文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、将来にわたる企業のありたい姿を「コクヨは、商品・サービスを通じて、顧客の創造性を向上する価値を提供することにより、人々のより良いはたらく・まなぶ・生活する“Quality of Lifeの向上”を実現し、社会の役に立つLife & Work Style Companyを目指す」としています。また、中長期の経営課題を「低成長からの脱却」としたうえで、中期経営計画を進めております。
2019年12月期を初年度とする3ヵ年の第2次中期経営計画では、目指す姿の実現及び中長期の経営課題を解決するための次なるテーマを「事業規模の持続的成長」としました。中長期の取組みとして、成長が望める新しいエリア及び顧客ニーズを取り込むことで、事業規模の拡大を目指します。足元では、日本経済及び世界経済全体の先行きに対する不透明感が継続していることから、当初目標としていた目標数値を修正しております。
なお、2030年に全社で売上高5,000億円をゴールとした「長期ビジョンCCC2030」を策定いたしました。当該ビジョンの詳細につきましては、2021年2月12日付け「長期ビジョンCCC2030の策定に関するお知らせ」において記載のとおりです。
(2)目標とする経営指標
第2次中期経営計画の最終年度である2021年12月期は、足元の業績動向等を勘案し、売上高3,110億円、売上総利益1,123億円、営業利益152億円を見込んでいます。
(単位:億円)
|
|
2021年12月期 |
|
|
直近の目標 (2020年10月26日公表) |
次期の見通し |
|
|
売上高 |
3,050~ |
3,110 |
|
売上総利益 (率) |
1,093~ (35.8%~) |
1,123 (36.1%) |
|
営業利益 (率) |
130~ (4.3%~) |
152 (4.9%) |
(3)経営環境
当社グループの経営環境については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績」をご参照ください。
(4)中長期的な会社の経営戦略並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループでは、第2次中期経営計画「持続的な成長力の獲得 Smart & Sustainable Transformation 2021」において、メリハリを意識したスマートな稼ぐ力の向上と、中長期の事業成長の加速を前提とした効率的な事業運営を推進します。
・事業ドメイン運営
これまで以上にダイナミックな改善や大胆な成長に事業本部を超えて挑戦するために、将来の顧客ニーズの変化を捉えたコト視点で、2019年12月期から3つの事業ドメイン(空間価値、ビジネスサプライ、グローバルステーショナリー)を推進しております。
①空間価値ドメイン
国内外のファニチャー事業に加えアクタスを含む空間価値ドメインにおいては、働く人の目的及び働き方に合わせて空間及びスタイルを選択できる「ABW(Activity Based Working)」のニーズが全世界で広がっていることに対し、国内ファニチャー事業の持続的成長を確実なものとしながら、中長期での成長領域(グローバル、暮らす等)の検証を進めます。これにより、国内ファニチャー事業におけるシェア向上及び収益基盤の盤石化を実現し、売上高及び営業利益の拡大を目指します。
②ビジネスサプライドメイン
オフィス関連用品の卸及びオフィス通販が含まれるビジネスサプライドメインにおいては、流通事業を取り巻く環境の変化によって事業の課題がより顕著になってきたことに対して、卸販売モデル及び通販モデルを一体としてとらえて効率化に取組むことによって、持続性を高めるための構造改革及び顧客基盤の強化を進めます。これにより、営業利益率は維持しながら、運転資本の効率的活用等によって事業効率性の向上を目指します。
③グローバルステーショナリードメイン
国内外のステーショナリー事業を含むグローバルステーショナリードメインにおいては、国内における文具シェアトップメーカーとしての強みを活かし、各国市場における成長トレンドを継続しつつ、新たな成長領域を意識した成長戦略の策定及び検証を行います。これにより、国内外における選択と集中を行い、海外における売上成長ならびに国内でのシェア維持及び売上総利益率の向上を進めることによって、グローバル文具市場でのシェアの成長を目指します。
・戦略投資の強化
第2次中期経営計画における3ヵ年で、既存設備更新等の定常的な投資とは別に、戦略投資枠として約150億円を計画しておりましたが、経済環境の変化を受けて、一旦取り下げることと致します。なお今後の戦略投資に係る方針につきましては、今後策定を進めてまいります第3次中期経営計画の中で説明致します。
・株主還元について
株主還元方針として、引き続き株主の皆様への利益還元に努めます。配当額につきましては、第2次中期経営計画において当初掲げていた配当性向40%及び前期比での増配を達成すべく、足元の経済環境及び業績動向に鑑み決定してまいります。それとともに、中長期の成長に必要な設備投資、研究開発、M&A等の資金需要のための内部留保の充実を図りながら、持続的成長力の獲得と企業価値向上に努めてまいります。
なお、2021年2月22日付け「自己株式取得に係る事項の決定に関するお知らせ」において「長期ビジョンCCC2030」の達成に向けて、資本効率をより意識した経営を推進していくことの一環として、自己株式取得の取り組みを開始してまいります。取得期間は、2021年3月1日~2022年2月28日の間で50億円を上限としております。
以上の経営方針に基づき、当社グループにおける持続的成長の獲得を目指してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
新型コロナウイルス感染症については、以下のとおりです。
日本を含む全世界的な新型コロナウイルス感染症の感染拡大と各国政府による感染予防対策にもかかわらず、経済活動に重大な悪影響が生じており、そのため、当社グループを取り巻く経営環境は激変し、事業活動に大きな影響を受けております。また、今後の景気動向の見通しも非常に不透明で、景気の悪化が全世界的に長期に亘る可能性があります。新型コロナウイルス感染症拡大に対して、当社グループは、早期に代表取締役社長を本部長とする新型肺炎対策本部を設置し、「顧客と社員・パートナーの安全の優先」と「社会への感染拡大防止への協力」に向けた対策をいち早く開始しました。また、これに加えて、ウィズ・コロナ禍での経済の安定な稼働への貢献にも取り組んでまいりました。
社員の安全確保のガイドラインを策定し、働く場所やコミュニケーション方法を柔軟に使い分けることで適切な在席率を維持しながら政府・社会からの要請に応えると共に、オフィスに出社する際には時差出勤を奨励しております。オフィスにおいては、社会的距離の確保、日常清掃、消毒、マスク着用等の感染予防策を徹底しております。また、顧客の安全を考え、顧客等を招いて自社が主催するセミナー・イベントでは、オンラインでの情報提供とリアルなオフィス体験をハイブリッドで提供する新たな提案方法にも取り組んでおります。また、働き方・学び方などのライフスタイルの大きな変化に伴う市場・顧客ニーズに応えていくために、空間価値ドメインでは、これまでのセンターオフィス領域に加え、住空間、分散化ワーク領域(シェアオフィス、郊外サテライトオフィス、ワーケーション等)における戦略を策定・推進に取り組んでおります。また、ビジネスサプライドメインでは、これまでのオフィス向けのみならず、在宅テレワーカー向けなど個人ニーズの領域に拡大し取り組んでおります。
当社グループは、先行きの不透明なコロナ禍の時代において、顧客及び社員・パートナーの安心安全を第一に、社会インフラを提供する企業として経済への安定な稼働及び事業継続との両立を目指し取り組んでおります。
(1)経済状況
当社グループの売上は概ね日本国内向けであり、日本国内の景気変動に伴う企業収益や設備投資、公共投資の動向により、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。しかしながら、必ずしもその影響は一律に生じるものではなく業界等による違いが生じます。当社グループは事業ポートフォリオ経営を掲げて複数事業ドメインを有しており、業界動向及び事業状況をモニタリングすることによって、適宜リソースシフトを行う態勢を構築しております。また、当社グループの販売生産、仕入の一部はアジアをはじめとした世界各地で行っており、今後、事業のグローバル化をより一層推進する方針です。そのため、各地域の政治経済・社会情勢の変化や各種規制、ESGを巡る潮流等影響が増大し、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。現在は、各現地法人とコクヨ本社が連携して政治、経済情勢等を的確に把握し、適切に対応する体制を構築しております。今後一層対応を強化する方針です。
(2)市場環境
当社グループは、顧客にとって付加価値の高い商品開発や提案活動を進めておりますが、事業を展開する市場は景気変動や顧客の購買チャネルの変化等の影響を受けており、分散化やデジタル化の潮流の中にあって、競争はますます激しさを増していることから、当社グループの優位性の維持又は獲得が滞り、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
そこで、当社グループは、事業ポートフォリオ経営を掲げて複数事業ドメインを有しており、業界動向及び業績状況に応じて、経営資源の最適な配分を行っております。ますます激化する競争環境に係るリスクはしっかりと認識する一方で、それらのリスクをむしろチャンスと捉え、前例に固執することなく構造改革に取り組み、より長期目線での経営を推進することによって、更なる成長に向けて取り組んでおります。
(3)法規制の遵守
当社グループは、商品の品質、取引関連、環境、労務、安全衛生、会計基準や税務など様々な法規制の適用を受けており、当社グループは、法規制を遵守し、社会倫理に従って企業活動を行うためのコンプライアンス体制の構築とその遵守に努めております。しかしながら、これら法規制等への違反が発見又は認定された場合には、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、現行の法規制の変更や新たな法規制、今後の事業のグローバル化、事業領域の拡大により、遵守すべき法規制が追加された場合には、その対応のための投資や費用が必要になるなど、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
そこで、当社グループは、法規制を遵守し、社会倫理に従って企業活動を行うための「コクヨグループ行動基準」を制定し、教育・研修等を通じ、その遵守に努めております。また、法規制の改廃制定などに対して、その対応及び遵守状況の定期的な確認により、法令遵守を図っております。さらに、広く社員を対象とする社内サーベイによってコンプライアンスの遵守状況の確認を行っております。また、談合等の反競争的行為や贈賄の防止や反社会的勢力の排除等については、国内・海外子会社に対して定期的に教育・啓蒙活動を行っております。コンプライアンス推進体制としては、取締役を委員長とする「リスク委員会」を設置して全社的な推進状況の把握を行うとともに、各関係会社役員会及びリスク・コンプライアンス委員会において、事業ごとのコンプライアンス遵守状況を確認しております。
(4)品質保証
当社グループの製品において、想定が難しい多様な環境での製品の使用などにより、リコールが発生する可能性があります。その結果、当社グループの経営成績及び財務状況、さらに当社グループの社会的評価に悪影響を及ぼす可能性があります。
そこで、当社グループは、国際規格であるISO9001に基づいた品質マネジメントシステムを構築し、それに従った製品及びサービスの設計・開発や製造及びサービス提供の管理を行い、品質チェック体制の整備を図り、品質監査を行うなど、製品・サービスの企画・開発からアフターサービスに至るまでバリューチェーン全体で品質の向上に努めております。リコールが発生した場合のリコール費用及び製造物責任賠償については、保険に加入しておりますが、損失額を全て賄える保証はなく、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5)購買調達
当社グループが主に使用する原材料は原紙、樹脂、鋼材等であり、これらは国内外の調達先から購入しております。当社が調達先から購入する原材料や仕入商品の価格は、世界的な需給動向や為替変動による影響を受けており、需給動向や、為替レートの変動が長期に及んだ場合は、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、ESG観点に対する社会的要請により、サプライチェーン上の人権状況のチェックや、環境への配慮について、より高度な対応が求められており、調達先に対応の不備があれば、原材料の調達停止による当社グループの経営成績及び財務状況への影響だけでなく、社会的評価が悪影響を受ける可能性もあります。
そこで、当社グループは、需給動向や、為替レートの変動については、短期的には海外調達先との外貨建取引の一部については為替予約を行うとともに、中期的には原材料の現地調達比率の適正化や調達先の多角化などにより、需給動向や為替レートの変動リスクの低減に取り組んでおります。また、原材料の調達については、調達先との信頼関係を構築し相互発展を目指すために、「コクヨグループ調達基本方針」を制定し、人権尊重や環境保全など、社会的責任を果たし、社会の発展に寄与することに努めております。
(6)情報セキュリティ
当社グループは、事業上の機密情報や事業の過程で入手した顧客情報や個人情報を保有しております。それらの情報に関して、当社グループの想定を超えるウィルス感染やサイバー攻撃等により、重要データの破壊、改ざん、流出、システム停止等を引き起こす可能性があり、その脅威は年々高まっております。また、在宅やリモートワークなど多様な働き方により、影響の範囲は大きくなっております。その結果、これらが発生した場合、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
そこで、当社グループは、これら情報の取扱いに関するルールを整備し、社員をはじめ委託先を含む関係者への教育・啓蒙の推進に加え、高度化する社外からの脅威に応じそれら対策の強化を行っております。また、運営する情報システムへのウィルス感染やサイバー攻撃によるシステム障害、社外への情報漏洩に対する虚弱性を定期的に診断し、対策を図っております。
(7)企業に対する出資等
当社グループは、持続的に企業価値を向上させていくために企業に対する出資等を行っております。その実施にあたっては、事前に対象企業の財務内容や契約内容等の審査を行い、リスクを検討したうえで決定しております。また、出資後は利益計画等の達成状況や、資産価値についての定期的なモニタリングを実施しております。しかしながら、事業環境の変化等により、当初想定していた成果が得られないと判断された場合には、有形固定資産やのれん等の無形固定資産、投資有価証券の減損損失を認識することにより、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(8)有価証券の時価変動
当社グループは、投資有価証券を保有しております。金融市場等の変動により投資有価証券の時価が悪化し、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
そこで、当社グループは、投資有価証券は四半期ごとの時価評価以外に定期的な検証を行い、売却や購入の検討をしております。特に、政策保有株式については、個別銘柄ごとに定量的及び定性的な観点を踏まえた検証結果を取締役会に報告し、保有の意義が乏しいと判断される銘柄については売却又は縮減を検討しております。
(9)自然災害、感染症等
当社グループは、国内外に事業所や工場を有しております。近年の気候変動に伴う自然災害の大規模化や、これまでに類を見ない感染症の発生などによる想定を超える規模の被害や、広域での社会インフラの停止なども考えられます。このような災害や感染症などが発生した場合のリスク全てを回避することは困難であるため、これらが発生した場合、事業活動の一部停止や縮小など、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
そこで、当社グループは、このような自然災害や感染症などの発生に備え、事業の継続や早期復旧を図るために必要な対策・手順について計画を立て、危機管理の徹底に取り組んでおります。また、計画内容は継続的に精査・見直しを行い、その実効性を担保するようにしております。自然災害については、施設・業務に安全対策を講じることで危機の事前回避と災害対策品の備蓄・保険等の付保により危機発生時における対応力の向上に努めております。感染症については、顧客と社員の安全を図りつつ、事業活動への影響を最小限にとどめるよう努めております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績
当連結会計年度(2020年1月1日から2020年12月31日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染拡大により、経済環境は急速に悪化しました。昨年5月下旬の緊急事態宣言解除後は国内の経済活動において一部持ち直しの動きが見られるものの、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
このような状況の中におきましても、当社グループは、2021年を最終年とした中期経営計画「持続的な成長力の獲得 Smart & Sustainable Transformation 2021」として、メリハリを意識したスマートな稼ぐ力の向上と中長期事業成長を前提とした効率的な事業運営に取組んでおります。
新型コロナウイルス感染拡大影響によって当社グループを取り巻く経営環境は激変し、大きな影響を受けましたが、顧客及び従業員の安心安全と事業継続の両立に取組んでまいりました。
売上高は、全ドメインにおいて売上が減少したことにより、前年同期比6.1%減の3,006億円となりました。売上総利益は、前年同期比5.7%減の1,073億円となりました。売上総利益率は、高利益率商品の拡販や一部製品の値上げにより、0.1ポイント向上の35.7%となりました。販売費及び一般管理費は、不要不急の経費の削減により、前年同期比4.7%減の925億円、売上高販管費率は30.8%となりました。
以上により、営業利益は、前年同期比11.6%減の148億円となりました。経常利益は、持分法適用関連会社であるぺんてる㈱において繰延税金資産の全額取り崩しを受けて持分法による投資損失を計上したこと等により、前年同期比22.1%減の141億円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期に投資有価証券売却益を計上していた反動等により、前年同期比45.8%減の82億円となりました。
なお、2020年12月期の目標(2020年10月26日公表)に対し、売上高は目標比101.6%の3,006億円、営業利益は目標比119.4%の148億円、営業利益率は4.9%となり、目標の4.2%を0.7ポイント上回りました。また、ROEは3.7%となり、前年の7.2%を3.5ポイント下回りました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
①空間価値ドメイン
空間価値ドメインでは、働き方・空間ニーズの多様化を取り込んだ新たな価値を創りつつ、盤石な収益性の構築に取組んでおります。
国内事業は、新型コロナウイルス感染拡大影響を受けたものの、顧客の多様化するニーズに合わせて、新型コロナウイルス感染拡大防止対策への相談対応やニューノーマルな働き方に合わせた提案活動等に注力しました。経済正常化の動きにより、需要回復の兆しも見え始めております。
海外事業は、非日系顧客へ向けて、国内で培った知見を活かしたワークスタイル提案に注力しました。新型コロナウイルス感染拡大影響により厳しい状況が続いておりますが、中国では今後も成長が見込める市場へ販売活動を推進しております。
アクタスは、緊急事態宣言による店舗休業等の影響を受けましたが、インテリア需要増加の後押しにより、直営店の受注が好調に推移しております。
このような状況のもと、売上高は、前年同期比4.8%減の1,447億円となりました。営業利益は、前年同期比9.8%減の138億円となりました。
②ビジネスサプライドメイン
ビジネスサプライドメインでは、流通基盤の統合とお客様にとって最適な販売体制の構築を図るマイグレーション戦略を推進しております。
カウネット事業は、新型コロナウイルス感染拡大による在宅勤務拡大の影響を受けましたが、更なるEC化を推し進めた他、衛生用品の拡販に取組んだことにより、需要は回復傾向にあります。
代理店販売事業は、マイグレーション戦略として販売面及び物流面の効率化を進めました。
このような状況のもと、売上高は、前年同期比4.2%減の1,130億円となりました。営業利益は、前年同期比7.9%増の25億円となりました。
③グローバルステーショナリードメイン
グローバルステーショナリードメインでは、国内市場のシェア拡大・収益維持を実現するとともに、海外市場の成長に取組んでおります。
国内事業は、ノートや周辺用品の学び商材を中心とした販売活動へ取組みました。付加価値と収益性に拘り、特にBtoC市場におけるシェアの拡大を図りました。
海外事業は、中国では新型コロナウイルス感染拡大影響からの回復が進み、シェアの拡大と独自ポジションの確立という戦略が奏功し、文具売上が好調に推移し収益を伸ばしました。インドでは、新型コロナウイルス感染拡大影響による学校再開の遅れ等により、需要回復には一定の時間がかかる見通しです。
このような状況のもと、売上高は、前年同期比12.6%減の715億円となりました。営業利益は、前年同期比20.1%減の48億円となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
空間価値ドメイン |
13,855 |
89.3 |
|
グローバルステーショナリードメイン |
19,595 |
77.9 |
|
合計 |
33,450 |
82.3 |
(注)1 金額の表示は製造原価による。
2 上記金額は消費税等を含まない。
3 ビジネスサプライドメインは生産活動を行っていないため、記載を省略している。
②受注実績
当社グループは、主として見込生産のため、受注実績の記載を省略しております。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
空間価値ドメイン |
142,204 |
95.1 |
|
ビジネスサプライドメイン |
107,578 |
96.1 |
|
グローバルステーショナリードメイン |
50,493 |
86.6 |
|
その他 |
367 |
84.0 |
|
合計 |
300,644 |
93.9 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去している。
2 上記金額は消費税等を含まない。
3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略している。
(2)財政状態
当連結会計年度末の総資産は3,202億円となり、前連結会計年度末に比べ18億円増加しました。流動資産は1,891億円で、前連結会計年度末に比べ15億円増加しました。主な要因として、有価証券が64億円増加した一方、商品及び製品が27億円、受取手形及び売掛金が19億円、それぞれ減少したためであります。固定資産は1,311億円となり、前連結会計年度末に比べ3億円増加しました。主な要因として、投資その他の資産が18億円増加した一方、有形固定資産が13億円減少したためであります。
当連結会計年度末の負債は939億円となり、前連結会計年度末に比べ31億円減少しました。主な要因として、繰延税金負債が12億円増加した一方、未払法人税等が24億円、支払手形及び買掛金が23億円、それぞれ減少したためであります。
当連結会計年度末の純資産は2,263億円となり、前連結会計年度末に比べ50億円増加しました。主な要因として、利益剰余金が35億円、その他有価証券評価差額金が19億円、それぞれ増加した一方、為替換算調整勘定が6億円減少したためであります。
(3)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、905億円と前連結会計年度末に比べ71億円の資金増となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は192億円(前年同期比24億円の収入増)となりました。これは、主として税金等調整前当期純利益123億円、減価償却費61億円、たな卸資産の減少24億円、減損損失24億円、売上債権の減少19億円、持分法による投資損失16億円の資金収入等があった一方、法人税等の支払額62億円、仕入債務の減少22億円の資金支出等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は61億円(前年同期比35億円の支出減)となりました。これは、主として有形固定資産の売却による収入7億円、投資有価証券の売却による収入5億円の資金収入等があった一方、設備投資による66億円の資金支出等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は59億円(前年同期比1億円の支出増)となりました。これは、主として配当金の支払額47億円、リース債務の返済による11億円の資金支出等があったことによるものであります。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループは、2021年2月12日「長期ビジョンCCC2030」を公表し、成長戦略により2030年売上高5,000億円という目標を掲げました。今後その達成に向け1,800億円の戦略投資を実行予定であるとともに、資本効率をより意識した経営を推進するため自己株式取得の取り組みを開始しております。
運転資金及び設備投資資金につきましては、内部留保のほか金融機関からの借入により調達しております。また、内部留保により必要な資金の流動性を確保するとともに、当社グループにおいてキャッシュ・マネジメント・システムを導入し、グループ内資金の効率化を図っております。
このほか当社は、当連結会計年度末において運転資金の効率的な調達を行うため取引銀行4行と100億円の貸出コミットメント契約を締結しております。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されておりますが、この連結財務諸表の作成にあたっては、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債及び収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価を行っておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性があるため、これらの見積り結果と異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、特に重要なものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症による今後の影響等を含む仮定に関する情報は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
①持分法適用会社に対する投資の減損
持分法適用の関連会社のぺんてる㈱については、2020年4月から6月にかけて新型コロナウイルス感染症拡大により大きな影響を受けましたが、2020年7月以降は前年同期水準までには及ばないものの売上が回復基調となっております。当社では、新型コロナウイルス感染症の影響がいつまで継続するかは不透明でありますが、今後ワクチンの開発と供給が拡大することにより、感染症拡大による業績悪化については改善すると想定していることから、2020年12月末時点のぺんてる㈱の経営環境の著しい悪化等は認められず、減損の兆候がないと判断して、減損の認識の判定は行っておりません。
なお、2020年12月末現在における、持分法適用にあたり評価した顧客関連資産(税効果考慮後)及びのれん相当額は3,166百万円です。
②固定資産の減損
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、新たに減損処理が必要となる可能性があります。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当連結会計年度において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。
当社グループの当連結会計年度における研究開発費の総額は、
1.空間価値ドメイン
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、私たちの生活は様変わりし、働き方にも大きな変化をもたらしています。
リアルなオフィスからオンラインへワークプレースは拡張され、在宅ワーク、ペーパーレス、Web会議など新しい働き方に対し柔軟で変化に対応するオフィス環境作りをめざし、以下の商品を開発・製品化しました。
(1)ワークステーション「SOLANA(ソラナ)」
コロナ禍におけるオフィス環境での安心安全をコンセプトに企画開発した、当社独自の新しい発想のワークステーションです。天板表面には、5本のスリットが設けられています。スリットには高さのあるパネルや植栽を差し込んで安心感を向上、タブレットを差し込み、自席でクイックにリモート会議をすることも可能です。これらのアイテムは容易に付け外しができ、環境変化やモードにあわせて、周囲との心地よい距離感を備えたチームテーブルから、高集中のパーソナルスペースに切替えることが柔軟にできます。テーブルの天板にはメラミン天板、集成材天板、抗菌・抗ウイルスメラミン天板を用意しました。
(2)オフィスチェアー「Elua(エルア)」
豊富なカラーバリエーションとカジュアルな空間に馴染むオフィスチェアーです。快適なワークをサポートする基本性能として、体圧を分散させるため、座クッションの底面に溝形状を施しています。それにより前方への滑りも防ぎ、長時間の使用でも快適な座り心地を実現しました。また背もたれ上部に手掛けを設けていますので、チェアーを移動しやすくするとともに、直接背もたれに触れないことで、張地の汚れ等の軽減をサポートします。
(3)飛沫拡散防止パネル「FocusPanel(フォーカスパネル)」
吸音素材のパネルが周囲の視線をしっかりガード、集中ワークやWeb会議に適した簡単に自分だけの空間を作れるパネルブースです。前後に動かすだけでこもり感や作業スペースが調整できるだけでなく、「折り返し」形状を採用することで、オフィス内での飛沫感染予防対策を追求、飛沫の流れを可視化した実験を通じて高さの有効性も確認しています。また、アクリルタイプのパネルは、ご使用のデスクやテーブル、デスクトップパネルに設置でき、円滑なコミュニケーション維持することができるシリーズです。
(4)会議用テーブル「エアトリーブ」 ~会話で発生する飛沫・呼気を吸引~
オフィスの会議シーンの会話で生じる飛沫や呼気を吸引し、室内への飛沫の拡散を防止する会議テーブルです。社員同士の気軽な雑談や相談、お客様との商談や社内での重要な意思決定を伴う会議など、これまでオフィス内の個室を利用して当たり前に行われていたフェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションは行いにくくなっています。天板下に電子式集塵フィルターを内蔵した空気清浄ユニットを搭載し、天板中央の吸引部から毎秒2.5メートルの風の流れを発生させることで、会話で生じる飛沫や呼気を吸い込み、室内への飛沫の拡散を防ぎます。さらに、空気清浄ユニットが毎分15㎥(ユニット1台あたり)の風量で空気のろ過もするので、室内の衛生面での安心感を与えます。
(5)建材製品「WORK POD(ワークポッド)」
働き方や気分に合わせてオフィス内で手軽に1人用のワークスペースを確保できる製品です。Web会議や集中作業に適し、換気に配慮したクローズド環境を構築でき、周囲への音漏れを気にせずに集中できる空間を実現します。約30秒間毎に室内の空気を入れ替える自動換気機能を備えた「熱感知式消火器付き」と「天井オープン」の2種類があり、それぞれに、電話やメールチェック等の軽作業に適したスタンディング仕様と、WEB会議や資料作成等の集中作業に適したソファー仕様を用意しました。複数台並べても美しく納まるフレームデザインと、空間の雰囲気に合わせて選べる豊富なカラーバリエーションも特長です。オフィスの中に設置するだけで、働き方に合わせたモードチェンジが可能です。
(6)スタジアムチェアー「Centura(センチュラ)」
奥行きが少なく、コンパクトなフォルムでありながら、安定感のある座り心地を実現したスタジアムチェアーです。脚部の位置に制約を受けないレールシステムを採用することで、自由度の高いレイアウト設計が可能です。またカラーバリエーションは17色あり、スタジアムに様々な彩りを演出できます。
なお、当社「Centura」は、2020年1月1日に正式オープンされた国立競技場(観客席数約6万席)に、納品(※)しました。
※納品は国立競技場向けの特別仕様品です。当社が一般販売する標準品とは異なります。
以上の結果、当連結会計年度における研究開発費の金額は、
2.ビジネスサプライドメイン
当連結会計年度における研究開発費の金額は、
3.グローバルステーショナリードメイン
顧客のシーンごとに未充足ニーズを見出し、当社ならではの価値ある商品、差別化された商品を世の中に出すことで、お客様に支持され続ける商品づくりを目指しております。
際立った価値を提供できる商品や、新たな着眼点で既存の商品の価値を見直すことにより顧客ニーズに応える商品として、以下の商品を開発・発売しました。
(1)キャンパス ソフトリングノート
2015年の発売以来シリーズ累計1,500万冊を突破(2020年6月末時点)したソフトリングノートのやわらかリングを採用した、キャンパスノートの新ラインです。近年、タブレット授業や配布プリントの増加により机上面のスペース不足が顕在化しており、折り返してコンパクトに使用できるリングノートの需要が伸びています。やわらかリングは手に当たっても痛くなりにくく、学生に適した美しく書くことをサポートするドット入り罫線や、教科や用途別に色分けしやすくトレンド感も意識した優しいニュアンスカラーの表紙など学生ならではのニーズに応える仕様となっています。
(2)ツールペンケース「ピープ」
お気に入りのスタメン文具をおしゃれに見せることのできる、インナーケース付きの透明ペンケースです。近年、中高生を中心に学びのモチベーションを高めるためにSNSを活用してお気に入りの文房具の写真を投稿するユーザーが増加しており、透明のフロントポケットには使用頻度が高く見た目もお気に入りの“スタメン文具”を、インナーポケットには機能性重視の文具や小物類を、というように「見せる」と「隠す」の両立を実現することで、中高生の新たなニーズに応えています。
(3)2トーンカラーマーカー「マークタス」
ノートにまとまり感の出る組み合わせの2色を1つのペン先に採用したマーキングペンです。同系色で強弱のつけられる“カラータイプ”とカラーとグレーインクが1本になった“グレータイプ”をラインアップしており、絶妙なニュアンスカラーで、簡単にノートがすっきりまとまります。発売前からSNS等で話題となり大きな反響を頂いたことから、ラインマーカーと極細ペンが1本になった2ウェイカラーマーカーも同シリーズから追加で発売いたしました。
(4)白と黒で書くノート
2018年コクヨデザインアワードにて優秀賞を受賞した、視覚が持つ境界を利用した新感覚のノートです。灰色の紙に黒と白の文字を書くことで、大切な部分を際立たせたり、周辺情報を十分に記せたり、光と影を描いたりと、ノートの新しい使い心地を生み出します。東京・千駄ヶ谷のショップ&カフェ「THINK OF THINGS」及びコクヨオンラインショップ「コクヨショーケース」限定での販売にもかかわらず大変多くのお客様にご購入頂き、高い評価を得ています。
(5)感染症対策用品
新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、ビジネスシーンで活用できる感染症対策用品を発売いたしました。ファイル製品に使用されるPETシートや発泡PPシートを用いた「フェイスシールド」や、クリヤーホルダーの加工技術を応用した「コンパクトに折りたためるマスクケース」、使い捨ての来客用名札として使用できる「1片ずつ切り離せる衣服用名札ラベル」など、文具製造のノウハウを活用した製品をラインアップしています。
以上の結果、当連結会計年度における研究開発費の金額は、
4.その他
当連結会計年度における研究開発費の金額は、14百万円となりました。
5.全社(共通)
次世代の働き方や学び方の研究をベースにコクヨグループの新たな商品やサービスに関しての開発を行い、当連結会計年度における研究開発費の金額は、144百万円となりました。