第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営上の重要な契約等】

 当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営成績に関する分析

 当第1四半期連結累計期間(平成29年1月1日から平成29年3月31日まで)におけるわが国経済は、海外経済の不確実性の高まりや金融資本市場の変動等の影響により、一部に改善の遅れが見られるものの、全体としては緩やかな回復基調が続きました。

 こうした中、当社グループは、顧客本位にこだわった価値創造を実現する“運営モデルの改革”と、中長期の持続的成長を可能とするための“収益体質のつくりこみ”に取り組む、中期経営計画『価値創造にこだわる自己改革~Value Transformation 2018~』の2年目に入りました。

 売上高は、国内でのオフィス家具販売が減収となったことを主要因に、前年同期比1.3%減の898億円となりました。一方、『シェアと粗利率』にこだわる施策の継続的な推進により、売上総利益は330億円、売上総利益率は0.9ポイント向上の36.7%となりました。また、販売費及び一般管理費は、人件費や販促費の増加等により、237億円となりました。以上により、営業利益は前年並みの92億円となりました。経常利益は、為替差損の縮小により前年同期比2.0%増の92億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は、繰延税金資産の回収可能性の見直し等により、前年同期比24.3%増の80億円となりました。

 

セグメント別の概況は、以下のとおりです。

(ステーショナリー関連事業)

 国内事業は、各種キャンペーンの実施、期間限定のステーショナリーショップ「コクヨハク」の開催等により、需要を喚起しました。また、顧客の顕在ニーズだけでなく潜在ニーズまでを満たす新商品の開発及びマーケティングの強化に取り組むとともに、シェアと売上総利益率にこだわることで利益の向上を図りました。

 海外事業は、インド・中国・ベトナムにおいて、各国の顧客ニーズに応じた新商品の投入や販売力の強化に努めました。

 このような状況のもと、売上高は、海外事業は堅調に推移したものの国内事業が減収となり、前年同期比0.6%減の283億円となりました。営業利益は、国内の新基幹システム稼働に伴う経費の増加があったものの、売上総利益率の高い商品の売上伸長やコストダウンの推進等により売上総利益が増加し、前年同期比12.6%増の33億円となりました。

 

(ファニチャー関連事業)

 国内事業は、主に首都圏における民間オフィスの需要に対し、新規顧客の開拓並びに積極的な先行営業や提案活動を行いました。

 海外事業は、中国の都市部において直接販売に注力するとともに、固定費の削減に努め、収益の改善を図りました。

 このような状況のもと、売上高は、国内でのオフィス家具販売が、前年からの海外情勢や景気の先行き不透明感によるオフィス投資意欲停滞等により、3月に入り好転の兆しが見えてきたものの減収となり、前年同期比3.3%減の396億円となりました。営業利益は、減収に伴う売上総利益の減少により、前年同期比3.7%減の59億円となりました。

 

(通販・小売関連事業)

 通販事業のカウネットは、「仕事がはかどる通販」としての成長を目指し、顧客ニーズにこだわった高付加価値のカウネットオリジナル商品「カウコレプレミアム」の拡充に注力しました。

 小売事業のアクタスは、デリスタイルのカフェ「SØHOLM CAFE+DELI(スーホルムカフェアンドデリ)」を併設した店舗を初めて開店したほか、お客様のこだわりのライフスタイルを実現するための商品及びサービスの提供に努めました。

 このような状況のもと、売上高は、カウネット及びアクタスとも増収となり、前年同期比3.3%増の308億円となりました。営業利益は、増収に伴う売上総利益の増加により、前年同期比19.6%増の12億円となりました。

(2)財政状態に関する分析

当第1四半期連結会計期間末の総資産は3,008億円となり、前連結会計年度末に比べ68億円増加しました。流動資産は1,758億円で、前連結会計年度末に比べ92億円増加しました。主な要因として、受取手形及び売掛金が144億円、商品及び製品が19億円、それぞれ増加した一方、現金及び預金が72億円減少したためであります。固定資産は1,249億円となり、前連結会計年度末に比べ24億円減少しました。主な要因として、投資その他の資産が13億円、無形固定資産が5億円、有形固定資産が4億円、それぞれ減少したためであります。

 当第1四半期連結会計期間末の負債は1,073億円となり、前連結会計年度末に比べ13億円増加しました。流動負債は854億円となり、前連結会計年度末に比べ30億円増加しました。主な要因として、支払手形及び買掛金が39億円増加したためであります。固定負債は218億円となり、前連結会計年度末に比べ16億円減少しました。

 当第1四半期連結会計期間末の純資産は1,935億円となり、前連結会計年度末に比べ54億円増加しました。主な要因として、利益剰余金が63億円増加した一方、その他有価証券評価差額金が7億円減少したためであります。

 

(3)キャッシュ・フローの状況に関する分析

 当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は601億円であり、前連結会計年度末に比べ71億円の資金減となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当第1四半期連結累計期間の営業活動により支出した資金は42億円(前年同期比29億円の支出増)となりました。これは、主として税金等調整前四半期純利益92億円、減価償却費16億円の資金収入、売上債権の増加144億円の資金支出等があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当第1四半期連結累計期間における投資活動により支出した資金は10億円(前年同期比11億円の支出増)となりました。これは、主として投資有価証券の売却による6億円の資金収入、設備投資14億円の資金支出等があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当第1四半期連結累計期間における財務活動により支出した資金は17億円(前年同期比9億円の支出増)となりました。これは、主として配当金の支払額17億円の資金支出等があったことによるものであります。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はございません。

〔会社の支配に関する基本方針の内容の概要〕

Ⅰ.基本方針の内容

当社グループは創業以来、事務用紙製品分野からオフィスファニチャー分野へと事業領域を拡大し、国内最大級の総合オフィスサプライヤーへと成長してまいりました。

現在では、ステーショナリー及びオフィスファニチャー製品の開発・製造・販売、オフィス・店舗・官公庁・学校・病院等の空間構築設計・施工・コンサルティング、オフィス用品の通信販売、個人向け家具・インテリア・雑貨の販売等、商品だけでなくサービスも含めた総合提案力によって、お客様の課題解決を一手に担うことのできる企業グループへと進化を遂げております。

これまで当社グループの持続的な成長を支え、推進してきたものは、株主・顧客・取引先・従業員・地域社会等のステークホルダーとの間に築かれた良好な信頼関係であります。今後も当社グループが培ってきたこうした有形無形の財産を企業価値の源泉として守っていくことが大変重要な課題であると認識しております。

 

当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として、当社の企業理念、企業価値を生み出す源泉、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係等を十分理解、活用し、当社の企業価値及び会社の利益ひいては株主共同の利益を長期的に確保・向上させる者が望ましいと考えております。もっとも、その在り方については、最終的には株主の皆様にご判断いただくべきものであることから、株主の皆様が適切な判断を行う上で、十分な情報と時間を確保できるような施策の必要性を認識しております。

 

当社は、経営支配権の異動を通じた企業活動及び経済の活性化の意義を一概に否定するものではありませんが、株式の大規模な買付行為及びその提案の中には、当社に回復し難い損害をもたらすおそれのあるものも含まれます。このような行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切な存在であると考えます。

現在のところ、特定の第三者からの株式の大規模な買付行為及びその提案によって、当社に具体的な脅威が生じているわけではありませんが、必要に応じて対抗措置を講じる仕組みを株主の皆様のご意思に基づき構築しておくことが必要であると考えております。

Ⅱ.基本方針の実現に資する特別な取組み

 当社グループは、平成27年10月23日に、平成28年度から平成30年度までの3ヵ年の中期経営計画「Value Transformation 2018」を発表しました。内容につきましては、4つの柱からなる以下の経営方針としております。

 

1.将来にわたる企業のありたい姿、3ヵ年における基本方針

将来にわたる企業のありたい姿を「コクヨは、商品・サービスを通じて、顧客の創造性を向上する価値を提供することにより、人々のより良い はたらく・まなぶ・生活する“Quality of Lifeの向上”を実現し、社会の役に立つ Life & Work Style Companyを目指す」としております。

そのために、3ヵ年の新たな経営の基本方針を、『価値創造にこだわる自己改革~Value Transformation 2018~』とし、顧客本位にこだわった価値創造を実現する“運営モデルの改革”と、中長期の持続的成長を可能とするための“収益体質のつくりこみ”に取り組みます。

 

2.運営モデルの改革

どの事業においても、顧客への付加価値向上による収益性の改善・成長を実現するために、「シェアと粗利率」にこだわり、メーカー、流通が“全社一丸”となって、中長期の持続的成長を担保する運営モデルを実現します。これにより、過去最高となる売上総利益率35.5%以上を目指します。

ステーショナリー事業の基本方針:

『NB商品のシェアと粗利率にこだわり、顧客への価値を高め続けることで持続的成長を実現する』

ファニチャー事業の基本方針:

『差異化された新たな付加価値による業態進化を目指すことで持続的成長を実現する』

カウネット事業の基本方針:

『顧客への付加価値にこだわった“魅力的な第3極”戦略による成長の兆しを獲得する』

海外事業の基本方針:

『顧客への価値提供と事業収益性の確保を両立させ持続可能なビジネスモデルを確立する』

 

3.収益体質のつくりこみ

この3ヵ年で、経営効率の改善により、営業利益率5.5%以上を達成することにこだわります。事業部門と管理部門の業務の重複をなくし、管理部門が事業運営における効率化を推進することで、全社の管理・間接業務の大幅な生産性の向上を目指します。これによる直接部門でのリソース創出、生産性向上及び新価値創造に取り組むことで、高収益体質への転換を実現します。

 

4.3ヵ年でのゴール、財務目標数値

今中期経営計画のゴールは、①『成長原資の獲得』として国内事業での営業利益170億円以上の達成、②『高効率経営の実現』として営業利益率5.5%以上、③『海外の自立化』として海外事業の収益安定化、としました。

平成30年12月期には、売上高3,200億円以上、売上総利益率35.5%以上、営業利益175億円以上、営業利益率5.5%以上、の達成を目指します。また、主要財務指標の見通しとして平成30年12月期のROEを6.5%としております。

以上の経営方針に基づき、当社グループにおける持続的成長の獲得を目指してまいります。

 

 各セグメントの対処すべき課題は下記のとおりであります。

 

[ステーショナリー関連事業]

国内事業は、顧客の顕在ニーズだけでなく潜在ニーズまでを満たす新商品の開発及びマーケティングの更なる強化に取り組むとともに、シェアと売上総利益率にこだわることで利益の向上に努めます。

海外事業は、インド・ベトナム・中国の各国において、シェアと売上総利益率を意識しながら、積極的な新商品の投入、工場の生産性の改善及び販売力の強化等を推進し、収益の拡大を図ります。
 

[ファニチャー関連事業]

国内事業は、新規顧客の開拓並びに積極的な先行営業及び提案活動を行うとともに、営業・設計部門の業務効率化の推進、工場収支の改善及び在庫の削減等に取り組み、高い売上総利益率を伴ったシェアの拡大に努めます。

海外事業は、引き続き中国の都市部において直接販売に注力するとともに、固定費を抑制し、収益の拡大を図ります。

 

[通販・小売関連事業]

通販事業のカウネットは、顧客ニーズにこだわった高付加価値のカウネットオリジナル商品の開発及び拡販に注力することにより、「仕事がはかどる通販」としての成長を目指します。

小売(インテリア・生活雑貨の販売)事業のアクタスは、集客を高めるとともに、お客様のこだわりのライフスタイルを実現するための商品及びサービスの提供に努めます。


 当社は、監査役会設置会社であり、取締役は8名(うち社外取締役3名)、監査役は3名(3名全て社外監査役)で構成されます。取締役の任期は1年であり、取締役の選解任のための株主総会決議要件の加重等は採用しておりませんので、株主の皆様は株主総会における過半数の決議(普通決議)による取締役の選解任を通じて、後記.の取組みに対するご意思を反映させることも可能であります。

 

Ⅲ.基本方針に照らして不適切な者によって会社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

 当社は、平成19年6月28日開催の当社第60回定時株主総会において、当社の企業価値及び株主共同の利益を確保し、向上させることを目的として、特定の株主又は株主グループによって当社株式の一定規模以上の買付行為が行われた場合の対応策を導入しました。その後、当社は、直近では平成29年3月30日開催の当社第70回定時株主総会における株主の皆様のご承認に基づき、当該対応策の内容の一部を改定した上で当該対応策を継続しております。

 

現行の当該対応策の主な内容は、次のとおりであります。

 

 当該対応策は、大規模買付者が従うべき手続と大規模買付行為に対して当社が採りうる大規模買付対抗措置から構成されており、大規模買付者に対し、株主及び当社取締役会による判断のための情報提供と当社取締役会による検討・評価の期間の付与を要請しております。

大規模買付者が当該手続を遵守しない場合又は当該行為によって当社の企業価値及び会社の利益ひいては株主共同の利益が著しく毀損される場合に限り、当社取締役会は、対抗措置として当社株主に対する新株予約権無償割当て等を決議することができます。

 

Ⅳ.前記Ⅱ.及びⅢ.の取組みについての取締役会の判断及びその判断に係る理由

 前記Ⅱ.の取組みにつきましては、当社の企業価値の向上及び会社の利益ひいては株主の皆様の共同の利益の実現を直接の目的とするものでありますので、前記Ⅰ.の基本方針の実現に沿うものと考えております。
 また、この取組みは当社株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものでもありません。
 前記Ⅲ.の取組みにつきましては、当社取締役会が大規模買付対抗措置の発動を決議するにあたり、その判断の客観性・合理性を担保するための十分な仕組みが確保されているものと考えます。従いまして、前記Ⅰ.の基本方針の実現に沿うものであり、当社株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものでないことは明らかであると考えます。

 

(5)研究開発活動

当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は294百万円であります。

なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。