当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
なお、新型コロナウイルス感染拡大による事業への影響については、引き続き今後の状況を注視してまいります。
文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において、判断したものであります。
(1)経営成績に関する分析
当第3四半期連結累計期間(2021年1月1日から2021年9月30日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染拡大影響により、引き続き不透明な状況で推移しております。ワクチン接種の広がり等により、経済正常化への動きは続いているものの、緊急事態宣言の再発令が繰り返されるなど、予断を許さない状況が続いております。
このような状況のもと、当社グループは、今年を最終年とした中期経営計画「持続的な成長力の獲得 Smart & Sustainable Transformation 2021」として、メリハリを意識したスマートな稼ぐ力の向上と中長期事業成長を前提とした効率的な事業運営に取り組んでおります。
新型コロナウイルス感染拡大影響によって、当社グループを取り巻く経営環境は激変し、大きな影響を受けました。しかしながら、各顧客企業がコロナ禍における新しい働き方を模索する中、当社グループがこれまで行ってきた価値提供を活かし、新たな需要の取り込みができているものと考えております。
売上高は、前年同期比8.1%増の2,418億円となりました。売上総利益は、前年同期比10.1%増の895億円となりました。売上総利益率は、0.7ポイント改善の37.0%となりました。販売費及び一般管理費は、前年同期比2.9%増の711億円となりました。グループ経営を推進し、販管費支出の効率化や人員等のリソース配分の見直しによる筋肉質化を推し進めた結果、売上高販管費率は29.4%となり前年同期比での改善が継続しております。
以上により、営業利益は、前年同期比51.0%増の184億円となりました。経常利益は、第1四半期において持分法適用関連会社であるぺんてる㈱にかかる減損損失50億円を営業外損失として計上したものの、前年同期比23.4%増の145億円となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、第2四半期において投資有価証券売却益35億円を特別利益として計上したこと等により、前年同期比38.1%増の115億円となりました。
セグメントごとの経営成績は、以下のとおりです。
(空間価値ドメイン)
空間価値ドメインでは、働き方・空間ニーズの多様化を取り込んだ新たな価値を創りつつ、盤石な収益基盤の構築に取り組んでおります。
国内事業は、顧客に対してニューノーマルな働き方に向けた新しいオフィスづくりの提案へ注力し、新型コロナウイルス感染拡大防止対策への相談対応やオフィスのリニューアル需要の取り込みが期初想定以上に進捗し、過去最高水準で推移しております。
海外事業は、非日系顧客へ向けて、国内で培った知見を活かしたワークスタイル提案に注力しました。中国では今後も成長が見込める市場へ販売活動を推進しております。
㈱アクタスは、インテリア需要の高まりへの対応として顧客へのオンライン商談や事前予約制の接客サービス等の営業活動に取り組み、受注が好調に推移しております。
このような状況のもと、売上高は、前年同期比10.6%増の1,211億円となりました。営業利益は、前年同期比42.9%増の162億円となりました。
(ビジネスサプライドメイン)
ビジネスサプライドメインでは、流通基盤の統合とお客様にとって最適な販売体制の構築を図るマイグレーション戦略が順調に進捗しており、収益改善が進んでおります。
カウネット事業は、繰り返される緊急事態宣言の発令によるオフィス出社率低下や在宅勤務拡大の影響を受けましたが、伸長するEC市場における成長機会を獲得するために、新規顧客数獲得施策の実行や非オフィス市場での売上拡大等の取り組みを推進しております。
代理店販売事業は、顧客の購買行動のEC等への切り替えが継続している現状に鑑み、販売面及び物流面の効率化を推進しております。
このような状況のもと、売上高は、前年同期比3.9%増の853億円となりました。営業利益は、前年同期比14.6%増の18億円となりました。
(グローバルステーショナリードメイン)
グローバルステーショナリードメインでは、国内市場における事業環境の大きな変化に向けて体制整備を含む柔軟な対応を行うことによって収益の維持を目指すとともに、今後も成長が見込める海外市場の収益確保に取り組んでおります。
国内事業は、新型コロナウイルス感染拡大影響によってBtoB市場とBtoC市場がそれぞれ影響を受けておりますが、BtoC市場におけるシェアの拡大、顧客ニーズに合わせたノートや文具を中心とした付加価値の高い学び商材の販売強化へ取り組みました。
海外事業は、インド等において新型コロナウイルス感染拡大影響による需要回復の遅れが見られるものの、経済環境がいち早く回復しつつある中国においては、女子中高生をターゲットとした文具売上が好調に推移しました。
このような状況のもと、売上高は、前年同期比2.9%増の552億円となりました。営業利益は、前年同期比30.8%増の50億円となりました。
依然として事業環境は厳しい状況が続いておりますが、国内事業における販管費支出効率化等による筋肉質化や海外事業の成長によって、営業利益はコロナ前の2019年を上回る水準で推移しています。
(2)財政状態に関する分析
当第3四半期連結会計期間末の総資産は3,101億円となり、前連結会計年度末に比べ101億円減少しました。
流動資産は1,856億円となり、前連結会計年度末に比べ35億円減少しました。主な要因として、有価証券が49億円増加した一方、受取手形及び売掛金が65億円、現金及び預金が25億円、それぞれ減少したためであります。
固定資産は1,244億円となり、前連結会計年度末に比べ66億円減少しました。主な要因として、有形固定資産が7億円増加した一方、投資その他の資産が70億円、無形固定資産が3億円、それぞれ減少したためであります。
当第3四半期連結会計期間末の負債は806億円となり、前連結会計年度末に比べ133億円減少しました。主な要因として、支払手形及び買掛金が104億円、1年内返済予定の長期借入金が30億円、それぞれ減少したためであります。
当第3四半期連結会計期間末の純資産は2,295億円となり、前連結会計年度末に比べ31億円増加しました。主な要因として、利益剰余金が66億円、為替換算調整勘定が8億円、それぞれ増加した一方、その他有価証券評価差額金が19億円、自己株式の増加により25億円、それぞれ減少したためであります。
(3)キャッシュ・フローの状況に関する分析
当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は930億円であり、前連結会計年度末に比べ24億円の資金増となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間における営業活動により獲得した資金は157億円(前年同期比56億円の収入増)となりました。これは、主として税金等調整前四半期純利益184億円、売上債権の減少68億円、持分法による投資損失53億円、減価償却費49億円、賞与引当金の増加19億円の資金収入等があった一方、仕入債務の減少106億円、投資有価証券売却益35億円、法人税等の支払額32億円の資金支出等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間における投資活動により支出した資金は4億円(前年同期比34億円の支出減)となりました。これは、主として投資有価証券の売却による収入39億円の資金収入等があった一方、設備投資による支出38億円、関係会社株式の取得による支出9億円の資金支出等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間における財務活動により支出した資金は133億円(前年同期比82億円の支出増)となりました。これは、主として配当金の支払額48億円、長期借入金の返済による支出30億円、自己株式の取得による支出26億円、自己株式取得のための預託金の増加11億円、リース債務の返済による支出9億円の資金支出等があったことによるものであります。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び見積りに用いた仮定の内、持分法適用会社に対する投資の減損について、重要な変更を行っております。
詳細については、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、将来にわたる企業のありたい姿を「コクヨは、商品・サービスを通じて、顧客の創造性を向上する価値を提供することにより、人々のより良いはたらく・まなぶ・生活する“Quality of Lifeの向上”を実現し、社会の役に立つLife & Work Style Companyを目指す」としています。また、中長期の経営課題を「低成長からの脱却」としたうえで、中期経営計画を進めております。
2019年12月期を初年度とする3ヵ年の第2次中期経営計画では、目指す姿の実現及び中長期の経営課題を解決するための次なるテーマを「事業規模の持続的成長」としました。中長期の取組みとして、成長が望める新しいエリア及び顧客ニーズを取り込むことで、事業規模の拡大を目指します。足元では新型コロナウイルス感染拡大影響により事業環境の不透明感が継続しているものの、各顧客企業がコロナ禍における新しい働き方を模索する中、当社グループがこれまで行ってきた価値提供を活かし、新たな需要の取り込みができているものと考えております。
その結果、2021年7月30日に公表致しました2021年12月期連結業績予想では、売上高が2期ぶりの増収、営業利益が3期ぶりの増益となり、いずれも2019年の水準を上回る水準となる見込みです。それに伴い、営業利益率が6.3%と第2次中期経営計画において当初掲げていた6.2%をも超える見通しですが、これは第1次中期経営計画より続けてまいりました収益性改善の取り組みの成果が表れているものと認識しております。
なお、2030年に全社で売上高5,000億円をゴールとした「長期ビジョンCCC2030」を策定いたしました。当該ビジョンの詳細につきましては、2021年2月12日付け「長期ビジョンCCC2030の策定に関するお知らせ」において記載のとおりです。
第2次中期経営計画の概要につきましては、以下としております。
1.第2次中期経営計画骨子
第2次中期経営計画「持続的な成長力の獲得 Smart & Sustainable Transformation 2021」において、メリハリを意識したスマートな稼ぐ力の向上と、中長期の事業成長の加速を前提とした効率的な事業運営を推進します。
2.目標とする経営指標
第2次中期経営計画の最終年度である2021年12月期は、2021年7月30日付け「2021年12月期 第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」において記載の通り、足元の業績動向等を勘案し、売上高3,220億円、売上総利益1,167億円、営業利益202億円を見込んでいます。
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(単位:億円) |
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2021年12月期 |
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第2次中期経営計画の修正目標 (2020年10月26日公表) |
今期の見通し (2021年7月30日公表) |
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売上高 |
3,050~ |
3,220 |
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売上総利益 (率) |
1,093~ (35.8%~) |
1,167 (36.2%) |
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営業利益 (率) |
130~ (4.3%~) |
202 (6.3%) |
3.戦略投資の強化
第2次中期経営計画における3ヵ年で、既存設備更新等の定常的な投資とは別に、戦略投資枠として約150億円を計画しておりましたが、経済環境の変化を受けて、一旦取り下げることと致します。なお今後の戦略投資に係る方針につきましては、今後策定を進めてまいります第3次中期経営計画の中で説明致します。
4.株主還元について
株主還元方針として、引き続き株主の皆様への利益還元に努めます。配当額につきましては、第2次中期経営計画において当初掲げていた配当性向40%及び前期比での増配を達成すべく、足元の経済環境及び業績動向に鑑み決定してまいります。それとともに、中長期の成長に必要な設備投資、研究開発、M&A等の資金需要のための内部留保の充実を図りながら、持続的成長力の獲得と企業価値向上に努めてまいります。
なお、2021年2月22日付け「自己株式取得に係る事項の決定に関するお知らせ」において「長期ビジョンCCC2030」の達成に向けて、資本効率をより意識した経営を推進していくことの一環として、自己株式取得の取組みを開始しております。取得期間は、2021年3月1日~2022年2月28日の間で50億円を上限としております。
5.事業ドメイン運営
これまで以上にダイナミックな改善及び大胆な成長に事業本部を超えて挑戦するために、将来の顧客ニーズの変化をとらえたコト視点で、2019年12月期から3つの事業ドメイン(空間価値、ビジネスサプライ、グローバルステーショナリー)を推進しております。
①空間価値ドメイン
国内外のファニチャー事業に加えアクタスを含む空間価値ドメインにおいては、働く人の目的及び働き方に合わせて空間及びスタイルを選択できる「ABW(Activity Based Working)」のニーズが全世界で広がっていることに対し、国内ファニチャー事業の持続的成長を確実なものとしながら、中長期での成長領域(グローバル、暮らす等)の検証を進めます。これにより、国内ファニチャー事業におけるシェア向上及び収益基盤の盤石化を実現し、売上高及び営業利益の拡大を目指します。
②ビジネスサプライドメイン
オフィス関連用品の卸及びオフィス通販が含まれるビジネスサプライドメインにおいては、流通事業を取り巻く環境の変化によって事業の課題がより顕著になってきたことに対して、卸販売モデル及び通販モデルを一体としてとらえて効率化に取組むことによって、持続性を高めるための構造改革及び顧客基盤の強化を進めます。これにより、営業利益率は維持しながら、運転資本の効率的活用等によって事業効率性の向上を目指します。
③グローバルステーショナリードメイン
国内外のステーショナリー事業を含むグローバルステーショナリードメインにおいては、国内における文具シェアトップメーカーとしての強みを活かし、各国市場における成長トレンドを継続しつつ、新たな成長領域を意識した成長戦略の策定及び検証を行います。これにより、国内外における選択と集中を行い、海外における売上成長ならびに国内でのシェア維持及び売上総利益率の向上を進めることによって、グローバル文具市場でのシェアの成長を目指します。
以上の経営方針に基づき、当社グループにおける持続的成長の獲得を目指してまいります。
会社の支配に関する基本方針については、当第3四半期連結累計期間において重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は1,109百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。