第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度(平成29年1月1日から平成29年12月31日まで)におけるわが国経済は、海外経済の不確実性の高まりや金融資本市場の変動の影響等に留意を要する状況ながら、企業収益や雇用環境の改善等を背景に、緩やかな景気回復基調が継続しました。

 こうした中、当社グループでは、平成28年12月期よりスタートした3ヵ年の中期経営計画『価値創造にこだわる自己改革~Value Transformation 2018~』の目標達成に向け、顧客本位にこだわった価値創造を実現する“運営モデルの改革”と、中長期の持続的成長を可能とするための“収益体質のつくりこみ”に取り組みました。

 売上高は、通販事業のカウネット及び国内でのオフィス家具販売の伸長により、前年同期比2.6%増の3,156億円となりました。売上総利益は、増収に伴う増加のほか、コストダウンの推進及び商品ミックスの改善等による売上総利益率の向上により、前年同期比4.4%増の1,101億円となりました。また、販売費及び一般管理費は、効率的な使用に努めたことから、前年同期比2.8%増の925億円となり、売上高販管費率は、前年並みの29.3%となりました。以上により、営業利益は、前年同期比13.9%増の175億円となりました。経常利益は、前年同期比21.9%増の191億円、親会社株主に帰属する当期純利益は、繰延税金資産の回収可能性の見直し等による法人税等の減少により、前年同期比23.1%増の150億円となりました。

 

 セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

①ステーショナリー関連事業

 国内事業は、ノートやファイル等の新商品を上市したほか、テープのり「ドットライナー」の販売拡大を目的に、テレビCMの放映やキャンペーンを実施しました。

 海外事業は、インド・中国・ベトナムにおいて、各国の顧客ニーズに応じた新商品の投入や販売力の強化に努めました。

 このような状況のもと、売上高は、定番品の減退や他メーカーとの競争激化等の影響により、国内事業が減収となったものの、海外事業が各国において堅調に推移し増収となったことから、前年同期比0.8%増の978億円となりました。営業利益は、国内事業では、コストダウンの推進及び商品ミックスの改善等により売上総利益率が向上し、海外事業では、増収に伴い売上総利益が増加したことにより、国内・海外とも増益となり、前年同期比11.5%増の74億円となりました。

 

②ファニチャー関連事業

 国内事業は、「働き方改革」を事業機会と捉え、主に首都圏における民間オフィスの需要に対し、新規顧客の開拓及び積極的な営業活動を行いました。また、「座るを解放する」というコンセプトから生まれた革新的なイス「ing(イング)」をはじめとする新商品を上市するとともに、コミュニケーションやクリエイティビティが高まるオフィス空間と働き方を提案することで、需要を喚起しました。

 海外事業は、中国の都市部において直接販売に注力するとともに、固定費の削減に努め、収益の改善を図りました。

 このような状況のもと、売上高は、海外事業が収益性を重視した戦略により減収となったものの、国内でのオフィス家具販売が好調に推移し、前年同期比3.0%増の1,312億円となりました。営業利益は、増収に伴う売上総利益の増加に加え、コストダウンの推進及び商品ミックスの改善等による売上総利益率の向上により、前年同期比13.9%増の120億円となりました。

 

③通販・小売関連事業

 通販事業のカウネットは、「仕事がはかどる通販」としての成長を目指し、顧客ニーズにこだわった高付加価値のカウネットオリジナル商品「カウコレプレミアム」の拡充に注力しました。

 小売事業のアクタスは、お客様のこだわりのライフスタイルを実現するための商品及びサービスの提供に努めました。

 このような状況のもと、売上高は、カウネット及びアクタスともに増収となり、前年同期比5.0%増の1,191億円となりました。営業利益は、増収に伴う売上総利益の増加により、前年同期比17.4%増の42億円となりました。

 

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、686億円と前連結会計年度末に比べ12億円の資金増となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動により獲得した資金は175億円(前年同期比62億円の収入減)となりました。これは、主として税金等調整前当期純利益187億円、減価償却費64億円、仕入債務の増加40億円の資金収入等があった一方、売上債権の増加46億円、法人税等の支払額45億円の資金支出等があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動により支出した資金は16億円(前年同期比24億円の支出増)となりました。これは、主として事業分離による前受収入16億円、投資有価証券の取得、売却による15億円の資金収入等があった一方、設備投資による48億円の資金支出等があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動により支出した資金は146億円(前年同期比107億円の支出増)となりました。これは、主として社債の償還による支出100億円、配当金の支払額33億円、リース債務の返済による11億円の資金支出等があったことによるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

ステーショナリー関連事業

25,485

106.8

ファニチャー関連事業

14,375

108.2

合計

39,860

107.3

(注)1 金額の表示は製造原価による。

2 上記金額は消費税等を含まない。

3 通販・小売関連事業は生産活動を行っていないため、記載を省略している。

 

(2)受注実績

 当社グループは、主として見込生産のため、受注実績の記載を省略しております。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

ステーショナリー関連事業

79,639

100.7

ファニチャー関連事業

128,730

103.0

通販・小売関連事業

107,252

103.6

合計

315,622

102.6

(注)1 上記金額は消費税等を含まない。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略している。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、将来にわたる企業のありたい姿を「コクヨは、商品・サービスを通じて、顧客の創造性を向上する価値を提供することにより、人々のより良い はたらく・まなぶ・生活する“Quality of Lifeの向上”を実現し、社会の役に立つ Life & Work Style Companyを目指す」としています。

また、平成28年12月期を初年度とする3ヵ年の中期経営計画では、経営の基本方針を『価値創造にこだわる自己改革~Value Transformation 2018~』と定めております。

 

(2)目標とする経営指標

今中期経営計画の最終年度である平成30年12月期は、平成29年12月期の業績及び平成29年9月27日に公表しました「三協立山株式会社とのストア事業の会社分割(簡易吸収分割)契約締結に関するお知らせ」の内容等を勘案し、財務目標数値として売上高3,180億円、売上総利益率36.1%、営業利益180億円、営業利益率5.7%を見込んでいます。また、主要財務指標の見通しとして平成30年12月期のROEを6.5%としています。

 

平成30年12月期

直近の目標

(平成29年2月13日公表)

修正目標

売上高

3,200億円以上

3,180億円

売上総利益率

35.5%以上

36.1%

営業利益

175億円以上

180億円

営業利益率

5.5%以上

5.7%

 

(3)経営環境

当社グループの経営環境については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1) 業績」をご参照ください。

 

(4)対処すべき課題

当社グループの業績は、リーマン・ショック以降、増収増益基調に戻りつつあるものの、営業利益率は低い水準に留まっており、低成長が常態化しています。そのため、中期経営計画では、低成長から抜け出し、持続的成長の獲得を目指して、経営の基本方針『価値創造にこだわる自己改革~Value Transformation 2018~』に基づき、顧客本位にこだわった価値創造を実現する“運営モデルの改革”と、中長期の持続的成長を可能とするための“収益体質のつくりこみ”に取り組みます。

・運営モデルの改革

どの事業においても、顧客への付加価値向上による収益性の改善・成長を実現するために、「シェアと粗利率」にこだわり、メーカー、流通が“全社一丸”となって、中長期の持続的成長を担保する運営モデルを実現します。これにより、過去最高となる売上総利益率35.5%以上を目指します。

ステーショナリー事業の基本方針:

『NB商品のシェアと粗利率にこだわり、顧客への価値を高め続けることで持続的成長を実現する』

ファニチャー事業の基本方針:

『差異化された新たな付加価値による業態進化を目指すことで持続的成長を実現する』

カウネット事業の基本方針:

『顧客への付加価値にこだわった“魅力的な第3極”戦略による成長の兆しを獲得する』

海外事業の基本方針:

『顧客への価値提供と事業収益性の確保を両立させ持続可能なビジネスモデルを確立する』

・収益体質のつくりこみ

この3ヵ年で、経営効率の改善により、営業利益率5.5%以上を達成することにこだわります。事業部門と管理部門の業務の重複をなくし、管理部門が事業運営における効率化を推進することで、全社の管理・間接業務の大幅な生産性の向上を目指します。これによる直接部門でのリソース創出、生産性向上及び新価値創造に取り組むことで、高収益体質への転換を実現します。

 

事業別の取組み方針は下記のとおりであります。

[ステーショナリー関連事業]

国内事業は、顧客の顕在ニーズだけでなく潜在ニーズまでを満たす新商品の開発及びマーケティングのさらなる強化に取り組むとともに、シェアと売上総利益率にこだわることで利益の向上に努めます。

海外事業は、インド・中国・ベトナムの各国において、シェアと売上総利益率を意識しながら、積極的な新商品の投入、工場の生産性の改善及び販売力の強化等を推進し、さらなる収益の拡大を図ります。

 

[ファニチャー関連事業]

国内事業は、新規顧客の開拓及び積極的な営業活動を行うとともに、業務効率化の推進及び工場の生産性の改善等に取り組み、高い売上総利益率を伴ったシェアの拡大に努めます。また、平成30年1月より「ライブオフィス(※)」として運用を開始する「品川SSTライブオフィス」を筆頭に、全国にあるライブオフィスを活用し、新たな働き方を提案することで、需要を喚起します。

海外事業は、引き続き中国の都市部において直接販売に注力するとともに、固定費を抑制し、収益の拡大を図ります。

(※)ライブオフィスは、時代の動きを捉えながら、ビジネスのあらゆる課題解決に寄与する「働き方」、「オフィス空間の在り方」及び「オフィスの使い方」を提案するために生まれたコクヨの最先端のオフィスです。実際にコクヨ社員が働くオフィスで、最新の「働き方」を実感することができます。昭和44年(1969年)にオープンしたコクヨ本社新社屋の全館を「生きたショールーム=ライブオフィス」として一般に公開したのが始まりで、現在では全国28ヵ所に開設しています。

 

[通販・小売関連事業]

通販事業のカウネットは、顧客ニーズにこだわった高付加価値のカウネットオリジナル商品の開発及び拡販に注力することにより、「仕事がはかどる通販」としての成長を目指します。

小売事業(インテリア・生活雑貨の販売)のアクタスは、集客を高めるとともに、お客様のこだわりのライフスタイルを実現するための商品及びサービスの提供に努めます。

 

以上の経営方針に基づき、当社グループにおける持続的成長の獲得を目指してまいります。

 

(5)会社の支配に関する基本方針の内容の概要

1.基本方針の内容

当社グループは創業以来、事務用紙製品分野からオフィスファニチャー分野へと事業領域を拡大し、国内最大級の総合オフィスサプライヤーへと成長してまいりました。

現在では、ステーショナリー及びオフィスファニチャー製品の開発・製造・販売、オフィス・官公庁・学校・病院等の空間構築設計・施工・コンサルティング、オフィス用品の通信販売、個人向け家具・インテリア・雑貨の販売等、商品だけでなくサービスも含めた総合提案力によって、お客様の課題解決を一手に担うことのできる企業グループへと進化を遂げております。

これまで当社グループの持続的な成長を支え、推進してきたものは、株主・顧客・取引先・従業員・地域社会等のステークホルダーとの間に築かれた良好な信頼関係であります。今後も当社グループが培ってきたこうした有形無形の財産を企業価値の源泉として守っていくことが大変重要な課題であると認識しております。

 

当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として、当社の企業理念、企業価値を生み出す源泉、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係等を十分理解、活用し、当社の企業価値及び会社の利益ひいては株主共同の利益を長期的に確保・向上させる者が望ましいと考えております。もっとも、その在り方については、最終的には株主の皆様にご判断いただくべきものであることから、株主の皆様が適切な判断を行う上で、十分な情報と時間を確保できるような施策の必要性を認識しております。

 

当社は、経営支配権の異動を通じた企業活動及び経済の活性化の意義を一概に否定するものではありませんが、株式の大規模な買付行為及びその提案の中には、当社に回復し難い損害をもたらすおそれのあるものも含まれます。このような行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切な存在であると考えます。

現在のところ、特定の第三者からの株式の大規模な買付行為及びその提案によって、当社に具体的な脅威が生じているわけではありませんが、必要に応じて対抗措置を講じる仕組みを株主の皆様のご意思に基づき構築しておくことが必要であると考えております。

2.基本方針の実現に資する特別な取組み

当社グループは、平成27年10月23日に、平成28年度から平成30年度までの3ヵ年の中期経営計画「Value Transformation 2018」を発表しました。内容につきましては、前記3.「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

当社は、監査役会設置会社であり、取締役は8名(うち社外取締役3名)、監査役は3名(3名全て社外監査役)で構成されます。取締役の任期は1年であり、取締役の選解任のための株主総会決議要件の加重等は採用しておりませんので、株主の皆様は株主総会における過半数の決議(普通決議)による取締役の選解任を通じて、後記3.の取組みに対するご意思を反映させることも可能であります。

 

3.基本方針に照らして不適切な者によって会社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、平成19年6月28日開催の当社第60回定時株主総会において、当社の企業価値及び株主共同の利益を確保し、向上させることを目的として、特定の株主又は株主グループによって当社株式の一定規模以上の買付行為が行われた場合の対応策を導入しました。その後、当社は、直近では平成29年3月30日開催の当社第70回定時株主総会における株主の皆様のご承認に基づき、当該対応策の内容の一部を改定した上で当該対応策を継続しております。

 

現行の当該対応策の主な内容は、次のとおりであります。

 

当該対応策は、大規模買付者が従うべき手続と大規模買付行為に対して当社が採りうる大規模買付対抗措置から構成されており、大規模買付者に対し、株主及び当社取締役会による判断のための情報提供と当社取締役会による検討・評価の期間の付与を要請しております。

大規模買付者が当該手続を遵守しない場合又は当該行為によって当社の企業価値及び会社の利益ひいては株主共同の利益が著しく毀損される場合に限り、当社取締役会は、対抗措置として当社株主に対する新株予約権無償割当て等を決議することができます。

 

4.前記2.及び3.の取組みについての取締役会の判断及びその判断に係る理由

前記2.の取組みにつきましては、当社の企業価値の向上及び会社の利益ひいては株主の皆様の共同の利益の実現を直接の目的とするものでありますので、前記1.の基本方針の実現に沿うものと考えております。

また、この取組みは当社株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものでもありません。

前記3.の取組みにつきましては、当社取締役会が大規模買付対抗措置の発動を決議するにあたり、その判断の客観性・合理性を担保するための十分な仕組みが確保されているものと考えます。従いまして、前記1.の基本方針の実現に沿うものであり、当社株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものでないことは明らかであると考えます。

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経済状況

 当社グループの売上は概ね日本国内向けであり、日本国内の景気変動に伴う企業収益や設備投資、公共投資の動向により、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの販売、生産、仕入の一部はアジアをはじめとした世界各地で行っており、各地域の政治・経済・社会情勢の変化や各種規制により、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(2)市場環境

 当社グループは、顧客にとって付加価値の高い商品開発や提案活動を進めてまいりますが、事業を展開する市場は景気変動や顧客の購買チャネルの変化等の影響を受けており、また、激しい競争に晒されております。これらのことから、当社グループの優位性を維持又は獲得できない場合があり、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(3)法規制の遵守

 当社グループは、商品の品質、取引関連、環境、労務、安全衛生、会計基準や税務など様々な法規制の適用を受けております。当社グループは、法規制を遵守し、社会倫理に従って企業活動を行うための「コクヨグループ行動基準」を制定するなどコンプライアンス体制の構築とその遵守に努めております。しかしながら、これら法規制を遵守できなかった場合は、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、現行の法規制の変更や新たな法規制などが追加された場合には、当社グループの事業活動が制限され、あるいはその他対応のための投資が必要になるなど、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(4)品質保証

 当社グループは、JIS規格や業界規格などの社外基準及び社内基準に基づき、製品化の審査を行っております。また、コールセンターでの対応やお届け、アフターサービスに至るまでバリューチェーン一体となって品質の向上に努めております。しかしながら、不測の事態発生により、リコールが発生する可能性があります。リコール費用及び製造物責任賠償については、保険に加入しておりますが、損失額を全て賄える保証はなく、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、これらの結果、当社グループのブランド価値への悪影響を及ぼす可能性があります。

(5)購買調達

 当社グループが主に使用する原材料は原紙、樹脂、鋼材等であり、これらは国内外の調達先から購入しております。また、当社が販売する商品の一部についても国内外の調達先から購入しており、外貨建取引の一部については為替予約を行っております。これら原材料や仕入商品の価格は世界的な需給動向や為替変動により影響を受ける場合があり、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(6)情報セキュリティ

 当社グループは、事業上の機密情報や事業の過程で入手した顧客情報や個人情報を保有しております。当社グループは、これら情報の取扱いに関する管理を強化するとともに、情報システムのウィルス感染やサイバー攻撃によるシステム障害、社外への情報漏洩に対する対策を図っております。しかしながら、当社グループの想定を超える攻撃等により、重要データの破壊、改ざん、流出、システム停止等を引き起こす可能性があります。これらの結果、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(7)自然災害等

 当社グループは、地震・台風等の自然災害や新型インフルエンザ等の感染症発生に備え、事業の継続や早期復旧を図るために必要な対策・手順について計画を立て、危機管理の徹底に取り組んでおります。しかしながら、自然災害や感染症の全てのリスクを回避することは困難で、当社グループの想定を超える規模での発生も考えられます。このような場合、事業活動が縮小されるなど、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(8)有価証券の時価変動

 当社グループは、投資有価証券を保有しております。金融市場等の変動により投資有価証券の時価が悪化し、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

 当社は、平成29年9月27日開催の取締役会において、平成30年1月1日を効力発生日として、当社が行うファニチャー事業(オフィス家具事業及びストア事業)のうち、店舗用什器の製造・販売等を行うストア事業を会社分割の方法により三協立山㈱に承継することを決議し、同日、吸収分割契約を締結しました。

 なお、詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。

 

6【研究開発活動】

 当社グループの当連結会計年度における研究開発費の総額は、1,497百万円であり、各セグメントの研究開発活動は、次のとおりであります。

 

1.ステーショナリー関連事業

 顧客のシーン毎に未充足ニーズを見出し、当社ならではの価値ある商品、差別化された商品を世の中に出すことで、お客様に支持され続ける商品づくりを目指しております。

 当社ならではの価値ある商品として、際立った価値を提供できる商品や、新たな着眼点で既存の商品の価値を見直すことにより顧客ニーズに応える商品として、以下の商品を開発・発売しました。

(1)ファイリングシリーズ<NEOS>(ネオス)

 現在のオフィスに適した機能・デザイン・カラーに進化した新定番のファイリングシリーズです。仕様面では、A4リフィル(クリヤーポケット)がスッキリとじられる2穴ファイル、タテ・ヨコ使い分けられるファイルボックスなど、新たな機能を施しました。デザイン・カラーの面では保管時にもオフィスの美観にマッチさせるという点を意識しました。フラットファイル・チューブファイル・リングファイル・ファイルボックス・ファイルボックス(スタンドタイプ)・個別フォルダー・収納ボックスの7アイテムを揃えました。

(2)ファイル用品シリーズ<KaTaSu>(カタス)

 個人書類を整理・活用するための「クリヤーホルダー」を中心としたファイル用品シリーズです。<KaTaSu>は書類整理のコツである、見出しを書く(Ka)・立てる(Ta)・捨てる(Su)ということから名付けた商品です。「書く」という点では、付せんやラベルで簡単にしっかり見出しをつけられる「インデックスホルダー」を中心に、クリヤーホルダー専用の「ラベル」も用意しました。また、その見出しがつけられたクリヤーホルダーを複数枚まとめるための「グルーピングホルダー」にも、大型の背見出し紙がついており探しやすくなっています。「立つ」という点では、書類を立たせて省スペースで保管できる、上下可動取っ手付きの「ファイルボックス」とファスナーを開け、立てて使用もできる「ドキュメントバッグ」があります。書類の見出しを「書く」ことと、保管時に「立てる」ことで検索性が上がり、「捨てる」書類も見つけやすくなります。

(3)キャンパスノート<スマートキャンパス>

 従来のキャンパスノートより厚みを薄く、軽くしながらも、裏うつりしにくく、書き心地なめらかなコクヨオリジナル原紙を使用したノートです。罫線は、美しく書くことをサポートする「ドット入り罫線」と小学生向けに「方眼罫」を採用しています。学校へ持っていく荷物の軽量化に役立ちます。

(4)2WAYハサミ<ハコアケ>

 一本でハサミとカッターの二通りの使い方ができるハサミです。刃を閉じたままカッターのように引いて切れる「ハコアケモード」を搭載しており、ダンボール箱の開梱シーンで活躍します。「ハコアケモード」とは、スイッチをスライドしながらハンドルを握ることで刃先から刃が出てくる仕組みで、ダンボール箱の開梱時には刃を閉じたまま引いてテープを切ることが可能です。その時の刃の飛び出し量は最大1mmで、箱の中身を傷つけにくい仕様となっています。また、ダンボール箱の中身の袋やタグなどを切るシーンでは、ハサミとして使用することで、一連の開梱作業をスムーズに進めることができます。

(5)テープカッター<カルカット>(クリップタイプ)

 マスキングテープを手間なくきれいに切れる、クリップタイプのテープカッターです。クリップのようにマスキングテープに挟むだけでセットでき、複数のマスキングテープを使う際にも簡単に付け替えができます。特殊加工を施した「カルカット刃」を採用しているため、切ったテープの切り口はまっすぐきれいに仕上がります。さらに、テープに付けたまま保管できるので、テープを切る際にハサミを取り出す手間を省くことができます。

(6)選べるボールペン<エラベルノ>

 ボディとインクの組み合わせを自分で選んでお気に入りの1本をつくれるボールペンです。ボディのグリップは手の大きさや筆圧、持ち方によって選べる、太め・標準・細めの3タイプがあり、カラーはそれぞれクリヤーとスモークの2色があります。インクは書き心地の好みや用途によって選べる、なめらかでにじみにくい「シルキー油性」と、軽く書けて鮮やかな「エアリーゲル」の2タイプがあり、ボール径はそれぞれ0.5mm・0.7mm、カラーは黒・赤・青・ブルーブラック(ブルーブラックはエアリーゲルのみ)があります。

(7)ペンケース<シェルブロ>

 大容量なのに目的のペンが見つけやすいペンケースです。ペンが約35本分入る収容力がありながら、開けると内面が広がって見える新開発のシェル型構造で、取り出したいペンがすぐに見つかります。閉じているときは手になじむすっきりとしたフォルムです。内側には、定規や付せんなどを収容できるメッシュポケットが付いており、ペンケースの中を整理しやすくなっています。ペンケースとしてだけでなく、ガジェットなどのツールケースや、ポーチとしてもおすすめです。

以上の結果、当連結会計年度における研究開発費の金額は、973百万円となりました。

 

2.ファニチャー関連事業

 「止まらないオフィス」をキーワードに、オフィスにいながら場所に縛られずに自分のリズムで働くことができ、無意識に体が動き、心身ともに健やかでいられる。人と人が自然に集まり、自由につながって交流できる。そんなワークスタイルとワークスペースを提案するために、以下の商品を開発・発売しました。

(1)“座る”の概念を変えるイス「ing(イング)」

 体の微細な動きに合わせて360°自由に揺れる「グライディング・メカ」により、前傾や後傾から左右のひねりにまで追随し、座面が自然にスイングするイノベーティブなイスです。昨今、長時間着座による健康への悪影響が指摘される中で、座っている状態でも体の動きを止めない「ing」は働き方改革の新たなステージにもつながる可能性を秘めた商品です。

(2)オフィスラウンジ家具 計5商品

 執務環境の多様化とともに高まっている「執務エリア以外でも快適にワークしたい」というニーズに応える、家のような居心地の良さと公共空間のような多様性を兼ね備え、自然なコミュニケーションを促すオフィスラウンジ家具群です。集中と偶発的な対話を両立させるテーブルシリーズ「Region(リージョン)」、“余白”と“緩衝”の組み合わせで交流と集中をコントロールできるシステムソファー「Collesso(コレッソ)」、ソファーに座った後傾姿勢でも快適なパーソナルテーブル「Perso(ペルソ)」、リラックスしながらも思考を止めずにリラックス&ワークを叶えるブラウジングチェアー「Notion(ノーション)」、立位でも座位でも書きやすいホワイトボード「MOBI-bo(モビーボ)」、これらを中心にその他の当社既存商品を組み合わせた構成が可能です。

(3)会議イス「Spline(スプライン)」

 オフィス空間から大学等の教育施設におけるセミナールームや講義室、多目的スペースでの使用を意図した会議イスです。体圧分散性を向上させた背シェルと復元性の高い弾性糸入りメッシュを採用した座面によって長時間の使用にも適しており、バリエーションはサークル脚タイプ3種(標準スタック)とキャスタータイプ2種の全5種を用意しました。

(4)パーソナルロッカー「iNON(イノン)」

 ワーカー・職種毎に異なるロッカーの使用状態について当社がリサーチを重ねた結果、独自の機能を取り入れたパーソナルロッカーです。小物を整理しやすい扉裏トレーや庫内を有効活用できる庫内トレー等、収納に対するワーカーの要望・工夫に応えています。また、様々な空間やインテリアに馴染みやすいシンプルでモダンなデザインを採用し、並べた際に整然と美しく見えるよう意匠にもこだわりました。

 

 また、店舗関連製品では、店舗の生産性向上に貢献できる独自の機能を持った商品づくり、という基本姿勢のもと、研究開発活動を行いました。主に食品スーパー等の小売事業者向けに、下記商品を上市しました。

(1)「ベーカリートレイホルダー」

 主に小型スーパー等の小売事業者向けに、インストアベーカリー売場(店舗内併設のパン売り場)の持ち帰り用トレイを一枚ずつ取り出しやすく、衛生的に設置できる什器です。

(2)「トライボプレート」

 主に食品スーパー等の小売事業者向けに、店舗等のカウンター天板上に貼付して、天板上の載置物を滑らかに可動させるプレートです。潤滑性を備えた樹脂プレートで、独自開発した凹凸の表面形状で摩擦抵抗を軽減させ、その表面上で滑らかに滑動させることができます。小売店等の業態における働き方の視点で、取り扱う「カゴ・箱・商品」の移動オペレーションを見直し、現場の作業負荷を軽減して生産性向上をサポートする商品です。

以上の結果、当連結会計年度における研究開発費の金額は、424百万円となりました。

 

3.通販・小売関連事業

 当連結会計年度における研究開発費の金額は、22百万円となりました。

 

4.全社共通

 次世代の働き方や学び方の研究をベースにコクヨグループの新たな商品やサービスに関しての開発を行い、当連結会計年度における研究開発費の金額は、76百万円となりました。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されておりますが、この連結財務諸表の作成にあたっては、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債及び収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価を行っておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性があるため、これらの見積り結果と異なる場合があります。

 

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

① 売上高

 売上高は、通販事業のカウネット及び国内でのオフィス家具販売の伸長により、3,156億円(前年同期比2.6%増)となりました。

 各セグメント別の状況については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」をご参照ください。

 

② 売上総利益

 売上総利益は、増収や売上総利益率の改善により、1,101億円(前年同期比4.4%増)となりました。売上総利益率は、コストダウンの推進及び商品ミックスの改善等により、34.9%(前年同期比0.6ポイント上昇)となりました。

 

③ 販売費及び一般管理費

 販売費及び一般管理費は、効率的な使用に努めた結果、925億円(前年同期比2.8%増)となり、売上高販管費率は前年並みの29.3%となりました。

 

④ 営業利益

 営業利益は、175億円(前年同期比13.9%増)となりました。

 各セグメント別の状況については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」をご参照ください。

 

⑤ 経常利益

 経常利益は、191億円(前年同期比21.9%増)となりました。

 

⑥ 親会社株主に帰属する当期純利益

 親会社株主に帰属する当期純利益は、繰延税金資産の回収可能性の見直し等による法人税等の減少により、150億円(前年同期比23.1%増)となりました。

 

(3)財政状態についての分析

① 資産、負債及び純資産

 当連結会計年度末の総資産は3,051億円となり、前連結会計年度末に比べ111億円増加しました。流動資産は1,741億円で、前連結会計年度末に比べ75億円増加しました。主な要因として、受取手形及び売掛金が50億円、現金及び預金が11億円、それぞれ増加したためであります。固定資産は1,309億円で、前連結会計年度末に比べ36億円増加しました。主な要因として、投資その他の資産が48億円増加した一方、無形固定資産が12億円減少したためであります。

 当連結会計年度末の負債は1,006億円となり、前連結会計年度末に比べ52億円減少しました。流動負債は774億円となり、前連結会計年度末に比べ49億円減少しました。主な要因として、支払手形及び買掛金が41億円増加した一方、1年内償還予定の社債が100億円減少したためであります。固定負債は231億円となり、前連結会計年度末に比べ3億円減少しました。主な要因として、繰延税金負債が10億円増加した一方、退職給付に係る負債が6億円、長期預り保証金が6億円、それぞれ減少したためであります。

 当連結会計年度末の純資産は2,044億円となり、前連結会計年度末に比べ164億円増加しました。主な要因として、利益剰余金が116億円、その他有価証券評価差額金が35億円、それぞれ増加したためであります。

 

② キャッシュ・フロー

 キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。