第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 なお、新型コロナウイルス感染拡大による事業への影響については、引き続き今後の状況を注視してまいります。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において、判断したものであります。

 

(1)経営成績に関する分析

 当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染拡大影響により、引き続き不透明な状況で推移しております。経済正常化への動きは続いているものの、足元で緊急事態宣言の再発令がなされるなど、予断を許さない状況が続いております。

 このような状況のもと、当社グループは、今年を最終年とした中期経営計画「持続的な成長力の獲得 Smart & Sustainable Transformation 2021」として、メリハリを意識したスマートな稼ぐ力の向上と中長期事業成長を前提とした効率的な事業運営に取組んでおります。

 新型コロナウイルス感染拡大影響によって、当社グループを取り巻く経営環境は激変し、大きな影響を受けました。しかしながら、顧客及び従業員の安心安全と事業継続の両立に取組みつつ、事業環境や顧客ニーズの変化に柔軟に対応することで、引き続き強い競争力を発揮できているものと考えております。

 売上高は、前年同期比0.1%減の901億円となりました。売上総利益は、前年同期比1.0%減の345億円となりました。売上総利益率は、0.3ポイント低下の38.3%となりました。販売費及び一般管理費は、投資の優先順位付けによる人員配分とプロセスの見直しを推し進めたことにより、前年同期比5.3%減の245億円、売上高販管費率は27.2%となりました。

 以上により、営業利益は、前年同期比11.7%増の99億円、経常利益は、持分法適用関連会社であるぺんてる㈱において海外各国の新型コロナウイルス感染症による業績悪化影響が想定を上回ったこと等に伴い、減損損失50億円を含めた持分法による投資損失52億円を営業外損失として計上したこと等により、前年同期比39.5%減の53億円となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期比64.2%減の21億円となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は、以下のとおりです。

 

(空間価値ドメイン)

 空間価値ドメインでは、働き方・空間ニーズの多様化を取り込んだ新たな価値を創りつつ、盤石な収益基盤の構築に取組んでおります。

 国内事業は、新型コロナウイルス感染拡大防止対策への相談対応やオフィスのリニューアル需要の取込みに注力し、想定以上に進捗させることができました。

 海外事業は、非日系顧客へ向けて、国内で培った知見を活かしたワークスタイル提案に注力しました。中国では今後も成長が見込める市場へ販売活動を推進しております。

 ㈱アクタスは、インテリア需要の高まりへの対応として顧客とのオンライン商談や事前予約制の接客サービス等の営業活動に取組み、受注が好調に推移しております。

 このような状況のもと、売上高は、前年同期比0.7%増の473億円となりました。営業利益は、前年同期比4.0%増の83億円となりました。

 

(ビジネスサプライドメイン)

 ビジネスサプライドメインでは、流通基盤の統合とお客様にとって最適な販売体制の構築を図るマイグレーション戦略を推進しております。

 カウネット事業は、今年1月の緊急事態宣言によるオフィス出社率低下や在宅勤務拡大の影響を受けましたが、伸長するEC市場における更なる成長に向けてウェブ商材強化や顧客数拡大等の取組みを推進しております。

 代理店販売事業は、顧客の購買行動のEC等への切り替えが継続している現状に鑑み、販売面及び物流面の効率化を推進しております。

 このような状況のもと、売上高は、前年同期比0.6%増の312億円となりました。営業利益は、前年同期比16.5%増の7億円となりました。

 

(グローバルステーショナリードメイン)

 グローバルステーショナリードメインでは、国内市場における事業環境の大きな変化に向けて、体制整備を含む柔軟な対応を行うことによって収益の維持を目指すとともに、今後も成長が見込める海外市場の成長に取組んでおります。

 国内事業は、新型コロナウイルス感染拡大影響によってBtoB市場とBtoC市場がそれぞれ影響を受けておりますが、BtoC市場におけるシェアの拡大、顧客ニーズに合わせたノートや文具を中心とした付加価値の高い学び商材の販売強化へ取組みました。

 海外事業は、インドでは新型コロナウイルス感染拡大影響により需要回復が遅れたものの、経済環境がいち早く回復しつつある中国においては、女子中高生をターゲットとした文具売上が好調に推移しました。

 このような状況のもと、売上高は、前年同期比3.8%減の200億円となりました。営業利益は、前年同期比10.9%増の23億円となりました。

 

(2)財政状態に関する分析

当第1四半期連結会計期間末の総資産は3,192億円となり、前連結会計年度末に比べ10億円減少しました。

流動資産は1,918億円で、前連結会計年度末に比べ26億円増加しました。主な要因として、受取手形及び売掛金が151億円、有価証券が50億円、それぞれ増加した一方、現金及び預金が177億円減少したためであります。

固定資産は1,273億円となり、前連結会計年度末に比べ37億円減少しました。主な要因として、有形固定資産が8億円増加した一方、投資その他の資産が43億円減少したためであります。

当第1四半期連結会計期間末の負債は929億円となり、前連結会計年度末に比べ10億円減少しました。主な要因として、未払法人税等が20億円増加した一方、1年内返済予定の長期借入金が30億円減少したためであります。

当第1四半期連結会計期間末の純資産は2,263億円となり、前連結会計年度末に比べ0億円減少しました。主な要因として、為替換算調整勘定が4億円増加した一方、利益剰余金が1億円、自己株式の増加により6億円、それぞれ減少したためであります。

 

(3)キャッシュ・フローの状況に関する分析

 当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は777億円であり、前連結会計年度末に比べ127億円の資金減となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当第1四半期連結累計期間における営業活動により支出した資金は38億円(前年同期比25億円の支出減)となりました。これは、主として税金等調整前四半期純利益53億円、持分法による投資損失52億円、賞与引当金の増加18億円、減価償却費16億円の資金収入等があった一方、売上債権の増加149億円、法人税等の支払額11億円、仕入債務の減少3億円、たな卸資産の増加2億円の資金支出等があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当第1四半期連結累計期間における投資活動により支出した資金は20億円(前年同期比7億円の支出増)となりました。これは、主として設備投資による支出12億円、関係会社株式の取得による支出8億円の資金支出等があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当第1四半期連結累計期間における財務活動により支出した資金は72億円(前年同期比51億円の支出増)となりました。これは、主として長期借入金の返済による支出30億円、配当金の支払額23億円、自己株式取得のための預託金の増加12億円、リース債務の返済による支出3億円の資金支出等があったことによるものであります。

 

  (4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び見積りに用いた仮定の内、持分法適用会社に対する投資の減損について、重要な変更を行っております。

 詳細については、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループは、将来にわたる企業のありたい姿を「コクヨは、商品・サービスを通じて、顧客の創造性を向上する価値を提供することにより、人々のより良いはたらく・まなぶ・生活する“Quality of Lifeの向上”を実現し、社会の役に立つLife & Work Style Companyを目指す」としています。また、中長期の経営課題を「低成長からの脱却」としたうえで、中期経営計画を進めております。

 2019年12月期を初年度とする3ヵ年の第2次中期経営計画では、目指す姿の実現及び中長期の経営課題を解決するための次なるテーマを「事業規模の持続的成長」としました。中長期の取組みとして、成長が望める新しいエリア及び顧客ニーズを取り込むことで、事業規模の拡大を目指します。足元では、日本経済及び世界経済全体の先行きに対する不透明感が継続していることから、当初目標としていた目標数値を修正しております。

 なお、2030年に全社で売上高5,000億円をゴールとした「長期ビジョンCCC2030」を策定いたしました。当該ビジョンの詳細につきましては、2021年2月12日付け「長期ビジョンCCC2030の策定に関するお知らせ」において記載のとおりです。

 

 第2次中期経営計画の概要につきましては、以下としております。

 

1.第2次中期経営計画骨子

 第2次中期経営計画「持続的な成長力の獲得 Smart & Sustainable Transformation 2021」において、メリハリを意識したスマートな稼ぐ力の向上と、中長期の事業成長の加速を前提とした効率的な事業運営を推進します。

 

2.目標とする経営指標

 第2次中期経営計画の最終年度である2021年12月期は、2021年5月10日付け「2021年12月期第2四半期及び通期連結業績予想の修正ならびに減損損失の計上に関するお知らせ」において記載の通り、足元の業績動向等を勘案し、売上高3,210億円、売上総利益1,158億円、営業利益186億円を見込んでいます。

(単位:億円)

 

2021年12月期

 

第2次中期経営計画の修正目標

(2020年10月26日公表)

今期の修正目標

(2021年5月10日公表)

売上高

3,050~

3,210

売上総利益

(率)

1,093~

(35.8%~)

1,158

(36.1%)

営業利益

(率)

130~

(4.3%~)

186

(5.8%)

 

3.戦略投資の強化

 第2次中期経営計画における3ヵ年で、既存設備更新等の定常的な投資とは別に、戦略投資枠として約150億円を計画しておりましたが、経済環境の変化を受けて、一旦取り下げることと致します。なお今後の戦略投資に係る方針につきましては、今後策定を進めてまいります第3次中期経営計画の中で説明致します。

 

4.株主還元について

 株主還元方針として、引き続き株主の皆様への利益還元に努めます。配当額につきましては、第2次中期経営計画において当初掲げていた配当性向40%及び前期比での増配を達成すべく、足元の経済環境及び業績動向に鑑み決定してまいります。それとともに、中長期の成長に必要な設備投資、研究開発、M&A等の資金需要のための内部留保の充実を図りながら、持続的成長力の獲得と企業価値向上に努めてまいります。

 なお、2021年2月22日付け「自己株式取得に係る事項の決定に関するお知らせ」において「長期ビジョンCCC2030」の達成に向けて、資本効率をより意識した経営を推進していくことの一環として、自己株式取得の取組みを開始してまいります。取得期間は、2021年3月1日~2022年2月28日の間で50億円を上限としております。

 

5.事業ドメイン運営

 これまで以上にダイナミックな改善及び大胆な成長に事業本部を超えて挑戦するために、将来の顧客ニーズの変化をとらえたコト視点で、2019年12月期から3つの事業ドメイン(空間価値、ビジネスサプライ、グローバルステーショナリー)を推進しております。

 

①空間価値ドメイン

 国内外のファニチャー事業に加えアクタスを含む空間価値ドメインにおいては、働く人の目的及び働き方に合わせて空間及びスタイルを選択できる「ABW(Activity Based Working)」のニーズが全世界で広がっていることに対し、国内ファニチャー事業の持続的成長を確実なものとしながら、中長期での成長領域(グローバル、暮らす等)の検証を進めます。これにより、国内ファニチャー事業におけるシェア向上及び収益基盤の盤石化を実現し、売上高及び営業利益の拡大を目指します。

 

②ビジネスサプライドメイン

 オフィス関連用品の卸及びオフィス通販が含まれるビジネスサプライドメインにおいては、流通事業を取り巻く環境の変化によって事業の課題がより顕著になってきたことに対して、卸販売モデル及び通販モデルを一体としてとらえて効率化に取組むことによって、持続性を高めるための構造改革及び顧客基盤の強化を進めます。これにより、営業利益率は維持しながら、運転資本の効率的活用等によって事業効率性の向上を目指します。

③グローバルステーショナリードメイン

 国内外のステーショナリー事業を含むグローバルステーショナリードメインにおいては、国内における文具シェアトップメーカーとしての強みを活かし、各国市場における成長トレンドを継続しつつ、新たな成長領域を意識した成長戦略の策定及び検証を行います。これにより、国内外における選択と集中を行い、海外における売上成長ならびに国内でのシェア維持及び売上総利益率の向上を進めることによって、グローバル文具市場でのシェアの成長を目指します。

 

 以上の経営方針に基づき、当社グループにおける持続的成長の獲得を目指してまいります。

 

 会社の支配に関する基本方針については、当第1四半期連結累計期間において重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は310百万円であります。

なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。