第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第2四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 なお、新型コロナウイルス感染拡大による事業への影響については、引き続き今後の状況を注視してまいります。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において、判断したものであります。

 

(1) 経営成績に関する分析

 当第2四半期連結累計期間(2020年1月1日から2020年6月30日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染拡大により、経済環境は急速に悪化しました。
 このような状況の中におきましても、当社グループは、2021年を最終年とした中期経営計画「持続的な成長力の獲得 Smart & Sustainable Transformation 2021」として、メリハリを意識したスマートな稼ぐ力の向上と中長期事業成長を前提とした効率的な事業運営に取組んでおります。

 新型コロナウイルス感染拡大影響によって当社を取り巻く経営環境は激変し、大きな影響を受けました。売上高は、全ドメインにおいて売上が減少したことにより、前年同期比7.1%減の1,558億円となりました。売上総利益は、前年同期比6.1%減の576億円となりました。生産活動を大幅に抑制し、在庫調整を進めた結果、売上総利益率は0.4ポイント向上の37.0%となりました。販売費及び一般管理費は、不要不急の経費の削減により、前年同期比4.4%減の475億円、売上高販管費率は30.5%となりました。

 以上により、営業利益は、全ドメインにおいて営業利益が減少したことにより、前年同期比13.2%減の100億円、経常利益は、持分法適用関連会社であるぺんてる株式会社に係る持分法による投資損失の計上等により、前年同期比25.0%減の94億円となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期に投資有価証券売却益を計上していた反動等により前年同期比35.0%減の62億円となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は、以下のとおりです。

 

(空間価値ドメイン)

 空間価値ドメインでは、働き方・空間ニーズの多様化を取り込んだ新たな価値を創りつつ、盤石な収益性の構築に取組んでおります。

 国内事業は、緊急事態宣言発令時に特定警戒都道府県として指定された地域で、家具・建材等の納品・施工及び新規受注を原則停止致しました。延期されていた案件の納入が再開し、新しい生活様式に合わせた提案に注力する等、需要に対応して提案活動に努めましたが、需要回復には一定の時間が必要な状況です。

 海外事業は、非日系顧客へ向けて、国内で培った知見を活かしたワークスタイル提案に注力しました。新型コロナウイルス感染拡大影響により厳しい状況が続いておりますが、5月から6月にかけて中国経済の需要が戻りつつあり、回復の兆しも見え始めております。

 アクタスは、多くの店舗において臨時休業や営業時間短縮の対応の影響を受けましたが、5月下旬からは直営店が順次再開していき、回復の兆しも見え始めております。

 このような状況のもと、売上高は、前年同期比4.3%減の780億円となりました。営業利益は、国内事業の減収の影響が大きく、前年同期比7.1%減の94億円となりました。

 

(ビジネスサプライドメイン)

 ビジネスサプライドメインでは、流通基盤の統合とお客様にとって最適な販売体制の構築を図るマイグレーション戦略を推進しております。

 カウネット事業は、在宅勤務の拡がり等によるオフィス人員減少影響を受けましたが衛生用品の受注増への対応等に取組みました。6月からは顧客のオフィスへの出社が増えたことにより、需要回復に向かっております。

 代理店販売事業は、マイグレーション戦略として販売面及び物流面の効率化の検証を進めております。

 このような状況のもと、売上高は、前年同期比6.0%減の559億円となりました。営業利益は、前年同期比6.6%減の11億円となりました。

 

(グローバルステーショナリードメイン)

 グローバルステーショナリードメインでは、国内市場のシェア拡大・収益維持を実現するとともに、海外市場の成長に取組んでおります。

 国内事業は、学校再開によるノート需要の回復を中心に販売活動へ取組みました。付加価値と収益性に拘り、特にBtoC市場におけるシェアの拡大を図りました。

 海外事業は、主に中国では5月から6月にかけて経済需要が戻りつつあり「学ぶ」市場をターゲットとして、シェアの拡大と独自ポジションの確立に取組みました。インドではロックダウンが5月末まで継続したことの影響を受けました。6月からは一部のエリアにおいて順次経済活動が再開しているものの、いまだ感染拡大収束は見通せない状況です。

 このような状況のもと、売上高は、国内・海外市場ともに新型コロナウイルス影響による需要低迷により前年同期比15.1%減の369億円となりました。営業利益は、前年同期比26.5%減の26億円となりました。

 

(2)財政状態に関する分析

 当第2四半期連結会計期間末の総資産は3,051億円となり、前連結会計年度末に比べ132億円減少しました。流動資産は1,751億円で、前連結会計年度末に比べ124億円減少しました。主な要因として、現金及び預金が188億円増加した一方、有価証券が184億円、受取手形及び売掛金が106億円、商品及び製品が18億円、それぞれ減少したためであります。固定資産は1,300億円となり、前連結会計年度末に比べ7億円減少しました。主な要因として、有形固定資産が3億円増加した一方、投資その他の資産が10億円減少したためであります。

 当第2四半期連結会計期間末の負債は807億円となり、前連結会計年度末に比べ163億円減少しました。流動負債は640億円で、前連結会計年度末に比べ129億円減少しました。主な要因として、賞与引当金が40億円、1年内返済予定の長期借入金が30億円、それぞれ増加した一方、支払手形及び買掛金が172億円減少したためであります。固定負債は166億円で、前連結会計年度末に比べ34億円減少しました。主な要因として、長期借入金が31億円減少したためであります。

 当第2四半期連結会計期間末の純資産は2,244億円となり、前連結会計年度末に比べ31億円増加しました。主な要因として、利益剰余金が38億円増加した一方、為替換算調整勘定が4億円、その他有価証券評価差額金が1億円、それぞれ減少したためであります。

 

(3)キャッシュ・フローの状況に関する分析

 当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は841億円であり、前連結会計年度末に比べ7億円の資金増となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当第2四半期連結累計期間の営業活動により獲得した資金は65億円(前年同期比92億円の収入減)となりました。これは、主として税金等調整前四半期純利益94億円、売上債権の減少105億円、賞与引当金の増加40億円、減価償却費29億円等の資金収入、仕入債務の減少170億円、法人税等の支払額39億円等の資金支出があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当第2四半期連結累計期間における投資活動により支出した資金は33億円(前年同期比62億円の支出減)となりました。これは、主として有形固定資産の取得による支出21億円、無形固定資産の取得による支出11億円等の資金支出があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当第2四半期連結累計期間における財務活動により支出した資金は23億円(前年同期比0億円の支出増)となりました。これは、主として配当金の支払額24億円等の資金支出があったことによるものであります。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当社グループは、将来にわたる企業のありたい姿を「コクヨは、商品・サービスを通じて、顧客の創造性を向上する価値を提供することにより、人々のより良いはたらく・まなぶ・生活する“Quality of Lifeの向上”を実現し、社会の役に立つ Life & Work Style Companyを目指す」としています。また、中長期の経営課題を「低成長からの脱却」としたうえで、中期経営計画を進めております。

 2019年12月期を初年度とする3ヵ年の第2次中期経営計画では、目指す姿の実現及び中長期の経営課題を解決するための次なるテーマを「事業規模の持続的成長」としました。足元では経済環境の影響を大きく受けておりますが、中長期の取組みとして、成長が望める新しいエリア及び顧客ニーズを取り込むことで、事業規模の拡大を目指します。

 既存事業の収益性維持・強化に加えて、成長領域・新規領域での拡大(売上高1,500億円から2,000億円)により、中長期の到達イメージを2030年に全社で売上高4,500億円から5,000億円、営業利益率8%から9%としています。

 なお、2030年をゴールとした「長期ビジョン2030」を2020年12月期通期業績発表時に策定・発表する予定です。

 

 第2次中期経営計画の概要につきましては、以下としております。

 

1.第2次中期経営計画骨子

 第2次中期経営計画「持続的な成長力の獲得 Smart & Sustainable Transformation 2021」において、メリハリを意識したスマートな稼ぐ力の向上と、中長期の事業成長の加速を前提とした効率的な事業運営を推進します。

 

2.事業ドメイン運営

 これまで以上にダイナミックな改善及び大胆な成長に事業本部を超えて挑戦するために、将来の顧客ニーズの変化をとらえたコト視点で、2019年12月期から3つの事業ドメイン(空間価値、ビジネスサプライ、グローバルステーショナリー)を推進しております。

 

3.戦略投資の強化

 第2次中期経営計画における3ヵ年で、既存設備更新等の定常的な投資とは別に、戦略投資枠として約150億円を計画しておりましたが、経済環境の変化に合わせて一部投資の先送りや見直しを行います。

 

4.目標とする経営指標

 第2次中期経営計画の最終年度である2021年12月期の財務目標数値は、足元の経済環境の変化を受けて、当初の目標数値を見直すことと致しました。新たな目標数値につきましては、2020年12月期第3四半期決算発表時に開示する予定です。

 

5.株主還元について

 株主還元方針としては、引き続き株主の皆様への利益還元に努めます。配当額につきましては、足元の経済環境及び業績動向に鑑み決定してまいります。それとともに、中長期の成長に必要な設備投資、研究開発及びM&A等の資金需要のための内部留保の充実を図りながら、持続的成長力の獲得と企業価値向上に努めてまいります。

 

 ドメイン別の取組み方針は次のとおりであります。

 

(空間価値ドメイン)

 国内外のファニチャー事業に加えアクタスを含む空間価値ドメインにおいては、働く人の目的及び働き方に合わせて空間及びスタイルを選択できる「ABW(Activity Based Working)」のニーズが全世界で広がっていることに対し、国内ファニチャー事業の持続的成長を確実なものとしながら、中長期での成長領域(グローバル、暮らす等)の検証を進めます。これにより、国内ファニチャー事業におけるシェア向上及び収益基盤の盤石化を実現し、売上高及び営業利益の拡大を目指します。

 

(ビジネスサプライドメイン)

 オフィス関連用品の卸及びオフィス通販が含まれるビジネスサプライドメインにおいては、流通事業を取り巻く環境の変化によって事業の課題がより顕著になってきたことに対して、卸販売モデル及び通販モデルを一体としてとらえて効率化に取組むことによって、持続性を高めるための構造改革及び顧客基盤の強化を進めます。これにより、営業利益率は維持しながら、運転資本の効率的活用等によって事業効率性の向上を目指します。

 

(グローバルステーショナリードメイン)

 国内外のステーショナリー事業を含むグローバルステーショナリードメインにおいては、国内における文具シェアトップメーカーとしての強みを活かし、各国市場における成長トレンドを継続しつつ、新たな成長領域を意識した成長戦略の策定及び検証を行います。これにより、国内外における選択と集中を行い、海外における売上成長ならびに国内でのシェア維持及び売上総利益率の向上を進めることによって、グローバル文具市場でのシェアの成長を目指します。

 

 会社の支配に関する基本方針の内容の概要につきましては、以下としております。

 

Ⅰ.基本方針の内容

①当社グループは創業以来、事務用紙製品分野からオフィスファニチャー分野へと事業領域を拡大し、国内最大級の総合オフィスサプライヤーへと成長してまいりました。

 現在では、ステーショナリー及びオフィスファニチャー製品の開発・製造・販売、オフィス・官公庁・学校・病院等の空間構築設計・施工・コンサルティング、オフィス用品の通信販売、個人向け家具・インテリア・雑貨の販売等、商品だけでなくサービスも含めた総合提案力によって、お客様の課題解決を一手に担うことのできる企業グループへと進化を遂げております。

 これまで当社グループの持続的な成長を支え、推進してきたものは、株主・顧客・取引先・従業員・地域社会等のステークホルダーとの間に築かれた良好な信頼関係であります。今後も当社グループが培ってきたこうした有形無形の財産を企業価値の源泉として守っていくことが大変重要な課題であると認識しております。

 

②当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として、当社の企業理念、企業価値を生み出す源泉、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係等を十分理解、活用し、当社の企業価値及び会社の利益ひいては株主共同の利益を長期的に確保・向上させる者が望ましいと考えております。もっとも、その在り方については、最終的には株主の皆様にご判断いただくべきものであることから、株主の皆様が適切な判断を行う上で、十分な情報と時間を確保できるような施策の必要性を認識しております。

 

③当社は、経営支配権の異動を通じた企業活動及び経済の活性化の意義を一概に否定するものではありませんが、株式の大規模な買付行為及びその提案の中には、当社に回復し難い損害をもたらすおそれのあるものも含まれます。このような行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切な存在であると考えます。

 現在のところ、特定の第三者からの株式の大規模な買付行為及びその提案によって、当社に具体的な脅威が生じているわけではありませんが、必要に応じて対抗措置を講じる仕組みを株主の皆様のご意思に基づき構築しておくことが必要であると考えております。

 

Ⅱ.基本方針の実現に資する特別な取組み

 当社グループは、2018年11月28日に、2019年12月期を初年度とする3ヵ年の第2次中期経営計画「持続的な成長力の獲得 Smart & Sustainable Transformation 2021」を発表しました。内容につきましては、前記2.(4)「事業上及び財務上の対処すべき課題」に記載のとおりであります。

 

 当社は、監査役会設置会社であり、取締役は7名(うち社外取締役3名)、監査役は3名(3名全て社外監査役)で構成されます。取締役の任期は1年であり、取締役の選解任のための株主総会決議要件の加重等は採用しておりません。

 

Ⅲ.基本方針に照らして不適切な者によって会社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

 当社は、当社グループの企業価値向上や株主共同利益の確保・向上に取組むとともに、当社株式の大規模買付行為を行おうとする者に対し、株主の皆様が当該行為の是非を適切に判断するための必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のための情報と時間の確保に努めるほか、金融商品取引法、会社法及びその他関連法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。

 

Ⅳ.前記Ⅱ及びⅢの取組みについての取締役会の判断及びその判断に係る理由

 前記Ⅱの取組みにつきましては、当社の企業価値の向上及び会社の利益ひいては株主の皆様の共同の利益の実現を直接の目的とするものでありますので、前記Ⅰの基本方針の実現に沿うものと考えております。

 また、前記Ⅲの取組みにつきましては、当社株式に対する大規模買付行為が行われる際に、当該行為の是非について株主の皆様が適切な判断をするために必要な情報や時間を確保し、大規模買付行為を行う者と協議を行うなど、当社の企業価値の向上及び会社の利益ひいては株主の皆様の共同の利益を実現するものでありますので、前記Ⅰの基本方針の実現に沿うものと考えております。

 従いまして、これらの取組みは当社株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものでもありません。

 

(5)研究開発活動

 当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は641百万円であります。

 なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。