(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな回復を持続しました。輸出や鉱工業生産には足踏みする動きも生じましたが、雇用情勢が堅調に推移し個人消費も持ち直す状況となりました。また、既往の円高や新興国経済の減速に伴う企業収益の低下から、設備投資計画に慎重な姿勢もみられましたが、年度後半には米大統領選挙後の円安・株高もあって景況感は改善することとなりました。
段ボールの国内消費動向は、各分野での安定した消費動向により、業界全体の年間生産量は前年比101.7%となりました。
このような環境下当社グループは、製販一体となって段ボール、印刷紙器、軟包装材および紙製緩衝材など主力製品の品質、サービスの向上に努めるとともに、トータル・パッケージング・ソリューション・プロバイダーとしての競争力強化に努めてまいりました。
国内では、段ボールの販売数量は、化学・医薬品分野で前年を大きく上回りましたが、その他の分野で伸び悩み全体としては前年比微減となりました。
国内販売金額では、電機・機械分野、陶磁器・ガラス製品分野で前年を下回りましたが、2016年7月にクラウン紙工業㈱がグループに加わったこともあり前年を上回る実績となりました。
収益面においては、生産面で歩留まりや生産性向上など工場運営の合理化と設備メンテナンスの強化に努め、営業面では販売価格の維持と受注採算の改善に注力しました。このような収益改善活動における成果に加え、原燃料価格の低下も寄与し、収益は前年を上回る結果となりました。
海外においては、ベトナム・ハノイにおける事業拡大が続き、円高の影響を受けたものの収益も堅調に推移いたしました。ハイフォン市に展開した現地法人は、今春には設備増強を終えて段ボール生産一貫工場として旺盛な需要を一層取り込んでいく予定です。
また、昨年策定した2020年までの「新・中期経営計画」の起点として位置づけた構造改革については、クラウン紙工業㈱をプラットホームとする関東・東北エリアにおける紙器事業再編に着手しております。
以上の結果により、当社グループの業績は次のとおりとなりました。
〔連結〕
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売上高 |
46,592百万円 |
前期比 100.6% |
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経常利益 |
1,432百万円 |
前期比 160.6% |
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親会社株主に帰属する 当期純利益 |
1,145百万円 |
前期比 163.4% |
セグメントの業績の状況は次のとおりであります。
a 包装材関連事業
当セグメントにおきましては、売上高は49,680百万円(前期比101.4%)、セグメント利益(営業利益)は1,113百万円(前期比159.5%)となりました。
b 不動産賃貸事業
当セグメントにおきましては、売上高は392百万円(前期比97.8%)、セグメント利益(営業利益)は324百万円(前期比118.6%)となりました。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」にしております。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ1億15百万円減少し、9億64百万円となりました。
これは、営業活動により得られた資金25億49百万円、投資活動により使用した資金21億77百万円および財務活動により使用した資金4億37百万円によるものであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は25億49百万円(前連結会計年度は24億48百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益14億51百万円および減価償却費20億48百万円などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は21億77百万円(前連結会計年度は18億8百万円)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出21億63百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出11億94百万円および投資有価証券売却による収入12億36百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は4億37百万円(前連結会計年度は10億29百万円)となりました。これは主に、長期借入金の収入が7億円あったものの、短期借入金の減少1億16百万円、長期借入金の返済4憶95百万円および配当金の支払い3億95百万円などによるものであります。
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年1月1日 至 平成28年12月31日) |
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金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
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包装材関連事業 |
45,968,825 |
100.6 |
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不動産賃貸事業 |
- |
- |
|
合計 |
45,968,825 |
100.6 |
(注)1 セグメント間取引は消去しております。
2 金額は販売価額(消費税等抜き)により算出しております。
(2)受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
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包装材関連事業 |
46,394,274 |
101.0 |
1,549,885 |
111.3 |
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不動産賃貸事業 |
- |
- |
- |
- |
|
合計 |
46,394,274 |
101.0 |
1,549,885 |
111.3 |
(注)1 セグメント間取引は消去しております。
2 金額は販売価額(消費税等抜き)により算出しております。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年1月1日 至 平成28年12月31日) |
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金額(千円) |
前年同期比(%) |
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包装材関連事業 |
46,237,104 |
100.6 |
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不動産賃貸事業 |
355,652 |
99.4 |
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合計 |
46,592,757 |
100.6 |
(注)1 セグメント間取引は消去しております。
2 販売実績には消費税等を含めておりません。
今後の日本経済は、輸出、鉱工業生産、設備投資等の回復が続き、公共投資の増加や所得環境の改善も景気下支えに寄与することから、回復基調を辿り年率1%前後のプラス成長が見込まれます。ただし、海外経済の低成長が続くほか、米国政策運営や欧州政治情勢など景気に影響を与える不透明な要因も増えております。
このような状況下、当社グループは生産量を確保するとともに、生産面の合理化および収益視点の販売強化策に注力してまいります。
国内においては、段ボール、印刷紙器、軟包装材、紙製緩衝材など主力製品の品質、サービスの向上に努めるとともに、地域特性や顧客ニーズに呼応する企画・開発力を磨き、幅広い商品群における競争力を強化してまいります。昨年3月に稼働したデジタルオンデマンド印刷機は、顧客ニーズの多様化に応えるだけでなく、新たな需要を掘り起こして市場を創出するものと考えております。また、東北、関東、東海地域における各エリア戦略に基づき最適な製販体制による拡販と収益強化に注力してまいります。
海外においては、東南アジア市場における需要拡大を積極的に取り込む戦略を継続してまいります。特に、ベトナムにおいては、既存のハノイ拠点に加えてハイフォン市に展開中の現地法人が、今春設備増強を終えて段ボール生産一貫工場として、さらに需要を取り込んでまいります。他の海外拠点においても、市場の変化に応じてビジネスモデルを転換するなど販売・生産両面における施策遂行スピードを早めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項については、以下のようなものがあります。
なお、本文中における将来に関する事項については、有価証券報告書提出日現在(平成29年3月27日)において判断したものであります。
(1)主要製品の販売数量および販売価格の変動について
当社グループの主要製品である包装資材関連製品は受注生産であり、取引先の動向、景気の影響、消費者の嗜好、天候の状況等による顧客の生産高の増減が影響を及ぼす可能性があります。また、包装資材関連製品の価格は市況により変化するため、業界の再編等による業界動向が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)主要原材料の価格変動について
当社グループの主要原材料である段ボール原紙の価格は市況により変化するため、主要原材料の変化が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)生産体制の再編成について
当社グループは、2020年に向けた新・中期経営計画を掲げており、その中で構造改革を進めてまいります。その過程において発生する生産体制、生産設備の見直しが当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)海外事業について
当社グループは、ユーザーの海外生産移管に伴い、中国をはじめ東南アジアに事業展開しております。海外事業に関しましては、リスクを十分に検討したうえで意思決定を行っておりますが、為替変動および進出先の経済的、政治的な変化が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)資金運用について
当社グループは、有価証券を保有しており、金利動向および株式市場動向が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)コンプライアンスについて
当社グループは、各種法令、規制等に違反しないよう、コンプライアンス体制の強化に努めておりますが、業務遂行にあたり不適切な行為、もしくは企業倫理に反する行為等が発生した場合、当社グループの信頼を失うことにより、また、規制当局による措置その他の法的手続きにより業績に影響をおよぼす可能性があります。
(7)その他
地震、火災等の自然的、人的災害およびその他操業に影響する事故等が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループにおける研究開発活動は、主として提出会社の開発部門が行っており、経営理念「パッケージを通じて社会のあらゆるニーズに応え、社会の役に立つ企業を目指す」のもと、「人に、モノに、地球にやさしいパッケージ」を提供し続けることを目指しております。「地球環境負荷の少ない容器包装資材の開発=3R活動」と「少子高齢化社会に対応し、多くの人に識別しやすく使いやすいパッケージの開発=ユニバーサルデザイン」をテーマに、新製品・応用技術の組み合わせによる開発と海外子会社を含むグループの営業支援活動に取り組んでまいりました。
当連結会計年度の主な研究開発概要とその成果は、次のとおりであります。
(包装材関連事業)
(1) 段ボール部門
① 省資源包装
段ボールの省資源包装のため軽量化に取り組んでおります。Cフルートおよびマイクロフルートの推進、リテールレディーパッケージの企画および形状考案取り組みによる外装箱兼用形状により軽量化を実現させております。また、蓄積されたノウハウを活用した構造設計技術による適正包装化の取り組みにおいての軽量化も実現させております。また、段ボール自体の使用重量削減の取り組みによる省資源化を図っております。
② 機能性段ボールの開発
多角形段ボールの開発に継続して取り組むとともに、封緘設備に関し機械メーカーと共同で汎用型封緘設備の開発に取り組んでまいりました。2017年度には汎用型封緘設備が発売される見込みとなりました。
また、昨年度に引き続き展示機能性を持つ外装箱形状改善とともに、ユーザービリティ―に配慮した梱包構造の改善にも取り組みました。
③ 段ボールフスマの開発
主に段ボールフスマとして、デジタル印刷による美粧フスマの開発と防炎フスマの開発に取り組みました。
当部門に係る研究開発費は2億7百万円であります。
(2) 印刷紙器部門および軟包装材部門
印刷紙器部門におきましては、シェルフレディパッケージ(即棚陳列)などに取り組み、店頭でのディスプレイ効果のある商品企画および陳列棚用治具との組み合わせの開発を継続して取り組みました。また、印刷紙器箱によるギフト向け形状に創造性の高い形状の考案、販売促進用ディスプレイの形状考案に取り組みました。
また、軟包装材部門におきましては、アロフィニティパッケージ(ガス抜き袋)の機能改善および特殊素材による緩衝材の開発に取り組みました。
当部門に係る研究開発費は54百万円であります。
(3) その他部門
① 新しい印刷技術
インクを使用しないレーザー印刷の用途開発を継続して進め、段ボール、印刷紙器以外の容器素材への展開のための基礎的研究を継続して行いました。
② パルプモールド
製造用の型作成では3Dプリンターを使用した新技術(プラスティック型)の量産型への対応に継続して取り組んでおります。また、プレス型(高熱対応型)への転用技術の開発にも継続して取り組んでおります。
美粧モールドへの取り組みとしては、美粧効果を持ったパッケージとしての位置づけで形状開発および素材の開発、ならびに他素材との混抄素材による機能性モールドの開発にも取り組んでおります。
加えて、新しい印刷技術とパルプモールドの組み合わせによる、新しい容器の用途開発にも継続して取り組んでおります。
③デジタル印刷技術
新たに導入した、段ボール専用デジタルオンデマンド印刷機に関しての技術開発に取り組んでおります。デジタル印刷に適したインキ、素材、加工方法を含めた用途開発に取り組んでおります。
当部門に係る研究開発費は20百万円であります。
その結果、当社グループの研究開発費の総額は2億81百万円であります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
なお、当連結会計年度より「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」にしております。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、経営者による会計方針の選択・適用とともに、連結会計年度末時点での資産・負債および収益・費用の計上を行うため、必要に応じて会計上の見積りを用いております。当社グループの経営陣は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、その性質上不確実であり、実際の結果と異なる可能性があります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高
売上高は、生産数量の確保に努めたものの段ボール製品の軽量化、薄物化に伴う販売価格の低下および海外連結子会社では外貨建売上高は増加したものの、前期末比で円高となったことにより日本円換算額が減少しましたが、連結子会社を取得したことなどに伴い前連結会計年度に比べ2億72百万円増加し465億92百万円となりました。
② 売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価および販売費及び一般管理費は、売上原価では生産数量は増加したものの原燃料価格の低下および生産コスト削減などの取り組みにより、前連結会計年度に比べ2億82百万円減少し384億20百万円となりました。
販売費及び一般管理費においては生産数量増加に伴う変動費の増加などにより前連結会計年度に比べ1億72百万円増加し71億54百万円となりました。
③ 営業利益
営業利益は、前連結会計年度に比べ3億82百万円増加し10億17百万円となり、売上高に対する営業利益の比率は前連結会計年度より0.8ポイント増加し2.2%となりました。
④ 営業外損益
営業外損益は、前連結会計年度の2億56百万円の収益(純額)から、4億15百万円の収益(純額)となりました。
⑤ 経常利益
経常利益は、前連結会計年度に比べ5億40百万円増加し14億32百万円となり、売上高に対する経常利益の比率は前連結会計年度に比べ1.2ポイント増加し3.1%となりました。
⑥ 特別損益
特別損益は、前連結会計年度の12百万円の利益(純額)から19百万円の利益(純額)となりました。
⑦ 親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ4億44百万円増加し11億45百万円となりました。売上高に対する当期純利益の比率は前連結会計年度より1.0ポイント増加し2.5%となりました。
(3)資本の財源および資金の流動性についての分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1億15百万円減少し9億64百万円となりました。
営業活動においては、前連結会計年度に比べ1億1百万円収入が増加し、25億49百万円の収入となりました。これは、前連結会計年度に比べ税金等調整前当期純利益の計上金額が大きく増加したことなどによるものであります。
投資活動においては、前連結会計年度に比べ3億68百万円支出が増加し、21億77百万円の支出となりました。これは、前連結会計年度に比べ有形固定資産取得に係る支出が増加したことなどによるものであります。
財務活動においては、前連結会計年度に比べ5億91百万円支出が減少し、4億37百万円の支出となりました。これは、前連結会計年度に比べ長期借入れによる収入が増加したことなどによるものであります。
財政状態およびキャッシュ・フローの状況に関する主な経営指標は次のとおりであります。
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|
平成27年12月期 |
平成28年12月期 |
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流動比率(%) |
98.7 |
104.0 |
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固定比率(%) |
120.4 |
120.0 |
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自己資本比率(%) |
58.7 |
59.7 |
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時価ベースの自己資本比率(%) |
22.1 |
20.2 |
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債務償還年数(年) |
1.4 |
1.4 |
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インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
87.8 |
88.2 |
(注)上記各指標の算出方法は次のとおりであります。
流動比率=流動資産合計÷流動負債合計
固定比率=固定資産合計÷純資産合計
なお、純資産合計は「純資産合計-新株予約権-非支配株主持分」により算出しております。
自己資本比率=自己資本÷総資産
なお、自己資本は「純資産額合計-新株予約権-非支配株主持分」により算出しております。
時価ベースの自己資本比率=株式時価総額÷総資産
債務償還年数=有利子負債÷営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ=営業キャッシュ・フロー÷利払い
なお、株式時価総額は、期末株価数値×(期末発行済株式総数-自己株式数)により算出しており、営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を払っている全ての負債を対象としております。利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。また、各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。