況は以下のとおりとなります。

 売上高は計画比1,200百万円減(6.7%減)となりました。これは主に、新型コロナウイルス感染症の影響に加え、古林紙工(上海)有限公司の事業停止により、売上高が減少したことによるものであります。経常利益は対計画比96百万円増(19.2%増)となりました。これは主に、売上高の減少で限界利益が減少したものの、固定費の減少、とりわけ中国政府の新型コロナウイルス感染症対策としての社会保険料減免により、利益の増加に転じたことによるものであります。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、対計画比338百万円減(対計画比96.6%減)となりました。これは主に、古林紙工(上海)有限公司の事業停止による事業整理損552百万円を特別損失に計上したことによるものであります。

指標

2020年度(計画)

2020年度(実績)

2020年度(計画比)

売上高

18,000百万円

16,800百万円

△1,200百万円  (6.7%減)

経常利益

500百万円

596百万円

96百万円 (19.2%増)

親会社株主に帰属する

当期純利益

350百万円

12百万円

△338百万円 (96.6%減)

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

5【研究開発活動】

当社グループにおける研究開発活動は、当社グループにおける研究開発活動は、持続可能な開発目標(SDGs)の取組みとして、印刷紙、インキ、成形容器といったパッケージ製造に係る素材を、有機物の再生可能資源素材、脱プラスチックス素材、化石燃料使用削減を促進する素材に切替をめざして開発をすすめております。

また、当社では保有する印刷技術を数値化し、客観的に評価できる仕組みつくりを進めております。これにより、新型コロナウイルス感染症拡大の状況での人の移動と接触を避ける制約から、お客様には自社内もしくは自宅からリモートにより、印刷の色を数値化した基準を基に製品の設計状況を確認共有することが可能になりました。これをさらにすべてのお客様に水平展開し、より高い時間効率のサービスの提供を進めてまいります。

当社ではホストコンピュータによるバッチ処理を見直し、ペーパレス化とリアルタイム情報の把握から最適なタイミングでの事業判断ができるよう、デジタルトランスフォーメーション(DX)開発への取り組みに着手しました。DXに向けて、全拠点で業務の棚卸を行い、グローバルスタンダードで標準化されたERPパッケージを中心にトレーニングを開始いたしました。ステップを踏んで、3年後に生産設備からの情報自動連係による生産情報のリアルタイムでの見える化、プロセスのデジタライゼーションを完成させ、DXにつなげてまいります。

 なお、当連結会計年度の研究開発費は、207百万円であります。