第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第2四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において、判断したものであります。

 

(1) 経営成績に関する分析

 当第2四半期連結累計期間(2019年1月1日から2019年6月30日まで)におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善が続き、景気は緩やかな回復基調にあるものの、米中間の貿易摩擦問題や新興国の景気減速などの不確実な経済情勢の影響が懸念され、依然として先行き不透明な状況で推移しました。

 このような状況のもと、当社グループは、第2次中期経営計画「持続的な成長力の獲得 Smart & Sustainable Transformation 2021」において、メリハリを意識したスマートな稼ぐ力の向上と、中長期の事業成長の加速を前提とした効率的な事業運営を推進しております。

 売上高は、オフィス家具販売が好調に推移し、前年同期比0.3%増の1,676億円となりました。売上総利益は、原材料価格の高騰や商品構成の変化により前年同期比0.1%減の613億円、売上総利益率は0.1ポイント減の36.6%となりました。一方、販売費及び一般管理費は、物流費の増加等により前年同期比4.3%増の497億円、売上高販管費率は29.7%となりました。以上により、営業利益は、前年同期比15.1%減の116億円、経常利益は、前年同期比11.5%減の126億円となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、投資有価証券売却益等発生したものの、前年同期比11.4%減の96億円となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、以下のとおりです。

 なお、当社グループは2019年12月期より、これまで以上にダイナミックな改善や大胆な成長を事業本部を超えて挑戦するために、将来の顧客ニーズの変化を捉えたコト視点での3つの事業ドメインを設定しましたので、これをもって事業セグメント区分としております。

 

(空間価値ドメイン)

 空間価値ドメインでは、働き方・空間ニーズの多様化を取り込んだ新たな価値を創りつつ、盤石な収益性の構築に取り組んでおります。

 国内事業は、「働き方改革」を事業機会と捉え、主に首都圏における民間オフィスの需要に対し、新規顧客の開拓並びに積極的な先行営業や提案活動を行いました。

 海外事業は、中国の非日系顧客へ向けて、国内で培った知見を活かしたワークスタイル提案に注力しました。

 アクタスは、新規出店並びに増床リニューアル効果の最大化に努めました。

 このような状況のもと、売上高は、オフィス家具販売が好調に推移し、前年同期比1.5%増の816億円となりました。営業利益は、国内事業の販売費の増加等により、前年同期比0.3%減の101億円となりました。

 

(ビジネスサプライドメイン)

 ビジネスサプライドメインでは、顧客数拡大のために顧客基盤強化とマイグレーションによる効率化に取り組んでおります。

 カウネット事業は、顧客数拡大を目的とした品揃えの拡大、CRM強化に取り組みました。代理店販売事業は、マイグレーション戦略として販売面及び物流面の効率化の検証を進めております。

 このような状況のもと、売上高は、カウネットの大企業向け販売が好調に推移し、前年同期比0.7%増の595億円となりました。営業利益は、物流費やカウネットの顧客獲得に伴う販売費の増加により、前年同期比42.1%減の12億円となりました。

(グローバルステーショナリードメイン)

 グローバルステーショナリードメインでは、国内シェア拡大・収益維持を実現するとともに、海外市場の成長に取り組んでおります。

 国内事業は、BtoC市場において重点商品の拡販による店頭シェアの拡大を図りました。

 海外事業は、主にインド、中国において「学ぶ」市場をターゲットとして、シェアの拡大と収益率の改善に取り組みました。

 このような状況のもと、売上高は、国内事業の需要低迷により前年同期比2.0%減の435億円となりました。営業利益は、減収による売上総利益の減少に加え、原材料価格の高騰及び商品構成の変化による売上総利益率の悪化により、前年同期比20.7%減の35億円となりました。

 

(2)財政状態に関する分析

 当第2四半期連結会計期間末の総資産は3,135億円となり、前連結会計年度末に比べ98億円増加しました。流動資産は1,868億円で、前連結会計年度末に比べ25億円増加しました。主な要因として、有価証券が53億円増加した一方、現金及び預金が23億円減少したためであります。固定資産は1,267億円となり、前連結会計年度末に比べ72億円増加しました。主な要因として、投資有価証券が82億円増加した一方、有形固定資産が8億円減少したためであります。

 当第2四半期連結会計期間末の負債は978億円となり、前連結会計年度末に比べ30億円増加しました。流動負債は782億円となり、前連結会計年度末に比べ39億円増加しました。主な要因として、賞与引当金が41億円増加したためであります。固定負債は195億円となり、前連結会計年度末に比べ8億円減少しました。

 当第2四半期連結会計期間末の純資産は2,157億円となり、前連結会計年度末に比べ67億円増加しました。主な要因として、利益剰余金が77億円増加した一方、その他有価証券評価差額金が10億円減少したためであります。

 

(3)キャッシュ・フローの状況に関する分析

 当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は862億円であり、前連結会計年度末に比べ39億円の資金増となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当第2四半期連結累計期間の営業活動により獲得した資金は157億円(前年同期比16億円の収入減)となりました。これは、主として税金等調整前四半期純利益135億円、賞与引当金の増加41億円、減価償却費29億円等の資金収入、仕入債務の減少9億円、法人税等の支払額29億円等の資金支出があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当第2四半期連結累計期間における投資活動により支出した資金は95億円(前年同期比87億円の支出増)となりました。これは、主として投資有価証券の売却による26億円等の資金収入、連結の範囲の変更を伴う子会社株式等の取得による支出99億円、設備投資21億円等の資金支出があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当第2四半期連結累計期間における財務活動により支出した資金は22億円(前年同期比1億円の支出減)となりました。これは、主として配当金の支払額18億円、リース債務の返済による支出5億円等の資金支出があったことによるものであります。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当社グループは、将来にわたる企業のありたい姿を「コクヨは、商品・サービスを通じて、顧客の創造性を向上する価値を提供することにより、人々のより良いはたらく・まなぶ・生活する“Quality of Lifeの向上”を実現し、社会の役に立つ Life & Work Style Companyを目指す」としています。また、中長期の経営課題を「低成長からの脱却」としたうえで、中期経営計画を進めております。

 2019年12月期を初年度とする3ヵ年の第2次中期経営計画では、目指す姿の実現及び中長期の経営課題を解決するための次なるテーマを「事業規模の持続的成長」としました。足元の収益性の改善が進みつつある今こそ、中長期の取組みとして、成長が望める新しいエリア及び顧客ニーズを取り込むことで、事業規模の拡大を目指します。

 既存事業の収益性維持・強化に加えて、成長領域・新規領域での拡大(売上高1,500億円から2,000億円)により、中長期の到達イメージを2030年に全社で売上高4,500億円から5,000億円、営業利益率8%から9%としています。

 なお、2030年をゴールとした「長期ビジョン2030」を2020年に策定・発表する予定です。

 

 

 第2次中期経営計画の概要につきましては、以下としております。

1.第2次中期経営計画骨子

 第2次中期経営計画「持続的な成長力の獲得 Smart & Sustainable Transformation 2021」において、メリハリを意識したスマートな稼ぐ力の向上と、中長期の事業成長の加速を前提とした効率的な事業運営を推進します。

 

2.事業ドメイン運営

 これまで以上にダイナミックな改善及び大胆な成長に事業本部を超えて挑戦するために、将来の顧客ニーズの変化をとらえたコト視点での3つの事業ドメイン(空間価値、ビジネスサプライ、グローバルステーショナリー)を設定しました。これにより、それぞれの事業ドメインの戦略方針を、売上の成長率及び事業の収益性・効率性等によって明確化し、よりメリハリのある投資及びリソースの配分を行います。

 

3.戦略投資の強化

 既存事業の効率性改善等を行うことに加え、今後成長が望める新エリア・新カテゴリーへの参入、新たな顧客ニーズの研究開発等に取り組んでまいります。次の3ヵ年で、既存設備更新等の定常的な投資とは別に、戦略投資枠として約150億円を設定しました。

 

4.目標とする経営指標

 第2次中期経営計画の最終年度である2021年12月期の財務目標数値として、売上高3,460億円以上、売上総利益率37.0%以上、営業利益215億円以上、営業利益率6.2%以上を目標としております。

 

5.株主還元について

 株主還元方針として、2021年までに配当性向40%を目指して安定的な増配を継続し、株主の皆様への利益還元に努めます。それとともに、中長期の成長に必要な設備投資、研究開発及びM&A等の資金需要のための内部留保の充実を図りながら、持続的成長力の獲得と企業価値向上に努めてまいります。

 

 ドメイン別の取組み方針は次のとおりであります。

(空間価値ドメイン)

 国内外のファニチャー事業に加えアクタスを含む空間価値ドメインにおいては、働く人の目的及び働き方に合わせて空間及びスタイルを選択できる「ABW(Activity Based Working)」のニーズが全世界で広がっていることに対し、国内ファニチャー事業の持続的成長を確実なものとしながら、中長期での成長領域(グローバル、暮らす等)の検証を進めます。これにより、国内ファニチャー事業におけるシェア向上及び収益基盤の盤石化を実現し、売上高及び営業利益の拡大を目指します。

 

(ビジネスサプライドメイン)

 オフィス関連用品の卸及びオフィス通販が含まれるビジネスサプライドメインにおいては、流通事業を取り巻く環境の変化によって事業の課題がより顕著になってきたことに対して、卸販売モデル及び通販モデルを一体としてとらえて効率化に取り組むことによって、持続性を高めるための構造改革及び顧客基盤の強化を進めます。これにより、営業利益率は維持しながら、運転資本の効率的活用等によって事業効率性の向上を目指します。

 

(グローバルステーショナリードメイン)

 国内外のステーショナリー事業を含むグローバルステーショナリードメインにおいては、国内における文具シェアトップメーカーとしての強みを活かし、各国市場における成長トレンドを継続しつつ、新たな成長領域を意識した成長戦略の策定及び検証を行います。これにより、国内外における選択と集中を行い、海外における売上成長ならびに国内でのシェア維持及び売上総利益率の向上を進めることによって、グローバル文具市場でのシェアの成長を目指します。

 会社の支配に関する基本方針の内容の概要につきましては、以下としております。

Ⅰ.基本方針の内容

①当社グループは創業以来、事務用紙製品分野からオフィスファニチャー分野へと事業領域を拡大し、国内最大級の総合オフィスサプライヤーへと成長してまいりました。

 現在では、ステーショナリー及びオフィスファニチャー製品の開発・製造・販売、オフィス・官公庁・学校・病院等の空間構築設計・施工・コンサルティング、オフィス用品の通信販売、個人向け家具・インテリア・雑貨の販売等、商品だけでなくサービスも含めた総合提案力によって、お客様の課題解決を一手に担うことのできる企業グループへと進化を遂げております。

 これまで当社グループの持続的な成長を支え、推進してきたものは、株主・顧客・取引先・従業員・地域社会等のステークホルダーとの間に築かれた良好な信頼関係であります。今後も当社グループが培ってきたこうした有形無形の財産を企業価値の源泉として守っていくことが大変重要な課題であると認識しております。

 

②当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として、当社の企業理念、企業価値を生み出す源泉、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係等を十分理解、活用し、当社の企業価値及び会社の利益ひいては株主共同の利益を長期的に確保・向上させる者が望ましいと考えております。もっとも、その在り方については、最終的には株主の皆様にご判断いただくべきものであることから、株主の皆様が適切な判断を行う上で、十分な情報と時間を確保できるような施策の必要性を認識しております。

 

③当社は、経営支配権の異動を通じた企業活動及び経済の活性化の意義を一概に否定するものではありませんが、株式の大規模な買付行為及びその提案の中には、当社に回復し難い損害をもたらすおそれのあるものも含まれます。このような行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切な存在であると考えます。

 現在のところ、特定の第三者からの株式の大規模な買付行為及びその提案によって、当社に具体的な脅威が生じているわけではありませんが、必要に応じて対抗措置を講じる仕組みを株主の皆様のご意思に基づき構築しておくことが必要であると考えております。

 

Ⅱ.基本方針の実現に資する特別な取組み

 当社グループは、2018年11月28日に、2019年12月期を初年度とする3ヵ年の第2次中期経営計画「持続的な成長力の獲得 Smart & Sustainable Transformation 2021」を発表しました。内容につきましては、前記2.(4)「事業上及び財務上の対処すべき課題」に記載のとおりであります。

 

 当社は、監査役会設置会社であり、取締役は9名(うち社外取締役4名)、監査役は3名(3名全て社外監査役)で構成されます。取締役の任期は1年であり、取締役の選解任のための株主総会決議要件の加重等は採用しておりませんので、株主の皆様は株主総会における過半数の決議(普通決議)による取締役の選解任を通じて、後記Ⅲ.の取組みに対するご意思を反映させることも可能であります。

 

Ⅲ.基本方針に照らして不適切な者によって会社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

 当社は、2007年6月28日開催の当社第60回定時株主総会において、当社の企業価値及び株主共同の利益を確保し、向上させることを目的として、特定の株主又は株主グループによって当社株式の一定規模以上の買付行為が行われた場合の対応策を導入しました。その後、当社は、直近では2017年3月30日開催の当社第70回定時株主総会における株主の皆様のご承認に基づき、当該対応策の内容の一部を改定した上で当該対応策を継続しております。

 

 

 現行の当該対応策の主な内容は、次のとおりであります。

 当該対応策は、大規模買付者が従うべき手続と大規模買付行為に対して当社が採りうる大規模買付対抗措置から構成されており、大規模買付者に対し、株主及び当社取締役会による判断のための情報提供と当社取締役会による検討・評価の期間の付与を要請しております。

 大規模買付者が当該手続を遵守しない場合又は当該行為によって当社の企業価値及び会社の利益ひいては株主共同の利益が著しく毀損される場合に限り、当社取締役会は、対抗措置として当社株主に対する新株予約権無償割当て等を決議することができます。

 

Ⅳ.前記Ⅱ.及びⅢ.の取組みについての取締役会の判断及びその判断に係る理由

 前記Ⅱ.の取組みにつきましては、当社の企業価値の向上及び会社の利益ひいては株主の皆様の共同の利益の実現を直接の目的とするものでありますので、前記Ⅰ.の基本方針の実現に沿うものと考えております。

 また、この取組みは当社株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものでもありません。

 前記Ⅲ.の取組みにつきましては、当社取締役会が大規模買付対抗措置の発動を決議するにあたり、その判断の客観性・合理性を担保するための十分な仕組みが確保されているものと考えます。従いまして、前記Ⅰ.の基本方針の実現に沿うものであり、当社株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものでないことは明らかであると考えます。

 

(5)研究開発活動

 当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は675百万円であります。

 なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当社は、2019年5月10日開催の当社取締役会において、株式会社マーキュリアインベストメントが管理・運営するPI投資事業有限責任組合の有限責任組合員としての持分すべてを取得することを決議し、2019年5月10日に契約を締結しました。

 詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。