第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度のわが国経済は、政府の経済対策による財政支出や日銀の金融緩和策もあり、個人消費が雇用・所得環境の着実な改善を背景に底堅く推移し、設備投資も企業収益が改善する中、緩やかな増加基調にあり、海外経済で新興国の一部に弱さが残るものの、緩やかな回復基調が続きました。
 このような状況の下、当社グループの連結売上高は152,153百万円(前期比0.5%増)、連結経常利益は7,865百万円(同40.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,521百万円(同26.4%増)となりました。
 株主還元の強化と経営環境の変化に対応した機動的資本政策により、株式価値の向上を図るため、自己株式を11,677千株(総額3,623百万円)取得しました。平成29年3月21日に子会社の増資資金、自己株式取得資金、長期借入金の返済資金等に充当するため第5回無担保転換社債型新株予約権付社債30億円を発行しました。

 

セグメントの業績は次の通りです。

 

段ボール

段ボールの需要は、国内経済が総じて緩やかな回復基調にある中、飲料等の食料品向けの増加により生産量は前年を上回りました。
 当社グループの段ボール生産量につきましては、加工食品向けや通販・宅配向け等が増加し、前年を上回りました。
 物流対策やBCP対策などの解決を図り、長野地区の段ボール需要に対応するため、最新鋭の貼合機、加工機を装備した長野工場が期初から順調に稼働しております。
 設備面では厚木工場と小牧工場において、最新鋭の加工機に更新し、加工の生産能力増強と品質の向上を実現しました。また、千葉紙器工場でも、高性能の印刷機に入替し、品質強化と生産性の大幅な向上を図りました。
 当社は、高度で多様化したお客様や社会のニーズに的確にお応えするため、日頃から生産力の強化や品質面での一級品作りを積極的に推進し、更なる内部コストの削減を進めると共に、その基盤となる新技術の開発、労働環境の改善、人材育成と組織の活性化に前向きに取組んでまいりました。海外事業も概ね順調であります。
 段ボールでは、販売価格の軟調もあって売上高は83,032百万円(前期比2.0%減)となりました。営業利益は、新工場稼働による減価償却費の増加等もありましたが、原燃料等内部コストの削減に努め6,139百万円(同48.8%増)となりました。

 

住宅

住宅市場においては、政府の住宅取得支援策の継続や税制優遇・低金利など住宅需要への下支え策は行われたものの、戸建住宅の受注環境は、消費増税の先送りや契約までの期間の長期化傾向もあり厳しい環境で推移しました。
 スウェーデンハウスの高い断熱性能と高効率設備を活かし、快適性能№1のアピールと価値の持続する家作りを基本にスウェーデンに学んだライフスタイル提案「Bara vara」の発表と共に年間の1次エネルギー消費量がネットでゼロとなる住宅(ZEH:ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の補助金対象の企画商品である「HUS ECO ZERO(ヒュース エコ ゼロ)」 の販売強化に取組んでまいりました。
 スウェーデンハウス㈱は、2017年2月発表のオリコン顧客満足度ランキング、ハウスメーカー(注文住宅)部門で3年連続総合第1位を受賞しました。また、販売価額の利益率向上、調達コスト並びに輸送費や資材の歩留等の改善によるトータルコストの削減を行うと共に、施工能力確保のため、工務店・施工協力会社との連携・強化に努めました。
 住宅の売上高は、前期比販売棟数の減少もあり40,774百万円(前期比10.9%減)となり、営業利益は、767百万円(同2.5%減)となりました。

 

 

運輸倉庫

運輸倉庫においては、長野工場の稼働に伴い長野営業所を開設しました。期中熊本地震や北海道地区の台風による影響がありましたが、飲料に関連する物流の合理化、効率化を目指して前期後半に設立したトーウンロジテム㈱は、順調に業容を拡大しました。  
 運輸倉庫の売上高は28,346百万円(前期比36.0%増)と大幅増となり、車両不足や運行効率の悪化などによるコストの増加がありましたが、新物流センターの投資効果や内部コストの削減に努めた結果、営業利益は1,152百万円(同17.7%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,160百万円増加し、16,199百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動によるキャッシュ・フローは、11,454百万円の収入(前期は16,832百万円の収入)となりました。収入は主に税金等調整前当期純利益7,858百万円、減価償却費6,265百万円等によるもので、支出は主に売上債権の増加額526百万円、法人税等の支払2,973百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動によるキャッシュ・フローは、7,017百万円の支出(前期は13,497百万円の支出)となりました。主に有形固定資産の取得による支出8,483百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動によるキャッシュ・フローは、3,340百万円の支出(前期は116百万円の収入)となりました。主な収入は長期借入れによる3,346百万円と転換社債型新株予約権付社債の発行による3,000百万円で、主な支出は長期借入金の返済による5,616百万円と自己株式取得による3,623百万円であります。

 

(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

平成25年3月期

平成26年3月期

平成27年3月期

平成28年3月期

平成29年3月期

自己資本比率(%)

40.2

37.5

36.4

37.7

39.7

時価ベースの自己資本比率  (%)

24.3

20.9

19.0

18.5

20.1

キャッシュ・フロー対有利子
負債比率(年)

2.7

5.4

13.8

2.6

3.9

インタレスト・カバレッジ・
レシオ(倍)

27.8

27.0

13.9

97.6

81.3

 

 (注)自己資本比率:自己資本/総資産

    時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

    キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

    インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

  ※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

  ※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

※キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産金額
(百万円)

前年同期比(%)

段ボール

段ボール

54,080

95.5

 

印刷紙器

1,225

99.5

 

(注) 1 段ボール・印刷紙器の生産金額は製造原価で表示しております。

2 当社グループ(当社及び連結子会社)が営んでいる住宅事業では、「生産」を定義することが困難であるため、生産実績は記載しておりません。

3 上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

なお、段ボールは受注生産でありますが、生産から販売までの製品の回転が早く期末における受注残高が少ないので別表に掲げる販売実績を受注とみて大差がありません。また、運輸倉庫も販売実績を受注とみて大差がないため記載を省略しております。

 

セグメントの名称

受注高

前年同期比(%)

受注残高

前年同期比(%)

住宅

 

961棟

92.0

518棟

102.6

 

(注)受注高、受注残高には提携店は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

段ボール

83,032

98.0

住宅

40,774

89.1

運輸倉庫

28,346

136.0

合計

152,153

100.5

 

(注) 1 上記金額には消費税等は含まれておりません。

2 セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

当社並びにグループ各社は、段ボールによってお客様の大切な商品の「品質」と「価値」を包み、また住宅によって人々の豊かな「暮らし」を包むという「人々にとって大切なものをやさしく包む」を大きな事業コンセプトとし、物流と暮らしを支えるビジネスを展開してまいりました。

そして段ボール製品はそのリサイクル率の高さから環境問題の優等生と言われています。また当社のスウェーデンハウスは優れた高気密性・高断熱性により夏涼しく冬暖かいという快適な居住性だけでなく、CO2の発生を抑え環境にもやさしいということで、環境対応型の事業展開を経営の重要なテーマとしてきました。

その中で段ボールにおいては、「高品質な製品の供給」と「環境に配慮し清潔で明るい労働環境」に重点をおき、また住宅においては高齢者や障害者にもやさしい住宅として更なる機能向上と高い居住性を追及していく等、新しい時代のニーズに耳を傾けそれを先取りしていく形で事業展開を目指しております。

そして物流と暮らしを支えるという事業展開を通して、今後も数多くのステークホルダーに信頼される価値ある企業であり続けることが当社の社会責務と考えております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社は財務体質の強化と長期的収益力の向上をはかるため売上高経常利益率を単体、連結とも5%以上、ROEを単体5%、連結8%以上を目標経営指標としております。

なお、当期の業績は売上高経常利益率が単体で6.7%、連結で5.2%、ROEが単体で11.0%、連結で8.4%であります。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題

段ボールにおきましては、段ボール専業最大手メーカーとして、よりお客様のニーズに密着した提案型営業を推し進めるとともに、業界トップレベルの技術力を背景に当社独自技術による新鋭設備を開発し導入しております。更に品質やお客様満足度(CS)の向上を目指して、常に生産や販売の現場にお客様第一主義を徹底していくための体制作りを取り組んでおります。またエリア毎の事情によってはアライアンス等にも前向きに取り組み、グループとしての競争力強化に努めてまいります。

住宅におきましては、高品質で優れた居住性というスウェーデンハウスのブランドイメージが浸透してきた中で、モデルハウスのリニューアルや増設を実施し、全国販売網の充実と販売体制の強化に取り組むとともに、新商品の開発等により新たな需要の獲得に重点を置いて販売活動を強化してまいります。

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には次のようなものがあります。なお、本項において将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末において判断したものであります。当社グループが事業活動する上でさまざまなリスクが伴います。これらのリスク発生の可能性を認識した上で発生の回避、分散、ヘッジ等による軽減を図っております。しかし、予想以上の事態が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(1)需要・市況の変動に関するリスクについて

当社グループは、段ボール事業、住宅事業及び倉庫事業を行っており、これらの製品等は経済情勢、製品市場、個人の消費動向等に影響を受け、経済情勢の悪化や市場の下落が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(2)事業に関するリスクについて

当社グループの主力事業である段ボールは中国市場の特需を背景とした原料逼迫によるコストプッシュ要因が一時的に経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)為替及び金利変動に関するリスクについて

当社グループの業績、財政状況は為替相場の変動により影響を受けます。為替変動は外貨建取引から生じる資産及び負債の円換算額に影響を及ぼすほか、外貨建てで取引される製品の価格及び売上高にも影響を及ぼす可能性があります。また、金利変動リスクにもさらされており、借入金の金利負担に影響を及ぼす可能性があります。

(4)自然災害等のリスク

大規模な地震や台風等の自然災害等によって当社グループの生産・物流・販売等の拠点に甚大な被害が発生する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(5)法規制・訴訟等に関するリスク

当社グループの事業は、製造物責任法、建築基準法、建設業法、運送業法、倉庫業法等各業法の他、環境規制、知的財産、個人情報保護法等の様々な法規制の適用を受けております。また、法令遵守等コンプライアンス経営に努めていますが、国内外の事業活動において、訴訟等のリスクを負っております。法的規制の改廃や新たな法的規制が設けられた場合や訴訟等の内容及び結果によっては、当社グル-プの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(6)固定資産の減損リスク

当社グループは固定資産の減損に係る会計処理を適用しておりますが、今後、保有する固定資産について減損処理が必要になった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(7)品質保証によるリスク

当社グループは取扱商品及び住宅資材等の品質管理に対し徹底した管理を行っておりますが、予期せぬ事情により重大な品質問題等が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(8)情報セキュリティのリスク

当社グループは、事業活動を通して、お客様や取引先の個人情報及び機密情報を入手することがあり、また、営業上・技術上の機密情報を保有しております。サイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウィルスの侵入等により、万一これら情報が流出した場合や重要データの破壊、改ざん、システム停止等が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は253百万円であり、セグメントの研究目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。
 

段ボール

段ボール・紙器事業の主な研究開発活動としては、「エコロジー・エコノミー」を理念として、省資源・省エネルギーで安全性・利便性が高く、開封・解体・リサイクルが容易な箱型や材料の使用量が少ない箱型・形状の研究開発等に取組んでおります。また、段ボールと紙器を同一の機械で美粧印刷を行う研究開発など当社の技術の粋・オリジナリティを随所に織り込んだ最新鋭の設備の開発を行っております。
 そのほか生産性の向上を図るため、加工機の事前型替え装置など機械設備の開発・改良に努めております。また、需要が拡大している通販向け段ボール箱の開発や、梱包が容易な包装形態の開発も行っております。当事業に係る研究開発費は131百万円であります。
 

住宅

住宅事業の主な研究開発活動としては、低炭素社会、持続可能な社会の実現に向けて住宅分野において様々な取組みに挑戦しているスウェーデン国の住思想を手本に、断熱性能を高め、壁厚変更等による建物全体の剛性などの基本性能を強化した次世代商品の開発を行っております。また、住宅用防火窓としては初めてとなる、熱により膨張がなく傷が付きにくい「耐熱結晶化ガラス」による防火窓の開発を行いました。当事業に係る研究開発費は122百万円であります。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末比3,307百万円減少し136,532百万円となりました。流動資産はたな卸資産が減少したものの現金及び預金の増加により前連結会計年度末比455百万円増加し56,216百万円となりました。固定資産は、前連結会計年度末比、建物及び構築物などの有形固定資産の減少や投資有価証券の減少などにより3,762百万円減少の80,316百万円となりました。
 流動負債では1年内返済予定の長期借入金が3,071百万円増加しましたが、設備未払金等のその他流動負債が4,092百万円減少などにより1,098百万円の減少となりました。固定負債は転換社債型新株予約権付社債の増加3,000百万円があったものの長期借入金の減少5,342百万円等により、負債の部合計では前連結会計年度末比3,052百万円減少の81,825百万円となりました。
 純資産の部は、利益剰余金の増加などがありましたが自己株式の取得や少数株主持分の減少による純資産の減少により純資産が前連結会計年度末比254百万円減少し54,707百万円となりました。

 

(2)経営成績の分析

①売上高

当連結会計年度の売上高は152,153百万円で、前連結会計年度の151,353百万円に比べ799百万円の増収となりました。段ボールにおいては販売価格の軟調により1,698百万円の減収、住宅においては販売棟数が減少したことにより5,003百万円の減収、運輸倉庫では連結対象会社が増えたことにより7,502百万円の増収となりました。

 

②営業利益

当連結会計年度の営業利益は7,299百万円で、前連結会計年度の5,088百万円に比べ2,211百万円の増益となりました。これは主に、内部コストの削減に努めたことにより、売上原価及び販売費及び一般管理費が前連結会計年度に比べ減少したことによるものです。
 

③経常利益

当連結会計年度の経常利益は7,865百万円で、前連結会計年度の5,605百万円に比べ2,259百万円の増益となりました。これは、支払利息の30百万円減少等により営業外収支が48百万円改善し、上記の営業利益の増加もあり増益となりました。

④特別損益

特別利益は前連結会計年度に比べ4,089百万円減少の381百万円となりました。これは主として保険差益が前連結会計年度比2,854百万円減少し、前連結会計年度に計上した補助金収入1,241百万円がなくなったことによるものです。
 特別損失は前連結会計年度に比べ3,483百万円減少の388百万円となりました。これは主として子会社株式評価損が前連結会計年度比390百万円減少し、前連結会計年度に計上した固定資産圧縮損2,924百万円がなくなったことによるものです。

⑤親会社株主に帰属する当期純利益

以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は4,521百万円で、前連結会計年度の3,577百万円に比べ944百万円の増益となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、1業績等の概要(2)キャッシュ・フローに記載のとおりであります。